書き逃げ旅団

兵は詭道なり

■対戦ロスター■
Tank Duel (GMT Games)
Wild Blue Yonder (GMT Games)

第五次辺境戦争 (IED)「セットアップで2時間半」

FFWやりました。

しかし、慣れてないとけっこう時間がかかりますわね。
少なくとも陣営を決めて配置計画を事前に組んでおき、プロットしておくくらいまでやる必要があるかと思う。


2024-11-30 17.07.38
どう進めれば良いのか、いまだに良く分かりませんが、初見の印象だとゾダーンの攻勢軸は主に4つ。

クエリオンを進発してソードワールズと共同しながらヴィリス、ランスと押上げ帝国辺境艦隊と対峙するJ4の主力。

中央の独立宙域を突破してリジャイナ公を牽制し、偵察艦隊の浸透を抑えるJ5の遊撃(いればプロット0の提督を使う)。

2024-11-30 17.07.46
ジュエル、エファーテ、リジャイナと締め付け、VPを稼ぐJ3の主力。

ファーリーチから帝国の頭を押さえ、ヴァルグルを支援するJ4の陽動。


これに戦線後方の残存部隊を焼き払い、ジュエルを守備するJ2の予備艦隊に、防衛用のJ3艦隊といったところじゃないかしら。
逆に帝国はどうこうできる戦力じゃないので、遅滞しながら増援を待つしかないかと。

ちなみに、今回プレイしてみて疑問に思ったことは以下の通り。

中立の星系はいかなる場合にあっても(たとえ攻撃を受けても)中立を維持するのか?
規定がないので、それで良いと思う。

地上戦闘のマッチアップの宣言は、どちらの陣営からやる?
これも特に規定がないので、気になる場合は移動と同様の順番で良いのでは?

提督が艦隊に配備されていないときに戦闘に巻き込まれたらどうなるのか?
星系を支配されたら「戦死」で妥当だと思う。敵戦力が存在する星系における艦隊への配属は、輸送ルールに従う。

複数の味方艦隊が同時に戦闘に参加したらどうなる?
すべての小艦隊を戦闘に参加させる。指揮する提督は序列により決める。戦闘が終わったら、元通りの艦隊編成に戻す・・・で良いかしら?

これ以外にもかなりの数の疑問があるけど、GDW版の明確化を参照すれば、ある程度は解決するかと思う。


そういえば、プレイ時にあった方がいいなと思ったもの。

ビンゴチップのようなマーカー(最低2色)
攻撃により陥落し、支配が入れ替わった星系に置くマーカーと戦闘が継続している星系に置くマーカー。
これらがないと、プレイ効率が劇的に下がる。

地上戦闘のとき、それぞれのユニットの現在の戦闘力やTLを管理するための筆記用パネル(小型のホワイトボードのようなもの)
特に固有の守備隊は、戦力の値が大きく計算が大変なのと、いちいちボックスを参照しないとTLが分からないので、その都度メモすると便利かと思う。


またやる

Wild Blue Yonder (GMT Games)「機銃掃射と急降下爆撃と」

2024-11-17 13.20.37 2024-11-17 20.05.13

『Wild Blue Yonder』やりました。

航空戦カードゲーム『Down in Flames』の、GMTの枝の先にある作品ですね。
ドッグファイトを簡略化して大規模な編隊を操作できることと、詳細な爆撃ルール、緻密なリソースマネジメントを必要とするキャンペーン群が特徴じゃないでしょうか。

今回は「ソ連機を飛ばしてみたい」と無茶を言い、プログレッシブキャンペーンのクルスク戦を選択。

ドイツとソ連が交互に1回ずつ攻勢をしかけるのでバランスが良いかと思いきや、ドイツは地上攻撃オンリーなんですね。
悩みが少ないのは、いいことかもしれないけれども。


結局、ソ連機の評価としてはレンドリースのエアラコブラを含めてエンジンパワーの不足が大きいといったところ。
メッサーとまともに戦える機体がなく、ぼとぼと落とされますが、ドイツはドイツで勝利ノルマがしんどい模様。

