上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場

憲法研究者の社会活動の一環として、ブログを開設してみました(2008年4月5日)。 とはいえ、憲法問題全てについて意見を書くわけではありません。 政治問題について書くときがあるかもしれません。 記録として残しておくために、このブログを使用するときがあるかもしれません。 各投稿記事の右下の「拍手」が多いようであれば、調子に乗って投稿するかもしれません。 コメントを書き込まれる方は、カテゴリー「このブログの読み方とコメントの書き込みへの注意」の投稿を読んだ上で、書き込んでください。 皆様のコメントに対する応答の書き込みは直ぐにできないかもしれませんので、予めご了解ください。 ツイッターを始めました(2010年9月3日)。 https://twitter.com/kamiwaki フェイスブックも始めました(2012年7月29日) http://www.facebook.com/hiroshi.kamiwaki.7 かみわき・ひろし

2008年05月

比例代表廃止論は暴論だが、その本音は?

自民党の伊吹文明幹事長が衆院比例代表制の廃止を提案した。
その主張それ自体は反民主的な主張であり、批判されるべきである。
ただ、公明党が反発しているので、本音は別にあるのかもしれない。
少し検討してみました。

1.マスコミの報道
。裡硲5月30日 16時17分
“衆院比例廃止も検討課題”

自民党の伊吹幹事長は記者会見で、少子高齢化社会の進展に伴って、将来、国民に新たな負担を求める際には国会議員もみずから身を削る必要があり、その場合は衆議院の比例代表を廃止し、議員定数を削減することが検討課題になるという認識を示しました。
この中で伊吹幹事長は「これからの少子高齢化社会では、国民にある程度の負担を求めざるをえず、行政のムダも厳しくチェックしなければならない。そのためには国会議員自身も身を削らなければならず、衆議院の比例代表選挙をどうするかは、いちばん大きな問題だ」と述べ、将来、衆議院の比例代表を廃止し、議員定数を削減することが検討課題になるという認識を示しました。
これに対し、公明党の太田代表は記者会見で、「衆議院議員の定数の削減には異論はないが、比例代表を廃止して、すべての議員を小選挙区で選ぶというのはとんでもない。今は選挙制度で民意をどう反映させるかが大事であり、比例代表を基本にすべきだ」と反論しました。

∨萋新聞5月30日1時1分配信

<公明・斉藤氏>自民・伊吹氏の「比例」廃止提案に猛反発

 公明党の斉藤鉄夫政調会長は29日放映されたBS11の「インサイドアウト」に出演し、自民党の伊吹文明幹事長が衆院比例代表制の廃止を提案したことについて、「公明党の選挙協力は要らないというのと同じ意味とも受け取れる。こちらから自公連立政権を離脱することはないが、自民党が必要ないというなら、それなりの対応を考えざるを得ない」と強く反発した。
 公明党の衆院議員は現在31人だが、そのうち23人は比例代表選出で占められている。
 伊吹氏は28日、自民党全国青年部長・青年局長合同会議で「役人に無駄をやめさせるには、政治家が身を切らなければならない。衆院議員は小選挙区の300議席でいい。比例はむしろやめた方がいい」と発言していた。

2.衆議院比例代表制廃止論への批判

,修發修盥駝閏膰△慮桐に基づく議会制民主主義の下では、主権者の民意が正確、公正に議会(国会)に反映されるのが、憲法の要請であろう。
そのような要請を最も充足できる選挙制度は比例代表制である。

△海譴鉾罎戞⊂選挙区制は、民意が多元化している状況で採用すると、各選挙区で民意が切り捨てられ、多大な死票、大政党の過剰代表を生み出している。
その結果として、今の政権のように、「上げ底政権」を生み出すから、小選挙区制は憲法の要請に応えることはできない最悪の選挙制度である。

したがって、衆議院については、小選挙区制を廃止するしかない

い修譴覆里法⊆民党の伊吹文明幹事長が衆議院の比例代表制の廃止を提案したのは、反民主主義的であり、暴論であることは明白である。

ッ噂秕選挙区制の主張は財界の主張である。

経済同友会『わが国「二院制」の改革 ―憲法改正による立法府の構造改革を―』(2005 年5 月20 日)
経済同友会がかねてから主張している通り、衆議院は「完全小選挙区制」への移行を早期に進めるべきである。「中選挙区制」復活論などは論外である。

自民党が財界政治を強行し、構造的な格差社会をつくってきたのは、自民党が実質的には国民政党ではなく、財界政党であるからであるが、自民党の伊吹文明幹事長が衆議院の比例代表制の廃止を主張し、単純小選挙区制への移行を提案したのは財界の意向を反映しているのであろう。

Ц明党が離反することも覚悟し、あるいは、どこまでも公明党は追随してくると確信し、伊吹幹事長は、財界の言うとおり提言したのかもしれない。

3.自民党の伊吹文明幹事長には別の思惑はるのか?

(1)衆議院の比例代表制廃止は本音ではないのではないか!?

,發辰箸癲伊吹幹事長は、衆議院の比例代表制廃止をどこまで本気で提案しているのであろうか、少し気になる。

△箸いΔ里蓮∀⇔政権を組んでいる公明党が反発するのは当然予想できるからだ。
上記紹介報道によると、現に公明党は反発している。

また、単純小選挙区制にしたとき、自民党は小選挙区制で惨敗し、過少代表となる可能性がある。
あえて敗北を覚悟して比例代表制廃止を主張するであろうか?
(もちろん、自民党が大勝利する可能性もあるし、政界再編により自民党議員は生き残る可能性はある。)

(2)本音は別にある!?

,發珪綉の予想が当っているとすれば、伊吹幹事長の本音は別のところにあるのかもしれない。
ひょっとすると、何か思惑があって、あえて公明党の反発を覚悟して提案したのかもしれない。

△修了從任琉譴弔蓮中選挙区制復活論への牽制なのかもしれない!?

公明党は、「3人区の中選挙区制」を主張してきたが、参議院議員通常選挙での敗北後、中選挙区制への復活を主張していた。
朝日新聞2007年08月24日
「衆院は中選挙区制に戻すべき」 公明・太田代表

 公明党の太田代表は24日、衆院の選挙制度について「中選挙区制にすることが非常に大事なことだ」と述べ、中選挙区制を復活させるべきだとの考えを示した。ラジオ番組の中で語った。
 太田氏は、参院選の公明党の敗北は「基本的にとばっちりだ」と述べた上で「政策を勉強し、実績を上げてきたことが、ばんそうこうを張った人が出たら一瞬に吹き飛んでしまう」と指摘。小選挙区ではさらに「風」が選挙結果に影響を与えるとの考えから「小選挙区制は政権交代を可能にするというが、ポピュリズム(大衆迎合)になる」と述べた。
 公明党は99年秋に自自公連立政権に参加する際に中選挙区制の復活を求めており、太田氏の発言はこうした党の考えを改めて強調したものだ。
 一方、太田氏は、民主党との連立を組む可能性については「現時点ではない。自公連立であくまでいこうということは固まっている」と述べた。

また、自民党内には中選挙区制復活論がある。
例えば以下を参照。
http://www.yosano.gr.jp/article/0804tyuou.html
伊吹幹事長はこのような中選挙区制復活論を牽制したかったのかもしれない!?

2つ目の思惑としては、野党共闘への揺さぶりであるのかもしれない!?

民主党は衆議院の比例代表の定数を80削減すると公約している。
民主党『民主党MANIFESTO(マニフェスト)』(2007年7月9日)
国会議員定数の1割以上削減

政権選択が可能な選挙を実現するためには、小選挙区選挙をより重視すべきであり、また、厳しい財政状況を考えても、国会議員には率先して効率化に努めることが求められています。このような観点から、民主党は衆議院の比例議席180中、80議席の削減を提案しており、こうした内容を盛り込んだ「公職選挙法の一部を改正する法律案」
を提出しました。

もし民主党が伊吹幹事長の提案に賛成したり、あるいは衆議院の比例代表制の定数削減で自民党と交渉に乗り出せば、社民党や共産党が反発し、野党共闘は完全に無理となる可能性が高いだろう。

ぃ海通椶了從任箸靴討蓮⊂暖饑芭┐琉き上げの布石なのかもしれない!?

周知のように日本経団連は消費税の引き上げを主張している。
産経新聞5月14日19時4分配信
経団連、基礎年金「全額税方式」を提言 消費税税率は明記せず

 日本経団連は14日、基礎年金を保険料方式から全額を消費税でまかなう「全額税方式」への移行を柱とする社会保障改革に関する提言の中間取りまとめを発表した。今秋にも具体的な消費税率などを盛り込んだ最終提言をまとめる方針。
 提言では、少子高齢化や年金未納問題で現行の社会保障制度が危機的状況にあると指摘。「基礎年金の税方式化は有力な選択肢」とし、抜本改革を訴えた。秋の税制改革論議にあたり、消費税で社会保障費を賄う方向の明確化を求めた。
 このほか、医療・介護保険制度では公費投入の割合を増やすことを求めたほか、少子化対策で児童手当と扶養控除に代わる「子育て税額控除」の新設を求めた。ただ、税方式導入に伴う消費税税率の引き上げ幅や、年金保険料の企業負担のあり方などの制度設計は、秋の最終提言に盛り込むとして明言を避けた。

財界の意向を受けて政府は基礎年金の全額税方式と消費税の引き上げを狙っている。
共同通信2008年5月19日(月)19:21
消費税9・5−18%に 基礎年金「税方式」で政府試算

 政府は19日、公的年金制度の基礎年金部分について現行の「社会保険方式」をやめ、財源をすべて税で賄う「全額税方式」に切り替えた場合、必要となる消費税率は09年度で9・5%、11%、18%−とする3通りの試算を示した。政府として初の将来シミュレーション。家計への影響では、基礎年金相当の保険料がなくなる負担減と、消費税引き上げ分の負担増の「差し引き」を推計。高齢、現役世代とも負担増に。

伊吹幹事長としては、「議員定数の削減をしたくなかったら、消費税率を引き上げざるを得ない」という状況を国会内に作り出すことを狙っているのかもしれない!?

