Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

epicッ!!

Ne Obliviscaris 『Citadel』

Artist Ne Obliviscaris
Ne Obliviscaris
Mixing/Mastering Jens Bogren
Jens Bogren

Album 『Citadel』
Citadel

Tracklist
01. Painters Of The Tempest (Part I): Wyrmholes
02. Painters Of The Tempest (Part II): Triptych Lux
03. Painters Of The Tempest (Part III): Reveries From The Stained Glass Womb
04. Pyrrhic
05. Devour Me, Colossus (Part I): Blackholes
06. Devour Me, Colossus (Part II): Contortions

ネ・バブリシャス ・・・今やAC/DCに次いでOGを代表するバンドにまで成り上がったメルボルン出身の六人組、ネ・バブリシャスことNe Obliviscarisの2ndアルバム『Citadel』は、その成り上がりを実現させた陰の立役者であり、近年のメタル界では五本指に入るんじゃないかくらいの衝撃をシーンに与えた1stアルバムPortal of Iでもお馴染みの超売れっ子エンジニア、スウェーデン人のイェンス・ボグレンを迎えて制作されている。その前作の一曲目に収録された"Tapestry Of The Starless Abstract"は、近年のベストメタルアンセムと言っても過言じゃあない名曲で、言うなればOpeth『Ghost Reveries』がノルウェイゲン・ブラック化したようなプログ・スタイルに、まるで葉加瀬太郎が雄大な自然の中を満面の笑みで無邪気に走り回る姿が脳裏に浮かび上がるような、天空を駆け巡るJ-RPG顔負けのクラシカルなヴァイオリンを豪快にブッ込んだ、まさしく超絶epicッ!!なエクストリーム・メタルを繰り広げていた。そんなデビュー作がデビュー作だけに、期待と不安が入り混じりった2ndアルバムなんだけど・・・

ネ・BTBAM ・・・収録曲を見ればわかるように、#1~#3までの三部構成となる組曲"Painters of the Tempest"、#4の"Pyrrhic"、#5~#6の二部構成となる"Devour Me, Colossus"まで、実質3曲でトータル約48分という、前作とは少し構成が違った俄然コンセプティヴな作風となっている。で、聴く前にCDに【BTBAMファンにオススメ!】とかいうウリ文句が書いてあって、「おいおい、さすがにネ・バブリィBTBAMは全然スタイルが違うだろ・・・」って思ったけど、実際にこのアルバムを聴き終えた後には、呆然としながら「こ...これはもはやネ・BTBAMだ・・・」と呟いていた。まず、三部構成となる"Painters Of The Tempest"のパート1から、Vampillia"tasogare"を彷彿とさせる哀しげなピアノと舞台役者のように慟哭するヴァイオリンの歪みが織りなす、意表を突くような迫真のプロローグから聴き手をその世界へと引きずり込み、そして本作の目玉となる約17分の大作のパート2へと繋がる。まず驚くのが、初っ端からDeathObscuraを連想させる転調しまくりのテクデス然としたカオティックな展開だったり、低音デス主体のボーカル・パートだったりと、この時点で前作のようなOpeth系ノルウェイゲン・ブラック感は薄まって、それこそUSのBTBAMを想起させる"コア"なスタイルに変化しているのが分かる。前作に引き続き、相変わらず葉加瀬太郎の笑みが溢れるようなヴァイオリンの音色をフューチャーした曲ではあるが、特に7分以降から始まるDream Theaterの名盤『Images And Words』をリスペクトした美メロなクリーン・パート一つ取っても、先ほどの"US"あるいは"コア"っぽいイメージに拍車をかけている。この先が読めない目まぐるしい展開力や俄然リリカルでドラマティックな音のスケール感・・・とにかく、前作の弱点だった展開の乏しさやリフの単調さを克服してきている。そのパート2のエンディング的な役割を担うパート3では、葉加瀬太郎の情熱的なヴァイオリンとアコギが優雅に舞い踊る。デスラッシュ気味に突っ走るブルータルな前半から急激にポストブラック化する後半へと繋がる、実にツウ好みな展開を垣間みせる#4"Pyrrhic"、今作の中では最もOpe-Styleをベースにした曲で、かつAlcestっぽい癒し系アコギ・パートを盛り込んだ#5"Devour Me, Colossus (Part I): Blackholes"、そのエンディングを担うパート2では、悲劇のヒロインが泣き崩れるような歪んだ音色を奏でる葉加瀬太郎もといヴァイオリンに慟哭不可避だ。

