上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場

憲法研究者の社会活動の一環として、ブログを開設してみました(2008年4月5日)。 とはいえ、憲法問題全てについて意見を書くわけではありません。 政治問題について書くときがあるかもしれません。 記録として残しておくために、このブログを使用するときがあるかもしれません。 各投稿記事の右下の「拍手」が多いようであれば、調子に乗って投稿するかもしれません。 コメントを書き込まれる方は、カテゴリー「このブログの読み方とコメントの書き込みへの注意」の投稿を読んだ上で、書き込んでください。 皆様のコメントに対する応答の書き込みは直ぐにできないかもしれませんので、予めご了解ください。 ツイッターを始めました(2010年9月3日)。 https://twitter.com/kamiwaki フェイスブックも始めました(2012年7月29日) http://www.facebook.com/hiroshi.kamiwaki.7 かみわき・ひろし

2010年02月

2月末日の近況報告

2月は今日で終わります。
今月は28日までしかないので、やはり時に経過が早く感じてしまいます。
今年(2009年)度も3月を残すだけになりました。

近況報告をしておきます。


1.原稿執筆の進捗状況

(1)ある書籍の改訂版の執筆依頼がありました。
5つの項目を執筆しました。

「直接民主制と間接民主制」
「公務員の労働基本権」
「政党」
「唯一の立法機関」
「国政調査権」

1項目につき2000〜2200字で、各項目とも上限いっぱい書きました。

すでにほぼ締切(1月12日)を守って脱稿し、校正ゲラ待ちが続いています。
校正はいつになるのだろうか?

(2)「年末にアップされた判例評釈の原稿が加筆・修正のうえ雑誌化されます。

雑誌「速報判例解説」第6号

先月(1月)25日に脱稿し、先日、校正ゲラが届きました。
締切は今月(2月)15日(月)でしたが、だいぶ前に返送しました。
出来上がった雑誌が送られてくるのを待っています。

(3)集中アクセス・書き込みがあった件で、原稿依頼がありました。

締切りは先月(1月)29日だったのですが、それより前に脱稿しました。
分量は11字×130行。

(4)若者向けの「政治とカネ」に関してインタビューが活字になる予定です。

正式の校正前の段階のものを今月上旬に返送しました。
校正ゲラを待っています。

(5)ある雑誌で再び「政治とカネ」問題で今月(2月)5日午前中にインタビューを受け、それが原稿化されることになりました。

タイトル「小沢氏の政治資金問題が問う企業・団体献金禁止と政党のあり方」

校正を終えました。

来月(3月)上旬に出る予定です。

(6)「企業献金の全面禁止いますぐ “政策買収”進める経団連 透明化で政・官・財の癒着解体を」JCJ機関紙「ジャーナリスト」2010年2月号が出ました。

(7)『ねっとわーく京都』の連載・第8回目(2010年4月号)の原稿を脱稿し、校正も終えました。

「企業・団体献金の全面禁止の先送りは許されない!(2)」

来月上旬に出ます。

(8)ある雑誌の5月号「特集 憲法と国民生活」で原稿依頼がありました。
テーマは「新政権と憲法問題」
字数 7000〜7500字(当初より増えました)
締切りは明日(3月1日)。
間に合うのか?

(9)『ねっとわーく京都』の連載・第9回目(2010年5月号)の原稿の締切りは、来月のいつになるのか?

何を書こうか?

(10)他にもあったかなぁ?

もうこれ以上原稿依頼がないことを祈ります!!!


2.講演等

昨年11月28日に講演したことがきっかけで、小学6年生、中学1・2年生の前で講演しました。

2010年2月18日(木)13時30分ごろ〜(50分程度!?)。
テーマは「戦争と憲法」。

作成したレジュメは難しすぎるようなので、難しい話はだいぶ省いて話をしました。
3人の生徒さんから質問がありました。

お礼の言葉と花束をもらいました。


3.マスコミでのコメント

(1)「資産最多は鳩山首相 兄弟で衆院議員全体の16%占める」朝日新聞夕刊(2010年2月8日10時41分)で、私のコメントが紹介されました。

(2)小沢一郎民主党幹事長の公開された資産公開につき、読売新聞2010年2月9日で、私のコメントが紹介されました。
 
(3)「鳩山政権の通信簿:マニフェスト検証 5カ月目 上脇博之氏に聞く」毎日新聞(2010年2月22日)で、私のコメントが紹介されました。

(4)そのほか、マスコミから記者と直接会って、あるいは電話で、取材を受けましたが・・・・。


4.呼びかけ

(1)竹下彌平さんについての情報提供をお願いします

なお、有力な情報提供がありました。

(2)憲法本を母校に寄贈しよう

(3)憲法を活かす1万人共同意見広告運動・兵庫

是非ともご協力をお願いします。



5.私が執筆している書籍・雑誌(単著3冊を除き2008年1月以降のもの)の紹介

(1)「民主党連立政権と政治資金の行方」『法と民主主義』2010年1月号53−57頁。

(2)「企業・団体献金の全面禁止の先送りは許されない!(1)」『ねっとわーく京都』254号(2010年3月号)61−62頁。

(3)「政治資金不記載は国民の「知る権利」侵害」日経ネットPLUS(2010/02/02)