伊吹幹事長は消費税率引き上げ賛成論者のようだ。
日経新聞2008.5.13(15:07)
自民幹事長「年貢増やすのは当たり前」
 自民党の伊吹文明幹事長は13日午前の記者会見で、同党の中川秀直元幹事長が消費税などの増税に反対していることに関連して「(今の時代は)お殿様は国民だ。国民が使っているものに年貢が追いつかない場合は、国民が年貢をもう少し増やすのは当たり前のことだ」と述べ、税金を「年貢」と例えて反論した。


(3)伊吹自民党幹事長は政治音痴!?

^幣紊里茲Δ帽佑┐襪函伊吹幹事長には、別の思惑があるように思えてくる。

△靴し、このような予想は伊吹幹事長の発言を過大評価しているのかもしれない。

そもそも中選挙区復活は財界が許さないだろう。
また、中選挙区復活論は民主党との大連立を目指したものだろうが、大連立構想は昨年の党首会談で失敗しているから、あえて今中選挙区制復活論を牽制する必要があったのか、疑問が生じないこともない。

と耄秣緝柔の定数削減について公明党が反発すれば、自民党は民主党と交渉しづらくなるのではなかろうか。
民主党との交渉が進まなければ、野党共闘がそう簡単に崩れるわけではなさそうだ。

グ某甦柑長の発言を消費税の引き上げとの関連で、私の親友に意見を求めたら、次のような返事が返ってきた。
消費税アップはこういう言い方すると簡単にはできない。[衆議院の比例代表制]廃止ないしは少なくとも定数削減した後でないと[消費税]アップできないわけだから。

確かに、伊吹幹事長の説明の仕方では、逆に、消費税率引き上げが難しくなるのかもしれない

Δ海里茲Δ帽佑┐襪函伊吹幹事長は政治音痴の発言だったのかもしれない。
むしろ、宇宙基本法のように与党と民主党が協力し合うことを監視すべきなのかもしれない。

4.公金を削減するなら、ほかにやるべきことがある!

―圧脹“耄秣緝柔廃止の前提は国民に負担を強いることを前提にしていた。
しかし、弱い立場の国民に負担を強いること自体がオカシイ。
それを止めるべきである。
むしろ、社会的・経済的弱者の生活を守る政治に切り替えるべきである。

△修里燭瓩砲蓮貧富の格差を拡大してきた財界政治を止めるべきである。
大企業の法人税を引き上げ、大企業の経営者など高額所得者の所得税を引き上げるべきだ。

8金の削減を進めるのであれば、真っ先に、年間320億円近い税金が交付される政党助成制度を廃止すべきである。
政党助成は国民の意思を尊重しない上に、政党を国庫に依存させているから、廃止すれば良い。

さ陳后ι議長、国会議員の歳費も引き下げれば良い。
現在、衆参の議長の歳費は月額約218万円、同副議長の歳費は同約159万円、議員の歳費は同約130万円である。
議員定数を減らすのではなく歳費を減らすべきだ。
国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律

第一条  各議院の議長は二百十八万二千円を、副議長は百五十九万三千円を、議員は百三十万千円を、それぞれ歳費月額として受ける。

イ修梁勝軍事費を含めムダを省きべきだ。

五洋建設株主代表訴訟の和解について

五洋建設株主代表訴訟で和解が東京地裁で成立した。
和解内容は、五洋建設が談合への決別を表明するものであり、「談合防止・コンプライアンス検証・提言委員会」(仮称)を設置し、政党の都道府県連に対する政治献金を今後取りやめるということのようだ。
画期的な和解である。
以下、紹介しよう。

1.和解についてのマスコミ報道
時事通信社2008/05/30-16:58

県連への献金廃止で和解=五洋建設株主代表訴訟−東京地裁

 準大手ゼネコン「五洋建設」(東京都文京区)の株主が自民党長崎県連への献金など総額約2億2000万円の返還を現・旧経営陣6人に求めた株主代表訴訟は30日、同社が政党の都道府県連に対する政治献金を廃止することなどを条件に東京地裁(難波孝一裁判長)で和解が成立した。原告側の代理人弁護士によると、裁判上の和解で企業が献金廃止を確約したケースは初めてという。

2.和解条項の紹介

原告側の代理人弁護士から教えてもらった和解条項は以下の通りである。
      和解条項

1 被告らは、利害関係人五洋建設株式会社(以下、「五洋」という。)に対し、連帯して、平成22年6月30日限り、解決金8,800万円を支払う。
2 利害関係人五洋は、既にコンプライアンス委員会、杜内通報制度等の組織や仕組みを設け、独占禁止法遵守マニュアルを改訂し、従業員教育の徹底に努めるとともに、就業規則及び役員規程の改定により違反行為者に対する厳しい制裁規定を設け、入札関係書類の保管を義務付け、それら資料の確認や従業員に対するヒアリングによる社内監査を徹底する等、独占禁止法遵守のために取り得る種々の施策を講じてきたところであるが、今般、本件和解を契機として、改めて独占禁止法違反等の事件の再発防止に向けて、コンプライアンスの推進に全社を挙げて取り組む決意であることを表明し、更なる独占禁止法遵守体制の強化を推進する。その具体的行動として、利害関係人五洋は、同種の事件の再発防止を目的とし、原告の推薦する元公正取引委員会審判官1名を加えた「談合防止コンプライアンス検証・提言委員会」(仮称)を可及的すみやかに設置するものとする。同委員会は、再発防止のための新独占禁止法遵守マニュアルを作成し、おおむね1年を目途に利害関係人五洋に対し提言を行う。利害関係人五洋はその提言を尊重し、実施する。
3 利害関係人五洋は、第1項の金員を下記の費用に充当する。
ア 上記「談合防止コンプライアンス検証・提言委員会」(仮称)費用
イ 入札談合に関する通報制度等を担当する外部の専門家に委嘱する費用
ウ 談合防止のマニュアルの整備のための費用
工 職員の研修プログラムの充実のための費用
オ その他、談合防止を図るため利害関係人五洋が必要と認めた施策のための費用
4 利害関係人五洋は、今後、政党の都道府県支部連合会に対する政治献金及び政党の都道府県支部連合会が開催する政治資金規正法第8条の2所定の政治資金パーティーにかかるパーティー券の購入をしない。
5 原告は、その余の請求を放棄する。
6 原告は、今後、利害関係人五洋の現在及び過去の取締役並びにこれらの相続人に対して、本件和解日以前に生じた事項に基づく株主代表訴訟を提起しない。
7 訴訟費用は各自の負担とする。
                          以上

3.この和解に対する株主オンブズマンと政治資金オンブズマンの態度表明
五洋建設株主代表訴訟の和解にあたって

2008年5月30日

          NPO法人株主オンブズマン 代表 森岡孝二(関西大学教授)
          政治資金オンブズマン  共同代表 上脇博之(神戸学院大学大学院教授)
          原告弁護団(団長 松丸正、同事務局長 阪口徳雄)


1 五洋建設株主代表訴訟の経過 

 (1) (神15年(ワ)第26706号事件(平成15年8月提訴)
当事者 原告 三宅陸郎(元高等学校教諭・現年金生活者)
被告 水野廉平 外3名
◆(神19年(ワ)第32106号事件(平成19年11月追加提訴)
当事者 原告 同
被告 ○○○○ 外1名
 (2) 請求の趣旨
   “鏐靆魄らは、連帯して、自民党長崎県連への平成5年〜13年の政治献金5900万円を会社に返せ。
◆“鏐靆魄らは、連帯して、談合による課徴金1億6342万円を会社に返せ。
 (3) 裁判の経過
    …杭蠍におけるゼネコンの異常な献金額は、
  http://homepage2.nifty.com/~matsuyama/nagasaki.html 参照。
実態については、
  http://homepage2.nifty.com/~matsuyama/0051.html 参照。
   ◆仝取委の記録の文書提出命令
・ 2004(平成16)年4月7日、公取委の記録について提出命令の申立。
・ 公取委は、談合担当者らの供述調書を提出すると今後の審査の遂行に支障が生じるとして反対。
・ 2006(平成18)年2月3日、インカメラのため公取委に文書の提出を命じる(民訴法223条6項)。
・ 公取委が民訴法220条4号ロの該当性について反対。
    ・ 2006(平成18)年9月1日、公取委に対し、文書提出命令。
・ 2007(平成19)年2月16日、東京高裁 決定
・ 2007(平成19)年3月23日、東京高裁 被告不許可決定
・ 公取委の供述調書ようやく開示。この供述調書により長崎県の談合の実態が判明。
・ 五洋建設の独禁法遵守マニュアルについては、
http://kabuombu.sakura.ne.jp/archives/goyou4.pdf 参照。
◆‐攀鯆瓦
    ・ 平成19年12月6日、元長崎営業所所長(政治献金及び談合の担当者)及びそれらを監督する元九州支店長(元取締役)の尋
問。
    ・ 平成20年1月24日、現取締役及び当時のコンプライアンス担当者の尋問。
    ・ 平成20年3月13日、最終準備書面を提出し、終結。
・ 談合に関する最終準備書面は、
http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/folder/1177889.html 参照。
    和解に至る経過
イ 平成19年12月6日、翌年1月24日、一度和解が行われた。
原告側は、
     ・ 役員らは、連帯して、政治献金事件の寄付額(5900万円)及び課徴金1億6342万円を会社に返還する(しかし金額にはこだわらないと主張)。 
・ 原告が推薦する外部委員を入れて会社の独禁法遵守マニュアルを見直すことが重要。
・ 政党支部への献金をやめること。
 しかし、この段階では、被告側の考えとあまりにも隔たりがあり、和解打ち切り。
ロ 平成20年3月13日、終結と同時に職権和解勧告。
・ 平成20年3月13日、同年4月17日、同年5月16日、同年5月30日に和解が行われ、本和解に至った。
・ 和解金について、裁判所から4月17日付文書で、8800万円と勧告。

