2017年01月05日
 2017年がスタートした。新しい年の戦いが始まる前に、しっかり廟算して勝つための道筋を明らかにしておきたい。今年は米国のトランプ旋風で不確定要素が大きい。何を言い出すか、何をし始めるか分からない。だからどうにもしようがないと諦めずに、どんな旋風が吹き荒れても良いようにしっかりと廟算しておきたい。
 孫子は、

『未だ戦わずして廟算するに、勝つ者は算を得ること多きなり。未だ戦わずして廟算するに、勝たざる者は算を得ること少なきなり。算多きは勝ち、算少なきは勝たず。況んや算無きに於いてをや。吾れ、此れを以て之を観るに、勝負見わる。』

 と言った。
 まだ開戦していないうちに作戦を立て、廟堂で策を練ってみたときに、勝利を確信できるのは、机上の思索や勝算が相手よりも多いからである。まだ戦闘が始まっていないときに、廟堂で作戦を立案して、勝ちを確信できないのは、勝算が少ないからである。 勝算が相手よりも多ければ、実戦でも勝利するし、勝算が相手よりも少なければ、実戦でも敗北する。ましてや勝算が一つもないという状態では、何をかいわんやである。 私はこのような比較検討、戦況判断をするから事前に勝ち負けが見えてくるのだというわけだ。
 やってみなければ分からないようでは、経営ではない。ただの成り行き任せである。少なくとも戦う前に戦場、戦況を想定し、敵味方の兵力などを勘案して、どこに、何を、どのように、どれだけ手を打てば良いかという戦略ストーリーを描いておかなければならない。戦略仮説と言っても良い。その仮説ストーリーの段階で、これなら勝てそうだと勝利を確信できるかどうか。これがまず必要だ。これがなければそもそも現場の兵士(社員)がついて来ない。勝つか負けるか分からないけど一緒に戦ってくれと言われても困る。こうやったら勝てるはずだから協力してくれと言われるから、勝ち馬に乗ろうと思う人が出てくる。
 そして、そうは言うけれども、想定外のことも起こる。トランプの暴走もあるかもしれない。その時、仮説ストーリーがあるから、すぐに影響が予測でき、対策が打てる。戦略ストーリーも、戦略仮説もなく、ただ成り行きで頑張っているだけでは、どうしても後手に回り、他社に遅れをとることになるだろう。
 さて、皆さんの会社の今年の戦略ストーリーはどうだろうか? 戦略仮説はまとまっているだろうか? まだの場合は三連休もあるから、急いで廟算して勝算を高めておいて欲しい。
 ちなみに、弊社の戦略ストーリーは・・・、もちろんあるけど「ヒ・ミ・ツ」。何しろ『兵とは詭道なり』だ。敵もこのブログを読んでいるかもしれないから、そう簡単には教えられない。『能なるも之に不能を示し、用いて之に用いざるを示す』ことも孫子兵法家は考えておかなければならない。
 2017年も、孫子の兵法を現代の企業経営、ビジネスに応用してまいりましょう。今年もよろしくお願いいたします。

Posted by KazuhiroNagao at 18:55
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2016年11月28日
 アメリカの次期大統領にトランプが決まった。トランプが大統領になったらひどいことになる、と多くの識者が予測していたが、実際はトランプ期待、トランプ相場で株価もドルも上昇・・・。期待値が低かっただけに、ちょっとまともな発言をすると期待が膨らんだようだ。
 日本政府も、大統領選はクリントンで決まりだろうと予測してトランプ陣営とは接触していなかったそうだが、トランプに決まったら大慌てで安倍首相をセッティングして、50万円の高級ゴルフクラブをお土産にトランプタワーに馳せ参じた。
 世界各国の手の平を返したような豹変ぶりを見ていると、トランプのメキシコ国境に壁を作るとか、TPPは即日撤退とか、日本も核武装しろといった奇策は、孫子の兵法の応用ではないかとも思えてくる。
 孫子は、

