YOUNG PERSONS' GUIDE TO DAVID BOWIE

DAVID BOWIEコレクターNIBによる自身のコレクションの忘備録。これからBOWIE関係のレコードやCDをコレクションしようと言う奇特な方のためのバイブル的blogをめざします。最近、「bowie」でググると公式facebookよりも上に表示されるが、それはちょっと違うと思う。(NIBへのコンタクトはこちら http://drj.maffy1996.com/cgi-bin/app2.cgi)

〜3つの箱が犯した罪〜高額3大BOXセットを考える【2】

BOX-02


3年間で12枚組
5年で12枚

高額BOX第一弾は主にグラムロックに分類される黄金期5年間を対象にしたCD12枚組(LP13枚組)だったが、第二弾はソウル・ディスコミュージックよりの3年間を対象にしたCD12枚組(LP13枚組)となっている。あれれ〜前は5年で12枚なのに、今回3年でも同じ12枚ってどういうこと?

【Who Can I Be Now 1974-1976】(2016)〜LIKE A VIRGIN〜
第二弾のリリースが発表されるまでファンの間では、「次は何年分なんだろう?」という議論がweb上で展開されていた。
仮に同じように5年分にするなら「1974〜1978」となり、アルバムで言うと、「Diamond Dogs」「David Live」「Young Americans」「Station To Station」「Low」「"Heroes"」「Stage」というラインアップになる。
単純計算すると9枚、これに「Re:call 2」2枚。ナッソーを追加するとCD13枚で価格は上がるが、十分商品としては成立する。唯一問題があるとすれば、ベルリン3部作のラスト「Lodger」がこぼれてしまう点だろうか。
結局、パーロフォンは3年分という選択肢を選んだ。

ダイヤ犬、ヤンアメ、1974ライブ2枚組、ステステ、ナッソー2枚組、Re:call、これで8枚。
さぁどうする?

まずは1974ライブのオリジナルMIXリマスター2枚組。2005年にリマスターが出ているのに、なんでまたオリジナルMIXを引っ張り出してくる必要があるのだろうか?

次にステステのHarry Maslin NEW MIX。このディスクはまさに、前のBOXでコンセプトのほころびを見せていたZiggyの2004MIXの路線に他ならない。この音源は確かに、オリジナルでは未使用(or 埋もれて聞こえなかった)の音素材を使っていて魅力的な素材といえる。ただ、限定BOX、ステステDELUXE EDITIONでしか入手できなかったものであり、それをこんな形で再発するというのは当時のBOXを購入したファンに対する冒涜としか思えないのだが。

これで11枚。もう一声欲しいところだ。しかし、Re:Call2を2枚組にするほどのアルバム未収録既発音源は残っていない。それに、このままでは人気の超有名アウトテイク曲「Who Can I Be Now」「It's Gonna Be Me」を収録することもできない。
パーロフォンは考えた。
「そうだ、”Young Americans”にはこの2曲を収録する計画があったんだ。だったら、最終決定に至るまでの収録予定曲にすればいいんだ。途中ということで、何曲かを当たり障りのない初期バージョンにしておけば、ファンは飛びつくはずさ」
というわけで、未発表アルバムという詐欺同然のうたい文句とともに「The Gouster」のBOX収録が決定したのである。公式では確かに初出の初期バージョンなのだが、ブートではおなじみの超定番音源。そして本来こういう高額BOXに無条件に飛びつくのはブートもカバーしているマニアなのではないだろうか?

多少の問題はあるものの内容的には比較的充実していて、マニアでもそれなりの満足感を得ることができた前作BOXに比べると、今回は水増し感が半端ではない。カバーする年数を減らすなら、潔く枚数を減らすという選択肢もあったはずなのに…

その結果、「過去作品の最新リマスターと既発曲の集約」をコンセプトにスタートしたはずの高額BOXセットシリーズは第2弾にして、その方針が大きくぶれることになった。そして、次のBOXでは、いよいよBERLIN TRILOGYということになるのだが、果たして…

〜3つの箱が犯した罪〜高額3大BOXセットを考える【1】3

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結局、国内盤のANCIANT BOXは「"Heroes"」交換ディスク騒動のあおりをうけて11月末になった模様。
そこで、今回を含む3つのBOXセットについて極私的見解に基づく総括をしてみたい。
それぞれの箱でパーロフォンが犯した大罪の検証である。

まずは、その前にこのBOXのコンセプトについて確認しておきたい。
SNSや尼のレビューで「All Saintsが入ってない!」「I Pray, Oleはどうした?」といった愚痴が散見されるが、それは大きな勘違いである。
もともとこのシリーズのコンセプトは「オリジナルアルバムの大半が1999年以来リマスターされていない」という状況を打破するために「オリジナルアルバムの最新リマスター数タイトルにその時期のシングルエディット、カップリング曲などのアルバム未収録曲をコンパイルした特典ディスクをつけて高額BOXセットにして一攫千金を狙う」ということである。
そのことは、「Five Years 1969-1973」の収録曲を見れば明らかである。したがって、今回のBOXに「All Saints」や「I Pray, Ole」が収録されるはずはないのだ。
ところが、ワーナーミュージック・ジャパンですら、その事実を誤認しているようで「最新リマスター/未発表音源/ライヴ音源/レア音源等を収録し、CD11枚組に編纂したアンソロジー紙ジャケット・ボックス第3弾!!」という公式ショップの商品説明には失笑を禁じ得ない。

【Five Years 1969-1973】(2015)〜嘘偽りの隠蔽工作〜

「ついにオリジナルアルバムのリマスターが出る!」と喜んだファンが多かった反面、当時に至るまでずっと噂になっていた「Hunky Dory」や「The Man Who Sold The World」の拡張版のリリース実現がさらに遠のいたと失望するファンも同じくらいいたのではないだろうか?
そして、バラ売りの告知がされることなく、「Re:call 1」というレア音源集(既発ばかりだが初CD化&廃盤多数)の特典により、多くのマニアが大枚をはたくことになったは記憶に新しいところだ。
もはや70年代オールドロックのマスターピースなら、ファンは何度も買い直しをしているので、最新リマスターというだけではパンチに欠ける。かといって、未発表音源収録は(憶測だが)Bowieサイドの許可が下りなかった。
それなら入手困難な既発音源を手っ取り早くコンパイルして特典にすればいい。
複数タイトルをまとめれば特典ディスクは1種類で済むし、全部のタイトルのリマスターを欲しがっていないファンにも散財させることができて一石二鳥。そんなレコードカンパニーの魂胆ありありの商品企画に他ならない。
それでも、「Re:call 1」のトラックリスト自体は決して悪くなかった。いや、マニアを満足させるだけのインパクトも確かにあったのだ。

