Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

Symphonic

LOVEBITES 『AWAKENING FROM ABYSS』

Artist LOVEBITES
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Album 『AWAKENING FROM ABYSS』
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Tracklist

1. The Awakening
2. The Hammer Of Wrath
3. Warning Shot
5. Scream For Me (Awakened Version)
6. Liar
7. Burden Of Time
8. The Apocalypse (Awakened Version)
9. Inspire
10. Don’t Bite The Dust (Awakened Version)
11. Edge Of The World
12. Bravehearted (Awakened Version)

3000枚限定(とは言ってない)のデビュー作LOVEBITES EPが日本のメタルシーンを色々な意味で騒がせた、ガールズメタル界期待の新星LOVEBITES。その前回の時に、「いま最も勢いのあるガールズバンド」ことBAND-MAIDと比較して記事を書いたが、結果的に比べる必要が無かったくらい、両者に重なる部分や似てる部分というのは意外にも少なかった。まず互いに「ツインギター」を特徴としているが、LOVEBITESはギターの見せ場となるツインリードやソロバトルをフル活用した「これぞメタル」なギタープレイを奏でる一方で、【コンポーザー】【リードギタリスト】【リズムギタリスト】であるカナミ・カエルオーカーフェルト擁するBAND-MAIDは、本来はリズムギター担当であるはずの小鳩ミク「当て振り鳩女」なのでもはやツインギターじゃなくて実質ワンハーフギターみたいな扱いで、しかしそれをカバーするように小鳩デブはツインボーカルあるいはコーラス役としてBAND-MAIDの楽曲にちょっとだけ貢献している。その「ギター」の次に「ボーカル」の面でも大きな違いがあって、LOVEBITESのフロントウーマンであるasamiは超絶ハイトーンボイスを駆使したこれまた「これぞメタル」なボーカルパフォーマンスを披露する一方で、BAND-MAID彩ちゃんSHOW-YAの寺田姐さんリスペクトな「これぞハード・ロック」な歌声から、一方で安室ちゃんなどの王道的なJ-POPにも精通する幅広い歌声を聴かせるタイプの器用で柔軟性の高い「フレキシブル」なボーカリストで、最終的にはその「ボーカル」と「ギター」を起因とした「楽曲面」での大きな違いに行き着く。しかし、その「ボーカル」と「ギター」、そして「楽曲面」を有に上回る大きな違いが存在した、それが「おっぱい」の大きさだった・・・。そもそも根本的な話からして、このLOVEBITES「ガチのガールズメタル」を謳った「嬢メタル」である一方で、BAND-MAID「ガチのハード・ロック」を謳った「ガールズロック」あるいは「V系」であるという時点で、比較する前から既に結果は見えていた。

結局のところ僕が言いたかったのは、両者は互いに棲み分け(共存)できる者同士であり、双方のフアンもギリギリ被らないということで、そういう面では結果的に両者を比較したことは正しかったんじゃあないかって。でも正直に本音を言ってしまうと、「このLOVEBITESとかいうの、ちょっとバズりそうだな」って思ったから、今のうちにフアン予備軍をBAND-MAIDに流しておこうと目論んだ結果、ヘタしたら今回のフルアルバムで元々バンメに付いていたメタラーがLOVEBITESにごっそり引き抜かれそうな勢いで、ヤベーこのままじゃケツ捲くられるやん小鳩どーすんのもうケツ見せろ、って感じでめっちゃ動揺してる。それは冗談として、唯一似ているというか共通しているのは、互いに海外リリースがJPU Recordsのレーベルメイトであることを筆頭に、そして「LOVEBITES」というバンド名の由来となったHALESTORMリジー・ヘイルがツイッターでLOVEBITESの曲に反応していて、面白いのは、BAND-MAID”Don’t let me down”がそのHALESTORMの曲にソックリというかオマージュしているという謎の共通点もある。つまり、今や日本のガルバンにも影響を与えるほどの大物ロックバンドになったHALESTORMを売れる前にこのブログで取り上げていた俺すごい(えっ)

