Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

experimental

℃-ute解散がショック過ぎるので更新停止します

Vaura 『The Missing』 レビュー

Artist Vaura
Vaura

Album 『The Missing』
The Missing

Tracklist
01. The Missing
02. Incomplete Burning
03. The Fire
04. Mare Of The Snake
05. Pleasure Blind
06. Passage To Vice
07. The Things That We All Hide
08. Braced For Collapse
09. Abeyance
10. Putting Flesh To Bone

【Kayo Dot×Gorguts×Blacklist・・・このUSはブルックリン出身の四人組、その名もVauraといえば→新譜が好評のGorgutsと新譜でブラックメタル化したKayo Dot、そしてBlacklistのメンバーからなるプロジェクトで、その音楽性としては→自身のバンドでやってるデススペルお兄さん系ブラックやポストパンク、ポストハードコアやゴシック、そしてエクスペリメンタルやポストロックなどのスタイル、それらの特徴をそれぞれ持ち寄って生まれたのがこのVaura、というわけ。で、デビュー作となった前作のSelenelionを聴いた時は→例えるならCynicのEPもしくはIsisがサイケ/プログロック化した感じのアレで、なんだこの気色悪い”ポスト”ミュージック・・・とか思いつつも、しかしその内容は思いのほか俺好みで、決して悪いものではなかったし、むしろクセになるほどだった。

【Post-Punk×Blackgaze=Post-Black】・・・そんな、イマイチ焦点が定まらない音楽性だった前作から、約一年ぶり通算二作目となる今作の『The Missing』は、かのProfound Loreに移籍して第一弾なんだけど、まずはオープニングのタイトル曲を聴いた瞬間に俺たちポストブラ厨をアヘ顔デフヘヴン状態にさせる。まるで、ファッションサブカル系男子御用達ミュージックことDeafheavenに対抗するかのような、実にブラゲ然としたMy Heart is epicッ!!な胸の高鳴り即ち昂揚感と激情的なエモーションを撒き散らしながらひた走るイントロから、俺たちのポストブラ魂に火をつける。次の#2は、中期KATATONIAもしくはLes Discretsを連想させるデプレ感を醸し出すゴシックロック/ポストパンクの名曲で、特にクライマックスを飾る泣きのギターソロは大きな聴きどころ。そして、もはやお馴染みの密教的なポスト空間を形成するイントロから、突如Krallice顔負けのトレモロリフが容赦なく襲いかかる#3を聴けばわかるように、つまり今作ではボーカル&ギター担当のJoshua Strawnが在籍する、Blacklistライクなゴシックロック/ポストパンクへのアプローチを著しく強めた耽美派ポストブラック、そんな明確かつ焦点の定まったスタイルを確立している。とにかく、ここまで#1~#3の異様な展開力の高さに、確かな”Progressive”を感じざるをえなかった。

【ポストパンクリバイバル】・・・トレモロをフューチャーした圧倒的なポストブラっぷりを見せつける序盤以降は→マイケル・ジャクソンのスリラーっぽいイントロが面白い#4、ナルシズム全開の妖麗なボーカルをはじめリズムからアレンジまで全ての音使いから往年のポストパンクリバイバルを感じる#5、そして前作の”Drachma”の続編にあたる#6あたりから、Kayo Dot直伝のネットリとまとわりつくようなサイケデリック/エクスペリメンタル色を強めていき、気づいたら密教の世界に迷い込んでいた。まさに、Kayo Dotの中心人物でありマルチプレイヤーのToby Driver、すなわちVauraの本領発揮ってやつだ。次の#7では、Cynic『The Portal Tapes』ライクなATMSフィールドを展開し、トビーによる肉厚のベースラインが主導権を握るドリーミーかつポストロッキンな#8では、ボーカルのジョシュアが今作で初めて荒々しい咆哮を披露している。特に轟音と轟音がけたたましくぶつかり合う終盤の展開はハイライトと呼ぶに相応しい。

【ポストブラ界のパラロス】・・・そんな、80sゴシックロックやらサイケロックやらポストパンクリバイバルの中盤の密教空間を抜けると→言うなれば【デススペルお兄さん×インダストリアル】な#9、ラストの#10は今作で最長の7分半ある曲で、Cult of Luna”Passing Through”を彷彿とさせる仄暗いイントロから、優雅なアコギとウネるようなベースがフェミニンなムードを漂わせながら、マッタリとした幻想的な空間を形成していく。終わりが近くなると、ゴシックスタイルにギアチェンジしてからepicッ!!なリフで徐々にキモチを高めていき、そして(おいおいパラロスのオマージュか)とツッコミたくなるボーカルの”ゴシック”なフレーズが飛び出す驚きのラストまで、最後の最後まで聞き手を楽しませる。

