M女の過去+今+ついでに創作モノ

春です〜

お久しぶりです^^
今年は桜は満開してから肌寒い日が続いたせいか、長持ちしてですね。お花見が何度も出来ます(寒いけどw)
そんな桜の下、新年度も始まりましたが、お元気でお過ごしでしょうか。

私は相変わらず…w
今年は今のところ月イチペースでお相手に遊んでもらってます。
去年の後半は、私が「誰にも会いたくない病」になってしまって、お相手にお誘いを受けても「会いたくないけど会いたいけど会いたくないー」とかワケの分からんメールを送りつけてブッチしたりしてたんですがw、今年はなんとなくタイミングがうまく合っているようです。

気付いてみれば、お相手と知り合ってこの春で丸8年が過ぎた…! コレはちょっとした驚きw
結構長いよね。8年。
2005年の春、私が出した「30代のS男さん募集」の書き込みに、歳をサバ読んで応募して来た当時20代のお相手も、8年経って普通に『おっさん』に近い年齢になりましたw
私はお相手よりずっと年上なんで、もうほんとどうしましょうという感じ(苦笑

で、最近はあんま痛いことしてません。←
今は、数日前に会ったばっかなんで、おっぱいや背中に爪痕や引っ掻き傷などありますが、このブログで言うところの「痛いこと」=「鞭でビシーっ」は、もうだいぶやってない気がします。
理由は、私がヘタレたからです。ハイ。
っていうか、毒気が抜けてしまったというか…。
最近は、ヌルベタや絞めたり引っ掻いたり噛んだりの密着系で遊ぶのが多いです。すっごく「ノーマル」っぽいですよねーw(違)

なんかある時から、急に鞭が「痛く」なったんです。マジで痛くて耐えられなくなった。自分でも(直接の)原因は不明。やっぱ、毒気が抜けてしまったとしか言えない感じかなぁ。
それと、お相手の方からも「肌恋しい」時のお誘いが増えてるし。
お誘いメールには「パドルで叩くのもいいよねー」とか書いてあったりしても、会えば結局チョコソースかけ合ってぬるぬるハァハァしちゃったりw
もはやSMとは言えない気がしないでもないけど…ま、いいかw

まぁ、鞭はまた試してみるかも知れない…ほんとにもう痛くてダメなのか一度確認しときたいし。


ということで、過去記事も戻しておきました。
個別にいくつかは見えなくしておくかもしれません。
よろしくお願いします^^


『朝倉SxキョンM・専属奴隷編(2)』

「あぁ、なんだかちょっとつまらないわねぇ」
 その日のステージを終えた後、朝倉が俺に言った。俺は麻縄が食い込んで擦り切れた手首を擦りながら、何か粗相があっただろうか、と反射的に身構えてしまう。すでにその程度には飼いならされてしまったということか。
「ステージであなたを晒し者にするのもいいけど、やっぱりそれなりに制約もあるじゃない? わたし、だんだんストレスが溜まってきちゃったみたい」
 朝倉がピンヒールの踵で、立ち尽くす俺の爪先を踏み付けながら言う。
「たまには何か変わった事しないと、また誤作動しちゃいそうだわ」
 俺は自分の脇腹に刺さった冷たいナイフの感触を思い出して身震いする。ナントカ思念体製人型インターフェースの誤作動ほど恐ろしくて厄介なものはない。多分それはこの世で俺が一番良く知ってることだからな。

 あの後、ハルヒはさんざん俺を嬲り者にして遊んだ挙句、情報爆発を起こすこともなくあっさりすっきりとアメリカの研究室に戻って行った。
 情報爆発が起こらなかったということは、俺の身にはもっと平穏な異世界に飛ばされるという幸運も与えられなかったということだ。朝倉の目論見とは違い、もうハルヒはあの頃ほど俺に興味がないんだろう。一緒に異世界に逃げ込むほどの興味は、な。
 逃げる場所を完全に失った俺は、今や朝倉の単なる慰み物でしかない。だが、俺が背負わされた朝倉のストレス軽減役は多分、この世界の存続に多少は寄与するものがあるはずだ。それくらい自負していてもいいだろう? せめて。
「ねぇ、しばらくステージは休んでプライベートで遊んであげるわ。嬉しいでしょ?」
 朝倉の言葉が俺の思考を遮る。
「はい、嬉しゅうございます。よろしくお願いいたします」
 ああ、何で俺の口は元クラスメイトに対してこんな敬語を発するんだろうな。しかも自動的に。