『凡そ戦いは、正を以て合い、奇を以て勝つ。故に、善く奇を出す者は窮まり無きこと天地の如く、竭きざること江河(河海)の如し。』

 と教えてくれている。「一般に、戦闘においては、正法によって相手と対峙し、奇法を用いて勝利を収めるものである。だから、奇法に通じた者の打つ手は天地のように無限であり、揚子江や黄河のように(大河や海のように)尽きることがない。」ということだ。
 不動産王のおじさんが調子に乗って政界進出し、さらに調子に乗って大統領選に出馬し、さらに調子に乗って思い付きで好き勝手なことを言っているようにも思えるが、二大政党の共和党の候補にも正式に選ばれた人なわけで、酔っぱらいのおじさんが居酒屋でからんでいるのとは訳が違う。正当な手続きによって民主党ならびにクリントンに対峙し、奇策、奇法によって勝利を収めた。そう考えると決して侮れない。
 そして孫子は、こうも言っている。

『終わりて復た始まるは、日月是れなり。死して復た生ずるは、四時是れなり。声は五に過ぎざるも、五声の変は勝げて聴く可からざるなり。色は五に過ぎざるも、五色の変は勝げて観る可からざるなり。味は五に過ぎざるも、五味の変は勝げて嘗む可からざるなり。戦勢は奇正に過ぎざるも、奇正の変は勝げて窮む可からざるなり。奇正の還りて相い生ずるは、環の端なきが如し。孰か能く之を窮めんや。』

 これは、「終わってはまた始まり、尽きることがないのは、太陽が昇っては沈み、月が満ちては欠けるようなものだ。死んではまた生き返り、果てることがないのは、四季の移り変わりのようなものだ。音(音階)は、(宮・商・角・徴・羽の)5つに過ぎないが、それらを組み合わせた調べは無限であり、すべての音楽を聴き尽くすことはできない。色は、(白・黒・青・赤・黄の)5つに過ぎないが、それが混じり合って生まれる色の変化は無限であり、すべての色を見尽くすことはできない。味覚は、(酸:すっぱさ・辛:からさ・醎:しおからさ・甘:あまさ・苦:にがみ の)5つしかないが、その組み合わせによる変化は無限であり、すべてを味わい尽くすことはできない。これらと同様に、戦い方には奇法と正法があるに過ぎないが、その奇と正の組み合わせは無限であって窮め尽くせるものではない。正から奇が生まれ、奇から正が、循環しながら生まれる様は、まるで丸い輪に端(終点)がないようなものである。誰がそのすべてを窮めることができるだろうか。」という意味だ。
 正があるから奇があり、奇が正となれば、次には正が奇となる。それが循環すると正と奇は無限に変化し、何が正で何が奇なのかが分からなくなる。
 TPPにあれだけ反対していた人がいたのに、トランプがTPPから撤退すると言い出したら、今度はどうやってTPPを成立させるのかと言い出す・・・。いったい何が正で何が奇なのか。TPPでアメリカの都合のいいように日本が取り込まれると言っていたのに、そのTPPからアメリカが自国の利益にならないからと撤退するとはこれ如何。
 大統領に正式に就任する前から、こんなに振り回されているようでは先が思いやられる。これから先、トランプはどんな正法、奇法を繰り出してくるだろうか。フィリピンのドゥテルテにもやられ、トランプにもやられ、プーチンにもかな。こんなことで日本は大丈夫だろうかと孫子兵法家としては心配になる。孫子の兵法で行くなら「人を致して人に致されず」でなければならないのだが。。。。。。


Posted by KazuhiroNagao at 14:35
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2016年10月27日
 来日しているフィリピンのドゥテルテ大統領が話題だ。親米だったはずのフィリピンなのに米国に対して暴言を連発し、南シナ海で揉めているはずの中国で友好的な態度をとって援助を引き出すなど強かな動きを見せている。日本でも、反米だが親日ということで友好発言を連発し、今回も日本から援助を引き出した。
 外国から見れば暴言大統領と映るが、国内では麻薬犯の撲滅などで成果を上げて英雄的な扱いだと言うし、支持率も高い。人権問題や行き過ぎた強権発動なども指摘され、何を考えているのか分からない暴れん坊にも見えるし、これが意図的な振る舞いだと思えば、決して侮れない。孫子の兵法を応用して考えてみよう。
 孫子は、

