YOUNG PERSONS' GUIDE TO DAVID BOWIE

DAVID BOWIEコレクターNIBによる自身のコレクションの忘備録。これからBOWIE関係のレコードやCDをコレクションしようと言う奇特な方のためのバイブル的blogをめざします。最近、「bowie」でググると公式facebookよりも上に表示されるが、それはちょっと違うと思う。(NIBへのコンタクトはこちら http://drj.maffy1996.com/cgi-bin/app2.cgi)

Lost Or Found?〜HOLY HOLY(2020MIX)〜

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「THE WIDTH OF A CIRCLE(以下TWATC)」のリリースが3週間後に迫る中、HOLY HOLY(2020MIX)の音源が各種ストリーミングサービスで先行公開された。
TWATCのティーザーでその一部分が使用されていて評判は良かったようだが、全編の公開に当たっては海外サイトでもその仕上がりについて話題になっており、おおむね好評のようである。
確かにモコモコしたオリジナルに比べるとクリアで各パートの分離の良い仕上がりになっていると思う。オリジナルでは聞こえなかったギター(新たにオーヴァーダブされていないという前提だが)なども前面に出されるMIXから判断するとマスターテープが発見され、そこから制作された可能性が高そうだ。

ただし、マスターテープ発見についてはTWATCのブックレットではスルーされる可能性が高いと思う。理由は以下の通りだ。
「Holy Holy」と同様にマスターテープが紛失していると言われていた「REBEL REBAL」のUKオリジナルシングルMIXはBOXセット「Who Can I Be Now? (1974-1976)」の「Re:Call 2」に収録されたがオリジナルブックレットには「レコード盤起こしで収録」と明記されていた(日本語ブックレットでは翻訳スルーで未記載)。しかし、後に公式サイトのNEWSで「マスターテープが見つかった」と報じられ、マスターテープからの音源が配信限定シングルでリリースされている。
一方、「Holy Holy」については、BOXセット「Five Years(1969-1973)」リリースの際に紛失しているマスターテープに関して一切言及することなく「Re:Call 1」に同曲のオリジナルシングルバージョンが収録され、「レコード盤起こしである」というコメントも付随していなかった。もし、この時点で(コアなファンの間では紛失が周知の事実になっていた)マスターテープが見つかっているのなら、そのことに触れないというのはあり得ない話である。
したがって、今回、このタイミングで「マスターが見つかった」と認めると、「Re:Call 1」でレコード盤起こしを隠蔽していたとレーベル自らが認めることになってしまう。「Five Years(1969-1973)」での嘘の上塗りをやらざるを得ないのである。

なお、新バージョンの詳細については、IDBDフォーラムに投稿されていたshooky氏による素晴らしい解説を以下に引用しておく。

●オリジナルの最初のヴァース(1:24と2:21からのリピートの2カ所)では、ボウイのヴォーカルはダブルトラックになっていて、1つはメロディーをラララと歌っているのだが。2020MIXではどちらのヴォーカルトラックもが歌詞を歌っている。歌詞を歌っているヴォーカルトラックをコピーしてダブルトラックに配置したのではないだろうか。
●オリジナルの0:18でアップしていくギタースライドは際立っているが、2020MIXでは非常に低く押さえられている。また、オリジナルではかすかに聞こえていただけの小刻みなドラムのパターンが前面にミックスされている。
●オリジナルでは、0:31の「Nighttime…」の歌詞がシングルトラックになっています。一方、2020MIXではこのセクションにはディレイエフェクトがかけられている(全体を通じて2020MIXでは同様のエフェクトが多用されている)。
●オリジナルの0:42で聞こえる「ディン!」というサウンドは2020MIXでは削除され、別の録音から引用されたと思われる左右にパンするギタースクレイプに置き換えられている。
●2020MIXの0:47からのリードギターはオリジナルでは確認できない(or聞こえない)。同様に、1:37のリードギターもオリジナルでは確認できない。一方、ベースギターは、このセクションではオリジナルより高いレベルにミックスされている。

皆さん、一聴してお気づきかと思うが2020MIXにはリードギーターのフレーズが新たに追加されている。オリジナルにはなかったこのギターは誰の演奏なのか、せめてその真相くらいはTWATCのライナーノーツで明らかにされることを祈念している。

聖者がウチにやって来た〜Bowienet Competition〜

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David Bowieは早くからインターネットの可能性に注目し、1990年代半ばにはアルバム「1.outside」に関連するコンテンツのWEBサイトを立ち上げ、新曲「Telling Lies」をメジャーアーティストとして世界で最初にデジタル配信した。
その後、「Bowienet」という名称で、アーティストDavid bowieの公式サイトはスタートした。
1998年9月1日に開設された「Bowienet」は、当初はプロバイダーとしての機能も備えていた(2006年でプロバイダーの機能は終了)。月額19.95ドルのプランでは5MBのストレージと会員専用のオーディオとビデオ、シェアウェア、およびマルチプレイヤーゲーム、(Bowie自身とのライブチャットを含む)チャットルームを利用することができた。月額5.95ドルのプランではプロバイダーの機能が除外されていた。
※「時間〜TIME 鋤田正義写真展」の年表ではBN開設は1994年と記述されていた。
また、いずれのプランにも@davidbowie.comのメールアドレスが(確か)5つと会員向けのチケットプレセールの権利(これについては後日改めて記事をUPする予定だ)が付与されていた。そして、「liveandwell.com」のCDが入会特典として配布された。

Bowienet(以下BN)では、定期的に「Competition」が実施されていて、かんたんなクイズに答えると抽選でプロモアイテムやスペシャルライブ観覧チケットなどの賞品がプレゼントされていて、プロモアイテムについてはBowieの直筆サイン入りということもあった。「Competition」の参加資格は「@davidbowie.comのメアドでエントリーすること」すなわちBNの会員であることのみだった。

NIBはこのCompetitionに何度か当選していてるのだが、その中でも印象に残っているのが2001年に「All Saints (Collected Instrumentals 1977-1999)」のリリースを記念して行われたものだ。
Bowieは1993年に友人・知人へのクリスマスプレゼントとしてインスト曲を集めたコンピーレーションCDを個人的に制作。150セットが制作されたと言われている同CDの収録曲は以下の通りだ。

<"All Saints" Instrumental Christmas '93 CD>
■CD1
1 Warszawa
2 Some Are(Low Symphony Version)
3 Subterraneans
4.1 Sense Of Doubt
4.2 Moss Garden
4.3 Neukoln
5 Art Decade
6 The Mysteries
7 Ian Fish U.K. Heir
■CD2
1 Abdulmajid
2 South Horizon
3 Weeping Wall
4 Pallas Athena
5 A New Career In A New Town
6 The Wedding
7 V-2 Schneider
8 Looking For Lester
9 All Saints

