Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

Post-Metal

Junius 『Eternal Rituals for the Accretion of Light』

Artist Junius
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Album 『Eternal Rituals for the Accretion of Light』
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Tracklist

01. March Of The Samsara
02. Beyond The Pale Society
05. All That Is, Is Of The One
07. Telepaths & Pyramids
08. Masquerade In Veils
09. Heresy Of The Free Spirit
10. Black Sarcophagus

USはボストンが生んだ”天才バンド”ことJuniusといえば、ポストロックやポストメタルやポストパンクなどのPost-系をはじめ、同時にシューゲイザーやオルタナティブ・ロックやら幾多のジャンルを経由した、いわゆる”ごった煮”系の音楽性を特徴としたバンドで、俺的年間BESTの一枚に選んだ2011年作の2ndアルバム『Reports From the Threshold of Death』では、崇高かつ神々しいクワイヤを擁したエピカルでコンセプティブな”ヘヴィ・シンフォニー”を繰り広げ、その天才的な才能が高く評価された天才バンドは同年にAlcestとのカップリングツアーにも参加し、2014年にはEPの『Days of the Fallen Sun』をドロップする。この勢いのまま、恵まれた環境でエリートコースまっしぐらのキャリアを積み上げ、さてそろそろフルアルバム!と周囲が期待するなか、今年に入ってから急遽ギタリストが脱退、気づけば中心人物のJoseph E. MartinezとドラマーDana Filloonの二人組バンドになっていた。そんな苦難に見舞われた天才バンドが、約6年ぶりに放つフルアルバムがこの『Eternal Rituals for the Accretion of Light』だ。

天才バンドといえば、曲タイトルに()のついたSEをアルバムの中に組み込み、そのスピリチュアルでコンセプチュアルな作品の世界観をより深めるギミック的な演出を設けていたが、しかし今回の曲目を見れば分かるように、本作には天才バンドのキモである()が付いた曲が見当たらない。確かに、ほんの些細なことかも知れないが、これは一体ナニを意味するのだろうか?

EPの延長線上にある、原始的な未開の部族の遠吠えとパーカッションによる儀式的な幕開けを飾る一曲目の”March Of The Samsara”から、変拍子を効かせたシューゲイザーライクなアトモスラッジ系のヘヴィネスと荘厳かつ神聖な世界観を構築するゴシック/シンフォニックなシンセサウンドが織りなす、天才バンドらしいスケール感溢れる壮大なサウンド・スケープは不変で、よりヘヴィに、よりダークに、そしてよりモダンなサウンドを展開し、少なくとも二人組になった影響は音からは微塵も感じさせない。



天才バンドらしいポストパンク風のボーカルワークとまだDeftonesが「シューゲイザー」と呼ばれていた初期の頃を彷彿させる2曲目の”Beyond the Pale Society”チノ・モレノのモノマネ芸人名乗れるレベルのチノ声やモダン・ヘヴィネス然としたグルーヴィにウネるギターまで全てがデブ豚リスペクトな3曲目の”A Mass for Metaphysicians”、そしてCircle Takes The SquareDrew Spezialeをゲストに迎えた曲で、近年のDIR EN GREYを彷彿させるリフ回しを垣間見せる4曲目の”Clean The Beast”を聴けば、今作がいかに「オルタナティブ・メタル」という特定のジャンルに歩み寄った作品なのかが分かる。

そして、本来は()が付いているはずの今作唯一のSE曲となる5曲目の”All that is, is of the One”から、イントロからエレクトロポップが始まったかと勘違いするポップなメロディをフィーチャーした6曲目の”The Queen's Constellation”を皮切りに、神聖なクワイヤを駆使した暗黒スロウコアみたいな7曲目の”Telepaths & Pyramids”、ミニマルでオリエンタルなシンセの妖しげなメロディをフィーチャーしたアコギチューンの”Masquerade in Veils”、一転して再びデブ豚ライクなサウンドを聴かせる9曲目の”Heresy of the Free Spirit”、そしてスロウコアな幕開けから徐々にスケール感を増していく10曲目の”Black Sarcophagus”まで、後半からは非メタル的な曲調を中心に、近未来感のあるモダンなアレンジやオリエンタルな側面を垣間見せる、それこそ天才バンドとしての異質な才能を遺憾なく発揮する。