 そんなことがあって数日後、俺は普段閉じ込められている謎の部屋から外に連れ出されることになった。
 そこは普通のマンションであるはずだったが、俺はその住所も知らない。もちろん、朝倉がいない時間は窓もドアも情報ナントカで封鎖されている。
 舞台がある時にもこうやって朝倉に連れ出されるのだが、きっと俺の脳みそにナノマシーンだか何だかが埋め込まれているのだろう、何度外の景色を見ても、俺にはそれを記憶に焼き付けたり、道を覚えたりすることが出来ないのだ。
 仕方ないだろう? 相手は宇宙人だ。そして俺はすでに逃げ出すことを諦めている。
「キョンくん、行くわよ。今日は楽しみだわ。あなたの新しい姿が見られるんだもの」
 ハルヒが去って以来、元の、俺の知っている朝倉涼子の姿に戻った女王様が俺を見下ろして笑う。
 長門に消されたあの夕方の教室で見た笑顔、ハルヒの消えた世界で俺と長門におでんを振舞いながら見せた笑顔。何の含みもないように見える笑顔。情報思念体とやらも、どうせならヤバイ存在はそれらしいヤバイ姿に作って欲しいものだな。
 そして俺はまた、何度歩いても記憶に残らない見知らぬ街に引き出されたのだ。

 着いた所はどこかの高級っぽいホテルだった。かなり広く綺麗に整った部屋で、俺は、こんな所で鞭を振るったりして、外に音が漏れるのではないかと、奴隷らしからぬ心配をする。
 きょろきょろと辺りを見回す俺に向かって
「奴隷に服は必要ないわね。さっさと脱いで、そこに正座しなさい」
と、朝倉が豪華なベッドに腰をおろしながら命じた。いつもの朝倉だ。そして俺には朝倉に従う以外の選択肢はない。
 俺は一言「はい」と答え、いつものように全裸になると、朝倉の足元に正座をした。俺が動くたびに、いちいちペニスにぶら下がったピアスがカチャカチャと音を立てる。
「聞き分けのいい子ね。可愛い奴隷犬ちゃん。いいわ、首輪をつけてあげる」
 そういうと朝倉はバッグの中から、黒くてごつい犬用の首輪を取り出して俺の首に巻きつけた。俺の中でカチリ…と何かのスイッチが入る。
「いいこと? 今日の主役はキョンくん、あなたよ。すべてはあなたを悦ばせるためなの。絶対に逃げたり嫌がったりしないこと。分かった?」
 朝倉が身を屈めて俺の頬をパチパチと叩く。一体何が始まるんだろう。
「ふふふ。怖がらなくてもいいわ。あなたのよぉく知ってる人が来るだけだから」
 知ってる人? 誰だ? ハルヒはもうアメリカに帰ったし。
「もうそろそろ来る時間ね…」
 朝倉が腕時計をちらっと見たその瞬間、ドアベルが鳴った。
「あら、時間通りね、さすがだわ。どうぞ入って」

「朝倉さんとこうやってお会いするのは、もしかして初めてじゃないですか? お話は常々聞いておりますが」
 ドアを開けて入ってきた客人の声を聞いて、俺は頭が真っ白になった。聞き覚えのあるこのやたらと丁寧な言葉遣い。説明好きの超能力者。俺は正座したまま、そろそろと顔を上げる。
『古泉…』
 なんだってやつがこんな所に来るんだ。この展開は何なんだ。古泉は結婚して子供もいる良きパパなんじゃないのか? なんでパパがこんな場所に現れるんだ。
 だが俺は立ち上がって逃げることも出来ない。どうせ無理矢理逃げたところで、素っ裸に首輪なんていう姿だからな、宇宙人だけじゃなく、日本の警察も俺を見逃しはしないだろうよ。
「いらっしゃい、古泉君。今日はよろしくお願いするわ」
 朝倉は目の前に素っ裸の奴隷が正座しているとは思えないような社交的な声で、古泉と何やら世間話をしている。俺は、正座した腿の上に置いた手に自然と力が入ってしまうのを感じていた。こんなニヤけたやつに俺の情けない姿を見られるなんて。
「あなたともお久しぶりですね。こんな素敵な再会になるとは思ってもいませんでしたよ」
 笑いを含んだ声で古泉が俺に話し掛ける。止めてくれ。頼むから俺を見ないでくれ。
「僕もまあ、最近はいろいろ裏の仕事を請け負っているんですよ。今は例の巨人も出没しないし、暇なんでね。あ、そうそう、朝倉さん、あなたのご要望通り、1人M男をレンタルしてきましたよ」
 場にそぐわない爽やかスマイルで話す古泉の後ろには、確かに1人の男が従っていた。俺と同じ匂いの男だ。きょときょとと落ち着かない視線をあたりに漂わせている。