【化けた】・・・そんな感じで、イマイチ何がしたいのかよくわからなかった前作とは違って、今回は”ポストパンク”という明確なコンセプトがあって、しかし前作同様に若干のチープさは否めないが、その内容その完成度は前作を優に上回っている。あのProfound Loreに移籍した影響もあるのか、まさかここまで俺たちポストブラ厨をアヘ顔デフヘヴン状態にさせるアルバムを出してくるなんて・・・いやはや全く予想してなかったし、何かわからんが自分の審美眼を褒めてやりたくなった。これはもう”化けた”という表現を使っても問題ないんじゃあないか。なんか次作あたりでピッチフォーク厨が食いついてきそうな予感がプンプンしてる(あっ、既にか・・・)。ちなみに、このピッチ厨が大喜びしそうなジャケのレインボーおっぱいを手がけたのはレーベルメイトのLocrianTerence Hannum氏です。

Post-Black is DEAD・・・近頃のポストブラック界隈といえば→この手の界隈の皇帝ネージュAlcestを代表としたシューゲイザーブラックなるスタイルが流行っている・・・のかはいざ知らず、それを横目にPost-PunkとBlack-Metalの親和性の高さを見出し、実際に調和を試みるバンドもポツポツ出てきている。恐らく、ブラック(ブラゲ)にポストパンクっぽい音を初めて持ち寄ったバンドって、フランスのAmesoeursもしくはLes Discretsあたりだと思うんだけど、これからのポストブラ界隈は、このVaura『The Missing』を先駆けとしたPost-PunkにBlackをブチ込んだ耽美派ポストブラックが流行りそうな気がしないでもない(適当)

【ファッションブラック】・・・新曲のオパーイで、自らが生み出したポストブラックの歴史に自らの手で終止符を打ったAlcest。彼らの後継者は腐るほどいそうだが、Les Discretsの後継者って意外と少ないというか、このVauraしかいねーんじゃねーか?って。さすがに褒め過ぎかもしれないが、地味に今年のポストブラ系ではレーベルメイトのCastevetと並んでマストだと思う。もちろん、惜しくも解散してしまったAoPエクストリームエビ反りは言わずもがな、今やファッションブラック界のNo1,アイドルことデフヘヴンもね☆ でも正直、今年はデフへの新譜よりもコレ推したほうがドヤ顔できるんじゃねぇ~?
 
Missing
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Vaura
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Ihsahn 『Das Seelenbrechen』 レビュー

Artist Ihsahn
Ihsahn
Mixing/Mastering Jens Bogren
Jens Bogren

Album 『Das Seelenbrechen』
Das Seelenbrechen

Tracklist
01. Hiber
02. Regen
03. NaCl
04. Pulse
05. Tacit 2
06. Tacit
07. Rec
08. M
09. Sub Ater
10. See
11. Entropie [bonus]
12. Hel [bonus]
 
『皇帝の復活』・・・遂に来年のWacken Open Airで復活を果たす北欧ノルウェイの皇帝Emperor、その頂点に君臨するイーサン叔父貴のソロプロジェクト、Ihsahnの約一年ぶり通算で五作目となる『Das Seelenbrechen』なんだけど、これがまた玄人向け過ぎる内容な件について。

『レプラスよ、これがイーサンだ』・・・これまでのIhsahnといえば→Opeth直系のいわゆるプログレッシヴ・ヘヴィに、皇帝Emperor直系の血が通ったブラック成分とノルウェイ然としたジャズ/アヴァンギャルドなセンスをエクストリーム合体させたスタイルだった。しかし今作の『Das Seelenbrechen』は、これまでのスタイルとは明確に一線を画した作風となっていて、ブラックやプログレッシヴ・ヘヴィなどのいわゆるエクストリーム・ミュージックと呼ばれるジャンル/形式にとらわれない、まるでイーサンが「これが最終奥義...」と言わんばかりのエクスペリメンタリズムとアヴァンギャリズムを爆発させた結果→まるで「レプラスよ、これがイーサンだ」と弟子に向かって言い聞かせるような前衛劇『暗黒舞踏』を繰り広げている。その光景はまるで、ノルウェイの森の深淵の底でイーサンという名の孤島の巨人(奇行種)が『狂気』を吐き散らしながら、この世の全てを喰らい尽くすかのような・・・言うなれば→イーサン叔父貴が助演男優賞を受賞したLeprousの新作Coalの中でも異様な存在感を放っていた”Contaminate Me”の延長線上にある、まるで『漆黒の狂気』という名の”凄み”が作品全体の空気を支配していて、それこそイーサンとかいうインテリ系男子の本気、イーサンという『人間を超越』した人外に流れる黒い血および暗黒エネルギーがズキュウウゥン!!という擬音とともに、一滴残さず注入された作品と言える。