リリース盤の「All Saints (Collected Instrumentals 1977-1999)」は基本、プライベートプレス盤の「All Saints」のトラックリストを踏襲した1枚モノのCDとしてリリースされている(一部曲の差し替えあり)。
BNのコンペティションでは毎日出題される「A」「L」「L」「S」「A」「I」「N」「T」「S」の文字が過去のどのアルバムのタイトルから引用されているかを明記し、「@davidbowie.com」のメアドでエントリーするというモノだった。Winnerは2名で、1名には新品シールドのプライベートプレス盤「All Saints」、もう1名にはBowieから当選者への名宛てサインが施されたプライベートプレス盤「All Saints」というファンにとってはたまらない賞品だった。
そして…NIBは「当選者への名宛てサインが施された」方に当選してしまった。自分が持っていた全ての運を使い果たした瞬間だったとしか思えない。
下記の当選者を発表する画面を見たときは心臓が止まるかと思った、マジで。

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消印から判断すると賞品が送られてきたのは9月。BNのエディターTotal Blam Blam氏の「遅くなってゴメンね」という直筆のレターが添えられていた。
表ジャケには確かに「for ○○○○ Bowie2001」とサインが入っていた。 「to」じゃなくて「for」なのがBowieらしいなと思ったのが当時の感想だ。
(当選発表でBNのメアドが公開されたせいで、これ以降、大量のspamメールが送られてくるようになったのは、時代背景からするといたしかたないことである)

余談だが後に、プライベートプレス盤「All Saints」と同内容のブート「A NEW MUSIC NIGHT AND DAY」というタイトルが「Lowセッションのアウトテイク集」としてリリースされたのだが、正直に「レアなプライベートプレス盤のトラックリストを再現」という売り文句でもよかったのではないかと思う。ちなみに「A NEW MUSIC NIGHT AND DAY」の方は、プライベートプレス盤では1曲扱いだったDISC1の「Subterraneans」「Sense Of Doubt」「Moss Garden」は3曲に分けられていてDisc1ラストの「Ian Fish U.K. Heir」はどういうわけかDisc2の1曲目に移動されている。

音の出るフォトプレート総決算(40周年記念盤ピクチャー7インチ総括)

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2月に発売されたシンコーミュージックのムック「DAVID BOWIE 1989-2016」の記事によると、止めどなくリリースされてきた40周年記念盤ピクチャー7インチは昨年2月リリースの「Alabama Song」で終了となった模様だ。
当ブログでも、幾度となくこき下ろしてきたこの企画だが、冷静に収録音源をたどってみると実は、音質最悪のピクチャーレコードでのリリースではもったいないものも多数含まれている。
そこで今回は、その収録音源の全曲解説である。ただし、ここでは「DAVID BOWIE 1989-2016」の記事でこのシリーズに含まれていた「Crystal japan」は大回顧展限定リリースということで除外、全25枚のシングルを取り上げている。

(1)Starman - 2012年4月21日リリース(2000枚限定)
A Starman (Original Single Version)
UKオリジナルシングルMIXでサビ前のピアノがオーヴァーダブされた通称LOUDバージョン。ベスト盤「Nothing Has Changed」、BOXセット「Five Years 1969-1972」の「Re:Call 1」に収録されている。
AA Starman (Top Of The Pops Version)
Bowieを一夜にして有名人にしたBBCの音楽番組「Top Of The Pops」用に収録されたライブバージョン。DVD「Bes Of Bowie」に収録されている。

(2)John, I'm Only Dancing - 2012年リリース
A John, I'm Only Dancing (Original Single Version)
1972年リリースのシングルバージョン。ベスト盤「The Best Of David Bowie 1969/1974」、BOXセット「Five Years 1969-1972」の「Re:Call 1」に収録されている。
AA John, I'm Only Dancing (Sax Version)
「Aladdin Sane」セッションでの再録音バージョン。「Alladin Sane」30周年記念盤のボーナスディスク、BOXセット「Five Years 1969-1972」の「Re:Call 1」などに収録されている。

(3)The Jean Genie - 2012年11月23日リリース(Black Friday/Record Store Day 2012・2000枚限定)
A The Jean Genie (Original Single Version)
UKオリジナルシングルバージョンを収録。。「Alladin Sane」30周年記念盤のボーナスディスク、BOXセット「Five Years 1969-1972」の「Re:Call 1」に収録されている。
AA The Jean Genie (Top Of The Pops Version)
1973年1月にオンエアされたBBCの音楽番組「Top Of The Pops」用に収録されたライブバージョン。一度も再放送されることなくマスターテープが消去されていた幻のパフォーマンスだったが、カメラマンが個人的に保管していたコピーが2011年に発見されている。

(4)Drive-In Saturday - 2013年4月20日リリース(Record Store Day 2013 US and UK・3000枚限定)
A  Drive-In Saturday
オリジナルのシングルバージョンでアルバム収録バージョンと同一。
AA Drive-In Saturday (Russell Harty Plus Pop Version)
1973年1月にオンエアされたBBCの音楽番組「Russell Harty Plus Pop」用に収録されたライブバージョン。DVD「Best OF Bowie」に映像が収録されている。

(5)Life On Mars? - 2013年6月24日リリース
A Life On Mars? (2003 Ken Scott Mix)
ベスト盤「Nothing Has Changed」のプロモーション用に収録されたKen ScottによるリミックスPVのサウンドトラックを収録。
AA Life On Mars? (Live)
1972年0月1日、Boston Music Hallでのライブ音源。「Alladin Sane」30周年記念盤のボーナスディスクに収録されている。

(6)Sorrow - 2013年10月21日リリース(2000枚限定)
A Sorrow
オリジナルのシングルバージョンでアルバム収録バージョンと同一。
AA Sorrow (Live)
1983年9月12日、Serious MoonlightツアーVancouver公演のライブバージョン。BOXセット「Loving The Alien (1983-1988)」のSerious Moonlight (Live '83)にも収録されている(単品でのリリースあり)。

(7)Rebel Rebel - 2014年4月30日リリース
A   Rebel Rebel (Original Single Mix)
UKシングル用の別MIX。この企画のリリース当時はマスターテープが紛失したままだったためアナログ起こしの音源がソースになっていると思われる。BOXセット「Who Can I Be Now? (1974-1976)」の「Re:Call 2」に収録されている。その後、2019年にマスターテープが発見され、リマスターされた音源がひっそりと配信のみでリリースされている。
AA Rebel Rebel (US Single Version)
USシングル用に作り直した別バージョンでアルバムバージョンより1分半近く短い。BOXセット「SOUND+VISION」、「Diamond Dogs」30周年記念盤のボーナスディスク、BOXセット「Who Can I Be Now? (1974-1976)」の「Re:Call 2」に収録されている。

