上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場

憲法研究者の社会活動の一環として、ブログを開設してみました(2008年4月5日)。 とはいえ、憲法問題全てについて意見を書くわけではありません。 政治問題について書くときがあるかもしれません。 記録として残しておくために、このブログを使用するときがあるかもしれません。 各投稿記事の右下の「拍手」が多いようであれば、調子に乗って投稿するかもしれません。 コメントを書き込まれる方は、カテゴリー「このブログの読み方とコメントの書き込みへの注意」の投稿を読んだ上で、書き込んでください。 皆様のコメントに対する応答の書き込みは直ぐにできないかもしれませんので、予めご了解ください。 ツイッターを始めました(2010年9月3日)。 https://twitter.com/kamiwaki フェイスブックも始めました(2012年7月29日) http://www.facebook.com/hiroshi.kamiwaki.7 かみわき・ひろし

2010年07月

兵庫県憲法会議の2010年度総会についての一部紹介

先日(2010年7月30日)夕方、私が事務局長をしている憲法改悪阻止兵庫県各界連絡会議(兵庫県憲法会議)の2010年度総会が開催されました。

総会の前に、幹事の一人が「参議院議員通常選挙の結果を踏まえて」というテーマで、質疑を含め約50分ほどの講演をしてくれました。
とても好評でした。

その後、「2009年度活動報告」「2009年度会計報告」「情勢」「2010年度活動方針(案)」「2010年度役員(案)」「2010年度予算(案)」を報告または提案し、採択(承認)されました。

このブログでは、「情勢」のうち全国的な情勢、および「2010年度活動方針]を紹介します。
掘‐霎 

1.全国的な情勢

(1)改憲手続き法の施行

 本年5月18日、政府は改憲手続き法施行令を強行した。改憲手続き法は、参議院で18もの付帯決議が付されていただけではなく、同法自身が施行までに「投票権年齢」「公務員の政治的行為の制限」「憲法改正以外の国民投票」についての三つの「宿題」を解決することを課していたことを考えると、少なくとも同法の施行は凍結されるべきものであった。
自民党は同法の施行を前提に、憲法改正案の逐条的提案を検討するともいわれている。それゆえ、憲法審査会の始動を阻止することが重要な課題となっている。
 民主党の枝野幸男幹事長、仙谷由人官房長官は、民主党内の憲法改正派の中心である。仙谷官房長官は今月(7月)26日の記者会見で、民主党と自民党との大連立について「政府として重要法案が決まらないことを避けるために、そういうこともあり得るのかなという気はする」と述べた。したがって、政局の動向如何では、憲法改正問題を含む、民主・自民両党の大連立構想にも注意が向けられなければならない。

(2)衆参両院議員定数の削減

 憲法問題に直接関わる重大問題として衆議院議員定数の削減問題が浮上している。衆議院議員の比例定数180を80削減して100にするというものである。衆議院議員の小選挙区選挙が、国民の民意の議会構成への繁栄を乱暴に蹂躙していることはこの間、赤裸々になってきているが、この比例定数80削減は、共産党、社民党などを議会から放逐して、民主党、自民党の完全二大政党制をめざしているものであることは明らかである。
 また、参議院についても、40程度の議員定数削減が取り上げられている。削減対象は明示されていないが、これも比例代表部分の定数削減になることは明らかである。
 議員定数削減に断固反対するとともに、国民の意思を議会構成に正確に反映する選挙制度の実現を求めて運動を展開していくことは緊急の課題となっている。