『ポイントはオーケストラ』・・・まず、この『Das Seelenbrechen』という名の『暗黒舞踏』、その幕開けを飾る#1の”Hiber”からして、ここ最近の作品とは明らかに一線を画す『漆黒の狂気』を放っている。というのは、オペにゃんやレプラスを連想させる70s風プログレ大好きなピアノとサスペンス風のオーケストラが織りなす、まるで一つのミュージカルを観ているかのような、謎の皇帝感を醸し出すスケール感のある演出から悲劇的な幕開けを飾り、今作のコンセプティブな世界観をより鮮明に掲示してみせる。特に中盤から独りでに暴れ狂うドラミングはDevin Townsend ProjectAddictedを彷彿とさせて面白い。その流れから、どう見てもマフィアもとい優しいイーサンの顔からは想像できない、まるで物語の語り部のようなクリーンボイスとピアノが静寂感を生む序盤、そして中盤から大仰なオーケストラとクワイヤを擁しながらスリリングかつドラマティックに展開していく#2”Regen”を聴けば理解できるように、今作はオーケストラを使ったクラシカルでシンフォニックなスケール感を全面に押し出した、とにかく”世界観”を重視した作風だという事がわかる。

『Ihsahn is Post-Progressive?』・・・序盤の流れとは一転して、浮遊感のあるイーサンのクリーンボイスと軽快なリズム&グルーヴを刻む楽器隊がプログレスに織りなす、それこそレプラスっぽい#3”NaCl”、繰り返される電子音と悲哀を奏でるピアノそして叔父貴の叙情的な歌声が織りなす、まるでNo-Manを聴いているかのようなトリップ感覚すら憶える#4”Pulse”までの流れは、ドス黒い狂気に包まれた今作の中では最もメロディを聴かせる貴重な場面となっている。しかし、これ以降はイーサン叔父貴による狂気を超えたコンテンポラリーなダンスを目の当たりにする事となるわけなんだが・・・。

『伏線()は”Contaminate Me”』・・・禍禍しいノイズが全てを支配するドス黒い暗黒空間の中で、まるでジャズ・ミュージシャンのように踊り狂うドラマーTobias Ørnes Andersenによる狂気的かつ人外なドラミングと『精神崩壊』したイーサンのヒステリックなスクリームが生々しく反響する#5”Tacit 2”、イーサン作品の常連で知られるShining (NOR)Jørgen Munkebyによるアヴァンギャルドなサックスが炸裂する#6”Tacit”までの流れは、イーサン関連作品史上最もexperimentalな本作を象徴するかのような、それこそ今作の伏線()となった”Contaminate Me”の世界観に直結する楽曲であると同時に、間違いなく今作のハイライトを飾る曲と言える。

『Ihsahn×Ulver=Contemporary-Black』・・・その一番の聴きどころである中盤以降は、デヴィンのDeconstructionライクな#7”Rec”から、ダークな音響とイーサンの語りで始まる#8”M”というPink Floydリスペクトな曲が続く。そして、同郷ノルウェイに棲むUlverという名の異形巨人(奇行種)やスティーヴン・ウィルソンという名のインテリ眼鏡巨人を連想させる、奇々怪々な音響を取り入れた#9”Sub Ater”や#10”See”をはじめ、それこそUlverさんの傑作『Perdition City』を彷彿とさせるボートラの”Entropie”と”Hel”などのエレクトロニカ/ダークアンビエント風の曲調を聴けば理解できるように、これまでのイーサンが表現してきた”Progressive”とは大きく意味合いが違って、この『Das Seelenbrechen』では本来の意味で使われる前衛的(Progressive)な、まさしくイーサン流の前衛劇『暗黒舞踏』を繰り広げていて、極端な話→これはイーサンがKscope的なPost-Progressiveやってみた結果というか、今のUlverさんがブラック・メタルっぽい事やったらこんな感じになると思う。つまり、この作品はある種のポストブラック、もはやコンテンポラリーブラックと言っても過言じゃあないわけだ。