その筆頭が「Holy Holy」オリジナルシングルバージョンである。この曲は、RYKO社再発プロジェクトの際にボーナストラックとしての収録が検討されたが、マスターテープが見つからず、結局、後に再レコーディングされたバージョンが収録されていた。
今回の収録にあたって、世界中のマニアの間で「え、マスター見つかったの?」という驚きの声が上がったのは至極当然のことである。しかし、そのことには全く言及されることはなかった。もちろん、ブックレットにも詳しい記載はない。
もし、マスターが見つかったのなら、ブックレットなどでそのことは大きく取り上げられるはずである。その言及はなかったことは、何を意味するのか、言わずもがなである。実際、海外の多くの研究家が「収録音源のソースはレコード盤である」と判断している。

次に注目されたのが「All The Madman」のシングルバージョン。このバージョンは米Mercuryで両面同曲のプロモ盤と、リリース中止になった「Janine」とカップリングされた流通盤のうち、廃棄を免れたごく少量の盤が出回ったのみの正真正銘のレア曲。過去にブートに収録されてきたものはすべてフェイクだったので、それがオフィシャルで聞けるということに期待は膨らんだ。しかしこれも実際、海外の多くの研究家が「収録音源のソースはレコード盤である」と判断している。おそらくマスターテープが見つからなかったのだろう。

ただ、これらの曲が公式で再発されたという事実そのものはすばらしいことだ。問題なのは、「マスターテープが見つからなかったのでレコード盤起こしです。ごめんなさい」とブックレットで説明しなかったことにある。
今の時代、CDに収録されている音源が説明もなくレコード盤をソースにしている(注)なんて、誰ひとり思いもしないだろう。

また、収録されているmonoバージョンの多くが、実際にはステレオバージョンからの単なるダウンミックスだろうと推測されるのも大きな嘘である。70年代のmonoバージョンは当時のプロモーションにおいて大きなウェイトを占めていたAMラジオ局でのオンエアを念頭に、ステレオからのダウンミックスではなく、mono用にミックスがやり直されていたのが常である。単なるステレオからのダウンミックスならシングル用にエディットされてない限りは収録の意味はないのである。

最後に、絶対に許してはならない嘘というか不手際を指摘しておきたい。この件については、NIBの知る限り、Nicholas Pegg氏の著書「The Complete David Bowie」最新版でしか言及されていない。
それは、最新リマスターであるアルバム「Space Oddity」においてノイズ除去の際に実際の音まで削除されてしまったという信じられないエラーだ。
同書の「Space Oddity」2015年リマスターに関する表記で「Cygnet Committeeのイントロ音欠け(ベース4音が3音に)、Memory Of A Free Festivalの1:07でGod's LandがGod Landになっているという記述がある。実際に聞いてみたら、たしかにそうなっている。以前から感じていたのだが、Bowieの作品で技術的なエラーがよくあるのは、担当しているエンジニアのスキルの問題なのではないだろうか?(「ANCIANT」でのエラーでそれは確信に変わったのだが…)
例えば、キング・クリムゾンの5.1chミックス制作を含む一連のリマスター作業を任されているブライアン・ウィルソンなどは、ロバート・フリップから絶大な信頼を得ていてプログレ畑のリマスター再発で引っ張りだこだ。彼の仕事でこの手のエラーが起こったという話は聞いたことがない。
そもそもノイズ除去なんて、非常に繊細でデリケートな作業であり、細心の注意が払われなければならないはずだ。
パーロフォンはこの件について、公式には何も言及していないが、最新BOX「ANCIANT」で一切のノイズ除去を行わなかったことが、この失敗に起因しているのだということは想像に難くない。

Ziggy Stardsutの2003年ケン・スコットMIXのディスクが収録されていることを除けば、このBOXの内容はおおむね冒頭で述べたコンセプトに沿っていると評価できるのでは無いだろうか。しかし、この「ケン・スコットMIX」ディスクを収録したことが、今後のBOXリリースに大きな影響を及ぼす事になる事が分かるには、翌年までまたなければならないのだった。

〜つづく〜

※内容の特性上、過去のエントリーやツイートと重複する内容が多い事をご容赦いただきたい。
(注)日本のある有名バンドは「レコードの方が音がよい」という主義から、いったんレコードにプレスした音源をソースにCD制作していたそうだ。レコード会社からはキツく口止めされていたが、数年前にその事実を公表している。ただしそこには「レコードの音がよい」という信念が存在していたことと、アーティスト自身の意思だったということが、このBOXのケースとは決定的に違う。

【箱の内側で何が? ANCIANT episode 5】1

HeroesOUT


すでにTwitterでとりとめのない事を書き連ねたが、ようやくBOX SET(LP)が届いたので、もう少し深く掘り下げてみたいと思う。
とりあえず、今回のリマスターについて海外で上がっているクレームをまとめてみた。
パーロフォンの公式声明で挙げられている不具合は次の3点。

●”Heroes”の2分50秒あたりで起こるボリュームダウン
●アルバム「Low」における、特に(レコードの)A面の曲を台無しにしている低音域が強調されたリマスター
●アルバム「Lodger」のノイズ、マスターテープに起因する音揺れ、低音域の強調、「Red Sails」冒頭のフェードアップの不具合

そして、海外ファンサイトやamazonのレビューでは以下のような不具合も指摘されている。

●「Neukoln」のエンディングで聞こえる雑音
●「Peace On Earth」冒頭のトークにおける微細なエディット
●アルバム「Scary Monster」におけるヒスノイズ。

最後に、あまり指摘はされていないがNIBが気付いた不具合

●"Heroes" / "Heros"でフランス語に切り替わるパートからの音質低下
●"Heroes" / "Helden" でドイツ語に切り替わる際のつなぎ目が厳密にはシームレスでない

今回のBOXについてはリリース直後から”Heroes”のボリュームダウンとアルバム「Low」の低音域強調リマスターについて、海外サイトのBBSには多くの批判が寄せられていた。

10/3になって主に再発盤に関するニュースを扱う海外サイト「SUPER DELUXE EDITION」に今回のマスタリングへのクレームに対するパーロフォンの公式声明が掲載された。
彼らが言及しているのは以下の3つのポイントについてのみである

●”Heroes”のボリュームダウン
オリジナルのマスターテープでは2分42秒から4〜5秒続く「エネルギーの損失」があった。今回のBOX制作に当たっては、別のジェネレーションのマスターからその部分を補完するのでは無く、オリジナルマスターの該当箇所の高音域をブーストするという解決策をとった。その結果、ブーストが終わったところからボリュームダウンしているように聞こえるだけで実際のレベルは変わっていない。
そして、オリジナルのマスターテープから製品化されるのは実は今回が初めての事で、今までのリリースがどのジェネレーションのマスターテープから製品化されているのかは誰も分からない。