2 本和解にあたっての原告のスタンスと和解の意義

 (1) 五洋建設を含むゼネコン業界の「独禁法遵守コンプライアンスプログラム」は、
  |鵡腓聾朕揚蛤
   談合をしている前提ではなく新たに談合に加担する前提
   したがって従業員に「研修、教育」をすれば談合防止になる、
という視点で作成されている。
この点に根本的欠陥がある。
  これに対し、原告は、本件裁判において、このような程度では「談合容認プログラム」であり、役員の「役員談合免責プログラム」であると反論した。
    原告は、談合防止プログラムには、最低限下記記載の調査項目が含まれているものでなければならず、そうでなければ有効な談合防止システムとはならないと主張した。
   イ.発注機関ごとの公共工事発注状況の把握
   ロ.業界(談合)担当者が出席した他の業者との会合連絡について報告書を提出させ、その内容の把握
   ハ.応札価格について、応札の経過と応札金額の根拠を応札担当者から聴取
   ニ.積算部門又は積算担当者から応札価格について積算したかどうかのチェック及び積算したときの応札価格の妥当性の聴取
   ホ.各営業所、支店に対する営業部門との別部門を設置する等して、上記の関連部門、担当者らから定期的な調査ならびに事情聴取
 (2) 今回、株主側と五洋建設との間で、五洋建設において「談合防止・コンプライアンス検証・提言委員会」(仮称)を設置することで合意した。
同委員会には株主側の推薦する外部委員も参加し、再発防止のための新独禁法遵守マニュアルを作成した上で、会社に提言を行い、会社はその提言を尊重して実施することを約しました。
おそらくこれが出来れば日本の入札業界の独禁法遵守マニュアルのモデルとなろう。原告側が推薦した外部委員は鈴木満教授である(別紙)。
(3) 政治献金について
    政党の都道府県支部連合会への献金の禁止(熊谷組の事件では敗訴している)
3 評価
  五洋建設が上記3(2)を受け入れた以上、談合と本当に決別する覚悟を決めたという点を評価したい。また、問題の多い政党の都道府県支部連合会への献金をやめると決断された会社の姿勢を評価すべきである。

4.感想
仝淪侶設が談合への決別を表明し、「談合防止・コンプライアンス検証・提言委員会」(仮称)を設置し、外部委員を入れるとは、驚いた。

五洋建設は、「今後、政党の都道府県支部連合会に対する政治献金」を行わないだけではなく、「政党の都道府県支部連合会が開催する政治資金規正法第8条の2所定の政治資金パーティーにかかるパーティー券の購入をしない」ことで原告と合意した。
画期的である。

これには、政治家の資金管理団体と後援会など政治団体が主催する政治資金パーティーにかかるパーティー券の購入をしないことまでは含まれていない。
しかし、五洋建設は「談合防止・コンプライアンス検証・提言委員会」(仮称)を設置し、談合と決別することを表明した以上、利益誘導の温床となっている政治献金は今後、政党の支部に対するものだけではなく、政治家の政治団体に対するものでも事実上行えないのではなかろうか。

今後同様の訴訟で同様の内容の和解が進むのではなかろうか。
強く期待したい。

地方議会の議員定数削減は地方自治の自殺だ!

マスコミの報道によると、地方議会の議員定数が削減される傾向にあるようだ。
これは、「無駄遣い」への批判に応えた結果なのかもしれないが、これは地方自治の自殺行為である。
私はむしろ議員報酬を減らして議員定数は法律の上限まで確保すべきであると主張したい。
その理由を含めて、以下、論じることにする。

1.朝日新聞と「自治体議会改革フォーラム」の共同調査の結果
朝日新聞2008年05月26日22時44分
地方議員の日当廃止36% 定数減は8割超に 本社調査

 地方議員が議会に出席するたびに支給される費用弁償について、この4年間で3割強の議会が定額の「日当」を廃止したことが、朝日新聞社などが実施した全国地方議会アンケートでわかった。「無駄遣い」などの批判に見直しが進み、定数削減など「縮む議会」も加速している。
 費用弁償は従来、自宅から議会までの距離に応じてランク分けし、実際にかかった交通費などにかかわらず、定額の日当として支給する議会が多かった。
 だが、「報酬の二重取り」との批判が高まり、日当支給をやめて交通費の実費支給に切り替える議会が急増。アンケートで04年度に日当支給していた748議会のうち、36%にあたる267議会が08年度には日当を廃止していたことがわかった。
 17指定市では堺市が指定市移行前の04年3月に廃止していたが、この4年間に札幌、さいたま、大阪など8市が新たに廃止した。都道府県の廃止は鳥取、神奈川、千葉の3県にとどまり、他は北海道の1万3千円を最高に、依然として5千円以上のところが多い。
 使途が不透明と批判されてきた政務調査費について「1円以上」の領収書添付を義務づけているのは今年度、支給の9割の731議会に上る。都道府県では28、指定市で12都市。だが、東京、岡山、熊本など8都県は領収書添付を義務づけていない。
 07年末までの過去4年間に定数を減らしたのは、回答したうち8割超の1230議会。理由を複数回答で聞くと、8割超が「財政難、経費節減のため」を、4分の1が「住民の要望」を選んだ。
 過去4年間に合併がなかった自治体の議会で定数を5以上減らした自治体が129あり、埼玉県幸手(さって)市では10(現定数15)、北海道夕張市で9(同9)、岩手県藤沢町では8(同10)を削減。一方、議会基本条例を制定する動きが拡大。06年5月に北海道栗山町が全国で初めて制定して以後、ことし4月までに15市町と三重県が制定。さらに128自治体が制定を目指している。
 (詳報は6月1日付朝日新聞朝刊の地域総合面に掲載します)
     ◇
 〈調査方法〉地方自治の研究者や議員らでつくる「自治体議会改革フォーラム」(代表=広瀬克哉法政大教授)と共同で実施。都道府県と市区町村の計1858議会事務局に4月下旬に質問票を郵送し、81%にあたる1510議会から有効回答があった。47都道府県と17政令指定都市はすべて回答を寄せた。費用弁償と政務調査費、市町村合併、定数は04年度と08年度の状況を聞いた。

これによると、。横娃娃掲末までの過去4年間に議会の議員定数を減らしたのは、回答したうち8割超にのぼるようだ。
地方議員が議会に出席するたびに支給される費用弁償について、この4年間で3割強の議会が定額の「日当」を廃止したようだ。
日当支給をやめて交通費の実費支給に切り替える議会が急増しているようだ。
政務調査費について「1円以上」の領収書添付を義務づけているのは支給の9割の議会に上るようだ。

2.地方議会の議員定数削減は地方自治の自殺だ!

(1)地方議会は、住民の代表機関であるから、国会と同様に民意を正確・公正に反映するものでなかればならない
(それゆえ、会派の存在しないところを除き、無所属の立候補を認めたうえで、比例代表選挙が採用されるべきである。
これについては、また別の機会に論じることにする。)

(2)また、地方議会は行政を監視しなければならない。
特に税金の無駄遣いが行われないか、しっかり監視する必要がある。

(3)この二つの役割を果たすためには、議員の数は多い方が良い。
少なくとも今の地方自治法が定める議員定数の上限一杯に実際の議員定数を定めるべきである。
第九十条  都道府県の議会の議員の定数は、条例で定める。
2  都道府県の議会の議員の定数は、次の各号に掲げる都道府県の区分に応じ、当該各号に定める数(都にあつては、特別区の存する区域の人口を百万人で除して得た数を当該各号に定める数に加えた数(その数が百三十人を超える場合にあつては、百三十人))を超えない範囲内で定めなければならない。
一  人口七十五万未満の都道府県 四十人
二  人口七十五万以上百万未満の都道府県 人口七十万を超える数が五万を増すごとに一人を四十人に加えた数
三  人口百万以上の都道府県 人口九十三万を超える数が七万を増すごとに一人を四十五人に加えた数(その数が百二十人を超える場合にあつては、百二十人)
(略)

第九十一条  市町村の議会の議員の定数は、条例で定める。
2  市町村の議会の議員の定数は、次の各号に掲げる市町村の区分に応じ、当該各号に定める数を超えない範囲内で定めなければならない。
一  人口二千未満の町村 十二人
二  人口二千以上五千未満の町村 十四人
三  人口五千以上一万未満の町村 十八人
四  人口一万以上二万未満の町村 二十二人
五  人口五万未満の市及び人口二万以上の町村 二十六人
六  人口五万以上十万未満の市 三十人
七  人口十万以上二十万未満の市 三十四人
八  人口二十万以上三十万未満の市 三十八人
九  人口三十万以上五十万未満の市 四十六人
十  人口五十万以上九十万未満の市 五十六人
十一  人口九十万以上の市 人口五十万を超える数が四十万を増すごとに八人を五十六人に加えた数(その数が九十六人を超える場合にあつては、九十六人)
(略)

可能であれば、今の地方自治法を改正して、議員定数の上限をもっとふやしても良いだろう。
(4)それなのに、議員定数を減らすとは、住民の代表機関として、行政の監視機関として、自殺行為である。
議員の数が減少して、どうやって民意を十分に反映するのだろうか。
また行政監視を強化できるのだろうか。
いずれも大いに疑問である。

議員数が減員されるとなれば、むしろ行政の側が喜ぶだろう。
また、地元のボス議員が利権の影響で当選し、真面目に活動する議院が議席を失うことにもなりかねない。
税金の無駄遣いのチェックにとって議員定数削減は逆行する愚行である。

(5)公費の支出を減らしたいのであれば、そもそも短い議事日程なのに高額すぎる議員報酬を大幅に減額すべきである。

なお、議員報酬の金額問題については、それが日当や交通費の支給の是非とも相互に関連するし、さらには政務調査費などにも議論が及ぶ可能性があるので、また別の機会に論じることにする。

会社役員報酬の個別開示の必要性

株主総会を迎えるシーズンになっている。
「株主オンブズマン」が役員報酬の個別開示をソニーに再度要求した。
私も「株主オンブズマン」に参加しているので、その紹介をし、個別開示の必要性を訴えたい。