『音の良さ』・・・さすが、傑作と呼び声高いAfter以降は、俺たちのイェンス・ボグレンがミキシング/マスタリングを手がけているだけあって、言わずもがなに今作も異常なほど音のプロダクションがいい。例えるなら→KATATONIANight is the New Dayに似た空間の広がり、空間の使い方というか、全体的にアンビエンス効果が施された黒い【ATMSフィールド】を展開している。特に#5のドラムの反響音とか、もはやドラムが一番の聴きどころなんじゃねーか?ってくらい、ドラムの音の粒が感じ取れるくらい抜けのいい音を聴かせてくれる。

『やっぱりアフターがナンバーワン!』・・・愛弟子Leprousのエイナルやデヴィン・タウンゼンド総裁をゲストに迎えた前作の4thEremitaと、傑作だった前々作の3rdAfterを比較してみると、完成度は言うことなしだが、やはりイーサンソロとして聴くと少し劣る内容だったのは確か。では、それとこの『Das Seelenbrechen』はどうかと言ったら、これまで一度も見せたことのなかった、イーサンとかいう人外の裏側に潜む本性をマザマザと見せつけるような作品で、前作から約一年ぶりのリリースなのにも関わらず、ここまで聴き手を置いてけぼりにする怪作を出してくるとか・・・さすが叔父貴といったところ。

『最高傑作』・・・なかなか難解なコンセプトを題材にしているだけあって、ボートラを含む全曲トータルで一曲という意識が非常に高く、まさにIhsahnという名の孤島の巨人(奇行種)が同族のUlverという名の異形巨人から、ある種のUKミュージック的な”知性”を学んだ結果→ヘタしたら”ポスト耳”には最高傑作に聴こえるんじゃあないか?ってほど、過去最高に奇妙な”凄み”に満ちた奇作となっていて、少なくとも前作よりは”やりたいことやった”、むしろやり過ぎた感すらある一枚。もはや来たる皇帝復活を目前にして、もうソロで思い残すことはないだろう・・・と確信できちゃうぐらい濃ゆい作品だから、皇帝信者はこのまま安心してエンペラー復活を待つことができそうだ。
 
Das Seelenbrechen
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Sadistik 『Flowers for My Father』 レビュー

Artist Sadistik
new_Sadistik

Album 『Flowers for My Father』
Flowers For My Father

Track List
1. Petrichor
2. Russian Roulette (feat. Cage & Yes Alexander)
3. City in Amber (feat. Lotte Kestner)
4. Snow White
5. The Beast
6. Kill the King (feat. Deacon the Villain)
7. Song for the End of the World
8. Palmreader (feat. Child Actor)
10. Seven Devils
11. Exit Theme (feat. Astronautalis & Lotte Kestner)
12. Melancholia
13. A Long Winter (feat. Ceschi)

『ぼくがかんがえたさいきょうのひっぷほっぷ』

USはシアトル出身の実力派ラッパー、Sadistik(コディ・フォスター)の約五年ぶり通算二作目となる『Flowers for My Father』なんだけど、そのタイトルが意味するとおり→”突如他界した父親(スティーヴン・フォスター)に捧げるアルバム・・・”らしい本作品、ゲストにTrespassers WilliamLotte KestnerBlue Sky Black Deathの作品で知られるYes Alexanderほか多数のラッパーが参加し、更にそれらの楽曲をプロデュースしたのが重鎮Blue Sky Black Deathという...もはや(おいおい俺得以外の誰得なんだ?)としか他に言いようがなくて、気になるその内容も当たり前のように俺好みだった件。

 おいら、ヒップホップの知識なんて皆無なんだが、これまでの人生で思い返してみるとBlack Eyed Peas”Don't Phunk with My Heart”という曲だけは、何故だか昔よく聴きまくってた憶えがある。そんな知識レベルの自分が想像するヒップホップといえば・・・YO!!YO!!チェケラーッ!とか、父ちゃん母ちゃんマジリスペクトとか、日本語ラップwwwZeebraさんwwwとかいうドイヒーなイメージしかないんだけど、このSadistikがやってるアブストラクト・ヒップホップなるジャンルというのは、いわゆるトリップ・ホップの別名みたいなもんらしく、要するにヒップ・ホップとトリップ・ホップが融合した結果がアブストラクト・ヒップホップということらしいです(適当)



