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角交換好きな振り飛車党による将棋定跡研究ブログ

カテゴリ: ◎ ゴキゲン中飛車

前回の記事:ゴキゲン中飛車vs新・丸山ワクチン―ごく自然な▲4八銀

第8図以下の指し手①
▲8八玉(第9図)
2018-12-14a
▲8八玉は囲いに入城する自然な手。プロの実戦例も最多です。

ただ、この瞬間角で王手がかかる形なので、
△2四歩▲同歩△同銀▲3六歩△2六歩▲同飛△4四角の王手飛車が気になりますが▲7七角と切り返して大丈夫です(参考図)。
2018-12-14e

第9図以下の指し手
△4四銀▲5八金右△3三桂▲6六歩△2一飛(第10図)
2018-12-14b
後手は△4四銀~△3三桂と持久戦を選択します。
あともう一手△4二金と陣形を引き締めて△2五桂ポンが間に合えば振り飛車面白いのですが……。

第10図以下の指し手
▲6七角(第11図)
2018-12-14c
▲6七角が本戦型で頻出の自陣角。
狙いは3四歩取りだけですが、なんとこれで手になっています。

第11図以下の指し手
△4二金▲3四角△5五銀▲7七銀△7四歩▲1六歩
△8四歩▲1五歩△7三桂▲7八金
(結果図)
2018-12-14d
結果図は次に▲1四歩△同歩▲1二歩△同香▲2四歩が厳しく、これを嫌って△8五桂と先攻するのも▲6八銀△6六銀▲8六歩で先手良しです。振り飛車側はもっと早い段階で工夫が求められます。

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第8図以下の指し手⑥
▲7七桂(第9図)
2018-08-22a
▲7七桂は△4四角の筋を未然に防いだ堅実な着法。
ただし、7七銀型に組み替える含みがなくなり味消しと考えるためかプロの実戦例はそんなに多くありません。

第9図以下の指し手
△4四銀▲5八金右△3三桂▲3六歩△2一飛(第10図)
2018-08-22b
先手陣は逆棒銀に強い形なので△4四銀~△3三桂と持久戦を目指します。
これには通常▲5六角が好打になるはずですが、以下△4二金▲3四角△5五銀で先手の角は行き場がなく窮屈です(A図)。
2018-08-22c
A図は次に△6四角や△5三金~4四金などの揺さぶりが楽しみで、もし▲7七桂と跳ねていない形であれば▲7七銀~▲6六歩と角納庫を作って逆に先手が指しやすくなるところでした。

第10図以下の指し手
▲8六歩△4二金▲8八玉△6四歩▲5六銀△6三銀
▲6六歩△7二金
(結果図)
2018-08-22d
振り飛車としては銀冠に組み替えたいところですが、△8四歩の瞬間に▲7五角という機敏な手があります(B図)。
2018-08-22e
門倉啓太著『振り飛車はどこに行くのか?』で紹介された新手で、B図以下は8四歩を刈り取ったあと▲5六歩~▲5七角と打った角を安定させれば先手指しやすくなります。

よって本譜は△6四歩~△6三銀と木村美濃を選択。銀冠に比べて強度はやや劣りますが居飛車からの打開も簡単でなく結果図はいい勝負だと思います。

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第7図以下の指し手③
△4四角(第8図)
2018-06-07f
△4四角が菅井竜也五段(当時)の驚愕の新手。
駒もぶつかっていない序盤早々に角を手放して一体どんな意味があるのでしょうか?

第8図以下の指し手
▲7七銀△2二飛(第9図)
2018-06-07g
6六の歩取りを防ぐ▲7七銀はこのくらいですが、そこで△2二飛とまわります。

このとき▲5三角と打ち込めないのが△4四角の第一の効果です。

第9図以下の指し手
▲8八玉△2四歩▲同歩△同銀▲4六歩△2六歩
▲4五歩△5三角▲6五歩△3三銀
(結果図)
2018-06-07h
以下の進行は大石―菅井戦の実戦をなぞっています。
逆棒銀のあと△2六歩と止められるのが△4四角の第二の効果。結果図は後手作戦勝ちでしょう。
関連記事:ゴキゲン中飛車の対丸山ワクチン対策! -  不利飛車党!TAKの将棋奮闘日記

