YOUNG PERSONS' GUIDE TO DAVID BOWIE

DAVID BOWIEコレクターNIBによる自身のコレクションの忘備録。これからBOWIE関係のレコードやCDをコレクションしようと言う奇特な方のためのバイブル的blogをめざします。最近、「bowie」でググると公式facebookよりも上に表示されるが、それはちょっと違うと思う。(NIBへのコンタクトはこちら http://drj.maffy1996.com/cgi-bin/app2.cgi)

8トラック・テープの闇~The Dark Side Of The 8 Track Cartridge

8TrackMain


1980年代中盤頃まで、音楽ソフトの主役はレコード、そしてカセットテープだった。
両者は収録曲は同じだが、一部のタイトルでは
カセットで曲順の変更が行われているケースがあった。
カセットテープは1本のテープを往復して(裏返して)A面、B面を再生するので
例えば、A面30分、B面20分のレコードをそのままカセットにする場合
30分の長さのテープを使用し、B面の後半10分は無音状態となる。
しかし、曲順をシャッフルしてA面25分、B面25分にすれば
使用するテープの長さは25分で足りるので製造コストを削減できる。
その結果、「It Ain’t Easy」で終わる「The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars」や「Rebel Rebel」で終わる「Diamond Dogs」が誕生している。

8track01


そして、もうひとつ同じ時代に音楽ソフトとして存在していたのが
8トラック・カートリッジ・テープ(通称:8トラック)だ。
1965年に、主にカーステレオを視野に開発された長時間録音(再生)が可能なテープで
1962年に先行して開発されていたカセットテープが会議などのモノラル録音目的で
音楽ソフトを視野に入れていなかったためにステレオ録音できる音楽用メディアとして
開発されたという経緯がある(Wikipedeiaより)。

8トラック(8トラ)は1本のテープに8つのトラックがあり
2トラック(ステレオの右チャンネルと左チャンネル)を2往復して再生する
4つのプログラムで構成されている(図参照)。
そして、カーステレオでの再生に特化するためにテープの出し入れ(裏返し)をすることなく
全編を再生することができ、再生が終わると自動的に冒頭に戻りループ再生される構造だ。

8track02


しかし、その構造故にカセットテープ同様、
いやそれ以上に曲順シャッフルありきのリリースとなっていたという側面もある。
例えば、A面30分、B面20分のレコード8トラックにする場合
12分半くらい(収録時間50分の4分の1)の長さのテープを使用するのがベストとなる。
つまり、曲順をシャッフルして12分半×4パート(8トラではプログラム)に
なるようにすればよいわけだ。
レンタルレコードでダビングを体験した世代の方ならすぐにご理解いただけるだろう。
例えば、「PINUPS」の場合、図のような構造になる。
収録時間33分49秒を4等分したおよそ8分28秒にできるだけ近くなるよう
曲順をシャッフルして4つのプログラムに分割
8分29秒の長さのテープを使用して図のような曲順で収録し
8分29秒より短いプログラム1・2は曲間の無音部分で時間調している
このアルバムは曲の分割無しで構成できた珍しい例だ

8track3

しかし、実際には、そう都合良くはいかないので、
各プログラムのつなぎ目では曲をフェードアウト、フェードインさせるという
アーティストの意向をないがしろにしたたやり方が選択されている。
例えば、「Scary Monsters」の場合、「PINUPS」のように
曲順シャッフルだけで4等分することができなかったので
曲を2分割するという手段を講じている
まず収録時間45分15秒を4等分したおよそ11分19秒にできるだけ近くなるよう
曲順をシャッフルして4つのプログラムに分割
11分20秒の長さのテープを使用して図のような曲順で収録
その結果「Scream Like A Baby」は2分割され(それぞれフェードアウト&フェードイン)
11分21秒より短いプログラム1・2・4は曲間の無音部分で時間調整している

8track04


NIBn知る限り、Bowieの8トラックテープに関しては
オリジナルと異なるバージョンが収録されている事実は確認できていないが
Jeff Beck「Blow By Blow」の8トラックテープのリリースは
4チャンネル×2で8トラックを使用するQuadraphonic Mixで
オリジナルとは別テイクが使用されていて
他にも様々なアーティストのアルバムで独自のミックスや
編集バージョンを収録しているタイトルが存在している
また、Pink Floyd「Animals」は8トラックリリースの際に
オリジナルLPでは2パートに分割されていた「Pigs On The Wing」を
合体させブリッジ部分を追加した完全別バージョンでの収録となっていた
このバージョンは6月にリリースされたベスト盤「8tracks」に収録され話題となっていた

BOWIEのカセットでのリリースは同じアルバムでも国によって
LPと同じ曲順のものとシャッフルされているものが混在していたが
8トラックのリリースは基本的には同じ曲順でリリースされているようだ
ただし、「Space Oddity」については「Memory Of A Free Festiva」で幕を開ける
衝撃のトラックリストに変更されているイタリア盤も存在していてなかなか奥が深い
「アルバムはこの曲で始まってA面ラストはこれ、B面はこの曲からスタート、締めはこの曲」
といったアーティストの考え抜いたコンセプトを完全無視の8トラックテープ
当時、アーティスト本人はこの事実を知っていたのだろうか
今となっては、真相は闇の中に置き去りにされたままだ

【参考文献】
BowieOnTape
Bowieのテープでのリリースをまとめている興味深い内容のサイト
その仕事の緻密さには、ただただ感嘆しか無い

Wikipedia(8トラックの詳しい説明はこちらで。構造が分かる現物の画像も掲載されている)

M&M〜Bowieと伝説のテーパー

M&M

M&Mといってもチョコレートのことではない

皆さんはマイク・ミラード(Mike Millard)とジョー・マロニー(Joe Maloney)をご存じだろうか?
歴史に名を残す偉人ではないのだけれど
オールドロックのファンなら誰もが知っているはずの人物だ
この二人はブートの世界の歴史にその名を刻む伝説のテーパーである

マイク・ミラード(1951-1994)はLed Zeppelin、The Rolling Stones、Bob Dylan、Yesなどの70年代のコンサートの高音質オーディエンス音源でその名を知られる伝説のテーパーで特に有名なのがレッド・ツェッペリンの伝説のブート『Listen to This, Eddie 』である
ナカミチ製のハイエンドな機材を使用した彼の録音の品質はプロも高く評価しており、彼が残したZepのライブ音源が公式DVDのメニュー画面BGMに使用されたり、Pink Floydの1975年の音源がSteven Wilson.によるリマスターで公式リリースされているほどである

ミラードが録音したBowieのライブは1974-09-16のアナハイム公演、1978-04-04、1983-08-14、1990-05-26のロサンジェルス公演の全4公演である。
中でも有名なのはアナログブートでリリースされた1978年ボストン公演で、当初は1曲目の「Warszawa」が未収録だったが後に完全収録のマスターテープからの音源が公開されている。

一方、ジョー・マロニーはミラードに比べると録音している音源数こそ少ないものLed Zeppelin、Deep Purple、Stevie Wonder、The Rolling Stones、Led Zeppelin、Kiss、Pink Floydなどのメジャーアーティストの優良音源を残している。

マロニーが記録しているBowie音源は、1972-10-01 、1974-07-16、1974-11-14のボストン公演でジギー、ダイヤ犬、フィリー・ソウルとキャリアで大きな意味を持つ3つのツアーの全3公演となっている

ブートの功罪については、その存在の是非が常に議論されてきたのだけれど、公式で残されていないライブ音源でアーティストの活動を後世に伝えるという視点ではファンにとっては大変ありがたいものだということは否めないのではないだろうか

以下に、各公演の音源をUPしておくので、試聴して興味を持った方はyoutubeで検索して全長版を聞いててみて欲しい(決してブートを購入することを推奨する意図はない)。そして所有していないBowieのアルバムがあれば是非、購入して聞いて、新たなBowieワンダーワールドに迷い込んでいただきたい

※大音量で鳴る場合があるのでご注意ください
【Mike Millard Recordings】
●1974-09-16 Rebel Rebel
●1978-04-04 Heroes
●1983-08-14 Let's Dance
●1990-05-26 Rebel Rebel

【Joe Maloney Recordings】
●1972-10-01 Five Years
●1974-07-16 Rebel Rebel
●1974-11-14 Young Americans

RSD2026〜周年なき執念の商魂〜

RSD2026


2026年の第一弾リリースは「Station To Station」の50周年記念盤で近年定番となっている音の出るフォトプレート(ピクチャーLP)とハーフスピード・カッティングのアナログ盤だった
そして、昨年の「Ready, Set, Go! (Live, Riverside Studios '03)」に続いて、2026年もBowieのRSD限定リリースが公式でアナウンスされた
今年は1995年のアルバム「1.Outside」関連の2タイトルで12インチシングルとLPのカラーレコードでのリリースとなっている

まず、「Hallo Spaceboy」はピンクVINYL盤でのリリースだ
収録曲は下記の通り

SIDE 1
1 Hallo Spaceboy (7” Remix) (4.27)*
2 Hallo Spaceboy (12” Remix) (6.44)*
3 Hallo Spaceboy (Lost In Space Mix) (6.34)

SIDE 2
1 Hallo Spaceboy (Double Click Mix) (7.48)
2 Hallo Spaceboy (Instrumental mix) (7.46)
3 Hallo Spaceboy (Tim Simenon Mix) (5.09)***
***Previously unreleased

A1はオリジナルリリースのCDシングル、A2はUK&USプロモ盤12インチシングルに収録されている
A3、B1はUK&USプロモ盤12インチシングル、B2はUKプロモ盤12インチシングルに収録されている
B3は今回が初出となるバージョンだ(当時制作されたがリリースに至らなかったバージョンだと推測される)
このようにまとめると6曲中4曲がプロモオンリーのリリースで1曲が初出と値打ちがあるように見えるかもしれないが、プロモオンリーの4バージョンは全て2004年リリースの「1.Outside」拡張版(2CD)で入手可能な音源である

続いて、アルバム「1.Outside」のオリジナルLPバージョンである「EXCERPTS FROM OUTSIDE」のクリアVINYL盤である
このアルバムはオリジナルリリースのCDでは全19曲73分46秒の長尺のため、アナログ1枚組でリリースするために曲数を13曲まで削った上に、「Leon Takes Us Outside」と「The Motel」の2曲を約1分短いエディットバージョンにすることで50分08秒まで収録時間を短くしている
「1.Outside」は過去に何度かアナログで再発されているが、その際はアートワークのみ「EXCERPTS FROM OUTSIDE」を流用した2枚組でのリリースだったので、オリジナルの内容での再発は今回が初めてと言うことになる
収録曲は以下の通りだ

SIDE 1
Leon Takes Us Outside (Edited Version)
Outside
The Hearts Filthy Lesson
A Small Plot of Land
Segue - Baby Grace (A Horrid Cassette)
Hallo Spaceboy

SIDE 2
The Motel (Edited Version)
I Have Not Been to Oxford Town
The Voyeur of Utter Destruction (As Beauty)
Segue - Ramona A. Stone / Am With Name
We Prick You
Segue - Nathan Adler
I'm Deranged

「EXCERPTS FROM OUTSIDE」は最近の周年記念盤と同様、ハーフスピード・カッティングなのだが、この手法はリマスター作業を省略し、既存のマスターを使用するという、実に安直な手抜きではないだろうか
どうせならThe Style Councilの3rdアルバム「The Cost Of Loving」のようにアルバムを45回転12インチ2枚組(高音質)というフォーマットの方が斬新かつ音楽ソフトとしてのステータスもより高まるのだけれど…
TSC


最後に、気になるのは今回使用されているマスターに関する記述だ。「2021 Brian Eno approved remasters」、和訳すると「2021年ブライアン・イーノ承認リマスター」ということになるのだけれど、2021年頃に、このアルバムが「EXCERPTS FROM OUTSIDE」として再発されている事実は確認できない
深読みすると前のBOX「Brilliant Adventure (1992-2001) 」に「EXCERPTS FROM OUTSIDE」として収録する予定でリマスター作業を行ったが実現しなかった、その際のマスターを使っていると言うことなのかもしれない。ただ、公式のアナウンスはその辺りに言及していないので詳細は謎のママだ
どうせなら、このマスターからCDでリリースしてくれたらいいんだけど

※余談だが、「EXCERPTS FROM OUTSIDE」と同様にアナログリリースの際に短縮エディットで収録時間を短くされたアルバムがある。それは「Never Let Me Down」だが、こちらのエディットバージョンはBOX「Loving the Alien (1983–1988)」の「Re:Call 4」に収録されている

