というわけで今回は、10/17日にOPしたニコンミュージアムへと行ってきました。
率直の感想としては、めっちゃ楽しかったですw
ここはニコンファンならずとも、カメラ好きであればもれなく楽しめる場所だと思うので、是非一度訪れてみることをお薦めしたい。
入場無料ですしね~。
ニコンだけでなく、他のメーカもこういう博物館的なものを公開してくれれば嬉しいのになぁ。
オリンパスは瑞古洞という歴史技術館を一般公開していますが、予約制なので一人でフラッと行くにはちょっと敷居が高い感じなんですよね^^;
撮影も不可ですし。
まあ博物館のような場所で、撮影をおおっぴらに出来るところも珍しいのでしょうが、ニコンさんはその辺り、とても太っ腹ですね(ただし映像コンテンツは撮影不可)。
でわ、レポの方へ行ってみたいと思います。
どぞ~。
入口を入ると、まずとても大きいガラスの塊がお出迎えしてくれます。
石英のガラスインゴット。
光学部品の元となる塊だそうです。
それにしても驚くべきはこの透明度・・・。
まったく何者にもさえぎられることなく、底を覗きこむことが出来ます。
ただし、覗きこんだ状態で顔を前後に動かすと、視界がいろいろと歪むので注意w
ちなみにミュージアム内は、このようなレイアウトとなっています。
TheaterやUniverse of Nikon、Lens Laboratoryなどは、映像コンテンツがメインのため、撮影は不可。
Theaterではニコン百周年記念の特別映像を見ることができます。
内容としては、オーケストラの映像と演奏に乗せて、ニコンが作ってきた製品を紹介していくような感じ。
正直ここはあまり面白くなかったので、時間が無い方はスルーしても良いかもしれません^^;
Universe of Nikonでは、巨大な曲面スクリーンにニコンが研究開発しているモノを紹介するような、映像コンテンツが投影されます。
かなり迫力のある映像を楽しむことが出来るので、こちらはお薦め。
Lens Laboratoryは、お子様も楽しめるような実験室となっていて、レンズの収差について実験しながら勉強することが出来ます。
収差って良く聞く言葉だけど、一体何なん?
と言うような自分でも、実際目に見て体感できるので分かりやすかった
これで多少レンズについても語れるようになったかもしれません(なってない
そしてこちらはミュージアムの目玉とも言える、歴代ニコンのカメラやレンズを、ずらりと展示したImagingのコーナー。
本当にここまで良く集めたなぁと感心する位、様々なカメラやレンズが展示されています。
民生用として初めての、35mm判フィルム用のカメラレンズ。
キヤノン製のレンジファインダーカメラ、ハンザ・キヤノンに取り付けられたそうです。
キヤノンのカメラに、ニコンのレンズが搭載されていたとか、今のライバル関係を見ていると信じられないですよねw
こちらはニコン初の小型カメラ。
135フィルム(写真用35mmフィルム)を使用するカメラであるが、ライカ判と言われる24×36mmではなく、ニコン判の24×32mmを採用している。
36枚撮りで40枚まで撮れたけど、自動裁断機でカットするとズレが生じるので、クレームがついたそうですw
そのため少量の生産にとどまったとか。
こちらはI型から、画面サイズを24×34mmまで拡大したM。
横幅の拡大により自動裁断の問題は解決したそうですが、設計上の問題からライカ判の36mmまでには拡大できなかった模様^^;
Nikkor 8.5cm f/2は、Life誌のカメラマン三木淳が、同じくLife誌のカメラマン ダンカンを撮影したところ、その写真を見たダンカンが「やべぇwww、このレンズ半端なくシャープなんだけどwww」と大興奮w
で、自身もNikkorレンズを買い求めたそうです。
そのレンズで撮った朝鮮戦争の写真がLife誌に次々に掲載されたことで、Nikkorが世界的に有名になっていったとか。
作例など、詳しいエピソードについてはこちら。
閃光電球とか、プリントゴッコでしか使ったことない。
そのプリントゴッコですら、今は知ってる人が少なくなっている気もしますけど^^;
画角が220度とかいう、恐ろしい魚眼レンズ。
見た目も恐ろしいですがw
一般的な全周魚眼は画角180度ですから、レンズを正面に向けた時その真横までが範囲として写るものです。
ただこちらは220度なので、レンズより手前の物も写ってしまいます。
一体どういう目的で使うんだか^^;
ニコン初のサンニッパ。
報道向けで、一般には発売されなかったので、当時のアマチュアカメラマンにとっては幻の憧れレンズだったのかもしれません。
サンニッパ・・・、良い響きですね・・・。
いつか自分も手に入れてみたいものです。
そしてこちらはまさかのサンニー。
昔のニコンはこんなにも大口径な望遠レンズを作っていたのですね・・・。
前玉がデカすぎますw
400mm F3.5?