(8)Rock 'n' Roll Suicide - 2014年4月19日(2500枚限定)
A  Rock 'n' Roll Suicide
オリジナルのシングルバージョンでアルバム収録バージョンと同一。
AA  Rock 'n' Roll Suicide (Ziggy Stardust: The Motion Picture Version)
アルバム「Ziggy Stardust - The Motion Picture」より1973年7月3日にHammersmith Odeonで行われたZiggy Stardust最終公演でのライヴ・ヴァージョンをジギーの“フェアウェル・スピーチ”も含めて収録。

(9)1984 - 2014年4月19日(Record Store Day 2014. US・4000枚限定)
A   1984
オリジナルのシングルバージョンでアルバム収録バージョンと同一。
AA 1984 (Live On The Dick Cavett Show)
1974年12月、アメリカの音楽番組「The Dick Cavett Show」に出演した際のライヴ・ヴァージョン。2007年リリースの「Young Americans」スペシャルエディションのDVDに映像が収録されている。

(10)Diamond Dogs - 2014年6月23日リリース
A Diamond Dogs
オリジナルのシングルバージョンでアルバム収録バージョンと同一。
AA Diamond Dogs (David Live - 2005 Mix)
「David Live」の2005年リマスター再発盤より。

(11)Knock On Wood - 2014年9月22日リリース
A  Knock On Wood (David Live - 2005 Mix)
「David Live」の2005年リマスター再発盤より。
AA  Rock 'N' Roll With Me (David Live - 2005 Mix)
「David Live」の2005年リマスター再発盤より。

(12)Young Americans - 2015年2月20日リリース
A  Young Americans (2007 Tony Visconti Mix Single Edit)
2007年リリースの「Young Americans」スペシャルエディションのTony ViscontiによるMIXのシングルエディット。ベスト盤「Nothing Has Changed」に収録されている。
AA It's Gonna Be Me (With Strings)
2007年リリースの「Young Americans」スペシャルエディションに収録されていたTony ViscontiによりStringsが追加されたMIX。


(13)Changes - 2015年4月18日(Record Store Day 2015・15000枚限定)
※この盤のみ40周年記念のリリースではない。
A  Changes
オリジナルのシングルバージョンでアルバム収録バージョンと同一。
AA Eight Line Poem (GEM Promo Version)
2017年のRSDでリリースされた「BOWPROMO」収録の初期バージョンで一部のヴォーカルと歌詞が「Hunky Dory]収録バージョンとは異なっている。余談だが、この「BOWPROMO」のリリースはオリジナルアナログの盤起こし音源がソースとなっている上に、若干スピードが遅く、左右のチャンネルも入れ替わっている。

(14)Fame - 2015年7月24日リリース
A  Fame (Original Single Edit)
オリジナルシングルエディットと表記されているが実際は、新たに作り直されたバージョンでオリジナルとは編集ポイントが微妙に異なっている。BOXセット「Who Can I Be Now? (1974-1976)」の「Re:Call 2」に収録されているのも残念ながらこの再構築エディトだ。
AA Right (Alternate Mix)
RYKO盤「Young americans」収録のバージョンでオリジナルとは異なるMIXとなっている。今回のリリースにあたって、RYOKO盤では若干遅かったスピードが修正されている。

(15)Space Oddity - 2015年10月2日リリース
※40周年記念盤と表記されているが正確には「UKチャート初の1位獲得」の40周年記念である(1975年9月にSpace Oddity/Changes/Velvet Goldmineの3曲を収録しEP「Maximillion」シリーズの再発盤)
A  Space Oddity (UK Single Edit)
アルバムバージョンより40秒ほど短いUKオリジナルシングル用のエディットバージョン。ただしオリジナルはMONOバージョンだがSTEREOバージョンでの収録となっている。ベスト盤「Nothing Has Changed」と「Legacy」に収録。
※MONOバージョンはデジタル配信「Space Oddity EP」とBOXセット「Five Yeasr(1969-1973)」の「Re:Call 1」に収録されている。
AA Wild Eyed Boy From Freecloud (Single B-Side)
UKシングルではMONOバージョンだが、今回はSTEREOバージョンで収録されている。BOXセット「Conversation Piece」にはMONO・STEREOの両バージョン、BOXセット「Five Years 1969-1972」の「Re:Call 1」にはMONOバージョンが収録されている。

(16)Golden Years - 2015年11月13日リリース
A  Golden Years (Single Version)
シングル用のエディットバージョン。1997年リリースの「The Best Of David Bowie 1974/1979」、2002年リリースの「Best Of Bowie」、2010年リリースのBOXセット「Station To Station」Deluxe Editionの「Single Version EP」、BOXセットA New Career In A New Town (1977-1982)」の「Re:Call 3」に収録されている。
AA Station To Station (Single Edit)
プロモ盤7インチに収録されていたエディットヴァージョンだが、実はサビ前あたりでの単なるフェードインバージョンにすぎない。2010年リリースのBOXセット「Station To Station」Deluxe Editionの「Single Version EP」、BOXセットA New Career In A New Town (1977-1982)」の「Re:Call 3」に収録されている。

(17)TVC 15 - 2016年4年16日(Record Store Day 2016. US UK・5000枚限定)
A TVC 15 (Original Single Edit)
シングル用のエディットバージョン。2010年リリースのBOXセット「Station To Station」Deluxe Editionの「Single Version EP」、サントラ盤「Christiane F」「The Best Of David Bowie 1974/1979」などに収録されている。
AA Wild Is The Wind (2010 Harry Maslin Mix Single Edit)
2010年リリースのBOXセット「Station To Station」Deluxe Edition用に制作されたHarry Maslin Mixのシングルエディット。ただし、この曲のシングルエディットは過去に存在しておらず、ビデオクリップのサウンドトラックに準じるエディットとなっている。今回初登場の音源だ。

(18)Sound and Vision - 2017年2月10日リリース
A  Sound and Vision
オリジナルのシングルバージョンでアルバム収録バージョンと同一。
AA Sound and Vision (2013)
2013年にSONYの海外向けスマホXperiaのCM用に制作された新バージョン。ASTROTRAXのSONJAY PRABHAKARによる2013年リミックスで、この企画以外ではデジタル配信とプロモCDのみで入手可能。