●アルバム「Low」における、低音域が強調されたリマスター
アルバム「Lowと「Lodger」のリマスター作業については、確認のために50以上のテストプレス盤を制作して検討した。Tony Viscontiは今までこれらのアルバムのリマスターに関わったことは無いが、君たちが今回聞いているサウンドは彼が「リリース当時に、そう聞こえて欲しかった」と望んでいたものである。
当時のレコードでは記録できなかった(聞かせることができなかった)これらの低音域を強調しようというアプローチはViscontiとの事前の協議により合意された結果である。したがって、このリマスターは決して製品の不具合では無い。

●テープヒスノイズなど
今回のBOXのリマスターはオリジナルのアナログテープを使用して行われていて、過去のリリースで行われたようなノイズ除去は一切やっていない。今回のBOXで聞こえるヒスノイズはBowieとViscontiがレコード製作中に聞いていたものと同じである。

参考)
Nicholas Pegg氏の「THE COMPLETE DAVID BOWIE」によると「Five Years 1969-1973」BOXのアルバム「Space Oddity」2015リマスターにおいて「Cygnet Committee」の冒頭音欠け(ベース4音が3音に)、「Memory Of A Freefestival」の1:07で<God's Land>が<God Land>にといった不具合が確認されている。これらはリマスターの過程でノイズ除去の際に誤って楽器やヴォーカルの音も一緒に除去されたという不具合であり、この反省に基づいて今回はノイズ除去を一切やらないという方針に至った事は想像に難くない。

以上がパーロフォンからの公式声明だが、NIBが釈然としない点が2つある。

まず、「”Heroes”のボリュームダウン」についてである。
今までのリリースで今回のような不自然なボリュームダウン(に聞こえる現象)は存在していなかった。なぜ、そうだったかというとオリジナルを含めた過去のリリース時に「このマスターの聞こえ方はおかしい」という判断があったから、調整が行われていたということだ。
NIBはデザインを仕事にしているのだけれど、例えば2行のキャッチコピーが数値的にセンター揃えになっていても、文字種(英数字、漢字、ひらがなetc.)によってはセンター揃えには見えないことがある。そんなときはセンター揃えに見えるように調整を加えるのは当たり前。それがクリエイターの仕事である。今回のパーロフォンの理屈で言うなら「センター揃えに見えて無くてもデータ上はそうなっているからOK」といううことになる。ありえないことだ。

続いて、Viscontiに関するコメント内容である。パーロフォンはあたかも「Viscontiと協議して彼の指示通りにやったから自分たちに責任は無い」と主張しているように思えるのは自分だけだろうか?
そこで、ブックレットの表記がどうなっているか調べてみた。

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各アルバムに対する表記は上記の通り。
Viscontiがリマスターに加わっているなら「Remastered by RAY STAFF and TONY VISCONTI at AIR MASTERING」とするべきで、パーロフォンの声明からも分かるように本作のリマスター作業にViscontiはノータッチということになる。

そして最後に下記のようなクレジット表記がある。

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ここで使われている「INPUT」と「GUIDANCE」というワードがパーロフォンの声明に出てきた「事前協議」を指していることは明らかである。

これらのクレジットから判断すると、今回のBOXで明確にViscontiが関わっているのはプロダクション・ノートと「Lodger」NEW MIXだけということになる。これに関してはギャラが発生しているのは間違いないだろう。
しかし、「INPUT」と「GUIDANCE」についてギャラが発生しているかどうか、はなはだ疑問である。
もしギャラが発生しない「INPUT」と「GUIDANCE」のせいでViscontiが今回のマスタリングの出来上がりに対する責任を転嫁されているとするなら理不尽きわまりない話である。そもそも「INPUT」と「GUIDANCE」によって出来上がった音源をVisconti本人が聞いたのかどうかはどこにも触れられていないのだから。

パーロフォンの声明を読む限りでは、現時点では指摘されている不具合(?)を修正する意思は全くないように思われる。
しかし、国内盤に関しては現時点でのリリース予定が11/1なので事情が変わってくる。そもそも国内盤はEU盤に日本独自のブックレットと帯を追加してリパッケージされる仕様だ。これだけネットでクレームが噴出している状態で、将来的に返品・交換が発生する可能性のある製品をそのまま市場に出すとは思えない。
さらなる発売日の延期、(パーロフォンが修正措置をとらず放置するなら)場合によっては発売の見送りという最悪のケースも想定される。

いずれにしてもワーナーミュージックジャパンの公式アナウンスを待つしかない。

※"Heroes" / "Heros"と"Heroes" / "Helden"に関しては100%不具合だと思うのでゼッタイに何とかして欲しい。


勝手にNEW RELEASE(4)3

LegacyVisions


いささか不謹慎ではあるが、Bowieの没後、「これに乗じて多くの未発表マテリアルが発掘リリースされるのでは?」と期待に胸を膨らませたファンの方(NIB含む)、実は結構いらっしゃったのではないだろうか。Bowieが地球を去った今、もう彼による新しい音楽が生まれてくることはないのだから、当然と言えば当然である。

今まで、レコード会社にさんざん裏切られてきたが、さすがに今回は何かしらファンを満足させてくれるものが出てくるんじゃないかと淡い期待をしていたが、ここまでは完全に肩すかしを食らった状態である。
毎年恒例の(無駄に高額な)BOXセット、(意味なしマテリアル収録なのにいつまで続くか)音の出るフォトプレート、(せっかくレコードというフォーマットになるのに音質は無視の)再発カラーレコード…。アーカイブを管理する部門の許可が出ないという事情もあるかもしれないが、あまりにも酷すぎるラインアップである。
そして、最も残念なのはパー○フォン(あるいはBowie商品企画担当者)にBowie愛が決定的に欠如していることだ。没後も終わらない愛のない再発はもうたくさん。というわけで、久々のこの企画である。

NIBはただのBowieオタクだが、それでもBowie愛はパー○フォンよりは少しはあるんじゃないかと自負している。そんなNIBが企画するのは世界中のBowieファンが待っている映像マテリアル、そう、あの究極にはほど遠いPV集「Best Of Bowie」のアップデート版だ。
ブルーレイだと既存の素材のアップコンバートやレストア作業が発生して実現の可能性が低くなるので、(片面2層)DVD3枚組で考えてみた。また、隠しトラックのマテリアルもBlue Jean関連以外は涙をのんでオミットしている
それでもかなりのボリュームになったが、これでも収録の実現が難しそうなモノは容赦なくカットしているのだ。たとえば、「Space Oddity」「Look Back In Anger」のリメイク版、(商品化もされている)David Gilmour、NINのライブでのゲストパフォーマンス、「Under The God」フルPVなどなど。
冷静になればTin Machine兇粒擽覆枠埜△陵蹐澆納録が難しいと思われるが、せめてこのくらいは何とかしてほしい。
あぁ、マジで出して欲しい…。

