新規投稿者さんです。

タイトルは「東方新神変獣禄」
作者名は「天野川 天人」さんです。

では、どうぞ。



第一弾幕「訳も解らぬ幻想入り」



 黒い喪服を着た少年はただ虚空を見つめていた。
 そこには、地面も無く、雲も無く、空も無く。ただ青一色だけの世界が広がっている。
「ご主人様、ご報告があります」
 少年の後ろに一匹の柴犬が音も無く現れた。少年は驚く事も無く頷いた。
「ドラゴンが脱走いたしました。名は破壊神と改めた様です。如何なさいますか?」
 少年は手を挙げて、ただ振り下ろした。
「畏まりました。では、ご主人様の望むままに――手始めに霧雨魔理沙から処分致します」
 そして柴犬は突然といないくなり――再び少年だけの空間が訪れた。
 少年はただ虚空を見つめて――動かない。
 



 博麗神社。
 そこには一人の巫女が神社へ上る為の石段でお茶を飲んでいた。
 数々の異変を解決し、幻想郷にとって欠かせない存在である巫女の名は博麗霊夢と言った。
「ふぅ……」
 霊夢は溜息をついて、立ち上がり博麗神社を見上げようと振り返ってみる。
 見事なまでに石段が崩壊していた。
 いや、崩壊していると言うより登れない状況になっていた。背の高い木々が石段を埋め尽くしているのだ。しかも石段の下から生えてきたので最初の数段以外は原型を保っていない。
 しかもタチも悪い事に結界が張り巡らせ、霊夢の力でも――正確には結界を破る為の装備が整っていないのだが――破れないのだ。
「これ、異変なのよね?」
 霊夢は無表情だが、信じられないと言う様子で呟いた。
 これまでの経緯を話すと、彼女が目覚めた時には既に石段に座っており、隣には丁寧にお茶まで淹れられていたからである。(お茶菓子と急須もセットで付いていた)
 結界が破れない状況で彼女がした決断は『動くのも面倒だしお茶もあるんだし、誰か来るまで待とう』だった。
 そして今に至る。
 そして誰もこない。
「紫どころか魔理沙も来ないなんて本当にへんよねー」
 そして、この棒読みである。
 今の霊夢には数々の異変やピンチと遭ってきたせいか知らないが、危機感と言うのがまったくなかった。
 だが、霊夢が言うとおりここ最近は頻繁に魔理沙が何の目的も無く来ていたし、八雲 紫も理由は不明だがスキマを開けて、霊夢と適当な雑談もしていた。
 そして今日となって――誰もこない。
 お茶を飲み終えて、茶菓子も無くなった霊夢は「はぁ」と溜息を付いてから立ち上がった。
「取りあえず人里に行きましょう。誰かいるでしょ」
 そのまま浮かび上がった霊夢は、人里を目指そうと方向転換し――
『淫符「神牙・狼」』
 マスタースパークよりも、大きく、太く、そして速いレーザが霊夢の正面を襲った。
 迫りくるレーザーに――博麗の巫女は無表情で一枚のカードを取り出し、呟いた。
『霊符「夢想封印」』
 ――爆発と同時に、煙で辺りが包まれた。
 

 ―同時刻・魔法の森―
 ハローマイネームイズシンデース。ワタシハ、イマ、コマッテイマース。プリーズヘルプミー。
 何てボケてみたけど――どうしよう。俺、本当にどうしよう。
 たまたま通りかかった神社で出会ったおばさんと話して「おばさんはどうして俺に用が?」と尋ねた瞬間に気絶して。
 気づいたら森の中だよっ!
 あー、もう、一体どうなってるんだが。バイトの先輩とか店長に休みの許可取ってないのにー! いや、待て、俺、今はそんな事気にしてる場合じゃないだろう!? 
 っ……幻覚が見えてきた。何で先輩がここにいるんだ? ペットの柴咲丸まで――ああ、魔法使いのコスプレをした人まで出で来た。
「おーい。大丈夫かー?」
 大丈夫じゃない……っていうか幻覚に聞かれて何答えてんだ、俺は。
「ここの茸が出す瘴気は幻覚を見せるんだ……って聞いていないか。あーもう、仕方がないぜー」
「んんっ」
 な、何か口に堅い物が突っ込まれた様な気が
「スイッチオンだぜ~」
「あべべべべべべ!!」
 電気が流れてくるんですけどおぉぉぉ!? スタンガン!? これ、もしかしてスタンガンなのかああぁぁぁぁぁ。
 あ、でも幻影は消えてるかも――そうか。電気ショックおかげか、原因は不明だけど。
「おーい、大丈夫かー?」
「お、おおおおおぅぅ。だ、だだた、だいじょ、ぶ、で、でででです。ててててててて、んんんななわわわけけけけがががあああああるるるるるかかかかかああぁぁぁぁぁ」
 スタンガンを引き抜かれ尋ねられたので痺れる手足と口を何とか動かしつつ返事をする。
「分かりにくいぜ。もうちょっと解りやすく喋ってくれよなー」
「おおおおお、ままままままえええええが」
 ええい! 自分でも喋りにくいと思うわぁ! っていうか、幻覚から目覚めさせてくれたのは嬉しいが、電気ショックじゃなくてもっと別の方法が――あれ?
 この魔法使いコスプレの人、幻覚じゃない?
「あー……そうだ。ちょっと私の家に来ないか?」