ネ・葉加瀬太郎

ネ・葉加瀬太郎 ・・・今作、特にクリーン・パートのバリエーションが広がったのと音の表現力が格段に増したのが大きくて、それはAlcestDTリスペクトな美メロだったり、NeurosisIsisあるいはDEAFHEAVENを連想させる”Post-系”のモダンな空間能力を発揮する場面だったりと、なんだろう音のメリハリの効かせ方が実にUS的というか、様々な面でEU的というよりもUS的な音に歩み寄っているのは確かで、正直デビュー作だけの一発屋になるかと思っていた僕を真っ向から否定するかのような、めざましい進化を遂げている。まさかここまで柔軟性のある、ここまで器用で繊細なバンドだとは微塵も思ってなくて、USのバンドが出せないEUの音とEUのバンドが出せないUSの音を併せ持つ、それこそ新世代のメタル界を担う救世主こそ、このネ・バブリシャスなのかもしれない。また、バンドの生命線であるヴァイオリンからの脱却に成功した、バンドとしても確かな進化を感じさせる一枚でもあって、つまり"バンド・サウンド"が一段と高まったことで、よりヴァイオリンの音色が際立っているし、むしろ逆にヴァイオリンの存在が他の楽器を引き立てながら、互いに良い相乗効果を生んでいる。そして今作では全編を通してベースが活きているのが分かる。そんな様々な変化が巻き起こっている中でも、持ち前の葉加瀬太郎もといヴァイオリンが奏でる叙情的なメロディは不変で、しかし前作で言うところの”Tapestry Of The Starless Abstract””Forget Not”をはじめとした、あざと可愛いくらいの葉加瀬太郎の満面の笑顔ほとばしるエピカルなJ-RPG成分が少し薄まったのは賛否あるかもしれないし、大手のテクデス勢や流行りのポストブラック勢と似たようなスタイルになってバブリシャスらしさが消えたとも言われかねないが(もはや好みの世界)、それらのプラスマイ要素を引っ括めても、その完成度は前作に勝るとも劣らない傑作である事には違いない。とにかく、このアルバムを届けてくれた葉加瀬太郎には感謝の言葉しかない。ありがとう葉加瀬太郎、フォーエバー葉加瀬太郎

Citadel -Digi-
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Ne Obliviscaris
Season of Mist (2014-11-10)
売り上げランキング: 20,111

sleepmakeswaves 『Love of Cartography』

Artist sleepmakeswaves
Sleepmakeswaves

Album 『Love of Cartography』
Love of Cartography

Tracklist
01. Perfect Detonator
02. Traced In Constellations
03. Singularity
04. Emergent
06. The Stars Are Stigmata
07. A Little Spark
08. How We Built The Ocean
09. Something Like Avalanches
10. Your Time Will Come Again

【2011年度BESTアルバム】・・・正直なところ、あの時は「マイナーな新人バンド挙げてドヤ顔するぜ!」っつー思惑もなきにしもあらずだったから、2011年にリリースされたsleepmakeswavesのデビュー作...and so we destroyed everythingをその年のBESTに入れた時点では、今やKarnivoolDead Letter Circusと並んでオーストラリアを代表するバンドにまで成り上がるなんて思いもしなかった。その1stアルバムから約三年ぶりとなる待望の2ndフル『Love of Cartography』がリリースされた。

【光の地図】・・・今年はsukekiyoといいANATHEMAといい、そして本作のアートワークを見ても分かるように、どうやら今年のトレンドは映画『ゼロ・グラビティ』サンドラ・ブロック状態らしい。まぁ、それは冗談として→オープニングを飾る”Perfect Detonator”から首都高を勢いよく駆け巡るような65daysofstaticばりの近未来感あふれるエレクトロニカ、Epic45ばりのエピックなメロディ、RosettaあるいはRussian Circlesばりの轟音ヘヴィネス、If These Trees Could Talkばりのアトモスフェリックな空間形成、そして持ち前のプログレスな感度を交えたリリカルかつドラマティックな展開力は不変で、それはまるで眠らない夜の街と街を繋ぎ合わせる光の残像が紡ぎ出す音のプラネタリウム、それこそ映画『愛のカートグラフィ』をシネマティックに描き出している。つまり、今こうしている内にも全国各地で夜の営みが行われているという現実に今にも打ちのめされそうになる童貞の激情的な感情を姿形にしたのが、この『Love of Cartography』というわけだ。



【ポストロック界のANATHEMA(妙な矛盾)】・・・このsleepmakeswaves、いわゆるポストロック四天王を代表とする王道的な普通のポストロックとは一味違って、時にシネマティックでノスタルジックなメロディ、時に繊細で耽美なメロディ、時に希望に満ち溢れた恍惚感あふれるメロディと煌めくようなエレクトロニカと轟音ヘヴィロックが高らかにオーバードライブし、ぶつかってはハジけぶつかってはハジけ飛ぶ宇宙規模のサウンドスケープを生成していく壮観な姿は、ここ最近のANATHEMA、それこそDistant Satellitesを彷彿とさせる。つまり、彼らはある種の”メタル系ポストロック”だと僕は解釈していて、その”メタル”に通じるビッグなスケール感は今作で更なるレベルアップが図られ、それを証明するかのように#4”Emergent”や#8”How We Built The Ocean”ではロシアのPowder! Go Awayばりに超絶epicッ!!な、それこそプログレ・メタル顔負けのダイナミックな展開力を発揮している。いい意味で初々しくて粗削りだった前作と比べると、展開に俄然メリハリが出てきて音も洗練された感じがする。65daysリスペクトなキッレキレのエレクトロニカをはじめ、ピアノ/シンセ/キーボードによる虹色に輝く多幸感あふれるラヴリィなメロディが大きな鍵を握る本作品、それは中盤の”Great Northern””The Stars Are Stigmata”、そして本作のハイライトを飾る”Something Like Avalanches”からの”Your Time Will Come Again”を耳にすれば明らかだ。特に打ち込み系の”Your Time Will Come Again”は、ANATHEMA”Distant Satellites”に匹敵するドラマティックなキラーチューンで、まるでビッグバン級の超エネルギーを放出する怒涛の展開に度肝抜かれる事うけ合いだ。