音の面で言うと、前作みたいな盟友Rosettaライクなごった煮ポストメタル感は希薄で、今作はメタルはメタルでも往年のDeftonesリスペクトな、あくまでもモダンなヘヴィネスに振り切ったオルタナティブ・メタルだ。正直、ギタリスト脱退という窮地に追いやられたにも関わらず、ここまでの作品を出してくるなんてもはや天才バンドたる所以としか言いようがない。

Eternal Rituals for the Accret
Junius
Prosthetic Records (2017-03-03)
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lantanaquamara 『ランタナカマラ』

Artist lantanaquamara
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EP 『ランタナカマラ』
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Tracklist
01. 図書館の葬列
02. 鳳凰木
03. 夏至を待つ夢はトンネルで
04. アルビノの流星雨
05. 華燭に抱かれた天文台

おいら、わりと長い間ブログやってるのに、今でもライブドアブログの設定とか仕様とか全然知らなくて、それこそブログの管理画面は記事を書く時によく使うけど、拍手コメントやメッセージ機能があるプロフィールの管理画面は滅多に見ることがなくて、だから未だに拍手コメやメッセージ機能の仕組みを理解していなかったりする(管理人なのに)。ブログのコメント機能は随分前にスパム対策で廃止したので、つまり当ブログとコンタクトを取る方法って実質拍手コメントやプロフのメッセージからしかできない状態になっている。で、めちゃくちゃ久しぶりに、それこそ数年ぶりくらいにプロフの管理画面を見たら、記事のミスを指摘する拍手コメとメッセージがいくつか届いてて、その中に「趣味が合うので会いたいです」みたいなメッセージもあって「いや怖すぎんだろお前」とか思ったりして、で去年のメッセージに音源レビューの掲載依頼という名の営業があって、その依頼者というのが以前ツイッターでやりとりしたことのある(らしい)、ポストメタルバンドlantanaquamaraSO)))氏だった。

「Thinking Man's Metal from JPN」をコンセプトに掲げる、そのSO)))君を中心に2013年に結成されたlantanaquamaraは、ボーカルのToshiya Kawamitsu氏とトラックメーカーのMata-Low氏による3人トリオだ。彼らが昨年の11月にリリースした1st EP『ランタナカマラ』は、Isis、envy、Deftones、Tool、Mogwai、Cult Of Luna等のようなバンドから影響を受けているが、結果として何かのコピーではなく、一定のオリジナリティを担保することに成功した作品であると自負するとおり、その手のポストメタル勢が築き上げた轟音ヘヴィロックを基礎に、そこへモダンでリリカルなアプローチを加えたサウンドスケープを展開している。

再生すると、難解なポエムでも朗読するかのような語り部からその詩的な世界観へと引き込む#1”図書館の葬列”で幕を開け、2曲目の”鳳凰木”では、イントロからIsisCult of Lunaを連想させるミニマルなプログラミング/エフェクトや近未来都市感溢れるレトロモダンなサウンドアプローチを垣間見せながら、envyリスペクトなカオティックHC系のスクリームとポストハードコア系のサウンド・スタイルを披露し、そしてクライマックスではRiversideばりの崇高なギターを靡かせてドラマティックな展開力と音のスケール感を力強くアピールしていく。

sleepmakeswavesを彷彿とさせるインスト系ポストロック譲りのメロウなセンスを覗かせる#3”夏至を待つ夢はトンネルで”を間に挟んで、イントロからメシュガーからの影響を感じさせるメタリックなリフで始まる#4”アルビノの流星雨”では、ボーカルのToshiya Kawamitsu氏がDIR EN GREYの大ファンと言うだけあって、その影響を顕著に垣間見せるような、文学的もしくは哲学的な歌詞というよりは『言葉』の短文を積み重ねていき、lantanaquamaraの中に隠された一面でもある「ヴィジュアル系」の世界観を繰り広げていく。この歌詞の中二病っぽさは極めてV系的と言える。

