書き逃げ旅団

兵は詭道なり

■対戦ロスター■
Tank Duel (GMT Games)
Wild Blue Yonder (GMT Games)

和訳に関するご意見等は、各エントリのコメント
またはMustAttackの「OK303」宛に頂けますと幸いです。

Seas of Thunder (GMT Games) 「神は細部に宿る」

WWIIの海における戦いを、グローバルレベルで再現した作品。

シミュレーションモデルとしては、少し違和感をおぼえるところがないわけではないですが、そういうところをひっくるめてとても気に入りました。

ただし相応に時間がかかるタイトルなので、レジュームしながらプレイすることになるでしょうか。

ジップロックを大量に用意しておいて、港ごとに停泊艦艇をまとめて放り込めば良いかなと思います。

個人的に気になるのは、やはりマニュアルが少し分かりにくいこと。
シークエンスについて、シナリオの詳細を読んで、はじめて理解できる部分があったりします。


あと、ノルウェー参戦時のユニットですけど、これはどこにどう置いたらいいんですかね?
何か見落としてる気がしないでもないですが。

2023-05-26 11.37.55
マップが反るので重しが乗っています。
連合側はユニットが多すぎて途中から細かい部分がどうでも良くなってきますが、マイクロマネジメントも効きそうなデザインです。

Manifest Destiny (GMT Games) 「明白なる何か」

2023-05-21 14.35.15
「2008年の作品でして」と連呼していましたが2005年でした。
建国からから現代までのアメリカを舞台に、経済帝国を築くお話。

正直なところ、もっと荒っぽい感じかと思っていましたが、ちゃんと面白い経済マルチでございます。
原則として5人用ですが、4人でも破綻なく成立するかと。

2023-05-21 14.44.20
個人的にはもうちょっと生産のペイアウトの比率を大きくした方が好みですが、これはこれで。
最適なタイミングで最適なカードを引くことがもっとも強いムーブなので、カードドローにコストをかける戦略がいいかもですね。
次は試してみよう。

Brotherhood & Unity (Compass Games) 「サラエボの攻防」

GWだけど、家族をほっぽって(あるいはほっぽとかれて)ゲームをやるよシリーズ。
3時間ちょいで完走できる3人用ボスニア紛争マルチ『Brotherhood & Unity』をプレイしました。

比較的簡易なCDGなんですけど、各陣営の戦力が完全に非対称で、盤面の状況を見ながらプレーヤー間で展開を調整していく部分が面白いかと思います。

具体的には、

  • 序盤は圧倒的なコマ数と戦力で、盤上を覆い尽くしていくセルビア
  • 滅亡寸前の序盤から、中盤以降はセルビアを駆逐していく立ち上がりを見せるボシュニャク
  • 戦力規模は小さいながら、両者の激突を横目に漁夫の利を狙える位置にいるクロアチア

といった感じ。


毎回、プレイするごとに展開が大きく変わるのですが、やはりボシュニャクが国連の人道回廊をどこに設置するかの影響が強いと感じました。
セルビアの権益が強い場所に人道回廊を設置すると、国連軍の駐留でエリアの攻略が事実上不可能になるため、セルビアとしては代わりに点数を稼ぐ手段としてサラエボに行かざるを得なくなるわけです。
サラエボはボシュニャク最大の得点源なので、これは大いなるジレンマです。

かといって、人道回廊を設置せずにほっといても切り取られるのはどうせボシュニャクの権益なので、どうするかが悩ましいところ。

逆にセルビアとしては人道回廊の設置場所を見ながら、サラエボ奪取での勝ち抜けを狙うのか、サラエボの包囲部隊を引っこ抜いてその他地域の支配を盤石にしていくのか、選択を求められるところではないでしょうか。


スクリーンショット 2023-05-06 080745
ゴラジュデに人道回廊を設置すると、後半になって南側から迂回してサラエボへのルート「2」に攻勢をかける手段がなくなるため、セルビアは守りやすくなりますね。
これはちょっと盲点でした。


またいずれ。

Saigon 75 (Nuts! Publishing) 「バランスとは」

73年からやるベトナム戦。
最終的にサイゴンを支配している側が勝利するのですが、南側が物凄い勢いで自壊していくため、なかなかにダイナミックに進んでいきます。

いろいろ書きたいことはありますが、まずはしっかり紙でレビューさせてください。


2023-05-02 12.56.54
マップはよくある感じ。


2023-05-02 12.57.00
サイゴンに集結する海兵隊。あとから考えると、バラしといた方が良かったですね。


2023-05-02 14.08.14
箱のすみっこの方にペラッと入っていた1枚の紙が、実は超重要であった。
な、なんで?

