Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

Thrash

Power Trip 『Nightmare Logic』

Artist Power Trip
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Album 『Nightmare Logic』
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Tracklist

01. Soul Sacrifice
04. Nightmare Logic
05. Waiting Around to Die
06. Ruination
07. If Not Us Then Who
08. Crucifixation

このテキサス州はダラス出身の五人組ことPower Tripは、なんかもう元メガデスのギタリストマーティ・フリードマンSpotifyで毎月やってるメタルジュークボックス企画のプレイリストにブッ込んできそうなくらいの極悪非道なスラッシュ・メタルで、それこそエクソダススレイヤーを筆頭に、スラッシュ全盛だった頃の”パンク”をルーツとする80年代の伝統的なスラッシュ・メタルがそのまま現代に蘇ったかのような、かつConvergeにも精通するハードコア・パンクやメタルコアあるいはメタリックハードコアやら、その手のハードコア/パンク成分がクロスオーバーした、最高に頭悪くて最強最悪のスラッシュ・メタルだ。

まず一曲目の#1”Soul Sacrifice”から、稲川淳二ばりに「ダメだダメだダメだこいつダメだ。こいつ危ない。こいつ怖い。」ってなる。そんな荒廃したスラム街に立ち込む淀んだ空気漂うイントロのSEから、ミョ~ンと唸るギターや「ヴァ゛ッ゛!!」と吠えるボーカルを交えながらリズミックなキザミに乗せてミドルテンポで進み、そしてボーカルの「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ゛ッ゛!!」という叫び声を合図に、それこそクソ頭の悪いスラッシャー親父とクソド低脳なパンクスが今にも殴り合いおっ始めそうな、それこそサークルモッシュヘドバンを誘発するかのような、それこそスプラッター映画ばりに極悪非道かつ鋭利な刃物の如し切れ味抜群のスラッシーなキザミと共に猪突猛進し、その猛烈な勢いのままノンストップでギターソロに突入する姿は、まさに全盛期のスレイヤーさながらの猟奇的なシリアルキラーだ。



今話題のあんな人やこんな人も登場する、このアングラ感全開のMVも最高だ。そのMVからタイトなキザミリフまで全てが80年代仕様で最凶にカッコ良ければ、ボーカルのSwing of the Axe!という雄叫びやむさ苦しい歌い方もクソカッコよくてハゲあがるかと思った。イントロからV系好きのバンギャが拳を上げてプルプルさせそうなハードコア・パンク然とした暴れ曲で、それこそDIR EN GREY(中期)のが好きそうな#3”Firing Squad”、唸るようなギターとグルーヴィなリフで始まるイントロからタイトなキザミ主体の曲で、後半からテンポが変わってフロントマンRiley Galeの暴力的なボイスパフォーマンスが炸裂する表題曲の#4”Nightmare Logic”、現代的なイントロから往年のメタリカを彷彿とさせるリズミックなリフでデレッデレと展開する#5”Waiting Around To Die”、初期のマストドンにも精通する獣性むき出しのソリッドかつヘヴィな#6”Ruination”、中盤以降の怒涛のキザミ祭りがとにかく気持ちよすぎてトリップできる#7”If Not Us Then Who”、ラストの#8”Crucifixation”まで、超絶怒涛のキザミに次ぐキザミ、バリエーション豊かなリフからリフの応酬で、休む暇もなくノンストップで約32分間を一気に駆け抜ける。
 

もちろん、「速い」ところは全盛期のスレイヤーばりにトコトン「速い」のは確かなんだけど、「ただ速い」だけじゃないのがこのバンドの魅力の最もたる所で、そこは80年代スラッシュのリバイバルバンドと呼ばれるだけあって、「速さ」よりも往年のメタリカを彷彿とさせるグルーヴィなリズムおよびテンポやノリを重視したスタイルで、それこそミドルテンポのリフで聴かせられるバンドこそ本物のスラッシャーだと証明するかのような、彼らはミドルテンポの時にその類まれなるスラッシャーとしてのセンスを発揮する。だから、「速い(ファスト)」からミドルへの繋ぎ方と曲展開が凝っていて、最後まで全く飽きさせない。「キザミ」のキレ味と鮮度抜群に調理する凶悪なプロダクションも相まって、その「音」からしてメタクソ気持ちがいい。

元々は、アングラ界隈の名門レーベルで知られるSouthern Lord出身のエリート集団で、既にDEAFHEAVENとの対バンも経験し、その実績も十二分にあって、後はブレイクするだけみたいな状況、このタイミングでこの傑作をブッ込んできた。そろそろ某Nuclear Blastに引き抜かれないか心配になるくらい、とにかく今年のスラッシュ・メタルではマストバイです。とりあえず、デフヘヴンと一緒に来日したら神!デフヘヴンと一緒に来日したら神!
 