【2014年度BESTアルバム】・・・しっかし、またしても自分の審美眼を褒めたくなるくらい、このアルバム『Love of Cartography』における目覚ましい”進化”には素直に驚かされた。もはやANATHEMAと一緒にツアーしてもおかしくないレベルに達してるというか、ANATHEMAをサポートするに相応しいバンドになったと思う。少なくとも今のオーストラリア生まれのバンドで一番キテるのは確かです。

Alcest 『シェルター』 レビュー

Artist Alcest
Alcest

Album 『Shelter』
Shelter

Tracklist
01. Wings
02. Opale
03. La Nuit Marche Avec Moi
04. Voix Sereines
05. L'Eveil Des Muses
06. Shelter
07. Away [feat. Neil Halstead]
08. Délivrance
09. Into The Waves

【元々ブラックメタルなんか興味なかったのさ、あの頃の僕はどうかしてたんだ】・・・そんなネージュのホンネが込められているような、先行シングルとなる”Opale”をこの世に解き放ち、自身が生み出したポストブラックなる一つのジャンルに終止符を打った、ポストブラ界のアイドルことネージュ率いるAlcestの約二年ぶり通算四作目となる『Shelter』がリリースされた。まず、この実にShoegazer然としたラブいジャケが暗示するとおり、あのANATHEMAとのツアーを経験し、あの名盤Weather Systemsが発する黄金色に光り輝く生命エネルギーをズキュゥゥゥン!!と浴びてしまったLove & Peaceなアートワークから全てを察する事ができるんだが、結論から言ってしまうと→ネージュ「俺はポストブラックをやめるぞジョジョー!」と高らかに宣言するような、いわゆるポストブラックと称されるジャンルの一時代を築き上げてきた自身の過去との決別を宣言するかのような、北国からの風をうけて新たに生まれ変わったアルセストが奏でる極上のサウンドスケープが、そよ風にのって優しく心の中に吹き込んでくるかのような一枚となっている。



【Post-Black is DEAD】
・・・まず、翼の生えた天使が舞い降りてくるかのような、まるで気分は「パトラッシュ、僕はもう疲れたよ...」な神々しいイントロの#1で幕を開け、その流れで始まる#2”Opale”が今作の『シェルター』を象徴していると言っても過言じゃあない。”オパール”という名の【幸運の石】が意味する→【人生の暗闇に希望をもたらすような明るさに満ちた石であり、憂鬱を払い、何事にも囚われない柔軟さや人に左右されない自分自身の核を作る】・・・そんなオパールに秘められたヒーリング効果をフルに発揮するかのような、これまでの少し内向的だったAlcestとは一線を画した、まるでSigur Rós直系の優雅なグロッケンシュピール(鉄琴)を用いたポストロッキンな音使いと、まるでANATHEMAヴィンセント&リー・ダグラス黄金コンビを想起させる、貴公子Neige【幸福】を呼び寄せる清らかな歌声とBillie Lindahlの天使のようなコーラスが織りなす黄金のハーモニーと共に、まるで生まれたての赤子のように純粋無垢なメロディとLove & Peaceな多幸感に満ち溢れた、眩いくらいの音の洪水にMy Heart is Happy!! しかし、なぜこの『シェルター』がここまでシガロリスペクトなのか?その答えは至って簡単だ→なんと今作のミキシング&プロデューサーには、数多くのシガロ作品を手がけてきた重鎮Birgir Jón Birgissonを迎え、そのシガロをはじめSólstafirKontinuumらのアイスランド勢の作品を世に送り出してきた、アイスランドが誇るSundlaugin Studioでレコーディングされた作品だからだ。更に、チェロやヴァイオリンなどのストリングス勢もヨンシーの親衛隊として知られるAmiinaの4人組を起用しており、様々な面においてシガロ界隈でお馴染みの人材で揃えてきている所に、もうワンランク上のおっさんを目指したいという、アルセすなわちネージュのクリエイティヴ!!な音楽に対する貪欲な姿勢と揺るぎない強い意志、そして今作に対する本気度を伺わせる。ちなみに、今作のマスタリングにはDIR EN GREYやくしまるえつこの新曲でも知られる、世界一の売れっ子エンジニアことテッド・ジェンセン擁する世界最高峰のマスタリングスタジオ、STERLING SOUNDJoe LaPortaが担当している。まさしく最強の布陣だ。

 地球のみんな!オラに力を分けてくれ!

