2012年07月12日

07ステラ オーバーホールと座金調整

まるで、生まれたばかりの赤子の頬を撫でるようだ。

07ステラを使用した時の僕の感想はこういうものだった。


メーカーが使うシルキーな巻き心地なんていう言葉なんて、謙遜した言葉に過ぎないと感じた。



ステラを購入する前は、どんなリールでも買ってから、慣らす為に数回釣行後、取りあえず一旦オーバーホールして、マスターギアのアタリ面を確認したり、グリスの塗布のし直しをしたり、又、ボディにある3本のボルトの締め付けトルクで調整、や樹脂製シムを入れたりしてマスターギアの両軸のベアリングの芯出しをしたり


またクラッチハウジングの取付トルク調整など


主にこういった事を繰り返し、そのリールの持つポテンシャルを最大限に生かす様にしているんですね。


難しそうに見えますが、要するに工業製品の製品誤差を組み上げ時に解消してやるだけのことなのですが、この作業がことのほか面倒で、クロスギアを取り付けては卞鯵稜Г掘▲泪好拭璽アを付けては、ハンドルを取付ては回転確認したり、全部書いたらキリがないですから、この辺でやめときますが、取りあえず、リールをバラすのは15分位で済むけど、組み上げは1時間くらいはかけてじっくりと煮詰めて行くんですね。


面の皮と手の皮がぶ厚い鈍感な僕ですが、この作業をやる、やらないではリールのグレードが1グレード違う様に感じる訳です。


まぁそんな苦労して組み付けたリールですが、やっぱりモノによっては組み付け具合に因りその効果の持続がマチマチで、1シーズンコンディションが保つものもあれば、3釣行すると違和感を感じるモノまで色々ある訳ですよ。


そんな折りに5年ほど前にひょんな調子で買った07ステラ、まぁ“ひょんな調子”どころか、清水の舞台から頭から飛び込む勢いで買ったのですが、ステラはシマノのそれらの中でも群を抜いて高価。


僕は、機械が好きなのですが、ステラは高価でフラッグシップモデルだけど、何処が違うの?と思っていました。

定価6.9万のリール、巻き心地が良いのは当たり前。

しかし巻き心地に関しては、例の自分で再組み上げしたリールと遜色の無い程度。


正直なところ、どうせ使用されている材質が高価だったり、取って付けたような仕様の説明で、単に所有感だけをくすぐるだけで、良いのは良いけどあぁやっぱりこんなもんかってな具合でした。




しかし、例の如く数回釣行後、早速バラして、見ると、驚愕な光景が待ち構えていた。

いや、あのですね、部品点数が半端なく多いんですよ。



本当に小さいベアリングや、見たことも無いワッシャー、

しかも取り外したときに、オイルでくっついたりしてるから元はどこに着いてたかかくにんしたりしないといけないから、ややこしい。

“コレ何やったっけ?”ってなもんですよ。

しかもベアリングの嵌め合い公差もかなり攻めているので、とことんまでガタというガタを排除した作り込み。



何より驚いたのは組み上げた時だった。

基本的に部品点数が多ければ多いほどシンプルじゃなくなるので、製品誤差っていうのが発生しやすく組み付けに神経を使いそうなのにも関わらず、適当に組み付けたのにも関わらず、バラス前の巻き心地と変化無し。



更に組み付けのバランスをしっかり取ってやると、今までにない巻き心地を提供してくれた。



いくらオイルの油膜の上でギア類が噛んでるとは言え、極論を言えば金属と金属が噛み合ってるのに、金属感が無いのです。



驚いたのはそれだけで無い、なんとこの巻き心地が経時変化が無いのです。

もっぱら、メバル相手なので痛みにくいというのはあるのですが、本体を分解せず、適当な頻度で、メンテ用のスプレーホールから、スプレーオイルを吹くだけで3年はコンディションが保たれた。



3年目、一応念の為程度にショップにオーバーホールを出しましたが、特にこれと言った所見なく、普通に戻って来た。

僕の釣行頻度での今までの経験上、適度なメンテをしてもリールの寿命はだいたい3年。

靴と一緒で、メイン・サブで数台を使い回すと倍以上保つのですが、正直ぶっ通し1台を使い込んでで3年も保ったのなんて、初めてでした。

このリールは一体何年保つねん。。

僕のリール購入のスパンが長くなったのは言うまでもない。


まぁそんな07ステラですが、さすがに5年も週一にメバリング、時にはエギングやアコウ狙いで使用されると、いよいよガタというのが出てきたんですね。



この時、10ステラを買う財布の余裕や、07と10の変更点がマスターギアの大口径化程度で、目覚ましいものが無かったので、ステラの後釜に今年にヴァンキッシュを買うに至ったじゃないですか。