 古泉が連れてきたM男と俺は、素っ裸で後ろ手に縛られ、仲良く並んで壁際に正座させられている。
 古泉と朝倉はソファで向かい合い、シャンパンを開けて談笑中だ。
「少し酔っておきたいのよ。その方が気分が乗るわ」
 朝倉はにっこりと笑いながら、その黄金色の液体を喉に流し込む。
「そうですね、僕も少し飲んでおきましょう。せっかくの機会ですからね」
 2人はそう言うとグラスをカチリと合わせた。
 俺はそんな2人をちらちらと見ながら、そういえば今日の朝倉はいつものボンデージではないんだな、とぼんやりと考えていた。その時すでに強い感情は俺の中にはなかった。
 突然現れた古泉への驚きと混乱、そしてやつにこんな姿を見られてしまったことによる強烈な羞恥心がピークを過ぎると、俺はいつものように諦めモードに入ったのだ。あとは朝倉が命じる通りにやればいい。
 そろそろ足が痺れてきた…そう思った時、
「さあ、始めましょうか」
 朝倉がソファから立ち上がった。力の抜けた俺の身体に一瞬緊張が走る。

 ところが、今さら気付いたのだが、今日の朝倉はいつもの鞭を持っていない。これから宇宙人の魔法でとんでもない道具でも出してくるんだろうか。いやしかし、今日は何も知らない普通人のレンタルM男も一緒だ。朝倉は何をするつもりなんだろう。
 …と、朝倉は古泉の座っている側のソファに自分も移動した。古泉も朝倉を迎える。
「ねぇ、古泉君、今日はいっぱい楽しませて…」
 甘い声。俺には目の前の展開が信じられなかった。いつも俺に鞭を振るい、俺を足蹴にして冷酷に笑っている朝倉が、古泉の身体にしな垂れかかったのだ。
 古泉はそんな朝倉に応え、持っていたグラスをテーブルに置くと、あの例の女どもを夢中にさせる微笑を浮かべ、
「僕も楽しみたいですよ。そのために来たんです」
と、朝倉を抱きしめた。2人は見つめあい、やがて口づけをかわす。口づけは繰り返すたびに激しくなり、2人が舌を絡ませ合っているのが、俺の目にも見える。
『朝倉…』
 嫉妬と羨望と情けなさと惨めさと…が混じり合った強烈な感情が俺を貫く。目の前で、他の男(しかも嫌味なほどハンサムな旧知のSOS団副団長、古泉だ)と絡み合っている朝倉。俺はどうやってもあんな風に朝倉を扱わせてはもらえない。俺はいつも朝倉の奴隷でしかないのだ。だが、朝倉、俺も男なんだ。
 古泉も朝倉も、そこに俺とM男が正座していることなど完全に無視している。俺は惨めさに打ちのめされ、そしてさらに惨めなことに、絡み合う2人を見てペニスを固くしていた。
 どうやら隣りのM男も同じらしい。仕方ないさ。俺たちは手を縛られていて、勃起したペニスを隠せないもんな、お互い見なかったことにしておこうな。
 古泉と朝倉の痴態はさらに激しくなっていく。古泉が朝倉の唇を舌でこじ開けるように嬲ると、朝倉も甘い吐息でそれに応える。古泉の手はブラウスの上から朝倉の乳房を揉みしだき、朝倉は喉を仰け反らせて眉根に皺を寄せる。
 そうか、普通のセックスというのはこういうものだったっけな。俺はいきり立ったペニスから先走りが滲んでくるのを感じながら思う。俺のピアスだらけのペニスはもう女の「そこ」に入ることはないんだ。隣りのM男は幸運だ。まだペニスは無事だもんな。