The Fall Of The Third Reich (Compass Games) 「忘れないうちにもう1回」

ジャケ買いしたら面白かった! の本作を久しぶりにプレイいたしました。

1943年のハスキー作戦/クルスク戦から始まるフルマップ2枚のETOですけど、意外に展開が早いですね。
補給ルールが厳しく、戦闘のためにユニットを活性化できる範囲が限られているのと、西部戦線は1944年の上陸作戦まで大きな動きがない、というのが主な理由でしょうか。

それでも各戦線のバランスを見ながらユニットを采配していく必要がある枢軸側は、それなりに大変との印象を受けました。
ちなみに前回のプレイは2年前でしたが、案の定、さっぱり覚えていません。


2023-04-30 16.13.54
イタリアが降伏するも、本気を出したドイツの前に停滞する連合軍。
しかし、D-DAY対応と間近に迫ったドラグーン作戦のため、ここから半数のドイツ軍は引っこ抜かれることに。

2023-04-30 16.14.02
+3以上の戦力差があれば、即座にぶん殴る節操のないソ連に対し、出血しつつも突破だけはさせないドイツ。

2023-04-30 16.53.59
やってきましたノルマンディー。
しかしこれ、マルベリーをどこに設置するかは難しい問題ですね。

スクリーンショット 2023-05-01 200525
「横断禁止ラインがないから、1814と1914は直接通過できるのか?」問題。
冷静に考えると、ダメな気がしますね。
明らかに海ヘクスサイドなのにライン引いてない例が多いので、どういう基準なのかは不明。


いやしかし、改めてプレイすると面白いですね。
もっとやりたい。
これと『Stalin's War』を悪魔合体させたような『Festung Europa』という作品もあることですし、またいずれ。

Lincoln (PSC Games) 「名作の復活」

2023-04-24 12.30.41
ワレス先生のデッキデストラクションゲーム、『Lincoln』をやりました。

「デッキデストラクション」という言葉はおそらく遊戯王カードゲームが発祥ですが、攻撃により相手のデッキを破壊していくのではなく、アクションコスト支払いのためにプレーヤーが自身のデッキを能動的にぶっ壊していくというメカニズムは、おそらく本作が最初じゃないでしょうか(スターウォーズCCGというご指摘が)。

バランス以外はほぼ完ぺきな作品だと思いますけど、ワレス先生推奨の調整オプションを入れたら機能していたので、まあこれは完璧な作品ですこと。

ちなみに今回入れたオプションは、3つあるうちの「1デッキ目の北軍VPノルマを1点にする」というもの。


北軍は海上封鎖で1点を確実に取れるため、あとは防御的なスタンスでなんとかなります。
High Groundと戦闘補正3以上のカードが手札にあれば、マップ上の戦力の額面を注視しているだけで済むので、これは十分にチャンスがあるかと。


その他における北軍の指針としては、

  • 戦力2や3のコマを多少失ってもなんとかなるので、ユニットのバランス構成よりは戦力値を積むことを重視。
  • 逆に南軍の2か3のコマを確定で削れるときは、ヨーロッパの動向に注意しつつ、負けてもいいから戦闘を仕掛ける
  • ワシントンが安全になったら、常に海上強襲を意識する。

というところでしょうか。
やはりこれは、歴史に残るゲーム。

Downfall of the Third Reich (Do it Games) 「これは良いETO」

同一システムでWWIとWWIIをやるというシリーズ作品のWWII側ですが、これはいいですね。
相変わらずマニュアルが不明瞭というのはありますが、かなり素性の良さを感じさせるシステムに仕上がっています。
これでバランスも良好であることが確認されれば、新たな佳作の登場ということになりますでしょうか。

テックツリーをどう構築していくかで、プレイ体験に差をつける発想は『The World at War: Europe』と同じですが、あちらもあちらでルールの完成度はストライクのOSだったので、いろいろままならないものであります。