(3)日米安保体制の新たな展開

 沖縄の普天間基地問題は、沖縄県民の闘いの前に「迷走」が繰り返されている。9月上旬の名護市議会議員選挙、11月下旬の沖縄県知事選挙を重要なエポックメーキングとしながら、「迷走」が引き続いていくことが予想される。
 政府は、8月末移設基地の工法決定、11月の日米首脳会談、12月の新防衛計画の大綱策定を節目としながら、安保改定50周年の年に、新たな「日米同盟」の段階を画そうとしている。そこでは、集団的自衛権の行使、武器輸出禁止三原則の解除、恒常的自衛隊派遣法制定などが検討されている。
 私たちは、沖縄の基地問題の異常さを広く国民に訴えるとともに、「日米同盟」の危険性、異常性をさらに広く訴え、日米安保への批判を広めていく活動を強化していく必要がある。また、核兵器廃絶の運動をさらに強化していくことも重要である。
 こうした運動の中で、憲法9条の意義をいっそう深め、いっそう広範に広めていく活動を重視していくことも重要である。

2.兵庫県内の情勢
(略)

検。横娃隠闇度活動方針

1.今年(2010年)5月18日の憲法改正手続法が全面施行されたことも踏まえ、兵庫県下の団体・県民と共同して憲法改悪阻止のための運動、憲法を活かす運動に全力をあげます。
2.11月3日、5月3日の各「神戸憲法集会」は憲法会議が中心になり実行委員会方式で開催し、また県下各地の「憲法集会」にも協力します。
3.「九条の心」および「憲法改悪ストップ兵庫県共同センター」とも懇談し、情報交換、情報の共有、企画の調整などに努めます。
4.近畿圏内の憲法会議とも懇談し、情報交換、情報の共有、企画の調整などに努めます。
5.原則として毎月「憲法しんぶん」兵庫県版を発行します。
6.会員の拡大に努め、「憲法しんぶん」及び同兵庫県版の読者を増やすとこに努めます。
7.講師派遣の要請に応えます。
8.幹事会は、原則として毎月幹事会を開催します。団体幹事・個人幹事の補充にも積極的に取り組みます。
9.日常の会計は委託し、会計に支障が生じないように努めます。

皆様のコメントの公表は許可制に変更しました

(1)7月も今日で終わり、明日から8月になります。

相変わらず蒸し暑い日が続いていますね。

皆様、ご自愛ください。

(2)これまでも毎日忙しかったのですが、特に先月の後半頃から、これまで以上に忙しくなりました。

そのため、これまでの投稿ペースを継続することが難しくなってしまいました。

また、コメントへの応答を書き込む時間が十分確保できなくなりました。

(2)その関係で、皆様からのコメントの書き込みについては、私の承認後に公表するよう設定を変更しました。

このブログの扉の冒頭で、「皆様のコメントに対する応答の書き込みは直ぐにできないかもしれませんので、予めご了解ください。」と説明しています。

ですから、私の応答が遅れても、書き込まれた方は気にされないとは思いますが、余りに長い間応答しないのは、私としても申し訳なく思いますし、また第三者にとっても気持ちの良いものではないでしょう。

ということで、悩んだ結果、承認制に変更いたしました。

(3)だいぶ前には、ネット右翼らしい人物らが投稿の論点を無視した書き込みを集中させました。

また、最近、私のブログに対する誰かの無責任なレッテル貼りを真に受けて、私のブログの投稿内容をきちんと読まないまま、攻撃的な書き込みが続きました(その方は、事実上自らの非を認められましたので、今後は無責任なレッテル貼りを信じ込まれないでしょうが)。

そのような書き込みが私の応答のないまま公表された状態にあるのは、私だけではなく、善意のアクセス者にとっても不愉快でしょう。

さらに、誤ってご本人の個人情報を書き込まれた方もあり、慌てて削除しました(同様のことはなかなか起らないでしょうが)。

これらのこともあって、皆様からのコメントの書き込みの公表は承認制に変更しました。

(4)今後も、一応、皆様のコメントの書き込みは出来るだけ公表する方針ですが、承認制にした関係で、最終的に「公表しない」という例外が生じる可能性は高くなるかもしれません。

ですから、私の投稿に対するコメントの書き込みは、きちんと読んでからお願いしたいと思います。

そうでなければ、公表しない場合がありますので、ご容赦ください。

(5)以上、ご了解いただければ幸いです。

電力9社と東京ガスの役員が自民党政治資金団体に献金!