2025年のデヴィッド・ボウイ

202512

 2015年にスタートした全キャリア包括BOXセットが遂に完結した2025年。
他にも、いくつかの作品の節目に便乗した物理メディアがリリースされている。
3月には「Young Americans」の50周年記念盤としてハーフスピードマスターとピクチャー盤のLPがリリースされた。
4月のRSDには2003年に映像でリリースされていた衛星中継スタジオライブに未収録曲を追加した「Ready, Set, Go! 」が限定リリースされた。
8月には「DANCING IN THE STREET」の40周年記念盤12インチ(ホワイトVINYL)がリリースされた。
ちなみに、「1.Outside」は今年、30周年で「Scary Monsters」は45周年なのだが、前者については2種のデジタルEPがリリースされたのみ。後者に至っては公式ニュースでのアナウンスのみである。
(他にもデジタルEPのリリースがあったような気がするが、取るに足らない内容なのでスルー)

公式ドキュメンタリー映画『ムーンエイジ・デイドリーム』の監督であるブレット・モーゲンがTwitter(現:X)で匂わせた1978年アールズ・コートでのライブ映像ソフトリリースについても、現状、公式からの告知はなく、具体的な情報は何も流れてきていない。
2022年にパーロフォンがBowieバックカタログの版権を取得したこと報じるニュースでは「未発表音源などを収録したリリースが少なくとも2025年まで続く」といった趣旨の記載があったが、実際にどうなったかは皆さんご存じの通り。

現状、告知されているリリースは2026年1月の「Station To Station」50周年記念盤のハーフスピードマスターとピクチャー盤のLPのみ、夢も希望もない2026年である。

King Crimson、Yes、Genesisなど1970年代プログレロックのファンの皆さんに比べて
前向きになれる要素が見えてこない現状でははあるけれど
2026年がすべてのBOWIEファンにとって佳き年でありますように。

勝手にNEW RELEASE(5)

RC7


先日リリースされた最新BOX「I CAN’T GIVE EVERYTHING AWAY (2002 – 2016)」の「RE:CALL 6」については、最後の大判振る舞いと言うことでサントラ提供曲や、他アーティスト作品へのゲスト参加曲などが多数収録されている。
ただし、それでも漏れている曲はあるし、なぜ今までのBOXでも同じようにできなかったのかという不満は積もるばかり。
そこで、過去のBOXの『RE:CALL』シリーズまで遡って検証し、漏れていた曲も網羅したシリーズ最終作品『RE:CALL 7』の収録曲リストを妄想してみた。

【CD1】
01.Holy Holy (original single version)
このバージョンは長い間マスターテープが所在不明になっていて、『RE:CALL 1』に収録されているのはレコード盤起こしの音源(しかも、それについては説明無し)だけど、BOX『The Width Of A Circle』にNew Mixが収録されているので、この時点ではマスターテープが見つかっていると考えるのが妥当だろう。もちろん、このバージョンもBOX『The Width Of A Circle』に収録されているのだけれど、『RE:CALL』シリーズでキチンとフォローされるべきトラックだ。

02.Space Oddity (3'23" promo only edit)
この曲には多数のエディットバージョンが存在しているが、CD化などで再発されているものは数少ない。多数あるバリエーションの中から、今回は最も尺が短いUS mercuryのプロモ7インチバージョンをセレクトしている。

03.The Man Who Sold The World
04.Watch That Man(1974/Lulu『The Man Who Sold The World』7インチ・シングル収録)
Mick Ronsonとの共同プロデュースでリリースされたこのシングルに収録されているカバー・バージョンでは、どこから聞いてもBowieというバッキング・ヴォーカルがフィーチャーされている。

05.Rebel Rebel (original single mix)
このUKオリジナルシングルのバージョンも長い間マスターテープが所在不明になっていて、「RE:CALL 2」に収録されているのはレコード盤起こしの音源(しかも、それについては説明無し)だけど、2019年3月ににマスターテープが見つかったと公式サイトのNEWSでアナウンスがあり、5月にデジタル配信されている。CDでのリリースが待たれる音源の一つだろう。

06.From The New Album "Low" (promo only)
アルバム「Low」のA面収録曲をメドレー形式(4'45")で繋いだプロモ盤7インチ収録のバージョンで通称「Low Sampler」として知られている音源だ。最後に海外オークションで見たときの落札価格は27万円超。今では、出品されることすら希な超レア盤収録の音源だ。

07.Revolutionary Song(single edit)(1979/サントラ『Just A Gigolo』収録)
映画「Just A Gigolo」のサントラにThe Rebels名義で収録されているこの曲は、日本でのみシングルカットされていて、その際に約1分ほど短くエディットされたバージョン(3'43)が作成されている。ちなみに、サントラは2016年に再発されているがそこに収録されているのは、アルバムバージョンを4パートに分割した謎の編集となっている。

08.Fame '90 (Absolutely Nothing Premeditated-Epic Mix)
この曲にも多数の別バージョンが存在するが今回セレクトしたのは14分を越える長尺のバージョン。曲中にTin Machine「I Can't read」の一節がサンプリングされている。

09.Pretty Pink Rose (promo only edit)
10.Gunman(1990/Adrian Belew『Young Lions』収録)
BowieはSound+Visionツアーにギタリストとして参加したAdrian Belewのソロアルバムにゲストヴォーカルとして2曲参加している。(09)はいくつかあるバージョンの中からプロモオンリーのエディット・バージョンをセレクトした。

11.Sound And Vision(808 Gift Mix)
Ryko盤「Low」再発に合わせてDavid Bowie vs 808 State名義でリリースされたシングルに収録されているRemixバージョン。

12.Like A Rolling Stone
13.Colour Me(Mick Ronson『Heaven And Hull』収録)
いずれもMick Ronsonの遺作となったアルバムに収録されている。(12)はBob Dylanの超有名曲のカバーでガッツリとBowieのリード・ヴォーカルを聴くことができる。(13)ではバッキング・ヴォーカルで参加している。

14.You've Been Around
15.The King Of Stamford Hill(1995/Reeves Gabrels『The Sacred Squall Of Now』収録)
Tin Machine期からの盟友・Reeves Gabrelsのソロアルバムでは、2曲でヴォーカルを担当している。いずれも、1988年にBowieとReevesの共作でレコーディングされた音源の再録音といわれている。

16.Truth(1998/Goldie『Saturnz Return』収録)
プロデューサー、DJとして活動していたGoldieのアルバム収録曲で、Bowieがガッツリとリードヴォーカルを担当している。この曲はアルバムでは約14分の収録だが、後半の約9分は「The Dream Within」という隠しトラック扱いとなっているので、今回はガチの「Truth」パートのみをセレクトしている。

【CD2】
17.Jewel(2000/Reeves Gabrels『Ulysses (Della Notte)』)
2000年リリースのReeves Gabrelsソロアルバム収録曲でBowieはゲストヴォーカルを務めている。ただし、厳密に言うとこの曲の初出は1999年の同アルバム配信リリースとなっている。

01.Sector Z
02.Man Without A Mouth(2001/Rustic Overtones 『Volume Up』収録)
アメリカのロックバンド・Rustic Overtonesが2001年にリリースした4thアルバム収録のこの曲でBowieはバッキング・ヴォーカルを担当している。ただし、厳密に言うと(02)の初出は1999年リリースのプロモEPとなっている。

03.Without You I'm Nothing(Single Mix)(2001/Placeboとのコラボシングル『Without You I'm Nothing』収録)
「The Brit Awards 1999」での共演を機にBowieはPlaceboのシングル「Without You I'm Nothing」にヴォーカルで参加している。アルバム「Black Market Music」に収録されているのはPlacebo単独のバージョンだが、同アルバムのUS盤にはボートラでBowie共演のバージョンが収録されている。

04.Nature Boy(2001/サントラ『Moulin Rouge』収録)
05.Nature Boy (with Massive Attack)
(04)はNat King Coleのカヴァー・バージョンでこのサントラ用に新たに収録された。(05)はMassive Attackとの共演で映画のエンディング用に制作された別バージョン。

06.American Dream(2001/サントラ『Training Day』収録)
P. Diddy and the Bad Boy Family名義のこの曲には、「This Is Not America」の歌詞を流用した新たなヴォーカルをBowieがレコーディングして提供している。

07.America
08."Heroes"(2001/Various Artists『The Concert For New York City』収録)
Paul McCartneyが呼びかけた9.11テロのチャリティ・コンサートでBowieが披露したサイモン&ガーファンクルのカヴァーと自身の持ち歌「"Heroes"」のライブ・バージョン。

09.Everyone Says 'Hi' (Metor Remix)
10. I Took A Trip On A Gemini Spaceship(Deepsky's Space Cowboy Remix)
いずれも2002年リリースのプロモ盤12インチに収録されている別MIXで(09)に関してはシングル・エディット・バージョンがチャリティアルバム『Hope』と最新BOXの『RE:CALL6』に収録されている。

11.Loving The Alien (Radio Edit)
2002年にThe Scumfrog vs. David Bowie名義でリリースされたシングルに収録のエディットバージョン。アルバム『Club Bowie』には6分超のロングバージョンが収録されている。

12.Just For One Day (Heroes) (Radio Edit)
2003年にDavid Guetta vs. Bowie名義でリリースされたシングルに収録のエディットバージョン。アルバム「Club Bowie」には8分超のロングバージョンが収録されている。

13.Let's Dance (Club Bolly Radio Mix 1)
2003年にリリースされたプロモ盤12インチシングルに収録のエディットバージョン。アルバム「Club Bowie」には約8分のロングバージョンが収録されている。

※同時期にリリースされているSolaris vs Bowie「Shout」(「Fashion」のDJリミックス)については、シングルに収録されているバージョンとアルバム『Club Bowie』に収録されているバージョンが同じなので除外した。

14.Changes(2004/サントラ『Shrek2』収録)
映画『Shrek2』のサントラにButterfly Boucher Featuring David Bowie名義で収録されていたリメイク・バージョン。

15.The Cynic(2005/Kashmir『No Balance Palace』収録)
Kashmirのアルバムにゲスト参加。バッキング・ヴォーカルではなく結構ガッツリと歌っているパートがある。写真がアニメーション処理されたBowieが登場するPVも制作されている。

16.Province(2006/TV on the Radio『Return to Cookie Mountain』
TV on the Radioが2006年にリリースしたアルバム収録のこの曲にBowieはバッキング・ヴォーカルでゲスト参加している。

【CD3】
01.Falling Down
02.Fannin Street(2008/Scarlett Johansson『Anywhere I Lay My Head』収録)
Bowieはアメリカの女優Scarlett Johanssonがアルバム「Anywhere I Lay My Head」にバッキング・ヴォーカルでゲスト参加している。ガッツリとフィーチャーされているわけではないが、Reality Tour以降は目立った活動がないのでセレクトした。ちなみに、このアルバムは、Tom Waits作品のカヴァー集となっている。

03.DJ (Radio Edit) 
2009年にBenassi Vs. Bowie名義でリリースされたシングル「DJ」 のリミックスバージョンからコンパクトなラジオ・エディットをセレクト。

04.Sound And Vision 2013
SONYのスマホEXPERIAのCM用に作成されたニューバージョンで、オリジナルバージョンとのカップリングで配信シングルとしてリリースされた。Lyricビデオが公式で制作されている。

05.Reflektor(2013/Arcade Fire『Reflektor』収録)
Arcade Fireのアルバム「Reflektor」のタイトル曲にBowieはnonクレジットでゲスト参加している。7分を越える長尺の曲の中でBowieは5分あたりでコーラスを務めている。

06.Sue(Or In A Season Of Crime)(Radio Edit)
2014年リリースのシングル「Sue(Or In A Season Of Crime)」カップリング曲のエディット・バージョン。フルバージョンは最新BOXの「RE:CALL6」に収録されている。

07.Mother
08.Tryin' To Get To Heaven(Edtit)
2021年にバースデイ・シングルとして12インチシングルでリリースされた。これらの曲は、未CD化のまま放置されている。今回、(07)は配信のみだったエディットバージョンをセレクト。

09.Golden Years (TOKiMONSTA remix)
2023年に配信オンリーでリリースされているリミックス・バージョン。360 REALITY AUDIO形式でも配信されている。