※今回は必ず、一部の曲で見られた出だしの音欠けを解消してくれ。はっきりいってあんなの不良品レベルのエラーだからさ。


Legacy Visions :Complete Best of Bowie(3DVD)
【Disc 1】
01. Oh! You Pretty Things (Old Grey Whistle Test)
02. Queen Bitch (Old Grey Whistle Test)
03. Five Years (Old Grey Whistle Test)
04. Starman (Top Of The Pops)
05. John,I'm Only Dancing
06. The Jean Genie
07. Space Oddity
08. Drive‐In Saturday (Russell Harty Plus Pop)
09. Ziggy Stardust (From Motion Picture)
10. Life On Mars?
11. Rebel Rebel (Top Pop)
12. Young Americans (Dick Cavett Show)
*14. Fame (Soul Train)
*15. Golden Yeasr (Soul Train)
13. Be My Wife
14. “Heroes”
15. Boys Keep Swinging
16. DJ
17. Look Back In Anger
18. Ashes To Ashes
19. Fashion
*20.Under Pressure
  ※BowieもQueenも出てこないこのPVは
   「The Best Of David Bowie 1980/1987」のDVDに収録されている。
21. Wild Is The Wind
*22. The Drowned Girl
  ※「Wild Is The Wind」と同時に制作されたこのPVは
   「The Best Of David Bowie 1980/1987」のDVDに収録されている。
*23.Peace on Earth/Little Drummer Boy (Duet With Bing Crosby)
  ※過去にBowie名義のCDシングルに低画質のムービーがCDエクストラ仕様で
   収録されたっきり放置プレイだが、Bing Crosby名義では何度もソフト化されている。
24 Let's Dance
25. China Girl
26. Modern Love
27. Cat People (Live from Serious Moonlight Tour)

【Disc 2】
01. Blue Jean
02. Jazzin’ For Blue Jean
  ※「Best Of Bowie」DVDには隠しトラックで収録。
03. Blue Jean (MTV Version)
  ※「Best Of Bowie」DVDには隠しトラックで収録。
*04. Tonight (Live:Duet With Tina Turner)
  ※「Tonight」のレコーディングにゲスト参加したTina TurnerのライブにBowieが登場。
   Tina Turner名義でソフト化されている。
*05. This Is Not America
  ※映画のシーンで構成されたPVでBowieは登場しない。
06. Loving The Alien
07. Dancing in The Street
08. Absolute Beginners
09. Underground
10. As the World Falls Down
*11. When The Wind Blows
  ※映画のシーンで構成されたPVでBowieはシルエットのみでの登場。
   「The Best Of David Bowie 1980/1987」のDVDに収録されている。
12. Day-In Day-Out
13. Time Will Crawl
14. Never Let Me Down
*15. Tin Machine 9 Songs Compilation
  ※Tin Machineの1stアルバム収録曲のうち9曲をメドレーでつないだPV。
*16. Maggie’s Farm(Live)
  ※1stアルバムのミニツアーは多くのプロショットが残されていて、これもそのうちの1つ。
17. Fame '90
*18. Pretty Pink Rose (Duet With Adrian Belew)
  ※なぜかBowieのPV特集の番組では全く取り上げられず、
   youtubeにも低画質のものしかUPされていない。
*19. You Belong In Rock’n Roll
*20. Baby Universal
*21. One Shot
  ※上記3曲は唯一、リマスター再発すらされたことがないアルバム「Tin Machine 供彈録曲のため、
   実現は難しいかもしれない。
*22. Real Cool World
  ※映画のシーンで構成されたPVでBowieは登場しない。
   PVのサウンドトラックはここでしか聞けないオリジナルミックスだ。
23. Jump They Say
24. Black Tie White Noise
25. Miracle Goodnight

【Disc 3】
01. Buddha of Suburbia
02. Heart's Filthy Lesson
03. Strangers When We Meet
04. Hallo Spaceboy
05. Little Wonder
06. Dead Man Walking
07. Seven Years in Tibet
08. I'm Afraid of Americans
*09. Without You I’m Nothing (With Placebo)
  ※PlaceboのPV集に収録されている。
10. Thursday's Child
11. Survive
*12. The Pretty Things Are Going to Hell
  ※制作されたがお蔵入りになっているPV。収録は厳しいかも。
*13. Under Pressure (Rah Mix; with Queen)
  ※CGを駆使してついに実現したBowieとQueen共演のPV.
*14. Seven (Live at Elysee Montmartre, Paris)
  ※1999年ツアーのパリ公演はいつでもリリースできる完パケの映像が存在してるので、
   そこからの抜粋で。
*15. Slow Burn
  ※近年、ネットに流出したPVがベストだが、難しければBowie特集でよく見る
   「Top Of The Pops」出演の映像で。
*16. New Killer Star
*17. Never Get Old (Reality EPK)
  ※「Reality」のDual Discに収録されているEPKのフルバージョンには
   この曲を含む数曲のPV風映像が収録されている。
*18. Rebel Never Get Old
*19. Where Are We Now?
*20. The Stars(Are Out Tonight)
*21. The Next Day
*22. Valentine’s Day
*23. Love Is Lost" (Hello Steve Reich mix)
*24. Sue (Or in a Season of Crime)"
*25. ★
*26. Lazarus
*27. I Can't Give Everything Away
*28. No Plan
*29. Life on Mars? (2016 Mix)
  ※16以降の曲はすべてPVが制作され、ネットでも高画質で観ることができる。

もれなく漏れてる〜A NEW CAREER IN A NEW TOWN [1977-1982]

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秋の風物詩である高額BOXセットのリリースが、先日、公式サイトで正式に告知された。これで3年連続である。

大方のファンの予想通り、アルバム的には1980年リリースの「Scary Monsters(And Super Creeps)までとなった。ただし、BOXのタイトル名に添えられる年代表記は「1977-1982」と「Let’s Dance」の前年までとなっている。これはもちろん、「Under Pressure」と「Baal」を収録するためである。

巨大掲示板やSNSなどでは「“I Pray Ole”や“All Saints”、再録の“Look Back In Anger”は?」といった発言が散見されたが、そもそも「オリジナルアルバムの最新リマスターと現在では入手困難なシングル曲などをコンパイルする」というのがこのBOXのコンセプトなので、それらの楽曲が収録されなかったのは致し方ないのではないだろうか?それはつまり、その手のレア曲や未発表曲などはさらに別の機会に商品化するというビジョンがあるということだと信じたいというのが多くのファンの感想だろう。

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すでにトラックリストも発表されている通り、今回の一番の目玉は「Stage」への追加2曲と「Lodger」と新MIXというのが大方の意見ではないだろうか。