(19)Be My Wife - 2017年6月16日リリース
A  Be My Wife (2017 remaster)
オリジナルのシングルバージョンでアルバム収録バージョンと同一。
AA Art Decade (Live Perth '78)
1978年11月15日、オーストラリア・Perthでのライブ音源で、今回初登場の音源だ。

(20)"Heroes" - 2017年9月23日リリース
A  "Heroes"
シングル用のエディットバージョン。
AA "Heroes" ('Marc' Show Version)
1977年9月7日にMarc Bolanのテレビ番組『Marc』用に収録されたライブバージョン。バッキングはBolan抜きのT.Rexとなっている。DVD「Marc Bolan Tv Show: Marc」に映像が収録されている。

(21)Beauty and the Beast - 2018年1月5日リリース
A  Beauty and the Beast
オリジナルのシングルバージョンでアルバム収録バージョンと同一。
AA Blackout (Live in Berlin)
1978年5月16日、Berlin公演でのライブバージョンを収録。この企画と大回顧展「David Bowie Is」のBrooklyn会場限定のミニLP「LIVE IN BERLIN (1978)」のみでのリリースとなっている。

(22)Breaking Glass - 2018年11月16日リリース
A1  Breaking Glass (Live)
A2  Art Decade (Live)
AA1 Hang on to Yourself (Live)
AA2 Ziggy Stardust (Live)
1978年6月30日・7月1日のロンドン・Earls Court公演のライブ音源を収録。公式サイトの記載を信用するなら同年4月にリリースされたアルバム「WELCOME TO THE BLACKOUT (LIVE LONDON ’78)」とは別テイク(alternative performances)であり、今回初登場の音源だ。

(23)Boys Keep Swinging - 2019年5月17日リリース
A  Boys Keep Swinging
BOXセット「A New Career In A New Town (1977-1982)」の「Lodger」2017
MIXより。2017MIXはバラ売りされておらず、BOXセットのみで入手可能。
AA I Pray, Ole
RYKO盤「Lodger」のボーナストラックで今回が初めての再発である。

(24)D.J. - 2019年6月28日リリース
A  D.J. (2017 Tony Visconti mix - single edit)
BOXセット「A New Career In A New Town (1977-1982)」の「Lodger」2017
MIXから新たに制作されたシングル用エディット。今回初登場の音源だ。
AA Boys Keep Swinging (Kenny Everett Video Show Version)
A面には同『LODGER』からの"BOYS KEEP SWINGING"の「KENNY EVERETT VIDEO SHOW」テレビ放送用ヴァージョン

(25)Alabama Song - 2020年2月14日リリース)
A  Alabama Song
オリジナルのシングルバージョン
AA1 Joe the Line (Live Earls Court '78 Soundcheck)
1978年7月1日、ロンドン・Earls Court公演のサウンドチェックでのパフォーマンス。今回初登場の音源だ。
AA2 Alabama Song (Live Earls Court '78)
1978年6月30日・7月1日のロンドン・Earls Court公演のライブ音源を収録。公式サイトの記載を信用するなら同年4月にリリースされたアルバム「WELCOME TO THE BLACKOUT (LIVE LONDON ’78)」とは別テイク(different performance)であり、今回初登場の音源だ。

「DAVID BOWIE 1989-2016」の記事でも述べられていたが、CD化ダダ漏れとなっているこの企画のレア音源、パー口フォンはきっちりまとめてリリースして欲しいものである。

雷光的賞与音源総決算〜RYKO盤ボートラ検証2021〜

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バースデーシングル&BLA第4弾限定販売パニック、使用マスター告知無しのSTS45周年記念盤アナログ再発、HMVジャパンによるプレミア価格でのLiveandwell.comのCD販売、極めつけは今回のカスタマーを翻弄する「Something In The Air」のプレオーダーなど相変わらずファン不在のマーチャンダイズが続くパー口フォン商法2021…

もしもパー口フォンに良心の一欠片が残っているのなら、今こそ熱心なファンの声に応えて欲しい…ということで今回は未だに不遇な扱いとなっているRYKO盤再発アルバムのボーナストラックについて書いてみたい。と思って準備をしていたらシンコーミュージックのムック『CROSSBEAT Special Edition デヴィッド・ボウイ 1989-2016』で一足先に取り上げられてしまいましたが、それを補完する内容になればと。

1980年代中盤、新しい音楽メディアとしてCDが華々しく登場した頃、BowieのRCA時代のバックカタログは軒並み廃盤扱いとなり、大半のアルバムが入手困難になっていた。
しかし1989年、ようやく北米のインディーレーベルであるRYKO社がBowieのRCA時代のバックカタログ再発の契約を締結したことが発表された。
まずは、多数のレアトラックと「Space Oddity」から「Scary Monsters」までのオリジナルアルバム収録曲をコンパイルをコンパイルしたこの再発プロジェクトの予告編BOXセット「SOUND+VISION」が1989年に先行リリースされ、1992年まで約3年にわたるバックカタログの再発祭りがスタートした。

各オリジナルアルバムにはBOXセット収録のレアトラックとは一切ダブりのないボーナストラックが数曲追加収録されていた。それらのボーナストラックの中には現在では入手困難となっているものも少なくない。それぞれのボーナストラックについて以下に概要をまとめてみた。
(基本、CDでの再発ベースでアナログのみでの再発は※で注釈として記載)

<Space Oddity>
●Conversation Piece
1970年にシングル「The Prettiest Star」のB面でリリースされたのが初出。その後、「Space Oddity」40周年記念盤のボーナスディスクにステレオバージョンが収録された。
現在はBOX「Five Years 1969-1973」の「Re:Call 1」で入手可能。

●Memory Of A Free Festival Part 1
●Memory Of A Free Festival Part 2
1970年にシングルの両面としてリリースされたこの再録音バージョンはMick Ronsonとの初仕事と言われている。その後、「Space Oddity」40周年記念盤のボーナスディスクに
収録され、現在はBOX「Five Years 1969-1973」の「Re:Call 1」で入手可能。

<The Man Who Sold The world>
●Lightning Frightening
1970年頃の有名なアウトテイク曲。このボーナストラックはイントロがフェードインのモノラルバージョン(3'38")で以降、一度も公式には再発されていない。全長版のステレオバージョン(4'04")をブートで聞くことができる。

●Holy Holy
1971年にシングルカットされた曲というクレジットがあるが、実際には1972年のリメイクバージョンが収録されている。このボーナストラック(リメイクバージョン)は「Ziggy Stardust」30周年記念盤のボーナスディスクで再発され、現在はBOX「Five Years 1969-1973」の「Re:Call 1」で入手可能。オリジナルバージョンも収録されているが、そちらはマスターテープ紛失のためレコード盤起こしの音源で収録されている。