■Bonus Track(コンセプトからズレるが、個人的な思い入れで網羅しておきたい音源)
10.Sound And Vision(Remix)(1992/Ryko盤『Low』収録)
11.Joe The Lion(Remix)(1992/Ryko盤『"Heroes"』収録)
それぞれRyko盤アルバム『Lown』『"Heroes"』のボートラとして収録されたDavid Richardsによるリミックス・バージョン。いずれも、現在は廃盤となっているバージョンだ。

12.I Pray Ole
13.Look Back In Anger(1992/Ryko盤『Lodger』収録)
Ryko盤アルバム『Lodger』のボートラとして収録された未発表バージョン。いずれも、現在は廃盤となっているバージョンだ。

14.Panic In Detroit(1992/Ryko盤『Scary Monsters』収録)
Ryko盤アルバム『Scary Monsters』のボートラとして収録された未発表バージョン。2002年リリースの『Heathen』初回限定盤にも収録されていたが、録音時期の兼ね合いなのか最新BOXの『RE:CALL 6』には未収録となっている。

15.*Joe The Lion(2018/ピクチャー7インチ『Alabama Song』収録)
40周年記念盤ピクチャー7インチのカップリング曲として1978年ツアーEarl's Courtでのリハーサル音源が収録されている。
※音の出るフォトプレート(ピクチャー・レコード)は自分の中では、音楽ソフトとして認識されていないので、漏れていました

16.*Let's Dance Demo (Radio Edit)(2018/RSD限定12インチ『Let's Dance Demo 』収録)
2018年にRSD限定12インチシングルとしてリリースされた、メガヒット曲「Let's Dance」のデモ・バージョン。今回は配信のみでリリースされたエディット・バージョンをセレクトした。

17.*Cosmic Dancer (Live) (2021/ピクチャー7インチ『Alabama Song』収録)
1991年2月6日のLA・Inglewood ForumでのMorisseyのライブにBowieがゲスト出演し、T.Rexのナンバーをデュエット。その模様がDavid Bowie & Morrissey名義の7インチシングルで公式リリースされている。

18.Comfortably Numb(2006/David Gilmour『Remember That Night (Live At The Royal Albert Hall)』DVD収録)
2006年3月にRoyal Albert Hallで収録されたDavid GilmourのライブでBowieは2曲でゲスト出演していて、その模様はDVDでリリースされている。そのうちの「Arnold Layne」はシングルカットされているが(最新BOXの『RE:CALL 6』にも収録)、この曲は未収録となっている。この時期のBowieのライブ・パフォーマンスは貴重なのでコンセプトとはズレているがセレクトした。

*10/30追記 オフ会メンバーからの指摘を受けて漏れていた曲を追加

*11/7追記 コメントで漏れている曲についてご指摘をいただきました(黙っていればバレないと思っていました、すみません。現状、各CDの収録時間は上限の80分近くて、「聴いたことがないかもしれないファンがいる可能性の高い曲を優先する」という個人的なジャッジで外した曲がありますので、以下に記載します。

●「To Know Him Is To Love Him」(1974/Steeleye Span『Now We Are Six』収録)Bowieはこの曲でSAXを演奏している
●Iggy Pop『The Idiot』(1977)このアルバムでBowieはプロデュースと楽曲の共作を行い、キーボード、ギター、サックスをプレイ、バッキング・ヴォーカルも務めている
●Iggy Pop『TV Eye』(1978)Iggyの1997年ツアーにBowieはキーボードプレーヤー兼バッキング・ヴォーカルとして参加している。
●「Play It Safe」(1980/Iggy Pop『Soldier』収録)Bowieはこの曲をIggyと共作、バッキング・ヴォーカルも務めている
●「"Heroes" (Aphex Twin Remix)」(1997/Philip Glass:『"Heroes" Symphony』収録)
●「Hallo Spaceboy (live)」(1997/Various Artists『Phoenix - The Album』収録)1996/7/18のライブイベント『The Phoenix Festival」でのライブ音源
●「Dead Man Walking (live) 」(1997/Various Artists『ThLive From 6A: Great Musical Performances From Late Night With Conan O'Brien』収録)1997/10/4オンエアのTV番組『Late Night With Conan O'Brien』でのライブ音源 
●「"Heroes" (live)」(1997/Various Artists『The Bridge School Concerts Vol.1』収録)1996/10/20のライブイベント『The Bridge School』でのライブ音源 
●「Dead Man Walking (live) 」(1998/Various Artists『99X Live X IV "Home"』収録)1997/4/8収録のラジオ番組「Live X」でのライブ音源
●「Scary Monsters (live) 」(1999/Various Artists『SNL25 Saturday Night Live - The Musical Performances Volume 1』収録)1997/8/2のテレビ番組『Saturday Night Live』でのライブ音源
●「Fame」(2005/Various Artists『Tommy Boy Presents Hip Hop Roots』収録)このコンピ盤用に制作されたJazzy JayによるRemixでアルバムバージョンよりもイントロが長くなっている(4'49)ロングバージョン)
●「Scary Monsters (live)」16-10-97(2005/Various Artists: ONXRT - Live From The Archives Volume 8』収録)1997/10/16にChicago Traxで収録されたライブ音源。ネットラジオ番組「XRT Sunday Night Concert」関連の音源と思われる。
●「Real Wild Child (Wild One)(Extended Version)(1986/Iggy Pop『Real Wild Child (Wild One)』12インチシングル・コンピ盤『The A & M Recordings』収録)アルバムバージョンでは消されていたBowieのコーラスが聴けるバージョン(参考:https://x.gd/phlQy)
●「Andy Warhol」(Demo)(2019/Dana Gillespie: What Memories We Make - The Complete MainMan Recordings 1971-1974 - 収録)Bowieがギターとバッキング・ヴォーカルで参加しているデモ音源。恥ずかしながら、今回の記事作成の過程で初めて知った音源

世界再遅レビュー〜コンセプト完全崩壊〜Brilliant Adventure [1992-2001]

BA


「Bowieのキャリアを網羅したボックス・セット・シリーズ」という謳い文句でスタートした
高額BOXセットシリーズの今回が第5弾となる『Brilliant Adventure [1992-2001]』が
2021年11月26日にリリースされた(国内盤は約1ヶ月遅れの12月22日)。

「キャリアを網羅する」と言っておきながら販売価格をつり上げるために
「オリジナルアルバムの別ミックス」や「ボツになったトラックリストによる未発表アルバム」
「アーティストの没後に制作された新MIX」などで枚数が水増しされたメインコンテンツ。
「アルバム未収録シングル、シングル・バージョン、B面曲を収録したコンピレーション」という
明快なコンセプトで始めておきながら、ご都合主義で網羅する範囲を変更し
最終的には、「リリースフォーマットで長さが異なる別バージョン」
「サントラへの提供曲」「他アーティストの作品への参加曲」なども収録し
そのコンセプトがブレブレとなった『RE:CALL』シリーズ。
今回のBOXもそのコンセプトのブレ具合はなかなかのものである。

今回のBOXは1992年〜2001年のリリースをカバーしているということで
オリジナルアルバムは『Black Tie White Noise(1993)』『The Buddha Of Suburbia(1993)』
「1.Outside(1995)』『Earthling(1997)』『hours…(1999)』の5作、さらに既発ではあるが2000年BBCシアターでのライブ音源のほぼ完全版、そして2000年に制作された未発表アルバム『Toy』というラインアップとなっている。

今回、一番驚かされたのは、この未発表アルバム『TOY』の収録である。「(未発表音源の発掘ではなく過去にリリースされている作品をまとめる)キャリアの総括」というコンセプトが完全崩壊しているだけではなく、『TOY』が翌年に単独作品としてリリースされるとうことだ。
『TOY』はBowieがメジャーになる前(1960年代)の楽曲のセルフカバー(リメイク)集で、2000年にレコーディングが終了していながらレーベルからリリースを拒否されてお蔵入りしてしまったといういわくつきの作品である。

実は2011年頃に、このアルバムの流出音源がブート化されていてファンの間ではおなじみの音源ではあったのだが、今回のBOXに収録されているのはその内容とは異なっている上に、新たにミックスもやり直されていると思われる。
ちなみに2011年に流出していた『TOY』の収録曲は下記の14曲だが、今回の公式リリースでは12曲となっている。流出版に収録されていた「Uncle Floyd」「Afraid」はアルバム『Heathen』に再録音されたバージョンが収録されているが、流出バージョンは『TOY』版の公式リリースではスルーされている。ただし、公式リリースでは、流出音源に含まれていなかった「Karma Man」が新たに追加されている。

【TOY(流出音源のトラックリスト)】
01.Uncle Floyd
02.Afraid
03.Baby Loves That Way
04.I Dig Everything
05.Conversation Piece
06.Let Me Sleep Beside You
07.Toy
08.Hole In The Ground
09.Shadow Man
10.In The Heat Of The Morning
11.You’ve Got A Habit Of Leaving
12.Silly Boy Blue
13.Liza Jane
14.The London Boys

それでは、詳しい収録内容を見ていこう。
1枚目は1993年リリースの『BLACK TIE WHITE NOISE』。このアルバムは、2003年にリマスター再発されているが、今回のリリースは2022年最新リマスターとなっている。

配信バージョンSegue1と2
Brilliant Adventure [1992-2001]
【BLACK TIE WHITE NOISE】
01.The Wedding
02.You've Been Around
03.I Feel Free
04.Black Tie White Noise (featuring Al B. Sure!)
05.Jump They Say
06.Nite Flights
07.Pallas Athena
08.Miracle Goodnight
09.Don't Let Me Down & Down
10.Looking for Lester
11.I Know It's Gonna Happen Someday
12.The Wedding Song

2枚目は、『THE BUDDHA OF SUBURBIA』。今回のリリースは2022年最新リマスターとなっている。このアルバムには3種類のアートワークが存在するが、今回のBOXでは2007年に再発された際のカラー写真のアートワークが使われている。

【THE BUDDHA OF SUBURBIA】
01.Buddha of Suburbia
02.Sex and the Church
03.South Horizon
04.The Mysteries
05.Bleed Like a Craze, Dad
06.Strangers When We Meet
07.Dead Against It
08.Untitled No. 1
09.Ian Fish, U.K. Heir
10.Buddha of Suburbia (featuring Lenny Kravitz on guitar)

3枚目は、1995年リリースの『1.OUTSIDE』。Discogsの表記によると2004年の再発時にリマスターされているとのことだが、今回のリリースは2022年最新リマスターとなっている。ちなみに当初の配信音源では(15)「Segue - Nathan Adler Pt. 1」と(18)の「Segue - Nathan Adler Pt. 1」が入れ替わっていたが、もちろん、物理リリースでは修正されている。
このアルバムのオリジナルリリースは収録時間の関係で『Excerpts From Outside』というタイトルで全13曲の収録となっていてカットされている曲があるだけでなく、短くエディットされている曲もある。前のBOXでネバレミのアナログ用に短く編集された曲が『RE:CALL4』に収録されていたが、今回は完全スルーされている。『TOY』を入れて無理矢理枚数を増やすくらいなら、なぜ『Excerpts From Outside』を丸ごと収録しなかったのか、理解に苦しむところだ。

【1.OUTSIDE】
01.Leon Takes Us Outside
02.Outside
03.The Hearts Filthy Lesson
04.A Small Plot of Land
05.Baby Grace (A Horrid Cassette)" (segue)
06.Hallo Spaceboy
07.The Motel
08.I Have Not Been to Oxford Town
09.No Control
10.Algeria Touchshriek (segue)
11.The Voyeur of Utter Destruction (as Beauty)
12.Ramona A. Stone/I Am with Name (segue)
13.Wishful Beginnings
14.We Prick You
15.Nathan Adler (segue)
16.I'm Deranged
17.Thru' These Architects Eyes
18.Nathan Adler (segue)
19.Strangers When We Meet

4枚目は、1997年リリースの『1.EARTHLING』。Discogsの表記によると2004年の再発時にリマスターされているとのことだが、今回のリリースは2022年最新リマスターとなっている。

【EARTHLING】
01.Little Wonder
02.Looking for Satellites
03.Battle for Britain (The Letter)
04.Seven Years in Tibet
05.Dead Man Walking
06.Telling Lies
07.The Last Thing You Should Do
08.I'm Afraid of Americans
09.Law (Earthlings on Fire)

5枚目は、1999年リリースの『hours…』。Discogsの表記によると2004年の再発時にリマスターされているとのことだが、今回のリリースは2022年最新リマスターとなっている。

【hours…】
01.Thursday's Child
02.Something in the Air
03.Survive
04.If I'm Dreaming My Life
05.Seven
06.What's Really Happening?
07.The Pretty Things Are Going to Hell
08.New Angels of Promise
09.Brilliant Adventure
10.The Dreamers