(1)一昨年(2008年)の10月、北海道電力の役員が知事の資金管理団体に寄付をしていたことが発覚し、私は、実質的には個人献金というよりも北海道電力の政治献金ではなかろうか、と指摘した。

(2)昨日、「関西消費者団体連絡懇談会」は、2006〜2008年にかけて沖縄電力を除く電力9社の常勤役員全員と東京ガスの役員の多くが、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に献金していた、という調査結果を公表した。
2010/07/29 21:59 【共同通信】
電力9社役員が自民に献金 東京ガスも、額は横並び

 「関西消費者団体連絡懇談会」(大阪市)は29日、2006〜08年にかけて沖縄電力を除く電力9社の常勤役員全員と東京ガスの役員の多くが、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に献金し、最も多い役員は計107万円を支出していたとの調査結果を公表した。
 役員個人の献金は政治資金規正法上、問題ないが、同会は「職位ごとに額がそろうなど申し合わせない限りできない。事実上の団体献金ではないか」と指摘している。
 同会が06〜08年の国民政治協会の収支報告書に記載された献金者名と各社の役員名を照合。その結果(1)社長は年30万円前後、副社長は同25万円など、毎年ほぼ同額を献金(2)職位が高いほど額も多くなる(3)同一の職位での各社間の差はあまりない―との特徴があった。
 非常勤も含めた判明分で、合計金額が最も多いのが東京電力で計570万〜654万円、人数では関西電力の56〜65人が最多だった。
 同会は和歌山を除く近畿5府県の消費者団体で構成。電力9社はいずれも取材に対し「献金は個人によるもので社としては関知しない」などと回答。

7月30日0時26分配信 産経新聞
関西電力役員、自民の政治資金団体に個人献金

 関西消費者団体連絡懇談会(関消懇)は29日、大阪府庁で記者会見し、関西電力役員が平成18〜20年度に自民党の政治資金団体「国民政治協会(国政協)」に対し、役職ごとに同額の個人献金をしていたことを明らかにした。関消懇の独自調査で判明した。「個人献金の名を借りた実質的な企業献金では」という指摘に対し、関電の広報担当者は「個人の考えに基づくもので、会社は関知していない」としている。

 関消懇は、国政協のホームページで公開されている収支報告書を基に調査。その結果、社長が30万円、副社長が各20万円、常務が各12万円などと役員の地位によって同額の個人献金を毎年行っていることが分かった。また、沖縄電力以外の電力各社でも同様の個人献金が行われていたという。

「関西消費者団体連絡懇談会」の労作に拍手喝采である。
私たち「政治資金オンブズマン」以外にも政治資金の問題を取り上げ、各自の分析し、記者会見される。
大歓迎である。
ほかの団体・個人も、これに続いてほしい。

(3)実は、関西消費者団体連絡懇談会の労作には私も間接的に少し関係している。

当初(今年の4月初め頃だっただろうか)、私が拝見した一覧は、他の方々による労作であった。
それは、2003年〜2008年までの「関西電力」役員の役職と寄付金額がまとめられたもの。
私は、それを見て、役職毎に寄付金額が同じであり、社長が一番高額で、副社長・・・と順に寄付額が少なくなっていることを確認した。

私は、さらに、寄付日も確認した方がいいとアドバイスしたところ、すぐに(同月中に)2007年と2008年につき役員名と寄付日が加えられた一覧を拝見させていただいた。
寄付はほぼ12月に集中していたことがわかった。