ちなみに軽爆撃機のルールに不明瞭な点があり、今回も現場で非常に悩まされましたが、最終的にはなんとか解決しました。
次やるときに憶えているとは思えないけど。

第五次辺境戦争(IED)「歴史を感じる難解さ」

日本語版発売当時には手が出なかった第五次辺境戦争を、幸いにして入手できたのでマニュアルを読んでいるのだけど、けっこう分かりづらいポイントがあります。

オリジナルのGDW版マニュアルと比較したところ、どうやら元の版に起因する問題のようで、BGGのフォーラムにダイブしても情報が少なくて解決しない。

GDW版に関しては明確化やルールの変更が公開されているものの、いつどういう経緯で加えられた変更なのか原典を確認できる状態にないので、ウカツに採用できないのがつらいところ。

まあ、Xにも書いた通り細かいところを挙げるといろいろあるのだけれど、FFWプロプレーヤー諸氏はどう対応されているのでしょうか。


とにかくまずは、解決した部分から列挙していくことにしよう。


宇宙戦闘における「損傷」をぴったり吸収できない場合はどうする?
GDW版によると、「戦闘における損傷値とは、除去すべき防御値の最低値を意味する」とあるので、損傷値より大きい防御値の小艦隊しかなければ、それらに損害を適用する必要があるということ。
なるほど、IED版にある「満たすように」とはそういう意図であったか。


次に、まあこの解釈でいいかなという部分。


燃料補給が実施されるタイミングはいつ?
IED版には時間表において燃料補給時間が「ゼロ」の場合、ジャンプを実施した移動フェイズの終了時に燃料補給できるとの記述がある。
ただしGDW版の明確化によると、「燃料補給は移動フェイズ中の任意の時点で行える」とのこと。つまりジャンプ後の地上戦闘により燃料補給源を確保した場合、次のターンの移動フェイズにおいて、(燃料補給時間がゼロであれば)燃料補給とジャンプを同時に行えるわけだ。


次に、これは分かりませんな、という部分。


艦隊の分離に関して
IED版によると移動プロットは「ジャンプ: J」、「燃料補給/停止: R」、「分離: D」のいずれかを記入しろとある。分離の記載方法に例はないけど、「第7ターン 18F: D」とか書くのだろう。
ただしGDW版を見ると、同じ部分には「Three types of moves may be plotted」とだけ書いてあって、「どれか1つしかプロットできないよ」とは読み取れない。
またIED版[3.2.3]において、ジャンプ2とジャンプ3の船が混在する艦隊に関する例が書かれているけど、この艦隊がジャンプ3を実施しようとするならば、
14F: R(補給)→14F: D(分離)→14F: J(ジャンプ)
という手順を踏まないといけないのだろうか? なんだか回りくどい話だ。
「通常、小艦隊は計画記入することなく、艦隊からの分離を果たせます」(GDW版も同じ)と書いてある意図も良く分からない。
つまり、前述の例における艦隊がジャンプ2だけを実施する場合、艦隊変更ステップにおいて任意に小艦隊を切り離せるが、ジャンプ3を実施するならば、途端に「D」のプロットが要求されるわけだ。
なぜこうしているのかは分からないが、何かルールの悪用を防ぐための措置なのだろうか。


最後に、これはあった方がいいルールなのでは? という部分。


艦隊編成の制限緩和
IED版、つまりオリジナルのGDW版では小艦隊のいない艦隊の編成が明確に禁止されている。
ただしGDW版のルール変更では、これが可能になっているようだ。つまり艦隊マーカーだけをマップに置いて、事前にプロットを組んでおくことができる。
そもそも、やろうと思えばゲームテクニック的に似たようなことができてしまうので、これは認めてしまっていいんじゃないかと思う。

敵支配下星系における海洋からの燃料スクープ
敵SDBが防御的スタンスであれば、敵支配下の海洋からスクープしてもいいよという、GDW版の追加ルール。そのかわり、即座にSDBと地上部隊(!)からリアクションでぶん殴られる。
なんとなく、ガスジャイアントのない星系で地上戦闘にしくじると燃料供給に詰む局面がありそうなので、これができるとストレスが少ないのでは? という気がした。


