あなたの勉強法はどこがいけないのか? (ちくまプリマー新書)あなたの勉強法はどこがいけないのか? (ちくまプリマー新書)
著者:西林 克彦
販売元:筑摩書房
発売日:2009-03




昨年、研修で西林氏の講演をうかがい、
非常に新鮮な感動を覚えました。
近々、またお話を聞く機会に恵まれそうなので、
これもまた楽しみにしています。

さて、この本は学生向けに書かれているのですが、
「勉強」は何のためにするのか、どう学んでいくべきなのか、
ということが具体例をまじえて、非常にわかりやすく述べられています。
「うーん、この本、何とかして生徒に読ませたい!」
と最初から最後まで読みながら、ずっと考えていました。
授業であれ授業外であれ、
何とか活用できる方法を見出していきたいと思います。

「補助知識」「得意と素質」「能力と素質」
「公式はやたらにおぼえない」など、殆ど全てなるほどでしたが、
個人的に特にぐぐぐっと入ってきたところを引きます。

中学・高校における英語の学力テストの成績分布の分析をしたグラフ
(芝祐順「学習能力の型」 波多野他編『学習心理学ハンドブック』
 金子書房 1968)
のデータをもとに述べている部分です。

 中学校の英語で好成績をあげていた取り組み方をそのまま頑固に続けていると、高校の後半では成績が上がらないこともありうるわけです。油断すると「得意」だと思っているうちに、袋小路に入ってしまうのです。
                                       (p48)
 一般に子供のころの「得意」は、単純・素朴なものです。ですから、勉強法の「質的変化」がなければ、簡単に伸び悩んでしまいます。「得意」を維持するためには、周囲から刺激や指導を受けながら、本人が自覚的に、勉強法や取り組み方を変化させていかなければならないのです。(p49)

私はまさにこのパターンでした。
高校に入ってから英語の成績が面白いように下がる下がる!
勉強時間をたくさんかけてもよくわからず、
どうやってもさっぱり上がりません。
真剣に「受験科目に英語の無い大学」を探したくらいです。
ところが、大学に入ってから塾講師のアルバイトの面接に行ったら、
「文系なんだから英語もできるでしょ」と言われて、
何と急に高校3年生の英語を担当することになりました。
相手は大学受験が目前に迫っています。
教えるほうが「わからない」わけには行きません。
何とかして「わかる」ために、まさに概念を関連付けて学びました。
そしたら、入試問題が少し解けるようになってきました。
高校生の頃にこういう勉強していたら、
もっと違う未来が開けたろうにと、後悔すること限りなしです。

それだけに、この部分は本当に首肯できます。
勉強の質的変化をスムーズに促せるように、
その働きかけを工夫していきたいと思います。