映画界の巨匠クリストファー・ノーラン「本物志向」の映画監督ならば、前作の『LOVEBITES EP』LOVEBITESが強く示しだしたのが「本格メタル志向」、その「本格メタル志向」はこのフルアルバムでも貫かれていて、前作同様にミックス/マスタリングにはフィンランドの重鎮ミッコ・カルミラミカ・ユッシラを、ソナタ・アークティカのワンコを引き連れたB級クサメタル風のアートワークにはHELLOWEENの作品でもお馴染みの絵師を迎え、そして前作のEPではサポート扱いだったギタリストのMi-Yaが正式加入により、晴れて5人編成の「爆乳戦隊ラブバイツ」として万全の体制で挑まれたフルアルバムとなっている。そんな、誰もが待ち望んだであろうLOVEBITESの1stフルアルバム、しかし前作の『LOVEBITES EP』の出来があまりにも良すぎたことで、逆にフルアルバムに対する期待よりも不安の方が大きかった人も決して少なくないはずだ。確かに、実際に今作を聴いてみてもEPの曲がアルバムのテンションを引っ張っている感は否めないが、逆にそのEPの曲を強靱な骨組みとしてアルバムの中に組み込んでいる。

まずは「これぞメタル」なシンフォニックでシアトリカルなSEで静かに始まるオープニングの#1”The Awakening”に次いで、改めてスケール感溢れる「これぞメタル」なイントロから、asamiの「Go!!」を合図にザックザクに切り刻む殺傷力の高いリフで疾走する#2”The Hammer Of Wrath”から、asamiの超絶的なハイトーンボイスを皮切りに、某イケメンも禿げ上がるほどピロピロギュイーンと弾きまくりなmidorimi-yaのツインギター、そしてリーダーのmihoとツーバスドコドコなharunaによる安定感抜群なリズム隊が織りなす「ガチなメタル」にガッツポーズ不可避な、まさにLOVEBITES「本格メタル志向」に対する答えを濃縮したような幕開けを飾る。間髪入れずにスティーヴ・ヴァイ顔負けの高速速弾きソロを披露する#3”Warning Shot”Symphony X JAPANばりに壮麗なシンフォニック・アレンジとスリリングなキザミリフで展開するリード・トラックの#4”Shadowmaker”、そしてEPに収録された”Scream For Me”(Awakened Version)を挟んで、6曲目の”Liar”は今作のハイライトで、優美なストリングスとEPでも見せたことがなかったasamiのバラード映えする歌声で幕を開け、そのasamiの「ボーカリスト」としての類まれなる才能を見せつけるエモーショナルな歌とmi-ya節全開の叙情的なバッキングを筆頭に、最初から最後まで弾きまくりなツインギターを中心にドラマティックに展開していく。この曲はLOVEBITESの可能性を広げるような、ちょっと色々と見直すくらいの名曲だ。

ここまで聴いて思うのは、やっぱりmi-yaの正式加入はバンドにとって非常に大きな出来事だったということ。それというのも、アルバムのリード曲からも分かるように、ここまで#2を除くほぼ全ての曲をmi-yaが作曲/アレンジしていて、つまりmi-yaの曲がアルバムの基礎的な部分を占めていて、特に先ほどの”Liar”で彼女はスティーヴ・ヴァイや叙情派メタルコアにも精通する速弾きギタリストである傍ら、その一方で【コンポーザー】としてその非凡な才能を発揮している。もはやmi-yaの存在はLOVEBITESに欠かせないほど大きな存在で、もはやmi-yaのいないLOVEBITESカナミ・カエルオーカーフェルトのいないBAND-MAIDと同じだ。