元のルール構造が古いだけに、ちょっと理解が及んでいない部分もありそうですが、引き続き読み込んでいきたいと思います。

Asia Engulfed (GMT Games)「どっちが楽?」

2024-10-27 16.21.51
Asia Engulfedやりました。
普段は日本側専業なのですが、連合側でやると視点が変わっていいですね。

日本側の基本戦略として考えてきたことを改めて補強できたので、備忘録代わりに。

スクリーンショット 2024-10-28 133629
北太平洋ルートの防衛
ウェーク、マーカス(南鳥島)と比較的防衛困難な島嶼が続く。米軍がフルの海兵隊ユニットを生産したら、どう頑張っても踏みとどまるのは不可能に近い。つまり時間稼ぎ以外にできることはない。
しかも港のないウェークには陸軍ユニットの戦略移動を行えないため、サイパンあたりから海上輸送で持ってくる必要がある。時間がかかるので、序盤に最優先で手当てするべき場所かも。ここを貫通されると硫黄島、マリアナへの特急ルートが開くので、非常に危うい。
LBAを置いたままだと航空撃滅戦を食らうのだけど、ウカツに引っこ抜くわけにもいかないのが面倒なところ。

スクリーンショット 2024-10-28 134108
中部太平洋ルートの防衛
初手で攻略すべき最優先はラバウル。続いてラエ。ラエを占領されるとトラックにLBAが届くようになるので、米機動部隊が突っ込んでくる。またラエを取られるとラバウルの戦略的価値が失われるので、その時点で戦力の引き抜きを考えて良いかと思う。
ガダルカナルは、無防備なうちに守備隊か民兵を送り込むのがせいぜい。あまり防備を厚くするとラバウル同様に無視迂回されるので、ほどほどに弱兵な感じが良いのではないか。
実はマロエラップが急所の1つなので、ここの防衛を時間稼ぎするうえで、タラワとナウルを攻略するのはアリ。
機動部隊が完全に損耗して耐えられなくなったら、トラックを放棄しマリアナとレイテの線で守る。

スクリーンショット 2024-10-28 134148
南太平洋ルートの防衛
フィリピンで終戦まで粘るのが日本側の勝ちパターンなので、台湾−バターン−パラオが最終防衛線。つまり手前のミンダナオとセレベスの防衛が非常に重要になる。
資源地帯を迂回攻略してくれる分にはOKなので、ボルネオを除いて過剰な防衛は必要ない。
東洋艦隊の展開を制限するため、シンガポールではなく西スマトラにLBAを置いておくのがオススメ。

ちなみに今回は空挺部隊オプションルールを入れたが、主に日本側にとって有利なルールかと思った(米軍の空挺部隊が降下できる場所/状況は少ない)。
フレーバーとしては非常に面白いので、アリじゃないだろうか。

ちなみに表題のどっちが楽かという件に関して。
連合側はミスや不運に対するマージンが大きく、盤面不利でも最後までプレイしなければ負けが確定しないという意味において楽。
日本側は相手のプレイに合わせて戦線を畳んでいくだけなので楽。
ということで、要はどっちも大変であった。

Up Front (WotC) 「ソ連の強さと弱さ」

ついに車両を入れるまで進みました。
歩兵メインのカードゲームなのに、車両を制御するルールに説得力があって面白い。
どういう部隊構成であっても、1組のハンドで動かせるようになっているあたり、非常にエレガントだと思います。


2024-10-22 13.42.40
こちらは、バンカー攻略シナリオにおいて、相対距離5で絶賛活躍中の火炎放射器持ちが、バーサークした悲劇の瞬間。

[20.91]により、バーサークした兵士は「Infiltrationの手順をすっ飛ばして自動的に白兵戦を行う」とあるので、この場合は火炎放射器を持ったままCCすることになるはず(火炎放射器を放棄する手順がスキップされる)。

するとどうなるのか?
白兵戦ほぼ最弱の火炎放射器持ち(しかもPIN状態)はCCで負け、相手に火炎放射器を献上するのである。
なんということか。




今回の疑問点としては、「PIN状態ではない兵士にHeroカードを使用して、火力倍化の効果のみ受けることが可能か」というところ。

疑問を持つ理由: 対オーバーラン能力[10.44]に関しては「Regardless of whether or not it is used to rally a pinned man」とあるが、火力倍化能力[10.45]に関してはその記述がない。PIN状態の兵士がいないグループに、(手札とデッキを回転させる目的で)Rallyカードを使用してはならないという明確化がある。

とりあえずの解釈: [10.44]がPIN状態ではない兵士への使用を認めているのだから、[10.45]で認めても良いのでは?