 さすが、今や全米屈指のプロデューサーとして知られるあのBlue Sky Black Deathが関わっているだけあって、そのスタイルもBSBD直系のインダストリアルなアンビエント系ヒップホップ(トリップ・ホップ)なんだけど、まずはオープニングを飾る#1”Petrichor”から、まるで(おいおいポストロックか)と思うほど繊細かつリリカルに描き出す、ノスタルジックな【ATMSフィールド】を展開するオルタナやってて、終盤での予想だにしないGリフの登場に只ならぬ”スゴ味”を感じてしまった。そしてヒンヤリと冷たいファッキンエモーショナル(くそエモい)な音響空間の中で、ゲストラッパーCageによるBEP風のラップとYes Alexanderのロリキュートな萌声が異種格闘する#2”Russian Roulette”、イントロから胸が締めつけられるほど内省的(悲哀)なムードを醸し出しながら、神妙かつ荘厳なオーケストラをバックにLotte Kestnerの透明感のある囁きの如し歌声が、もはやこの世のものとは思えないほど儚くも美しく...そして悲劇的な情景をシネマティックに映し出す#3”City in Amber”まで、あのBlue Sky Black Deathがプロデュースした(#2,#3)を含む序盤の流れ(ツカミ)は完璧で、ただただ唖然としたというか度肝を抜かれた。その流れから、あのサマソニ大阪でのマイク・シノダを回想させるほど激しいビートを刻むコディのバッキバキなラップとそのバッキングで響きわたる幽玄かつ耽美なメロディが、まるで初期リンキンを彷彿とさせる無機質な世界観を描き出す#4”Snow White”、そして再びッ!!BSBDがプロデュースした、女性Voや壮麗優美なオケを交えながらファッキンドリーミーな癒し系アンビエンス空間を形成していく#5”The Beast”は間違いなく本作『サンキューパッパ』のハイライトで、特に4:17秒のコディの「グワァ!」すき。で、序盤はGod Is An Astronaut顔負けの【ATMSフィールド】を展開し、中盤からはCarbon Based LifeformsInterloper的な感じに突如チルアウト化する#7”Song for the End of the World”←この曲が醸しだす異色のPost-Progressive精神に謎の感動を憶え、そのCBLATMS空間を引き継いだシューゲ曲でゲストにChild Actorを迎えた#8”Palmreader”、妙にUlverさんっぽさのある#9”Micheal”、そして中盤のハイライトを飾る#10”Seven Devils”なんだけど・・・この曲、まるでTesseracTMothliteを連想させる言わばKscope界隈ライクなアート/ニカ性のある曲で、中でも全盛期のParadise Lostや初期Riversideも驚愕するレベルのエレクトリック・ギターを使った叙情的な泣きのGソロに悶絶死してしまった・・・。まさかヒップホップ聴いててパラロス顔負けの幽玄なGソロを聴くことになるなんて...リアルに→「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!『おれはヒップホップを聴いていたと思ったら いつのまにかゴシックメタルを聴いていた』 な…何を言ってるのか わからねーと思う(ry」ってなったし、初めて聴いた時はリアルに「ファ」って変な声出たわ。で、再びッ!!Lotte Kestnerを迎えた#11”Exit Theme”は父スティーヴンを天国へと送り出すかのような天使の如しロッテの歌声をバックに、ゲストラッパーAstronautalisとコディのラップが叙情的(リリカル)にお互いを高め合う、これぞ父スティーヴンに捧げられた鎮魂花で、正直こんなん聴かせられたら天国でも地獄でも安心してスッヤスヤですわ。そのパッパを浄化するようなレクイエムから、その名のとおり幻想的なノスタルジアを形成する#12”Melancholia”、再びッ!!BSBDがプロデュースを担当しゲストにCeschiを迎えた#13”A Long Winter”まで、全13曲トータル約一時間弱。自分が洋楽を聴き始める一つのキッカケだったリンキンをはじめ、まさかのパラロスUlver界隈からのKscope界隈その頂点に君臨するANATHEMAまで、もはや全世界のATMS厨歓喜のヒップホップがココに...ッ!とでも叫びたいぐらい、もうなんか俺たちATMS厨『夢』『希望』『思ひで』の全てが詰まった名盤です。