(4)以下では、2007年と2008年の関西電力役員の寄付の一覧をご紹介しよう。
役職名
寄付金額
寄付日(届出日)
寄付金額
寄付日(届出日
社長
30万円
2007年12月11日
30万円
2008年12月8日
副社長A
20万円
2007年12月17日
20万円
2008年12月18日
副社長B
20万円
2007年12月7日
20万円
2008年12月5日
副社長C
20万円
2007年12月13日
20万円
2008年12月12日
副社長D
20万円
2007年12月11日
20万円
2008年12月11日
副社長E
20万円
2007年12月12日
20万円
2008年12月8日
常務A
12万円
2007年12月18日
12万円
2008年12月18日
常務B
12万円
2007年12月17日
12万円
2008年12月18日
常務C
12万円
2007年12月17日
12万円
2008年12月17日
常務D
12万円
2007年12月11日
12万円
2008年12月18日
常務E
12万円
2007年12月18日
12万円
2008年12月19日
常務F
12万円
2007年12月25日
12万円
2008年12月17日
常務G
12万円
2007年12月20日
12万円
2008年12月17日
常務H
12万円
2007年12月21日
12万円
2008年12月17日
取締役A
10万円
2007年12月12日
10万円
2008年12月3日
取締役B
10万円
2007年12月17日
10万円
2008年12月19日
取締役C
10万円
2007年12月21日
10万円
2008年12月11日
常務執行A
10万円
2007年12月11日
常務執行B
10万円
2007年12月19日
10万円
2008年12月18日
常務執行C
10万円
2007年12月6日
10万円
2008年12月5日
常務執行D
10万円
2007年12月20日
10万円
2008年12月11日
常務執行E
10万円
2007年12月6日
10万円
2008年12月3日
常務監査役A
12万円
2007年12月5日
12万円
2008年12月11日
常務監査役B
10万円
2007年12月11日
10万円
2008年12月8日
常務監査役C
10万円
2007年12月13日
10万円
2008年12月8日
前社長
10万円
2008年12月1日
執行役A
6万円
2007年12月18日
6万円
2008年12月11日
執行役B
6万円
2007年12月6日
6万円
2008年12月11日
執行役C
6万円
2007年12月17日
6万円
2008年12月18日
執行役D
6万円
2007年12月18日
6万円
2008年12月12日
執行役E
6万円
2007年12月6日
6万円
2008年12月3日
執行役F
6万円
2007年12月18日
6万円
2008年12月12日
執行役G
6万円
2007年12月6日
6万円
2008年12月18日
執行役H
6万円
2007年12月12日
6万円
2008年12月12日
執行役I
6万円
2007年12月12日
6万円
2008年12月5日
執行役J
6万円
2007年12月6日
6万円
2008年12月12日
執行役K
6万円
2007年12月18日
6万円
2008年12月9日
執行役L
6万円
2007年12月12日
6万円
2008年12月18日
執行役M
6万円
2007年12月6日
6万円
2008年12月12日
執行役N
6万円
2007年12月20日
6万円
2008年12月19日
執行役O
6万円
2007年12月20日
6万円
2008年12月18日
執行役P
6万円
2007年12月12日
6万円
2008年12月3日
執行役Q
6万円
2007年12月12日
6万円
2008年12月18日
執行役R
6万円
2007年12月13日
6万円
2008年12月19日
執行役S
6万円
2007年12月21日
6万円
2008年12月18日
執行役T
6万円
2007年12月20日
6万円
2008年12月18日
執行役U
6万円
2007年12月21日
6万円
2008年12月8日
執行役V
6万円
2007年12月13日
6万円
2008年12月18日
執行役W
6万円
2007年12月18日
執行役X
6万円
2007年12月18日
執行役Y
6万円
2008年12月5日
執行役Z
6万円
2008年12月11日
執行役
6万円
2008年12月18日
支配人A
6万円
2007年12月25日
6万円
2008年12月19日
支配人B
6万円
2007年12月13日
6万円
2008年12月18日
支配人C
6万円
2007年12月13日
支配人D
6万円
2007年12月13日
6万円
2008年12月12日
支配人E(退職)
6万円
2007年12月21日
室部長A
6万円
2007年12月19日
室部長B
6万円
2007年12月19日
6万円
2008年12月19日
室部長C
6万円
2007年12月19日
室部長D
6万円
2007年12月19日
6万円
2008年12月19日
室部長E
6万円
2007年12月19日
6万円
2008年12月19日
室部長F
6万円
2007年12月26日
6万円
2008年12月9日
室部長G
6万円
2007年12月19日
6万円
2008年12月19日
室部長H
6万円
2007年12月25日
6万円
2008年12月18日
室部長I(07年)
6万円
2007年12月26日
6万円
2008年12月19日
室部長J(07年)
6万円
2007年12月26日
6万円
2008年12月12日
室部長K(07年)
6万円
2007年12月26日
6万円
2008年12月12日
室部長L(07年)
6万円
2007年12月26日
6万円
2008年12月19日
室部長M
6万円
2008年12月19日
室部長N
6万円
2008年12月12日
室部長O
6万円
2008年12月18日