『諸侯の謀を知らざる者は、予め交わること能わず。山林・険阻・沮沢の形を知らざる者は、軍を行ること能わず。郷導を用いざる者は、地の利を得ること能わず。』

 と指摘している。
 隣接する諸国・諸侯の思惑をつかんでいないようでは、事前に手を結び同盟するようなこともできず、山林や険しい要害や沼沢地などの地形を把握していなければ、軍隊を動かすことができず、その土地に詳しい道案内を使わないようでは、地の利を活かすことはできないと言うのだ。
 まさに、フィリピンの思惑、中国の思惑、米国の思惑、東南アジア諸国の思惑をつかんでおかなければならないし、南シナ海を巡る地政学的な状況も知っておく必要がある。フィリピンの国内事情などはやはり現地にいないと分からないことも多いだろう。
 そして、孫子はこうも言っている。

『上兵は謀を伐つ。其の次は交を伐つ。其の次は兵を伐つ。其の下は城を攻む。城を攻むるの法は已むを得ざるが為なり。』

 最上の戦い方は、敵の謀略、策謀を読んで無力化することであり、その次は、敵の同盟や友好関係を断ち切って孤立させることである。それができなければ、いよいよ敵と戦火を交えることになるが、その際に一番まずいのが敵の城を攻めることである。城攻めは、他に方策がない場合に仕方なく行う手段に過ぎないのだと。
 敵の謀を読み取り、それを無力化する戦いをすべきなのだ。フィリピンの思惑も当然ながら、中国や米国などの思惑、謀を読み、先手を打つ。米中関係を利用しながら自国の国益を実現しようとするドゥテルテ大統領は、中国によって米国との同盟関係を断ち切られているとも言えるだろうし、東シナ海の問題を抱える日本は中国とフィリピンの関係強化を牽制したいだろう。こうした駆け引き、外交によって戦力行使、実際の紛争を避けることができると言うわけだ。米国も好きなようにはさせてくれないだろうから、結局フィリピンが中国と米国に翻弄されて痛い目に遭い、日本も経済支援でしっかり搾り取られて終わった・・・とならないように気を付けてもらいたい。
 孫子は、兵法書でありながら、実際に戦争になることを避けようとする書である。だから、

『是の故に、百戦百勝は、善の善なる者に非るなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。』

 と、戦わずして勝てと言ったわけだ。
 百回戦って、百回勝利を収めたとしても、それは最善の策とは言えない。実際に戦わずに、敵を屈服させるのが最善の策であると。
 国と国は、2500年経った今もなお、中国の春秋戦国時代のように国益をかけて競い合っている。実際の戦争が起こらないことを願うばかりだが、そのためには謀を伐ち、交を伐つことができなければならない。日本はフィリピンを心配している場合ではないな。

Posted by KazuhiroNagao at 18:04
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2016年09月26日
 築地市場を豊洲に移転する計画が大きく崩れている。小池都知事が誕生したから表面化したのか、移転日が近づきイザ移転となって噴出して来たのか分からないが、報道される内容を聞いていると東京都は大丈夫なのか?と要らぬ心配をしてしまうことになる。
 報道される情報が偏っているだけで、東京都のちゃんとした人がちゃんと考えてやってくれていることを祈るばかりだが、盛り土をしていないのにしていると公表していたのは、どこからどう考えてもまずい。盛り土よりも地下ピットを作る方が良いと判断したならそれでいい。盛り土を要求したのは土壌環境の専門家で、建設建築の専門家からしてみたら地下にスペースを作るのが常識でしょというならそれでいい。専門家たちが言っているのは大袈裟な話で実際には盛り土なんかなくても大丈夫だというならそれでいい。それをなぜ公表せずに、全面的に盛り土していますなんて言うのか・・・。おまけに歴代の市場長までその事実を知らないと言う・・・。
 孫子は、