追記
明確化で解決しました。いずれかの効果(回復や火力倍化を含む)を発動できる状態ならば、カードを使用できるそうです。ただし、まったく効果を発動できない(あるいはしない)状況では使用できないとのこと。

Sekigahara (GMT Games)「フォートレスアイヅ」

超久しぶりなので、何がなにやら。

ちなみに今回も、2版のセットアップでやりました。
スクリーンショット 2024-10-20 213459
初版のセットアップだと上杉のユニットが2個少なく(家紋3と鉄砲、図は2版)、序盤の奇襲でかっ飛ばされる事故が発生しやすいのでご注意を。
伊達も脆弱といえば脆弱だけど、上杉と比較して失うものが少なく、クランとしてのユニット数が多いので・・・。

あと今回の気づきとしては、西軍が上田の3ユニットをどう扱うのかが、割と重要かもしれないというところ。
中山道を進んでくる東軍を野戦で受けると損なので、1ユニットをどこかに逃がすわけだけど、北か西かが悩ましい。

どっちに逃がしてもオーバーランで踏まれる可能性はあるが、味方に合流できる可能性がある西と、新潟の占拠を狙える北。
果たしてどちらが良いものか。


もうひとつ、移動に関する質問を受けて気づいたのだけど、このゲームは移動に関する部分がちょっとわかりにくい。
「スタック」や「グループ」などの用語が混在していることや、定義がやや不十分なことが理由にあると思うけど、それこそBGGのフォーラムで繰り返し質問されているので、やっぱり難しい部分なのだろう。


備忘録を兼ねてメモしておくと
・活性化はロケーション単位で行う。活性化コスト(カード)は、活性化したロケーション数に応じて支払う。
・1ロケーションの活性化において複数の移動グループを編成し、それぞれ別な目的地へと移動させても良い(これにより活性化コストが変更されることはない)。
・部隊規模による移動力のペナルティは、ロケーション内のユニット数合計ではなく、それぞれの移動グループの規模に応じて適用される(移動しないユニットは無視する)。
・グループを移動中に分割し、そののちそれぞれを異なる目的地に移動できる。この場合、移動力ペナルティは分割前のグループ規模に応じて適用される。
・強行軍のコストは、強行軍の移動力を使用する瞬間に支払う。つまりグループを分割してそれぞれで強行軍を行う場合、複数枚のカードが必要になる。

ここもテストに出ます。

Up Front (WotC) 「答えを探して」

継続してUp Frontをやっているが、やればやるほど分からない部分が出てきた。
お客様の中に、Up Frontに詳しい方はいらっしゃいますか!


今のところ、もっとも悩んでいるのが地形修正と煙幕の関係。

グループに2枚以上の移動カードがスタックされたら、元の地形に関係なくOpen Groundにいるものと見なされる[5.2]。これを便宜上「見なし平地」とでも呼ぶことにしよう。

たとえばグループにスタックされたカードが下から
[Brush][Move][Move]
の順番であれば、グループは平地にいると見なされ+2の修正が適用される。

これが
[Brush][Move][Move][Move]
の場合、修正値を出すにあたり上から2枚の[Move]カードしか参照しないとあるので[7.2]、これも+2になる(本当はもっと複雑な書き方をしているけれども、この解釈で合ってるはず)。


ここで問題なのが、[Smoke]が絡んだ場合。
[Brush][Move][Smoke][Move]
だとどうよ。
2024-10-16 16.46.37

[Smoke]は直近の地形カードを修正するとあるので[13.23]、「見なし平地」が果たして地形カードであるのかが問題になる。

もっともマニュアルには
[Move][Smoke][Move]
が+1であると明記されているので、おそらく「『見なし平地』は『Open Ground』カードと同等のものである」と考えて間違いないのだろう。