●Moonage Daydream
●Hang On To Yourself
変名アーティストArnold Cornsのシングルとしてリリースされたこの2曲は「Ziggy Stardust」30周年記念盤のボーナスディスクで再発されている。現在はBOX「Five Years 1969-1973」の「Re:Call 1」で入手可能。なお、そちらの「Moonage Daydream」はRYKO盤ではカットされていた冒頭のVOICEを含むオリジナルバージョンとなっている。

<Hunky Dory>
●Bombers
元々、「Andy Warhol」とのメドレーとして収録予定だったが最終段階でカットされたこの曲は、メドレーのブリッジ部分を削除したリミックスバージョンでの収録となっている。以降、一度も公式には再発されていない。
※2017年RSD限定アナログ「Bowpromo」で再発されている。

●The Supermen
1971年リリースのGlastonbury Fayre Festivalコンピレーションアルバム「Revelations」用に再録されたバージョンのリミックスを収録。「Ziggy Stardust」30周年記念盤のボーナスディスクで再発されている。

●Quicksand
同曲のデモバージョンを収録。以降、一度も公式には再発されていない。

●The Bewlay Brothers
同曲のMONOミックスを収録。以降、一度も公式には再発されていない。

<The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars>
●John, I'm Only Dancing
1972年リリースのシングル曲で1979年に再発された際のリミックスバージョンでの収録となっている。オリジナルバージョンは「Ziggy Stardust」30周年記念盤のボーナスディスクおよびBOX「Five Years 1969-1973」の「Re:Call 1」で再発されているがこのリミックスバージョンは以降、一度も公式には再発されていない。

●Velvet Goldmine
「Ziggystardust」のアウトテイクで1975年「Space Oddity」シングルのカップリングが初出。「Ziggy Stardust」30周年記念盤のボーナスディスクおよびBOX「Five Years 1969-1973」の「Re:Call 1」で再発されている。

●Sweet Head
曲名すら知られていなかった、当時ファンを狂喜乱舞させた驚愕のアウトテイク。「Ziggy Stardust」30周年記念盤のボーナスディスクで再発された際には冒頭のスタジオチャットが追加されている。

●Ziggy Stardust
●Lady Stardust
アルバム収録曲のデモバージョンで、2曲ともに以降、一度も公式には再発されていない。
※後者のステレオフルバージョン(RYKO盤はエディットされたMONOバージョンで収録)は2017年リリースのピクチャー7インチ(David Bowie Isの日本限定盤)で公式リリースされている。

<Pin Ups>
●Growin' Up
Bruce Springsteenのカヴァー曲でRon Woodがギターで参加しているアウトテイク曲。2004年リリースの「Daimond Dogs」30周年記念盤のボーナスディスクで再発されている。

●Port Of Amsterdam
Jacques Brelのカヴァー曲で1973年に「Sorrow」のカップリングとしてリリースされている。「Ziggy Stardust」30周年記念盤のボーナスディスクおよびBOX「Five Years 1969-1973」の「Re:Call 1」で再発されている。
※2015年リリースのピクチャー7インチ(David Bowie Isのオランダ限定盤)でも再発されている。

<Diamond Dogs>
●Dodo
頓挫したミュージカル「1984」用の楽曲で「1984」とのメドレーバージョンがBOX「SOUND+VISION」に収録されている。「Dodo」単独のこのバージョンはもともとは女性シンガーLULUとのデュエットとしてレコーディングされていたが、RYKO盤収録の際には権利関係からなのかLULUのヴォーカルがオミットされている。また、オリジナルはフェイドアウトしない4'31"バージョンだが収録されているのは2'56"のエディットバージョンだ。2004年に「Daimond Dogs」30周年記念盤のボーナスディスクで再発されている。

●Candidate
「Candidate」というタイトルにもかかわらずアルバム収録の同曲とは似ても似つかぬデモバージョン。「Alternative Candidate」と改題されて「Daimond Dogs」30周年記念盤のボーナスディスクで再発されている。

<David Live>
●Band Intro
●Here Today, Gone Tomorrow 3:32
●Time
オリジナルには未収録だった3曲(2曲)をボーナストラックとして収録。「Here Today, Gone Tomorrow」はBowieの自作曲としてクレジットされていて、当時は未発表曲と思われていたが間違いで、実際はOhio Playerのカヴァーである。当初は、リハーサルでの録音といわれていたが、現存するPhiladelphia公演のビデオに収録されているという情報もある。いずれも再発の現行版に収録されている。

<Young Americans>
●Who Can I Be Now?
超有名なアウトテイクがついに公式リリース。2007年再発のスペシャルエディションにもボーナストラックで収録された。現在はBOX「Who Can I Be Now」の「The Gouster」で入手可能。

●It's Gonna Be Me
上記とともに超有名だったアウトテイク。2007年再発のスペシャルエディションにもボーナストラックで収録されたがそちらは、ストリングスが追加された別ミックス。オリジナルバージョンはBOX「Who Can I Be Now」の「The Gouster」で入手可能。
※2015年リリースの「Young American」40周年記念盤ピクチャー7インチでも再発されている。

●John, I'm Only Dancing(Again)
これもアルバムのアウトテイクだが1979年にシングル(12インチ、7インチ)としてリリースされている。1998年に「The Best Of David Bowie 1974/1979」で再発され、2007年再発のスペシャルエディションにもボーナストラックで収録された。現在はBOX「Who Can I Be Now」の「The Gouster」で入手可能。

<Station To Station>
●Word On A Wing (Live)
●Stay (Live)セット「Who Can I Be Now? (1974-1976)」の「Live Nassau Coliseum '76」で再発され、単品でも入手可能だ。ただし、「Stay」は再発盤では4分20秒あたりでBowieのヴォーカルをフェイドアウトさせるという意味不明なリミックスが行われているので要注意だ

<Low>
●Some Are
●All Saints
『CROSSBEAT Special Edition デヴィッド・ボウイ 1989-2016』の記事にもあるとおり、正確なレコーディングデータが不明で「1977〜78あたりでレコーディングされた曲」という情報しか判明していない。完成することなく放置されていた素材でボーナストラック用に改めて仕上げられた曲という説が有力となっている。どちらも2001年リリースの「All Saints: Collected Instrumentals 1977-1999 」で再発されている。ただし「Some Are」はLow Symphonyバージョンでの収録で、RYKO盤のバージョンは2008年リリースの本人選曲超私的ベスト盤「iSelect」(2015年にはアナログ盤も)で再発されている。

●Sound And Vision (Remixed Version)
David Richardsによって新たにリミックスされたバージョンで、以降、一度も公式には再発されていない。