『軍の以て進む可からざるを知らずして、之に進めと謂い、軍の以て退く可からざるを知らずして、之に退けと謂う。是を軍を縻ぐと謂う。』

 と現場の状況を見ずにあれこれ指示命令することの非を指摘した。「軍が進撃してはならない状況にあるのを知らずに、進撃せよと命令し、軍が退却してはならない状況にあるのを知らずに、退却を命令するようなことでは、軍事行動を阻害し、拘束しているに過ぎない。」と。
 だから、リーダーたる者、現場の「見える化」を行い、きちんと実態をつかむことが重要だ。孫子兵法家は普段そのように経営者や管理者に指導している。
 しかし、それを下の立場、現場の視点から見ると、「現場のことも分からない上の人間がガタガタと口を出すな。迷惑だ。黙っていてくれた方が動きやすい。」となる。東京都でも、現場で、担当部署で、そうした隠蔽や現場の判断が行われているのだろう。企業現場でも同じだ。上からガタガタ言われたくない現場は情報を隠そうとする。最初は悪意はないだろうが、「わざわざ報告するまでもあるまい」などと考えている内に、どんどん隠蔽する領域が広くなり、ついにはヘタに言うとこれまでの隠蔽を責められてしまうという状況に陥る。
 だからこそリーダーは、時に現場に足を運び、現場を「見える化」「可視化」し、実態をつかむというアクションを起こさなければならない。石原都知事がわざわざ足を運ぶべきとまでは思わないが、市場長が盛り土のない現場を見ていないというのは許されないだろう。建設途中で一度も見に行かないのか。完成時に、図面通りにできているかどうか確認しないのか。土壌汚染の問題は豊洲新市場にとって大きな課題だったはずだ。それが本当にうまく解決できたのか、リーダーである市場長は現場、現物を確認するべきだった。
 現場の状況をつかんでこそ、リーダーとしての指示命令が出せるのであり、それ故に現場は、現場情報を隠そうとする。そうした人間の現実を踏まえた上でリーダーは現場と向き合わなければならない。現場に対して「良きに計らえ」と言っているだけのお飾りでは意味がない。
 築地市場の移転問題を孫子の兵法で振り返りながら、世のリーダーは現場の「見える化」の大切さと難しさを肝に銘じるべきである。問題が起こった時に、リーダーが「知らなかった」「騙された」と恥ずかしい答弁をしなくても良いようにしておこう。

Posted by KazuhiroNagao at 20:50
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2016年08月16日
 前回、リオデジャネイロ・オリンピックの男子サッカーに触れたので、第3戦についても触れないわけにはいかない。ということで続編。孫子兵法家としては、そもそも孫子の企業経営応用、ビジネス応用が専門なので、サッカーやオリンピックについてとやかく言う必要もないのだが、孫子の兵法がいろいろなことに応用、適用できるということについて訴えたいし、サッカーについては経験者でもあるので、つい言いたくなる。ご容赦いただきたい。
 さて、一次リーグ第3戦だが、スウェーデンに1-0で勝利。まぁ一勝できて良かった。おめでとう。失点もなかったし、それは良かった。だが、コロンビアがナイジェリアに勝って、日本は一次リーグ(グループステージと言うらしいが)敗退決定。以上終わり。そこまで。
 孫子は、

『戦えば勝ち攻むれば取るも、其の功を修めざる者は凶なり。命けて費留という。』

 と言っている。
 敵を攻め破ったり、狙った地域を占領したとしても、その戦果を戦争目的達成のために活かせないのは、不吉な兆候である。名付ければ、「骨折り損」「時間の無駄」と言えるだろう、と。
 たとえ勝っても決勝トーナメントに行けなければ無意味。それが短期決戦という現実だ。面子を守る、負けるよりは勝った方がいい、という精神面、心理面でのプラスはあるだろうが、果たしてそれが次の五輪、東京大会につながるプラスかどうか。いっそ、三戦全敗でゼロから見直しとなった方が次につながったのではないか。
 第3戦で対戦したスウェーデンは引いて守って、まさに堅守だった。堅守速攻を掲げる日本の上手を行く守備重視。対して日本は、私が後半から出すようにと書いたジャガー浅野をスタメンで投入するなど攻め重視。話が変わってしまった。勝つしかないという状況に置かれて開き直ったのかもしれないが、戦術のチグハグ感が否めない。そしてジャガーは後半で交代・・・。その後、点が入ったので良かったようなものだが、狙い通りなのかどうか。孫子兵法家から見ると、日本が良かったというよりも、スウェーデンがダメダメだっただけのような・・・。
 そして、終了後の監督や選手のコメントが気に入らない。「次につながる」「借りはA代表で返す」「監督を男にしたかった」・・・。何を言っているのか? 第3戦で勝ったように見えても、一次リーグでの短期決戦という勝負で負けたんだよ。オーバーエイジ枠も、選手のオーダーもいろいろ言いたいことがあるし、個々の選手のプレーの質もどうなんだろうかと思う。
 選手のコメントなどを読めば、手倉森監督はいい監督のようだ。選手には・・・。個々の選手の立場では、あくまでも五輪代表はA代表へのステップであって、ここで頭角を現せばいいということでもあるだろう。現にジャガー浅野はアーセナルへの切符をつかんだわけだし。しかし、五輪代表の監督は、五輪本番で選手の育成を考えるのではなく、メダルを狙うべきだろう。長期で戦うクラブチームではないのだから。
 そういう意味からも、この第3戦の勝利は「凶」である可能性があり、せっかく勝っても「費留」であったと言えるのではないか。一サッカーファン、一国民としては、せめて一勝できて嬉しいし、諦めずによく頑張ったと言ってやりたいところだが、孫子兵法家としては、ここでヘタに勝ったことが今後の五輪代表や今回選出された選手たちの将来に「凶」とならないことを祈る。