【最後のノイズ・・・そんな、今作を象徴する”オパール”が解き放つ、まるで水晶球のように一点の曇りのない光がこの世界を明るく照らし出しながら、次の”La Nuit Marche Avec Moi”へと物語は続いていく。この曲では、ほのかに前作の匂いを感じさせるアンニュイでありながら優しく繊細なメロディをもって、極上のリヴァーヴを効かせた美しきドリーム・スケープを展開していく。そして、今作のハイライトであり、アルセストの過去と今を象徴かつ証明するかのような#4の”Voix sereine”は、まるで朝日が登り始める合図(イントロ)から、情緒感に溢れたネージュの歌声とヨンシー親衛隊による優美なストリングスや鉄琴、それらの繊細なタッチで丁寧に紡がれていくリリカルなメロディをもって、まるで「地球のみんな!オラに力を分けてくれ!」と言わんばかりの『愛』『勇気』『希望』が込められた活力みなぎる力強い音の生命エネルギーを蓄積させながら、まるで過去との別れを惜しむかのような、まるで『ジョジョ』のツェペリ一族が最期に「JOJOーーーおれの最後の波紋(ノイズ)だぜーーーうけとってくれーーッ」という魂の叫びが込められた『人間の魂』と、まるでX次元へようこそでネコ化したやくしまるえつこと同調するかのようなネージュの「ニャ~ニャ~ニャ~♪」というコーラスを交えながら、押し寄せる恍惚感とepicッ!!な胸の高鳴りと共に、中盤からクライマックスにかけてエモーショナルな感情を爆発させていく圧倒的なダイナミズムは、まさしくANATHEMAの名曲”Untouchable, Part 1”に直結するドラマティックでシネマティックなソウル・ソサエティを形成し、この世の【不幸】を洗い流し、そして全てを浄化していく...。この世界中から呼び込んだ生命エネルギーを一つにした元気玉こそ、ネージュが歩んできた音楽人生すなわち物語の一つの終着点であり、この北風と太陽のような『光』の塊こそネージュの黄金の精神』なんだと僕は悟った。

メディアブック

黄金期のジャンプ】・・・あらためて、この#4”Voix sereine”で披露している、初期のポストメタルミュージックへの回帰が込められた、これまで内側に溜め込んでいたヒキコモリエネルギーを、これみよがしに一気に外側に解放するかの如しノイジーなギターは、過去の自分を捨てて、『希望』に向かって未来へと一歩前へ踏み出すような、今にも溢れ出しそうなネージュの内向きではなく前向きな願いと想いが込められている。僕はこのノイズという名の幸福の渦に身を任せ、そのノイズの渦に贅沢に溺れる中で、Alcestとの出会いから今までの思い出が走馬灯のように頭を駆け巡り、そして気づくと僕は→「ありがとう」...それしか言う言葉が見つからない...と呟きながら、ただただ流れる涙を抑えることができなかった。それほどまでに、今までネージュが心の奥底に密かに封印しておいた『シェルター』という名の『ココロのトビラ』を開き、ネージュが求めていた輝かしき栄光の光を掴み取る瞬間・・・すなわちナポレオンの復活!を目の当たりにしているような感動すら憶えた。そして僕は、この”Voix sereine”が解き放つ恍惚感あふれるエモーションと「左手はそえるだけ...」みたいな桜木花道的なアートワークに、ジョジョ8部『ジョジョリオン』の最終話もしくはラストシーンを垣間見たような気がした。要するに、今作のテーマは→さしずめ黄金期のジャンプ』ミュージックといった所か。

【Shoegazerへの憧憬】・・・過去のAlcestに別れを告げ、リバーブの効いた冷たい北風が地肌を儚く刺激するドリーム・ハウスの中で、再びネージュとBillie Lindahlによる黄金のハーモニーを披露する#5”L'Eveil Des Muses”、まるで太陽のような輝きを放つイントロからアコースティックな音色を使ってハートフルなエネルギーを放出する表題曲の#6”Shelter”、そしてネージュのShoegazerに対する意識の高さ、すなわち『LOVE』を#7の”Away”で再確認する事となる。デフヘヴンの2nd『サンベイザー』にネージュを迎え入れたように、それこそネージュの『シェルター』を開く鍵すなわち黄金の回転エネルギーとして、マイブラと並んでShoegazerというジャンルの絶対的アイコンである伝説のシューゲイザー・バンド、Slowdiveニール・ハルステッドをリードボーカルとして迎え、ヨンシーの追っかけことAmiinaの優美なストリングスとアコースティックなフォーキーな音色を引き連れて、アイスランドの雄大な大地と情緒に溢れた自然豊かな『メランコリア』を描き出している。その、まるでネージュが「貴方が僕の『シェルター』の鍵です。私の心の扉を開くのはあな~た~♪」と言わんばかりのエモい流れから、本編ラストの約10分ある大作の”Délivrance”へと物語は進んでいく。終盤のハイライトを飾るこの曲は、まるで映画『メランコリア』の壮大かつ壮絶なラストシーンをリアルに体感しているかのような、それこそネージュという一人の人間の『真実の物語』を深裂に描き出すかのような名曲で、ネージュによる民謡風のコーラスや真綿のように繊細緻密なメロディをもってリリカルに展開しながら、特にクライマックスを飾る終盤での壮観なスケールを目の前にした僕は為す術がなく、燃えさかる灼熱の太陽に手をかざしながら、一刻一刻と迫りくる感動の渦にただただ身を委ねるしかなかった。まるで、この世に蠢く全てのカタストロフィを『無』にするかのような、それこそ『清らか』な遺体で構築された賛美歌を最期に、これにてネージュという名の聖人が後世に残した『人間賛歌』は堂々の完結を迎える。