後半からは、ハード・ロック色の強い#7”Burden Of Time”とEP収録の#8”The Apocalypse”を皮切りに、リーダーのmihoLight BringerMaoの共作曲を中心に展開してく。チルボドの名曲”Needled 24/7”ばりのギターをフィーチャーした#9”Inspire”、EPの”Don't Bite The Dust”、そして終盤のハイライトを締めくくる”Edge Of The World”では、美しいピアノをバックにボーカリストasamiの真骨頂と呼べる情感溢れる歌声と伊藤セーソク泣くがいい。声をあげて泣くがいいとかいう名言をこぼしそうな泣きのギターソロで幕を開け、中盤からはドラマティックにスケール感マシマシに展開していき、最後はex-Kamelotヘロイ・カーンの「ヘロヘロ魂」が憑依したかのようなasamiのガッツポ不可避なボーカルの怒涛の応酬でアツく感動的なラストを迎える。この曲はmi-ya作曲の”Liar”と対になるようなアルバムの2大看板を担う名曲で、言うなれば”Liar”Within Temptationに代表される欧州のシンフォニック・メタル勢への回答とするなら、この”Edge Of The World”Kamelotに代表されるアメリカのパワーメタル勢に対する日本からの回答である。

EPに収録された曲にはちょっとした変更点があって、まず”The Apocalypse”はイントロからasamiのシャウトやツインリードが加えられており、ブレイクパートではオルガンの音が採用されている。でも正直、オルガンよりもオリジナルの鐘のほうが荘厳な曲調に合ってたような気もする。こういうのって基本的にアルバム用にアレンジしたものより元のアレンジのが良いって賛否両論が起こるけど、まさにその典型例みたいな。とは言え、オリジナルの曲のイメージを損なわないアレンジなんで無問題だ。あと”Scream For Me”はソロバトルのアウトロがフェードアウトじゃなくなってるのと、EPでは日本語歌詞で歌っていた”Bravehearted”を今回の英語版でも全く違和感なく聴かせるのは、他ならぬasamiの歌唱スキルあってのものだ。確かに、12曲中1曲だけ日本語にするのは変だからってのは十分に理解できる。けど、この曲だけは日本語の方が良い。ここだけは絶対に譲れない。

今回フルアルバムになったことで、よりメンバー全員の持ち味が思う存分発揮されているというか、遂に本性を現したというか、改めてその「スーパーバンド」的な演奏力の高さに驚かされるし、それはハイトーンだけじゃない感情表現豊かなasamiのボーカルであったり、mi-yaの隠れたソングライティングであったり、とにかくそれぞれ個人のアーティストとしての才能が爆乳もとい爆発している。勿論、アレンジや作曲面ではまだまだ荒削りな部分はあるし、その分まだまだ伸び代はあるって事だし、とにかくガールズメタル界に新しい風を吹き込むであろうその将来性やバンドの可能性を無限に感じさせたフルアルバムだった。しっかし、なんで自分がここまで推しているのかっていうと、ただメンバーのおっぱいがクソでかいからという理由だけでは決してなくて(失礼な)、それはキャプテン和田誠のネットラジオでもよく耳にしたビクター担当の杉山氏を久々に拝見したことで、そういった面でも自分がこのLOVEBITESを贔屓にする一つの理由となっている。

結局なんだろう、このLOVEBITESを活かすも殺すもフロントウーマンであるasamiのやる気次第で、それというのも、LOVEBITESといわゆる嬢メタルと呼ばれる他のバンドとの違いってやっぱりフロントの存在だと思ってて、LOVEBITESasamiは珍しく他の嬢メタルのフロントにはない突出したスキルや華やかさを持っていて、個人的にそこに他の「嬢メタル」との違いを見出し、まずそこに惹かれたのだけど、そのasamiは今作でEPを凌駕するスキルフルなパフォーマンスでその圧倒的な存在感を放っている。でも今ってどこも「ライブやってナンボ」な時代で、そこで心配になってくるのは、asamiのコーラス仕事などの副業的な兼ね合いからライブ本数こなせない、スケジュールの制限によってまともに活動できない問題だ。というか、今のasamiにとってはむしろLOVEBITESが副業かもしれない状況で、これから良くも悪くもasami中心のワンマンバンドになっていきそうなフラグビンビンだ。ちょっと妄想すると、もっとLOVEBITESの音楽性に「大衆性」や「ポップさ」を求めていきたいasami側とmiho&harunaのガチメタラー勢による対立からバンドに内紛が起こって、そのmihoharunaのトンデモナイ爆乳に囲い込まれるasamiを助け出して僕が代わりに「ぱふぱふ」されるドラクエ的な展開ありますか?でも最終的にバンドの足を引っ張りそうなのはレーベルのビクターというオチ・・・お後がよろしいようでw