Posted by KazuhiroNagao at 12:50
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2016年08月09日
 リオデジャネイロ・オリンピックが開催されている。男子体操が団体で金。素晴らしい。身体の小さいことがハンデとならない競技はいい。柔道も体重別になっているから一応ハンデなし。女子なのに野獣とまで呼ばれた57キロ級の松本薫には是非金をとって連覇して欲しかったが、銅メダルとなって残念だった。男子73キロ級の大野将平が金をとってくれたが、そのインタビューで、柔道の「美しさ」まで伝えたいと語ったあたりに、日本の柔道が目指している次元が他の国とは違うことを感じさせる。今後の階級に期待しよう。
 卓球も体格の違いがそんなに影響しないので期待したい。女子シングルスで石川佳純が初戦敗退してしまったのは残念だったが、団体で盛り返してもらいたい。そもそも体格差がモロに出そうなラグビーだが、7人制だとチャンスがあるのではないかと期待したが、女子は早くも一次リーグ敗退が決定。惨敗だ。楽しみにしていたのにガッカリだ。男子はどうだろう。。。。
 そんなことで、生身の人間同士が戦う際には体格、体力がモノを言うのだから、どうしても体格に劣る日本などのアジア勢はほとんどの五輪競技で弱者の戦略をとらざるを得ないと思う。孫子の兵法に則り、守りを優先。じっと耐えて勝機を待つべきだ。孫子兵法家としては、そこを指摘しないわけにはいかない。
 孫子は、

『昔の善く戦う者は、先ず勝つ可からざるを為して、以て敵の勝つ可きを待つ。』

 と説いた。
 昔から、戦いに巧みな者は、まず敵が自軍を攻撃しても勝てないようにしておいてから、敵が弱点を露呈し、自軍が攻撃すれば勝てるようになるのを待ち受けたものである、というのだ。要するに守り優先。守りが先ということ。
 その点で、男子サッカーの手倉森ジャパンが、「耐えて勝つ」堅守速攻を戦術の基本としてアジアを勝ち抜いてリオへの切符を手にしたことに大きな期待を寄せていたのだが・・・。肝心の守備がボロボロ。短期決戦なのだから、もっとカッコ悪くてもいいから思い切り守備重視で守れよと言いたい。
 手倉森監督はベガルタ仙台をJ1に引き上げた、弱者が強者に打ち勝つ手法を買われて五輪代表監督になったそうだが、五輪の舞台に立って、弱者の気持ちを忘れたのかな。選手たちもオーバーエイジ枠が入って気が緩んだか。試合当日にブラジル入りしたナイジェリア相手の5失点はもとより、試合としては良かったと評価されているコロンビア戦も、内容はともかく2失点が先行してしまっているのだ大問題だ。何とか2点取り返して同点になったから、試合内容は良かったなどと言っていられるのだろうが、まずは徹底的に守る、堅守をしなければならない。
 優勝候補のブラジルですらなかなか点がとれないように、サッカーは守備側が引いて守りを固めたら、そう簡単には点をとられるものではない。だが、そんな戦い方はカッコも悪いし、見ていても面白くない。子供のサッカーじゃないんだからと言いたくなるような試合になってしまう。しかし、そうした周囲の評価に惑わされずドロ臭く守備を徹底するのが弱者の戦い方ではないのか。
 外国人監督が率いるA代表は、パス回しを速くして攻め上がる華麗なサッカーを目指すことが多い。それも気に入らないが、それはW杯の時に語ることにしよう。ここでは欧州組もほとんどいない五輪代表の話だ。何のための日本人監督なのか、なぜ手倉森監督なのか、よーく考えてみよう。アジア予選以上に堅守にこだわり、面白くないサッカーをすべきである。そして後半、相手の足が止まった時に、ジャガー浅野を投入するのではないのか。そのために初戦もベンチスタートさせたのだろう。2試合連続得点の好調浅野を使いたい気持ちは分かるが、そこを耐えて勝つのが名将であり、孫子の兵法の実践である。
 「九地の下に蔵れ、九天の上に動く。」という孫子の言葉は、後半残り15分に登場してくるジャガー浅野のために孫子が残してくれた言葉だと考えて欲しい。一次リーグ突破の望みは薄くなったが、手倉森監督の采配に期待したい。

