現代振り飛車ナビ

角交換好きな振り飛車党による将棋定跡研究ブログ


前回の記事:先手中飛車―3手目▲5六歩に△3四歩で中央の位を取らせる変化

第4図以下の指し手③
△5二金右▲2八玉△8五歩▲7七角△4四歩(第5図)
2017-11-05a
△4四歩で後手の一直線穴熊が濃厚になりました。

居飛車側は持久戦の意思表示をする前に△8五歩▲7七角の交換を入れておくのが大切で、
もし8四歩型だと▲7五歩~▲5六飛の浮き飛車に構えるのが優秀な作戦です(参考図)。
2017-11-05b
上図は久保九段がはじめて実戦で指した手段で、『久保&菅井の振り飛車研究』P.132~138の対談で詳しく取り上げられています。


さて、後手の一直線穴熊に対して先手は、
①相穴熊▲4六銀型、②美濃+▲6五銀速攻型、③美濃+浮き飛車転換型
大きく分けて3つの作戦があります。順番に見ていきましょう。

A.相穴熊▲4六銀型
2017-11-05c
相穴熊+▲4六銀型は自身も堅陣に組んで負けにくい形を目指したプロ好みの作戦。
振り飛車が後手番のときは相穴熊から千日手含みで待機する指し方が有力でしたが、今回は先手番なので逆に積極的に打開策を探っていかなければなりません。

B.美濃+▲6五銀速攻型
2017-11-05d
美濃+▲6五銀速攻型は『鈴木流豪快中飛車の極意』で最初に紹介された穴熊対策。
棒銀のように狙いが分かりやすく破壊力もありアマチュアの人気が高いですが、玉形に差があるので「穴熊の暴力」に要注意です。

C.美濃+浮き飛車転換型
2017-11-05e
美濃+浮き飛車転換型は『今泉の勝てる中飛車』ではじめて紹介された作戦。
8四歩型では久保流が大変優秀でしたが8五歩型でも同様に浮き飛車を目指すと一体どういった違いが生じるでしょうか。

もっと知りたい人のためにおすすめの関連本

久保&菅井の振り飛車研究 (マイナビ将棋BOOKS)

プロの将棋シリーズ〈1〉鈴木流豪快中飛車の極意 (プロの将棋シリーズ (1))

プロ合格の原動力! 今泉の勝てる中飛車 (マイナビ将棋BOOKS)


前回の記事の続きです。
第7図を再掲載します。
2017-10-02e
上図では①▲1二竜と②▲1一竜が有力です。
それぞれ順番に検討していきます。

A.▲1二竜
2017-10-02g
▲1二竜は後手の馬筋から避けた手ですが1一に比べるとやや迫力に乏しい逃げ場所。

実戦は以下△8九馬▲2三歩△9九馬▲2二歩成△7七馬▲6八金上△7六馬と進み後手ペースの戦いになりました(A図)。
2017-10-02f
A図以下①▲6六角は△6四香、②▲5七角は△4五桂で後手の攻めが急所に刺さっている感じです。
参考棋譜:2015-03-05 広瀬章人 vs. 久保利明 順位戦

B.▲1一竜
2017-10-02h
▲1一竜は次に▲3三香を狙った手で、
後手は攻め合いなら△5五銀、受け重視なら△5一金右に分岐します。
【参考棋譜】
・2014-06-16 豊島将之 vs. 北浜健介 NHK杯(△5五銀)
・2016-03-17 中村太地 vs. 北浜健介 銀河戦(△5一金右)

「三浦&阿部健」本では後者の△5一金右を本線としており、以下▲2三歩△同銀▲1三竜△1二銀▲1四竜△2一銀で「先手が攻め切るのは難しい」と締めくくっています(結果図)。
2017-10-02i
ただし手順中▲1四竜では▲3三竜が最新(中村太―北浜戦。本の発売から約半年後に指されている)でソフトの評価値も先手が高いことから実際は居飛車が有望なのかもしれません。

もっと知りたい人のためにおすすめの関連本

三浦&阿部健の居飛車研究 (マイナビ将棋BOOKS)

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前回の記事:ゴキゲン中飛車VS▲5八金右超急戦―△6二玉に▲1一竜

第4図以下の指し手⑤
△5四銀(第5図)
2017-10-02a
△5四銀はゴキゲン中飛車の生みの親・近藤先生が最初に指した手です。
関連記事:超急戦対策の△5四銀【ゴキゲン中飛車で行こう】―猪狩守サマに捧げるSyogi Note
これはただ受け一方だけでなく△5五銀▲同歩△同馬(竜取り)なども狙っており、
9九馬のラインを外す▲6六角は△8九馬▲3三香△5一飛(△3二桂は▲2三歩)▲3一香成△同金▲9八銀△同馬▲同香△7二玉(A図)でどうか。
2017-10-02b
A図は後手馬を取られたものの△5七歩や△5五銀▲同歩△5六香などの楽しみがあっていい勝負。プロ同士でも見解の分かれる局面です。
【関連棋書】
・『三浦&阿部健の居飛車研究』P.21、22、29

【参考棋譜】
・2009-09-04 中村太地 vs. 菅井竜也 新人王戦(先手勝ち)
・2014-01-14 石田直裕 vs. 佐藤和俊 順位戦(後手勝ち)
第5図以下の指し手
▲7五角(第6図)
2017-10-02c
▲7五角はもはやおなじみの角打ち。

これに対して△5五銀▲同歩△同馬は竜取りにかまわず▲3一角成△1一馬▲4一馬(B図)と斬り込んで先手良し。
2017-10-02d
以下△5七歩には▲5二馬△同金▲5七金と火の粉を払って問題ありません。

第6図以下の指し手
△2一歩▲同竜△3二銀(第7図)
2017-10-02e
▲7五角には△2一歩~△3二銀が先手を取る手筋の受け。
さて、先手は竜をどこへ逃げるか。

次回の記事に続きます。

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