第15回創作自由市場の批評が邦楽と舞踊六月号に掲載されました。

意欲・・・

伝えたい・・・、創りたい・・・、踊りたい・・・、を合い言葉とする若い日本舞踊家の集まりの会、名付けて【創作自由市場】の公演。八作品が並ぶ。
 
 若柳恵華作品『夢』。王朝風の拵えで幸若舞の一節を歌いながら踊る。すべての小道具を帯びに挟むが、一工夫欲しい。
 
 花柳幸舞音作品『ヒノミチ』。濃紫のお揃いの着付。笛と太鼓のリズムを基調として〔盛〕から〔衰〕への変遷を踊る。水木歌寿と藤間朝譽が共演。
 
 花柳大日翠作品『ああ、眠れない・・・』。ぬいぐるみを抱いたパジャマ姿。ガウンを着て居る。眠れない様子をコミカルに表現して面白いが、なぜ眠れないのかまでは・・・。
 
 藤間舞佳作品『春〜浅草オペラ〜』。大正風の衣装、髪型がよく似合う。浅草オペラの二枚目スター・田谷力三の歌に合わせて、オペラ通いの乙女を大らかに踊る。ぴかぴか光るブロマイドは一考を・・・。
 
 休憩後、花柳智寿彦作品『グラスホッパー物語』。高見のっぽの同名の歌使いながら、テンポ良く軽快に踊って快い。
 
 花柳錦翠美・若柳公子作品『天の月・水の月』。しっかりと踊れる二人だけに、やや単調な仕上がりになったのが惜しい。
 
 若見匠祐助作品『おもい』。一鉢の花を愛するホームレスの一日。道に落ちていた女物のハンカチに、ほのかな恋い心を・・・。
 
 左門櫻作品『銀鱗』。産卵のため川を遡上する鮭の一生を・・・踊る。しっかりとした構成と表現力で好作品に仕上がった。

 今回は、とても分かり易い作品が並んだが、かの岡本太郎の言うところの《爆発》も少し欲しい気がする。  (伊和井康介)