6〜7枚目は、2000年リリースの『Bowie At The Beeb』の初回限定盤にボーナスディスクとして収録されていた2000年BBC RADIO THEATREでのライブ音源のほぼ完全版。当日、Bowieは体調がベストではなく、ライブの終盤で何度か演奏を止めてライブを中断することを余儀なくされていた。今回のリリースでは、途中で演奏を止めてやり直した「Ziggy Stardust」、途中までしか歌えなかった「All the Young Dudes」、Bowie不在でプレイされた「The Jean Genie 」がカットされているので、「ぼぼ完全版」ということになる。公式のリリースとしては、これが限界だろう。

【BBC RADIO THEATRE, LONDON, JUNE 27, 2000】
■Disc1
01.Wild Is the Wind
02.Ashes to Ashes
03.Seven
04.This Is Not America
05.Absolute Beginners
06.Always Crashing in the Same Car
07.Survive
08.The London Boys
09.I Dig Everything
10.Little Wonder

■Disc2
01.The Man Who Sold the World
02.Fame
03.Stay
04.Hallo Spaceboy
0.Cracked Actor
06.I'm Afraid of Americans
07.All the Young Dudes
08.Starman
09."Heroes"
10.Let's Dance

8枚目は、今回のBOXの目玉の一つとされている『TOY』。ただし、これに、追加曲と別ミックスを追加した3CDのBOXがわずか3ヶ月後にリリースされることがこのBOXのアナウンスと同時に告知されていて、どこまでファンをこけにしているのかとレーベルの姿勢を疑わずにはいられないところだ。

【TOY】
01.I Dig Everything
02.You've Got A Habit Of Leaving
03.The London Boys
04.Karma Man
05.Conversation Piece
06.Shadow Man
07.Let Me Sleep Beside You
08.Hole In The Ground
09.Baby Loves That Way
10.Can't Help Thinking About Me
11.Silly Boy Blue
12Toy (Your Turn To Drive)

最後は、このシリーズで初めて3枚分のボリュームとなった『RE:CALL 5』。前のBOXの『RE:CALL 4』と同様、「アルバム未収録シングル、シングル・バージョン、B面曲を収録したコンピレーション」という当初のコンセプトを大きく逸脱した収録内容となっている。ただし、今回は網羅する範囲の拡張に留まらず、収録されている曲自体が初出のバージョン(★)というものがいくつかあるので、その辺りにも触れておきたい。

まずは、Disc1。(02)(04)(06)(07)(08)(09)(10)(11)(13)はシングル収録曲(一部、アルバムのボーナストラックに収録されている曲もある)。
(01)は「サントラヴァージョン」と記載があるが、じつはイントロがPVと同じ処理をされている全くの別バージョンで、今回が初出となっている。
(03)(05)については、アルバムのボーナストラック曲。どうせなら(2)については、フィリピン盤プロモシングルに収録されているエディットバージョンで収録して欲しかったというのは欲張りすぎだろうか。
(12)は『1.OUTSIDE』よりも以前にリリースされていたサントラ『Showgirls』収録の初期バージョン。
(14)は『1.OUTSIDE』にも収録されているが、アルバムバージョンはイントロの語り「Segue - Ramona A. Stone」を含めて4分2秒なのに対して、このバージョンは、「Segue - Ramona A. Stone」なしで4分9秒のロングバージョンとなっている。
(15)は、サントラ『Basquiat』収録バージョンのロングバージョンと記載されているが、実際にはプロモカセットのみに収録されていたイントロに「No, no, won't fly」というヴォーカルが入っているバージョン(3分14秒)よりも少しだけ長くなっている今回初出のバージョンだ。

【RE:CALL 5】★は今回初出のバージョン
■Disc1
01.Real Cool World (Sounds From The Cool World Soundtrack Version)★
02.Jump They Say (7” version)
03.Lucy Can’t Dance
04.Black Tie White Noise (feat Al B. Sure!) (Radio Edit)
05.Don’t Let Me Down & Down (Indonesian Vocal Version)
06.Buddha Of Suburbia (Single Version) (featuring Lenny Kravitz on guitar)
07.The Hearts Filthy Lesson (Radio Edit)
08.Nothing To Be Desired
09.Strangers When We Meet (edit)
10.Get Real
11.The Man Who Sold The World (Live Eno Mix)
12.I’m Afraid Of Americans (Showgirls Soundtrack Version)
13.Hallo Spaceboy (Remix)
14.I Am With Name (Alternative Version)★
15.A Small Plot Of Land (Long Basquiat Soundtrack Version)★

続いてDisc2。
(02)(03)(04)(06)(11)(13)はシングル収録曲(一部、アルバムのボーナストラックに収録されている曲もある)。
(01)については「Edit」と記述があるが、実際にはエンディングがフェイドアウトになっている今回が初出のバージョンだ。
(05)はチャリティアルバム『Long Live Tibet』収録曲。
(07)は元々、Tin Machineの1st収録曲で、サントラ『The Ice Storm』用にソロで再録されたバージョンだ(CDシングルもリリースされている)
(8)はGeorge Gerswinのトリビュートアルバム『Red Hot+Rhapsody (The Gerswin Groove)』に収録されている。
(9)は元々、Bowienet会員に配布されたCD『liveandwell.com』に収録されていた曲で、これ以外にもいくつかのMIXが存在する。
(10)サントラ『Stigmata』に収録されているアルバム「hours...』とは異なるバージョン。
(12)は何もクレジットされていないが、DEMOのようにも聞こえる驚愕の未発表バージョンだ。

■Disc2
01.Little Wonder (Edit)★
02.A Fleeting Moment (aka Severn Years In Tibet - Mandarin Version)
03.Dead Man Walking (Edit)
04.Seven Years In Tibet (Edit)
05.Planet Of Dreams - David Bowie and Gail Ann Dorsey
06.I’m Afraid Of Americans (V1 - Edit)
07.I Can’t Read (The Ice Storm Long Version)
08.A Foggy Day In London Town - David Bowie and Angelo Badalamenti
09.Fun (BowieNet Mix)
10.The Pretty Things Are Going To Hell (Stigmata Soundtrack Version) 
11.Thursday’s Child (Radio Edit)
12.We All Go Through★
13.No One Calls

最後はDisc3。
(01)(02)(03)(04)(07)(08)(10)(11)(13)はシングル収録曲(一部、アルバムのボーナストラックなどに収録されている曲もある)。
(04)(05)(06)はアルバム『hours...』の拡張版(2004)ボーナスディスク収録のバージョン。
(09)はサントラ『American Psycho』収録の別MIXでアルバム「hours...』の拡張版(2004)ボーナスディスクにも収録されている。
(11)はThe Whoのトリビュートアルバム『Substitute - The Songs Of The Who』に収録されている。

■Disc3
01.We Shall Go To Town
02.1917
03.The Pretty Things Are Going To Hell (Edit)
04.Thursday’s Child (Omikron: The Nomad Soul Version)
05.New Angels Of Promise (Omikron: The Nomad Soul Version)
06.The Dreamers (Omikron: The Nomad Soul Version)
07.Seven (Demo)
08.Survive (Marius De Vries mix)
09.Something In The Air (American Psycho Remix)
10.Seven (Marius De Vries Mix)
11.Pictures Of Lily

今回の『RE:CALL 5』は2CDでは収まりきらなかったので3CDになっているが、実は、どのディスクも収録時間にはかなり余裕がある。
それなら、Mick Ronson『Heaven And Hull』収録の「Like A Rolling Stone」、Reeves Gabrels『The Sacred Squall Of Now』の「You've Been Around」「The King Of Stamford Hill」や『Ulysses (Della Notte)』の「Jewel」、Goldie『Saturnz Return』の「Truth」、Rustic Overtones『Volume Up』の「Man Without A Mouth』や『Viva Nueva』の「Sector Z」「Man Without A Mouth」、Placeboとのコラボシングル『Without You I'm Nothingc』などの課外活動についても少しは収録できなかったものか。最新BOX『ICGEA』に他アーティストのアルバム収録曲が多数入っているだけに、なんとかならなかったのかという思いはある。

今さら後出しレビュー:この箱、★いくつ?「Rock ‘n’ Roll Star!」

RRS

 Bowieの代表作である「The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars」の50周年を迎える2022年にリリースが期待されていたZiggy箱は残念ながらリリースが見送られ、ピクチャー盤とハーフスピードマスターのアナログ盤がリリースされたのみで、世界中のBowieファンは大いに落胆していたはずだ。
 そんな中、2024年6月に満を持してリリースされたのがこの高額BOX「Rock ‘n’ Roll Star!」だ。CD5枚+Blu-ray1枚(映像コンテンツは未収録)という大ボリュームで、初出の音源も多数収録していたので、熱心なファンの間でも一定の評価がされていた。
 リリースから1年以上経過したこのタイミングではあるが、収録内容の詳細を分かる範囲でまとめてみた。付属のブックレットが読み物的な作りになっていて、全曲に詳しい解説がついておらず、ページ数も多かったので国内盤ブックレットがオリジナルの対訳のみとなっているため、薄い内容となっているが、ご容赦いただきたい。
 CD1はデモ中心、CD2・3はBBC音源、CD4・5は既発音源のリマスターや別ミックス、Newミックスを中心に未発表テイクも収録している。
 Blu-rayについては、(全曲ではないが)CD収録曲のハイレゾ音源やオリジナルアルバムの5.1chミックス、RSDでアナログ盤がリリースされた「Waiting In The Sky (Before The Starman Came To Earth)」のハイレゾ音源も収録されている。

※余談だが収録曲の中に「2022MIX」という表記が多々あるのは、50周年に合わせてこの箱をリリースする予定があったからではないかと推測される。また、記載した以外にも、OMEGAオークションテープからの音源が収録されている可能性も捨てきれないのだが、詳細は不明だ

★公式初出 ▲既発音源 ▼ブートからの収録(多分)
【The Song Writing Demos】
01-So Long 60s (San Francisco Hotel Recording)★
 「Divine Symmetry」にも収録されていた、1971年にSan franciscoのホテルでレコーディングされたカセットの音源。コードメロディから「Moonage Daydream」の青写真だと言うことは推察できる。これで、同カセット収録曲で公式未発表なのは「Moonage Daydream」「Oh! You Pretty Things」「Hole In The Ground」の3曲となった。

02-Hang On To Yourself (Early Demo)★
 ブートCDに収録されていたおなじみの音源だが、公式からのリリースとあって音質は向上している。

03-Lady Stardust (Demo)▲
04-Ziggy Stardust (Demo)▲

 どちらもRYKO盤「Ziggy Staradust」のボートラで初めて公式リリースされた音源。今回のリリースに当たってリマスターされたstereoバージョンとなっている。Ryko盤ではモノラルバージョンだったが、今回はステレオでの収録となっている(04については若干イントロの長いステレオバージョンが早くからブートで出回っていた)

05-Star (Aka Stars) (Demo)★
 2000年にクリスティーズのオークションに出品されていたオープン・リール収録のデモ音源。英国バンド・Chameleonがカヴァーをレコーディングするためにシンガー・Les Payneに渡されたものと言われている。おそらくブートも含めて完全初出の音源と思われる。

06-Soul Love (Demo And DB Spoken Notes)★
 アルバム「Ziggy Stardust」のレコーディングに向けて作成されたデモ音源で、オーケストラ・アレンジを担当するミック・ロンソンへの指示が音声メモとして吹き込まれている。これも、おそらくブートも含めて完全初出の音源と思われる。

07-Starman (Demo 1 Excerpt)★
08-Starman (Demo 2)★

 2019年にOMEGAオークションで売りに出たリハーサルテープに収録されていた音源で、公式(orアーカイブ財団)がテープを買い戻したことで、今回の収録が実現している。このテープにはBowieとRonsonがレコーディングした18曲(デモ3曲、リハーサル15曲)が収録されていて、07・08はいずれもそこからの収録となっている。

【The Arnold Corns Recordings】
09-Moonage Daydream (The Arnold Corns Version)▲
10-Hang On To Yourself (The Arnold Corns Version)▲
11-Looking For A Friend (The Arnold Corns Version – Rough Mix)★

 09・10はRyko盤「The Man Who Sold The World」が公式初出*の音源で、そのときにカットされていた09のイントロの語りを含む完全版が高額BOXセット「Five Years:1969-1972」の「Re:Call 1」に収録されている。11はAメロでBowieがガイドヴォーカルを務めるラフミックス。
*厳密にはArnold Corns名義で1971年に7インチでリリースされたのが初出