なんか中途半端開放F値だなぁとスルーしたのですが、自分が見ている時、隣で仕事ついでに来館していると思われるプロカメラマンの方が、連れの方に熱くこのレンズについて語っていたので撮影。
「ぎょぎょっと20」な20mm魚眼、「ぐぐっとマクロ」の120mmマクロ、「どどっと400」400mm望遠の三本で構成されたレンズセット。
このうち「ぐぐっとマクロ」については、レンズを組み替えることで、「さらにぐぐっとマクロ」(倍率1/3から1/1.4に)や、「ふわっとソフト」90mmソフトレンズに変更できるそうです。
交換レンズの面白さをユーザーに伝える事をコンセプトに販売されたそうですが、これは確かに面白いw
詳しい事や作例についてはこちら。
マクロについては、十二分な描写でビックリ(^q^)
水中専用の一眼レフ。
こういう特殊なカメラ、ニコンは開発するの好きですよね。
現在のD4sまで続く、ニコンデジ一フラッグシップの最初のカメラ。
一般のユーザーが現実的に購入できるようになったデジタル一眼レフカメラのようですが、価格は65万円也^^;
APS-CサイズのCCD270万画素という、今では考えられないような低スペックですが、当時としては画期的だったのでしょう。
実際、最初の頃のデジカメとか100万画素超えてればすげーみたいな感じでしたし、自分が初めて買ったデジカメも百何十万画素とかだったと思います。
今の5千万画素とか信じられない世界w
そしてFeature showcaseのコーナ。
年代ごとに、印象深いカメラやレンズ製品の紹介をしているコーナーです。
1000mmのレフレックスレンズ。
完全に大砲です^^;
1200mm-1700mmという恐ろしい焦点距離のズームレンズ。
デカイズームレンズと言うと、シグマのエビフライが思い浮かびますが、ニコンにもこんなレンズがあったんですね~。
甲子園のバックスクリーンから投手や打者を撮影するためのレンズだそうですが、多画素化してトリミングも容易なデジタル全盛の今では必要のないレンズですね。
ただ同じFマウントですし、今のデジカメでも取り付ける事の出来るカメラもあるので、一回使ってみたいw
詳しい事に興味がある方はこちら。
先ほど紹介したニコンI型の試作機。
これはかなり貴重な物みたいです。
おぉーウエムラスペシャル。
こういう専用機は格好いいですね。
初めてのAFレンズ。
デカイ。
そしてこちらはSpilit of Nikonのコーナ。
光学レンズや、カメラについて学ぶことが出来ます。
光学レンズの素材について。
日本に現存する最古と思われる原器。
レンズ原器とは、レンズの面形状の基準となるもの。
なんというか型みたいなものですかね?
光学メーカーにとっては命ともいえるような大切な財産なので、本当に貴重なものみたい。
原器について詳しい事はこちら。
レンズの研磨皿。
レンズの加工段階を順番に展示した物。
だんだんと透明度が高くなっていくのがよく分かります。
シャッターユニット。
全景を拝んだのは初めて。
で、こちらはIndustryのコーナー。
半導体露光装置などが展示されています。
半導体露光装置は、今のデジタル化された便利な生活に欠かせない存在ともいえる、IC(集積回路)を製造する機械。
かつてはニコンとキヤノンが世界シェアの過半を握り、独壇場だったのですが、今やオランダのASMLに世界シェアの80%を握られてしまっています。
その原因はというと、職人気質でひたすら精度と品質にこだわる日本の半導体づくりが、コストや効率化を重視する台湾や韓国の半導体づくり大負けしたからだとか。
ASMLはコスト重視のアジア諸国の半導体づくりの要望に応え、シェアを大きく拡大しました。
半導体露光装置の核ともいえる、投影レンズ。
このレンズを使って、元となる回路図を縮小・投影して、シリコンに焼き付けています。
ニコンは自前ですが、ASMLはカール・ツァイスから提供を受けています。
こういうのを聞くと、光学系の技術も持ってないのにシェアばかり拡大しているのを、悔しく感じちゃいますね。
まあニコンに限らず、日本のメーカーは技術は持っていても、それを上手く商売に出来ていない感がただよってますが('A`)
技術の押し売りがまかり通っていた時代は、もう終わったんでしょう^^;
こちらは電子回路を焼き付ける、シリコンウェハー。
デジカメのセンサーなんかも、これに回路を焼き付けて作っているとか。
現在は300mmのサイズですが、今後は450mmにサイズを拡大していくそうです。
フルサイズのカメラが高いのは、センサーがデカいので、一枚のシリコンウェハーから切り出せる枚数が少ないからみたいですが、450mmが主流の時代になれば、切り出せる枚数も増えて、今のAPS-Cカメラ入門機並みの値段でフルサイズのカメラを購入できる時代くるかも。
まあ、そんな簡単な話じゃないかもですが^^;
で、Bioscience and Medical imagingのコーナーはサーと流し見て、最後は物販のコーナへとやってきました。
タンブラーやら、カメラのブロックやら手ぬぐいなどなど、ニコンファンには堪らない逸品(?)が、多数販売されています。
とりあえず、噂には聞いたことがあるニコン羊羹を買ってきてみました。
スバル最中もそうですが、なんで作ってるのか意味わからないけど一回食べてみたいシリーズですしw
中身はまったく普通の羊羹でおいしい。
まあニコンが作っているわけでは無く、外部委託で和菓子メーカ(羊羹メーカ?)に作ってもらってるようなので、当たり前と言えば当たり前なのですが。
まあ話のネタにはなるので、購入する価値はありますねw
とまあこんな感じでした。
まだまだ紹介しきれていないモノもたくさんあって、本当に丸一日見ていられるくらい充実した内容のミュージアムです。
品川駅からもほど近い場所にあるので、機会があれば是非訪れてみて欲しいです。
ちなみに目の前にキヤノンのショールームもあるのが、カメラ好きにとって、その辺もポイント高いですよw
以上、ニコンミュージアムへ行ってきたでした。
単純にカメラやレンズを眺めるのも良いですが、レンズ素材やシャッターユニット、ウェハーなども解説読みながら見ていくとさらに理解も深まり楽しくなりますね。
キヤノンをはじめオリやペンタ、リコーやローライなんかも使ってますがなぜかまだニコン機は使ったことないんですよ。こういうの見るとちょっと使ってみたくもなっちゃいます。