 ―霧雨魔法店―
「よーし。これでオッケーだぜ」
「おおぅ、センキューな。霧雨」
 俺は今、一人の魔法少女っ子と一つ屋根を共にしている。と言ったら誤解を受けてしまうだろう。言い方を変えると、霧雨 魔理沙と言う少女は、俺の治療をしてくれた。何故か外で。
 彼女が経営してるのは、霧雨魔法店と言う魔法グッズを販売するお店らしい。そのグッズの中から痺れを取る「特製キノコスープ」と言うのを俺に飲ませてくれたのだ。
「あ、霧雨。突然だけどいくつか聞いていいか?」
「なんだ?」
 うん、まず自分でもこんなにも冷静だったり、急に親しく話しかけられる事はほっとくとして、今は聞きたいことだけを聞こう。
「ここは一体何処なんだ?」
「幻想郷の魔法の森だぜ」
「幻想郷って何?」
「……紫の奴、そこも説明してないのかよ。じゃあ最初から説明してくぜー」

 少女説明中…………

「んなバカなっ!」
「ここではソレが常識なんだぜ」
 霧雨から一通り話は聞いたけど、まさかそんな場所があるなんて知らなかった――いつもの俺なら発狂してたかも知れない。本当に落ち着いていられるのが不思議だ。
「それじゃ、本題にいくぜ?」
「あ、はい」
 なぜか外で、ホワイトボードに何かを書いて行く霧雨を見ながら、俺はまた一つ疑問が浮かんだ。
 今、俺はどうやら幻想入りしているのだが、この感覚をどこかで体験したことがあるのだ。古い、とても古い記憶なのだが――駄目だ、思い出せないな。
「んじゃ、今起こってる事について説明するぜ」
 霧雨が書いていたのは『魔法の森でおこっている異変について』らしい。
 ここの茸は幻覚を見せる代わりに魔力を高める効果がある瘴気を発生させる。その茸を使い、霧雨は様々なスープを作っているらしい。さきほど飲んだ茸スープもその一種らしい。(魔法グッズを一部使ってあるが)
 だがここ最近、その瘴気の範囲が広くなっているらしく、このまま行けば幻想郷全体に瘴気が広まってしまうらしい。
 それが異変の正体かは不明だが、霧雨は取りあえず博麗神社に行こうとして八雲 紫――俺がここに来る前、雑談をしていたおばさんと思う――と言う女性が俺が来るから治療をしてほしい。という異例の頼みごとをして来たらしい。
「ここまでが私の知ってることとか聞いてる事だぜ」
「せんせー。一つ質問でーす」
「はい、どーぞ」
「俺ってどうなるんですかー?」
「放置だぜ」
「酷いっ!」
「紫には、治療しろまでしか聞いてないからなー。俺にはまだやる事があるんだぜー」
 霧雨はそれだけ言うと、箒にまたがりふわりと浮かんで飛んで行ってしまった。――そして霧雨の家の前に一人で残される俺。
 ……いや、俺はどうすればいいんだ?
 俺は今、幻想入りしている→それは解る。
 そして霧雨に放置されている→まぁ、用事でもあるんだろ。
 俺は何をするべき?→知らない。
 どうするべきなんだ、俺は……っ! いきなり放置とかないわー。マジでないわー。なに? これってそーゆー物語なの? 俺を放置して悶える姿を見る物語なの? ねぇー。
「博麗……さん?」
 俺の名字を呼ばれ振り返ると――そこには、俺が良く見知っているが、ここには絶対来ないような、意外な人物がいた。 




後書と言う名の言い訳みたいなも(殴

 初めまして。
 この度幻想入り(の小説を投稿)をさせていただく事になりました。『天野川 天人』ええっと、『アマノカワ アマヒト』と申します。
 恐らくこんな終わり方をしたのは僕だけだと思います。ええ、自分でも思います。
 しまったああああああぁぁぁぁぁぁぁぁあ(↑)あぁぁ(→)ぁあぁぁぁ(↓)ああぁぁぁ。と
 主人公なんもしてねえぇぇぇぇぇぇぇぇ(↑)。と
 後悔はしてないんでけどね(・ω・`)



次回予告という名のネタバレ
 東方新神へんじゅーきろくー、次の回は?

「楓、なんでこんな所に」
「実は脱ぎにきたんです」
「シャッターチャアアアァァァァンスウゥゥゥゥゥ!」

第二弾幕『訳も解らぬ神と妖精』 

 ネタバレになるかはどうかは各自の判断でお願いします。(主人公キャラの見た目と性格の設定です)

 博麗 夢夜(ハクレイ ムヤ)
 年齢18歳
 性別 男
 服装 博麗高校のポロシャツと チェックのズボン。
 性格 なんでもツッコム人、ツッコンではいられない人。基本的には真面目で優等生っぽいが、遺伝子の性でツッコみが暴走する時もある。そんな人です。