【The Haddon Hall Rehearsals】
12-Haddon Hall Rehearsals Segue: Ziggy Stardust / Holy Holy / Soul Love★
13-Star (Aka Stars) (Haddon Hall Rehearsal)★
14-Sweet Head (Haddon Hall Rehearsal)★

 驚愕の初出音源。リハーサルの収録ということだが、当時はリリースされていなかった「Holy Holy」や「Sweet Head」のライブテイクが残っていたとは実に素晴らしい。ブックレットには「演奏を確認するための録音なので断片的にしか残っていない曲もある」と記載があり、残念ながらフェイドアウトする曲もあるのだけれど、どうせテープの保管状態が悪くて完全収録できなかっただけに違いない。海外ファンサイトのBBSには(真偽のほどは定かではないが)「完全版を持っている」という書き込みもあったので、いつの日か完全版がリリースされることを期待せずにはいられない。

<CD2>【BBC Radio Sessions (Part I)】
<Sounds Of The 70s: John Peel Session Recorded On 11th January, 1972 And Broadcast On 28th January, 1972>
01-Ziggy Stardust▼
02-Queen Bitch▼
03-Waiting For The Man▼
04-Lady Stardust▼


<Sounds Of The 70s: Bob Harris Session Recorded On 18th January, 1972 And Broadcast On 7th February, 1972>
05-Hang On To Yourself▲
06-Ziggy Stardust▲
07-Queen Bitch▲
08-Waiting For The Man▲
09-Five Years▲


<Old Grey Whistle Test Performance Filmed On 7th February, 1972 And Broadcast On 8th February, 1972> Except ‘Oh! You Pretty Things’ Which Was Not Broadcast Until 1982
10-Oh! You Pretty Things (Take 1)▲
11-Queen Bitch▲
12-Five Years▲

 CD2とCD3はBBC関連の音源をコンパイルしているのだけれど、残念ながら「Width Of A Circle」「Divine Symmetry」の時と同様に、大半がブートでおなじみの音源や「Bowie At The Beeb」での既発音源というパターンだ。こういう非公式マーケットでおなじみの音源を公式がドヤ顔で高額BOXに収録するのは、マジで勘弁して欲しい。
 冒頭4曲(▼)についてはブックレットにも「このセッションの音源は現存するエアチェックテープのみ」と明記されているので過去にブートで出回っていたものと同じソースからの収録で間違いないだろう。今回のリリースに当たって多少のリマスタリングは行っていると思われるが元ソースがブートと同じと思われるので劇的に高音質になっているわけではない。
 ▲は公式で既発の音源で05〜09は「Bowie At The Beeb」、10〜12は「Best Of Bowie DVD」に収録されていた既発音源だ。

<CD3>【BBC Radio Sessions (Part 2)】
<Sounds Of The 70s: John Peel Session Recorded On 16th May, 1972 And Broadcast On 23rd May, 1972>
01-White Light / White Heat▲
02-Moonage Daydream▲
03-Hang On To Yourself▲
04-Suffragette City▲
05-Ziggy Stardust▲


<Johnnie Walker Lunchtime Show Session Recorded On 22nd May, 1972 And Broadcast From 5th – 9th June, 1972>
06-Starman▲
07-Space Oddity▲
08-Changes▲
09-Oh! You Pretty Things▲

<Sounds Of The 70s: Bob Harris Session Recorded On 23rd May, 1972 And Broadcast On 19th June, 1972>
10-Andy Warhol▲
11-Lady Stardust▲
12-White Light / White Heat★
13-Rock 'N' Roll Suicide▲

<Top Of The Pops Performance Filmed On 5th July, 1972 And Broadcast On 6th July, 1972>
14-Starman
 1〜11・13・14(▲)は公式で既発の音源で14以外は「Bowie At The Beeb」からの収録。12は「Bowie At The Beeb」未収録で今回が公式初出の音源だと思われる。
-
<CD4>
01-Round And Round▲
02-The Supermen (Ziggy Session Version)▲
03-Holy Holy (Ziggy Session Version)▲
04-Velvet Goldmine (Ziggy Session Outtake)▲
05-Starman (Original Single Mix)▲
06-John, I'm Only Dancing (Original Single Version)▲

 01〜06は既発音源の最新リマスター。05はUKシングル用にサビ前のピアノがオーヴァーダブされた通称「Loud Mix」の最新リマスター。このバージョンはベスト盤「Nothing Has Changed」で初めてCD化されている。

<Recorded Live At The Music Hall, Boston. Recorded On 1st October, 1972>
07-The Supermen▲
08-Changes▲
09-Life On Mars?▲
10-My Death★
11-John, I'm Only Dancing▲

1972年USツアーのライブ音源で、07〜09・11はRyko盤「SOUND+VISON」BOX(初回盤)と「Aladdin Sane」30周年記念盤に収録されていたが、10は今回が初出。同ツアーの4日目公演はRCAにより全編収録されていて、それ以外に2公演が収録されていたのだが、マルチトラックテープは紛失か上書き消去されていて、これ以外のトラックは残存しないとブックレットに明記されている。

<CD5>【Outtakes And Alternative Versions】
01-Looking For A Friend (The Arnold Corns Version 2022 Mix)
Arnold Cornsセッションの音源で過去にブートでリリースされているバージョンのリミックスと思われる。ブックレットにはテイク10と記載あり。

02-Hang On To Yourself (Early Ziggy Session Take)★
前述のOMEGAオークションのリハーサルテープに収録されていたバージョン。若干、歌詞が異なっている箇所もある。ブックレットにはテイク12と記載あり。

03-Star (Take 5 Alternative Version)★
04-Lady Stardust (Take 1 Alternative Version)★

03・04はアルバムセッションでの別テイク。もちろん、ブートも含めて完全初出の音源だ。

05-Shadow Man (Ziggy Session Version)★
この曲は、早くからブートでリリースされていた1970年のデモバージョンが超有名だが、遂にZiggyセッションのバージョンが公式リリースされた。今回収録されているのはテイク2とテイク7を組み合わせて完成させられたバージョンとなっている。

06-The Supermen (Ziggy Session Version 2023 Mix)★
1971年のグラストンベリ・フェスティバルのライブをメインに収録したアルバム「Glastonbury Fayre」に提供するためにZiggyアルバムのセッションで再録されたバージョンのNewミックス。ブックレットにはテイク2と記載あり。収録時間を水増しするために新規制作されたとしかか思えない無意味なトラック。

07-Holy Holy (Ziggy Session Version Alternative Mix)★
こちらはNewミックスではなくて別ミックス。Newミックスではないので、前述のMEGAオークションのリハーサルテープに収録されていたバージョンの可能性もあるが、詳細は不明。

08-Round And Round (Alternative Mix)★
CD4収録のバージョンよりもヴォーカルが際立って聞こえる別ミックス。Newミックスとクレジットされていないのでどこかのタイミングで制作された既存のミックスだと思われるが出所の詳細は不明だ。

09-It's Gonna Rain Again (Ziggy Session Outtake)★
今まで曲名しか知られていなかった驚愕の初登場音源。ブックレットにはテイク4と記載あり。個人的にはAメロの辺りが「Sweet Head」の元ネタのように思えるのだが、皆さんはどう?

10-Looking For A Friend (Ziggy Session Version)★
ブックレットにはテイク4と記載あり。Ziggyアルバムのセッションで再録音されたBowieがリードヴォーカルを務めるバージョンだ。

11-Velvet Goldmine (Ziggy Sessions Outtake 2022 Mix)★
ブックレットにはテイク3と記載あり。オリジナルMIXは過去にブートでリリースされている。収録時間を水増しするために新規制作されたとしかか思えない無意味なトラック。

12-Sweet Head (Ziggy Sessions Outtake 2022 Mix)★
ブックレットにはテイク7と記載あり。収録時間を水増しするために新規制作されたとしかか思えない無意味なトラック。

13-Starman (Top Of The Pops Version 2022 Mix)▲
Ziggystardustアルバム50周年記念盤のプロモーション用に配信されたTop Of The Pops放送音源の2022 Mix。

14-John, I'm Only Dancing (Alternative Trident Studios Version)★

ブックレットにはテイク6と記載あり。既発の3バージョンのいずれとも異なっている完全初登場音源だ。

15-I Can't Explain (Trident Studios Version)★
ブックレットにはテイク2と記載あり。「PIN-UPS」収録曲だが、この時点で既にレコーディングされていたとは驚きだ。

16-Moonage Daydream (2003 Instrumental Mix)▲

 2013年にリリースされた40周年記念盤LPに付属していたDVDのボーナストラックに収録されていたバージョン。

<Blu-Ray>【The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars (Original Album Mix (96khz/24bit Stereo))】
01-Five Years
02-Soul Love
03-Moonage Daydream
04-Starman
05-It Ain't Easy
06-Lady Stardust
07-Star
08-Hang On To Yourself
09-Ziggy Stardust
10-Suffragette City
11-Rock 'N' Roll Suicide
【The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars And Extras (2003 5.1 Mixes (Dts-Hd Master Audio 5.1 - 96khz/24bit))】
12-Five Years
13-Soul Love
14-Moonage Daydream
15-Starman
16-It Ain't Easy
17-Lady Stardust
18-Star
19-Hang On To Yourself
20-Ziggy Stardust
21-Suffragette City
22-Rock 'N' Roll Suicide
Extras
23-The Supermen
24-Velvet Goldmine
25-Sweet Head
【Waiting In The Sky (Before The Starman Came To Earth) (Early Ziggy Stardust Album Tracklisting – December 1971 (96khz/24bit PCM Stereo))】
26-Five Years
27-Soul Love
28-Moonage Daydream
29-Round And Round
30-Amsterdam
31-Hang On To Yourself
32-Ziggy Stardust
33-Velvet Goldmine
34-Holy Holy
35-Star
36-Lady Stardust
<The Singles (96khz/24bit PCM Stereo)>
37-Starman (Original Single Mix)
38-John, I'm Only Dancing (Original Single Version)
<Outtakes And Alternative Versions (96khz/24bit PCM Stereo) >
39-Looking For A Friend (The Arnold Corns Version 2022 Mix)
40-Hang On To Yourself (Early Ziggy Session Take)
41-Star (Take 5 Alternative Version)
42-Lady Stardust (Take 1 Alternative Version)
43-Shadow Man (Ziggy Session Version)
44-The Supermen (Ziggy Session Version 2023 Mix)
45-Holy Holy (Ziggy Session Version Alternative Mix)
46-Round And Round (Alternative Mix)
Written-By – Chuck Berry
47-It's Gonna Rain Again (Ziggy Session Outtake)
49-Velvet Goldmine (Ziggy Sessions Outtake 2022 Mix)
50-Sweet Head (Ziggy Sessions Outtake 2022 Mix)
51-Starman (Top Of The Pops Version 2022 Mix)
52-John, I'm Only Dancing (Alternative Trident Studios Version)
53-I Can't Explain (Trident Studios version)
54-Moonage Daydream (2003 Instrumental Mix)

(自称)国内最速レビュー〜ファイナル・アンサー? 高額BOX「6. I CAN’T GIVE EVERYTHING AWAY (2002 – 2016)」

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Ziggy期のBOXについての記事を書いていたのだけれど、ついにあのシリーズの新作リリースのアナウンスがあったので、取り急ぎそちらについての記事をまとめてみた。
4年間のインターバルを経て遂に、シリーズ最後となるであろうキャリ総括高額BOXセットのリリースが公式から告知された。BOXのタイトルは「6. I CAN’T GIVE EVERYTHING AWAY (2002 – 2016)」。
今回は、2002年リリースの「Heathen」から最後のアルバムとなった「★」までのオリジナルアルバム4枚と「THE NEXT DAY EXTRA E.P.」「NO PLAN E.P.」さらに、ライブアルバム「A REALITY TOUR」を加えた7作品をベースに2002年Montreux Jazz Festivalのライブ音源とアルバム未収録曲をコンパイルした「RE:CALL 6」で構成された13CD(アナログは18LP)となっている。

「6. I CAN’T GIVE EVERYTHING AWAY (2002 – 2016)」。Track List
HEATHEN
01. Sunday
02. Cactus
03. Slip Away
04. Slow Burn
05. Afraid
06. Iʼve Been Waiting For You
07. I Would Be Your Slave
08. I Took A Trip On A Gemini Spaceship
09. 5:15 The Angels Have Gone
10. Everyone Says ʻHiʼ
11. A Better Future
12. Heathen (The Rays)