(4)「政治とカネその6 西松建設違法献金事件と刑事告発の総括」『ねっとわーく京都』253号(2010年2月号)64頁―66頁。

(5)「NEWSを読み解く 政治献金問題と今後の課題」『経済科学通信』121号(2009年12月号)6−10頁。

(6)「参議院選挙区選挙の最大格差4.86倍を「大きな不平等」として選挙制度の仕組みの見直しを求めた2009年最高裁大法廷判決

(7)「政治とカネその5 政党交付金が遊興費に使われた!」『ねっとわーく京都』252号(2010年1月号)101−103頁。

(8)「政治とカネその4 国会における過剰代表と政党助成における過剰交付(2)」『ねっとわーく京都』251号(2009年12月号)57−59頁

(9)「政治とカネその3 国会における過剰代表と政党助成における過剰交付(1)」『ねっとわーく京都』250号(2009年11月号)59−61頁。

(10)「総務大臣のNHKへの放送命令及び放送要請の違憲性―NHK国際放送実施要請違法無効確認等請求事件訴訟における陳述書―」『神戸学院法学』第38巻第3・4号(2009年)247−269頁。

(11)「政治とカネその2 知る権利を保障しなければ人権侵害だ!」『ねっとわーく京都』249号(2009年10月号)58−59頁。

(12)「企業献金の違憲性」『名古屋大学法政論集(浦部法穂教授退職記念論文集)』230号(2009年6月)が29−63頁。

(13)「新連載・政治とカネ 議員定数削減論と『読売テレビ』の政治性」『ねっとわーく京都』248号(2009年9月号)54−55頁

(14)『ねっとわーく京都』2009年8月号

(15)「まなぶ』621号(2009年6月号)

(16)『前衛』843号(2009年6月号)

訂正箇所が1箇所あります

(17)『新どうなっている!?日本国憲法〔第2版〕』

2009年4月9日付「新婦人しんぶん」(2789号)第6面下段の「本」の箇所で本書が紹介されました。

売れ行き好調のようでして、第4刷が出ることになりました。

(18)『現代憲法における安全』

(19)『前衛』839号(2009年2月号)

(20)『2009年労働・生活白書 社会の基本を変えよう!』

(21)『憲法の争点』

(22)『女性のひろば』2009年1月号

(23)「待ち遠しい総選挙の意義」

(24)『速報判例解説』(Vol. 3 2008年10月)

(25)「法と民主主義」2008年7月号

(26)『改憲・改革と法』

(27)『法学セミナー』640号(2008年4月号)

(28)『2008年労働・生活白書 検証 格差・貧困・ライフスタイル』2008年

(29)私の単著3冊

「企業・団体献金全面禁止」公約の反故を主張する無責任さ

(1)自民党総裁は、相変わらず、政治腐敗の温床である企業・団体献金の全面禁止に反対していることなどもあって、民主党の「政治とカネ」問題の追及に迫力も説得力も感じないことは、すでに紹介し指摘しておいた。

(2)自民党の審議拒否については、批判しておいたが、否決されるとわかっている議長不信任決議の結論が出たことで、自民党は予算委員会の審議に復帰したようだ。
東京新聞2010年2月26日 朝刊
自民が審議復帰 強気民主に弱腰くっきり

 国会は二十五日、自民党が審議に戻り、三日ぶりに正常化した。同党は当初、小沢一郎民主党幹事長の招致など六項目の要求が受け入れられない限り、欠席戦術を続ける構えだったが、一つも実現しないうちに方針転換。民主党の強気と、自民党の弱い立場が浮かび上がる。
 民主党は国会正常化後、深夜まで衆院予算委員会分科会を開き、審議を急ピッチで進めた。山岡賢次国対委員長は代議士会で「(分科会は)明日の朝までになってもやる。予算が上がるまでは決戦場だ」と決意を示した。
 民主党にとって、二〇一〇年度予算案を三月一日に衆院通過させ、年度内成立を確実にすることが最重要課題。政権浮揚のかぎとみる子ども手当法案などの年度内成立のためにも、野党の言い分を聞いて手間取るわけにいかないのだ。
 一方、自民党が審議に戻ったのは、これ以上欠席を続けても譲歩を引き出せる展望が開けないからだ。谷垣禎一総裁は記者会見で「(民主党が)六項目に何も答えないのは甚だ遺憾。だからこそ議長不信任案などを出す」と強調したが、審議復帰の大義名分として提出したのは明白。石破茂政調会長は「テレビに自民党の空席が映り、新聞に審議拒否という字が躍る。ここに至ってはやむを得ないと総裁が決断した」と述べた。
 戦術転換を決めた臨時役員連絡会では「こうなるのは、目に見えていたのに、どうして寝たのか」との声が続出。参院幹部は「すぐ起きるなら、審議拒否なんてしなければいい」と不満を隠さない。

もっとも、分科会は欠席したという。
毎日新聞 2010年2月26日 東京夕刊
衆院予算委:自民、分科会欠席

 衆院予算委員会は26日午前、10年度予算案に関する分科会を開いた。自民党は25日から国会審議に復帰したが、分科会の日程が審議拒否中に決まったことなどを理由に欠席。鳩山由紀夫首相が出席して社会保障をテーマに行われる26日午後の集中審議には出席する構えだ。【野原大輔】