でも待てよ、[Smoke]が修正を与える「見なし平地」は、[7.2]のルールによると、本来であれば地形修正を計算するうえで参照されないことになる。
これはどこかに矛盾がありそうだ。


[7.2]の解釈をいじるのは影響が大きそうなので、ここは「Smokeが地形カードを修正する」という考え方を捨てて、「現在有効な地形より後にプレイされたSmokeは、状況に関わらずすべて計算対象とする」と考えるのが良さそう。
ベテランの方はどう解釈されているのだろうか。


もうひとつ、疑問というほどではないけど[Gully]の処理。
[Gully]から移動する場合、[8.2]に該当する場合を除いて2枚目の[Move]カードが置かれた時点での射撃修正は+1になる(つまり最初に使用されたMoveカードは参照されない)とある[8.22]。

つまり
[Gully][Move][Move]
だと+1

これが[8.2]に該当する場合、つまり[Hill]からの撃ち下ろしであれば[8.22]が適用されなくなるため、通常通り計算して+2になるという理解でいいのだろうか。

[Gully][Move][Move]
で+2。[Hill]からの射撃には+1がつくので、最終的には+3になるということかな。

筋は通った計算なので、間違いではないと思うけど・・・。


まあ、マニュアルやらBGGのフォーラムやらを読んだだけでの解釈なので、どこか間違っていたり公式の補足が出ていたりするのかもしれない。

Up Front (WotC) 「オーストラリアのその先に」

2024-10-08 15.45.48
大昔にちょっとだけプレイして、そのときはよく理解できなかったけど、今やるとめちゃくちゃ面白いですね。
ここに至るまでいろいろなドラマがあったので、どこかでまとめられたらいいなと思いつつ、精進していきたいと思います。

この世代のゲームにしてはルールブックが良くできていると思いますが、それでも分からないことがポロポロ出てきたので、同じレベルで悩んでいる人がいるかは不明ですが、BGGのフォーラムで解決したことを共有。


鉄条網は拒否できるの?
できないよ。でも通常の地形カードと同時にプレゼントしたとき、地形が拒否された結果として、鉄条網を配置できない地形(たとえば湿地)に鉄条網が置かれることになってしまう場合、鉄条網は除去されるよ。
つまり、手順としては先にすべての捨て札の配置先を決めてから、個々のカードの処理を行うよ。

捨て札の制限内であれば、鉄条網を同時に複数置けるの?
オッケッケーだよ。

湿地とかじゃなくても、移動カードを複数枚連続して使用していいの?
ええよ。でも2枚目の移動カードが置かれたら、元の地形のTEMは適用されなくなるよ。移動カードのペナルティは、置かれた分だけ適用されるよ。新たな地形カードが置かれるまで、元の地形カードと移動カードは取り除かれないよ。

側面射撃の火力半減と倍化は、どう適用する?
端数を処理せずに半減と倍化を計算して、最後に端数を切り捨てるよ。


またやる

MBT (GMT Games) 「ルールは多いがプレイは簡単」

昨年度のセールで購入したMBTを、ようやくプレイできました。

車両は1両、歩兵は1個分隊レベルの解像度の戦術級。
冷戦期なので第2〜3世代のMBTがメインとなっているが、IFVやAPCなんかも入っている。
WWIIの感覚で見ると命中率と貫通率が高く、1000メーター以上の距離から割と簡単に撃破される感じ。
ゆえにエンゲージすると、互いにボロボロとユニットが脱落していく。

ただし複合装甲と反応装甲の評価は高く、これらを装備している戦車にHEATや対戦車ミサイルは効きが悪い。
HESHはもうあまり使われなくなった時期のようだ。

2024-09-28 17.43.43
システムとしては比較的シンプルで、LOSの判定にも厄介さがない。

これは非常に面白い作品じゃないだろうか。
プレイ時間と複雑さのバランスが良く、派手な戦車戦を体験できる。

「イニシアティブの争奪がゲームの勝敗に決定的な影響を与える」という意見もあるようだが、そもそもそういう事態にならないようにユニットを側面機動させ、煙幕を展開し、砲撃で制圧するテクニックを競うゲームなのではないか。