 どれくらい時間が経っただろう、古泉と朝倉の2人は絡み合ったままベッドに移動して倒れこんだ。そして古泉がもどかしくて堪らない、というように朝倉の服を脱がせにかかる。その時、
「あぁ、古泉君、お願い、ちょっと待って…」
 お願い? 朝倉がお願いだと? ありえなさ過ぎて笑えてくる。お願いするのは俺の仕事だろ?
 朝倉は古泉を制するようにしてベッドから立ち上がると、乱れたブラウスの胸元を掻き合わせるようにして俺に向かって歩いてきた。
「あなたは私の裸なんか見られる立場にはないわ。ねぇ、そうでしょ?」
 上気した顔から発する冷たい言葉。
「…はい」
 俺は答える。俺にはその言葉しか与えられていない。朝倉は俺に目隠しをすると、あとは無言で再び離れて行った。
「ごめんね、古泉君…早く気持ちよくさせて…」
「分かりました。僕が脱がせて差し上げましょう…」
 視覚を奪われて敏感になった俺の耳に2人の声が届く。衣擦れの音。甘い声と熱い吐息。普通のセックス。女の柔らかい身体を触ること。女の中に入ること。
 俺は、朝倉に飼われる前の自分を思い出す。俺は確かにMだったが、ノーマルの彼女がいたことだってあったのだ。
 その関係でM性を満たすことは出来なかったが、だが、俺も女の中で果てる快楽を知らないわけではない。
 それに朝倉、朝倉だって俺を踏みしだくことで悦んでいたんじゃないか? 違うのか?
「あぁ、古泉君、もっとして…、もっと欲しい…」
 朝倉の声が痺れた俺の脳みそを直撃する。その声のBGMはくちくちゅといういやらしい音や、シーツと身体が擦れる音、そして、俺のいきり立ったペニスが脈を打つたびにカチャカチャと鳴ってしまうピアスの音…。
 そのうち、古泉が朝倉の秘部に挿入したらしく、朝倉の声が一段と高くなった。
「朝倉さん…素晴らしいです…あなたがこんなに素晴らしい身体をお持ちとは…」
 古泉が声を上ずらせる。
「小泉君、いっぱい突いて…。気持ちいいわ…」
 粘膜が擦れ合い、肉がぶつかり合う音の向こうで、朝倉が絶頂の声を上げる。
「ああ、いいわ、古泉君…気持ちいい…いい…ああ、いっちゃう…!」
「朝倉さん、もう僕もいきそうです…」
 2人の息遣いはさらに激しくなり…そしてじょじょに静かになった。

 俺の目隠しが外された時、すでに朝倉も古泉も服装を整えていた。
「どう? 楽しかった? 頭の中でいっぱい想像できたでしょ?」
 そう言いながら、朝倉が俺の顎を掴んで引き起こす。俺は痺れきった両足と、嫉妬と妄想ですでにふらふらだ。
「さあ、今度はあなたも楽しむ番よ」
 いよいよ、俺が責められるのか。俺の中に歓喜が走る。どんな道具が出てくるんだ?
 朝倉は隣りのM男も同じ様に引き起こした。そこに近寄ってきた古泉がにこやかに笑いながら俺に耳打ちをする。
「今日僕が連れて来たM男さんは、実はバイセクシャルなんですよ」
 バイセクシャル?
「そうなんです。いや、聞いた話では、もともとはノンケでSだったそうですが、男色のご主人様に強く乞われて仕込まれたんだそうですよ。いわゆる『転ぶ』ってやつですかね」
 それがなんだ。それがどうしたっていうんだ。
「さあ、何してるの? さっさと2人で絡みなさい。じっくり見させてもらうわ」
 朝倉がソファで古泉に手招きをしながら、戸惑う俺に言い放った。
 絡む? 絡むって…、俺は確かにMだがそっちの気はまったくない。
「絶対に嫌がってはダメと言ったはずだわ、ねぇ、キョンくん」
 その声を聞いた瞬間、俺の中で何かがガラガラと崩れた。俺は朝倉には逆らえない。今度こそ本当に諦めモードに入るべき時だ。
「大丈夫ですよ、彼がちゃんと心得ていますから」
 古泉の場違いな笑顔が俺に突き刺さる。
「そうねぇ、キョンくんは、ちんぽがそんなだもの、タチは無理ね。どうせMなんだしあなたがウケをやりなさい。まずは彼のをしゃぶってあげるといいわ」
 朝倉が追い討ちをかける。そして2人はイチャイチャとくっつきながらソファに身を沈めた。

 俺は目の前で脈を打っているペニスに、そろそろと口を近づける。そういえば、他人のペニスをこんなに間近で見たことなんかなかったな…。俺がまるで他人事のようにぼんやり思っていると、いきなりM男(今はS男なんだろうか)が俺の頭を掴み、ぐいっとペニスを押し込んできた。
 だが、俺はまだ他人事のように考えていた。ああ、男のペニスってのは固い物なんだな。もし今度また女の子と寝ることがあったら、出来るだけ優しくしてあげよう。
 そんな俺の思いを破るようにして、その固いペニスが喉の奥にまで突っ込まれた。気管が塞がれる。そして、自分の精液と同じ様な匂いが鼻に抜ける。苦しい。
 男は、俺の口をまるでオナホールか何かのように使う。俺は何度もえづき、その度に涙を流す。そしてその強烈な被虐感が、ホモっ気のないはずの俺のペニスを充血させる。
 さんざん俺の口を蹂躙した男は俺からペニスを抜き取ると、今度は俺を乱暴に四つん這いにさせて、尻の穴にゆっくりと指を埋めてきた。
 初めて味わう痛さに身を捩る度に、俺のピアスが音を立てる。
「あなたはもう女の子と普通のセックスなんか出来ないんだから、ウケも覚えておいた方がいいわ。ね、古泉君」
 ソファから朝倉の声がする。悪魔の声。それでこそ俺の女王様だ。四つん這いになった俺のペニスの先から、だらりと先走りが糸を引いてこぼれた。