(3)企業・団体献金の全面禁止について自民党が存続から禁止へと態度を変更したという報道はいまだに見聞きしてはいない。

(4)他方、民主党の「政治資金対策チーム」は、先月末に、企業・団体献金の全面禁止などを盛り込んだ政治資金規正法改正案を4月に国会に提出し、今国会中の成立を目指すことを決定したことも、すでに紹介した。

鳩山由紀夫首相も、先日、国会で政治資金規正法改正に前向きな発言を行っている。
時事通信2月24日11時10分配信
与野党機関、早急に設置=規正法改正で−鳩山首相

 鳩山由紀夫首相は24日午前、首相官邸で公明党の山口那津男代表と会談し、政治資金規正法改正のための与野党協議機関について「早急に立ち上げ、進めたい。(17日の)党首討論で述べた方向で進めていかないといけない」と述べ、各党との調整を急ぐよう民主党執行部に指示する意向を示した。
 首相は党首討論で、企業・団体献金の禁止や会計責任者に対する監督責任強化に向けた協議機関設置を山口氏から提案され、「大いに各党で協議を進めていこう」と賛成する考えを表明していた。24日の会談で、山口氏は改めて首相の考えをただしたが、首相は設置時期については明言しなかった。
 一方、山口氏は介護保険制度に関し、2025年までに現行5割の公費負担割合を3分の2に引き上げることなどを求めた提言を手渡した。首相は「早速、具体的な検討を(政府内で)促したい」と応じた。
 
(5)ところが、昨日(2月26日)の朝日新聞朝刊の「オピニオン」の「なぜカネがかかるのか」の記事において、安住淳・民主党衆議院議員「資金力でのし上がれぬ時代」を読んでいたら、同議員は以下のように話していたので、驚いてしまった。
ある程度の企業・団体献金は認めて、そのかわり透明性を確保することが現実的じゃないですかね。

鳩山さんや小沢さんの政治資金が問題になっていますが、あの2人のようにすば抜けた資金力を持っているのは、民主党の中ではきわめて例外的なんです。ほとんどの議員は、私と同じカツカツでやっている。すごく特殊な例なのに、だから献金は全部ダメだ、廃止しろとか、短絡的な議論になっているのは残念ですね。

(6)なぜ、私が驚いたのかといえば、先に紹介したように民主党の「政治資金対策チーム」は企業・団体献金の全面禁止の法制化を決定しているだけではなく、昨年の総選挙のマニフェストや政策集で、企業・団体献金の全面禁止を公約していたからである。
企業・団体献金の全面禁止
企業・団体献金を禁止し、政治不信を解消します。政治資金規正法を改正し、その3年後に企業・団体の献金およびパーティー券購入をすべて禁止します。それまでの当面の措置として、(1)国や自治体と1件1億円以上の公共事業や物品納入等の契約をしている会社等の献金およびパーティー券購入(2)現在献金のみ禁止されている会社等(国・自治体から補助金や出資等を受けている会社や赤字会社等)のパーティー券購入――などを禁止します。

安住議員の意見はこの公約を反故にしようと公然と主張していることになる。

(7)もちろん、一般に、選挙公約については、それが憲法違反あるいは違法なものであれば、その実現は断念すべきであるし、どうしても予算が確保できないのであれば、場合によっては先延ばしもやむをえないときもあるだろう。

しかし、企業・団体献金は、憲法上あるいは法律上許容されないものであり、本来、全面禁止されるべきものであるから、その全面禁止の公約は、むしろ積極的に実行されるべきものである。
また、企業・団体献金の全面禁止には、それ自体、予算を必要としない。言い換えれば、予算上の障害は全くない。

それゆえ、企業・団体献金全面禁止の公約は、何が何でも実現されるべきである。

選挙前は健全なことを公約しながら、当選後は、それを反故にしようと主張することは、主権者国民にとっては、背信的な発言である、と評されることになる。

「民主主義のコスト」論として選挙運動や政治活動の資金のあり方の見直しを主張するのであれば、まだわかる(これについては、別の機会に書くことにする)が、選挙公約の反故に相当することを語ることは、企業・団体献金の全面禁止を主張しない自民党議員とは別の意味で、無責任である。

(8)民主党は、このような背信的で無責任な発言をする議員をこのまま放任するのだろうか!?
そうなれば、民主党自身が政党として無責任であると評されることにもなりかねない。

(9)安住議員の背信的で無責任な発言に憂慮したのかどうかはわからないが、民主党内でも、企業・団体献金の全面禁止に向けた動きが出ているようだ。
日経新聞2010年2月27日(01:11)
企業献金禁止の研究会立ち上げ 民主の参院有志議員

 民主党で夏に改選を迎える6人の参院議員は26日、企業・団体献金の全面禁止を目指す研究会を発足させた。会長に小川敏夫氏、事務局長に藤末健三氏が就いた。3月中旬をめどに個人献金の普及策などをまとめ、党政治改革推進本部の海江田万里事務局長に提出する。初会合で小川氏は「企業団体献金の廃止と政治倫理の確立を責任を持ってやらねばならない」と語った。

遅いとはいえ、歓迎すべき動きである。
民主党は、是非とも一丸となって今の通常国会で企業・団体献金の全面禁止という公約を実現し、主権者国民に対する政治的責任を果たし、議会制民主主義の健全化に努めるべきである。

(10)そうでなければ、夏の参議院議員通常選挙で、企業・団体献金の全面禁止を真に主張する政党に躍進してもらい、自民党は言うまでもなく民主党にも敗北してもらうしかない!