【キーワードはJulianna Barwick】・・・主に#1,#2,#5,#8でコーラスを担当している、スウェーデン出身のインディ・フォーク系SSWPromise and the MonsterBillie Lindahlをリードボーカルとして迎えた、世界で3000枚限定のハードカバーブック盤に収録されているボートラの#9”Into The Waves”の破壊力ったらない。本編ではネージュと共に崇高なコーラス/ハーモニーを披露することで、今作をより映画のサントラ的なスケールを与え、その聖歌隊の如し神聖なるコーラスが一つのキモとなっている所からも、USのJulianna Barwickを想起させるヒーリング・ミュージック的な意識が強い作品と言える。なんつーか、インディ寄りとでも言うのかな。そんな彼女の歌声だが、このボートラではチャーチズローレンたそを少しウィスパーにした天使のような萌声を全面にフューチャーしており、それこそCD一枚に一曲という贅沢させちゃうのにも十分納得してしまうほどの良曲となっている。正直、このボートラを聴くか聴かないかによって、今作に対する評価が180度変わってしまうんじゃあないか?ってレベル。なんにしても、アルセストの新譜といいウォーペイントの新譜といい、それらを紐解く鍵となるのが、この『シェルター』と同じBirgir Jón Birgissonがエンジニアとして携わった、新作(2nd)を昨年リリースしたジュリアナ・バーウィックってのが俄然面白いね。いつぞやに彼女のデビュー作をレビューした記憶があるが、まさかそれがこの伏線()だったなんて・・・。

  シェルター
 
【ネージュの『ユメ』『夢』】・・・あらためて、今作の『シェルター』ではBlackgaze特有の無骨なブラストやノイジーなギター、そしてネージュの怒りが込められたスクリームやプログレスな展開力も影を潜め、ありのまま素直にShoegazerやってる。まるで一種の桃源郷、いや黄金にでも迷い込んだかのような幻夢的(二次元的)な世界観は皆無に近く、その薄霧がかった幻想的な森を抜けると『シェルター』という名の現実空間(三次元)への入り口が目の前に現れ、その扉を黄金の回転を使ってこじ開けると、そこには『ユメ』ではなく『夢』の世界が広がっていたんだ。それこそ、初期作品で空想という名の『ユメ』の中で『夢』を一貫して描き続け、子供の頃から憧れ続けていたネージュの『夢』が真の意味で現実となった瞬間なんだと。正直、この『シェルター』を解き放つことを使命に、ネージュはこの世に生を受けたんだと思う。しかも、かつて”オパール”【不幸の石】と呼ばれた時代もあったってんだから尚さら面白い。この言葉の意味が、ネージュの音楽人生の全てを象徴していると言っても過言じゃあない。これぞ『人間賛歌』だと。

【Pitch-Blackへの憧憬】・・・そんなネージュのアツい想いが込められた『シェルター』だが、彼らの最も身近なピッチミュージックといえば...そう、今やiPhoneの広告塔にまで成り上がった、いわゆるファッション・サブカル系男子のアイドルことDEAFHEAVENが存在する。昨年、そのD F H V Nサンベイザーが大手音楽メディアPitchforkに高く評価された結果→言わば後輩であるハズのデフヘヴン人気が、先輩のアルセスト人気を大きく上回るという逆転現象が起こった。少なくとも前作までは、根暗のニワカブラックメタラーを相手に阿漕な商売をしながら自身の立ち位置を確立してきたアルセストだが、このまさかの逆転現象に流石のネージュも「アカン」と感づいたらしく、今作ではD F H V Nに負けじと音響ライクな音作りやメロディの質、プロデューサーやゲスト陣から録音面まで全てがリア充仕様もといメジャー仕様に合わせてきてる。この変化をナニかに例えるなら→あの頃のヒキコモリ系男子がシュガーロス・ダイエットによって生まれ変わり、まるでアニヲタが脱ヲタに成功したような、まるで田舎から上京したての大学生のような、まるでキョロ充のような雰囲気すら漂っている。要するに→いくら来日公演ができるほどの人気があると言ったって、所詮はニッチな界隈でしか評価されない...そんなインディ界隈すなわちピッチメディアに対してサイレント・ジェラシーを感じていたネージュの”メタラーとしてのコンプレックス”が炸裂してしまった作品、そんな皮肉めいた受け取り方もできなくないわけだ。あらためて、”コンプレックス”というモノは人をクリエイティヴッ!!にする大きな源だと再認識した次第で。なお、ピッチのレビューではボロクソの模様。