個人的には、こちらのサマリーを併用するのを原則として、プレイの例まで読み込むことをオススメします。
例にしか出てこないルールがありますので。


まあ、注意すべき点はいくつかありますが、以下を抑えておけば問題ないのではないでしょうか。

  • プレーヤーは手番中に任意のアクションを任意の順番で実施できるが、いったん戦闘解決を行うと、以降はSUの消費(つまりユニットの活性化)を行うことができない。
  • 複数のエリアで戦闘を実施する場合は、先に活性化したユニットの移動をすべて完了させてから、まとめて戦闘のみ解決する。
  • アクションには、コストを必要とするもの(規定のアクション回数を消費するもの)としないものがあり、その区別はプレイヤーエイドにしか書いていない。
  • 戦闘時の地形は、戦闘が実施されるエリアのものを参照する。河川や要塞線は、「エリアの境界線上」ではなくいずれかのエリアに内接するように書かれているので、横断する方向に応じて地形効果が適用されるかどうかが異なる。


以下は謎の部分。

補給の判定はいつ行う?
SUや補充を与える際は随時、あとは手番の終了時ですかね?

補給が切れるとどうなる?
「移動できない」とは書いてありますが、「SUを与えて活性化できない」の方が正しい気がします。

国家降伏時のエリア支配の変更
フランスが降伏した場合、フランスエリアの支配が枢軸側に変更されますが、イギリス軍がいるエリアに関しては連合側支配のままとなります(フォーラム確認済)。
では、フランス領北アフリカにイギリスがユニットを送り込んでいた場合、そのエリアの支配はどうなるのか? という話(上陸作戦をせずアフリカに米軍を送り込むという、バグが発生する)。

これはルール的に想定されていないと推測されるので、「そんなことしちゃだめですよ」と言うほかない気がします。


2023-04-21 14.02.15
1941年春。バルバロッサ・・・なんですか、それ?

2023-04-21 15.26.06
からの、1ターンでこの有様。

2023-04-21 17.16.05
数で押しつぶしにかかるソ連。
44年ですか? いいえ、42年です。


2023-04-21 17.16.09
ノルマンディになんか来た!

2023-04-21 17.16.12
シシリーにもなんか来た!


フォーラムを見ると「連合側がちょっと有利じゃない?」と言っている人が多いですけど、その点は同意。
1942年の後半には上陸作戦の準備が整うし、それをシシリーじゃなくてフランスに投入することもできる。

ここから先は検証が必要ですが、44年にはドイツ本国に食い込まれるペースになりそう。
でも増援が湧いてくる補給エリアから敵を排除するのは、相当に大変そうですが。

No Retreat!: The North African Front (GMT Games) 「日本語版がやってくる」

こちらは最新のIED版ではなく、GMT版になります念のため。

2023-04-18 15.06.30
マップ5のエルアラメインとハルファヤ峠に、地雷原を作って引きこもる枢軸側。
モンティが来るまでは英軍の苦しい時間で、なかなか2:1以上の比率を立てることができません。

ちなみに連合側にもどっさり地雷がありますが、一瞬だけマップ5完全制圧の目があったため、大量の補給を消費して作っていた模様。

無敵のDAKと言えどもカウンターブローを駆使すればちょっとずつ削れますが、うっかり枢軸側の反撃でDSとかDWとかもらうと戦線が崩壊するので、リスクを取るのかが悩ましいところ。

ここを抜けてマップ4に入ると数がモノを言う地形なので、トブルクまでは一直線という感じでしょうか。


ところでIED版とGMT版をざっくり比較しましたが、違いが(仮にあるとしても)分かりませんでした。
エラッタを訂正したレベルじゃないかなと思いますが、どうでしょう。

Monty’s Gamble: Market-Garden (MMP) 「誰のギャンブル?」

裏モンティこと、「Fortress Holland: 1940」ヴァリアントやりました。

ver2.0から追加されたシナリオで、同じマップを使いつつ専用のユニットセットでドイツのオランダ侵攻をやる話。

まあ実際に使うのはマップの3/4、ユニット数もおよそ3/4、ターン数も3/4、ついでに言えばルール分量も3/4なので(使用しないルールが多い)、だいぶカジュアルな感じでしょうか。
「表」に飽きた上級者向けと言うよりは、エントリー向けといった構成です。

VASSALモジュールは対応してないしBGGで話題にしている人もいないので、半ば忘れられた子なんじゃないかという気はします。
でも、きちんと盛り上がる部分があって、なかなかに面白いシナリオでした。