ヴァンキッシュは、それはそれで、使いやすいし、巻きでのアタリのとりやすさが半端なく良いのは、以前の日記で書いた通りなのですが、ドラグ音の品の高さや、ずっしりとした重みはやはり無い訳です。



言い換えると、ヴァンキッシュは、エンジンで言うと、ショートストローク、ショートスカートピストン、インナーローターの、高回転高出力型のレーシングエンジン。

ステラは、ロングストロークのハイトルク、高慣性のフライホイールを搭載したのコンフォートエンジンと言ったところ。



別にリールなんてどっちでも良い、極論を言えば何でも良いと言ってしまえばそれまでですが、ヴァンキッシュを購入してから、全く使わず眠れるステラ。

このステラをそのまま使わず放置しておくのも何ですし、久しぶりにあのコンフォートな巻き心地を感じたい。



そんな訳で、非常に前置きが長くなりましたが、今回07ステラの修理というか微調整をしました。









ではどうぞ。

僕がリールに求めるのは、飛び、巻き心地、そしてトラブルレス。

今回その中でもアングラーの精神面を大きく支える巻き心地を失ってしまったステラ。

巻き心地を失ったと言っても、巻く事に対してはスムーズそのものですが、ハンドルを止めた時に微妙にガタつくと言ったものでした。



多分メーカーに出しても、問題無いと言ったレベルですが、ほら、オーナーにしか分からない違和感っていうのってあるじゃないですか。



僕は、嫁の鬼軍曹からも細かい男で“サイッテー”とよく言われるくらい細かいのですが、はっきり言って、こういう細かい事が気になって、修理に出して帰ってきた商品に納得したメーカーは、デジカメのリコーが唯一くらいなもんで、他は、修理から帰ってきても再度修理に出したりということがしばしばあるんですね。



まぁ、結果今までそんな繰り返しで、結局の所オーナーにしか分からない不具合は、オーナーにしか直せないというもので、今回の修理も当然自分でやらなきゃきっと治らないと思った訳です。





まぁそんな訳で、今回修理するに当たって、症状から有る程度の目星を付けてから作業となりました。



ハンドルの僅かなガタ、これが出ると言ったら、

・ベアリングのハウジングの摩耗(あまり考えられないけど)

・マスターギアベアリングの消耗

・ピニオンギア廻りのかみ合わせ不良

・マスターギアの摩耗もしくは噛み合わせ不良

・ワンウェークラッチの摩耗もしくは組み付け不良

・クロスギア、クロスギアピンの摩耗





まぁ他も複合的に考えると色々原因があるのですが、主な原因は列挙したもので、下2つはもっと特徴的な違和感があるので、おそらく違うだろうと思いながら作業を進めました。



先にパーツを発注して修理に掛かるのが筋ですが、僕の場合、取りあえず特定して、パーツを発注する、よく言えば、トヨタカンバン方式、悪く言えば貧乏性修理法。



取りあえず分解。


6 072



6 076


ホント、ステラだけは外した順序でパーツを並べておかないと未だに構成部品の全てを覚えられない。

ある日、いつもの調子で、適当に並べ、パーツが余った苦い想い出がある。





取り外した部品のグリスを拭き取り、パーツクリーナーで洗浄、脱脂、自然乾燥させて、該当部品をじっくり確認します。



さすがに長きに渡って部品交換無しで使用し続けた部品類。

ギアのかみ合いで出来た僅かな虫食いや、グリスの乳化はあるものの、しかしハウジングやシマノリールの心臓部のクロスギア廻りに至っては“今まで使ってたの?”ってくらいなものでした。



ワンウェークラッチに至っては、若干の摩耗は見られるけど問題なし。

結局不具合らしき不具合は見つけられず。





つまり・・・壊れて居るわけではなく、微調整が必要という程度っていうことな訳です。

まぁ良いのか悪いのか分からない結果でしたが、もう微調整範囲で今回の違和感っていうのは、もうここしかありません。



6 071





写真を見てマスターギアとピニオンギアの噛み合わせが微妙に甘く僅かに段着きがあります。

写真では分からないし見ても分からないから爪でなぞるとわかりました。



ここでラグジュアリーな方は、マスターギアとピニオンギア合わせて4000円払えば新品と思うかもしれませんが、僕みたいにエコロジストはけっしてそんな事はしない。



6 073



僕みたいにエコロジストの為にシマノはわざわざこういうモノを用意してくれてるんですよ。



マスターギア調整用座金3枚セット

セット内容は、0.1mm1枚 0.052



セットで57円。

財布にエコでしょ。



まぁそんな訳で、定価69000円のリールを100円玉一個でおつりがくるような方法で調整。



ちなみに、追加したワッシャーは迷わず0.05mm1枚。
6 074



0.05mmと言えば、僕みたいにベットの上ではもっぱら“申し訳なく早漏”と言ってる方が長く楽しむ為につくられたコンドームの厚みみたいなもので、そんな厚みを入れてほんまに変わるのかってもんですが、座金を1枚入れてやるだけで、もの凄い違いです。