NIB的には、“Heroes”のフランス語バージョン(アルバムバージョン)と“Breaking Glass”、“Beauty And The Beast”のスタジオロングバージョンを挙げたい。
特にHeroes”のフランス語バージョンはどういうわけか、Bowie名義での再発は一度もなく、Toni Visconti名義のコンピ盤「Record Producers」(2007)にシングルバージョンが収録されたのみである。
“Beauty And The Beast”は公式発表では「Extended Version」と表記されているが実際には編集前のフルバージョンだろうとNIBは考えている。このバージョンはスペインでは通常の12インチシングルとしてリリースされ、アメリカではプロモ盤12インチとしてリリースされている。
“Breaking Glass”に関しては、公式発表ではスルーされているが、実はこっちの方が“Beauty And The Beast”よりもよっぽどレアである。このバージョンもおそらくアルバム収録用に短くエディットされる前のフルバージョン(といってもフェイドアウトはするのだが)だと思われる。単調な構成の曲なので短くしても問題ないと判断されてアルバム収録時には1分ほど短くされたのだろう。オーストラリアとニュージーランドのみでライブアルバム「Stage」のプロモーション目的でシングルとしてリリースされたのだが、何のクレジットもなくアルバムより1分以上も長いスタジオバージョンが収録されていたので、あまり知られていなかったこのバージョンについて、なぜノーコメントなのかNIBには理解できないのだけれど。

ほかにも、オリジナルは20万円超の値段がつく「Low Sampler」や「Cat People」(サントラバージョン)のオーストラリア12インチのロングバージョンを収録しろ!といった突っ込みどころは満載なのだが、決定的な漏れはやはり映画「Just A Gigolo」のサントラに収録され(厳密にはBowie名義ではないものの)シングルとしてもリリースされた「Revolutionary Song」だ。Bowie史上初めてサントラ用に作られた楽曲であり、全編にわたって(コーラスだけとはいえ)Bowieのヴォーカルも聴くことができるのに。

そして最後にもう一つだけ。「Stage」については2バージョン収録されることは想定内(追加2曲はウレシイ想定外だ!)だったけれど、2種類の「Lodger」に関しては想定外、いや衝撃的でさえある。Twitterでも触れたけれど「最新リマスター」と「最新ミックス」って、意味不明である。
「Young Americans」や「Station To Station」の5.1chミックスのように使われていなかった音素材の登場はあるのだろうか? 「Heathen」の5.1chミックスのように曲の長さが1分以上も長くなっていたりするのだろうか?そういうサプライズが存在して、それが今後、明らかになることを個人的には願わずにいられない。

‘A NEW CAREER IN A NEW TOWN (1977-1982)’ CD Tracklistings



LOW

Released on RCA PL 12030 (U.K.) / CPL1-2030 (U.S.) on 14th January, 1977.



1. Speed Of Life
2. Breaking Glass
3. What In The World
4. Sound And Vision
5. Always Crashing In The Same Car
6. Be My Wife
7. A New Career In A New Town
8. Warszawa
9. Art Decade
10. Weeping Wall
11. Subterraneans


"HEROES"
Released on RCA PL 12522 (U.K.) / AFL1-2522 (U.S.)

1. Beauty And The Beast
2. Joe The Lion
3. "Heroes"
4. Sons Of The Silent Age
5. Blackout
6 V-2 Schneider
7. Sense Of Doubt
8. Moss Garden
9. Neukoln
10. The Secret Life Of Arabia

"HEROES" E.P.

1. "Heroes"/"Helden" (German album version)
2. "Helden" (German single version)
3. "Heroes"/"Heros" (French album version)
4. "Heros" (French single version)

STAGE (Original)
Released on RCA PL 02913 (U.K.) / CPL2-2913 (U.S.)

1. Hang On To Yourself
2. Ziggy Stardust
3. Five Years
4. Soul Love
5. Star
6. Station To Station
7. Fame
8 TVC 15
9. Warszawa
10. Speed Of Life
11. Art Decade
12. Sense Of Doubt
13. Breaking Glass
14. "Heroes"
15. What In The World
16. Blackout
17. Beauty And The Beast

STAGE (2017)

1. Warszawa
2. "Heroes"
3. What In The World
4. Be My Wife
5. The Jean Genie *
6. Blackout
7. Sense Of Doubt
8. Speed Of Life
9. Breaking Glass
10. Beauty And The Beast
11. Fame
12. Five Years
13. Soul Love
14. Star
15 Hang On To Yourself
16. Ziggy Stardust
17. Suffragette City *
18. Art Decade
19. Alabama Song
20. Station To Station
21. Stay
22. TVC 15

* Previously unreleased

LODGER
Released on RCA PL 13254 (U.K.) / APL1-3254 (U.S.)
LODGER (2017 Tony Visconti mix)

1. Fantastic Voyage
2. African Night Flight
3. Move On
4. Yassassin (Turkish for: Long Live)
5. Red Sails
6. D.J.
7. Look Back In Anger
8. Boys Keep Swinging
9. Repetition
10. Red Money

SCARY MONSTERS (AND SUPER CREEPS)
Released on RCA BOWLP 2 (PL 13647) (U.K.) / AQL1-3647 (U.S.)

1. It's No Game (Part 1)
2. Up The Hill Backwards
3. Scary Monsters (And Super Creeps)
4. Ashes To Ashes
5. Fashion
6. Teenage Wildlife
7. Scream Like A Baby
8. Kingdom Come
9. Because You're Young
10. It's No Game (Part 2)

RE:CALL 3

1. "Heroes" (single version)
2. Beauty And The Beast (extended version)
3. Breaking Glass (Australian single version)
4. Yassassin (single version)
5. D.J. (single version)
6. Alabama Song
7. Space Oddity (1979 version)
8. Ashes To Ashes (single version)
9. Fashion (single version)
10. Scary Monsters (And Super Creeps) (single version)
11.Crystal Japan
12.Under Pressure (single version) - Queen and David Bowie

Bertolt Brecht's Baal
13.Baal's Hymn
14.Remembering Marie A.
15.Ballad Of The Adventurers
16.The Drowned Girl
17.The Dirty Song
18.Cat People (Putting Out Fire) (soundtrack album version)
19.Peace On Earth/Little Drummer Boy * - David Bowie and Bing Crosby
* mono

地球に落ちてきた男、未だ星へは帰還せず?【Fake Article For April Fool】

aprilfool


ネットで見つけた、Fake or Truth?