2023-04-16 10.07.57
ドイツによるナイメーヘン突入から幕を開ける。

橋の爆破はシナリオ開始時のみ行い、その後の爆破や修理は行えません。
どこの橋が吹き飛ぶかで、だいぶ展開が変わってくる印象。

2023-04-16 12.08.23
エリア49を支配すればおよそドイツ側の勝ちですが、割と余裕を持って受け流されたの図。
3ターンしかないので、いかにオーバーランの形を作るかが重要ですね。


2023-04-16 15.58.03
仕切りなおしての再戦。
ドイツ側の敗北かと思われた瞬間、最後の部隊を載せた装甲列車が突っ込む。
しかし、ほぼヒラでの振り合いに失敗し、またしてもドイツの敗北となったのでした。

Pacific War (GMT) 「謎が謎を呼ぶ」

2023-04-09 14.53.33
プレイしました。

プレイしましたというより、きちんとプレイできる技量があるかどうか、並べてみて検討しました。
シナリオはキャンペーンCS2「フィリピン」ですね。

あらかじめお断りしておきますと、はじめてさわったので細部が良く分かりません。
誤解している点があるかもしれないので、そこのところはお含みおきを。


さて・・・結論から申しますと、これはかなり難解ですね。
コアルールを読んだのですが、とにかくマニュアルの記述が足らず、正しい手順がつかめません。
旧作のベテランならば理解できる話なのかもしれませんが、いったいどうしたものなのか。


例を挙げますと、[23.4]のコンタクトフェイズの終了に関して。
マニュアルに記載されている終了条件は、理解が正しければ

  • オペレーションプレーヤーはいつでも海上移動の終了を宣言できる
  • 相手にオペレーションプレーヤーの権利を渡すことで、活性化の終了を宣言できる
  • リアクションプレーヤーによるタスクフォースの発見
  • ペナルティによる活性化の終了

の4つ。
じゃあオペレーションプレーヤーが航空部隊だけを活性化した場合、どうやってコンタクトフェイズを終了させるの? という話であります。

これは本来であれば、

  • オペレーションプレーヤーは、いつでもコンタクトフェイズにおけるユニット移動の終了を宣言できる
  • リアクションプレーヤーによるユニット移動の発見

とすべきなんじゃないでしょうかね。


もうひとつ、偵察のルールもいまいちピンときません。
航空機により能動的に陸上ユニットや基地を偵察するルールがなく、結果として航空攻撃やスイープの的にしない限り、情報を取ることができません。
コンタクトフェイズにLRAで基地偵察かけるルールがあっても良い気がするのですが、どうなんでしょう。

潜水艦によるパトロールエリアの設置も特に規定がないので、東京湾だろうが瀬戸内海だろうが設置(しようと思えば)できるように読めます。

2023-04-09 14.53.38
躊躇なくパラオに潜水艦を配置する米軍。

フィリピンシナリオにも、腑に落ちない点があります。
1回目のバトルサイクル中に米軍がCAPを上げられないルール(おそらく奇襲を表したもの)がありますが、これって米軍が全部の航空を日本側の手が届かない(空母を除く)ダバオあたりの後方に配置したらどうするんでしょう?


このシナリオには工兵がいないので、いつまでたっても日本側の制空権がフィリピン内部に及ばない・・・という理解で合っていますよね?

2023-04-09 15.36.43

ダバオをパラオの重巡で砲撃する?
それもいいですけど、1ステップでも残ってしまうとミンダナオに上陸した部隊がリンクを切られて孤立することになります。

どうしたものか。

ただ、ゲームとしての手触りは非常に良く、メカニズムさえきちんと理解できれば相当に楽しめる印象を受けました。
しばらくマニュアルを読みこんだうえで、再度チャレンジしてみたいと思います。


スクリーンショット 2023-04-09 194314
言いたいことは分かりますが、間違えすぎ。

Downfall of Empires (Do it games) 「WW1の新風」

やってきましたスペイン産のWW1戦略級。

おそらくは2人ベストなんですが、4人(ドイツ、英仏、ロシア、オーストリア・ハンガリーの4陣営)でやっても互いに勝利を争える構造になっているのが興味深いところ。
ロシアなんて、国として降伏しても勝利の可能性があるように設定されているあたり、なかなかに面白いデザインかと思います。

ゲームとしてはシンプルで、3時間とはいかないですが4時間で終わるんじゃないでしょうか。

2023-04-06 16.32.07
戦車や航空機といった技術開発で、戦況を動かすようになっている点が特徴かと。
大軍を一気にぶつけて敵に補充能力を上回る出血を強いるようにしていくのが基本戦略なんですが、そのまま塹壕に突っ込んでも負けるので、まずはテクノロジーで優位に立つようにするわけです。