ついに日本経団連が二大政党の政策「買収」を中止した!

はじめに

日本経団連は、2004年から行われていた、自民党と民主党の政策「買収」を、ついに中止するとの方針を決定したようだ。
朝日新聞2010年2月25日3時2分
経団連、献金主導を中止 民主に配慮 政治的中立へ

 日本経団連は24日、今年から企業・団体献金に組織として関与しない方針を固めた。これまでは、政党の政策を採点する政策評価をもとに加盟企業・業界団体に献金を促してきた。しかし、民主党が献金禁止を掲げ、政治と金を巡る問題に世論の批判も高まっていることから、現状にそぐわないと判断した。2008年の経団連関連の献金額は約30億円にのぼるが、大幅に減る可能性がある。
 経団連は24日開いた正副会長懇談会で方向性を決めた。今後、加盟する企業や団体に、現行の政策評価方式の廃止など基本方針を伝える。
 これまで経団連は、企業献金の中心的な役割を担ってきた。社会貢献を理由に04年から、自民党と民主党の政策を、経団連が求める政策との整合性や実現具合などの観点で、A〜Eの5段階で採点する「政策評価」を実施。これを判断基準として傘下の企業・団体に献金するよう促し、実質的に大きな影響を与えてきた。08年の献金額は自民党に26億9900万円、民主党には1億900万円だった。
 企業・団体献金については、民主党が禁止を政権公約に掲げ、献金自体にも政策をゆがめるなどの批判があった。このため組織として関与するべきでないと判断した。自民党に偏っていた献金への関与をとりやめることで、民主党にも配慮し、政治的な中立性を保つことにもなる。
 政治活動を支える費用は、企業献金ではなく個人献金を中心にするべきだとの考え方から、今後は個人献金を増やす方策の検討を始める方針だ。当面は個人献金増加の道筋がついていないこともあり、献金するかどうかは各企業の判断にまかせる。政策評価については、自らの政策提言がどれだけ実現したか検証するための新たな仕組みをつくるという。(冨田佳志)

そこで、これまでの経緯を少し詳しく振り返り、この政治献金斡旋中止の意義と今後の課題について書いておきたい。

1.日本経団連による二大政党の政策「買収」

(1)1988年発覚のリクルート事件、その後の東京佐川急便事件、ゼネコン事件を受け、経団連は、1993年に、それまで行ってきた企業献金の斡旋を中止した

(2)しかし、2002年に日経連と合併したのを契機に、日本経団連は、再び企業献金の斡旋を再開することに方針転換した。

もっともそれはかつての斡旋の単純な再開ではなかった。

日本経団連が求める「優先政策事項」を決定し、それを基準にして与党第一党の自民党と野党第一党の民主等の各政策を評価し、それに応じて傘下の企業に政治献金をするよう斡旋し始めたものであり、より悪質であり、両党の政策を「買収」するものであった

日本経団連は、2004年からこれを開始したのである。

(3)それまで橋本内閣の「六大改革」により財界政治が推進されてきた。
経済同友会や21世紀臨調は、マニフェスト選挙を仕掛けて、これを後押ししてきた

日本経団連は、これでは不十分と判断し、悪質な政策「買収」の乗り出したわけである。
その結果、小泉内閣の「聖域なき構造改革」という財界政治が強行されることになった。

2004年から2008年まで、約22、7億円〜約29.9億円の政治献金が日本経団連傘下の企業によって行われたのである

2.政策「買収」の「成功」・失敗と日本経団連の自民党離れ

(1)日本経団連による二大政党の政策「買収」により、財界政治が実現した。
財界にとっては、この作戦は「成功」であった。

しかし、その結果、毎年3万人を超える自殺者と、働いても働いても生活保護水準を下回る年収しか得られないワーキングプアをかかえる格差社会が誕生し、自民党支持離れにより、2007年の参議院議員通常選挙と昨年8月末の衆議院議員総選挙で自公政権は惨敗した。

(2)その直後から、日本経団連は、自民党離れを始めた

そして、昨年10月中旬には、2009年における二大政党の政策評価を行わなかったのである。

日本経団連が真に政策評価をして、社会貢献として企業団体献金を斡旋しているのであれば、これまでの政策評価を続けているはずであった。
それを続けなかったのは、それが建前であり、本音は与党の政策を「買収」するためであったのだろう。

(3)その後、日本経団連は、年明けの自民党大会に欠席した。
毎日新聞 2010年1月21日 東京夕刊
経団連:「自民離れ」 御手洗会長が党大会欠席へ

 日本経団連の御手洗冨士夫会長が24日の自民党大会を欠席することになった。同党は出席を前提に式次第を作成していたが、21日午前に欠席の連絡が入った。御手洗氏が06年の会長就任後、自民党大会を欠席するのは初めて。経団連は「会長を務めるキヤノンの社業で週末に上海出張が入ったため」と説明するが、「政権与党に配慮したドタキャン」(自民党関係者)との見方も出ている。
 政権交代後、経団連は自民党一辺倒だった従来の姿勢の転換を迫られている。御手洗氏は16日に開かれた民主党大会に招待されず、自民党大会だけに出席する形になるのを嫌ったとの指摘もある。
 前任の奥田碩氏は、小泉政権時代に1回欠席したことがあるという。24日は経団連副会長が代理として出席する。
 自民党は党大会に東北楽天イーグルス前監督の野村克也氏を招いて話題作りを狙っているが、御手洗氏の欠席は経団連の「自民離れ」を印象づけ、痛手になりそうだ。【木下訓明】