【Post-Black is Not DEAD】・・・自分の中で、ずっとアルセストとデフヘヴンって”全くベクトルの違うポストブラック”という認識があったから、この両者の関係を考察しようなんて気持ちは微塵も湧かなかったけれど、昨年の『サンベイザー』と今作の『シェルター』を聴き比べてみたら、その愚かな考えを改めざるを得なくなった。デフへが二作目で、アルセストがその倍の四作目にしてようやくポストブラックというジャンルにおける最終目的地『メイド・イン・デフヘヴン』に到達し、お互いに引かれ合い、影響を受け与えながらも最後は互いに笑顔で歩み寄った、その良きライバルであると同時に良き理解者、もはや師弟や兄弟というような概念を超越した関係性こそ、まるでディオとジョジョのような黄金の関係性』と言えるのかもしれない。そうなんだ、『シェルター』の中で『サンベイザー』というサウンドスケープに包まれている瞬間だけが、ぼっちの僕がリア充気分になれる唯一の瞬間なんだ。僕は今、浜辺でいちゃつくリア充カップルのようにウキウキでラブラブなんだ...。というわけで、一時はポストブラックは終焉を迎えたように見えた・・・が、どうやら間違いだったようだ→俺たちポストブラックの戦いはこれからだッ!

遠回りこそ一番の近道

【遠回りこそ一番の近道】・・・正直、前作を聴いて”終わりの始まり”を感じたというか(だから年間BESTにも入れてない)、曲展開やメロディそのものが少しあざとく聴こえてしまい、その漠然としたポストブラックやめたい感・・・そんなネージュの心の揺らぎが顕著に表れてしまった前作は、初期の名作と比べるとどうしてもネタ切れ感が拭いきれなかった。しかし、そのメロディに込められた黄金の音エネルギーは着実に今作の楽曲に活かされていて、例えばOpethで言うところのWatershedを深く突き詰めた結果がHeritageである事と全く同じように、前作のLes voyages de l'âmeがあってこその『シェルター』だと僕は思う。だから、今作を聴いて「初めからShoegazerやっとけばよかったのに」というクソみたいなニワカ発言には一切興味なくて、それこそジョジョ7部のジャイロが放った名言のように、ネージュにとっても【遠回りこそ一番の近道】だったんだ。事実、前作と同じ意識のままだったら駄作しか生まれなかった、つまりオワコン化不可避だっただけに、そんな中で吹っ切れた、潔い行動を取ったアルセストを僕は素直に正しく評価したい。そして何よりもネージュの覚悟に敬意を表したい。

【引かれ合い】・・・このように、全ては”俺の界隈”の頂点に君臨するANATHEMA黄金の精神、すなわち俺の界隈の中心へと”引かれ合う”ように集まってくる。昨年のKATATONIAも、今年のAlcestも必然的に...いや、運命的にね。なんにせよ、後輩のD F H V Nの奇跡の再来日(伝説の名古屋公演)が再び決まったからには、このアルセストにも来日して頂かないとナニも始まらないしナニも面白くならない・・・と思った矢先に来日キター!
 
Shelter
Shelter
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Alcest
Prophecy (Koch) (2014-02-18)
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██████ 『Demo』 レビュー

Artist ██████
██████

EP Demo
Demo

Tracklist
01.
02.
03. Ⅲ
04. Ⅳ

【██████】・・・「NEXT-Deafheavenはコイツらだ!」と巷で噂されている、2011年にチェコはプルゼニで結成された五人組、その名も██████、またの名をnicのEPデモ音源をさっそく聴いてみた結果→「なるほどな・・・」と、単刀直入に言えば俺たちファッションサブカル系男子のアイドルことデフヘヴン直系のポストブラックやってて、自身のFBページでも好きなバンドだと公言しているベルギーのAmenraをはじめ、NeurosisやUKのLight bearerらの暗黒ポストメタル勢の影響下にある、寂寥感を煽るダークアンビエントなATMSフィールドを形成しながら、ロシアのNamatjiraやUSのThe Saddest Landscapeを連想させる陰鬱な狂気が込められたリアルスクリーモ系のヴァイオレンスな激情HCに、いわゆるポストロッキンなアプローチを加えたBlackgazeを主なスタイルとしている。

【デフヘヴンの再来】・・・オープニングを飾る#1は、イントロからソビエト連邦のNamatjiraを彷彿とさせる内相的なメロディが幽玄かつ陰惨なムードを漂わせ、序盤はポストロッキンなアプローチを垣間見せながらポストHC/スクリーモ調で進展し、そしてバンドの中心人物のミハルによるデフへのジョージ・クラーク顔負けの「ママアアアアアアアアアアア!!オモチャカッテカッテエエエエエエエエエ!!カッテクレナキャ...イヤアアアアアアアアアアアアアアア!!」とばかり、まるで子供が母親にオモチャを強請るも無視されその場で地団駄を踏む光景が浮かび上がるワガママなダダコネ系スクリームを、扇情感を煽るトレモロリフとともに粗暴なブラストに乗せて雄々しくも勇壮な佇まいで激走していく中盤以降の激情的な展開は、まさしくRoads To Judah期のデフヘヴンを彷彿とさせ、続く#2もイントロからトレモロリフを乱用して暴走するブラゲで、中盤にポストメタル然とした轟音パートで一息置いてから再びブルータルに激走していく。この二曲を聴くだけで、ボーカルの距離感や曲の緩急の効かせ方まで、あらゆる場面からデビュー当初のデフへをリスペクトしているのがよ~くわかる。少し大袈裟だが、この#1~#2の流れは、デフへの『ユダ王国への道』から#1”Violet”~#2”Language Games”の再来と言っても過言じゃあない(さすがに盛りすぎ)。