Posted by KazuhiroNagao at 18:57
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2016年07月11日
 年に2回、全拠点から人を集め一堂に会して全社会議を行っている。年初の1月と半期過ぎた7月だ。ちょうど7月の全社会議があったのでその時のエピソードに触れてみよう。
 今回は、今給黎勝先生の「『実践』勝利に向かって無我夢中で躍動するチームを創る組織開発の新手法チームコーチング」を参考にさせてもらって、「私たちNIコンサルティングは何者なのか」について参加者全員で討議する場を作ってみた。こちらが誘導してしまってはいけないので、朝一でいきなり記入用紙を配布し、各人に思うままに回答を書いてもらい、それを集めてコピーして全員に配布した。私の事前仕込みもなし、検閲もなし。私がやっているから多少バイアスもかかっただろうが、予想以上に会社の意義や価値が共有されていた。何もなければその場で急には書けないだろうから、社員それぞれに共有され内在されているものだろう。私もその場でガチで結果を見て、そのままディスカッションへ。
 詳細はここには書けないが、日頃訴えている会社のあり方や目指すビジョンについて共有されいていることは嬉しいことだし、全社会議終了後に改めて、この議論に参加し、他の人の意見も聞いて「NIに入社して良かったと感じた」とメールをくれた社員もいた。経営者としては涙、涙である。
 まさに、孫子の「五事」における「道」が見えた。『道とは、民をして上と意を同じくせしむる者なり。』である。

『孫子曰く、兵は国の大事なり。死生の地、存亡の道、察せざる可からざるなり。故に、之を経るに五事を以てし、之を校ぶるに計を以てして、其の情を索む。一に曰く道、二に曰く天、三に曰く地、四に曰く将、五に曰く法。道とは、民をして上と意を同じくせしむる者なり。故に之と死すべく、之と生く可くして、民は詭わざるなり。』

 孫子は、「道とは、民衆の気持ちを国王・将軍の意思に合致させる思想・理念・道理であり、これによって民衆全てが生死を共にする覚悟を持ち、国王・将軍の意向、命令に疑念を抱かなくなる。」と教えてくれている。
 生死を共にしてくれるかどうかは別としても、理念や目的、目指すビジョンが共有されていることは組織にとって非常に大切なことである。
 年に2回、半期ごとの全社会議を続け、毎週全社員にWeekly Messageなる情報発信を行ってきた甲斐があったと言うものだ。組織には情報共有が不可欠であり、情報共有とはIT活用だけの話ではない。
 孫子は、