(4)そして、日本経団連の新会長は、これまでの政党政策「買収」を続けるかどうかについて、鳩山政権の対応を見てから判断するとしていた。、
[1月24日/日本経済新聞 朝刊]
異例ずくめ、遅れた決着 経団連会長に米倉氏

 日本経団連の次期会長に米倉弘昌住友化学会長(72)が内定した。旧財閥系、化学業界出身……最近の経団連会長としては異例ずくめの起用となる。今回の人選は、金融危機や政権交代など複雑な要因が絡まり、「経団連銘柄」と言われる企業がそれぞれの事情を抱える中で実施された。御手洗冨士夫会長(74)は各社の厚い壁を乗り越えられず、選択肢が狭まり、人選が遅れたという背景がある。
 「15人いれば不自由しない。副会長から選ぶ」。御手洗会長は昨年5月の総会後の記者会見で、後任については15人の現役副会長から選ぶ意向を示した。当初は早くて11月、遅くても12月までに決める考えだったが、ふたをあければ1月末のぎりぎりの決着。御手洗氏は経団連の若返りを進めていたが選ばれた米倉氏は2歳しか年が離れていない。

NHK 1月27日 19時39分
米倉次期会長 国民目線で提言

 日本経団連の次の会長に就任することが決まった住友化学の米倉弘昌会長は「国民の視線で政府に政策提言をしていきたい」と抱負を述べるとともに、政府が掲げる地球温暖化対策の温室効果ガスの削減目標に反対していく考えを明らかにしました。
 日本経団連は、27日に開いた懇談会で、御手洗会長の後任に住友化学の米倉弘昌会長が就任することを内定しました。米倉氏は、出張先のスイスのダボスで27日、NHKの取材に応じ、この中で「奥田前会長や御手洗会長が敷いた路線を引き継ぎ、日本経済の活性化策についてもっと掘り下げていきたい。国民の生活を脅かすのは大企業だというようなまちがった考えた方を正し、国民の目線でいろんな改革を政府に提言していきたい」と抱負を述べました。
 また、政府・民主党との関係については、経団連独自で行ってきた各党の政策に対する評価は行うとしたうえで、政治献金を続けるかどうかは政府の対応を見守る考えを示しました。
 一方、政府が地球温暖化対策として温室効果ガスを2020年までに25%減らすことを掲げていることについては、「反対の考えは経団連会長になっても変わらない。国民生活も大きな影響を受けるし、何よりこれによって新しい産業が生まれると言うが、それは楽観しすぎではないか。10年以内にちゃんと立ち上がった産業なんて見たことがない」と述べて、政府の方針に反対していく考えを示しました。

(5)結局、日本経団連は、冒頭の報道で紹介したように、企業献金の斡旋を中止する方向に方針を転換したのである。

これは、日本経団連の本音が二大政党、特に与党の政策「買収」であったことを「自白」するものであった。

3、民主党の方針転換と私たちの努力の成果

(1)もっとも、日本経団連の方針転換は、私たちの努力の成果でもあるだろう。

(2)西松建設違法献金事件で昨年3月に小沢一郎民主党代表(当時)の公設第一秘書が逮捕された。
国民の批判が強まる中、同月中旬、小沢代表は、党内で公共事業受注企業からの献金禁止を求める声が出ていることについて、苦し紛れに「禁止するなら企業献金と今回問題になった団体献金を全面的に禁止することだ」等と踏み込み、企業・団体献金の全面禁止を検討すべきだとの姿勢を示した。

(3)そこで、私が共同代表を務める「政治資金オンブズマン」は、同年4月はじめに「企業・団体献金等の全面禁止を求める要求書」を各党に送付した。

(4)小沢氏が民主党代表を辞任した後、5月下旬に、民主党の政治改革推進本部は総会で「3年後に企業・団体献金(パーティー券の購入を含む)の全面禁止」などを決定し、6月初めに、治資金規正法等の一部を改正する法律案を国会に提出した(もっとも、麻生内閣が衆議院を解散したため廃案となった)。

昨年8月30日衆議院議員総選挙における民主党マニフェストは「企業団体による献金、パーティー券購入を禁止します。」と明記し、また「民主党政策集INDEX2009」は「企業・団体献金を禁止し、政治不信を解消します。政治資金規正法を改正し、その三年後に企業・団体の献金およびパーティー券購入をすべて禁止します。」等と明記し、民主党は圧勝した。