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Epica 『The Holographic Principle』

Artist Epica
えp

Album 『The Holographic Principle』
epicaholographiccdofficial

Tracklist

01. Eidola
03. A Phantasmic Parade
04. Universal Death Squad
05. Divide And Conquer
07. Once Upon A Nightmare
08. The Cosmic Algorithm
09. Ascension - Dream State Armageddon
10. Dancing In A Hurricane
11. Tear Down Your Walls
12. The Holographic Principle - A Profound Understanding Of Reality 

Epicaの来日公演って、一昨年に開催されたANATHEMAの2デイズ以上に、それこそKATATONIAが来日する事よりも奇跡的な出来事だと思うんだけど、だってあのLOUD PARKにすら一向に出る気配もなくて、もはやメタルフアンの間では「絶対に来日しないメタルバンド」リストの一つに名前が刻まれてるくらいの、そんな”シモーネたそ”ことオランダの歌姫シモーネ・シモンズ率いるEpicaの初来日が遂に実現するってんだから、なんかもう「やっぱセーソクって神だわ」ってなる。

自分の中にあるEpicaのイメージというか全盛期って、2007年作の3rdアルバム『The Divine Conspiracy』 と、2009年の年間BEST入りを果たした4thアルバムDesign Your Universeという2つの大傑作で、というのも、Epicaは次作となる5thアルバムのRequiem for the Indifferentという、Bullet for My Valentine『Temper Temper』Megadeth『Super Collider』と並ぶ【21世紀メタル三大駄作】の一つを生み出してしまう。正直、今でもあんなぐうの音も出ないような傑作を立て続けに放ったバンドが、ナゼあんなデモ音源みたいな言わば未完成品を発表したのか、もはや【メタル七不思議】の一つとしか思えないような出来事だった。紅一点シモーネたその歌メロをはじめ、根本的なソングライティング不足からマーク・ヤンセンのギター・リフやアレンジまで、まともに聴けるパートが一箇所もない駄作を、まさか天下のEpicaが作るなんて想像もしてなかった。しかし、その21世紀のメタルシーンに悪い意味で名を残す駄作の後に発表された、2014年作の6thアルバム『The Quantum Enigma』では、再び3rdや4th=全盛期の頃を彷彿とさせる扇情感マシマシのシンフォニック・メタルへと回帰し、オワコン化したように見えたEpicaは復活の兆しを見せる。そして、『ホログラフィック原理』という今流行りの宇宙ネタをモチーフにした今作の『The Holographic Principle』で、シンフォニック・メタル界の女帝として完全復活を遂げる。