ちなみに戦車は塹壕を無効化するので、戦車が出るとコストのかかる塹壕なんか作らなくなります。

2023-04-06 14.48.02
互いに1d6して戦力値を加算し、その大小で勝敗を判定するシステムなので、ドイツ軍ユニットの戦力優越がなにげに強く効いています。

2023-04-06 14.48.06
スッカスカの東部戦線。
ロシアを追い落とすためには、ドイツもそれなりにコミットしなければならないので、西部戦線とのバランスが大変ですね。
協商国は協商国で、南部のイタリアをどう防衛するかという大問題が。

2023-04-06 14.48.10
トルコが参戦したので、教科書通りガリポリに上陸したらボコボコにされました。
これもう、やらない方がいいのでは?

とても面白いタイトルですが、マニュアルの記述が弱いので、こちらのアンオフィシャルルールの併用がオススメ。

No Retreat!: The North African Front (GMT Games) 「同じルールではありません」

No Retreat2祭り開催。

No Rerteat!(初代)とはそれなりに違うルールなので、リハビリに手こずりました。
あと、「ここはどう処理するんだったっけ?」と分からなくなってしまったルールもあり、フォーラムに潜ることに。

とりあえず、以下に共有しておきます。

CA、CB時の装甲シフトについて
戦闘によりCAが発生した場合、あるいはCBを実施する場合、防御側へクスの地形シフトは適用されませんが、防御側地形のその他の要素は参照されます。

たとえば、装甲シフトが適用されるかどうか(あるいはトブルク要塞の特殊効果が適用されるか)などは、CBやCAにおいても地形を参照します。

ここ、テストに出ますよ!

[15.2.2]の規定による攻勢失敗時の強制イニシアティブ変更について
攻勢の失敗時にはイニシアティブが強制的に移動してターンの繰り返しになりますが、[15.2.2]の規定は「敵支配下のマップで攻勢を開始した場合のみ」適用されます。

つまり新たなイニシアティブプレーヤーがたとえ攻勢を宣言しなくても、[15.2.2]は適用されず(競合マップでの攻勢開始になるため)ゲームターンの終了手順に移行します。


いずれ役に立つときがくる!(「この先、どうしても困ったときにはこの袋を開けなさい」といいつつ、謎の袋を渡す長老の顔)



2023-04-03 12.07.15
コンパス作戦でイタリア軍を猛追するオコーナー。
この後、チャーチルにごっそり部隊を引っこ抜かれて涙目になることをまだ知らない。

序盤はユニット数が少なくスッカスカなので、割と手際よく進行できますね。


2023-04-03 14.37.10
南方から枢軸軍を突いたイギリス機甲部隊がドイツ2個装甲師団を包囲しますが、イタリア軍の奮戦で無事に包囲を突破。


2023-04-03 16.07.00
88mm砲にボッコボコにやられるイギリス軍。
榴弾くらいは持っていこうよ。





ところで、デザイナー氏は上級ルールの「代替イベント」オプションの導入を推奨していますが、個人的にはカードの価値が強くなりすぎる印象を受けます。
2枚のカードを捨て札にすると1SPを獲得できるルールがあるので、それでいいような気もしますけど。

No Retreat!: The North African Front (GMT Games) 「III号戦車とマゼラアタック」

『No Retreat!: The North African Front』ってすごい不思議なシステムだよね・・・と言い続けてはや10年ですが、いったいどこが変わっているのか、日本語版がアナウンスされたこの機会に簡単にご説明しておきたいと思います。


ゲームには5枚のマップが付属する
なるほど。

ちなみにマップ3のみがハーフマップ相当、残りはクオーターマップ相当のサイズです。
まあ、ここまでは普通の話ですね。

スクリーンショット 2023-04-01 023735
1〜5までのマップで、トリポリからアレキサンドリアまでの海岸線を再現します。


ターンごとに使用するマップは1枚のみ
えっ!?