「デヴィッドは、生きているのよ! 女性は記者にそう告げた」(”THE IRISH NEWS” 2017.4.1)

世界一有名な未亡人は、夫に会うためにその診療所を訪れた

アイルランド北部に位置するキルデア州の都市・メイヌース。
今年2月のある土曜日、そこにある国内有数の開発援助NGOであるトロカイアを南西に臨む小さなクリニックをひときわ異彩を放つ長身の女性が訪れた。

帽子とサングラスで変装しているが、その女性は確かにイマン・アブドゥルマジドその人だ。そう、故デヴィッド・ボウイ氏の未亡人。
院長と思われる人物に出迎えられた彼女は、厳重に施錠された扉を抜けて建物の奥へと入っていった。
クリニックの裏手に建つアパートメント4Fに住むパートタイマーの中年女性はこう話してくれた。

「そりゃ、自分の目を疑ったわよ。だって、そのベッドに横たわっている老人は去年の1月にニュースで何度も目にしたあのスーパースターだったのよ。その老人は間違いなくデヴィッド・ボウイよ!」
「カーテンの隙間から垣間見えただけで、なぜ、その老人がデヴィッドだと断言できるのですか?」と尋ねた記者の言葉を遮るように女性は答えた。
「彼の死を報じるニュースで何度も観たベッドに横たわる姿と同じだったからよ!確かに髪の毛は少なくなっていたけど、あれはデヴィッド、間違いないわ。だってアタシは若い頃、彼の追っかけだったのよ。見間違えるわけないじゃない」。

約1時間が経過した頃、長身の女性(イマン)を乗せた車はダブリンへ続くM4高速道路に向かう市道を猛スピードで走り去った。


そう、彼はまだ地球にいたのだ。病床で朽ち果てていく醜態をさらすことなく、地球を後にするために彼は自らの死さえもプロデュースした。そう考えると、葬儀はもちろんお別れの会さえ行われず、遺灰は人知れず海にまかれたなどという、不可解な情報にも納得がいくのだけれど…。



ワイドなスクリーン:Lazarus PVの失われた真実4

NIBのツイアカには国内外に100名を超える奇特なフォロワーさんがいらっしゃるのだが、その中にはNIBなど足下に及ばないほどBowieへの造詣が深い方が確実に存在する。

今日はその中のお一人「安里さん」のツイートで紹介されていたサイトの記事を元にしたエントリーである。
David Bowie Blackstar.it(http://www.davidbowieblackstar.it)というイタリア語のサイトに掲載されている「Lazarus]PVの未発表widescreenバージョンについての記事は、ありがたいことに英語表記である。
安里さんのツイートによるとこのwidescreenバージョンは「1月17日にヨハン・レンク監督のサイトにリリースされたが数時間後には削除されてしまった」とのことである。
幸いにもNIBはUPと同時にPCにDLしていたので、それを元にこの記事の内容を検証してみることにする。

昨年1月8日に、「Lazarus」のPVは2ndシングルとしてWebで公開された。しかし、正方形にトリミングされた映像は、時に窮屈さを覚えるものであり、違和感を禁じ得なかったファンも少なからずいたのでは無いだろうか?

両者が持つ情報量の違いは明らかである。そして、リリースバージョンの正方形トリミングが如何に不自然かは次の画像を見比べれば疑う余地は無い。

01


02


04


そして、とりわけ注目に値するのが次のシーンだ。

03


widescreenの方では右の電気スタンド下に骸骨が置かれているがリリースバージョンではトリミングによりフレームアウトしているのだ(これは、「★」のPV後半で登場する頭蓋骨と関連しているのだろうか?)。
さらにwidescreenでは左後方に映り込んでいるベッドにBowieが横たわっているのだが、これもリリースバージョンではカットされている。

こうした「死」をイメージさせるものがトリミングでカットされているのは、本人の意思によるものだろうか? PVリリースの時期に闘病の事実すら公になっていなかったことを考えると、おそらくそれは、レコード会社の判断によるモノではないだろうか? いまとなってはそれを確かめる術は無いのだけれど。

2016年のデヴィッド・ボウイ

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Realityツアーが強制終了してからというものの、毎年のようにこのエントリーは「今年も何も無かった」「去年のエントリーのコピペでもOK」みたいな書き出しだったように記憶している。

しかし、今年は違う。こんな知らせで「今年は違う」なんて書く事は誰も望んでいなかったのに。
Bowieは本当にスターマンになってしまった。
遺作にして最高傑作という評価さえ決して言い過ぎではないと思えるほどのアルバム「★」のリリースからもうすぐ1年が経とうとしている。

思えば、2年前のエイプリルフールに「Bowie引退」という内容のエントリーをして少なからず読者の方を動揺させてしまったのだけれど、今となってはあれが現実になってくれればよかったとさえ思える。だって、もしそうなら彼はまだ存命で、「いつかまた、これまでのように心変わりして戻ってきてくれるかも」という希望を持つことができたのだから。

まさか彼がこの世にいないという形で「David Bowie Is」の日本での開幕を迎えることになるなんて。文字通りの「回顧展」となってしまうなんて…

今年もオフィシャルリリースの企画内容にはとても満足することはできなかったというのが多くのファンの方の本音ではないだろうか?(とくに「LEGACY」!)

それでも「今度こそは!」と期待を込めて僕らは次の再発を待つしかないのだ。
そして、雑誌・書籍での追悼バブルが「David Bowie Is」の開催バブルへと継続され、多くの洋書が翻訳されることを望む。

滅多に更新されないのにのぞきに来てくれている皆さん、本当に感謝しています。来年はもう少し更新の頻度を上げられるよう頑張りたいと思っています。

Look Back In Anger -怒りを込めて最近のリリースを振り返れ-1

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もともとは「Who can be customer now?-New Box Set-誰が買うの?-」というタイトルで高額BOX第二弾をこき下ろすエントリーを書いていたのだけれど、もたもとしているうちに、「TMWFTE」サントラ、「LAZARUS」キャストアルバムと続々リリースが決まってしまい、投稿するタイミングを逸してしまった。
そんな中、11月リリースと告知された新しいベスト盤「BOWIE LEGACY」の内容に愕然とした。Bowieファンが、ここまでレコード会社から軽んじられていいのか!そんな怒りに震えながら久々の新エントリーである。

まずは、高額BOX第二弾をざっくりと。

昨年のBox Set 「Five Years 1696-1973」に続く第2弾。タイトルは「Golden Years」だろうというのが多くのファンの予想だったが発表されたタイトルは「Who Can I Be Now? (1974-1976)」だった。
内容は以下の通り。

アナログは84Pブックレット付きの13LP.CDは128Pブックレットの12CDだ。

●Diamond Dogs (remastered) (1 CD/1LP)
●David Live (original mix) (remastered) (2 CD/2LP) *
●David Live (2005 mix) (remastered) (2 CD/3LP)
●The Gouster (previously unreleased as an album) (1 CD/1LP) *
●Young Americans (remastered) (1 CD/1LP)
●Station To Station (remastered) (1 CD/1LP)
●Station To Station (Harry Maslin 2010 mix) (1 CD/1LP) *
●Live Nassau Coliseum ’76 (2 CD/2LP)
●Re:Call 2 (Single versions and non album B-sides) (remastered) (1 CD/1LP) *

THE GOUSTER(Previously unreleased as a complete album(

1. John, I’m Only Dancing (Again) ; not on ‘Young Americans’, first released as a single in 1979.
2. Somebody Up There Likes Me; alternative early previously unreleased mix
3. It’s Gonna Be Me; not on ‘Young Americans’, first released as a bonus track on the EMI/Ryko edition of ‘Young Americans’ in 1990. An alternative mix with strings was released on the 2007 EMI edition of ‘Young Americans’.
4. Who Can I Be Now?; not on ‘Young Americans’, first released as a bonus track on the EMI/Ryko edition of ‘Young Americans’ in 1990.
5. Can You Hear Me; alternative early previously unreleased version.
6. Young Americans; same version that ended up on ‘Young Americans.
4. Right; alternative early previously unreleased version.