鍵盤奏者コーエン・ヤンセンの実娘である幼女の語り部的な演出を交えてストーリー性マシマシに、まさにイントロからクライマックスなクワイヤをはじめストリングスやホーンをガンガン鳴らしたオープニングSEの#1”Eidola”から、綺羅びやかに弾むキーボードとクワイヤでアッパーに始まる#2”Edge of the Blade”は、ミドルテンポ主体のヘヴィでモダンなリフ、シモーネたその叙情的なサビメロ、そしてマーク・ヤンセンのアグレッシヴなグロウルパートのコントラストを効かせた、実にスタンダードなエピカソングだ。Gojira直系のエクストリームかつプログレッシブ、そして超絶epicッ!!に展開する#4”Universal Death Squad”、シンフォニックなイントロ→シモーネたそとマークの掛け合い→クワイヤパートまで超絶怒涛の宇宙スケールでドラマティックに展開する#5”Divide and Conquer”、壮麗優美なストリングスとシモーネたその美しすぎる歌声が織りなす極上のハーモニーが宇宙銀河の果てまで轟く#7”Once Upon a Nightmare”、再びゴジライクなキザミ系のリフ回しで展開する#8”The Cosmic Algorithm”、その流れを継いでエピカが持つ暴虐的な側面を大胆に曝け出すシンフォブラの#9”Ascension - Dream State Armageddon”、インド発祥の民族楽器シタールを擁したアラビアンナイト風のメロディをフィーチャーした#10”Dancing in a Hurricane”、そして10分超えの大作で表題曲を冠した#12”The Holographic Principle”まで、もちろん全盛期と比較すると多少の差はあるが、それでも一時のスランプからは完全に脱したと言っていい堂々の復活作だ。

エピカ

確かに、ブルータルなエクストリーム・メタル好きは今作より前作のが良いと感じるかもだが、アレンジの豊富さでは今作に軍配が上がる。とは言え、やっぱり自分の中では3rdと4thのイメージが強いので、この度の来日公演では是非とも3rdと4thの曲を中心としたセトリで、新譜からはチョコットだけ...みたいなセトリでお願いしますw つうか、もうこの際『Design Your Universe』完全再現でw
 

Symphony X 『Underworld』

Artist Symphony X
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Mixing/Mastering Jens Bogren
Jens Bogren

Album 『Underworld』
symphonyxunderworldcd

Tracklist
01. Overture
03. Underworld
06. Charon
07. To Hell And Back
08. In My Darkest Hour
09. Run With The Devil
10. Swan Song
11. Legend

ドタキャン ・・・今や日本で”ドタキャン”という言葉を聞いて真っ先に思い浮かぶのは、Mステドタキャンのt.A.T.u.じゃなくてラウパドタキャンのSymphony Xだが、そんな彼らも2007年作のParadise Lostというアルバムで、かのイェンス・ボグレンの手によって、これまでDream Theaterの影に隠れていたアングラオタクな存在感を表舞台に、それまでのB級メタルバンド的なイメージを覆すように、一流バンドとしてその存在をシーンに示した。個人的に、2011年作の8thアルバム『Iconoclast』はイマイチハマりきれなかったのだけど、その前作から約四年ぶりでイェンスと組んでからは三作目となる9thアルバム『Underworld』は、まさに「イェンスと組んだ一作目は名作になる」という”メタル界の迷信”を真実だと裏付けるような傑作『Paradise Lost』の再来を予感させる力作となっている。

影響 ・・・DTの影に隠れながらも、実力派オタク・パワー・メタルバンドとして高い評価を得ているSymphony Xだが、実はそのスタイルもDTを意識しながら順応し変化していったのも事実で、近年ではDTPeripheryらの若手Djent勢からの影響を受けたセルフタイトル作のDream Theaterをリリースしていたが、その影響を受けてこのSymphony X『Underworld』も、Protest the Heroをはじめとした若手?テクニカル・メタル勢からの影響を随所に垣間見せる作風となっている。その影響が顕著に表れているのが、「アルバムの一曲目がインストじゃないチンポリオはチンポニーじゃない!」という前作の不満を解消する#1”Overture”に継いで始まる#2”Nevermore”で、もはや確信犯的なディグりを感じるメインリフや中盤のインストゥルメンタルを耳にすれば理解できるように、それこそProtest the Heroの3rdアルバム『Scurrilous』”C'est La Vie”を彷彿とさせるトリッキーなリフ、同作の”Hair-Trigger”を思わせるスリリングなインスト・パートからして、若手の影響を直に受けて尚も新たなるチンポニーへと進化し続ける、バンドの中心人物であるマイケル・ロメオの貪欲な姿勢からは、「もうイングヴェイの影武者とは呼ばせない!」・・・そんな魂の鳴き声が聞こえてくるかのようだ。