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Kreator 『Gods of Violence』

Artist Kreator
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Producer/Mixing Jens Bogren

Jens Bogren

Album 『Gods of Violence』
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Tracklist
01. Apocalypticon
02. World War Now
06. Army Of Storms
07. Hail To The Hordes
08. Lion With Eagle Wings
10. Side By Side
11. Death Becomes My Light

いわゆる「ジャーマンスラッシュ三羽烏」の一角を担うKreator2012年に発表したPhantom Antichristは、OpethAmon Amarthを手がけたイェンス・ボグレンをプロデューサーに迎え、ドイツ流の伝統的なスラッシュ・メタルとスウェーデン人が編み出したイエテボリ・スタイルすなわち北欧メロデスが融合した、もはや「ドイツ人」の皮をかぶった「スウェーデン人の音楽」だった。その前作から約5年ぶり、通算14作目となる『Gods of Violence』でも再びイェンス・ボグレンとのタッグが実現、その内容も前作同様に、いやそれ以上のコンセプトを掲げて「ドイツ人×スウェーデン人」の連合軍が織りなす超絶epicッ!!なイエテボリ型スラッシュ、その再演を果たしている。 
 


アメリカの新大統領にアナル・トランプが爆誕したことにより、地球最後の瞬間を概念的に表す「世界終末時計」の残り時間が2分30秒になって世界大戦間近か?と皮肉られている最中、このKreator『Gods of Violence』では、幕開けを飾る壮大なイントロに次いで、二曲目の”世界大戦いま!”からして、世界中の人々がアナル・トランプに冷ややかな視線を送る中、我先にとアナル・トランプのアナルをペロリンチョしに駆けつける極東のアナべべ・マリオを痛烈に皮肉るかのような、それこそアナル・トランプの移民受け入れをめぐる発言に対するスウェーデン人の「怒り」が暴虐的な憎悪となって、そして一昨年の2015年以降、より強固になったイェンス・ボグレン黄金のリベラリズム」が、世界中で打倒アナル・トランプを掲げた暴動を巻き起こすような、それこそ世紀の独裁者アドルフ・ヒトラーを生んだドイツ人とスウェーデン人に流れるスカンジナビアの血が脈々と噴き出すかのようなキラーチューンだ。あらためて、やはりイェンス・ボグレンという男は、「いま世界で最もリスペクトできる男」なのかもしれない。



そのアナル・トランプに対する強烈な皮肉が込められた#2”世界大戦いま!”から、畳みかけるように「悪魔=サタン=アナル・トランプ現実にいる」と皮肉ってみせる#3”Satan Is Real”Epica”Martyr Of The Free Word”ばりのエクストリーム・スラッシュの#4Totalitarian Terror、アコギとハープのエキゾチックな音色が織りなす楽園の如し神秘的なイントロから、一転してゴリゴリのスラッシュへとギアチェンする表題曲の#5Gods of Violence、ミドルテンポでよりヘヴィな重さに比重を置いた#7”Hail To The Hordes”、再び神秘的なイントロからガチガチのイエテボリ・スラッシュにギアチェンする#8”Lion With Eagle Wings”、再びミドルテンポでグルーヴィに聴かせる#9”Fallen Brother”、再び緩急を効かせた#10”Side By Side”、そしてドラマティックに展開するラストの#11”Death Becomes My Light”まで、基本的には前作の流れを汲んだイエテボリ型のスラッシュ・メタルに変わりないが、今の時代だからこそ「説得力」のあるメッセージ性の強いシミカルな歌詞を、痰を吐き散らすように吠えるミレのパンキッシュなスクリームと、スラッシーな「速さ」よりもヘヴィな「重さ」を重視した曲調、そして「世界大戦前夜」とばかりに世紀末的な世界観を際立たせるギミック面が絶妙にマッチアップした作品だ。