オルゴールやオルガンを駆使した雰囲気のあるイントロから、探偵小説ばりに謎めいた世界観を形成する”華燭に抱かれた天文台”は、それこそアートワークの神聖な宮殿をモチーフにした荘厳かつ重厚な世界観と彼らのウリである詩的なポエムワールドが、けたたましいウネリをあげるような轟音ヘヴィネスとともに爆発する、それこそlantanaquamaraが持つ魅力の全てが詰まったような一曲だ。この曲を聴いてしまえば、SO)))君のコンポーザー能力に何の疑いも出ないだろう。

「文学的」なバンドと言えば、ハルキスト系プログレ・バンドの森は生きているが2015年に解散したのはわりとマジでショックだったのだけど、彼らとは音楽性こそ違うが、その江戸川乱歩的な曲名をはじめポエティックな世界観は森は生きているに通じるモノがある。このlantanaquamara、随所で垣間見せるそのメロディセンスは目を見張るものがあるし、変拍子を交えたインテリジェンスでドラマティックな展開力も聴き応え十分だが、まず何よりも「詞の世界」に注目して欲しいバンドだ。

このEPでは、その手のポスト-系でもV系でもナニ系でも、どの方向性にも進めるバンドの未来とその可能性を無限大に感じさせるほど、ポストメタル勢のフォロワー的な部分とインテリこじらせた文学的かつコンセプティブな歌詞世界をはじめとしたオリジナルの部分が上手く融け合っている。これは俄然フルアルバムに期待を持たせる力作だ。
 

Esben and the Witch 『A New Nature』

Artist Esben and the Witch
Esben and the Witch

Album A New Nature
A New Nature

Tracklist
01. Press Heavenwards!
02. Dig Your Fingers In
03. No Dog
04. The Jungle
05. Those Dreadful Hammers
06. Wooden Star
07. Blood Teachings
08. Bathed In Light

UKの相対性理論 ・・・アイスランドのマイルドヤンキーことSólstafirと対バンすると聞いた時は、魔女が"俺の界隈"の一員である事を証明しているようで面白かったんだが、そんな"ナイトメアポップ"を称するUKはブライトン出身の三人組、Esben and the Witchの約一年ぶりとなる3rdアルバム『A New Nature』は、音楽専門クラウドファンディングPledgeMusicにて制作資金を募り、プロデューサーにはNirvanaやPJ Harveyとの仕事で知られる重鎮スティーヴ・アルビ二を迎えてレコーディングされた作品で、自身で新たに立ち上げたレーベルNostromo Recordsからリリースされている。で、前作のWash the Sins Not Only the Faceでは、それこそ"イギリス郊外でパラレルワールド"ならぬ"イギリス郊外でねるねるねるね"やってて、言うなればUKの相対性理論みたいなシティ・ポップ作品だった。