・・・で、傑作『Paradise Lost』の名曲”Set the World on Fire”の流れを汲んだイントロからガッツポーズ不可避な表題曲の#3”Underworld”、まるで『Paradise Lost』の表題曲に匹敵するバラードナンバーの#4”Without You”、若いもんには負けん!とばかりのグルーヴィなリフやブラストを交えてゴッリゴリに展開する#5”Kiss Of Fire”、ロメオのギターオタクっぷりを垣間見せるキザミリフを多用した#6”Charon”、そして今作のハイライトで約10分におよぶ#7”To Hell And Back”は、往年のHR/HMを彷彿とさせるクラシックな雰囲気と男気あふれるラッセルの熱唱が俄然ドラマティックに曲を演出する。以降はイントロからプログレ全開の#9”Run With The Devil”とイントロからSW”3 Years Older”を彷彿とさせる#11”Legend”まで、確かに傑作『Paradise Lost』ほどのネオクラ要素はないが、その代わりにプログレ要素マシマシの一枚と言える。とにかく、今作のラッセル・アレンは、もはやオールブラックスのセンターフォワードばりにガチムチな”攻め”の姿勢を貫き通し、持ちうるメタルシンガーとしてのポテンシャルをパワー&フルに発揮している。あとイェンスと組んで3作目だけあって、お互いに全てを知り尽くした者同士だからこそのプロダクションの質の高さは、ぐうの音も出ないほど音の説得力に溢れている。少なくとも、ラウパドタキャンの理由として納得できる内容だとは思う。でも、中には「ラウパドタキャンしといてこれかよ」みたいに思う人もいるかもしれないw

Underworld
Underworld
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AtomA 『Skylight』 レビュー

Artist AtomA
atoma

Album 『Skylight』
Skylight

Track List
01. Atoma
02. Skylight
03. Hole In The Sky
04. Highway
05. Bermuda Riviera
06. Resonance
07. Solaris
08. Rainmen
09. Saturn & I
10. Cloud Nine

惜しくも解散してしまった北欧スウェーデンの伝説的メロドゥーマーこと、Slumberのメンバーと元Scar Symmetryの超兄貴ことクリスチャン兄貴を擁する五人組、AtomAのデビュー作『Skylight』が、”確かに”中期のANATHEMAをメタル化したような、超絶ファンタジーで超絶ヲタッキーな世界観を壮大なスケールをもって繰り広げる、究極の”あともすふぇりっく・みゅーじっく♡”をやっててなんか凄いんだけど、アンビエントやエレクトロニカ、シンフォニックやポストロックに嗜好がある音を駆使しながら、カーズニキもビックリの超宇宙空間を創造する、前身のSlumberの音楽性とは一線を画し過ぎィな、その突き抜けた絶対的な個性に溢れた音世界は一聴の価値あり。で、このバンドを例えるのに、その”アナシマをメタル化させた”という表現の言い得て妙っぷりったらなくて、とりあえずボーカルのEhsanの歌謡曲バリにクサい歌につい笑ってしまうほどなんだが、正直ここまでプロダクションから何まで全方位”あともすふぇりっく♡”大好きな、言うなれば”プラネタリウム・メタル”は初めてかもしれない。いかにも北欧産らしい叙情性を持ち味としたクッサイクッサイ雰囲気というか、なんというかスカシン~クリスチャン兄貴の周辺界隈はかなりソレを得意とする印象がまたしても強くなった。

 前身のバンドの音楽性からは全く想像できない、指輪物語バリに超絶ファンタジックな超スケールで展開する#1で幕を開け、クリスチャン兄貴のグロウルをフューチャーした超あともすふぇりっく&シンフォニックな#2、メタリックなリフとスペーシーなkeyそしてクッサイ歌で聴かせる#3と#4、美メロエレクトロニカを擁したインストの#5、ポストロック/シューゲ寄りのアプローチが強い#8”Rainmen”からはAtomaというバンドの音楽嗜好を嫌でも理解ッする事ができる名曲。で、本作では一番アナシマっぽい#9、CLBを彷彿とさせる幻想的なアンビエント世界を繰り広げるラストの#10まで、シンフォニック/あともすふぇりっく/ポストロック/アンビエントまでを網羅した、アドレナリン出まくりな極上のヲタ世界を堪能させる。