ただしマニュアルはちょっと熟成が足りず、実際に動かしてみるとあちこち疑問点が出てくる。

たとえば川は高度レベル-1だけど、橋がかかっている場合は、橋の上は高度0になる。
じゃあ歩兵が橋の下に潜り込むことが可能なのか・・・つまり川岸を伝って橋梁ヘクスへ進入し、あるいは通過することはできるのか? そういう記述はまるっと抜け落ちている。

分量が1.2倍くらいになってもいいから、もう少しシークエンスから丁寧に説明して欲しかったところ。

なお戦車のレーティングなどは同一システムであるPanzerの延長線上にあるようなので、ちょっと工夫すればたぶん連結が可能。
ヨソでも書いたが、バルジの戦場にタイムスリップしたM1がパンターと戦うシナリオなんてどうだろう。

Air & Armor: Wurzburg (Compass Games) 「紙の圧力」

DSE版の『Air & Armor』やりました。

本体マニュアルは英文148ページありますが、導入シナリオであれば100ページ程度の読み込みでプレイできます。
物量としては前代未聞ですが、まあ対応可能な内容かなと思います。

2024-08-25 13.03.38
シュバインフルト方面から突破を図る東ドイツ機械化師団に、米軍の1個連隊が当たる構え。
WP側が手堅く進軍するとNATO側が反撃する余地はほとんどないので、MLRSの対砲兵射撃が東ドイツの牽引砲に降り注ぐ程度。

シュバインフルト側面は開けており、防御できる地形がほとんどない。

2024-08-25 17.06.41
射程10程度の自走砲(牽引砲)は見つかった瞬間に砲弾か爆弾が降ってくるので、位置取りがけっこう難しいですね。

またやりたいけど、このマニュアルを読んででも対戦したいという人は、ダイヤモンドより稀少。

Downfall: Conquest of the Third Reich (GMT Games) 「終わらない祭り」

久しぶりにやりました。

スターリングラード陥落直前からの時期を、『Battle for Germany』方式のスプリットサイドコマンドシステムでやる戦略級。
ユニットの除去が永久的なので、割と緊張感のあるプレイが特徴かと思います。

だいぶ感覚が戻ってきたので、1ターン2時間とはいかないけど、3時間くらいまでは圧縮できそうな印象。

2024-07-15 17.06.40
なんだかんだ言って、序盤はOKHも強力なので我慢のとき。
(西側のバルチザンが置かれているのは、マーカーの代わり)

2024-07-15 17.46.19
初手でタラント強襲の連合。イタリア南部の部隊が切り離されてしまうので、アフリカからの航空支援が届かないことを除けば、いいプランだと思いました。

2024-07-15 17.46.22
アフリカに取り残されたイタリアの守備隊が、頑張っていた(というより後回しにされていた)。

2024-07-15 17.46.33
こうなるとドイツは厳しい。ベルリンさえご安全ならヨシの方針しかなさそう。

Wild Blue Yonder (GMT Games)「そして夜がやってくる」

久しぶりにWild Blue Yonderやりました。

航空戦カードゲームであるDown in Flamesの樹に生えている枝の1つ。
DVG系統に比べると、ドッグファイト自体は簡略化されていますが、より大規模な編隊を動かしやすく、キャンペーンに適している印象。

DiFの面白さは複数ミッションから構成され、細かなリソース管理をやるキャンペーンが白眉だと思っているので、これはけっこう好きな調整かも。


まずは4ミッションから構成される「ロンメルの攻勢」から。
基本は枢軸が攻撃側ですが、ミッションによっては連合が攻撃側になることもあり変化がある。

2024-06-16 13.12.43
枢軸側がJu 52で要人輸送をやるスペシャルミッション。
要撃機のハリケーンが護衛のBf110に捕捉されて終了。
これ、護衛機が全滅しても輸送機側が逃げ切れれば収支プラスになるので、迎撃側がちょっと厳しいのでは?(戦闘機の戦力評価を見るとほぼ同一なので、連合側にもう1機いてもいいと思う)