!!! ・・・その前作から一年ぶりの3rdアルバム『A New Nature』は、プロデューサーにスティーヴ・アルビニというだけあって、前作とは確実に一線を画した作風にガラッとその姿を変えている。初っ端から10分を超える#1"Press Heavenwards!""!"の部分からも垣間見える(えっ)、自らの"ルーツ"であるGodspeed You! Black EmperorSwansへのアツいリスペクトが込められた、まるで一本のロードムービーを観ているかのようなポストロック然とした音のスケール感とノイズロック然とした荒々しい轟音ヘヴィネスが一体化した作風となっている。それは前作の幾つかの曲を聴けば分かるように、もともと轟音ポストロックライクな嗜好を持っていた彼らだが、本作ではその"Post-系"に対する"憧れ"みたいなナニカが露骨に表面化している。中でも、Subrosa顔負けのシブいトランペットをフューチャーした14分を超える大作の#4"The Jungle"では、Earth界隈直系のダーティなムードと自然マジリスペクトなスケール感を併せ持つ昂然たるポストロックやってて、続く#5"Those Dreadful Hammers"ではUlver&Sunn O)))顔負けのドローン/ドゥーム系の歪んだ轟音ヘヴィネスにド肝を抜かれる。そして徐々にシブ味が増していくようなミニマルなメロディで聴かせる#6"Wooden Star"までの流れは本作のハイライトで、それはまるで聖地巡礼へと向かう崇高な旅路を、朽ち果てた荒野を一歩一歩力強く踏みしめていくような、人間の尊厳を深裂に描き出していくような重厚かつ荘厳な音に只々圧倒される。まるで気分は映画『ザ・ロード』のヴィゴ・モーテンセンだ。

Post-系 ・・・とにかく、前作のメルヘンチックなメンへラ系サブカル音楽からは到底想像できない、一線を超えちゃったエクスペリメンタルでオーガニックな、アメリカンナイズされた骨太な轟音とのギャップに"ねるねるねるね"のババアも→「エスベンと魔女は、ヘっへっへ。ねればねるほど色が変わって...ギョエエエエエエエエエ!?」ってなるくらい様変わりしている。例えるなら→か弱いサブカル女子が屈強な女ボディビルダーに変貌したような感覚あるし、そして何よりもエスベンと魔女のアーティストとしてのポテンシャルに驚かされる。要するに、いわゆる"俺の界隈"とは少し距離のあるノイズ/ドローン界隈の立ち位置から音を鳴らしている。個人的な嗜好は置いといて、その完成度は前作を遥かに凌駕している。確かに、そもそも魔女がこれをやる必要があるのか?という疑問は残る。が、むしろ魔女がやるからこそ"面白さ"が見出だせるアルバムなんじゃあないかと思う。特に、UKミュージック愛に溢れた2:54The Other Iと聴き比べると俄然面白い事になる。しっかし、これだけヘヴィでアグレッシヴな、それこそIsisにも精通しそうな音響系ヘヴィロック、ある種の"ポストメタル"とも取れる音を出している所を見ると、あのマイルドヤンキーと対バンするのにも自然と納得がいく。
 
A New Nature
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Esben and the Witch
Nostromo Records (2014-09-09)
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Ghost Brigade 『IV – One With the Storm』

Artist Ghost Brigade
Ghost Brigade

Album 『IV – One With the Storm』
IV – One With the Storm

Tracklist
01. Wretched Blues
02. Departures
03. Aurora
04. Disembodied Voices
05. Electra Complex
06. Stones And Pillars
07. Anchored
08. The Knife
09. Long Way To The Graves
10. Elämä On Tulta

北欧フィンランドの音楽といえば→Sonata ArcticaStratovariusなどのコッテコテなヘヴィメタルバンドを数多く輩出している国というイメージが強いが、この2005年にフィンランドはユヴァスキュラで結成された6人組のGhost Brigadeは、その名をシーンに知らしめた2ndアルバムIsolation Songsでは、全盛期Opethに匹敵するリフ回しを中心とした幽玄かつ荒涼感のある音使いをもって、同郷のCallistoの影響下にある”静と動”のコントラストで聴かせる美しくも儚い”覇道のPost-Metal”を展開していた。続く3rdアルバムUntil Fear No Longer Defines Usでは、Insomnium直系のエピカルな叙情性やAlcestKATATONIA流れのオルタナ感を高めつつ、ポストメタルはポストメタルでも隣国のCult of LunaNeurosisを連想させる、よりモダンでドゥーミーに洗練された”進撃のPost-Metal”を繰り広げていた。つまり、伝統的なフィニッシュ・メタルと現代的なポストメタルがクロスオーバーした、言うなれば”メロデスラッジ”みたいな面白い立ち位置にいる、自分の中では新世代メタルの一つとして認識しているバンドで、個人的にもフィンランドでは一番お気に入りのバンドだ。そんな前フリがあって、前作の『UFNLDU』から約二年ぶりの4thアルバム『IV - One With The Storm』は、傑作だった『Isolation Songs』を彷彿とさせるアートワークで、その内容も2ndの再来を期待させる。