 これを初めて聴いた時、スウェーデンのCBLを初めて聴いた時の衝撃と全く同じデジャブを感じた。あれっ?これもうヒップホッパーいらないんじゃね?ってほど、荘厳なオーケストレーションやチルくてメランコリックな耽美メロが神秘的かつシネマティックなリリシズムを発揮しながら、中期Ulverを彷彿とさせるexperimentalismおよびPost-Progressiveなセンスをクロスオーヴァーさせた結果の名盤、というわけです。つまりノルウェイの森の熊さんことKristoffer Ryggが好きそうな感じのムーディ&シリアスなサウンド。いやマジで→【熊さん×Blue Sky Black Death】←わりとマジでワンチャンあるんちゃう?って。 要するに、俺たちATMS厨が長年追い求めていた真のATMSがコレにはあって、いわゆる”俺の界隈”【ATMS自治区】に棲む住人ならばコレ聴いてアヘ顔すること請け合いだし、とにかく”ATMSとはナニか?”が知りたければこれ聴けばいいと思うよ。これこそATMS界の王=キング・オブ・ATMS】と言える。正直ここまでファッキンエモーショナル(くそエモい)ヒップホップ他にないと思うわ。いやマジでヒップホップに目覚めてヒップホップニキになりそうな勢いだし、Zeebraさんもこれ聴いてナニかに目覚めてほしいわ(えっ)



 まさかヒップホップ界隈に当ブログWelcome To My ”俺の感性”が歩んできた音楽道を総括するような、まるで”俺の感性”のルーツと今を繋ぎ合わせる”音楽体験ヒストリア”的な作品が現れるなんて夢にも思ってなかったし、これには素直に感動した。このような”引かれ合い”を演出してくれたLotte Kestner姉さんとYes Alexanderちゃんには、いわゆる”俺の界隈”を代表して感謝しきれないほどの感謝をッ。ホント、なんかもう完全に”俺のために生まれた音楽”だと確信したというか...今の俺だからこそ理解できる音楽というか...それこそ”俺の界隈の再構築”という今年の目的その”答え”と言っていいぐらい、要は自分が今まで聴いてきた音嗜好の全てが本作に凝縮されてると言っても過言じゃあない。幸か不幸か、一年に一回ぐらいこういう嬉しい出会い(引かれ合い)があるから、いつまで経っても音楽聴くのやめられねーんだよな...ホント、どれだけ俺を『幸福』にすれば気が済むんだ・・・。なにはともあれ、「サンキューパッパ...」それしか言う言葉が見つからない...。

 少し話は逸れるが、本作のCD(デジパック)の背表紙の名前表記が”sadisitk”になってるという前代未聞の誤表記を発見して唖然としてしまった。つうか、CoLといい、AoPといい、今年の年間BESTに入るアルバムはワザと誤表記しなきゃいけない業界の裏ルール(しきたり)的な何かがあるの?って。しかも間違いの程度が大きければ大きいほど名作になってるし(笑) まぁ、何にしても興味深い法則を発見して勝手に喜んでる。ちなみに、ブックレットの表紙を飾っているのは父のスティーヴンと幼少期コディのツーショット写真で、裏表紙に”for Dad”と記されている所からも、実にラッパーらしい父ちゃんマジリスペクト感あって超Loveい。けど、そんな大好きなパッパに捧げる大切なアルバムでこんな間違いを犯しちゃうのは少しカッコ悪いというか、ラッパー特有のダサさ加減が垣間見れてなんか嬉しかった、なんか。

 去年はANATHEMA黄金の精神”ことWeather Systemsが堂々の一位を獲得したけど、まさか今年の一位がヒップホップって...これもうわかんねぇな。まぁ、一位はまだ確定ではないけれど、少なくとも年間BESTトップ5位内にはランクインしてくるだろうし、ヘタしたらこのまま一位取っちゃう可能性も当然あります。実際、一位でも納得できる内容してるし。ジャケもThe Oceanの新譜に匹敵するシュワシュワ~っとした超絶チルいジャケで完璧。ちなみに、MVはストーリー仕立てになってて見応えあります。そのMVの中でコディがダリオ・アルジェントTシャツ着てるあたりに好感。だから僕は本作を飛呂彦に強くオススメしたいチェケラ~♫

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Kontinuum 『Earth Blood Magic』 レビュー