1.株主オンブズマンの再度の要求とその新聞記事
日本経済新聞 2008/05/10 朝刊 17面
≪役員報酬個別開示・株主オンブズマン、ソニーに再び要求≫

 取締役報酬の個別開示を求め七度目の挑戦――。ソニーが六月二十日開く株主総会で、株主オンブズマン(大阪市)の提案が再び議案として取り上げられる見通しになった。提案は七年連続で昨年は四四%の賛成票を集めた。ソニーは総額報酬の開示にとどめる立場を継続し反対する見込みだ。
 米国では取締役報酬の個別開示が義務付けられている。ソニーは委員会等設置会社で、経営体制が米国型に近く、株主オンブズマン代表の森岡孝二・関西大学教授は「日本企業の中でまず個別開示すべき企業」と主張する。議案の承認には三分の二の賛成が必要だが、過半を超えれば「経営陣は無視できなくなる」とみている。
 オンブズマンは、今年は株主提案に合わせ増配の要望書も提出した。二〇〇八年三月期の年間配当が前の期と同額の年二十五円だと、予想配当性向は七%にとどまる。要望書では二〇%を超えるよう四十五円増の七十円にするよう求めた。ソニーは定款変更で配当を取締役会決議事項にしており、株主は増配の提案をできない。

株主オンブズマンのこれまでの要求との関係で注目すべきことは、阪口徳雄弁護士のブログで紹介されているので、そちらを参照していただきたい。

2.産労総合研究所による企業3500社の「平均」取締役報酬

(1)産労総合研究所が上場企業1,500社と未上場企業から任意に抽出した2,000社の計3,500社に実施調査した「2006年 役員報酬の実態に関する調査」によると、以下のように要約されている。
社長の年間報酬は平均3,100万円賞与あり3,600万円、賞与なし2,800万円
◇社長の年収は取締役の2.3倍(賞与ありの企業)
◇社員から初めて役員になると、報酬は約3割アップ
◇社長の定年がある企業は40.3%。定年年齢は平均65.6歳
◇退任後の顧問・相談役の年間報酬は、常勤823万円、非常勤354万円

(2)もちろん、取締役といっても、幾つかの役位がある。
産労総合研究所の前記調査によると、平均報酬は以下のようになっている。
会長3417万円、社長3560万円、副社長3062万円、専務取締役2305万円、常務取締役1890万円、取締役1601万円。

平均報酬でも社長は平の取締役の約2.2倍ある。
しかしこれも「平均」である。
実際には個人差があるだろう。

3.個々の企業の取締役の「平均」役員報酬

知り合いの方から関西電力とソニーの昨年の株主総会報告を教えていただいたので、それを紹介してみよう。

(1)関西電力の場合

〆鯒の事業報告は以下の通りである。
会社役員に関する事項・・(2)取締役および監査役の報酬等の額

取締役18名748百万円(うち社外取締役3名21百万円)
監査役 7名155百万円(うち社外監査役4名31百万円)
(注)
1,上記には第83回定時株主総会において決議予定の取締役賞与110百万円を含めております。
2,上記のほか、第82回定時株主総会の決議に基づき、同株主総会の集結の時をもって退任した取締役および平成19年3月31日をもって退任した取締役11名に対する慰労金1479百万円(うち社外取締役2名21百万円)を支払っております。
また、同株主総会において、慰労金制度廃止に伴い打ち切り支給し、支給時期はそれぞれ退任の時とすることを決議しており、打ち切り支給額は、取締役15名分1536百万円(うち社外取締役1名5百万円)および監査役7名分147百万円(うち社外監査役4名20百万円)であります。
3,株主総会決議による役員報酬は次のとおりであります。
取締役 月額 75百万円(使用人兼務取締役の使用人給与は含まない)
監査役 月額 18百万円

△海譴砲茲襪函⊆萃役18名の報酬総額は7億4800万円。
そのうち、社外取締役3名の報酬総額は2100万円で一人「平均」700万円
残りの社内取締役15名の報酬総額は7億2700万円で一人「平均」4846万円になる。

なお、監査役7名の報酬総額は1億5500万円。
そのうち社外監査役4名の報酬総額は3100万円で一人「平均」775万円で、残りの社内監査役3名の報酬総額は1億2400万円で一人「平均」4133万円

L魄報酬とは別に退職慰労金があり、一昨年の株主総会の集結の時をもって退任した取締役と昨年3月末日をもって退任した取締役11名に対する慰労金の総額は、14億7900万円。
そのうち社外取締役2名の退職慰労金総額は2100万円で、一人「平均」1050万円
社内取締役9名の慰労金総額は14億5800万円で、一人「平均」1億6200万円

ぢ狄Π嶇金制度は廃止されたようであるが、打ち切り支給総額は、取締役15名分15億3600万円。
そのうち社外取締役1名500万円
残りの社内取締役14名分の打ち切り支給総額は15億3100万円で一人「平均」1億935万円

監査役7名分の打ち切り支給総額は1億4700万円。
そのうち社外監査役4名のそれは2000万円で一人「平均」500万円
残り3名の社内監査役のそれは1億2700万円で一人「平均」4233万円

イ覆、これらと上記資料の注3との関係が不明である。
注3の役員報酬では、使用人兼務取締役の使用人給与を除く取締役の役員報酬の月額が7500万円であり、これは年間で9億円になる。
これは取締役18名分の総額だとすれば、本文の18名で7億4800万円と合致しない。
同様に監査役の報酬も同じであり、注3の監査役報酬の月額1800万円を年間に換算すると2億1600万円となるが、本文の監査役7名で1億5500万円と合致しない。
お分かりの方は何方かご教示ください。

Δ修竜震笋呂気特屬、社内取締役15名で7億4800万円という少ない金額の方を前提にし、かつ、当時、社長1名、副社長5名、常務取締役9名であったと仮定して、関西電力の個別の役員報酬を、前述の産労総合研究所の前記調査結果を参考に勝手に予想すると、以下のようになる。
社長8000万円、副社長一人「平均」6000万円、常務取締役一人「平均」4000万円

О幣紊砲弔い董△いΔ泙任發覆、株の配当金など役員報酬以外の所得は含まれていない。

(2)ソニーの場合

ヽ飴餬牢覿箸両豺腓砲蓮同じような「予想」は通用しないかもしれない。

▲愁法爾虜鯒の総会招集通知の添付資料
   2007年度の記載 単位(名 百万円)
       定額報酬   業績連動報酬    退職慰労金
     人数 支払額 人数  支払予定額 人数 支払予定額
取締役   11  169    ―  ―      1   34
(うち社外)(10) (153)  (―) (―)     (―) (―)
執行役    7  912    7   751     ―  ―  
合 計   18  1081    1081   751    1   34
(注)支払予定額 報酬委員会の決定により2007年6月に支払う予定の額

これによると、取締役11名の定額報酬支払い総額は1億6900万円。
そのうち社外取締役10人の定額報酬総額は1億5300万円なので一人「平均」定額報酬は1520万円、残りの社内取締役一人の定額報酬は1600万円となる。
一人の退職慰労金は3400万円。

執行役7人の定額報酬と業績連動報酬の総額は16億6300万円で、一人「平均」2億3757万円になる。

チ綾劼靴燭茲Δ法以上は「平均」である。
しかし、実際の役員報酬は役員間で大きな差が生じるだろう。
会長兼CEOのハワード・ストリンガー氏、社長兼エレクトロニクスCEOの中鉢良治氏、副社長、コンスーマープロダクツグループ担当の井原勝美氏は、取締役兼執行役であり、他の4名の執行役と同じ報酬額とは考えにくい。
この3名は「平均」より多額の報酬で、他の役員は「平均」より少額の報酬であるかもしれないのだが、実際の個別報酬額は全く不明である。

Γ横娃娃鞠6月、当時好調の日産の平均役員報酬額が2億6000万円で、カルロス・ゴーン社長の報酬は10億円ではないかと報じられていた。

С主オンブズマンの共同代表の森岡孝二・関西大学教授は、昨年発表されたソニーの役員報酬について、我々のメーリングリスト(ML)で以下のように推測しておられるので、参考までに紹介しておこう。
まったくの仮定ですが、定額報酬はCEOのストリンガー4億円で、No.2の中鉢2億円、No.3の井原1.5億円で、その他の執行役4人各4500万円(計1.8億円)と見なすことも可能ではないかと思います。
これに仮に執行役7人の業績連動報酬の配分を、ハワード4億円、中鉢・井原各1.5億円、他の4人の執行役各1300万円として、それぞれを定額報酬に加えると、以下のようになります。
ハワード8億円、中鉢3.5億円、井原3億円、他の執行役5800万円、社外取締役1500万円
この場合、定額報酬と業績連動報酬の総額は18.32億円になり、計算は一応合います。

┛幣紊砲弔い討盂瑤稜枦金など役員報酬以外の所得は含まれていない。

4.NOVAの実際の役員報酬と株の配当等

(1)昨年の新聞報道
読売新聞(2007年11月4日3時0分)
NOVA猿橋前社長、役員報酬の95%を独占

 会社更生法の適用を申請した英会話学校最大手「NOVA」(大阪市)の創業者の猿橋(さはし)望前社長(56)が、赤字決算となった2005、06年度の役員報酬の95%以上を受け取っていたことがわかった。
 1996年の店頭公開時の株式売却やその後の配当で計約100億円を得ていたことも判明した。NOVAの保全管理人は、猿橋氏に支払い能力があるとみて損害賠償を求める方針だ。
 NOVAは教室を急拡大させる一方、受講生数は伸び悩んだことから経営が悪化し、05〜06年度は2期連続で赤字となった。両年度とも株主に配当は行われなかったが、計4人の取締役に計3億6200万円の役員報酬が支払われた。このうち猿橋氏は計約3億5000万円以上を受け取り、残る取締役3人には、幹部社員並みの給与に上乗せする形で計数百万円が支給されただけだったという。
 また、NOVAが96年11月に店頭市場(現ジャスダック)に株式を公開した際には、猿橋氏は新規公開に伴う株売却で90億円近くの創業者利益を得ていた。
 当時、猿橋氏は社員に持ち株会の設立を持ちかけ、同社株の購入を勧めていた。しかし、実際には市場の初値(1株=6150円)で購入させており、「市場での出来高を増やすために社員持ち株会を利用しただけでは」(関係者)との見方も出ている。NOVAは株式公開後、96〜04年度に1株当たり5〜10円の配当を行い、猿橋氏は、計10億円の配当も手にしていた。
 猿橋氏側はNOVAの運転資金などに13億円以上の私財を提供し、会社の私物化はないとしているが、今後、NOVAの保全管理人は猿橋氏が会社に損害を与えたとして、民事、刑事両面で責任追及する方針だ。