【デフヘヴンとの違い】・・・ここで、彼らがリスペクトしているデフヘヴンとの違いを挙げるとするならば→それは#3を聴けば分かるように、先ほど記したAmenraNeurosisらの暗黒スラッジ/ポストメタル勢からの影響を露骨に表現するドゥーミーな幕開けで始まり、そして中盤から突如ギターを細かくスリ潰したような音と共に渦々しい荒涼感をまき散らしながら暴走し始める、前半と後半で緩急を効かせた構成となっている。ラストの#4は、#1に通じる陰鬱なメロディをフューチャーしたインストかと思いきや、後半からギターによるノイズ地獄の中で狂気を叫ぶスクリームがこだまし続ける。ここまで全4曲トータル約25分、わかりやすく言えば→デフへの『ユダ王国への道』が東欧特有の漆黒を身にまとい、同時にコンパクトサイズになったような作品だ。全体を通して、時にメランコリックに、時にepicッ!!に、なかなかのメロディセンスを発揮している。

【未知数】・・・今年、デフヘヴンのサンベイザーが各有力メディアの年間BESTを独占するほどの高評価を得た一つの理由として→やはり自らの音楽的ルーツであるマイブラ直系のシューゲイザーに大きく踏み込んだからであって、ではトリプルギターを擁するこの██████のメンバーに、デフへの頭脳でありアニヲタ系ギタリストことKerry McCoy並みのシューゲイザーに対する素養はあるか?と聞かれたら、少なくともこのデモを聴く限りでは→「う~ん、この未知数」としか答えようがない。しかし、今のファッションブラック化したデフへとの差別化を図るためにも、このデモ版のように、デフへのEPおよび1stフル『ユダ王国への道』の正統派ポストブラック路線を受け継ぐという手も全然アリだと思う。

【iPhoneの広告塔】・・・確かに、デフヘヴンが2010年に最初のデモをリリースした時と状況が似てなくもないというか、当時のデフへは本当に”知る人ぞ知る”って感じだったけど、まさかその数年後にiPhoneの広告塔にまで成り上がるなんて・・・あのデモがリリースされた時点では誰も想像してなかったと思う。いや、さすがにデフへ並のアイドルを目指すには少しハードルが高いかもしれないが、事実誰一人として今のデフへを取り巻く状況を想像し得なかったわけだから、この██████も将来ナニが起こるかわからない。しかも、どうやら過去にRussian CirclesDeafheavenと一緒に対バンしてるとの事なんで、既にその将来性は折り紙つき、そのポテンシャルは未知数だ。実際、曲も当然ながら音も劣悪で完成されていないデモ音源でこの内容なら、フルは相当期待できるんじゃあないか?要するに→いつデフへみたいに化けるか全く予測できないから、今の内にツバつけとけよ~、というわけですw
 

Vaura 『The Missing』 レビュー

Artist Vaura
Vaura

Album 『The Missing』
The Missing

Tracklist
01. The Missing
02. Incomplete Burning
03. The Fire
04. Mare Of The Snake
05. Pleasure Blind
06. Passage To Vice
07. The Things That We All Hide
08. Braced For Collapse
09. Abeyance
10. Putting Flesh To Bone

【Kayo Dot×Gorguts×Blacklist・・・このUSはブルックリン出身の四人組、その名もVauraといえば→新譜が好評のGorgutsと新譜でブラックメタル化したKayo Dot、そしてBlacklistのメンバーからなるプロジェクトで、その音楽性としては→自身のバンドでやってるデススペルお兄さん系ブラックやポストパンク、ポストハードコアやゴシック、そしてエクスペリメンタルやポストロックなどのスタイル、それらの特徴をそれぞれ持ち寄って生まれたのがこのVaura、というわけ。で、デビュー作となった前作のSelenelionを聴いた時は→例えるならCynicのEPもしくはIsisがサイケ/プログロック化した感じのアレで、なんだこの気色悪い”ポスト”ミュージック・・・とか思いつつも、しかしその内容は思いのほか俺好みで、決して悪いものではなかったし、むしろクセになるほどだった。