<"Heroes">
●Abdulmajid
「Some Are」「All Saints」同様、ボーナストラック用に完成された素性の知れないアウトテイク。1992年に結婚したIMANの姓が曲名になっていることからも、その事実は想像に難くない。2001年リリースの「All Saints: Collected Instrumentals 1977-1999 」で再発されている。


●Joe The Lion (Remixed Version, 1991)
David Richardsによって新たにリミックスされたバージョンで、以降、一度も公式には再発されていない。

<Stage>
●Alabama Song
オリジナルでは未使用素材だった曲がボーナストラックとして収録。現行の再発盤にも収録されている。

<Lodger>
●I Pray, Ole
1979年のレコーディング曲とクレジットされているが『CROSSBEAT Special Edition デヴィッド・ボウイ 1989-2016』の記事にもあるとおり、正確なレコーディングデータが不明で謎に包まれた曲。サウンド面からTin Machine 競札奪轡腑鵑龍覆任呂覆いとも言われているが詳細は不明だ。以降、一度も公式には再発されていない。

●Look Back In Anger (New Version Recorded 1988)
ナムジュンパイクが撮影した現代美術研究所の40周年記念のためのビデオ用に再レコーディングされたバージョン。以降、一度も公式には再発されていない。

<Scary Monsters>
●Space Oddity
1979年のTV番組「Kenny Everett's New Year's Eve Show」用に再レコーディングされたバージョンでシングル「Alabama Song」のカップリングとしてリリースされている。ただし、RYKO盤に収録されているのは最初のサビ前のブレイクが長いなどのリミックスバージョン。オリジナルバージョンは2009年の配信シングル「Space Oddity EP」およびBOX「A New Career In A New Town」の「Re:Call 3」で再発されている。

●Panic In Detroit
前述の「Space Oddity」とともに作成されたリメイクバージョンがRYKO盤のボーナストラックで公式初リリースとなった。2002年リリースのアルバム「Heathen」の初回限定2CDエディションで再発されている。

●Crystal Japan (Japanese Single A-Side, 1979)
自身が出演した宝焼酎・純のCM用にBOWIEが提供した楽曲で映画「地球に落ちてきた男」のサントラ用に作られていた曲ではないかという説もある。「All Saints: Collected Instrumentals 1977–1999 」およびBOXセット「A New Career In A New Town」の「Re:Call 3」で再発されている。
※2017年リリースのピクチャー7インチ(David Bowie Isの日本限定盤)でも再発されている。

●Alabama Song
1979年のシングルA面曲。その後、2007年の「The Best Of David Bowie 1980/1987」およびBOX「A New Career In A New Town」の「Re:Call 3」で再発されている。
※2020年リリースのピクチャー7インチ40周年記念盤でも再発されている。

これらの曲の中には、現在では入手困難となっているものも少なくないので、ろくでもない再発を企画している暇があったら、とっととコンパイルしてリリースして欲しいものである。


※記憶違いなどで誤った記述もあると思われるため、発見されたら是非コメントでご指摘を。

捨てっしょ、捨てっしょ!〜Station To Station 45th red or white vinyl〜

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今年第2弾の公式リリースは、1976年作品「Station To Station」45周年記念紅白レコードである。
またまた今回もアナログでのリリースだ。しかも新しい音源ではない。
公式サイトのNEWSによると
「STSは1976年1月23日にリリースされた10枚目のアルバム。
パー口フォンは45周年を記念してランダムにプレスされる紅白のビニールを限定盤としてリリース。
38分強と短い収録時間だが英国よりも米国で商業的に成功を収め全米3位、全英5位。
パンデミックが継続する中、レコードストアのオンラインで販売さ…

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ちょっと待てい!

このリリースで、どのマスターを使うんかスルーされとるじゃろうが!
レコードいうのは音楽を聴くためのソフトじゃ!
どのマスターの音源か説明せんて、どねぇなっとるんじゃ!

「Station To Station」のマスターはおそらく以下の通り。

●1976年オリジナルアナログマスター
●1984年RCA盤CDマスター(日本・西ドイツ)
●1991年RYKO盤マスター
●1999年EMIデジタルリマスター
●2010年Harry Maslinニューミックス
●2010年デジタルトランスファーマスター(1976年オリジナルアナログマスターを加工せずストレートにデジタル変換したもの)
●2016年WCIBNリマスター

ちなみに海外の再発盤情報サイト「SUPER DELUXE EDITION」の記事では「何の疑いもなく2016年マスターが使用されるはず」と記述されている。

近年のアナログ再発では、ほぼ全てのケースで、最低限どのマスターを使用するのかアナウンスされていた。
今回は、それすら行われなかったということは、
もはや「レコードに収録されている音源はどうでもいい、パッケージ(ビニールとアートワーク)を売るんだよ」とパー口フォンが自ら認めたに等しい。
文字通り、語るに落ちるとはこのことだ。
音楽を売るんじゃなくて、アナログ大好きオールドファンから「パッケージ販売」で集金することを生業にしていると認めたんだねぇ〜。

母さんは成仏しようとしている〜David Bowie birthday single 2021〜

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2021年最初の公式リリースはまたしてもアナログである(DL配信あり)。

Bowieの74回目の誕生日である2021年1月8日に「DAVID BOWIE BIRTHDAY SINGLE: MOTHER/TRYIN’ TO GET TO HEAVEN」というタイトルで有名な未発表音源2曲が7インチと配信でリリースされる。
アナログ7インチは8147枚限定(ナンバリングあり)でそのうち1000枚がクリーム色、残りは黒ビニールである。販売はBowieとワーナーの公式サイトを通じて行われるとのことである。
(8147枚の根拠はもちろん、誕生日1947年1月8日だ)

収録曲はJohn Lennonのカバー曲「Mother」とBob Dylanのカバー曲「Tryin' To Get To Heaven」の2曲でいずれもブートで広く出回っているおなじみの音源ではある。
各曲のレコーディングデータとメンバーは以下の通りだ。

MOTHER
Recorded in Bermuda in 1997 and Sound On Sound Studios, New York, July, 1998
David Bowie – vocals
Reeves Gabrels – guitars
Tony Visconti – bass, harmony vocals
Andy Newmark – drums
Jordan Ruddess - piano
Richard Barone – harmony vocals

「Mother」は2000年10月にJohn Lennonの60回目の誕生日を記念してリリースされるトリビュートアルバム用に録音されたが、アルバムの企画自体がキャンセルされお蔵入りとなっていた。
その後2006年にこの音源は、あるポッドキャストの中でリークされ、それをソースにしたものが現在ブートで出回っている音源である。