ガタは無くなり組み付けた後はスムーズこの上なし。



本当は新品部品を入れたいですが、これで暫くは使えそうです。

きっと後5年は使えるな。


6 077


シマノステラ、このリールは単なる所有感の塊だと思っていた。

しかしその堅牢性というのは驚きを感じる。

5年使い込んで、ようやく分かるその意味。

日本製っていう事を胸が張れる。



製造業が衰退し、日本はモノ作りをしなくなりつつある。



しかし、こういう超堅牢という名の付加価値は、日本固有の文化と思う。

日本の民族性、文化を全面に出し、日本がモノ作りを見直し、経済が再建できたら。

そんなことを思い上げながら、組み上げました。





そういえば、ヴァンキッシュ買ってからまだ一回もバラしてないな。


おわり



night_rock_fishing at 20:45│Comments(8)TrackBack(0)日記 | ロックフィッシュ

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この記事へのコメント

8. Posted by ken39   2012年11月05日 17:25
Tetteleeeeeeさん
売り買いの量が凄いですね。
僕の場合、リールは、リールは、何らかの思い入れがあるので、古くなっても売れず、壊れて部品供給が無くなり修理不能でも、捨てれないタイプです。
でも何だか言って結局ステラばかり使ってしまうのは一緒ですね。
これからも宜しくお願いします。
7. Posted by Tetteleeeeee   2012年10月28日 21:04
ぼんくらさん、初めまして。
たぶん同じくらいシマノリールキチガイです。
せっかく買ったリールを座金調整で満足して、オークションに出すことしばしば。
これまで30個以上は買って売り、売っては買いを繰り返しました。ツインパワーMgだろうが、エクスセンスだろうが、バンキッシュだろうが皆同じ運命で、結局手元にいつもあるのは07ステラとアルテグラのみというくらいのダメ人間です。

さて、いつもはシーバスですが、そろそろ寒くなるのでメバルをやろうかと思い、リールの購入を思い立ちました。
昨日近所のタックルベリーを覗いたところ、10ステラ2500S, 10ステラC2500HG, 07ステラ2000Sという打ってつけが置いてあるではありませんか!
メバル用はこれまでツインパワーMgC2000Sが最高峰の私ですので、慎重に選ぼうと吟味に吟味を重ねて、、、
迷いに迷って、、、、結局買わなかったのです。ネットでよく調べようと思い、、、。そうしてこのページを見つけたのです。
よくちょく拝見させていただきますので、よろしくお願いします。
6. Posted by ken39   2012年07月17日 12:42
せいさん
僕も毎回、壊したらどうしようと思ってます。
バイオマスターまでだったら、部品点数も少なくて良いんですが、07ステラ以降のシマノは今でもおっかなびっくりやってます!
5. Posted by ken39   2012年07月17日 12:40
とおるチッチさん
はじめまして。
リコーのアフターサービスはほんと気持ちいいですね。送付BOXを送って来て、サービスまでもテンポも速くで関心します。
ヴァンキッシュは多分ローターの締め付けトルクが整備のキモなのかと思ってます。
早く内部構造を確認したいなぁと思ってます。
4. Posted by ken39   2012年07月17日 12:37
じゅんくんパパさん
オフショアはさすがに潮の重みと、水圧でリールの巻きの感覚ってファジーになりそうですね。
僕もジギング様にソルティガとツインパSWを考えて、巻きが軽いツインパにしたのですが、ジグの重みやら潮の重みで、結局どっちでも一緒やったなぁと思った事があります。
3. Posted by せい   2012年07月15日 23:47
これは…

自分でオーバーホールするときの役に立ちそうな情報ですねぇ!

って、こんなに細かいこと、私には無理です(笑)
オーバーホールもどきはできるんですけどね…
2. Posted by とおるチッチ   2012年07月15日 12:13
5 はじめまして

同じく細かいことに気がついてしまうものです(笑

リコーは違いますよね^^

特にカメラは・・・昔使っていたものを修理に出したときにいい感じでした!

自分も大抵の物は直します。
ヴァンキッシュはねじれが厄介そうですね〜
1. Posted by じゅんくんパパ   2012年07月13日 12:51
最近繊細な釣りをしなくなったせいか、前みたいにリールの巻き心地や違和感が分からなくなってきました。
その違和感が気になると、自分で直すことが出来ないので修理に出さなくてはならなくなるので困っていましたが、分からないと言う事は気にならないので幸せでもある。

それにしてもボンクラさんは、文才もあるし修理も出来るしで、職が亡くなったとしても仕事で困る事は無さそうですね。(笑)

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