『朝倉SxキョンM・専属奴隷編(1)』

 あの騒がしい高校時代が過ぎ去ってもう12年。俺は今、仕事がらみのクソつまらねえ飲み会の帰りだ。繁華街は酔っ払いが多い時間だが、何が楽しくてあんなに大声上げて笑ったり歌ったりしてるんだろうな。

 そう、俺ももう30だ。あの後、俺は自分の偏差値に見合う大学へ進み、その成績と俺の能力に見合う会社に入り、さすがはSOS団唯一の常識人間と言えるようなサラリーマン生活をしている。
 ハルヒは大学在学中に、世界中の学生のうち数人しか受けられないというとんでもない奨学金を手に入れ、アメリカのこれまたすげえ大学に留学した。そしてそのまま帰って来ない。なんでも、宇宙と時空間だかなんだかの研究に没頭しているらしい。例の亀をあげた眼鏡のハカセ君もハルヒの進路を追って研究の道に進んだ。なるほど、朝比奈さんの【禁則事項】はこうやって実現していくのだろう。
 長門はというと、ハルヒが居なくなったと同時にどこへともなく消えてしまった。あいつの使命はハルヒを観察することだったからな。今はもしかしたら、俺の知っている長門有希とは違う姿かたちになり、そ知らぬ顔でハルヒの助手でも勤めているのかもしれない。
 朝比奈さんは、あの頃から覚悟していたとおり、未来へ帰ってしまった。それ以来こっちに来ているのかどうか、俺には分からない。
 今でも細々ながら連絡を寄越すのは古泉だけだ。とは言っても、毎年年賀状が届く程度だが。数年前に結婚してからというもの、年賀状の写真に写る子供の数が毎年増えていく。古泉らしいといえば、らしいな。嫌味なほどに爽やかなあの笑顔は、30の大台に乗り、親になった今も健在のようだ。
 そして俺だ。集団でふらつく酔っ払いの波を避けながら、俺は1人で繁華街を歩いている。ハルヒが側から居なくなり、SOS団が事実上の解散状態になってからというもの、俺は本当にごく普通のごくありふれた人生を送っている。ただひとつを除いては。

 あの高校時代、俺はずっとハルヒの忠実な部下であり、雑用係であり、そして「下僕」でもあった。女性の命令の下、自分の都合も省みず、その女性のために奔走し、満足してもらう…そんな3年間を過ごすうち、そう、俺はMに目覚めてしまったのだ。
 目覚めたと言っても、本格的なものではない。ごくたまに、そうだな、仕事がきつかった月末の給料日に、同僚の誘いを断って、SMクラブへとこっそり通うくらいのものだが。
 もちろん専属の女王様が欲しいと思ったこともあったが、そこまで踏み込んだらもうまともな生活に戻れなくなりそうだしな。そういうわけで、俺は、部屋の押入れに隠したSM雑誌と、たまのクラブ通いでM欲を満たしていたのだ。

 それはともかく。
 駅はこの繁華街を抜けたところにあるのだが、月末、そして週末のせいか、何しろ人が多い。特に酔ってもいない俺は、真っ直ぐ歩くことさえ出来ないこの状況にイライラし始めた。
「…ったくもう。なんなんだよ、ここは年末のアメ横かよ」
 俺はぶつくさと独り言を言いながら、脇道へと逸れることにした。裏道を通れば、少しはすいすい気分よく歩けるだろう。
「勝手知ったる飲み屋街〜♪」
 俺が谷口並みのくだらない歌(懐かしいな、おい)を小声で歌いながら路地に入ると、おやおや、以前にはなかったSMクラブがあるじゃないか。店の入り口にはひっそりと「NEW OPEN」という貼り紙と、「虐められたい貴方のための秘密の館」とかなんとか、ありがちなキャッチをつけたポスターがあった。
「へぇ、こんなところにSMクラブが出来たのか」
 くっ…と脳内のどこかでスイッチが入る。どうせ明日は休みだ。財布の中身にも多少は余裕がある。楽しくも何ともない上司との飲み会の後で少しは自分の楽しみを追及したってバチは当たらないだろう。
 俺は、そのクラブのドアを押し開けた。