2007年に室部長だった者で2008年には室部長ではないのに寄付をしている者が3名いる。

(5)この一覧を見ると、社長が30万円、副社長が20万円、常務が12万円、取締役・常務執行・常務監査役が10万円(一人例外あり)、執行役・支配人・室部長が6万円となっており、役職に応じて寄付額が見事にランク化されている。

また、寄付日(届出日)は全員12月である。
日付は全くバラバラというわけでもない。

以上の事実は、組織的に寄付を決定しない限り起りえないだろう。
この点で、関西電力の役員寄付は会社の組織的な献金ではないかとの疑念が生じる。

(6)関西消費者団体連絡懇談会は、これに、2006年分も加え、さらに他の電力会社などのもの付け加えられたものであろう。

関西消費者団体連絡懇談会の調査によると、他の電力会社等も関西電力と同じように役員献金がなされているのだろう。
ただし、金額の点では少し違うようなので、別に確認する必要がありそうだ。

この寄付の原資は一応役員のポケットマネーなのかもしれない!?

(7)ただし、そこで思い出すべきことがある。
それは、西松建設違法献金事件では、ダミーの政治団体をつくって違法献金していただけではなく、役員が同社のカネで個人的寄付と偽装してもいたことである。

それゆえ、関西電力をはじめ電力会社等でも、実際には、会社が役員の寄付金を負担している可能性があるのではないだろうか。

電力会社等は、きちんと説明すべきである。

(8)なお、電力会社等の手口を西松建設が真似たというのが現実である可能性もある。

果たして真実はどうなのだろうか?

「郵政政策研究会」(旧「大樹全国会議」)のパーティー券購入は量的規制違反か

(1)全国の郵便局長らでつくる政治団体「郵政政策研究会」(旧「大樹全国会議」)が20007年〜2008年、国民新党側に2回のパーティー券代として計3350万円を、政治資金規正法の量的規制に違反して提供していたとの疑惑が報じられた。

情報公開請求等も行い時間をかけた地道な取材に基づくスクープ報道であろう。

私は産経新聞の取材に答えてコメントし、それが掲載されたので、まず、その記事を紹介しよう。ゴチックは上脇による。
産経新聞2010.7.29 02:00
郵政研、国民新に3350万円 パーティー券代 地方本部迂回、上限違反か