(5)私が共同代表を務めている「政治資金オンブズマン」と「株主オンブズマン」は、総選挙後も、その確実な実現に向けて働きかけをしてきた。

まず、9月中旬、日本経団連に「企業献金の速やかな廃止を求める要望書」を送付し、日本経団連の副会長15名にも母体企業宛に同文の要望書を共同で送付した。

次に、両オンブズマンは、官僚に依存しなくても直ちに国会へ提案できるように民主党のマニフェストを条文化し、加えて、民主党のマニフェストにない部分や民主党とは見解が異なる部分についても条文化し、政治資金規正法改正案の提言を行い、9月下旬に内閣総理大臣、総務大臣や民主党などに送付した。

10月下旬、「株主オンブズマン」は、上場企業500社に対し、政治献金に関してアンケート協力のお願いと質問・回答票を送付したところ、回答企業116社中、新政権下でも政治献金を「する」は2社(1・8%)、「する方向で検討」は7社(6・2%)で、これらのうち「これまでどおり自民党・国民政治協会に」と、「自民党・国民政治協会を主に、民主党・国民改革協議会にもいくらか」は、それぞれ2社だけだった。

(6)それでも、民主党、鳩山内閣は昨年の臨時国会に政治資金規正法の抜本改正案を提出しなかった。
また、年明けの通常国会でも法案の提出は予定されていなかったのである。

(7)そこで私たちは、民主党に、企業・団体献金の全面禁止を法制化する要請書を提出するために、1月中旬、全国の弁護士・学者に呼びかけを行い、賛同を募り始めた
 当初、今月(2月)末に第一次集計を締切る予定であったが、民主党の政治資金対策チームの第一回会議が同月下旬に開催され、企業・団体献金の全面禁止等を盛り込んだ政治資金規正法改正案をまとめ、4月には国会に提出し、今の通常国会で成立を目指すことを決定したと報じられたので、その締切りを早めたのである。

そして阪口徳雄弁護士が代表して今月22日に、要請書を、民主党「政治資金対策チーム」の責任者である海江田万里選対委員長代理に手渡したのである。

(8)その2日後、日本経団連は、これまでの企業献金斡旋を中止する方向に方針を変更したのである。

4.日本経団連の企業献金斡旋中止の意義と残された課題

(1)日本経団連が傘下企業の政治献金斡旋を中止することになれば、二大政党の政策「買収」ができなくなる可能性が高くなる。

(2)また、そうなると、民主党も自民党も、斡旋による企業献金を受け取れなくなる。

(3)したがって、民主党が企業・団体献金の全面禁止等を盛り込んだ政治資金規正法改正案を国会に提出し、同法案が成立する土壌が生まれたことになる。

(4)もっとも、個々の企業が自主的に行う政治献金はまだ法律で禁止されていないから、今後も継続する可能性があり、したがって、政治腐敗の温床は残ることになる。
労働組合の政治献金も同様である。

(5)したがって、私たちの運動は今後も続け、民主党にマニフェストの実現を迫る必要があるだろう。

JCJ機関紙「ジャーナリスト」2010年2月号の紹介

JCJ機関紙「ジャーナリスト」2010年2月号が自宅に届いた。

今回は、私も執筆している。

タイトルは
「企業献金の全面禁止いますぐ
“政策買収”進める経団連
透明化で政・官・財の癒着解体を」
である。

目次は、以下で見ることができる。

http://jcjkikansh.exblog.jp/13801427/


なお、日本経団連が企業献金の斡旋を中止する方針を決めたようだ。
これについては、別の投稿で私見を書くことにする。

報道実務家フォーラム公開セミナー「「核密約」スクープはこうして生まれた」の紹介

知り合いの記者さんから、以下の案内をもらいました。

私はあいにく参加できませんが、マスコミの関係者の皆様、参加してみては如何でしょうか。

報道実務家フォーラム 公開セミナー

「核密約」スクープはこうして生まれた − 調査報道・私の手法

講師 太田昌克さん(共同通信編集委員)

2010年3月4日(木)午後6時半

早稲田大学8号館310教室
(東京都新宿区西早稲田1-6-1
 地下鉄東西線「早稲田」 またはJR・西武高田馬場からバス「早大正門」終点)


 1960年の日米安保条約改定に際し、米国が核を持ち込むことを日本政府が黙認することを約束した「核密約」。日本政府は長年にわたりその存在を否定してきましたが、4人の外務事務次官経験者が密約の存在を認めた証言をはじめとする共同通信のスクープが政府の嘘を暴きました。
 特ダネはどんな取材で得られたのか、担当した共同通信の太田昌克編集委員にお話ししてもらい、情報の端緒、調査の仕方など、実務の詳細を初めて明らかにします。


問い合わせ: jitsumukaforum@yahoo.co.jp
または早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース
瀬川至朗教授研究室(FAX:03-5286-3995)


報道実務家フォーラムとは
 報道実務家が話し合い、取材技法を高め知識を広げたり、情報、報道の自由と記者の権利について理解を深めたりする場です。新聞・通信・放送の記者でつくる「取材報道ディスカッショングループ」の議論の中から生まれました。

「政治とカネ」問題と自民党の姿勢

(1)今月12日、鳩山内閣の政治姿勢」をテーマに衆議院予算委員会で「集中審議」が行われた。
ある自民党議員が、鳩山由紀夫首相の偽装献金事件を取り上げ、首相を「平成の脱税王」などと批判し、辞任を求めた。