『衆を治むること寡を治むるが如くするは、分数是なり。衆を闘わしむること寡を闘わしむるが如くするは、形名是なり。』

 とも教えてくれた。「大部隊を統率するのに、小部隊を統率しているかのように整然とさせることができるのは、部隊編成と組織運営がしっかりしているからである。大部隊を戦闘させるのに、小部隊を戦闘させているかのうように統制がとれるのは、旗を立てたり、鉦を鳴らしたり、太鼓を叩くなど、合図や通信、情報伝達がうまくいっているからである。」と。
 実は昨年、会社全体のモードを変え、過去の延長線上から脱皮するために、高めの目標をセットして、大きく経営方針を揺さぶったことで、道を共有できない人やビジョンに対して及び腰な人が離脱して、例年よりも退職者が多く出た。だが実際にはそれによるマイナスの影響はなく、今年は昨年よりも稼働人員が減ったにも関わらず、売上も新規獲得契約数も伸び、頭数が減った分コストも下がったから、利益も伸びている。それも過去最高。
 頭数じゃないんだな・・・。烏合の衆のように、組織としての価値を共有できない人がいくらいても戦力にはならない。道を同じくし、ビジョンを共有する同志が集まればチームとなり、パフォーマンスも高まる。その実践事例ができた。
 今給黎先生の「『実践』勝利に向かって無我夢中で躍動するチームを創る組織開発の新手法チームコーチング」と孫子の兵法に感謝。

Posted by KazuhiroNagao at 20:41
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2016年06月16日
 前回、『凡そ戦いは、正を以て合い、奇を以て勝つ。故に、善く奇を出す者は窮まり無きこと天地の如く、竭きざること江河(河海)の如し。』を取り上げたが、さらに今回は、そこに勢いをプラスしてみようと思う。
 2016年7月7日、「マンガでわかる!孫子式 戦略思考」と「まんでできる 営業の見える化」のダブル出版記念セミナーを行う。奇法としてのマンガを用いて、江河の如きバリエーションを生み出しながら、そこにもう一冊ビジネスコミックを加えて、ダブル!!企画。出版記念というだけでも通常のセミナーよりはインパクトがあるのだが、それがダブル!! 行く時には一気に行く。これも孫子の兵法だ。


まんが見える化 マンガ孫子

 孫子は、

『激水の疾くして、石を漂わすに至る者は勢なり。鷙鳥の撃ちて毀折に至る者は、節なり。是の故に善く戦う者は、其の勢は険にして、其の節は短なり。勢は弩を彍るが如く、節は機を発するが如し。』

 と教えてくれた。
 水の流れが激しくて岩石をも漂わせるのは、その水に勢いがあるからであると。たしかにそうだ。物事を動かすためには勢いが必要だ。そしてさらに、猛禽が急降下して一撃で獲物を打ち砕くのは、絶妙のタイミングだからであると孫子は説く。勢いは長くは続かないから、タイミングが重要であり、それが一点に集中することで力を増すことになる。だから、戦上手は、その戦闘に投入する勢いを大きく険しくし、その勢いを放出するのは一瞬の間に集中させると言うのだ。その勢いを蓄えるのは弩(弓)の弦を一杯に引くようなものであり、節(タイミング)とは、その引き金を引く時のようなものであると孫子は説いている。
 勢いを増しつつ、それを一気に放出させる。これを私のビジネスに応用すると、ダブル出版記念セミナーとなる。おまけに、彦星と織姫が出会う七夕というタイミング。これはあまり関係ないか・・・。
 「営業の見える化」と言えば、私の通常の書籍(とイチイチ断らないといけなくなったが)の中で一番売れたヒット作。これがマンガになって勢いが出ないわけがない。そして「まんがで身につく孫子の兵法」でマンガを描いてくれた久米礼華さんが今回も担当してくれている。会ったことはないが(笑)ゴールデンコンビ。これまた勢いが増す。是非、皆さんも孫子の兵法を実践してみていただきたい。「営業の見える化」もお忘れなく。
 おっと、ダブル出版記念セミナーもお忘れなく。七夕です。


Posted by KazuhiroNagao at 14:14
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2016年05月17日
 孫子兵法家である私が繰り出す戦法、戦術、戦略は、当然のことながら孫子の兵法を踏まえたものであり、孫子兵法の実践でなければならない。そして、孫子兵法家が「孫子兵法家」と堂々と名乗り続けられるだけの実行と戦果がなければならない。
 だから、「孫子にフォーカス」と言いながら、KADOKAWAから正攻法の書籍「仕事で大切なことは孫子の兵法がぜんぶ教えてくれる」を出し、「孫子でキングダムを斬る」と言いながら、集英社から大人気漫画キングダム応用を入れた奇法「キングダムで学ぶ乱世のリーダーシップ」を出したかと思ったら、今度は宝島社から「マンガでわかる!孫子式 戦略思考」という本を出した。