RE:CALL 2(Non Album Singles, Single Versions and B-Sides)

1. Rebel Rebel (original single mix)
2. Diamond Dogs (Australian single edit)
3. Rebel Rebel (U.S. single version)
4. Rock ‘n’ Roll With Me (live - promotional single edit)
5. Panic In Detroit (live)
6. Young Americans (original single edit)
7. Fame (original single edit)
8. Golden Years (original single version)
9. Station To Station (original single edit)
10. TVC 15 (original single edit)
11. Stay (original single edit)
12. Word On A Wing (original single edit)
13. John, I’m Only Dancing (Again) (1975) (single version)

もともと、このBoxは未発表曲をリリースするというコンセプトでは無いようなので、新音源が「THE GOUSTER」の3曲だというのは理解できる。
しかし、高額なこのシリーズがコアなファンをメインターゲットにしているというのは明白なところであり、それなら「Station To Station」のBoxを購入しているなら無用の長物であるHarry Maslin 2010 MixとLive Nassau Coliseum '76は果たして必要だったのか疑問である。
さらに、前のBoxでは(突っ込みどころ満載ではあるものの)初CD化の楽曲多数だった「Re:Call」については、今回は1枚モノにダウングレード。しかも収録曲のほとんどが前述のSTS Boxや再発周年盤ですでにCD化されている音源ばかりだ。そしてブックレットには「マスター消失」明記しておきながら、事前のアナウンス無しに、盤起こしで収録された「Rebel Rebel (original single mix)」に至っては、詐欺同然である。
今回の目玉と位置づけられている「THE GOUSTER」にしても、「未発表アルバム」という表現には違和感を禁じ得ない。コレはあくまでも、完成アルバム「Young Americans」の制作過程にすぎないのだ。オフィシャル初出の3曲についてもブートでの既発音源が音質UPされたくらいの意味しか無い。間違い探しくらいの違いしか無い「Somebody Up There Likes Me」については個人的には残念な気がする。
12CDながら実質6タイトルというコストパフォーマンスの悪さもマイナスポイントだ。次のBoxこそ、心の底から「買うぞ!」と思わせる内容を望みたいところである。

_SL1500_


そして、「BOWIE - LEGACY」である。
全キャリアを振り返る究極のベスト盤「Nothing Has Changed」のリリースからわずか2年。その後アルバム1枚がリリースされただけなのに、またベスト盤である。
Bowieの死後に彼を知った新しいファンに向けて「全キャリアを振り返るお手軽ベスト盤をクリスマス商戦に向けてリリース」という意図は、一応理解はできる。それならなぜ、「Life On Mars?(2016 Mix)」のようなコアなファンをターゲットにしたような曲を入れる必要があるのか?新しいファンのためなら代表曲である同曲のオリジナルバージョンを収録すべきである。
1枚モノのトラックリストでばっさりと抜け落ちている「Tonight」から「Reality」までの8枚のアルバムからの曲。もし、前述したNIBによるリリースコンセプトが正しいとすれば、この1枚モノにこそ、これらの曲も収録するべきだったと思うのだが。
こんな底の浅いベスト盤に「Legacy(遺物、遺産)」といったタイトルを付けてリリースするなんて、亡きBowieに対するリスペクトが著しく欠如しているとしか思えない。そして、熱心なBowieファンこそが、レコード会社からなめられているという事実に怒りを禁じ得ない。「新しいMIX入れときゃ、また買うでしょ」といった熱心なファンをなめきった態度は改められることはないのだろうか?

もし、「Bowieのことを知りたい」と思って「BOWIE - LEGACY」を購入しようとしている方がいらっしゃるなら、それはやめて今すぐに「Nothing Has Changed」の2CDバージョンの購入に切り替えることをオススメしたい。遺作アルバム「★」も合わせて購入すれば、より深くBowieについて知ることができるだろう。

徹底研究:Five Years 1969-1973(1)〜RE:CALL 1〜5

_SX355_


Bowieファンの間では、Viscontiによる「数年のうちに未発表曲がリリースされるよ」というコメントの話題で持ちきりだ。
しかし、現状を冷静に見ると相変わらず「40年前のベスト盤の再発」などという、あまりにも非建設的なリリースや資源の無駄遣いでしかない過去の作品のアナログ化、雨後の竹の子のように次々と現れる既発音源のブートの話題ばかりだ。

昨年リリースされた豪華BOX「Five Years 1969-1973」の続編の話も一向に上がってこない。
今回のエントリーは昨年7/7の記事「勝手に先行レビュー「ホントにレアモノ?」の続編である。前回のエントリーが各曲の音源としての価値にフォーカスしていたのに対して、今回は音質面からのアプローチだ。
NIBのネットつながりの友人で英国人のshooky氏が海外サイトのフォーラムにUPしたエントリーの中から、「RE:CALL 1」に関する鋭くて深遠な音質面からのレビューを彼のご厚意により、翻訳して多少のアレンジを加えて引用する許可をいただいた(Many Thanks shooky!)。
翻訳をする過程で実際に音源の聞き比べもしてみたのだが、まさに目からウロコのディープなレビューとなっている。

コレクターとしてはそこそこのレベルかなと自負しているNIBだが、それでも海外サイトはもちろん、2chで新しい気づきを与えられることは少なくないし、雑誌での特集記事で新たな事実に出会えることも楽しみにしている。
それだけに昨年のレコードコレクター11月号で組まれていた「Five Years 1969-1973」の中の「RE:CALL 1」に関する解説が、間違いだらけの実にお粗末なものだったことには大いに失望した。
次の号を読んでいないので、訂正や補足が行われたどうかは未確認だが、もし訂正記事を載せるなら2Pは必要なレベルだったというのがNIBの個人的見解である。
市販誌の記事だから、その内容に責任を持つのはライター氏であり、ここでその間違いを事細かに指摘するつもりはないが、少なくとも「Holy Holy」がアルバム「世界を売った男」の収録曲で先行シングルだという記述、1975年発売のマキシミリオン7インチの「Space Oddity」が新録バージョン(新録バージョンは1979年録音)だという記述の2点に関してはあまりにも低レベルで弁解の余地のない事実誤認だと思う。

さて、それでは本題に入ろう。

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★音源的アプローチによる「RE:CALL 1」レビュー

Disc 1

1. Space Oddity (UK mono single edit)
1曲目から残念なことに、Philipsオリジナルシングルバージョンとはかなり違うサウンドだ。実際のシングルでは、当時のAMラジオでのオンエア用にコンプレッサーによって意図的に太いサウンドに仕上げられている。今回の再発にあたって、どんなソースが見つかったのかとは関係なしに、オリジナルに忠実でもないし、ましてやいい感じにもなっていない。キンキンしていてお粗末なサウンドでしかない。