その自民党議員とは、与謝野馨衆議院議員(元財務大臣)であった。

与謝野議員といえば、その資金管理団体「駿山会」が、商品先物取引会社の「オリエント貿易」(当時)のダミーの政治団体「政経政策研究会」から迂回献金を受け取っていたという疑惑が昨年6月下旬に発覚した人物である。

与謝野議員は、当時から当日まで、主権者国民に対して説明責任を果たしていたわけではない。

そんな議員が、現首相の「政治とカネ」の問題を追及していたわけである。
有権者にとっては噴飯ものである。

(2)私は自民党議員が「政治とカネ」の問題で民主党議員を追及することに反対ではない。
しかし、すでに書いたように、その追及には、全く迫力も説得力も感じない
金権腐敗の元祖は自民党議員だからである。

自らの疑惑を正直に吐露して、それを真に根絶するために追及するなら、少しは説得力も迫力もあるが、自らの疑惑を棚に上げて追及しても、有権者はシラケてしまうだけである。

(3)そして、また今、自民党は、民主党の「政治とカネ」問題における関係者の国会招致に与党が応じないことを理由に、国会の審議を拒否し続けている。
日経新聞2010年2月23日(19:36)
自民、審議拒否を継続 衆院予算委

 衆院予算委員会は23日午前、自民党が欠席したまま2010年度予算案に関する一般質疑を続けた。自民党は鳩山由紀夫首相や小沢一郎民主党幹事長の「政治とカネ」問題で関係者の国会招致に与党が応じることを出席の条件としており、与野党の対立が続いている。
 自民党は子ども手当法案の趣旨説明と質疑を行う23日午後の衆院本会議も欠席する方針。ただ、公明、共産など他の野党は引き続き出席する見通しで、野党の足並みはそろっていない。自民党内には「出席して政府与党を批判すべきだ」との意見も出ており、執行部は石破茂政調会長に予算案組み替え動議をまとめるよう指示した。
 与党3党は国会対策委員長会談を開き、予算案を今年度内成立が確実となる3月2日までに衆院通過させる方針を確認した。


(4)私は、「審議拒否を絶対にしてはならない」とは思わないが、自民党は与党時代、社会党や民主党の審議拒否を批判していた。

それなのに、自分たちが野党になったら審議拒否をするというのは、論理が一貫しない。
有権者にとっては噴飯ものである。

(5)いずれも、本気ではなく、ブラックジョークの類なのかと思えてくる。
野党第一党がこれでは、情けないし、建設的ではない。

(やはり人工的に二大政党制をつくるのは止めるべきであると思うが、これについては、また別の機会に書くとする。)

(6)自民党に今求められているのは、「政治とカネ」における最大の問題である企業・団体献金を全面的に禁止する等を盛り込んで、政治資金規正法を抜本的に改正することである。

この点で自民党は民主党と競い、論争すべきである。

(7)今の自民党の態度を見ていると、主権者国民や議会制民主主義のためにではなく、この最大の課題から国民の目をそらせるために、民主党の「政治とカネ」の問題を追及したり、審議拒否しているとしか思えない。

(8)自民党のスポンサーである財界や、傀儡の自民党政権をつくってきたアメリカは、今の自民党の姿勢に満足しているのだろうか!?

企業・団体献金等の全面禁止を早急に立法化するよう求める要請書を民主党に提出!

(1)民主党は、昨年の通常国会に企業・団体献金の全面禁止等を盛り込んだ政治資金規正法改正案を国会に提出したが、衆議院の解散総選挙により、同法案は廃案になった。

民主党は、その総選挙のマニフェストと政策集に、企業・団体献金の全面禁止等を掲げ、圧勝しました。

しかし、昨年の特別国会にも臨時国会にもその法案を提出せず、「21世紀臨調」に諮問してしまいました。

年明け早々(2010年1月上旬)、通常国会の召集を前にして、鳩山首相は、法案の提出がないことを表明しました。

(2)そこで、同月(1月)中旬に、弁護士・研究者の方々に「企業献金禁止法の制定への呼びかけ」をしました
このときは、第1次集約の期限を2月末に設定していました。

しかし、その後、民主党が方針を転換し、企業団体献金等の全面禁止を盛り込んだ政治資金規正法改正案の成立を、今の通常国会で目指すことにしたようです。

そこで、その第一次集約の期限を繰り上げ、2月上旬に変更しました

(3)阪口徳雄弁護士がブログで予告したように、昨日(2月22日)、民主党の政治資金対策チーム代表の海江田万里議員に直接会って、私たちの「企業・団体献金等の全面禁止を早急に立法化するよう求める要請書」を手渡しました。

あわせて、政治資金オンブズマンと株主オンブズマンが策定した政治資金規正法改正案(民主党のマニフェスト等を具体化したものとオンブズマン独自のもの)も、手渡しました。

http://homepage2.nifty.com/~matsuyama/20090930/seijishikin_kaiseian_teian.pdf

(4)その報道は、以下のとおりです。

【共同通信】2010/02/22 20:28
今国会での規正法改正を要請 市民団体が民主に

 企業・団体献金を禁止するため、大阪市の市民団体「政治資金オンブズマン」のメンバーらが22日、民主党の「政治資金対策チーム」(責任者・海江田万里衆院議員)に要請書を手渡し、今国会で政治資金規正法を改正するよう求めた。
 要請書は、民主党が昨夏の衆院選マニフェスト(政権公約)に企業・団体献金の全面的禁止を掲げていたと指摘。「マニフェスト通り実施してほしいという国民の強い期待がある」として、早急な実現を訴えている。
 対策チームは3月中に改正案の提出を検討。鳩山由紀夫首相も17日の党首討論で、法改正に向けて与野党の協議機関設置に賛同する意向を表明している。
 市民団体の阪口徳雄弁護士は「政治とカネで揺れている今こそ、政治と業界とのつながりを断ち切る時だ」と話した。