~居飛車の修正手順~

以上、菅井新手△4四角の成功例を紹介しましたが、実はいくつか注意点があります。
例えば居飛車側は△2二飛とまわられたときに▲7八角がうまい手(A図)。
2018-06-07i
この打ち合いは角が後で追われる心配(▲4六歩~▲4五歩とか)がないぶん居飛車に軍配でしょう。

となると後手も△4四角と打つ適切なタイミングを見計らう必要があります。

決行の目安としては「①▲5三角の隙がない状態で②△2二飛とまわって、③△4四角が6六歩取りの先手になるとき」に打つのがよいでしょう(B図)。
2018-06-07j
B図以下▲7七銀△2四歩で今度は▲7八角の設置が間に合いません。
関連棋書:P.179~

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第7図以下の指し手②
△6二金▲3八銀△2二飛(第8図)
2018-06-07a
△6二金は後手の改良手。意味は数手後に明らかになります。

第8図以下の指し手
▲4六歩△2四歩▲同歩△同銀(第9図)
2018-06-07b
△6二銀型のときは▲5六角が有効打となりましたが、△6二金型では成立しません。

つまり▲5六角以下、△3三銀▲2二飛成△同銀▲9五歩△同歩▲9二歩△同香▲9一飛△8二玉▲8三角成と進んだとき△9一玉と飛車を素抜かれてしまうからです(参考図)。
2018-06-07e

よって先手は別の方法で飛車先逆襲を迎え撃つ必要がありそうです。

第9図以下の指し手
▲3六歩△2五銀▲3七桂△2六銀▲2七歩(第10図)
2018-06-07c
▲3六歩~▲3七桂は逆棒銀に対する受けの形ですが、後手はかまわず銀を突進します。
▲2七歩でようやく攻め足を止めたように見えますが……。

第10図以下の指し手
△3七銀成▲同銀△3五歩(結果図)
2018-06-07d
△3七銀成と桂馬と刺し違え、△3五歩が細いながらいやらしい攻め。

結果図以下は▲3五同歩は△3六歩~△3七角、▲3八金も△2五桂~△3六歩で形勢は難解ながら振り飛車に一方的に攻め立てられる展開で、先手が好んで選びたい順ではないでしょう。
参考棋譜:2011-11-29 稲葉陽 vs. 高崎一生 順位戦
次回は第8図で②△6二金~△2二飛にかえて③△4四角の変化を見ていきたいと思います。

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第8図以下の指し手④
▲8六歩(第9図)
2018-04-24a
▲8六歩は次に▲8五歩で後手の玉頭に圧力をかける狙い。

これを嫌って△8四歩と対抗するのは、▲5六銀△4四銀▲4五銀から乱戦にもちこまれるのが後手ちと怖い(A図)。
2018-04-24b
A図は8筋の交換があるぶん単に▲5六銀の変化より先手が若干得で、小駒を手にしたあと▲8五歩△同歩▲8四〇のような攻めが楽しみです。
参考棋譜:2006-08-07 佐藤康光 vs. 深浦康市 王座戦

第9図以下の指し手
△4四銀▲8五歩(第10図)
2018-04-24d
さて、角交換振り飛車の理想形である銀冠を阻まれてしまった後手。

ソフトの集うfloodgateでは、左辺を押さえられた代償に△2五桂ポンで右辺から反撃する実戦が多いですが、9勝3敗で先手が大きく勝ち越しています(B図)。
2018-04-24c
B図以下▲2五同飛△2四歩▲2八飛△2五歩のとき、

①▲3七桂△2六歩▲1五角△5二金▲2六飛…
②▲3七角△3五歩▲同歩△同銀▲2二歩…

でいずれの進行も後手ぱっとしません。

第10図以下の指し手
△6四歩▲8七銀△6三銀▲7八金△7二金▲5八金
△7四歩▲7七桂△7三桂
(結果図)
2018-04-24e
よって後手はじっくり△6四歩~△6三銀~△7二金と木村美濃に組み替えるほうが得策でしょう。

先手の言いなりになっているようですが必ずしも位を取れば良くなるとは限りません。後手はいつでも△8五桂▲同桂△8四歩と打開する筋があり結果図はむしろ振り飛車ペースの戦いです。
参考棋譜:
・2008-08-01 畠山鎮 vs. 山崎隆之 順位戦
・2008-10-20 山崎隆之 vs. 谷川浩司 棋聖戦

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