(2)この報道によると、NOVAの4人の取締役に計3億6200万円の役員報酬が支払われていたようだ。
このうち創業者の猿橋望前社長は2005、2006年度の役員報酬の95%以上、すなわち、計約3億5000万円以上を受け取り、残る取締役3人は幹部社員並みの給与に上乗せする形で計数100万円が支給されただけだったという。

(3)NOVAが1996年11月に店頭市場に株式を公開した際には、猿橋前社長は株売却で90億円近くの創業者利益を得ていたという。
また、NOVAは株式公開後、1996〜2004年度に1株当たり5〜10円の配当を行い、猿橋氏は計10億円の配当も手にしていたという。)

(4)NOVAのケースが他の企業と同じなのか、私には全く分からない。
他の企業に比べて社長の役員報酬が異常に高額なのかもしれない。
だが、いずれにせよ、「役員の平均報酬」と「役員の個々の報酬」とでは大きな違いがあるようだ。
役員報酬以外のものを含めた個人所得となると、一般庶民にとっては驚愕の額になるのだろう。
大企業の役員は、消費税が10%台になろうと、医療費負担が高くなろうと、全く生活には困らないようだ。
明らかな階級社会ではなかろうか。

5.経団連の態度とその問題性

経済団体連合会のコーポレート・ガバナンス委員会は2000年11月21日に「 わが国公開会社におけるコーポレート・ガバナンスに関する論点整理」(中間報告)を発表しているが、そこでは役員報酬の個別開示について以下のようにまとめている。
報酬額や退職慰労金の額について、個別の開示を求める動きがあるが、
お手盛り防止という法の趣旨は、株主総会における報酬総額の決定で全うされており、個別の額の公開は必要ではないこと。
個別の開示は、個人のプライバシーやセキュリティ等の問題があること。
などから、今後、慎重に対応を検討すべきであると思われる。
ただし、グローバルな観点からは、わが国でも報酬決定に当たって、社外の人材をメンバーに加えた報酬委員会を設置するなど、客観的な第三者のチェックができる体制を作り、役員報酬決定プロセスの透明性を確保することも一つの方法である。

このように経団連は役員の個別開示に否定的である。

△靴し、これに対し前掲の森岡教授はMLで以下のように述べておられる。
個別開示を求める理由としては以下の諸点が考えられます。

1) 取締役(および監査役)の報酬は、本来、株主総会の決議事項である。
2)株主から経営を任されている取締役の報酬および退職慰労金の額を株主に知らせる
ことは、取締役会の株主に対する責務であり、取締役会には説明責任がある。
3)会社法によれば報酬委員会は、執行役及び取締役の個人別の報酬等の内容に係る決
定に関する方針を定め、個人別に報酬を決めなければならない。したがって、その過程と結果を総会に開示するべきである。
4)報酬には定額報酬と業績連動報酬があるが、どちらもその額は一律ではなく個々の
役員の地位や寄与度によって異なる。
4) 報酬の個別開示はいまや世界の流れである。
5)日本企業においては株主への企業情報の開示が十分でなく、密室経営的な体質が根
強く残っており、役員報酬の個別開示は情報開示の試金石である。 

この説明は、”株式会社としての論理”から内在的に導き出された適格な説明である。
私もこの説明に賛同する。

ぜ愨になるが、以上の説明に加えて、さらに経済全体にとっての役員報酬個別開示の必要性を述べておこう。

企業、特に大企業(株式会社)は、国民生活にとって重大な経済的影響力を有しているわけだから私的企業であっても社会的責任を有している。
それゆえ、企業のガバナンスは社会的にも重要であり、取締役だけの完全な自由・自律としてのみ理解してはならないだろう。
社外の人材を加えた第三者委員会が役員報酬の決定プロセスをチェックしても、それだけでは透明性の点では不十分であり、やはり社会に開示されなければならないだろう。
それゆえ、役員の個別報酬はプライバシーとして保護されるべきものではない。
役員には報酬以外の収入もあることを考えれば尚更のことである。
したがって、役員報酬については、その総額のみならず個別の額も株主に開示されるべきである。

ダ府・与党は、財界の言いなりになり、福祉国家政策を否定するのみながら、護送船団方式の修正資本主義政策を放棄し、熾烈な自由競争と自己決定・自己責任を過度に強調した新自由政策を採用した。
そのため、いわゆる格差社会が生まれている。
労働者の過労死・過労自殺を招き、労働者の使い捨てが行われ、働いても働いても生活保護水準を下回る賃金しか受けていない非正規労働者を大量に生み出した。
このような異常な事態を踏まえれば尚のこと、社会的責任を負う大企業の役員報酬の個別開示が強く求められるのではなかろうか。

日本の刑事裁判権剥奪・放棄と国家主権放棄

1962〜63年、駐留米軍兵士の犯罪の9割につき日本が刑事裁判権を放棄していたこと、1974年のいわゆる伊江島住民狙撃事件でアメリカが日本の裁判権を取り上げた詳細な経緯が明らかになったようだ。
アメリカが日本の刑事裁判権を剥奪していたこと、それは日本の主権が侵害されたことを意味している。
日本が刑事裁判権を放棄したことはその限りで国家主権を放棄したことを意味している。
国会は国政調査権を行使して当時の事実解明に努め、日本政府は当時の経緯をきちんと国民に説明すべきである。

1.報道

2008年5月18日(日)「しんぶん赤旗」
米兵犯罪の裁判権(62〜63年)
日本が9割放棄

本側が裁判を行うべき米兵犯罪のほとんどで日本側が裁判権を放棄している実態が、一九六〇年代の米軍当局の統計から明らかになりました。
 国際問題研究者の新原昭治氏がこのほど、米国立公文書館で入手した米陸軍法務局作成の統計資料(一九六二年十二月一日―六三年十一月三十日、沖縄を除く在日米陸海空軍の合計)によると、次のような状況になっています。
 ―日本の裁判に付されるべき犯罪三千四百三十三件のうち、日本側が裁判権を保持し手放さなかったのは三百五十件で、全体の10・2%。
 ―米軍が日本に対し裁判権を譲るよう請求した事件(二千六百二十七件)のうち、日本から放棄を勝ち得たのは二千四百四十八件で、全体の93・2%。
 新原氏は、「米国の同盟国でも、トルコでの裁判権放棄はゼロだったとされている。日本は他国と比べて裁判権放棄の比率がきわめて高い」と指摘しました。

解説
背景に密約の存在
 新原氏は十七日の講演で、本来、日本に第一次裁判権があるはずの米兵犯罪で、日本が裁判権を放棄している背景には、一九五〇年代以来の日米密約があると指摘しました。
 この密約の存在については、多数の米政府解禁文書が言及しています。一九五七年十一月にフランク・ナッシュ米大統領特別顧問がアイゼンハワー大統領に提出した報告「米軍の海外軍事基地・付録」は、「秘密覚書で、日本側は、日本にとり物質的に重大な意味をもつものでない限り、第一次裁判権を放棄することに同意している」と明言し、密約の存在と内容を確認しています(新原昭治編訳『米政府安保外交秘密文書』)。

2008年5月18日(日)「しんぶん赤旗」
74年米兵住民狙撃
米が圧力 裁判権奪う
世界駐留への悪影響懸念
米解禁文書で新原氏が公表

 一九七四年の米兵による「伊江島住民狙撃事件」で当初、「公務外」の事件として日本側に裁判権を譲っていた米側が、突如、「公務中」だったとして日本側から裁判権を取り上げた詳細な経過が、米政府解禁文書で分かりました。米軍の特権的地位を定めた日米地位協定の下で、米側が「公務証明書」を恣意(しい)的に発行すれば、日本側から裁判権を奪える仕組みになっていることを示すものです。
 解禁文書は、国際問題研究者の新原昭治氏が三月から四月にかけて米国立公文書館で入手したもの。十七日に都内で開かれた日本平和委員会主催の学習会での講演で明らかにしました。
 日米地位協定は、米兵が犯した罪が「公務中」であれば裁判権を行使する第一次の権利は米側にあると規定しています(一七条3項a)。「公務中」との認定は、米軍指揮官が「公務証明書」を発行すればいいだけです。
 「公務証明書」に対し日本政府が過去に反証したことがあるのはわずか二例。その一つが伊江島住民狙撃事件です。
 新原氏が入手した同事件に関する米政府解禁の外交電報によると、沖縄県内でわき上がった事件への抗議運動を沈静化する狙いもあり、米側は当初、「公務証明書」を発行しないと日本側に通知しました。
 ところが米側は、国務長官発の緊急電で「国務省・国防総省共同メッセージ」を伝え、「どうしても『公務証明書』を発行しなければならない」と逆転決定。「米国内の事情」と「もし裁判権を行使し損なったら、その影響は米国が他の国々と結んでいる一連の地位協定にまで及び、…米軍要員の士気にも及ぶ」ことを理由にしました。
 日本に駐留する第五空軍は、緊急電を受け、事件の筋書きを書き換えて「公務証明書」を発行します。日本側は当初、「政治的しっぺ返しを受ける」(木村俊夫外相)として証明書発行の再考を要請。米側に拒否され、最終的には秘密の日米覚書をつくり、米側に裁判権があることを確認しました。
 刑事裁判権の問題は、現在でも米軍軍法会議で有罪になる事案が日本で不起訴になるなど重大な問題をはらんでいます。

 伊江島住民狙撃事件 一九七四年七月十日、沖縄県・伊江島の米軍補助飛行場内で米兵が草刈り中の青年を狙撃した事件。畜産の飼料のための草刈りは米側も黙認していたにもかかわらず、米兵がトラックで追い回し信号用の銃で狙撃し、負傷させました。日本政府が裁判権を放棄、被害者補償もされませんでした。

2.やはりアメリカの傀儡政権か!