前作の『アンチクライスト』では神の存在を否定したが、一転して今作では神の「怒り」を表現している。 前作は「イェンス・プロデュース」ならではのギミックがモロに曲調に反映されていたが、今作ではその「イェンス・プロデュース感」は希薄で、俄然タイトで俄然ヘヴィな変化球なしのド直球なスラッシュ・メタルを展開していく。個人的には、超絶epicッ!!な北欧メロデス全開のイェンス節に溢れた前作のが好きだが、これは完全に好みの問題だと思う。少なくとも言えるのは、良くも悪くも二作目イェンス・プロデュースといった感じの作風だということ。

★この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには、いっさい関係ありません。
 
Gods of Violence
Gods of Violence
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Killer Be Killed 『Killer Be Killed』

Artist Killer Be Killed
Killer Be Killed

Album 『Killer Be Killed』
Killer Be Killed

Tracklist
01. Wings Of Feather And Wax
02. Face Down
03. Melting Of My Marrow
04. Snakes Of Jehova
05. Curb Crusher
06. Save The Robots
07. Fire To Your Flag
08. I.E.D.
09. Dust Into Darkness
10. Twelve Labors
11. Forbidden Fire

【DEP×丼×Soulfly×The Mars Volta】・・・先日、Opethミカエル・オーカーフェルトIn Flamesビョーン・イエロッテMastodonビル・ケリハーによる新プロジェクトが発表された。Opethのミカエルはコラボの常連だが、そのミカエルとビョーンのスウェディッシュ勢とUS勢のビルとの組み合わせはちょっと想像つかなかった。しかし、ビルと同じマストドンのベーシストトロイ・サンダースは、一足先にThe Dillinger Escape PlanSoulfly/ex-Sepulturaの主要メンバーらとコラボしてたりする。そのスーパーバンドこそ、このKiller Be Killedだ。

【kojiki-Metal】・・・これまたムッサ苦しいくらい濃ゆいメンツで、この獣臭い髭もじゃ野郎たちで繰り広げるメタルはさぞかしムッサい”kojiki-Metal”なんだろうと想像したとおり→とりあえず、一曲目の”Wings Of Feather And Wax”を聴けば分かるように、アメリカン・モダンヘヴィネス/グルーヴ・メタルとブラジリアン・スラッシュがエクストリーム合体した、なんかもう”計算され尽くしたメタルコア”といった感じの曲で、リードボーカルはトロイでサビメロはDEPのグレッグが担当し、転調してからはマックス・カヴァレラの独壇場だ。普段はバカテクのカオティックなハードコアを本職としている連中には、もはや「メタルコアなんてチョロいっす」みたいなノリというか余裕すらある。実際スゲー良い曲なんだけど、本家でやってる音楽性から見ると「へーすごい(棒)」みたいな感想しか出てこないのは、本家のDEPやマストドンの”凄み”を表しているのか、それともDjentに立ち位置を奪われたメタルコアというジャンルに倦怠感を感じているからなのか?まぁ、それはさて置き、それ以降は「メロディなんかクソ食らえ」と言わんばかりの、ブルータリティ溢れる重心の低い極悪なヘヴィネス一辺倒で全てを捻り潰していく。そして、マストドン譲りのプログレッシヴな展開力を発揮しながら、ザックザクに刻み込むリフに乗せてトロイ&グレッグ&カヴァレラの野性的かつ獰猛な咆哮のかけ合いが、半ば強制的にヘドバンを誘発する。その中でも、グレッグ中心のDeftonesライクなオルタナティブ・ヘヴィの#3”Melting Of My Marrow”や#6”Save The Robots”、スラッシーな#4”Snakes Of Jehovah”、ミドルテンポ主体で凶悪なヘヴィネスを轟かせる#5、カオティック・ハードコアの#7”Fire To Your Flag”、もはや当たり前のようにGojiraライクなハードコアパンク/デスロールの#8”I.E.D.”、オルタナ期のメタリカっぽい#11”Forbidden Fire”など、各メンバーそれぞれの持ち味を活かした男気あふれる硬派なエクストリーム・ハードコアをよりどりみどり取り揃えている。例えるなら→グルーヴ・メタル化したConvergeみたいな雰囲気すらある。

最大手Nuclear Blastからのリリースということで、言わずもがな、その内容は折り紙つきだ。メタルコアというより、メロディを極力排除したガチなハードコアファン向けって感じだけど、どちらかと言えば各メンバーが属するバンドのコアなファン向けの企画モノなのかもしれない。



Killer Be Killed
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Sylosis 『Monolith』 レビュー