「いらっしゃませ、お客様。ご指名の女王様はおいででしょうか」
 店のボーイが丁重に頭を下げる。
「初めてだからなぁ…」
 俺は言いながら壁一面に張り出された女王様たちの写真を眺める。
「そうだなぁ、誰か今空いてる女王様で、そこそこ綺麗な人ならいいよ。特に変わったプレイをしたいわけでもないから」
「かしこまりました。ただ今、当店お勧めの女王様がお部屋で貴方様をお待ちでございます。こちらへどうぞ…」
 俺は部屋に通される。まぁ、あれだな、SMクラブの部屋っていうのは、どこもおどろおどろしいもんだな。部屋の壁はレンガ風で、磔台やら、木馬やら、壁に掛けられたあらゆる種類の鞭だとか。
 とりあえず俺はシャワーを浴びて女王様が入ってくるのを待った。

 ガチャリ…。ドアが開いて女王様が現れた。俺は反射的に振り向き、そして、自分の目を疑った。なぜならそこには…。
「やっと来てくれたのね、キョンくん」
 俺はよほど呆けた顔をしていたことだろう。そこにはこの世に存在していてはいけない女がいたのだから。
「あ…朝倉…?」
「覚えててくれたのね、キョンくん、嬉しいわ」
 高校の時の、毎朝教室に入って来る時の朝倉涼子の笑顔、そうだ、とびっきりのあの笑顔、だが俺は、その笑顔の裏に潜む殺人鬼の顔も忘れてはいない。
「な、なんだってお前がこんなところにいるんだ…!?」
 俺はじりじりと後退った。
「だって、私は本当にあなたに死んでもらいたかったんだもの」
 あぁ…いつかも聞いたセリフだ。
「でも私は失敗したわ。だから、私は、あの時、あなたがじょじょに被虐的な嗜好を持つように、ある情報をあなたの脳にインプットした。私だってそんなにやられっぱなしではないのよ」
 朝倉は笑う。
「そうしておけばいつか、あなたはこうやって自ら進んで私の前に現れるじゃない。ここはすでに私の制御下にあるわ」
 待て。待ってくれ。ここは単なる新規オープンのSMクラブではないのか。
「私がいるんだもの、そんな普通の場所じゃないのは分かるでしょ」
 俺は周りを見回した。なんてことだ。もうさっき俺や朝倉が入ってきたドアも消えてなくなっている。長門…。何処に居るのかも分からないが、俺は長門を心の中で呼ぶしか出来ない。
「長門さんは助けにこないわ。今の私は、あの頃よりもずっとバージョンアップしているから。もう私は彼女のバックアップではないの」
 この朝倉に、俺は2度も殺されかけた。あの時の恐怖がまざまざと蘇る。助けてくれた長門はもう来ないという。
 だが、正直に言おう。俺はその恐怖に苛まれながらも…、勃起していたのだ。

 「ふふ…、私の操作もたいしたものでしょ? もう10年以上経ってても、あなたは恐怖や羞恥や惨めさに勃起してしまうような男であり続けているのよ」
 その言葉に、俺は、さらにペニスを固くする。
 俺は、自分がこうなったのは、ハルヒとの関わりの所為だとずっと思っていた。でもそれは朝倉が仕組んだことだったのだ。俺はこの急進派ヒューマノイドインターフェイスに10年以上も操られていたというわけか。
「さ、始めましょうか。大丈夫、今度は殺そうと思ってるわけじゃないわ。それだけは安心して。一緒に楽しみましょ」
 朝倉の目が暗く光り、俺は逃げられない自分の身を呪い、そして…、受け入れる。

 その瞬間、俺の身体は何かにがっちりと拘束された。それまで壁際にあったはずの十字架の磔台に、いきなり括り付けられていたのだ。
 うわっ…なんだ。
「言ったじゃない、この空間は私の制御下にあるって」
 朝倉は整った顔に戦慄の笑顔を乗せて俺に近付く。その手には蛇のように長く太い一本鞭が握られている。俺は恐怖と綯い交ぜになった期待感にペニスの先を濡らす。
「いい? 気を抜いては駄目よ。気合入れてないと、死んじゃうわよ。ふふ…」
 ヒュッ…! 鞭が空を切り、俺の身体を打つ。
「ぐふぅぅぅぅ…!」
 今まで経験したことのない耐え難い痛み。その一発で俺の腹の肉は蚯蚓腫れとなって赤く腫れ上がり、ところどころ血まで滲んでいる。
「ねぇ、痛い? キョンくん、痛い?」
 朝倉は、笑顔のまま、俺を打ちしだく。磔にされた俺は身を捩ることも出来ず、ただその鞭を受けるしかない。あぁ、俺だってもう30にもなる成人男子だ。だが、悲鳴のような声を上げることを止めることは出来ない。
「ぎゃぁぁぁぁ!! うぅぅぅ…」
 朝倉は叫ぶ俺の顎をぐいっと引き上げて、至近距離で俺の目を見据えて言う。
「あら、キョンくん、女の子みたいな声で鳴けるのねぇ。もっといい声出しなさいよ!」
「あぁぁぁ…はい、はい…、うぐぅぅぅぅ…!
「駄目よ、そんなんじゃ、駄目な子ね!」
 朝倉の平手が俺の頬を打つ。目から火花が飛ぶ。俺は、自分が激しく興奮していることを自覚する。
「ふふ…なんて惨めな奴隷でしょう。拘束されて女に叩かれて悦んでるの。みっともないわね」
 …情けないのは、その時も俺のペニスはいきり立っていたってことだ。こんなに痛いのに。しかも、朝倉は一応元クラスメイトじゃないか。そんな相手の前でだらしなく先走り液にまみれたペニスを勃起させた俺。惨めだ。だが…。惨めさは俺にとっては密の味、か…。Mな俺にとっては…な。