MONTREUX JAZZ FESTIVAL(2CD)
CD1
01. Sunday
02. Life On Mars?
03. Ashes To Ashes
04. Cactus
05. Slip Away
06. China Girl
07. Starman
08. I Would Be Your Slave
09. Ive Been Waiting For You
10. Stay
11. Changes
12. Fashion
13. Fame
14. Im Afraid Of Americans
15. 5:15 The Angels Have Gone

CD2
01. "Heroes"
02. Heathen (The Rays)
03. Everyone Says 'Hi'
04. Hallo Spaceboy
05. Let’s Dance
06. Ziggy Stardust
07. Warszawa
08. Speed Of Life
09. Breaking Glass
10. What In The World
11. Sound And Vision
12. Art Decade
13. Always Crashing In The Same Car
14. Be My Wife
15. A New Career In A New Town
16. Subterraneans

REALITY
01. New Killer Star
02. Pablo Picasso
03. Never Get Old
04. The Loneliest Guy
05. Looking For Water
06. She’ll Drive The Big Car
07. Days
08. Fall Dog Bombs The Moon
09. Try Some, Buy Some
10. Reality
11. Bring Me The Disco King

A REALITY TOUR
CD1
01. Rebel Rebel
02. New Killer Star
03. Reality
04. Fame
05. Cactus
06. Sister Midnight
07. Afraid
08. All The Young Dudes
09. Be My Wife
10. China Girl
11. The Loneliest Guy
12. The Man Who Sold The World
13. Fantastic Voyage
14. Hallo Spaceboy
15. Sunday
16. Under Pressure
17. Life On Mars?
18. Battle For Britain (The Letter)

CD2
01. Fall Dog Bombs The Moon
02. Ashes To Ashes
03. The Motel
04. Loving The Alien
05. Breaking Glass
06. Never Get Old
07. Changes
08. I’m Afraid Of Americans
09. "Heroes"
10. Bring Me The Disco King
11. Slip Away
12. Heathen (The Rays)
13. Five Years
14. Hang On To Yourself
15. Ziggy Stardust

THE NEXT DAY
01. The Next Day
02. Dirty Boys
03. The Stars (Are Out Tonight)
04. Love Is Lost
05. Where Are We Now?
06. Valentine’s Day
07. If You Can See Me
08. I’d Rather Be High
09. Boss Of Me
10. Dancing Out In Space
11. How Does The Grass Grow?
12. (You Will) Set The World On Fire
13. You Feel So Lonely You Could Die
14. Heat

THE NEXT DAY EXTRA E.P.
01. Atomica
02. Love Is Lost (Hello Steve Reich Mix By James Murphy For The DFA)
03. Plan
04. The Informer
05. I’d Rather Be High (Venetian Mix)
06. Like A Rocket Man
07. Born In A UFO
08. I’ll Take You There
09. God Bless The Girl
10. So She

★ (BLACKSTAR)
01. ★
02. ’Tis A Pity She Was A Whore
03. Lazarus
04. Sue (Or In A Season Of Crime)
05. Girl Loves Me
06. Dollar Days
07. I Can’t Give Everything Away

NO PLAN E.P.
01. Lazarus
02. No Plan
03. Killing A Little Time
04. When I Met You

RE:CALL 6
CD1
01. Slow Burn (Single Edit)
02. Wood Jackson
03. When The Boys Come Marching Home
04. Safe
05. Sunday (Moby Remix)
06. A Better Future (Remix By Air)
07. Slip Away (SACD Mix)
08. Slow Burn (SACD Mix)
09. I’ve Been Waiting For You (SACD Mix)
10. 5:15 The Angels Have Gone (SACD Mix)
11. A Better Future (SACD Mix)
12. Safe (SACD Mix)
13. Everyone Says ‘Hi’ (Radio Edit)

CD2
01. Sunday (Tony Visconti Mix)
02. Everyone Says ‘Hi’ (Metro Remix Radio Edit)
03. Heathen (The Rays) (Live In Berlin, 22/09/02)
04. Hop Frog - Lou Reed Featuring David Bowie
05. Saviour - Kristeen Young Featuring David Bowie
06. Isn’t It Evening (The Revolutionary) - Earl Slick Featuring David Bowie
07. Bring Me The Disco King (Loner Mix) - David Bowie Featuring Maynard James Keenan And John Frusciante (Taken From The Underworld Motion Picture Soundtrack)
08. New Killer Star (Radio Edit)
09. Love Missile F1-11
10. Fly
11. Queen Of All The Tarts (Overture)
12. Never Get Old (Single Edit)
13. Waterloo Sunset
14. Rebel Rebel (2003 Re-Record) (Taken From The Charlie’s Angels: Full Throttle Motion Picture Soundtrack)
15. New Killer Star (Sessions @ AOL Live Version, 23/09/03)

CD3
01. Days (Live)
02. 5:15 The Angels Have Gone (Live)
03. Rebel Never Gets Old (Radio Mix)
04. (She Can) Do That - David Bowie With BT (Taken From The Stealth Motion Picture Soundtrack)
05. Life On Mars? (Live At Fashion Rocks, 08/09/05)
06. Wake Up (Live At Fashion Rocks, 08/09/05) - David Bowie With Arcade Fire
07. Five Years (Live At Fashion Rocks, 08/09/05) - David Bowie With Arcade Fire
08. Arnold Layne (Live At The Royal Albert Hall, 29/05/06) - David Gilmour Featuring David Bowie
09. Love Is Lost (Hello Steve Reich Mix By James Murphy For The DFA Edit)
10. Sue (Or In A Season Of Crime) (2014 Version)
11. ’Tis A Pity She Was A Whore (2014 Version)
12. Lazarus (Radio Edit)
13. I Can’t Give Everything Away (Radio Edit)

まずは、オリジナルアルバムについて見ていこう。
アルバム「HEATHEN」は2枚組の初回限定盤がありそのDISC2には� �Sunday (Moby Remix)」�◆�A Better Future (Air Remix)」��「Conversation Piece」�ぁ�Panic In Detroit」の4曲が収録されていた。�´△蓮�RE:CALL 6」に収録されているが、どういうわけか���い鰐ぜ�録となっている。音源は2025年最新リマスター。

アルバム「REALITY」も、同様に、2枚組の初回限定盤があり、そのDISC2には「Fly」「Queen Of All The Tarts (Overture)」「Rebel Rebel(Charlie's Angels: Full Throttle Soundtrack Version)」の3曲が収録されていた。また、一部のリリースではボートラとして「Waterloo Sunset」が収録されていたが、これら4曲は全て「RE:CALL 6」に収録されている。音源は2025年最新リマスター。

ライブアルバム「A REALITY TOUR」には先にリリースされたDVDには未収録だった� �Fall Dog Bombs The Moon」�◆�Breaking Glass」��「China Girl」の3曲が本編終了後にボーナストラックとして収録されていた(配信版には�ぁ�Days」�ァ�5:15 The Angels Have Gone」が追加収録)。今回のBOXでは�´↓�がめでたく本来演奏された位置に移動されているが、。�きイ砲弔い討蓮◆�RE:CALL 6」への収録となっている。これはおそらく本編を初日のセトリに基づいて構成していて、2日目のみの演奏だったこの2曲を敢えて外したのだろうと思われる(このライブは2日間の収録が行われていた)。音源は2025年最新リマスター。

アルバム「THE NEXT DAY」には「So She」「Plan」「I'll Take You There」「God Bless The Girl(日本盤のみ)」の4曲のボートラがあり、後にリリースされた「The Next Day Extra」のディスク2にはこれらを含む10曲が収録されていた。今回のリリースではこのディスク2が「THE NEXT DAY EXTRA E.P.」というタイトルで収録されている。音源は2025年最新リマスター。

遺作となったアルバム「★」についてはボートラの収録はなかったものの、後にリリースされたミュージカル「LAZARUS」のサントラには新曲3曲(と「LAZARUS」)を収録したボーナスディスクがあり、今回のBOXに「NO PLAN E.P.」というタイトルで収録されている。今回、このアルバムがリマスターされなかったのは、今後、最新リマスターと銘打ってのリリースを視野に入れているからだろう(個人の感想)。

さて、ここからは今回新たに収録されるコンテンツを見ていこう。
国内盤リリースでは、おそらくセールスポイントとして大々的にアピールされると思われるのが、「MONTREUX JAZZ FESTIVAL」の音源だ。前半は過去のヒット曲と当時の最新アルバム「Heathen」から12曲中8曲をプレイ。アンコールでは、アルバム「Low」のほぼ全曲(「Weeping Wall」のみ未演奏)をプレイしている。アンコールを締めくくるのは「Subterraneans」で、ロックシンガーがフェスで大トリを努めて締めの曲がまさかのインストという実に大胆なセトリが話題となったこのライブが公式リリースされるわけだが、すでにほぼ完全版のプロショット映像と完全版サウンドボード音源が流出しているので、Youtubeやブートで試聴済みというファンも多いのではないだろうか?収録が入っているライブでのBowieはMCで実に饒舌になるのだけれど、以前リリースされた「Brilliant Live Adventures」シリーズではMCがばっさりカットされていることが多かった。今回のリリースでも同様の愚かな編集がされないかと危惧している(個人の感想)。
最後に、このBOXシリーズ限定となる企画盤「RE:CALL 6」である。回を重ねるごとに、そのコンセプトがブレ続けている「RE:CALL」シリーズだが、今回は過去最多のCD3枚組というボリュームとなっている。音源は2025年最新リマスター(そもそも公式初出)。

CD1の01〜04はCDシングルと7インチシングル「Slow Burn」からの収録。05・06はアルバム「Heathen」初回限定盤のボーナスディスクからの収録だ。ただし、Kenny Everett Show用にリメイクされた「Panic In Detroit」の1979年バージョンと「Conversation Peace」については、今回はオミットされている。前者は録音時期がこのBOXの年代ではないから、後者はアルバム「Toy」で前のBOXに収録されているのが理由だと思われる。

07〜12はアルバム「Heathen」のSACDミックス。厳密に言えば、SACDミックスというのなら、アルバム全曲を収録するべきなのだが、これらの曲が収録されているのは通常のアルバムバージョンよりも尺が長くなっていることが理由であることは明白だ。過去に「Young Americans」のシングルエディットが未発表だった5.1chミックスからのダウンミックスでベスト盤に収録されたことがあるが、音のバランスが非常に悪かったので、今回はそうならないことを期待している。

CD1の13、CD2の01はCDシングル「Everyone Says ‘Hi’」のカップリング曲。02はWar Childチャリティアルバムに収録されていたリミックスバージョンのエディット版。このシングルのカップリング曲のうち、アルバム「TOY」収録曲は今回はオミットされている。

03は米国の音楽配信サービスNapster限定デジタルシングルとしてリリースされた2002年9月2日ベルリン公演のライブバージョン。

04は2003年リリースのLou Reedのアルバム「Raven」でゲスト参加した曲。05は女性シンガーKristeen Youngの2003年リリースのアルバム「Breasticles」にゲスト参加した曲。06は2003年リリースのEarl Slickのソロアルバム「Zig Zag」にゲスト参加した曲。
07は2003年リリースの映画「The Underworld」のサントラに収録されていた曲で、アルバム「Reality」収録の同曲とは別バージョン(ミックス)。

08・09はシングル「New Killer Star」からの収録。10・11はアルバム「Reality」初回限定盤のボーナスディスクからの収録。12・13はシングル「Nwver Get Old」からの収録。14は2003年リリースの映画「The Charlie’s Angels: Full Throttle」サントラからの収録。

15は米国の(当時)大手インターネットプロバイダーAOLが展開していた音楽配信サービス「AOL MUSIC」で提供している「Sessions@AOL」出演時のライブからの抜粋。他にも「I'm Afraid Of Americans」「Rebel Rebel」「Fall Dog Bombs The Moon (Acoustic version) 」「Days」が配信されているがパー口フォンお得意の出し惜しみで今回はオミットされている。

CD3の01・02は「A Reality Tour」ボートラのうち今回のアルバム未収録となった2曲。03はピクチャー12インチシングルからの収録で、「Rebel Never Gets Old (7th Heaven Edit)」「Rebel Never Gets Old (7th Heaven Mix) 」はオミットされている。