2024-06-16 12.38.15
アフリカ軍団を襲うブレニムの群れ。

対空砲があてにならないので、これも迎撃側がしんどい。
どっちが攻撃側を引くかに勝敗が依存している気もするけど、これはこれで大変楽しいシナリオじゃないでしょうか。

ちなみに、護衛機でBf110が出るときは、爆装させてもいいかも。スツーカより頑丈で対空砲火の被害を受けにくく、いざとなったら機銃掃射もやれる子なので戦力として期待できる。


続いて、写真はないけど第8空軍とBCがドイツ本土を爆撃する「ベルリンの戦い」。
複合キャンペーンだと夜戦と昼戦を交互にやる面白いシナリオです。

連合側はいずれも重爆編成で、昼戦だとガッチリ護衛がついてるけど、夜間は駆逐機がパラパラと出る程度。
対するドイツ側は、昼だろうが夜だろうが濃密に迎撃機を飛ばしてくる。
ただしミッションの飛行時間が長いため、戦闘機はしっかりローテーションを組まなければならない。

また、防御射撃が強いB-17の編隊に対しては、しっかり手札を厳選してから一撃離脱を仕掛けたいところだけど、戦闘機は滞空時間が短いので、そうもいっていられないのが難しいところ。

ただし都市部の対空砲火は圧倒的で、B-17であってもスイスチーズみたいに穴だらけになる。
互いに重火力で手数が多いため、エンジン直撃のようなクリティカルが出やすいのも特徴じゃないだろうか。

次あたりはソ連機を使ってみたいっすね〜。

2024-06-17 11.03.20
さすが2000馬力スーパーチャージャー装備。パワーは正義。あと、めちゃくちゃ頑丈。
ゲームとしての評価は、ターボチャージャーと水メタノール噴射装置装備になっとります。

2024-06-17 11.09.00
もうこれ、まともに空戦するより爆装させた方がよくない? とまで言われたBf110(史実しぐさ)。
旋回機銃がついてるので、不利なポジションに食いつかれてもなんとかなる。

戦闘機であれ、投弾して無事に帰ればボーナス得点がもらえるので狙ってみたいところだけど、護衛対象が脆弱極まるスツーカなので、そっちをどう守るのかが問題だったりする。



それにしても、ルールに習熟してきたことでかえって細部に不明点が出てきた。
改めて、BGGのフォーラムにダイブしてみたいと思う。

Iron, Blood, Snow & Mud (PHALANX) 「やられたらそれまでの緊張感」

2024-06-04 16.15.38
44年末までやる、比較カジュアルな独ソ戦キャンペーン。デザイナーさんはイタリアの方でしょうか。

ダイヤモンドゲームのような、味方のユニットを飛び越して行う戦略移動に特徴があり、大変に面白いシステムかと思います。

しかし、マニュアルを読んで大変驚いたのですが、なんとドイツには補充も増援も来ない。つまり初期戦力だけで最後までやって、エリミネートされたらそれっきりというルールになっています。

ソ連はボチボチと増援が来ますが、こちらもユニットが破壊されたら永久除去。登場ユニット総数ではドイツ軍を上回りますが、開始時のユニット数に傾斜があるため各個撃破を食らいやすく、最後まで数的優位を得るのは難しい印象でした。

もっとも、ドイツ側も勝利のためにはスターリングラードまで押し込む必要があるため、44年終了のキャンペーンというより、43年のスターリングラード戦からクルスク戦あたりまでをやっている感覚に近いかもしれません。

歴史再現性という意味ではいささかファンタジーですが、替えのきかないユニットの喪失リスクと前進を天秤にかける要素が、実に面白い作品ですね。機会がありましたらまた。



本日のワンモア

2024-06-04 17.19.01

Rommel's War (Worthington)
ユニットの戦力が秘匿されるブロックゲームなのですが、なんと戦闘にランダム要素がない!