産経新聞2010.2.22 20:35
「企業・団体献金の早期禁止を」 弁護士ら260人が民主に要望

 民主党がマニフェストに掲げた企業・団体献金の禁止について、政治資金オンブズマン共同代表の阪口徳雄弁護士らが22日、民主党の政治資金対策チーム(海江田万里代表)に、今国会中の成立を求める要請書を提出した。阪口氏は「民主党が政治とカネでごたごたしている今こそ、政治家と企業の癒着という日本の風土を変えるときだ」としている。
 阪口氏によると、要請書には弁護士や憲法研究者ら約260人が賛同。禁止に向け、政治資金規正法の今国会中の改正を求めたほか、虚偽記載事件などで秘書の有罪が確定した際には監督責任を問い、国会議員も公民権停止にすることなども求めた。

(5)実際の要請書は以下のとおりです。
2010年2月22日
民主党 党首  鳩山由紀夫  殿
民主党幹事長 小沢一郎  殿
政治資金対策チーム代表 海江田 万里  殿

企業・団体献金等の全面禁止を早急に立法化するよう求める
要  請   書

 現行の政治資金規正法は、政治団体を除く企業・団体が政治献金すること(企業・団体献金)を、「政党」または「政治資金団体」に対するものに限って認めています。また、政治資金パーティーの主催が政党以外のものであっても企業・団体がそのパーティー券を購入することを禁止してはいません。
 先の衆議院議員総選挙(2009年8月30日)では、企業・団体の政治献金と企業・団体の政治資金パーティー券購入の全面禁止などをマニフェストに掲げた貴党が圧勝し、政権交代が実現しました。私たちは、この通常国会中に、貴党が主導してこの法案を国会に上程するはずと期待していました。
 ところが、貴党は21世紀臨調に企業・団体献金のあり方について諮問し、早急な回答を求めていませんし、今回の通常国会に法案を上程しないとも報道され、心配していました。しかし、1月28日、政治資金対策チーム(代表 海江田万里議員)が設置され、鳩山党首も2月18日の党首討論で企業・団体献金禁止法制定に向けて積極的に取り組む旨の答弁をされています。
 貴党に「政治とカネ」の仕組みのあり方についてマニフェストどおり実施して頂きたいという国民の強い期待があります。これは政権交代を熱望して貴党に投票した有権者に止まらず、多くの国民の願いでもあります。「政治とカネ」問題についての改正の論点は多岐にわたっていますが、企業・団体献金の全面禁止は、政党、国会議員の政治とカネの基本的スキームの問題でもあり、何よりも最優先して実行すべき課題です。
そこで、私たち弁護士、研究者は、貴党がマニフェスト通り、企業・団体の政治献金を全面禁止する法律案を本国会に早急に上程され可決・成立されたく、ここに強く連署の上、要請するものです。                                
◇呼びかけ人代表
   弁護士
    辻公雄(大阪)阪口徳雄(大阪)松丸正(大阪)高橋利明(東京)木村晋介(東京)梓澤和幸(東京)沢藤統一郎(東京)
   憲法研究者
    浦田一郎(明治大学教授)小澤隆一(東京慈恵医科大学教授)上脇博之(神戸学院大学教授)小林武(愛知大学教授)小松浩(立命館大学教授)中島茂樹(立命館大学教授)森英樹(龍谷大学教授)和田進(神戸大学教授)
   賛同者一同(別紙のとおり)

私たちの要請書に対する賛同者(呼びかけ人を含む)は、弁護士178名、研究者83名、計261名。
ご賛同いただいた弁護士・研究者の皆様、ありがとうございました。

(6)民主党は、私たちの要請に真摯に応え、昨年の総選挙におけるマニフェストを守って企業・団体献金の全面禁止等を含む政治資金規正法改正案を今通常国会に提出し、かつ成立させるべきである。

企業・団体献金も全面禁止は、周知のように、半世紀続いた自民党政権のもとでは、実現してこなかった。
その結果、政官財の癒着の構造の下、利益誘導政治と財界政治が行われてきた。

企業・団体献金の全面禁止が実現すれば、このような政治と決別し、日本の議会制民主主義は健全化することは間違いない。
とりわけ、日本経団連による二大政党の政策「買収」が事実上不可能になることは、重大だ。
真の国民主権が実現する環境が生まれることになるからだ。

(7)企業・団体献金の全面禁止を実現する諸政党は、日本の政治の歴史に名を刻むことになるだろう。
その政党とは、どの政党になるのだろうか?
逆にそれに反対する政党は?
注目したい。

(8)そしてまた、マスコミは、前述のような意義のある、企業・団体献金の全面禁止を後押しする社会的役割・責務を果たすのか、大いに注目することにしよう。
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