04は2005年リリースの映画「The Stealth」のサントラにDavid Bowie With BT名義で収録されていた曲。05〜07は2005年のイベントFashion RocksでArcade Fireと共演したライブステージの音源で、元々はデジタル配信されていたもの。08はBowieがゲスト出演したDavid Gilmourの映像ソフト「Remember That Night (Live At The Royal Albert Hall)」からシングルとしてリリースされた曲だが、カップリングの「Comfortably Numb」は残念ながらオミットされている。

09はシングル「Love Is Lost」からエディットバージョンを収録。ただし、フルバージョンと「I'd Rather Be High (Venetian Mix)」に関しては今回はオミットされている。
10・11は2014年リリースのシングルからの収録。10のエディットバージョンは今回未収録。12・13は配信リリースされたエディットバージョンだ。

今回、過去のシリーズではあまり見られなかったサントラへの提供曲や他アーティスト作品へのゲスト参加曲まで収録しているところを見ると、「これがシリーズの最後なんだよ」というパー口フォンの強い意志を感じずにはいられない。

以上、音源を聞く前ではあるが、アナウンスされた収録曲リストを元に行った検証である。前回のBOXでは「A Small Plot Of Land」がノークレジットで未発表バージョンだったり、「Little Wonder」がクレジットは異なる新しいミックスだったりと、いい意味でのやらかしがあったので今回もコッソリとKristeen Young名義の「Saviour」がヴォーカルテイク違いのプロモバージョンだったりしないかと期待をしてしまうのは、悲しいマニアの性である。

最後に余談とはなるが、(一部は2002〜2016以外も含む)個人的な基準ではあるが今回のBOXから漏れている曲をまとめておく(再掲含む)。

●2001年リリースのサントラ「Moulin Rouge」に収録されている「Nature Boy」(Nat King Coleのカヴァー)
●2001年リリースのサントラ「Training Day」に収録されているP. Diddy and the Bad Boy Familyとの共演による「This Is Not America」のリメイク 「American Dream」
●2001年リリースのチャリティライブ盤「The Concert for New York City」収録の「America」「Heroes」
●2002年リリースの「プロモ盤12インチ「Everyone Says 'Hi' / I Took A Trip On A Gemini Spaceship」に収録されていた「Everyone Says ‘Hi’ (Metro Remix)」のフルバージョンと「I Took A Trip On A Gemini Spaceship」のリミックスバージョン
●2002年にSolaris vs Bowie名義でリリースされた「Shout」(FashionのDJリミックス)
●2002年リリースのアルバム「Heathen」初回限定盤収録の「Panic In Detroit」「Conversastion Peace」
●2002年リリースのシングル「Slow Burn」のカップリング曲「Shadow Man」「You've Got A Habit Of Leaving」
●2002年リリースのシングル「Everyone Says 'Hi' 」のカップリング曲「Safe」「Baby Loves That Way」「Sunday (Tony Visconti Mix)」
●2003年リリースのDavid Guetta vs. Bowie名義でリリースのシングル「Just for One Day (Heroes)」
●2003年リリースのアルバム「Club Bowie (Rare And Unreleased 12" Mixes)」収録曲
●2003年に「Sessions@AOL」で配信された曲のうち「I'm Afraid Of Americans」「Rebel Rebel」「Fall Dog Bombs The Moon (Acoustic version) 」「Days」の4曲
●2004年リリースの映画「Shrek2」のサントラに収録されていたButterfly Boucherと共演した「Changes」のリメイク版
●2005年リリースのKashmirのアルバム「No Balance Palace」にゲスト参加した「The Cynic」
●2006年リリースのDavid Gilmourとの共演シングル収録の「Comfortably Numb」
●2006年リリースのTV on the Radioのアルバム「Return to Cookie Mountain」にゲスト参加した「Province」
●2008年リリースのScarlett Johanssonのアルバム「Anywhere I Lay My Head」にゲスト参加した2曲「Falling Down」「Fannin Street」
●2008年にBenassi Vs. Bowie名義でリリースされたシングル「DJ」 のリミックスバージョン (全10バージョン?)
●2013年リリースのSONYのスマホEXPERIAのCM用に作成された「Sound And Vision 2013」のニューバージョン
●2013年リリースのシングル「Love Is Lost 」のカップリング曲のうち、「Love Is Lost (Hello Steve Reich Mix By James Murphy For The DFA)」(フルバージョン)と「I'd Rather Be High (Venetian Mix)」
●2013年リリースのArcade Fireのアルバム「Reflektor」にゲスト参加した「Reflektor」
●2014年リリースのシングル「Sue (Or In A Season Of Crime)」カップリング曲のエディットバージョン「Sue (Or In A Season Of Crime)(Radio Edit)」
●2021年リリースのシングル「Mother / Tryin' To Get To Heaven」

いまさらシンメトリィ〜決定版レビュー"Divine Symmetry"

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B級J-POPみたいなタイトルだが、満を持してお送りするレビューなので最後までおつきあいいただきたい。
今年は、冬の恒例・BOXセットがリリースされなかったので、モーピク再発を除けば現状、最新のリリースなのがHunky Dory関連マテリアルをコンパイルしたBOXセット「Divine Symmetry」である。
マニア視線で見れば不満はあるのだけれど、未発表音源が多数収録された良質コンピレーションと評価してさしつかえないだろう。
それでは収録内容を細かく見ていこう。

* PREVIOUSLY UNRELEASED

●CD 1:
THE SONGWRITING DEMOS PLUS

1 Tired Of My Life (demo) *
2 How Lucky You Are (aka Miss Peculiar) (demo) *
3 Shadow Man (demo)
4 Looking For A Friend (demo) *
5 Waiting For The Man (San Francisco hotel recording) *
6 Quicksand (San Francisco hotel recording) *
7 King Of The City (demo) *
8 Song For Bob Dylan (demo) *
9 Right On Mother (demo) *
10 Quicksand (demo)
11 Queen Bitch (demo) *
12 Kooks (demo) *
13 Amsterdam (demo) *
14 Life On Mars? (demo) *
15 Changes (demo) *
16 Bombers (demo) *

CD1は1970〜1971年頃にレコーディングされたデモや別バージョンなど全16曲がコンパイルされている。
* は未発表トラックとアナウンスされているが、01〜04はさんざんブートで取り上げられてきたコアなファンにはおなじみの曲ばかり。
この箱の解説に(NIB調べで)最も多くのページを割いていた某音楽雑誌では、他のトラックと同列に扱われていたが05、06は驚愕の完全初登場音源。
1971年1〜2月にBowieが初めて渡米した際にSan franciscoのホテルでのインタビュー時にレコーディングされた音源の一部である。この音源については、早くからその存在が噂されていて、カセットテープが海外オークションに出品された際に商品画像のテープの製造年代からフェイクではないかという説もあったのだけれど、今回のリリースで実在する音源であることが明らかになった。
この2曲以外に「Moonage Daydream」「Oh! You Pretty Things」「Hole In The Ground」「So Long Sixties」の4曲も演奏されていて、そこから何曲かは噂されているZiggy関連の箱に収録される可能性も残されている。
07も前述の某音楽雑誌では、サラッと触れられていただけだが、この箱最大のポイントと言って良い驚愕の完全初登場音源だ。曲名自体は以前から知られていたのでが、いままでどのブートにも収録されたことがない曲で、メロディーを聴けば「Ashes To Ashes」の元ネタであることが分かる。この曲には2つのバージョンが存在していて、1972年録音のバージョン2はZiggy関連の箱に収録される可能性も残されている。
08もNIBの知る限りは、過去にブート化されていない初登場音源。
09はさんざんブートで取り上げられてきたコアなファンにはおなじみの曲。
10は、前述の某音楽雑誌では「このボックスのハイライトのひとつ」と紹介されているが、実際には1990年の再発Ryko盤「Hunky Dory」のボートラで公式リリース済みの音源のリマスターバージョンに過ぎない。
11は2017年にBBCの番組で冒頭の抜粋がオンエアされたことがあるが、今回はめでたくフル尺での収録となっている。
12、13もブートなどで既に世に出ていた音源。
14は2017年にBBCの番組で約1分半の抜粋がオンエアされたことがあるが、今回はめでたくフル尺での収録となっている。
15、16も過去にブートで聞くことができた音源だ。公式リリースで有りながら、アセテート起こしのため、終始スクラッチノイズが聞こえる音質となっている。
余談だが15についてはファンメイドのノイズ除去バージョンがyoutubeで公開されている(https://www.youtube.com/watch?v=vEhlAMmW3LE)。パー口フォンは、高額BOX「Five Years 1969-1973」でのリマスター作業でノイズ除去した際に、「Memory Of A Freefestival」で誤ってヴォーカル部分を消去してしまった前科がトラウマになっているようで、今回のアセテート音源についても、ノイズを除去しないという選択をした模様だ。

CD 2:
BBC RADIO IN CONCERT: JOHN PEEL
David Bowie and Friends
(mono)
01 Queen Bitch *
02 Bombers
03 The Supermen *
04 Looking For A Friend
05 Almost Grown
06 Kooks
07 Song For Bob Dylan *
08 Andy Warhol *
09 It Ain't Easy
(stereo)
10 Queen Bitch *
11 The Supermen *
12 Looking For A Friend *
13 Kooks *
14 Song For Bob Dylan *
15 Andy Warhol *
16 It Ain't Easy *

Recorded 3rd June, 1971 and broadcast 20th June, 1971
Paris Cinema Studio, Regent Street, London

CD2はおなじみのBBC音源でBBC RADIO IN CONCERT: JOHN PEEL。monoバージョン9曲とそのうち7曲のstereoバージョンで校正されていて、monoバージョン4曲とstereoバージョン7曲が公式初リリースだが、いずれも過去にブートでリリースされている音源で新鮮味はゼロだ。
04〜07は公式初リリースとクレジットされているが、さらにブートには収録されていた「Andy warhol」の出だしのやり直しは今回はカットされている。
当然だが、演奏部分はstereoとmonoは同じだが、DJによる曲紹介は異なっているパートもある。また、14 Song For Bob Dylanについてはstereoバージョンは短く編集されたバージョンとなっている。

●CD 3:
BBC RADIO SESSION AND LIVE

01 The Supermen
02 Oh! You Pretty Things
03 Eight Line Poem
04 Kooks *
05 Fill Your Heart *
06 Amsterdam *
07 Andy Warhol *

Session recorded at Kensington House Studio T1 for BBC Radio on 21st September, 1971 and broadcast 4th October, 1971

01〜07はBBC音源。
04〜07は公式初リリースとクレジットされているが、いずれも過去にブートでリリースされている音源で新鮮味はゼロだ。さらにブートには収録されていた「Andy warhol」の出だしのやり直しは今回はカットされている。

Live Friars, Aylesbury, 25th September, 1971

08 Introduction*
09 Fill Your Heart*
10 Buzz The Fuzz*
11 Space Oddity*
12 Amsterdam*
13 The Supermen*
14 Oh! You Pretty Things*
15 Eight Line Poem*
16 Changes*
17 Song For Bob Dylan*
18 Andy Warhol*
19 Looking For A Friend*
20 Round And Round*
21 Waiting For The Man*

Recorded live to 2 track tape.