リッピング失敗したかと思った→オリジナルメンバーのベーシストが脱退し、新しくベーシストとキーボーディストを迎えて6人組体勢になったことが、バンドサウンドに大いに影響している。オープニングナンバーの#1”Wretched Blues”を聴けばわかるように、確かに雪国フィンランドの情緒漂うInsomnium譲りのエピカルな叙情性は不変だが、以前までのスラッジーな重さというより硬くてソリッドな低音リフに、そして高音がキツ過ぎる音質の悪さに嫌な予感が頭をよぎる。なんだろう、次の#2”Departures”を聴いたら納得した。Opeth?Insomnium?Cult of Luna?Neurosis?・・・コイツら一体誰の後継者なんだ?って、この曲でわかった気がする。コイツらKATATONIAの後継者だわ。この高音のシャリシャリ感は『Last Fair Deal Gone Down』リスペクトだと半ば強引に考えれば納得できるし、そうかコイツら”オルタナティブ・ヘヴィ”だったんだな・・・って思い知らされた気分だ。確かに、2ndや3rdの時点でフィンランドらしからぬ”オルタナティブ”なセンスを垣間みせていたし、今作ではそれが表面化してきている。あえりえなくもなかったけど、でも少し意外な方向転換をしてきた。新しくキーボーディストを迎えたことで、音響的(ATMS)なアレンジ面での確かな成長は伺えるし、いい意味でも悪い意味でも音を含めて全ての音がモダンに洗練されている。でもボク思うんスよ、この手の音楽やりたいんならさっさとイェンス・ボグレン引っ張ってこいやって、ボク思うんスよ。いや、僕が言いたいのはただ一つで→隣国Dark TranquillityConstruct聴いてから出直してこい、っつーわけです。なんだろう、フィンランド人って深いところで”オルタナティブ・ヘヴィ”をナメてる気がする。なんだろう、田舎もんの大学生が都会に出てきて大学デビューに失敗したみたいな、こっ恥ずかしいノリすらある。ボートラにドヤ顔でリミックス入れちゃうあたりもうホントにスベってる。なんだろう、全体的に無理しちゃってる感じ。

  「GBよ、お前はANATONIAにはなれない...」


とにかく音の悪さ→それと相性の悪さも相まって、第一印象は過去最悪だった。当然、これは意図的にやってるんだろうけど、いかんせん音が致命的過ぎる。少なくとも、僕にとっては何回も聴きたいと思う音ではなかった。是非ともフィンランドのエンジニアには【オルタナティブ・ヘヴィ 音作り】で検索してほしいって思っちゃったんだからしょうがない。しかし、楽曲自体は前作からスラッジーなヘヴィネスを取り払って、中期ANATHEMAあたりのオルタナ方面へと大きく舵を切ってて、それはむしろ個人的に大好きな方向性ではあるし、メロディの充実度や完成度という点では前作を軽く凌駕しているのは確かだ。でも自分は前々作や前作ほど俺の感性に響かなかった。これはただ音の”進化”からなる音の”変化”に僕が順応できなかっただけかもしれない。それともガチでリッピング失敗しただけなのかもしれない。それでもやっぱり、この手の音楽の最上級はKATATONIAの最高傑作『Last Fair Deal Gone Down』ANATHEMA『Judgement』だと信じてやまない自分としては、頼むからこの手の”オルタナティブ”がやりたかったらイェンス連れてきてくれって、本当にただそれだけなんですね。もしイェンスがミックスしてたらまた違った結果になったのかな~とか、考えるだけ無駄だけど。

IV: One With the Storm
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Ghost Brigade
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Lantlôs 『Melting Sun』