互いに2スタックを動かし、戦闘が発生したら戦力を比較。1戦力でも大きい側が勝利して、敗北側は1ユニットを失う。基本はこれを繰り返すだけ。

なんでこれだけのルールで、こんなに面白いのか。
かなりアブストラクト寄りのメカニズムながら、動かしてみるとちゃんとアフリカ戦になっているという、あらゆる意味において衝撃的な作品でもあります。

いつも通り素晴らしいデザインのコンポーネントですが、その分お値段も素晴らしいのが・・・

Oceans of Fire (Compass Games)「無線綴じルールブック」

これは難しい。

マニュアルが英文100ページ。たぶん日本語であったとしても、読んだはしから内容を忘れていく物量であることは間違いない。

ここまでモンスター化した理由は簡単で、例外処理の多い複雑なメカニズムを採用しているから。

ヨソでも書いたが、こうなったのは「手番プレーヤーの作戦規模や詳細な目標が不明であるなか、リアクションの決断を迫られる」という状況の再現を目指しているからじゃないだろうか。

手番側の移動に対して、非手番側のリアクションが随時差し込まれるため、なかなかに手間がかかる仕組みとなっている。

逆に外交や生産、戦略戦闘といった部分に関しては驚くほどにシンプルで、複雑に絡み合ったユニット活性化とリアクションの解説に、ルールのほとんどが費やされている感じだ。

ただしルールブックに詳細な索引はなく、複数の用語を類似の意味で使用するなど、やや整理されていないように思える点も多い。

ルールの細かさと比較して大胆に処理されている部分もあり、ダイスロール一発で成否が判定されるリアクションや、出目が事故ると壊滅的な惨事になりかねない戦闘ルールなど、けっこうドキドキする部分があったりする。

ルールの習熟度を高めて、もう一度再挑戦するという話になりましたので、いずれまた次回に。



2024-05-06 11.25.08
導入シナリオの『ソロモン』をやるぜおー、ということで、セットアップに1時間半。導入とは?

2024-05-06 15.46.43
「どう見ても、戦力的には日本側がやや不利では?」という下馬評からの大海戦。
瑞鶴の喪失と引き換えにエンタープライズ沈没、サラトガとワスプが発艦不能という結果になったので、日本側のエリート搭乗員と、ここ一発のダイスロールは怖いよねという話になりました。

The Halls of Montezuma (GMT Games) 「古いゲームの新しい面白さ」

ファーストタッチはいまいちだったけど、10年寝かせたらどうなるだろうかシリーズ。
米墨戦争カードドリブンの『The Halls of Montezuma』になります。

当時封印した理由としては、
・システムが複雑
・何をどうすればいいのかわかりにくい
・ドローやロールによる振れ幅が大きい

というあたりですが、いま改めて見るとそんなに複雑ではないですね。
ゲームの流れがだいたい掴めたことで、作戦的な理解も進みました。
まあ、振れ幅が大きいのはその通りかと思いますが、プレイ時間がさほど長くない手軽なタイトルなので、問題がないように思います。

言い方は悪いですが、この程度の軽さのゲームであれば、多少荒っぽいくらいの味付けがマッチしているかと思います。

2024-02-23 11.26.11
序盤の様子。
アメリカ側は早期開戦のペナルティ払ってでも、さっさと宣戦布告するのがよさそう。
小規模の部隊をアルタカリフォルニアとソノラ州、西海岸の制圧に送り出し、軍編成したスタックで中部の都市群を占領するのが基本じゃないでしょうか。

2024-02-23 11.26.15
亡命していたサンタ・アナが帰還して軍スタックを編成。
米軍のスコットによる強襲上陸が中盤のハイライトですが、サンタ・アナ軍にぶつかるといかにスコットでも危うい感じですね。
フォートブラウンの本軍と連携して、サンタ・アナの動きを止めないといけない。
橋頭保から追い出されると補給切れになるので、上陸地点に塹壕を構築して、退却拒否できるようにしておくことも重要かと思います。


でも、そうと分かっていれば次からはスムーズにプレイできるはず。


想像以上に好感触だったので、また機会があれば稼働させたいと思います。
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