【Post-Punk×Blackgaze=Post-Black】・・・そんな、イマイチ焦点が定まらない音楽性だった前作から、約一年ぶり通算二作目となる今作の『The Missing』は、かのProfound Loreに移籍して第一弾なんだけど、まずはオープニングのタイトル曲を聴いた瞬間に俺たちポストブラ厨をアヘ顔デフヘヴン状態にさせる。まるで、ファッションサブカル系男子御用達ミュージックことDeafheavenに対抗するかのような、実にブラゲ然としたMy Heart is epicッ!!な胸の高鳴り即ち昂揚感と激情的なエモーションを撒き散らしながらひた走るイントロから、俺たちのポストブラ魂に火をつける。次の#2は、中期KATATONIAもしくはLes Discretsを連想させるデプレ感を醸し出すゴシックロック/ポストパンクの名曲で、特にクライマックスを飾る泣きのギターソロは大きな聴きどころ。そして、もはやお馴染みの密教的なポスト空間を形成するイントロから、突如Krallice顔負けのトレモロリフが容赦なく襲いかかる#3を聴けばわかるように、つまり今作ではボーカル&ギター担当のJoshua Strawnが在籍する、Blacklistライクなゴシックロック/ポストパンクへのアプローチを著しく強めた耽美派ポストブラック、そんな明確かつ焦点の定まったスタイルを確立している。とにかく、ここまで#1~#3の異様な展開力の高さに、確かな”Progressive”を感じざるをえなかった。

【ポストパンクリバイバル】・・・トレモロをフューチャーした圧倒的なポストブラっぷりを見せつける序盤以降は→マイケル・ジャクソンのスリラーっぽいイントロが面白い#4、ナルシズム全開の妖麗なボーカルをはじめリズムからアレンジまで全ての音使いから往年のポストパンクリバイバルを感じる#5、そして前作の”Drachma”の続編にあたる#6あたりから、Kayo Dot直伝のネットリとまとわりつくようなサイケデリック/エクスペリメンタル色を強めていき、気づいたら密教の世界に迷い込んでいた。まさに、Kayo Dotの中心人物でありマルチプレイヤーのToby Driver、すなわちVauraの本領発揮ってやつだ。次の#7では、Cynic『The Portal Tapes』ライクなATMSフィールドを展開し、トビーによる肉厚のベースラインが主導権を握るドリーミーかつポストロッキンな#8では、ボーカルのジョシュアが今作で初めて荒々しい咆哮を披露している。特に轟音と轟音がけたたましくぶつかり合う終盤の展開はハイライトと呼ぶに相応しい。

【ポストブラ界のパラロス】・・・そんな、80sゴシックロックやらサイケロックやらポストパンクリバイバルの中盤の密教空間を抜けると→言うなれば【デススペルお兄さん×インダストリアル】な#9、ラストの#10は今作で最長の7分半ある曲で、Cult of Luna”Passing Through”を彷彿とさせる仄暗いイントロから、優雅なアコギとウネるようなベースがフェミニンなムードを漂わせながら、マッタリとした幻想的な空間を形成していく。終わりが近くなると、ゴシックスタイルにギアチェンジしてからepicッ!!なリフで徐々にキモチを高めていき、そして(おいおいパラロスのオマージュか)とツッコミたくなるボーカルの”ゴシック”なフレーズが飛び出す驚きのラストまで、最後の最後まで聞き手を楽しませる。

【化けた】・・・そんな感じで、イマイチ何がしたいのかよくわからなかった前作とは違って、今回は”ポストパンク”という明確なコンセプトがあって、しかし前作同様に若干のチープさは否めないが、その内容その完成度は前作を優に上回っている。あのProfound Loreに移籍した影響もあるのか、まさかここまで俺たちポストブラ厨をアヘ顔デフヘヴン状態にさせるアルバムを出してくるなんて・・・いやはや全く予想してなかったし、何かわからんが自分の審美眼を褒めてやりたくなった。これはもう”化けた”という表現を使っても問題ないんじゃあないか。なんか次作あたりでピッチフォーク厨が食いついてきそうな予感がプンプンしてる(あっ、既にか・・・)。ちなみに、このピッチ厨が大喜びしそうなジャケのレインボーおっぱいを手がけたのはレーベルメイトのLocrianTerence Hannum氏です。

Post-Black is DEAD・・・近頃のポストブラック界隈といえば→この手の界隈の皇帝ネージュAlcestを代表としたシューゲイザーブラックなるスタイルが流行っている・・・のかはいざ知らず、それを横目にPost-PunkとBlack-Metalの親和性の高さを見出し、実際に調和を試みるバンドもポツポツ出てきている。恐らく、ブラック(ブラゲ)にポストパンクっぽい音を初めて持ち寄ったバンドって、フランスのAmesoeursもしくはLes Discretsあたりだと思うんだけど、これからのポストブラ界隈は、このVaura『The Missing』を先駆けとしたPost-PunkにBlackをブチ込んだ耽美派ポストブラックが流行りそうな気がしないでもない(適当)

【ファッションブラック】・・・新曲のオパーイで、自らが生み出したポストブラックの歴史に自らの手で終止符を打ったAlcest。彼らの後継者は腐るほどいそうだが、Les Discretsの後継者って意外と少ないというか、このVauraしかいねーんじゃねーか?って。さすがに褒め過ぎかもしれないが、地味に今年のポストブラ系ではレーベルメイトのCastevetと並んでマストだと思う。もちろん、惜しくも解散してしまったAoPエクストリームエビ反りは言わずもがな、今やファッションブラック界のNo1,アイドルことデフヘヴンもね☆ でも正直、今年はデフへの新譜よりもコレ推したほうがドヤ顔できるんじゃねぇ~?
 
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