Artist Lantlôs
Lantlôs

Album 『Melting Sun』
Melting Sun

Tracklist
01. Melting Sun I: Azure Chimes
02. Melting Sun II: Cherry Quartz
03. Melting Sun III: Aquamarine Towers
04. Melting Sun IV: Jade Fields
05. Melting Sun V: Oneironaut
06. Melting Sun VI: Golden Mind

ぼく「えぇ!?アルセストがポストブラックをやめるだってぇ!?」

ラントロス君「えぇ!?アルセストがポストブラックをやめるだってぇ!?」

ぼく「よっしゃ!NEXT-ALCESTはLantlôsとWoods of Desolationの一騎打ちや!」 

ラントロス君「よっしゃ!アルセストに習って俺たちもシューゲイザー化や!」

ぼく「えっ」
ラントロス君「えっ」 

・・・ドイツはレーダ=ヴィーデンブリュック出身のマルチミュージシャンMarkus Siegenhort通称Herbst氏によるポストブラックプロジェクト、Lantlôsの約二年ぶり通算四作目『Melting Sun』は、ほぼこんな感じ。近頃は兄弟分のアルセストが新作のシェルターで”脱ポストブラック”宣言をし、ポストブラック界隈が騒然とする中で、そのアルセストの跡目争いの最有力として推薦されたのが、このラントロスやOG産のWoods of Desolationだった。で、まずWoDが3rdの『As the Stars』で先手を打ったが、そのあまりにもガチ”NEXT-ALCEST”な内容に日和ったのか、このラントロスは今作で大きくシューゲイザー方面に振り切っている。まぁ、その”変化”はアルセストのネージュが脱退した事をはじめ、Herbst氏がLíamを放置して新たにLowCityRainなるソロ・プロジェクトを立ち上げた時点で、こうなる事はあながち予想できなくもなかった。

このラントロスの名が一躍有名になるキッカケとなったのが、アルセストのネージュが加入してリリースされた2ndアルバムの.neonだ。このアルバムは、言うなれば今は亡きAmesoeursもしくはAlcestをデプレ系ブラックメタルに振り切ったような、刹那的かつ退廃的な、激情的でありながらも荒涼感に満ち溢れた、それこそポストブラック界の歴史に名を残すほどの傑作だった。しかし、今作のオープニングを飾る#1”Azure Chimes”を耳にして、まず何食わぬ顔でクリーンボイスを披露してみせるHerbst氏に度肝を抜かれ、そしてレジェンドのIsisや同郷のThe OceanIntronautJesuらのPost-Metal勢やDoomgaze勢を連想させる、スラッジーな轟音ヘヴィネスと魅惑のダイナミズムが織りなす超絶ドリーミーなサウンドスケープ、その美轟音の渦に飲み込まれた僕は、まるでフランスのサイケデリックアニメ『ファンタスティック・プラネット』ばりのアートワークのように、「アッダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」とかいう奇声を発しながら、色々な意味で涙を抑えることができなかった。本来、彼らの持ち味であったジャジーでアンニュイでダーティな空間形成は皆無に近く、もはや2ndの頃のラントロスと今のラントロスは別物と言い切っていい。つまり、前作の3rdアッガンペーから既に、いわゆる”ポスト化”が著しく音に現れていたが、その流れが確信的なモノへと変わった結果、その答えこそ今作の『Melting Sun』なんだろう。しっかし、この作風の変化すらもアルセストの後追いというか、デジャブ感を与える所は、ある意味でアルセストの正統な後継者と呼べるのかもしれない。

しっかし、昨年かのDEAFHEVEANサンベイザー【シューゲイザー×ブラックメタル】の新たなる形を音楽シーンへと掲示し、その煽りを受けてその手のジャンルの本家本元アルセストまでも、しまいには兄弟分のラントロスまでも日和ってシューゲイザー化してしまったのは些か考えもので、今のポストブラック界隈にはこの嫌な流れを断ち切る新星が求められている気がしないでもないが...さてさて。
 
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