Artist Kontinuum
Kontinuum

Album 『Earth Blood Magic』
Earth Blood Magic

Track List

1. Endgame
2. Steinrunninn Skógur
3. Moonshine
4. Strange Air
6. City
7. Lýs Milda Ljos
8. Red
9. I Gljúfradal

Potentiamのメンバー率いるアイスランドは大レイキャヴィーク出身の五人組、Kontinuumのデビュー作で、かのCandlelight Recordsからリリースされた1stフル『Earth Blood Magic』が、これまたexperimentalな音楽やってて結構面白い。分かりやすい話、”Atmospheric/Post-Metal/Post-Rock/Ambient/Post-Black/Post-Punk/Noise”などのあらゆる”Post系”のジャンルをクロスオーヴァーさせた、プログレッシブかつアヴァンギャルドそしてオカルティックなポストブラックをやってて、要するに元Potentiamのドラマーを擁する同郷Sólstafirの”弟分”と呼んだ方が手っ取り早い、もはや”ポストニキ”とでも言うてしまいたいぐらいの”Post-Style”は、まさに”アイスランド特有の音楽ジャンル”という認識で楽しむことができる。本作にはアイスランド出身のゲスト・ミュージシャンが多数参加しており、マスタリングには言わずもがな俺たちのイェンス・ボグレンが担当している。で、まずは露骨にSólstafirの3rd『Köld』大好き♥な、ノリノリなスピード感溢れるインスト系ポストメタル/ポストブラックナンバーの#1”Endgame”でノイジーな轟音圧迫祭りを体験させると同時に幽玄かつ夢幻的な音の浪漫飛行へと聞き手を誘い込み、その流れのままアイスランド語の語りからPost-Metal風の轟音リフと故郷への”望郷の思い”が込められたポストロック大好き♥な儚くも甘いメロディがプログレッシブに交錯するシングル曲の#2”Steinrunninn Skógur”、この頭の#1と#2の流れで聞き手を”狂気とノスタルジー”が行き交うダーティな魅惑の世界に引き込むには十分で、Post-Black然としたエロい狂気性とPost-Metal大好き♥なGリフが交わるドラマティックな轟音世界の中で確かな存在感を魅せる繊細なメロディに心惹かれる#3”Moonshine”、Post-Punk的なノリとNew-Waveぽいエロマンティックなムードに心踊らされる#4、タイトルどおりにイントロからまるでLight Bearerバリの暗黒スラッジ大好きな♥激しい展開を見せる#5”Lightbearer”、その流れのままPost-Metal大好き♥過ぎるGリフでゴリ押しするイーサン叔父貴的アヴァンギャルド・ブラック/プログレ・メタル曲の#6”City”、凍えるように寒いアイスランドの雪道をザックザックと踏みしめるSEから突如叙情的なメロディをもって(震え声)で疾走する#7、ゲストに女性Voを迎えた幻想的なアンビエントポップの#8”Red”で作品の流れに絶妙なアクセントを加え、まるで映画『孤島の王』のラストシーンの壮麗な雪景色を脳裏に思い浮かばせるような、ピアノとストリングスの美しくも力強い共演に心と魂が揺さぶられる#9”I Gljúfradal”まで、捨て曲なしトータル約56分。最後の#9を聴き終えた後に押し寄せる極上のカタルシスにアヘ顔必須の完成度。で、確かにSólstafirほどディープな世界観はないが、このKontinuumの方がいわゆる”メタル好き”の人が楽しめる要素をより多く持ってる。ノイズ/轟音系の音やリフは言わずもがな、何よりも土地柄/郷土愛が滲み出るような”メロディ”が魅力的なのが大きなポイント。てなわけで、SólstafirPrimordialを長とする”アイリッシュ・メタル”及び”アイリッシュ魂”...そのDNAを確と受け継ぐ存在である彼ら、今までにありそうでなかったスッゲー面白いメタルやってるんで、(一聴の価値は絶対にあるから)どうぞ。これは先月から続く”イェンス祭り”のフィナーレを飾るに相応しい、言わば”掘り出し物”と呼べる良作で、なんかもう「やイス」...それしか言う言葉が見つからない...。

Earth Blood Magic
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Candlelight Records (2012-08-13)

Obsidian Kingdom 『Mantiis』 レビュー

Artist Obsidian Kingdom
Obsidian Kingdom

Album 『Mantiis』
Mantiis

Track List
01. Not Yet Five
02. Oncoming Dark
03. Through the Glass
04. Cinnamon Balls
05. The Nurse
06. Answers Revealing
07. Last of the Light
08. Genteel to Mention
09. Awake until Dawn
10. Haunts of the Underworld
11. Endless Wall
12. Fingers in Anguish
13. Ball-Room
14. And Then it Was