TRYIN’ TO GET TO HEAVEN
Recorded at Looking Glass, New York City, February 1998. Mixed at Sony Studios New York City.
David Bowie – vocals, guitar and saxophone
Reeves Gabrels – electric guitar, acoustic guitar, pedal steel, synths and vocals
Mark Plati – synths and programming
Gail Ann Dorsey – bass and vocals
Zach Alford - drums

元々はEarthlingツアーのライブアルバムのボートラ用に録音されたのだが、アルバムのリリースが見送られてしまいお蔵入りとなった曲である。
その後リークされた音源がスペインのラジオ局「DOS 84」で非公式にオンエア&ダウンロード公開され、ブートでもリリースされた(このバージョンはイントロにDJのナレーションが被っている)。
さらに非常にレアなVirginレーベルの「hours..」プロモCDRにも収録された(こちらはイントロのナレーション無しバージョンで近年のブートにはこちらのバージョンが使用されている)。

どちらも目新しさはないものの公式には未発表だった音源という意味でリリースの意義はあると思う。それなのにアナログメインというリリース形態はいかがなものか。結局、アナログ大好きなオールドファンから集金しようという悪意しか見えてこない。
こうやってピクチャー7インチシリーズとともに貴重な音源がCD化されることなく放置されていくかと思うと空しい気持ちになってしまうのはNIBだけなんだろうか。

2020年のデヴィッド・ボウイ

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2020年は1970年から50年にあたるということで、著作権50年問題回避のために多くの蔵出し音源がリリースされると個人的には胸を膨らませていたのだが、現実は残念な結果だったと言わざるを得ない。
期待していたTMWSTWの50周年記念版は新リミックスという信じられない形態でのリリースとなり、恒例の高額BOXセットのリリースも見送られてしまった。
2020年に公式サイトでアナウンスされた主なリリースを下記にまとめてみた。

2月 「ALABAMA SONG」50周年記念盤ピクチャー7インチ
4月 「CHANGESNOWBOWIE」配信&LP・CDリリース
5月 「LIVEANDWELL.COM」配信
   「Is It Any Wonder? 」EP配信&LP・CDリリース
6月 「Space Oddity」ピクチャーLP
   「Ouvrez Le Chien」(1995ツアー音源)配信
7月 「Tin Machine II」 MOV盤LP
8月 「There’s Something In The Air」(1999ツアー音源)配信
   「I’M ONLY DANCING (THE SOUL TOUR 74)」RSD限定盤
   「Let’s Dance」「Absolute Beginners」HMV限定カラーLP
9月 「Young Americans」 45周年記念盤ゴールドLP
10月 「Brilliant Live Adventures」リリース告知(全6タイトル・年内に2タイトルリリース)
11月 「METROBOLIST」 (=TMWSTW) 50周年記念盤2020リミックス

がっかりなリリースがずらりと並んでしまった…


2021年は没後5年と言うことで1月には「MOTHER/TRYIN’ TO GET TO HEAVEN」がついに公式リリースされるが、アナログと配信のみで消化不良。「STATION TO STATION」45周年記念盤も紅白アナログという完全な企画物。
ミュージカル「Lazarusu」の配信がせめてもの救いだろうか?
後は、リリースが予定されているという次の高額BOXセットくらいしか期待できるリリースは思い浮かばない。
せめてPV集「Best Of Bowie」の拡張版でもリリースされて欲しいものである。

コロナコロナの2020年が終わった。
2021年がすべてのBOWIEファンにとって佳き年でありますように。

もうええわ!〜「メトロボリスト(世界を売った男)」50醜念奇捻盤…

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オフ会やDRJ店頭、ツイッターなどで「今年は著作権50年問題があるので"世界を売った男"関連の蔵出し音源がリリースされる」と吹聴してきたが、大きな間違いだった。心よりお詫び申し上げます。 その代わりと言っては何だが、とんでもないアイテムが公式リリースされるとアナウンスされた。 タイトルは「Metrobolist(メトロボリスト)」。その実態は「世界を売った男(The Man Who Sold The World)」の2020リミックス盤である。

高額BOX「A New Career In A New Town」で「Lodger」のニューMIXが制作されファンの間で物議を醸したのは記憶に新しいところだ。こんなものを認めたらアーティスト本人の不在下で未来永劫、同様のリミックス盤がリリースされ続けるのではないかと危惧していたのだけれど、案の定、「Never Let Me Down」のニューミックス、「Space Oddity」2019MIXなる盤がリリースされ、続いて今回のリリースである。あまりのショックに放心状態である。

公式サイトのNEWSによると、今回のリリースのタイトル「METROBOLIST」はオリジナルのタイトルで「オリジナルのマスターテープにも"Metrobolist"というタイトルが記載されていたが、土壇場でMERCURYによって"The Man Who Sold The World"に変更された」という経緯らしい。 そんなことは、どうでもいいんだよ。元のタイトルがどうだったなんてことは。本質は音楽なんだよ。心底ガッカリだ。

昨年のBOX「Conversation Piece」で(同年の既発音源を多数含んでいたとはいえ)、タイトルさえポピュラーでなかったデモ音源が大量に蔵出しされ、多くのファンが「次は何?」と期待に胸を膨らませたはずだ。実際「この発掘音源プロジェクトは"ダイア犬"まで続く、という記事もリリースされていたのに。

個人的には最大の疑念は今回のニュースで報じられたVisocontiの「"After All"は2015年リマスターが完璧なのでそのまま収録」というコメントである。ちょっと待ってくれ。今回の50醜念奇捻盤はニューミックスなんだろ。新しいミックスと2015年のリマスターバージョンが融合するの?だったら、何のためのリミックスなんだ? Viscontiは今年8月のインタビュー(Q&A)で「もう世界男のリミックスに取りかかっているんだけどマスターテープのいくつかが紛失しているんだ」とコメントしている(https://www.davidbowienews.com/2020/08/exclusive-qa-with-tony-visconti/)。このコメントに接した後で「"After All"は2015年リマスターが完璧」などと言われても「それってマスターが紛失してるからじゃねぇの?」とツッコまずにはいられない。なぜなら俺は関西人だから(笑)。Bowieと最も近かった音楽職人Viscontiさえもパー口フォンに魂を売ってしまったのだろうか? 醜い金儲けに念いをはせて、奇をてらい音楽ソフトという本質を無視して捻ったつもりの50醜念奇捻盤である。

おお、神様、金のレコードも白のレコードも要りません。私がほしいのは今まで聞くことができなかった音源を収録した黒いレコードかシルバーのCDです。それは欲張りなことなのでしょうか…

