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夕べは接待でかなり呑んだからぐっすり眠れるはずだったんだけど
おかしな時間に目覚めて結局朝まで眠れなかった。

いつものように仕事に出かけたが案の定、居眠りばかり。
はかどらないので早々に切り上げて帰宅し、ジムに行く。
iPod で音楽を聴きながらいつもの有酸素運動。
だけど、朝から「I Can't Give Everything Away」ばかり繰り返し聞いてる。

昨日のあのNEWSは悪い夢だったと思いたいのだけれど
出勤時にコンビニで買ったスポーツ紙の紙面が彼の死を報じている。

この週末は気持ちの振れ幅が半端なく大きかった。

土曜日。前日手に入れた新作の日本語対訳をキーボード入力しながら結局朝までかけて日曜のオフ会の準備をする。メインは新作を日本語対訳字幕付きで聞くことなんだけど、誕生日オフ会ではBowieの活動を振り返る映像を何かしら用意している。
HDにある膨大なコレクションからいくつか映像をセレクトして編集していくのだけど、なぜか今回は、最後に過去の映像をつなぎ合わせてある回顧録的なクリップをセレクトした。「過去にも使ったことあるなぁ」と思ったのだけれど。
その映像自体はファイル共有で入手した「LIVE HISTORY」という4枚組のDVDの最後に収録されていたものだ。オリジナルはサウンドトラックに「Reality Tour」での”Heroes”の音源を使用していたのだけれど、このときのアレンジはあまり好きじゃないのでアルバムバージョンに差し替えることにした。
映像を見ているとふと、「何だかBowieが死んだときに流れるような映像みたいだ」と思った。前に使ったときは、そんなことを感じたことはなかったのに。英語詞の”Heroes”だと、ますます追悼感がエスカレートするように思えてウケ狙いでフランス語詞のバージョンに変更した。各クリップの前にはタイトル画面を入れてたんだけど「LIVE HISTORY(1969-2002)」って入れたらWikipediaの故人の説明文みたいに思えて直前でこのクリップだけタイトル画面を削除した。
「David Bowie Is」の日本開催が決まったので、急遽、そのドキュメンタリー映画から展示紹介の場面だけを抜粋し、ミュージカル「LAZARUS」オーディエンス録音の楽曲をつないでサウンドトラックにした。久しぶりに参加者も多いので、かなり無理して頑張ったなと自分を褒めたい気分になった。

日曜日。オフ会がスタート。久々の再会のメンバー達は既視感のある振り返りのムービーの時はしゃべってばかりだったみたいだ。ウケ狙いのフランス語詞の”Heroes”だったが、結局誰も突っ込んでくれなかった。
そしてアルバム「★」のスタート。PVのある2曲はその映像に字幕を付け、残りの曲は曲のタイトル表示に字幕を流した。NIBはヴォーカルも楽器のパートのひとつ捉えていて、歌詞カードを見ながら聞くようなことは、ほぼないのだけれど今回、こういう形でアルバム全編を聴いたのはとても新鮮な体験だった。その歌詞は難解で訳詩を担当した熊谷氏もかなり苦労された跡がうかがえた。手前味噌ではあるが、タイトル曲に関しては前回のオフ会でNIBが起こした拙訳の方が勝っていたような気がする。
個人的に、今作ではラストの「I Can't Give Everything Away」がダントツに良いと思えた。唯一、エンディングがフェイドアウトなら、もっと良かったのにと感じたが、BowieがそうしなかったんだからNIBが凡人なんだと言ったら、参加者も皆、納得していたようだ。
「David Bowie Is」のドキュメンタリーはこのオフ会では何度も見ているのだけれど、「日本に来ないかなぁ」と指をくわえて羨望のまなざしで見ていた今までとは決定的に違う。来年の春には、ここ日本でもコレを実際に見ることができるのだから
今回は閉会時間も早かったので、ほとんどのメンバーで二次会に突入。来年春はツアーを組んで関西から「David Bowie Is」を観に行くことと、東京で出張オフ会をやるということで大盛り上がりのうちに散会した。何人かのメンバーはさらに三次会まで行ったと聞いている。
2013年には誕生日オフ会でまさかの新曲「Where Are We Now?」のPV発表と「The Next Day」リリースの悦びに浸ったのだけれど、今回は新作を一緒に聞くという、それをも上回る至福の時を過ごすことができたのだ。
(直前にtwitterでオフ会のことを知り素晴らしい手作り冊子を送ってくださったマンガ家のbelneさん、本当にありがとうございました。皆、たいそう喜んでいました。参加者の中には貴方の読者の女性もいらっしゃいましたよ)

月曜日。オフ会の準備で寝不足だったので、泥のように眠った。起きたら15時前。とりあえず、PCを立ち上げ、仕事のメールをチェックする。特に急ぎの用件もなかったので海外ファンサイトなどで新作に関する書き込みなどをひたすらチェックしていた。
ふいに視界に飛び込んできたtwitterの画面に「David Bowie died」の文字。え、何これ?一瞬頭の中が真っ白になった。震える手でリンクをクリックすると、そこは公式Facebookのページ。何度も読み返したが、理解できない。最初に思ったのは「Facebookの公式アカウント、ハッキングされてるじゃん、ダメじゃん」。
でも再びtwitterに戻ると「悲しいけど事実」という息子Duncan Jonesのツィートが。程なくして公式サイトにもBowieの死を報じるNEWSがUPされた。
その後はとにかく震える手でmixi、twitterでつぶやき、昨夜をともにした友人たちにメールを送った。全身が震えていたがなんとかblogも更新した。

後出しじゃんけんになることは承知の上だが、日本語歌詞を入力しているときに「I Can't Give Everything Away」についてのみ、自分なりに訳詩を考えていた。辞書で調べたら「give away」には「明らかにする」という意味もある。「じゃあ、この曲、“全てを明らかにすることはできない”ってことじゃないの?何か言いたくても言えないことがあるんだろうか?」と思った。でも今回のオフ会ではブックレットの訳詩をそのまま使うことにしていたので、その訳は胸の内にしまっておいた。今にして思えば、そういう意味なら、フェイドアウトの方がいいはずのエンディングが完奏していた理由もわかる。あの曲はフェイドアウトで終わるわけにはいかなかったのだ。

記事TOPの写真は、死の2日前、誕生日に撮影されたものだという。死の淵に立っている人がこんな弾ける笑顔を写真に収めるなんて…今でも彼は生きているんじゃないかと思わずにいられない。

「LAZARUS」の(特に冒頭の)歌詞、PVの演出、あまりにも美しい「I Can't Give Everything Away」…まさにアルバム「★」は死に至る病に直面していた彼の遺言状だ。7曲しか収録されなかったのも、これで体力・気力の限界だったんだろうということに違いない。

最後に海外ファンサイトの掲示板に元ZIGGYツアーのクルーだという人物が投稿していた実に興味深いエピソードを紹介しておく。

これは、Elvis Presleyの曲の歌詞である。正式タイトルは「Flaming Star」だが、通称「Black Star」とも呼ばれているらしい。そういえば、Bowieの歌詞の中に「Flamstar」というワードが出てくるが、それもこの曲に由来しているんじゃないだろうか。

Flaming Star (aka Black Star)- Elvis Presley

Every man has a black star
A black star over his shoulder
And when a man sees his black star
He knows his time, his time has come

人は誰でも ブラックスターを持っている
ブラックスターは肩越しにいて
自分のブラックスターを見つけたら
己の寿命を知る、死期が訪れたことを…

マジか。アルバムタイトルまで含めて、完璧すぎる最後の作品に合掌。