 ふっと気が抜けた瞬間、いきなり磔の拘束が解け、俺は床に無様に転がった。肩で息をしながら、朝倉を見上げる。
「ふふふ…、そうやって下から情けない顔で見上げられるの大好きよ。でもね、まだ終わりじゃないわよ」
 あぁ、この気持ちは何だ。俺は脳内で言葉のインデックスを探る。ああ、そうか、これは「諦め」だ。今、俺の肉体、精神、生死までもを握っているのは、この目の前にいる殺人鬼にもなりかねない情報統合思念体製の元クラスメイトなのだ。なぁ、長門、俺は諦めるしかないだろう? そしてその諦めが、俺の快感をさらに高めることを俺はすでに知っている。

「何嬉しそうな顔で見てるのよ!」
 朝倉が強い口調でそう言って、俺の顔にツバを吐いた。その屈辱が俺には震えが来るほど気持ちいい。この快楽のためなら、俺は喜んで、床に這い蹲るさ…。
「私の靴を舐めなさい、少しでも粗相をしたらまた鞭で打つわよ」
 俺は、床に四つん這いになり、女王様の豪華な椅子に形のいい脚を組んで座った朝倉の前ににじり寄った。目の前に高さが15センチもあるようなピンヒールが突きつけられる。俺は最後の理性を剥ぎ取られてしまう。
「あぁ…嬉しい…あぁぁぁ…」
「嬉しい、じゃないでしょ!? 嬉しゅうございます、女王様、と言いなさい!」
 朝倉の華奢な脚が俺の頬を蹴り上げる。
「はい…う…うぅ…嬉しゅうございます…女王様…」
 俺はすでに涎を垂らさんばかりに興奮して、朝倉のエナメルの靴に顔を近づける。かすかな革の匂い。あぁ、これを舐めながら自分でしごきたい。許してください…。
 ところが、俺は俺のペニスに触ることが出来ない。どうやら何かのバリアが張られているらしい。惨めな俺の分身は、ただただぬるぬると先走りの液を滴らせるだけだ。
「あなた今、その汚らしいちんぽに触ろうとしたわね」
 お願いです、見逃してください…。
「粗相があったら鞭打ちだって言ったはずだわ」
 そして俺はまた蛇のような鞭で打たれる。あぁ、この空間に、終わりというものはあるんだろうか。痛みと惨めさと情けなさと、そして、それらが俺の脳みそに馬鹿みたいに作り出す快感とで、俺は本当に気が狂いそうだ…。


 ふと気付くと、朝倉は、先ほどまでよりずっと穏やかな視線で俺を見ていた。
「思ったより頑張ったじゃない。いちおう合格ね」
 俺は、傷だらけの身体を擦りながら上半身を起き上がらせた。もう終わりなんだろうか。
「終わり? そんなものはないわ、キョンくん」
 そんな…。俺はもう限界に近い。
「ふふふ…。キョンくん、いい子だったから、ご褒美をあげるわ」
 俺の気持ちがふっと緩む。今までも通ったどこぞのSMクラブの女王様と、目の前の朝倉が重なる。ご褒美。
「い…いってもいいんですか…?」
 いつの間にか敬語になっている自分にさえ気付かず、俺は声を上ずらせた。
「馬鹿ね、そんなわけないじゃない」
 朝倉の冷酷な声。そして朝倉はまた、例の身震いするような笑顔を作り、こう言った。
「違うわ、あなた、私の専属奴隷になるのよ」
 思わぬ言葉が朝倉の口からこぼれる。
「だって、もうすぐ、涼宮さんが一時帰国するんだもの」
 ハルヒが? ハルヒの帰国と俺が朝倉の奴隷になることと、一体何の関係があるんだ。
「それは後のお楽しみよ」
 朝倉は口元だけでにっこり笑うと、小さな道具やら何やらが載ったトレイを俺の目の前に突きつけた。
「ほら、奴隷のしるし」
 …そして俺の惨めなペニスには2Gの太いボディーピアスがずらっと並んでつけられた。正確にはペニスの皮の部分を通しただけで、もう俺の身体は、その程度の痛みは「快楽」としか認識しないようだった。