(1)周知のように、自衛隊の前身である警察予備隊は、1950年の朝鮮戦争のために出兵した駐留米軍の穴埋め部隊として誕生した。
1952年のサンフランシスコ講和条約とともに(旧)日米安保条約が締結され、占領軍は日本に駐留し続けた。
そして警察予備隊は保安隊となり1954年には自衛隊となった。

(2)有事の際に日本の自衛隊を指揮するのは日本ではなくアメリカ(の最高司令官)であるという密約であったことがすでに明らかになっている(播磨信義ほか編著『新・どうなっている!?日本国憲法』法律文化社・2002年35頁で紹介知れている「読売新聞」1981年4月23日)。
1951年、当時の吉田茂・首相がアメリカ側に米軍の日本駐留を申しでしたとき一緒に申し出たもののようだ(同32頁「朝日新聞」2001年11月15日)。
こうして米軍の補完部隊として自衛隊は存在してきた。

(3)冒頭で紹介したスクープ報道によると、1962何〜63年、駐留米軍兵士の犯罪につき日本はその9割の事件で日本の裁判権を放棄していたという。
日本政府は、「日本にとり物質的に重大な意味をもつもの」以外、刑事裁判権を放棄してしまった結果のようだ。
また、1974年の米兵による「伊江島住民狙撃事件」においては、アメリカ側の一存で日本の刑事裁判権が剥奪されている。
米国が日本国民のことよりも米軍と犯罪米兵のことを優先させていることが如実に現れている。
多くの被害者が泣き寝入りさせられたのであろう。

これは日本国が国家主権が侵害されていたことを意味している。
時の政府はこれを受け入れていたわけである。

軍事専門家は、”軍隊が国民を守らない”ということが「軍事学における常識」だと断言していたが、駐留米軍は日本人を守るために存在しないから、アメリカも日本から刑事裁判権を剥奪したのであろう。
また、自民党政権は、国家主権(国家の独立)をも放棄し、自国民を守らない政権だったようだ。

元名海兵隊員が言うように、日本政府はまるでアメリカの傀儡政権である

だからこそアメリカの国際法違反の戦争であっても日本はその戦争に協力し戦争加害者の側に立ってきたのであろう。

(4)新聞社説もこれを厳しく批判している。

沖縄タイムス社説(2008年5月19日朝刊)
[裁判権放棄]主権国家が取る行為か

 またしても日米で取り交わされた密約が明らかになった。いったい政府は、国民に説明できない秘密事項をどれだけ抱えているのだろうか。
 米公文書で分かったのは、一九五三年に米政府と合意した「重要な案件以外、日本側は裁判権を放棄する」という密約だ。
 言うまでもないが、裁判権は国家の主権に深くかかわってくる。それなのに、政府は米兵が起こす刑事事件に対し第一次裁判権を行使しないという約束を交わしたのだから、あきれてしまう。
 その密約ゆえか、五三年から五七年の約五年間に起こった約一万三千件の米兵関連事件で裁判権を放棄したのは97%、約一万二千六百件に上る。実際に裁判に付したのは約四百件しかない。
 わずか五年でこの数字だ。その後はどうなのか。想像しただけでも暗澹たる気分にさせられる。
 公文書からは復帰後の七四年七月に伊江島で発生した米兵の発砲事件についても明らかになっている。米側の要求で日本側が裁判権を放棄しており、そこには自国民さえ守れぬ政府の姿がある。
 復帰後もそうなのだから、復帰前は推し量るべきだ。
 日米安全保障条約に基づく地位協定の不平等関係をもたらした起点がそこにあるのである。
 政府は「裁判権の放棄はない」というがその説明に納得する国民はいない。真実はどうなのか。放棄した数はどれだけあるのか。政府はきちんと説明すべきだろう。
 腑に落ちない点はまだある。日本側が裁判権を行使しても、米側はその結果に対し「刑罰が軽くなっている」と見ていたことだ。
 絶対にあってはならないが、もし、米軍に配慮して司法が判決に手心を加えたとしたら、それこそ主権国家の名に恥じる行為で、司法当局も責任は免れまい。
 六〇年の安保条約改定前には米政府が密約を公にするよう求めているが、当時の岸信介首相は「外部に漏れたら恥ずべき事態になる」とし応じなかったという。
 恥ずかしいとの認識はあったようだ。それにしてもなぜことが明らかになっても政府は本当のことを言わないのだろうか。
 私たちは現状の地位協定では不平等感が残るだけで、基地所在地住民の不安と怒りは増すだけだと指摘してきた。
 裁判権だけでなく身柄拘束を含めた協定上の問題はあまりにも多過ぎるからだ。解決するには「運用改善」では無理であり、抜本的な見直ししかない。
 地位協定における政府の対応について国際問題研究家の新原昭治氏は「日本に第一次裁判権がある『公務外』の犯罪でも、日本側が放棄し、なるべく米側に譲る密約がある」と指摘。その中で政府は「国民に隠している文書や合意を表に出すべきだ」と述べている。
 沖縄返還交渉時の「沖縄密約」、有事の際の核持ち込みも公文書で分かっているのに、政府はいまだに「ない」としている。かたくなな姿勢を政府は改めるべきだ。
 嘘を積み重ねれば信頼は損なわれるだけである。そのことを政府は肝に銘じる必要がある。

琉球新報社説(2008年5月19日)
米兵裁判権放棄 国民を守れず主権国家か

 主権による統治組織を持つ社会集団を「国家」と呼ぶなら、日本はこの定義から外れるのではないかと考えてしまう。そのくらいショッキングな日米両国政府の秘密合意の存在が明るみに出た。
 先ごろ機密解除された複数の米側公文書によれば、日米政府は日本に駐留する米兵らの事件をめぐり、1953年に「重要な案件以外、日本側は裁判権を放棄する」との密約に合意した。実際、日本側はその後、約5年間に起きた事件の97%の第一次裁判権を放棄していた。
 日本は52年、対日講和条約の発効で沖縄を除けば独立を回復し主権を取り戻した形となった。しかし、一方で、裁判権放棄という「外部に漏れたら恥ずべき事態」(当時の岸信介首相)がひそかに進行していたことになる。
 これでは「主権国家」と胸を張れまい。国民への裏切り行為ともいえ、歴代の政権が半世紀余にわたり公表を避けていた罪は重い。政府には、国民を欺き続けた経緯と責任の所在について、明確に説明してもらいたい。
 沖縄関係だと今回、伊江島の米兵発砲事件に関する「覚書」の存在が明らかになった。同事件は74年の発生だから、密約が沖縄返還後も連綿として生きていることがうかがえる。
 経緯はこうだ。伊江島の米軍射爆場で演習後、草刈りのために立ち入った住民を米兵が追い掛け、至近距離から狙い撃ちして負傷させた。米側は当初、兵士が公務外のため、第一次裁判権を日本に渡すとした。ところが、途中で方針を変え、公務中だったとして裁判権放棄を要求。日本は反発したが半年余の協議を経て、米側に屈した。残念だが、これが軍事同盟の実態だろう。
 当時の外交電報で、米政府は方針変更の理由について「裁判権を行使し損なえば、他国との地位協定や米兵の士気にまで影響が及ぶ」と報告していた。
 駐留先の住民の生命よりも、米兵の士気のほうが大切という米側の神経には驚くほかないが、それを「致し方なし」とする日本側の感覚も理解できない。国民、県民を守れずして、主権国家といえるのだろうか。
 今回の件では、日米地位協定の内実があらためて浮き彫りになった。日本はこの間、米兵の裁判権を確保しているとしてドイツ、韓国などより「有利な協定」と強調してきたが、その説明が根幹から崩れた。建前と実態は明らかに離反している。
 政府は、密約の存在を認めた上で、筋違いな協定の抜本的改定に着手すべきだ。そうしないと、国際社会の一員としての国家はおぼつかない。

3.日本政府は説明責任を果たすべきである!

駐留米軍兵士の犯罪がいまだに絶えないのは、そもそも米兵が人間を助けるためではなく、人を殺し、暴力を加えることを叩き込まれているからであるが、米兵の犯罪にいて日本が刑事裁判権を放棄してしまったからでもあったのだろう。

当時の政権は自民党政権である。
今の福田内閣は政府として当時の事情・経緯について説明する責任がある。
上記報道以外の時期においても同じように刑事裁判権が放棄されていると予想されうるから、政府は、きちんと説明して、責任を果たすべきである。
また、密約はほかにないのか、政府は情報開示して、説明する責任がある。
国会(衆参各院)は国政調査権を行使して、以上の点について真相を解明する必要がある。

元アメリカ海兵隊員・アレン・ネルソン講演会の内容

◇元アメリカ海兵隊員・アレン・ネルソン講演会
「これが戦争だ!戦場の体験から平和を語る」
♪心にしみるギターの弾き語りも♪
2007年7月8日(日)14時開会〜閉会4時30分
場所:UNITYセミナー室4(兵庫県神戸市営地下鉄「学園都市駅」南隣)
主催:九条の会がくえん、桜ヶ丘・押部谷九条の会、平和を考える九条の会・たまつ、かがやき九条の会、憲法九条の会・岩岡、西神ニュータウン9条の会

これは昨年7月に行われた講演です。
私のメモと記憶を頼りに断片的ですが紹介します。
(不正確なところがあるかもしれませんが、予めご了解ください。)

講演の内容を紹介する前に、アレン・ネルソンさんのプロフィールを簡単に紹介しておきます。
◇プロフィール
?1947年 ニューヨーク生まれのアフリカ系アメリカ人
?1966年 海兵隊員としてベトナム戦争の前線に。
?除隊後、戦争後遺症に苦しみ、回復後の1996年以降、アメリカや日本の各地・学園で、戦争の現実と平和の尊さ、日本国憲法第9条の意義を訴え続けている。
?著書には「戦場で心が壊れて」新日本出版社1300円、「そのとき、赤ん坊が私の手の中に」憲法9条・メッセージ・プロジェクト300円、「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」講談社1365円