 そんなわけで、好きな人にはトコトンツボにハマりそうなヲタッキーサウンドだが、この手の音は嫌じゃあない、むしろ好きなハズのおいら、個人的には、よく言われてるほど強く感じるものはなかった、というのが正直な感想。”アナシマをメタル化させた”からといって、じゃあAnathemaファンにオススメできるか、といったらそれはまた違う気がする。つうか、コレ聴いてアナシマっぽいと感じたら、それはもはや”負け”なんだと思う。いくらなんでもそれは安易すぎる、というか。よく聴くとそんなにアナシマっぽい所はないし。要するに、いわゆる”北欧メタル”の枠組みを超えているわけではない。しかし好き者なら絶頂する事ウケアイな一枚。

Skylight
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Epica 『Requiem For The Indifferent』 レビュー

Artist Epica
Epica

Album 『Requiem For The Indifferent』
Requiem For The Indifferent

Track List
01. Karma
02. Monopoly On Truth
03. Storm The Sorrow
04. Delirium
05. Internal Warfare
06. Requiem For The Indifferent
07. Anima
08. Guilty Demeanor
09. Deep Water Horizon
10. Stay The Course
11. Deter The Tyrant
12. Avalanche
13. Serenade Of Self-Destruction

メタル界屈指の変顔嬢王ことシモーネ・シモンズ率いるオランダの至宝、Epicaの約二年半ぶりとなる通算五作目『Requiem For The Indifferent』なんだけど、このバンドといえば、3rdの『The Divine Conspiracy』で大きく化けて、当ブログの2009年度BESTにもランクインした前作の4thDesign Your Universeでメタル界の絶対的なバンドとなった感があるんだが、その3rdそして4thと立て続けに傑作をリリースし、さて期待と不安が入り交じる本作はというと・・・ジャケを見た時から嫌な予感はしてたが、その嫌な予感が的中してしまった。聴き始めてまず自分の耳を疑った、あの名作3rdと4thを世に放ったバンドとはまるで思えないほど、単純に第一印象のインパクトが弱く、全体的にクサミやパンチに欠け、リフや楽曲の構成力もフックが乏しい。3rdや4thには間違いなくあった”凄み”や”覇気”もどこかへ消え去っている。バンドのキモであるVoシモーネの美声をフューチャーした楽曲の耳に残らない具合もアレだし、粗削りなゴリゴリ感を持ち味としたバックのサウンドも以前までのキレが全く感じられず、平凡でヌルい。要するに、下手にプログレ・メタルをやろうやろうと変に意識しちゃった結果ダメになった典型をやってのけてる。つうか、ギターの音が死んだような、迫力がなさ過ぎる音質が更に本作のダサさを増長させる。これはもうイカンでしょ。褒める要素すら皆無。どうしちゃったのマーク・ヤンセン・・・。となると、俺たちは彼らのナニをドコを聴けばいいのかも分からなくなってしまい、結局、何がしたかったアルバムなのかも分からない。ここまで色々とアレだと、内容がこんなんだからジャケもあれでええやろ~的なノリだったんだろう。あれだ、Epicaは多分、本作を最初から最後までノンストップで聴き続けることができたドMには、ご褒美としてシモーネの変顔ブロマイドをプレゼントするというファニーな計画でも立ててるんだと思う。うん、きっとそうだ。冗談は置いといて、昨年にウィズインやナイトウィッシュがそれなりの新作を出してきて、さて仕上げはコイツらという場面で、正直かなりの期待感があっただけに、これは今年のワーストアルバム候補になっちゃいそうな予感。当然、オススメなんかできません。

レクイエム・フォー・ジ・インディフェレント
エピカ
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