08〜21も今回のBOXの大きなウリのひとつ、1971年アイルズベリーでのライブ音源だ。
2003年に(おそらく)初めてこのライブの非公式音源が登場したのだけれど、激レアな1971年ライブであり年代を考慮すれば信じられないほど高音質な音源だったため、ファンは狂喜乱舞、多くのブートCDがリリースされている。
公式でのリリースと言うことで大いに期待されていたが、概ねその期待を裏切らない収録内容となっている。マスターテープ(モノラルサウンドボード)の保存状態が良くなかった部分がオーディエンス音源で補完されての収録となっているが、どういうわけか「Queen Bitch」がオミットされているのだ。「テープの状態が良くなかった」という説明がブックレットにあるのだけれど、曲の一部を補完しているのだから、なぜ、この曲について丸ごとオーディエンス音源で収録しなかったのか理由がわからない。
また、各曲をブートと聴き比べてみるとさすがオフィシャルと言うことでブート未収録のMCが随所に見られるが、逆に楽曲そのものには多数のカット編集があったので、以下にまとめておく。

・Fill Your Heart:オフィシャルではエンディングの「「Yeah Yeah Yeah」が1回カット。
・Space Oddity:「Commencing countdown, engines on」(51〜55s)がブート音源に差し替え。エンディング部分を約10秒カット編集。
・Eight Line Poem:25秒辺りから約8秒をカット編集。
・Changes:2分2秒辺りまでまでがブート音源に差し替え。
・Round and round:1分38秒〜1分53秒の約15秒をカット編集。 

●CD 4:
ALTERNATIVE MIXES, SINGLES AND VERSIONS

BOWPROMO mixes

01 Oh! You Pretty Things
02 Eight Line Poem
03 Kooks
04 Queen Bitch
05 Quicksand
06 Bombers & Andy Warhol intro.

07 Lightning Frightening (aka The Man)*
08 Amsterdam (early mix)

09 Changes (mono single)
10 Andy Warhol (full length mono single)

11 Amsterdam (single b-side mix)
12 Life On Mars? (2016 mix)

2021 mixes
13 Changes (2021 alternative mix)
14 Life On Mars? (original ending version)*
15 Quicksand (2021 mix - early version)*
16 Fill Your Heart (2021 alternative mix)*
17 Bombers (2021 alternative mix)*
18 Song For Bob Dylan (2021 alternative mix)*
19 The Bewlay Brothers (2021 alternative mix)*

CD4は別ミックスやシングル音源、新たに制作されたミックスなどで構成されている。
01〜06は2017年にRSD企画商品としてリリースされたアナログ盤「BOWPROMO」の音源で今回が公式初CD化となる。ただし、そのときに起こっていたチャンネルの左右反転はQueen BitchとKooksでは放置されたままとなっている。

07はRYKO盤TMWSTWのボートラではフェイドインのモノラル音源だったが、今回はフル尺のstereoバージョンでの収録となっている。このバージョンは90年代後半に流出音源が出回っていたが、ヴォーカルの音の定位が狂っていた。今回は正しくセンターから聞こえるように修正されていて、オフィシャルの面目躍如といったところだろう。

08は"early mix"とクレジットはあるもののリリースバージョンと何処が違うか間違い探しのような別ミックスで収録する意義があるとは思えない。

09〜10はシングル用のmonoミックスだが、プロデューサーのKen Scottが「ステレオからの単純なフォールドダウンミックス」とコメントしているので重要性はないバージョンと言えるだろう。

11〜12も既発音源でHnky Dory関連という理由だけでの収録だろう。

13〜19は今回のリリースに際して制作されたnew mixと思われる。14はオリジナルのエンディングの後に、テープに残っていた電話のベル音と話し声が聞こえる、というだけのバージョンだ。

●BLU-RAY AUDIO
All PCM Stereo 96kHz/24bit except ‘Life On Mars?’ (2016 mix):
DTS-HD Master Audio 5.1 and PCM Stereo 96kHz/24bit

HUNKY DORY 2015 REMASTER
1 Changes
2 Oh! You Pretty Things
3 Eight Line Poem
4 Life On Mars?
5 Kooks
6 Quicksand
7 Fill Your Heart
8 Andy Warhol
9 Song For Bob Dylan
10 Queen Bitch
11 The Bewlay Brothers


A DIVINE SYMMETRY (AN ALTERNATIVE JOURNEY THROUGH HUNKY DORY)

1 Changes (2021 alternative mix)
2 Oh! You Pretty Things (BOWPROMO mix)
3 Eight Line Poem (BOWPROMO mix)
4 Life On Mars? (original ending version)*
5 Kooks (BOWPROMO mix)
6 Quicksand (2021 mix - early version)
7 Fill Your Heart (2021 alternative mix)*
8 Bombers (2021 alternative mix)*
9 Andy Warhol (original mix)*
10 Song For Bob Dylan (2021 alternative mix)*
11 Queen Bitch (BOWPROMO mix)
12 The Bewlay Brothers (2021 alternative mix)*

Bonus mix

13 Life On Mars? (2016 mix)

SOUNDS OF THE 70S: BOB HARRIS
14 The Supermen
15 Oh! You Pretty Things
16 Eight Line Poem
17 Kooks*
18 Fill Your Heart*
19 Amsterdam*
20 Andy Warhol*

Session recorded at Kensington House, Shepherds Bush, London, Studio T1 for BBC Radio on 21st September 1971 and broadcast 4th October, 1971

Blu-rayにはハイレゾ音源各種が収録されている。
まず、 Hunky Doryは2015 REMASTERでの収録となっている。
ハイレゾ音源は音に厚みがあり、一聴の勝ちはある音源だ。
ただ、ここで一つ疑問に思うのは、なぜ最新リマスター音源でないのかということだ。
これは、NIBの推測の域を出ない説ではあるのだけれど、オリジナルマスターがダメージを受けていて新たなリマスターを作成することができなかったのではないだろうか。
TMASTWは直近の再発はリマスターではなくMetrobolistという謎のリミックスだった。しかも、「After Allは手を加える必要が無かった」 という意味不明な理由でリミックスされておらず、この時点でオリジナルのアナログマスターが損傷していて手を付けられなかったのではないかという考察がネット上で展開されていた。
その一方で、Space Oddiyは2019年に全曲リミックスで再発されているのだ。
また、Ziggy Stardust、Aladdin Sane、PInupsがハーフスピードマスターで再発されているが、TMWSTWとHunky Doryはなぜか、除外されている。
近年、全曲リミックスとハーフスピードマスターで再発されてるタイトルに共通しているのは、30周年記念盤がリリースされている点だ(PInupsは除く)。これらのタイトルはその時点でオリジナルのアナログマスターがデジタルトランスファーされているわけで、TMWSTWとHunky Doryについては、その機会を逃したために、全曲リミックスやハーフスピードマスターでの再発が見送られたのではないだろうか(あくまでも個人の見解です)。
13は1曲だけ5.1chミックスが制作されている。某音楽誌のレビューではアルバム全曲が5.1chミックスで収録されているかのような表記になっているが、明らかな勘違いだ。

14〜20はBBC音源のハイレゾ音源だ。果たしてBBCのライブ音源をここに収録する必要があったのか、個人的には、はなはだ疑問である。

色々とこき下ろしてはみたが、多くの初出音源が収録されていて、ファンにとっては溜まらないBOXであることに異論は無い。
さて、噂はあったが、とうとうリリースされなかったZiggy関連のBOXは来年リリースされるのだろうか?

決定版レビュー"Moonage Daydream Soundtrack"

昨年9月に日本を除く世界中で公開されたBowieの公認ドキュメンタリー「Moonage Daydream」。
11月には早くもサントラがリリースされ、世界から取り残されて公開が今年3月となった日本では、先にサントラが入手できるけど映画は未公開というねじれ現象が生じ、多くのファンを失望させたのは記憶に新しいところだ。

サントラリリース時にはいくつかの音楽雑誌にレビューが掲載されたのだけれど、NIB的にはその内容には不満タラタラである。国内盤CDのライナーの解説は、後述の先行公開2曲しか実際の音源を聞くとができず、トラックリストやプレスリリースなどの資料のみから書き起こしたとしか思えない内容である(スケジュール的にやむを得なかったのだとは思うが)。NIBか確認した音楽雑誌のレビューは文章を読めば、実際に音を聞いて書いていると思われる。それだけに、残念な内容と言わざるを得ない。
というわけで、リリースから半年以上経過しているが今更ながらの(自称)決定版レビューをお届けする。

NIBが確認した国内音楽雑誌のレビューではいずれも、サントラリリース前に先行公開された「Modern Love」「D.J.」のインストで始まってヴォーカルが入ってくる展開を大絶賛していたが、個人的には「インタビュー音声を乗っけるためにインストにした部分がある」くらいの取るに足らないことだと思っている。
また、(リリース当時)初出となる「Quicksand」のアーリーミックスと1974年Buffalo公演での「Rock ‘n’ Roll With Me 」、モーピクのオリジナルでは未公開だったJeff Beckとの共演シーンがついに解禁されたことなどついても言及があったが、それについては全く同感である。
ただし、本当に重要なのはそこではない。
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Moonage Daydream Mixとだけクレジットされている「Sound And Vision」に未発表のヴォーカル素材(おそらくアウトテイク)が使用されていたと言う驚愕の事実。これこそがこのサントラ盤最大のポイントだというのがNIBの見解である。
これが、もし、ビートルズやストーンズのリリースで起こったなら、ネットはもちろん国内の音楽雑誌でも大々的に取り上げられたに違いない。しかし今回、NIBはこの事実に触れている記事を見たことがない。残念ながら、それが国内でのDavid Bowieの扱いなのだ。
もうひとつ、あまり言及されていない事実として、映画自体で使用されているモーピク収録曲が、コーラスのオーヴァーダブがないミックスだということがある。残念ながら、サントラ収録のバージョンはLiveとしかクレジットされていないことからも分かるように既発のバージョンとほぼ同一だ。しかし、映画のサウンドをDolby Atmos上映で体験すれば、「Rock 'N' Roll Suicide」では既発盤で聞こえていたコーラスは聞こえず、逆に既発盤では聞き取れなかったサックスをはっきりと聞くことができるのだ。
これは推測なのだけれど、この映画制作に当たってJeff Beckとの共演シーン使用許諾が得られた時点で、モーピク完全版についても編集作業が進められていたのではないだろうか。そう考えると、映画本編にオーヴァーダブがないミックスが使用されていたことも頷ける。

ここまでで言及していない曲についても、何かしらのリミックスやエディットが施されている曲が多く、Space Oddityに至っては、後半が1997年MSGでのバースデイライブの音源に差し替えられている。それらのオリジナルバージョンとの違いを探す楽しみも、このサントラにはあると思う。 蛇足だが、Moonage Daydream A Cappella Mix Editとクレジットされている「Move On」は「All The Young Dudes」の逆回転再生をノーマルで聞くことができる遊び心溢れたバージョンとなっている。

01. Time...One Of The Most Complex Expressions...
02. Ian Fish U.K. Heir (Moonage Daydream Mix 1)
03. Hallo Spaceboy (Remix Moonage Daydream Edit)
04. Wild Eyed Boy From Freecloud (Live)
05. All The Young Dudes (Live)
06. Oh! You Pretty Things (Live)
07. Life On Mars? (2016 Mix - Moonage Daydream Edit)
08. Moonage Daydream (Live)
09. Medley: The Jean Genie / Love Me Do / The Jean Genie (Live)
10. Bournemouth Symphony Orchestra - The Light (Excerpt)
11. Warszawa (Live Moonage Daydream Edit)
12. Quicksand (2021 Mix - Early Version)
13. Medley: Future Legend / Diamond Dogs Intro / Cracked Actor
14. Rock 'N' Roll With Me (Live)
15. Aladdin Sane (Moonage Daydream Edit)
16. Subterraneans
17. Space Oddity (Moonage Daydream Mix)
18. V-2 Schneider
19. Sound And Vision (Moonage Daydream Mix)
20. A New Career In A New Town (Moonage Daydream Mix)
21. Word On A Wing (Moonage Daydream Mix Excerpt)
22. Heroes (Live Moonage Daydream Edit)
23. D.J. (Moonage Daydream Mix)
24. Ashes To Ashes (Moonage Daydream Mix)
25. Move On (Moonage Daydream A Cappella Mix Edit)
26. Moss Garden (Moonage Daydream Edit)
27. Cygnet Committee / Lazarus (Moonage Daydream Mix)
28. Memory Of A Free Festival (Harmonium Edit)
29. Modern Love (Moonage Daydream Mix)
30. Let's Dance (Live Moonage Daydream Edit)
31. The Mysteries (Moonage Daydream Mix)
32. Rock 'N' Roll Suicide (Live Moonage Daydream Edit)
33. Ian Fish U.K. Heir (Moonage Daydream Mix 2)
34. Word On A Wing (Moonage Daydream Mix)
35. Hallo Spaceboy (Live Moonage Daydream Mix)
36. I Have Not Been To Oxford Town (Moonage Daydream A Cappella Mix Edit)
37. Bournemouth Symphony Orchestra - Heroes: IV. Sons Of The Silent Age (Excerpt)
38. ★ (Moonage Daydream Film Mix Edit)
39. Ian Fish U.K. Heir (Moonage Daydream Mix Excerpt)
40. Memory Of A Free Festival (Moonage Daydream Mix Edit)
41. Starman
42. You're Aware Of A Deeper Existence...
43. Changes
44. Let Me Tell You One Thing...
45. Well You Know What, This Has Been An Incredible Pleasure...

最後に、このサントラのスゴいところは、映画で使用されている曲をほぼ全て、本編での登場順に収録しているということだ。映画を観てからサントラを通して聞くと、映像が頭に浮かんでくる。実によくできたサントラ盤である。
購入をスルーしている方がいたら、「Sound And Vision」1曲を聴くためだけでも値打ちがあるので、是非、入手して欲しい。
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