2. Wild-Eyed Boy From Freecloud (UK mono single version)
少しはましなサウンドではあるものの、迫力や音響面から見てオリジナルに忠実とはいえない。これら2曲は「トランジスタラジオ」的な側面のあるサウンドだ。

3. Ragazzo Solo Ragazza Sola (stereo single version)
もともとはmonoバージョンでリリースされていて、stereoミックスが初めて登場したのは2009年の「Space Oddity」40周年記念盤である。それと同じstereoマスターが使用されているが、オリジナルのシングルバージョンと長さを揃えるために2009年バージョンよりもフェイドアウトが若干早くなっている。素晴らしいサウンドではあるが、本物ではない。

4. The Prettiest Star (original mono single version)
サウンド的には「Space Oddity」40周年記念盤よりも、RYKO盤BOX「Sound + Vision」のマスターに近い感じだ。オリジナルシングルとの比較という観点を抜きにすれば、前述の2バージョンよりもスムーズで暖かみのある最高のデジタルサウンドに仕上げられている。

5. Conversation Piece (original mono single version)
Ryko盤とソースは同じだと思われるが、サウンドは太くされ、高音域が減じられている。前の2トラックをも超える、デジタル時代のベストサウンドといえる仕上がりだ。

6/7. Memory Of A Free Festival Pts 1 & 2 (original stereo single version)
これもまた、RYKO盤のものと比べて、デジタル時代のベストサウンド。

8. All The Madmen (US promo single edit)
驚くべきことに、正真正銘のオリジナルエディットバージョンだ。しかしながら、そのサウンドはオリジナルとは似ても似つかない。おそらくレコード盤起こしの音源を激しくイコライジングしているのだろう。ざらざらとしたサウンド。初CD化なのだが、とてもおすすめできる代物ではない。

9. Janine (US promo mono version)
全曲のカップリングで、サウンドの特徴もよく似た感じだ。間違いなくstereoバージョンからmonoバージョンにダウンミックスされているのだが、イコライジングの違いが顕著に認められる。これまた初CD化なのだが、収録の必然性が認められるとは思えない。

10. Holy Holy (original mono single version)
これも初CD化で最も待望されていた曲である。アナログ盤からの針起こしではあるが、多少高音域が強調されすぎている感はあるものの本来あるべきサウンドでの収録といえるだろう。

11/12. Moonage Daydream/Hang On To Yourself (Arnold Corns versions)
「Ziggy Stardust」30周年記念盤と同マスターから制作されたと思われるが、そちらではカットされていたイントロの語りが復活している。どちらの曲もかなりざらついたサウンドで実際のオリジナルシングルのテイストではない。


Disc 2

1. Changes (UK mono single)

今回のstereoニューマスターからダウンミックスされたバージョンだと思われる。その理由は「time was running wild」というラインの「time」と「wild」部分で聞こえた2度のクリック音が最新マスターと同様に除去されているからだ。実際のシングルでもこのクリック音は確認できるので、このバージョンがニューマスターから制作されたものであり、本来のmonoミックスでないことは疑う余地がない。

2. Andy Warhol (mono single edit)
イントロの前半がカットされているエディットバージョン。「Re:Call」のブックレットにはUK盤シングルの画像が掲載されているが、そのシングルに収録されているのはアルバムバージョンであり、実際にはエディットバージョンが収録されているのはUS盤、しかもmonoバージョンなのだ。monoエディットバージョンを収録しているのはレーベルが黄色のラジオプロモ盤のみ、しかもそれは、単にstereoバージョンのダウンミックスである。こうした理由から、このトラックの収録は間違いであり、ディスクスペースの無駄使いである。

3. Starman (loud mix)
サビ前のピアノがオーバーダブで強調されているシングルミックスは、「Nothing Has Changed」(3CD)収録のバージョンに似ているが、若干高音域が増幅されていてすこし残念な仕上がりだ。

4. John I'm Only Dancing (original version)
正しいミックスなのだが、実際のシングルと同じサウンドではない。「Ziggy Stardust」30周年記念盤と同マスターから制作されたと思われるが、若干高音域が減じられているとともに、左右のチャンネルが入れ替わっている。

5. The Jean Genie (single mix)
「Aladdin Sane」30周年記念盤のバージョンほどはコンプレッサーがかけられてはいないもののの、実際のシングルのサウンドには遠い仕上がりだ。

6. Drive-in Saturday (german single edit)
全くもって時間の無駄。「Aladdin Sane」40周年記念盤のマスターが早くフェイドアウトするだけ。以上。

7. Round And Round (original b-side mix)
RYKO盤以降の再発では、エンディングでオリジナルにはなかったBowieの声が追加されていたのだが、ついにオリジナル通りの正しいミックスでCD化された。残念なことに、実際のシングルよりもずいぶん高音域を強調したリマスタリングが施されているが、逆に高音域をもう少し絞るべきだった。

8. John I'm Only Dancing (sax version)
「Aladdin Sane」30周年記念盤のマスターよりもコンプレッサー処理が少なく高音域が増幅されていて、初期の「ChangesOneBowie」LPにかなり近い仕上がりとなっている。

9. Time (single edit)

かなりいい出来だが、1コーラス目の終わりから「you are not a victim」に入る直前のオリジナルにあったノイズ(おそらくピアノのペダルか鍵盤の操作音)が編集で除去されている上に、残念なことにそのつなぎ目に不自然な音のダブりが確認できる。コンプレッサーがかけられた「Aladdin Sane」30周年記念盤のマスターとは違って、オリジナルシングル同様の音の迫力は同レベルの仕上がりだ。

10. Amsterdam (original mix)
さらなる成功例。RYKO盤収録の別ミックスではなく、オリジナルミックスである。実際のシングルに非常に近いサウンドに仕上がっている。

11. Holy Holy (Spiders version)
「Ziggy Stardust」30周年記念盤と同マスターから制作されたと思われるが、左右のチャンネルが入れ替わっているし※、バランスが変わっていて高音域が強調されすぎだ。

※RCAのコンピ盤「Bowie Rare」収録のバージョンはは左右のチャンネルが今回のものと同じなので、もしかしたら「Ziggy Stardust」30周年記念盤の方が左右入れ替わっているミスなのかもしれない。いずれ、オリジナルシングルで確認して明らかにさせたいと思う(NIB追記)。

12. Velvet Goldmine
いい感じにイコライジングされているが、既発バージョンと違って奇妙にコンプレッサーがかけられている。

【6/13追記】「Changes」と「Time」の該当部分の音源を曲名にリンクを貼ったのだが、音がでかいので十分注意されたし。前半がオリジナルシングル音源、後半がRE:CALL音源である。
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