スペインはバルセロナ出身の五人組、Obsidian Kingdomの1stフル『Mantiis』がナニかおかしな事やっとる。そのスタイルとしては、主にOpethからの影響を強く伺わせる”プログレッシブ・ヘヴィ/デスメタル”が持つ暴虐性と、Porcupine TreeNo-Manを連想させる”アトモス/オルタナ/アートロック/ダークロック/ポストロック/ポストメタル”などのありとあらゆるジャンルの要素を、アヴァンギャルドなセンスと解釈をもってシンプルに融合(クロスオーヴァー)させた結果→独自のexperimental系エクストリーム・ミュージックの確立に成功し、そして俺たちのイェンス・ボグレンが本作のマスタリングを手掛けたってんだから、そらもう”納得納得アンド納得ッ”の完成度よ。主にIhsahnLeprousのジャケ/デザインで知られるスペイン人のRitxi Ostáriz氏による、このクッソシュールでクッソ芸術的なアートワークからは到底想像つかない、まるでUlverPink Floydのような前衛的なアプローチとCult of LunaEnslavedのようなブラック/スラッジに至るまでの轟音ヘヴィネスを合わせ持ち、時として中期ANATHEMACynicPortalを彷彿とさせたりと、いわゆる”俺の界隈”という一つの小さな共同体に棲む住人がウキウキしそうな、これ以上ないほど実に理想的なスタイル...いいゾ~これ。 単純な話、いわゆる”俺の界隈”に属する主に”プログレ/オルタナ”界隈の重鎮もしくは幹部の名を(ニッコリ)と連想させる音楽性なんだが、先日紹介した”愛すべきバカメタル”ことXanthochroidと同じように、”オリジナルとそのフォロワー”という概念を超越した先にある、もはや”オリジナルを超えたニュー・オリジナル”と評しても決して大袈裟じゃあない、それぐらいの自己流エクストリーム・ミュージックを展開している。まさに昨年解散した同郷Nahemahの意志を受け継ぐ存在でもある彼ら、今ッ最も失業率がヤバ~いスペイン生まれというだけあって、少しクセのあるネチっこい歌なんだけども、またそれが味わい深かったりする。なにはともあれ、ホント久々にスペインのバンドからビビッっとキター!と同時に、何くわぬ顔してこんな良質なバンドと引き合わせてくれるなんて...”やイス”って。

 まずは...物哀しさを演出するピアノとアンビエンスの効いた音響メインのインスト#1”Not Yet Five”から独特のexperimentalismを醸し出し、PTライクなクリーンVo+アコギ主体のArt-Rockかと思いきや後半から激しくヘヴィに展開する#2”Oncoming Dark”、Cynic及びPortalを連想させる宇宙空間大好き♥(byカーズ)なスペース成分とOpeth大好き♥なプログレッシヴ・ヘヴィネスが共存するインストの#3”Through the Glass”、そしてデスメタル然とした暴虐性とジェントリー風のモダンなアプローチを垣間見せる#4”Cinnamon Balls”までの流れは壮絶かつ圧巻の一言で、ここまでの流れだけで”コイツらただ者じゃあない...”という事が理解ッできる。次いで短いピアノインストの#5、『Judgement』期のANATHEMAを彷彿とさせる荘厳かつ神聖なるオルタナ系ダークロックの#6”Answers Revealing”、そしてトランペットを用いたジャズ/ブルース/アヴァンギャルドな要素とブラック/デス特有の狂性が交錯する#7”Last of the Light”は本作のハイライト。で、その後もデス/スラッジばりの”轟音の壁”を形成する#11、No-Manちっくな#12、まるでCult of Luna顔負けのド轟音ヘヴィネスをブチかますラストの#14まで...約2,3分のコンパクトな曲が14曲繋がって(トータル約47分)一つの作品が完成する。要所要所に聴き応えのあるインストを挟んで物語のドラマ性を一層高める構成は、それこそANATHEMAの名盤『Judgement』を聴いてる時のような感覚に近い。つーわけで、最近で言うならスウェーデンのAtomaとか、この手の好き者ならアヘ顔しながら聴いて、どうぞ。

Mantiis
Mantiis
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Obsidian Kingdom (2012-11-16)
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