NIB Presents "David Bowie’s 20 greatest covers of all time"

BowieCoversBest20

6/7にUK音楽マガジン「FAR OUY」の公式サイトに「From Bob Dylan to The Beatles: David Bowie’s 20 greatest covers of all time」という記事が掲載された(https://faroutmagazine.co.uk/david-bowie-20-greatest-covers-rolling-stones-bob-dylan-the-beatles/)。
同誌スタッフによる記事のようだが、その内容が突っ込みどころ満載だったので、これに対抗して極私的「Bowieのカヴァーソング・ベスト20」をセレクトしてみることにした。

まずは、FAR OUTセレクトのベスト20に軽く突っ込んでおきたい。
こちらがそのベスト20である。

1. ‘Let’s Spend The Night Together’ - The Rolling Stones
2. ‘I Wanna Be Your Dog’ - The Stooges
3. ‘Imagine’ - John Lennon
4. ‘I Got You Babe’ - Sonny & Cher
5. ‘Wake Up’ - Arcade Fire
6. Waterloo Sunset’ - The Kinks
7. ‘Waiting for the Man’ - The Velvet Underground
8. ‘China Girl’ - Iggy Pop
9. ‘God Only Knows’ - The Beach Boys
10. ’20th Century Boy’ - T Rex
11. ‘Dancing in the Street’ - Martha and The Vandellas
12. ‘I Know It’s Gonna Happen Someday’ - Morrissey
13. ‘Pablo Picasso’ - The Modern Lovers
14. ‘I Can’t Explain’ - The Who
15. ‘My Way’ - Frank Sinatra
16. ‘Across The Universe’ - The Beatles
17. ‘All The Young Dudes’ - Mott The Hoople
18. ‘See Emily Play’ - Pink Floyd
19. ‘Like A Rolling Stone’ - Bob Dylan
20. ‘Debaser’ - Pixies

驚いたのは「Wild Is The Wind」と「Sorrow」がランク外ということ。
「Wild Is The Wind」については、やはり記事のコメント欄でも「なんでやねん!」という突っ込みが入っていた。至極当然である。
他にも自作曲の「All The Young Dudes」(厳密にはセルフカヴァーだ)や、まさかの「My Way」、マイナーな「Debaser」など全編を通して「おれ、BOWIE通やねん」という書き手の自己顕示欲を感じずにはいられない、というのはうがった見方だろうか…

それでは、NIBセレクトのベスト20を発表します!
公式リリースされているbowie(Tin Machine込)の音楽ソフトに収録されている曲で自身が作詞作曲に関わっていないという縛りを入れてのセレクトです。

1. "Wild Is The Wind" - Nina Simone
2. "It's Hard to Be a Saint in the City" - Bruce Springsteen
3. "Anyway, Anyhow, Anywhere" - Thw Who
4. "Let’s Spend The Night Together" - The Rolling Stones
5. "God Only Knows" - The Beach Boys
6. "Like A Rolling Stone" - Bob Dylan
7. "Dancing in the Street" - Martha and The Vandellas
8. "Don't Look Down" - Iggy Pop
9. "Across The Universe" - The Beatles
10. "I Can't Explain" - The Who
11. "I Keep Forgettin" - Chuck Jackson
12. "I Took a Trip on a Gemini Spaceship" - The Legendary Stardust Cowboy
13. "Nite Flights" - The Walker Brothers
14. "Rosalyn - The Pretty Things
15. "Sorrow"- The Merseys
16. "Shakin' All Over" - Johnny Kidd
17. "Baal's Hymn" - Bertolt Brecht
18. "Pablo Picasso" - The Modern Lovers
19. "White Light/White Heat" - The Velvet Underground
20. "Alabama Song" - Bertolt Brecht

いや〜難しかった。Bowieはカヴァー能力が非常に優れていて、まるで自作曲であるかのようにアルバムやライブのセトリにカバー曲を忍ばせてしまうからね。
「Working Class Hero」「Cactus」「My Death」あたりも捨てがたかったのですが…。
もちろん、NIBのセレクトにも「なんでこのランキングやねん!」「あの曲がなんでランク外やねん!」「結局、お前も通ぶってるだけやないか!」といったご意見も多々あるかと思いますが、個人のブログの記事なのでなにとぞご容赦願いたい。皆さんの推しカヴァー曲をコメント欄に残していただければ嬉しいです。

2019年のデヴィッド・ボウイ

2019


Bowieがこの世を去って4回目の新年を迎えようとしている。

ファンのBowieロスをなんとか癒やしてくれていた毎年恒例、リマスター再発の高額BOXセットは残念ながら今年はリリースされることがなかった。
「Tonight」以降の作品がリマスター再発されるかどうかは未だ不透明である。

それに変わる新たな集金リリースとしてパーロフォンが企画したのが、完全未発表音源のアナログリリースである。
元々は著作権'50年問題をクリアすることが目的なのだが、過去にブート化されたことのない音源が多数リリースされたという点においては一定の評価に値するだろう。
ただ、問題なのはそのフォーマットとリリースのやり方にある。

特に最初のリリースである「Spying Through A Keyhole (Demos and Unreleased Songs)」については、昨年末に、1968年の音源を変名で配信リリースすることで50年問題を回避して、このタイトルに収録するという裏技を行っている。
その後「David Bowie with John 'Hutch' Hutchinson Clareville Grove Demos」「The Mercury Demos」
「Space Oddity - 50th Anniversary 7” Box Set」とアナログで続々とリリース。
パッケージに付加価値を付けて価格をつり上げることで音源を購入させる「食玩商法」で熱心なファンから集金を重ねていった。
そして11月に満を持して、これらのタイトルの音源を網羅するCD BOXセット「Conversation Piece」
のリリースに至るわけである。

他にはTin Machineの「9 Songs Compilation」とライブ音源の配信、数日前にはbing Crosbyとのデュエット「Peace On Earth/Little Drummer Boy」のストリングスバージョンが配信されている。
雑誌の特集や書籍(写真集)のリリースも行われているが、特筆すべきモノは見当たらない。
そして、現時点でリリースが告知されているのは「Alabama Song」の音の出る写真プレート(ピクチャー7インチ)くらいである。

前述のアナログでの未発表音源リリースに際してパーロフォンは「1974年までは同様の発掘音源企画を予定している」とアナウンスしているが、実際にどうなるかはわからない。
アナログ盤のリリースはこれくらいにして、そろそろ、発表(未商品化)映像作品のリリースや既発映像タイトルの再発にも注力していただきたいものである。


2020年も全てのBowieファンの皆さんにとって素敵な一年となることを祈念しています。
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