Artist Sylosis
Sylosis

Album 『Monolith』
Monolith

Track List
01. Out From Below
03. What Dwells Within
04. Behind The Sun
05. The River
06. Monolith
07. Paradox
08. A Dying Vine
09. All Is Not Well
10. Born Anew
11. Enshrined

2000年にUKはバークシャー州レディングで結成された四人組、Sylosisの約一年ぶりとなる3rdフル『Monolith』なんだけど、引き続き俺たちのイェンス・ボグレンがマスタリングを担当し、フロントマンのジョッシュ(Vo,Gt)が自身でプロデュースを手がけた本作品は、デビュー作から一貫してスケールのデカいドラマティックかつプログレッシヴな緩急を効かせた展開を特徴とした、鳥ビーム系のモダンなスラッシュ/メタルコアを貫き通しているわけなんだが、どちらかと言えばメタルコア色が濃かった前作よりは、キザミキザミアンドキザミにキザミ込まれたリフ主体の俄然スラッシュ寄りの作風となっている。で、まず曲がどうこう以前に、あのボグボグ兄さんが手掛けたとされるサウンド...やはり文句なしに”音”そのものが気持ちいい。なんつうか、これぞ”生きた音”というか。おいら、音が良いというだけで作品の質が二割増しになると考えてるフシがあって、もうなんか「俺の歌を聞けえええぇぇぇぇぇッ!!」ならぬボグボグ「俺の音を聞けえええぇぇぇぇぇッ!!」という叫び声が聞こえてきそうなぐらい、とにかく本作はリフの一刻み一刻みがキモティィ!! これはイェンスがプロデュースしたKreatorPhantom Antichristや、先日紹介したThe HAARP Machineの1stDisclosureでも感じた事だけど、イェンスが創り出す音とこの手の主に”リフを中心に聴かせる”系のジャンルとの相性は抜群だと、あらためて(確信)した。つうか、これぞまさしく”イェンス流あのキザミ”って感じ。しかも今回、至極真っ当なスラッシュ路線へと回帰したのも相まって、その結果→”スラッシュ・メタルの醍醐味”というのを存分に堪能させる。とりあえず、ドラフォバリにクッソ速くてクッソメロいGソロからの~スケール感を爆発させる終盤のダイナミックかつドラマティックな展開がイカす#1”Out From Below”、中盤からのGリフやダウナー系の雰囲気がモロにIsisやTool大好きな感じで面白い#3”What Dwells Within”、泣きのGソロが聴きどころの#5”The River”、出足からクッソ速い曲でアウトロのシブいアコギが”オペにゃん”ぽい#8”A Dying Vine”辺りが個人的に気に入った。正直、今までこのバンドの曲ってまともに聴いた事がなくて、今回まさかの”イェンス産”というワケもあって初めてマジメに聴いてみた結果→驚くほど感心したというか、今の鳥さんより活きのいいモダンスラッシュやってた。あのNuclear Blast期待の若手ってのも納得ッの一枚。



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GOJIRA 『L'enfant sauvage』 レビュー

Artist Gojira
Gojira

Album 『L'enfant sauvage』
L'Enfant Sauvage

Track List
01. Explosia
03. The Axe
04. Liquid Fire
05. The Wild Healer
06. Planned Obsolescence
07. Mouth Of Kala
08. The Gift Of Guilt
09. Pain Is A Master
10. Born In Winter
11. The Fall

ジョー(Vo,Gt)&マリオ(Dr)のデュプランティエ兄弟率いる、フランスはアキテーヌ地方オンドル出身の”シーシェパード・メタル”こと、Gojiraの約四年ぶりとなる通算五作目『L'enfant sauvage』なんだけど、かのロードランナーへ移籍して第一弾となる本作でも前作の4th『The Way Of All Flesh』同様、テクデス/スラッシュ/スラッジ・メタルの影響下にある轟音系のスタイルを基本の世界に、まるでハイエロファントグリーンの触手となって人の脳内へと侵食し精神の自律神経を食い散らかすような、インダストリアルなオルタナ的センスを取り入れたエクストリーム・プログレッシブ・メタルは不変ではあるものの、今回、メジャーのRRへ移籍した影響やメタリカとの共演に一層の刺激を受けたのか、彼らのルーツであるデスメタル成分は更に希薄となり、より俄然スラッシュ嗜好を高めながら、同時に幽玄なパート/メロディを積極的に取り入れた事により聴きやすさが増した、要するに”先の展開がキング・クリムゾンばりに予測できるようになった”プログレ・メタル、といった印象が強く、特に#1” Explosia ”と#2” L'Enfant Sauvage ”の頭二曲に本作の全てが詰まっていると言うても過言じゃなくて、まず#1で垣間見せる”あのキザミ”=”黄金のキザミ”の血脈を感じるタイトでグルーヴ感のあるリフのキザミなんかを見るに、正直かなりIn Mourningの名盤1stや最新作の3rdを彷彿とさせる、モダンなポストスラッシュに至極接近した感覚を一番に与え、そして続く#2を聴けば嫌でも理解ッできるとおり、ゴジラとも交流の深いリアル殺人鬼ことランディ率いる近年のLamb Of Godを筆頭とした、いわゆる”RR製メタルコア”的なキッズ向けの音作りとでも言うんだろうか、ラムがRRへ移籍した時と同じデジャブを感じるような、つまり”メタルコア化したゴジラ”という解釈がなされた一枚、と言い切っていい本作品。

