Artist Pure Reason Revolution
Album 『Above Cirrus』
Tracklist
01. Our Prism
Album 『Above Cirrus』
Tracklist
01. Our Prism
02. New Kind Of Evil
03. Phantoms
04. Cruel Deliverance
05. Scream Sideways
06. Dead Butterfly
07. Lucid
2020年作の『Eupnea』にて奇跡の復活を果たした、00年代のUKモダンプログレ界を象徴するPure Reason Revolutionの復活第二弾となる新作音源が、まさか2年という短いスパンで発表された事に歓喜し涙するだけでなく、その内容も10年代のポスト・プログレッシブの源流の一つと呼べる、PRR本来の姿に回帰した復活作の流れを汲んだ、古き良きネオ・プログレッシブ・ロックの調べを奏でている件について。
復活第一弾の『Eupnea』にて垣間見せた、大聖堂の壮観なる彫刻が今にも動き出しそうなPRRの音世界を華やかに彩るシンセ/キーボードとジョンとクロエのコーラス/ハーモニーを中心とした抒情的なポップネスは控えめに、一転して本作の『Above Cirrus』は活動休止前のエレクトロ路線への回帰を促すようなモダンな電子音をフィーチャーしつつも、個人的に実はこのバンドの一番の強みだと思ってるポスト・ヘヴィネス然としたリフメイクのカッコ良さを極め尽くしたような一枚となっている。
そんな彼らのセンスフルなギターワークおよび現代ポストメタルに精通するソリッドなヘヴィネスの片鱗を覗かせる冒頭の#1“Our Prism”からして、TOOL顔負けのオルタナティブな側面を垣間見せたかと思えば、あくまでPRRらしいフロイド直系のアトモスフェリックなサウンドスケープをベースに、活休前のスタイルを20年代仕様にアップデイトさせたモダンなエレクトロニカや持ち前のポスト・ヘヴィネスが放つダイナミズムが交錯する#2“New Kind Of Evil”、ポスト・プログレッシブ界の第一人者であるスティーヴン・ウィルソンの最新作『The Future Bites』における“Personal Shopper”的なエレクトロビーツを刻む#3“Phantoms”、PRRならではのアート気質の高いネオ・プログレッシブとTOOLに肉薄する現代ポストメタル的な実験性が邂逅した大作の#5“Scream Sideways”は本作のハイライトで、本作の中で最もジョンとクロエのコーラス/ハーモニーが活かされた#6“Dead Butterfly”、そして最初と最後はTOOLで締めるとばかり、それこそ復活作の時にもTOOLに精通する黄金のキザミ意識を持つバンドである事について言及したけど、まさにその答え合わせをバンド自身で提示する#7“Lucid”まで、当時は物議を巻き起こした活休前のエレクトロ路線、つまり活休の直接的な原因となった方向性のトラウマと改めて向き合い、そして先人であるSWの力を借りてそれを克服するかのような復活第二弾に相応しい一枚。