マンガでわかる!孫子式 戦略思考  

 マンガでわかるシリーズで有名な宝島社で、孫子の兵法のビジネス応用。これぞ孫子兵法家の得意分野、ど真ん中のようでいてマンガというひねりもあり、正か奇かという二項対立を超えた絶妙な手を尽きることなく出していかなければならない。
 これぞまさに孫子の兵法、

『凡そ戦いは、正を以て合い、奇を以て勝つ。故に、善く奇を出す者は窮まり無きこと天地の如く、竭きざること江河(河海)の如し。』

 の実践である。
 孫子は、戦闘においては、正法によって相手と対峙し、奇法を用いて勝利を収めるものである。だから、奇法に通じた者の打つ手は天地のように無限であり、揚子江や黄河のように(大河や海のように)尽きることがないと教えてくれている。
 同じ孫子の兵法を元にしていても、その現代ビジネスへの応用は業種・業態・規模や経営課題に応じて千差万別、無限大。前回のマンガは米屋さんだったが、今回は事務機販売業が舞台だ。読み比べていただくのも良いだろう。
 まだまだ江河の如く孫子兵法の応用アイデアがあるから、続編も出せるといいな。別企画でもいいが。孫子兵法、江河の如く尽きることなし。

Posted by KazuhiroNagao at 18:38
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2016年04月19日
 累計2300万部の大人気コミック「キングダム」とのコラボで、「キングダムで学ぶ乱世のリーダーシップ」(集英社)という本を書かせていただいたご縁により、集英社さんからキングダムの42巻が通常の発売日よりちょっと前に届いた。ふふふ。何となく嬉しい。自分でもAmazonで予約しているのだが・・・。一足先に拝読。
 ちょうどキングダムの実写動画も公開された。http://youngjump.jp/kingdom/
 信役の山崎賢人君を知らないのだが、信のイメージにピッタリな感じだ。ちょっとイケメン過ぎるか・・・。まぁしかし、この勢いで映画化もしてくれたらいいなと思う・・・。
 話は戻って、最新42巻である。この巻の主人公は、なんと言っても飛信隊副長の渕さんだ。表紙でも中心にドーンと描かれている。

キングダム 42

 飛信隊の行く手を阻む、橋も舟もない川。対岸には敵兵がギッシリと陣を固めている。打つ手なしと誰もが思った状況を救うのが副長の渕さんである。その武力でも知略でもなく、「責任感」の強さで渕副長を選んだと言う。
 詳しくは、キングダム42巻を読んでいただくとして、ここで孫子の兵法を思い出した。
 孫子曰く、

『之を往く所無きに投ずれば、死すとも且つ北げず。死焉んぞ得ざらんや、士人力を尽くす。兵士は甚だしく陥れば則ち懼れず、往く所無ければ則ち固く、深く入れば則ち拘し、已むを得ざれば則ち闘う。』

「どこにも行き場のない状況に兵を投入すれば、死んでも敗走することはない。これでどうして死にもの狂いの覚悟が得られないことがあるだろうか。士卒はともに決死の覚悟で力を尽くすことになる。兵士たちは、あまりにも危険な状況に陥ると、もはや恐れなくなり、行き場がなくなれば覚悟も固まり、深く入り込めば手を取り合い一致団結し、戦うしかないとなれば、奮戦するものなのだ。」という孫子の教えである。
 他に行き場がなく、逃げようもない、やるしかないという状況に置かれた時、受けて立つのが責任感である。飛信隊の副長としての責任感で、この「窮地」を乗り切る。孫子「九地」篇の一節である。
 キングダムそのものももちろん面白いのだが、こうして孫子の兵法と照らして読んでもらうと、さらに深く、面白くなる。当然、その際には事前に「キングダムで学ぶ乱世のリーダーシップ」を読んでおくと尚良い。

Posted by KazuhiroNagao at 15:35
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