 あのMastodonTesseracTなどの若いバンドにも多大な影響を与えたであろう前作でも思ったけど、やっぱりこの人ら俺が求めるキモティ・・・”あのキザミ”知ってますわ。要するに、おいら、これはこれで嫌いじゃあないです。とか言うても、本作特有の”RR製メタルコア”っぽく聴こえる所は賛否両論あると思うし、彼らの名を一躍有名にした3rd『From Mars to Sirius』で垣間見せたような、捕鯨に対するクジラさんの怒りを体現したようなスゴ味ッや、超スケールの名曲” The Art Of Dying ”を擁する前作4thの高い完成度と比較すると、その質は明らかに劣ってはいるものの、メジャーにステップアップしても素直に”カッコイイ”という感想がまず一番に出てくるあたり、やっぱ彼らが創り出す音楽は”格”そのものが他と違うんだと思う。つうか、”ゴジラってなんでこんなに人気あんの?”という疑問を抱いてる人はコレを聴いて判断すればいいと思うよ。彼らの作品の中では最も取っ付きやすい、つまり”至ってシンプル”な作風となってるんで、今までゴジラに対して妙な偏見があるorあった人こそ聴くべき一枚だと思う。一方、往年のゴジラヲタ目線だと、3rdや4thと比較すると色々な面で若干の物足りなさを感じるかもだが、しかし最低限の”らしさ”は失われてはいないので、少なくともそれなりには楽しるハズです。おいらみたく、”3rdより4th派”なら聴いて損はなさそう。

 前作に収録されたゴジラ史上屈指の名曲” The Art Of Dying ”を超える楽曲は当然というか残念ながら存在しないが、まるでイルカさんの実に知的な鳴き声みたいなキュルゥゥ♡とかいう超絶kawaiiギター音とスラッジーな轟音ヘヴィネスがクジラさんの潮吹きの如くけたたまましい雄叫びを上げる始まりから、VoジョーのGoッ!!という合図とともに超キモティ・・・”あのキザミ”が怒涛に押し寄せる#1” Explosia ”を筆頭に、なんだかんだでジョーの地響きが生まれるほど獣じみた咆哮はクッソカッコイイですわと切実に思わせるタイトルトラックの#2” L'Enfant Sauvage ”、往年のゴジラっぽさを感じる#3、前作的なインダストリアリズムとリフのキザミを効かせた#4” Liquid Fire ”、なんかクセになるインストの5、初っ端からクッソ激しく展開する前半と癒されるほどの安らぎ感がハンパないアウトロとのギャップが聞き所の#6” Planned Obsolescence ”までは”サスガ”に安定した曲で楽しませる。しかし、前半と比べると後半の曲の存在感が薄いと感じてしまうトコはご愛嬌か。その中でも、再びッ!!キザミを擁したプログ・メタルの#9は面白い。で、今回は大作と呼べる曲は一つもなく、あくまでも”コンパクト”さを意識した楽曲が多い印象で、しかもボートラ抜きだと収録時間がヒッジョーに短くなるので、その点からも俄然”至ってシンプル”さを強く印象づける・・・というわけで、本作品はゴジラというバンドを初めて知るには打って付けの作品だし、In Mourningを筆頭とするポストスラッシュ好きなら聴いてみればいいと思うよ。おいら自身、正直#1の為だけに聴いてるようなもんだし。俺の中では、もうゴジラは#1の路線を極めてくれるだけで十分です。

L'enfant Sauvage: Limited
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