 その後、俺は会社を辞めた。新しい仕事があてがわれたからだ。SMショー。それが俺の新しい仕事。俺はどうしようもないM男として、あちこちの小屋でステージに上る。
 全裸のまま、女王様(もちろん朝倉だが、宇宙人の技かなんかで顔を変えてある。まぁ、俺にはどうでもいいことだ)に首輪を引かれて舞台に立つと、観客は俺のペニスにじゃらじゃらとぶら下がったピアスに息を呑む。なぁ、痛そうだろ? ペニスに穴を開けるなんてなぁ、男なら考えただけで金玉が縮むだろ。
 そして俺は、舞台の上で、惨めな姿を晒す。客席で悦んでるのは、俺と同じM男だけだ。男の裸なんか見たくないS男たちは外へ煙草を吸いに出てしまうし、M女と思しき女性客たちは、俺の惨めさに目を逸らす。そして、SでもMでもなく、単なる物見遊山気分で見に来る連中は、まるでフリークスを見るような蔑んだ目で俺を眺めるのが常だ。

 そんなある日、俺が舞台に立つと、あろうことか、客席にハルヒがいた。何年会ってなくても、俺はやつを見分けられる。一時帰国するって聞いてたしな。どうやら大勢で飲んだついでに、好奇心から(もしくは、朝倉の操作で)、ここを2次会の場所にしたらしい。仲間同士でわいわいと舞台を眺めているようだ。俺はそんな好奇心だけでここに来ているやつらを、やたら健康的だなぁ、と異世界人のように思っただけだ。
 俺は、いつものように朝倉(顔は別の女だが)に引き摺られるようにしてスポットライトの中に立った。客席にハルヒを認めたが、俺は、やはりいつものように、すべてを諦める。
 周りの連中とお喋りをしていたハルヒが暗転した舞台に目を向ける。
「…あ…!」
 一瞬、ハルヒと俺の視線が交差する。情けないことに、俺はその瞬間、激しく勃起してしまった。
 俺を見ろよ、ハルヒ、お前に見せるために俺はこんな風にされたらしいぜ。
 俺は、じゃらじゃらとピアスがぶら下がったペニスをハルヒの目に晒しながら、陰性の快楽を貪る。
 朝倉がそんな俺の耳元で囁いた。
「涼宮さんはこんなあなたを見てきっと何らかのアクションを起こすわ。彼女はいつもあなたを心配していたもの。あなたを助け出そうと、情報爆発を起こすかもしれない。そしたら私もきっと何か興味深い報告が出来る。あなたは私の役に立ついい奴隷ね」
 一本鞭が俺の身体に蚯蚓腫れを作る。
 だが俺は見て取ったのだ。惨めな俺の姿を見て、ハルヒも朝倉と同じ様に興奮していることを…。朝倉、お前、ハルヒを見誤っただろ。

 …朝倉にとっては、残念ながら、と言うべきなのか。俺が予測したとおり、情報爆発なんてものは起こらず、そして俺の女王様は2人に…なった。
 あのショーの後、ハルヒは昔のようにどすどすと盛大な足音とともに楽屋に現れ、見知らぬ女に変身した元クラスメイトに向かって
「あたしにもやらせてちょうだい。研究研究でストレスが溜まってるのよ」
と悪魔の微笑で言ったのだ。朝倉は目論見が外れたことに気付き一瞬顔をしかめたが、ハルヒの申し入れを承諾した。
「いいわよ、ただし貸し出しのみね。この子は私の専属だから」
 もちろん、そこに俺の意思など入る余地などなかった。

「じゃ、死んで」
 あの日、朝倉が言ったセリフを今、目の前のハルヒが俺に鞭を振るいながら言っている。そのハルヒの目に射られながら、俺はただ惨めにペニスを膨張させているだけだ。
 高1の春、俺の前で「ただの人間には興味ありません」と言ってのけたハルヒだが、そうだな、今、お前に鞭で打たれて恍惚としている俺は、確かにただの人間じゃねぇな。俺みたいなのを変態っていうんだ。お気に召してくれたか?
 そして、長門。お前はどこにいるんだ。なぁ、俺は惨めだろ? お前もこんな俺を見に来ればよかったのにな。
 
 


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このブログは、主にSMや性的行為について書かれており、内容的に、エロ・グロに属する記述も多くあります。
ですので、未成年者、アブノーマルな性行為に嫌悪感を持つような方にはお勧めしません。

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