以下、講演の内容の一部紹介です。
なお、講演は英語。通訳あり。約2時間。そのあと質疑約30分。

冒頭でアレン・ネルソンさんはギターを弾き歌いました。
見出しは私がつけたものです。

1.総論
広島・長崎への原爆投下で明らかなように、アメリカはテロ国家です。
日本の米軍基地は、日本を守るためにあるのではなく、日本政府を牛耳るためにある。日本政府はアメリカの傀儡政府です。安倍首相はアメリカの”日本州知事”のようなもので、そのうえにブッシュ大統領がいるのです。
18歳で出兵し、ベトナムでの殺戮などによって私は、これまでと全く別の人間になった。ベトナムから帰還し、戦場のシーンが昼間でも思い出され消えない。夜も熟睡できなかった。自殺未遂もした。心的外傷後ストレス障害(PTSD)にかかった
そんな私に皆が”どうしたのか?””ベトナムで何があったのか”と質問してきた。それが耐えられなかった。
母親には家を追い出された。家具を拾い、猫を拾い、ホームレスの生活をした。
あるとき、同級生と会った。同級生は小学校の先生をしていた。小学校でベトナム戦争の体験を話して欲しいと言われたが、断った。すると、その同級生は、小学生の手紙を持ってきて再度お願いしてきた。そこで、引き受けた。
小学校では、戦争についての一般的なことしか話ができなかった。話を終えて、子どもらが具体的な質問をしてきた。”ベトナムで人を殺しましたか?”と。答えることが出来なかった。大悪人と思われると思ったからです。しかし、しばらくして、目を閉じて”はい”と答えた。すると、子どもらが駆け寄ってきて一人ひとりが私を抱きしめてくれた。私も子どもらも泣き出していた。私は感動した。そして決意した。”心の病を克服しよう。” そして”戦争を語り継ごう”と。
私は子どもらの前で話をするのが一番好きです。子どもらは、大人と違って、大切な質問をしてくれる。
ある子どもは、”ベトナムのジャングルでお母さんに会いたいと思いましたか?”と質問しました。実は、戦友が死ぬとき、妻や子どもがいても、皆、母親のことを口にするのです。
また、”人を殺したときの気持ちは?” と質問しました。人殺しはとてもたまらない気持ちになる。ゲロも吐くのです。泣き叫ぶ兵士もいますが、上官は”慣れるよ!”というのです。
また、”ジャングルでトイレに行くと怖くないですか?”と。トイレのときほど怖いものはない。戦場の恐ろしさは頭だけでわかるものではないのです。

2.海兵隊への入隊
アメリカのもう一つの姿は貧困のアメリカです。 ホームレスは男性だけではありません。 女性も居ますし、子どもも居ます。 アメリカにはスラム街、ゲットーがある。
アメリカでは、富は戦争、核兵器のために使用され、貧しい者は金がない。日本でも大金持ちや大臣の息子は自衛隊に入らないでしょう。小泉首相は他人をイラクに送り込んだが、彼の息子はビールの宣伝をしていた。ブッショ大統領の娘もイラクに派兵されることはない。若い海兵隊員は貧しい家庭の出身、スラム街の出身です
私の母はシングルマザーです。私も海兵隊に入隊した。しかし、母は怒り出し、泣き出してしまった。

ベトナムには日本の経由して行きました。沖縄のキャンプハンセンで、村落包囲作戦の訓練をしました。銃弾の使った訓練では、アメリカでは200メートルの距離で”「牛の目」標的”を使用したが、沖縄では200メートルの距離で”人間標的”を使用しました。
 とにかく”殺せ”と教えられました。人間のどこを狙って撃つと思いますか?
 ”頭”を狙うと思った人は、戦場では生きて帰れません。”頭”は的が小さいから狙わないのです。”腕”も”肩”もダメです。的が小さい。”心臓”と思っている人が多いようですが、それも違います。”股間”を狙うのです。そうすると、人間の胴体に当たります。
 撃たれた人間は即死するのではなく、何時間もかかって死ぬのです。

海兵隊の訓練は厳しい。入隊すると真っ先に”黙れ”と言われる。頭脳を使うことはない。幹部だけが考えるのです。大声で”殺す”と叫ばされます。毎日何マイルも走り、トレーニングします。武器の使用方法を学びます。素手で相手を殺す方法も学びます。海兵隊員は人間を助けることではなく、殺すことを学ぶのです。

沖縄では、夜になると出かけます。目的は、酒とケンカと女です。酒を飲んで酔っ払います。タクシーになり、料金を払わず、運転手を殴るのです。女性には金を払わず、殴るのです。殺しと暴力を教え込まれているから兵士は街を闊歩するのです。海兵隊員が暴力事件を起こすと、上官は、謝罪しますが、同時に、”戦場で使い物になる”と思ったことでしょう。

3.ベトナムの戦地で
ベトナムでは、13ヶ月ほど戦った。多くの人を殺しました。戦争映画では主人公はカッコイイですが、実際の戦場では、正々堂々などしていない。兵士は、女性、子ども、老人を助けることはない。眠っている敵もそのまま殺します。食事中であってもトイレ中であっても、敵はすぐに殺します。一番苦しむのは、女性、子ども、老人です。ベトナムの村も襲撃しましたが、隠れているので、じっと待っているのです。子どもが泣き出すのを。 子どもが泣き出すと隠れ家がわかります。逃げ出すと、老人は足が遅いので、結局、殺されてしまう。
戦争映画でリアルに描かれている映画でも、実際の戦場をそのまま表現できない。なぜなら、臭いがないからです。臭いがあると、観客は観続けることができない。戦場では、悪臭、死臭、血液の臭い、銃弾・弾薬の臭いがする。戦場では、死体を集める作業がある。手、足、あるいはまた頭のない死体がある。それを集めて数え上げ、積み上げるのです。
死体を見て、ベトナムの女性が泣き叫ぶのです。老人も泣き崩れます。他の人は死体から引き離そうとするが、なかなか離れないのです。
あるとき、女性が立ってウメイテいた。私はその女性が何をしているのか、わからなかった。その女性の股のところに頭らしきものが見えた。私は驚きながら、思わず手を差し出した。私の手には赤ん坊が・・・。その女性はヘソの緒を噛み切って、赤ん坊を抱えて逃げていった。私は夢を見ていたのではないかと思い、信じられなかった。しかし、私の手にはその痕跡があった。その時はじめて私はベトナム人も人間なんだと思った。
海兵隊では、それまでベトナム人を”浅黒い奴”、”共産主義者”と教えられ、人間ではないかのような洗脳教育を受けてきた。日本人を野鼠と同じ感覚で”ジャップ”と呼んで蔑んでいた。日本人も戦前、”鬼畜米英”と呼んで、戦争していたでしょう。今でも米兵は、イラク人を”砂漠の猿”と呼んでいる。
沖縄では10年ほど前、女性をレイプしていた事件があった。米兵によるレイプ事件は多数あった。米兵は沖縄で自動車事故も起こしている。沖縄の子どもたちは今でも基地に囲まれて生活している。10年ほど前の事件の後、私は沖縄に呼ばれて講演した。”沖縄の米軍基地は全て撤去しろ”という運動をしている。日本はアメリカの占領状態と同じだ。日本に来日して、日本国憲法第9条をはじめて知った。如何なる軍隊にも勝るものです。
 それが憲法第9条の力です。
皆さんの顔は戦争を知らない顔です。皆さんのお父さん、兄弟、隣人は、戦争をしないない。その幸運を悟って欲しい。大国の子どもたちは戦争の苦しみを味わっている。しかし、日本の子どもたちはそうではない。だが、安倍首相らは”憲法9条をなくそう”と企てているが、それを許してはならない。皆さんは憲法9条によって守られてきた。今度は憲法9条を守る必要がある。9条の意味は世界の人々にとっても意味がある。

4.世界に憲法9条を広げよう!
世界平和はこのホールに集まった人々から生まれる。


5.質疑
アメリカ批判、ブッシュ批判をして危険ではないのですか?
アメリカの平和団体は盗聴を受け、暴力を受けている。私も私服の警官に殴られて歯が4本吹き飛んだ。私たちは危険であっても運動をする。日本の憲法9条をアメリカに知らせる必要がある。

憲法9条をどうやって広めるのか?
憲法9条を広めるのは夢のようなことだと思われているが、核兵器と共存できると思っている人こそが矛盾に気づかず、夢を見ている。9条を広める方法は、”戦争や暴力はもう我慢できない”と思っている人がいるから、そういう人に憲法9条を知らせることである。憲法9条の指し示す道こそ平和の道です。インターネットで9条を知った人もいる。インターネットでも世界中に広めたい。世界の全ての国が憲法9条をもって欲しい。アメリカでも9条を広げたい。アメリカには黒人議員連盟もある。日本の沖縄では身体を張って戦っている人が居て、また人権も侵害されているが、それをアメリカの議員に見て欲しい!

アレン・ネルソンさんの夢は何ですか?
ジョンレノンのイマジンを思い出す。戦争のない世界を夢見る。そのためには、ハートに耳を傾けてみる。頭で考えてはならない。頭で考えると悪いことをしろと命じるが、ハートに耳を傾けると良いことをする。

兵士の生活補償は?
アメリカの兵士の生活補償はなかなか実現していない。心的外傷後ストレス障害(PTSD)が戦争によるものであることを証明しないといけないが、診断するのは、軍の医師だから、”大したことはない”と言われてしまう。良心的な医師の診断を受けたり、弁護士に依頼するにはお金がかかってしまう。男性兵士の80%は立ち直れずにホームレスになっている。

お母さんとの今の関係は?
お母さんを腹立たしく思ったことはない。今は良好な関係である。しかし、母も変わり者です。”アレンは戦争に行く前のアレンではない”と言い、”アレン少年”を可愛く思っている。戦場に行った者は元に戻れないと思っている。
母は日系アメリカ人と再婚しており、私が帰ると、日本語で話しかけてくる。私は片言の日本語しかわかりません。母は10年も日本に居るのに日本が話せない私を母は叱るのです。アメリカで着物を着ている黒人女性を見たら、私の母だと思ってください。


以上。

兵庫労働総研総会記念講演レジュメ

今日(5月24日)午後2時から兵庫県労働運動総合研究所の記念講演会で講演する。
講演するのは私を含め2人。
記録として、以下、私のレジメを紹介しておく。

《2008.5・24兵庫労働総研総会記念講演会》日本国憲法とアジアの情勢問題を中心に

       日本国憲法と日米安保体制の行方

●日時:2008年5月24日(土)午後2時〜5時(報告1時間程度)
●会場:神戸市立婦人会館つばき(4階)
●主催:兵庫県労働運動総合研究所  ●協  賛:兵庫県震災復興研究センター
      神戸学院大学大学院教授・憲法学・上脇博之

はじめに
2008年労働・生活白書(検証 格差・貧困・ライフスタイル)』(2008年2月)7−9頁。
紙面の都合で十分書けなかったことを補充。
脱稿後の展開を補充。