それぞれのゲームターンでは、最前線となるマップのみ使用します。
つまり本ゲームにおいて、同時に2枚以上のマップを使用することはありません。

スクリーンショット 2023-04-02 061156
よくよく見ると、マップ同士の連結もありません。

「要は北アフリカの戦いって、一次元の綱引きじゃろ? だったら最前線だけフォーカスすればいいんじゃね?」と喝破したパラディス先生が強い。

各ゲームターンにおいてマップの支配を確立した陣営は、次のゲームターンでは1つ先のマップ(連合軍ならトリポリに向かって、枢軸軍ならアレキサンドリアに向かって)を戦場として選択することができます。
新しいゲームターンが開始されたら、前のターンの戦場マップからすべてのユニットをフォースプールに戻し、改めて新しい戦場マップへと配置していくわけです。

かくして、アメリカンフットボールもかくやの、セットプレー式ウォーゲームが爆誕したのでありました。
これね、プレイを途中中断して再開するときは本当に楽なんですよ。
攻撃権(つまりイニシアティブ)の有無が重要なのも、実にアメフトという感じですね。

ちなみに、攻勢に失敗してマップの支配を奪取できなかったときは(競合状態となった場合)どうなるのか。
この場合、攻撃権だけが相手陣営に移動して、同じゲームターンをそのまま繰り返します。

まあこれ、イニシアティブを持っている陣営がやる気のない攻勢を仕掛けることで、時間稼ぎすることを防ぐルールなんですけど、同じゲームターンを複数回繰り返すゲームというのは、ちょっと前代未聞じゃないでしょうか。
個人的には、マゼラトップでマップ侵入して敵の侵攻を防ぐテクニックを思い出しました(わかる人にはわかる・・・といいな)。

No Retreat! (GMT Games) 「セヴァストポリの落としかた」

改めて『No Retreat!』をプレイしていて、「セヴァストポリが非常に落ちにくいのでは?」と話題になったので、いろいろ確認してみました。

たしかに、BGGのフォーラムでも「難しいよね」という話になってますよね。
理由はいくつかあって、

  • ドイツがどう頑張っても、セヴァストポリの要塞化が間に合う。
  • 要塞歩兵は、補給状態に関わらず(!)2ステップ状態にアップグレードできるし、そもそも黒海沿岸だから補給が切れない。
  • DR、DS、DDの戦闘結果を変更し、基本的に退却しない。
  • 3倍の9戦力以上かき集めるのが難しいため、結局は2倍の6戦力でやることになる。

という感じ。

スクリーンショット 2023-03-31 092008
戦闘の成功確率は、もっとも良い条件(ドイツが重砲カード抱えて電撃戦マーカーを突っ込んだ場合)でも1/2といったところ。
カウンターブローからCAが確定したのを見て重砲カードを出せば2/3ですが、ソ連がCAの代わりにDRを出してくる可能性が1/6あります。

スクリーンショット 2023-03-31 092109
重砲カードがないと必然的にカウンターブローで釣り出す必要があり、この場合は初手のCAの成功率が1/4(最終的にEXかDSを取らないといけない)、追撃の成功率が1/2というところであり、総合して1/8あたりじゃないでしょうか(実際はもう少し低いと思う)。

まあ、11ターンまでに重砲カードは複数回引ける可能性があるので、4-4のドイツ歩兵とルーマニア軍を貼り付けておいて、チャンスがあったら1/2のロールを繰り返すというやり方でも良いかもしれないですね。
ただし、その時点でレニングラードに触っていれば、そちらに重砲を使うのが良い結果になることが多いですけど。

No Retreat! (GMT Games) 「限定補給にご注意」

わけあって『No Retreat!』を再検討中。
今さらながらの気づきがあって、自分でもびっくりしました。

スクリーンショット 2023-03-28 161221
1つはドイツ軍はセヴァストポリを占領しても、補給源として使えないよとの話。
GMT版では都市からマップ端へと伸ばす補給線の向きに制限があるのですが、セヴァストポリはこの制限に引っかかるのですね(図の赤線の部分で海に引っかかってしまう)。
しかもこれ、クリミア半島の限定的なインフラを表すため、意図されたデザインのようです。

「いやいや、海ヘクスサイドを越えていいってマニュアルに書いてあるじゃん」って思うかもしれませんが、ここは定義上、海ヘクスであって海ヘクスサイドではないのですよ・・・。
湖の場合はヘクスサイドもヘクスも越えられるのでややこしいところ。もっとも、湖ヘクスというのはラドガ湖しかないわけですが。

このあたりをハッキリさせるため、かなりの深層までフォーラムに潜りました。
次のリプリントではルールブックの版を上げるようなことを言っているので、
分かりやすくなることを期待します。

あと、VPG版にはたしかノヴォロシースクがなかったはずなので、ちょっと驚きました。
ここからならドイツは補給線をつなげますね。


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