機テ本国憲法と日米安保体制の行方
1.明文改憲手続き法の成立から改憲原案の国会での審議可能段階へ
(1)小泉内閣・自民党における改憲政党の改憲案の策定
(顱房民党の『新憲法草案』と民主党の『憲法提言』(いずれも2005年10月末)
_憲論の自民党は、2005年10月に、現行日本国憲法をベースに条文化した部分「改正」の『新憲法草案』をまとめ上げ、同年11月の結党50周年の党大会で発表。
∩老論の民主党は、同年10月末、党憲法調査会の総会で『憲法提言』を了承。

(髻忘の改憲論はアメリカの要求に応えたもの
「日本が集団的自衛権を禁止していることが、同盟関係の足かせになっている。集団的自衛権を行使できるようにすれば、より緊密で効率的な安全保障協力ができる。これは日本国民が決定することである。米国は日本の安全保障政策を特徴づける日本国内の決定を尊重してきたし、これからもそうすべきである。しかし、米国政府は、日本が自らすすんでもっと大きく貢献し、もっと対等な同盟相手になることを歓迎する、という意思を明確にしなければならない。」(アーミテージレポート・米国防大学国家戦略研究所(INSS)特別報告『合衆国と日本 ― 成熟したパートナーシップに向けて』2000年10月11日

(鵝貌本の財界の要求にも応えたもの
「集団的自衛権の行使に関する政府解釈を改め、適正な目的と範囲を踏まえて『自衛権』の行使についての枠組みを固めること」(経済同友会憲法問題調査会『憲法問題調査会意見書 自立した個人、自立した国たるために』2003年4月21日)。
「集団的自衛権に関しては、わが国の国益や国際平和の安定のために行使できる旨を、憲法上明らかにすべきである。」(日本経済団体連合会「わが国の日本問題を考える ― これからの日本を展望して」2005年1月18日

(堯法崟貅號姫辧廚任呂覆アメリカの戦争支援のための改憲論・海外での自衛隊の武力行使(軍事的「国際貢献」のための武力行使だけではなく集団的自衛権の行使も)を「合憲」にするため

(2)安倍内閣・自民党における憲法「改正」手続きの整備
^打榮盂佞蓮◆崟鏝絅譽検璽爐らの脱却」を目指し教育基本法「改正」法や防衛庁の「省」昇格法などを成立させた。
⇒薪沺米辰房民党)と民主党は憲法改正手続き法の整備のために協議を続けていた。
しかし安倍晋三首相(当時)は、「憲法改正」を昨年(2007年)7月の参議院選の争点にすると言い出したため、民主党が反発し衆議院では与党と対立。
せ乙脹,婆閏臈泙鷲嫗啖莎弔鬚弔韻襪海箸鮠魴錣紡填┐靴燭燭瓠∈鯒5月、憲法改正手続き法は成立。

(3)2007年参議院議員通常選挙における明文改憲マニフェスト
 嵜靴靴せ代にふさわしい憲法をめざす。平成22年以降の国会を視野に入れ、次期国会に衆参両院に設置される『憲法審査会』の議論を深め、同時に、憲法に関する幅広い国民的な議論を深めていく」(自民党・公明党「連立与党重点政策」07年6月26日)。
◆峺醜垠法に足らざる点があれば補い、改めるべき点があれば改めることを、国民の皆さんに責任を持って提案していきます。民主党は2005年秋にまとめた『憲法提言』をもとに、今後も国民の皆さんと自由闊達な憲法論議を各地で行い、国民の多くの皆さんが改正を求め、しかも国会内の広範かつ円満な合意形成ができる事項があるかどうか、慎重かつ積極的に検討していきます。」(民主党マニフェスト

(4)同参議院議員通常選挙で改憲三政党が改憲の発議に必要な「3分の2以上」を獲得
改憲三党(自・公・民)は参議院選で121議席中106議席を獲得し、参議院の非改選議員を含めた新勢力でも242議席中212議席を占めた。政党レベルで見ると、改憲の発議に必要な「3分の2以上」の要件を充足。

2.参議院での与野党逆転と不透明な今後の行方
(1)明文改憲にとってのマイナス要因
(顱妨帖垢竜聴レベルでは「3分の2」を割っていた(改憲の衆参「ねじれ」現象)

朝日新聞社と東京大学の共同調査によると、与党が圧勝した2005年の衆議院議員総選挙で当選した衆議院議員で「憲法改正」に賛成なのは86%にも達しているのに比べ、与野党逆転となった参議院選で当選した改選議員で「憲法改正」に賛成なのは48%、憲法九条「改正」に賛成なのは26%で、非改選議員を含めた参議院の新勢力でも、それぞれ53%、31%。個々の議員レベルでみると、衆議院では改憲の発議に必要な「3分の2以上」の要件(憲法96条)を超えているものの、参議院では割っている(朝日新聞07年8月7日)。

(髻法峽法審査会」設置の先送りと集団的自衛権行使「解釈改憲」の先送り〆鯒の参議院議員通常選挙後の国会以降、衆参における「憲法審査会」の設置が先送りされている。
∪府の「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」に対応して昨年4月下旬に設置された自民党の「集団的自衛権に関する特命委員会」(委員長・中川昭一党政調会長)は、秋をメドにまとめる予定だった集団的自衛権行使の「解釈改憲」に関する提言を事実上棚上げにしました(日経新聞2007年8月26日)。

(鵝鵬憲派の減少と9条改憲反対派の増加
〆G3月中旬に実施された読売新聞社の調査でも、”今の憲法を改正する方がよい”と思う人は42・5%で、”改正しない方がよい”と思う人は43・1%(2008年4月8日01時08分)。・・・過去の世論調査で改憲賛成が一番多かったのは2004年の65%で、その時の改憲反対は22.7%。
∈G4月中旬に実施した朝日新聞の調査では、憲法9条を「変えない方がよい」との回答が66%で、「変える方がよい」は23%(2008年05月02日21時33分)。・・・憲法改正が「必要」とする人は56%いるが、その中で9条改正を支持する人の割合は37%、54%が「9条は変えない方がよい」と回答。

(4)明文改憲にとってのプラス要因
(顱吠‥長夫首相の所信表明演説

(‥長夫首相は所信表明演説で憲法問題には触れていなかった。
∈鯒(2007年)10月5日の参院本会議で、憲法改正について「時代の変化を踏まえ、将来を見据えながら新たに加えるべきもの、改めるべきものがあれば、改正についても議論がなされるべきだ。」「憲法改正には(衆参)各議院の3分の2(以上の賛成)という幅広い合意が必要だ。(改正手続きを定めた)国民投票法の本格施行となる3年後に向け、広く国民、与野党においても議論が深められることを期待している」と発言。

(髻帽駝嬰衂疾度の周知及び執行体制の確立に必要な経費
改憲手続き法を国民に周知徹底するために、総務省が昨年8月末にまとめた概算要求には「国民投票制度の周知及び執行体制の確立に必要な経費」として6億3000万円(もっとも、08年度予算案ではその10分の1にあたる7000万円に)。

(鵝棒府は成人の最低年齢を20歳から18歳に引き下げることを検討
鳩山邦夫・法務大臣は、民法で「20歳以上」となっている成人年齢を「18歳以上」に引き下げるべきかどうかの検討を2月13日の法制審議会に諮問(2009年をめどに結論を出す)。

3.テロ対策新法案成立と自衛隊恒久派兵法制定の危険性
(1)テロ対策特別措置法の期限延長のための「改正」阻止と海上自衛隊の撤退
〇乙脹〜で大惨敗しても退陣しなかった安倍首相は、昨年8月7日召集の臨時国会を4日間しか開かず内閣改造で乗り切ろうとしました。
△靴し、同年9月10日召集の臨時国会で安倍首相は所信表明演説を終え代表質問を受ける直前に辞任を表明。
自民党は、無責任にも国会を休会にしたまま総裁選を開始し、福田康夫自民党総裁を誕生させ、福田内閣が9月26日発足。
ぅ謄軋从特別措置法は昨年11月1日に限切れになるため、政府・与党はアメリカの要求に応えて、この期限を延長しようと目論んだが、野党の反対にあい、期限を迎え、海上自衛隊は撤退。

(2)補給支援特措法を今年1月に衆議院の再可決により強行可決・成立
〆鯒10月、政府は「テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案」(いわゆるテロ新法案)を提出。
∪府・与党は国会の会期を2度延長し、今年1月11日、衆議院での再可決を強行、成立。

(3)民主党のあやふやな対応
 峭駭△粒萋阿棒儷謀に参加することは、たとえそれが結果的に武力の行使を含むものであっても、何ら憲法に抵触しない、むしろ憲法の理念に合致する」と表明する一方、ISAF(国際治安支援部隊)への参加につき、「今日のアフガンについては、私が政権を取って外交・安保政策を決定する立場になれば、ISAFへの参加を実現したい」などと矛盾する見解を表明(小沢一郎「公開書簡 今こそ国際安全保障の原則確立を」『世界』07年11月号148頁以下)。
宇宙基本法案(政府が1969年以来非軍事に限ってきた宇宙利用を、防衛や産業振興目的に広げ、内閣府に米航空宇宙局(NASA)を想定した新組織を創設する)では、民主党は与党と一緒に共同提案し、衆参あわせて約4時間審議しただけで5月21日成立。

(4)自衛隊の海外派兵一般法(恒久法)制定に向けた今後の動き
。慣邁悉椶砲蓮⊆・民・公など超党派の議員連盟「新世紀の安全保障体制を確立する若手議員の会」が3年ぶりに活動を再開(約110人が名を連ね、週1回、自衛隊海外派兵恒久法や集団的自衛権行使など問題の勉強会を開催)。
¬閏臈泙蓮⇒薪泙凌轡謄軻蛋舎,梁舒討法⊆衛隊海外派兵恒久法整備の方針も盛り込んだ(参院で可決され、衆院で継続審議)。
0打楡権時に発足した政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長:柳井俊二・元駐米大使)がいずれ報告書を福田首相に提出する!?

終わりに


Categories
あし@
livedoor プロフィール

nihonkokukenpou

TagCloud
livedoor × FLO:Q
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