 全国の郵便局長や家族、OBらでつくる政治団体「郵政政策研究会」(旧「大樹全国会議」)が平成19〜20年、国民新党側に2回のパーティー券代として計3350万円を不正に提供していた疑いのあることが28日、産経新聞の調べで分かった。政治資金規正法はパーティー1回に1団体が支出できる上限額を150万円と規定しているが、郵政研は本体以外にも全国に12ある地方本部を迂(う)回(かい)させ、多額の資金を提供していた。識者は「郵政研と地方本部は規正法上、1団体とみなされる可能性が高く、上限違反にあたる恐れがある」と指摘している。(調査報道班)
 問題が浮上したのは、国民新党が19年6月15日と20年6月5日、複数の同党支部や所属議員の関連政治団体と、都内のホテルで共催した政治資金パーティー「国民新党総決起大会」。
 政治資金収支報告書や郵政研によると、郵政研は20年の総決起大会直前の5月、自らパー券150万円分を購入する一方、関東や近畿など全国の12地方本部に対しても150万円ずつを支出。パー券をそれぞれ150万円ずつ購入させる形で、国民新党に計1950万円を提供した
 また、中国地方本部の収支報告書に記載漏れがあるため総額は不明朗だが、19年の同大会に際しても、郵政研は同様の手法で、少なくとも国民新党側に計1700万円を提供した
 規正法を所管する総務省では、政治団体の下部組織に当たる、いわゆる「支部」について「本部と一体として扱い、パーティー券購入については1団体とみなす」(政治資金課)と指摘。「本部・支部がそれぞれ150万円ずつ支出できるわけではない」としており、郵政研が地方本部を迂回する形で提供した計3350万円については郵政研が同法に抵触している恐れがある。
 郵政研は産経新聞の取材に対し、「地方本部は独立した組織であり、支部ではない」としているが、産経新聞が情報公開請求で入手した郵政研の規約には、「本会の下部組織として地方本部を置く」と明記
 また、地方本部の収入は問題のパー券代も含め、大半が郵政研からの政治資金で占められており、規正法に詳しい神戸学院大法科大学院の上脇博之教授(憲法学)は「地方本部は郵政研に財政面で依存しており、規約の内容からも、地方本部は規正法でいう『支部』にあたる可能性が高く、規正法に抵触する恐れは濃厚だ。こうした行為がまかり通れば、パー券購入の上限規制の意味がなくなり、カネで政治が買われる危険が高まる」と指摘している。
     ◇
 郵政政策研究会の話「地方本部は独立した政治団体であり、問題はないと考えているが、専門家と協議をしてみて、直すべきところがあれば直したい」
 国民新党の話「郵政政策研究会と地方本部は、それぞれが独立している団体という認識だ。受け取ったパーティー券代が(規正法の)上限に抵触するとは考えていない」
 ■政治団体の支部 政治資金規正法では政治団体の支部について、会計や活動を明確にするため、それぞれ別の政治団体として届け出るよう義務付けている。だが、本来的には政治団体の組織の一部にすぎず、総務省見解では別団体として届け出ていても、本部と一体の1団体として扱われる。支部かどうかは「支部」という名称に関係なく、実態により判断される。具体的には、上位組織である本部と主従関係にあることや、本部が解散した際に単独で存続し得ないことなどが挙げられている。

産経新聞2010.7.29 02:00
脱法献金横行の恐れ 郵政研「地方」迂回 「150万円分のパー券見たことない」
 郵政民営化の弊害を訴える国民新党側に、全国の郵便局長らでつくる政治団体「郵政政策研究会」(旧「大樹全国会議」)が、政治資金規正法の上限を超えたパーティー券代を提供していた疑いが28日、浮上した。郵政研の事実上の「支部」である疑いがある地方本部を利用したパー券購入を無尽蔵に許せば、規正法は形(けい)骸(がい)化する恐れがある。また、150万円分のパー券を買ったとされる地方本部の幹部は「そんな大量のパー券は見たことがない」と証言。パー券購入の実態そのものにも疑問符がついている。(調査報道班)
 「うちには2人しかいないし、そんなに大量のパー券はいらない。見たこともない」。ある地方本部の幹部は産経新聞の取材に、こう話した。
 この地方本部の平成20年分の政治資金収支報告書には、郵政研からの資金を元手に「国民新党総決起大会」のパーティー券150万円分を購入したと記載されている。パー券は1枚2万円、75人分に相当するが、幹部は「手帳を確認しても、うちから(パーティーに)行ったのは私も含め2人だけ。東京までの交通費が2人分しか出ていないから間違いない」とし、大量のパー券購入については「記憶にない」と述べた。
 国民新党側の説明もあやふやだ。規正法では1回のパーティーで20万円を超えるパー券の購入者や団体名の収支報告書への記載を義務付けている。だが、同党が19年分のパー券代の入金先と説明した「国民新党島根県第2選挙区支部」(代表・、亀井久興元同党幹事長)の収支報告書には、郵政研からの入金を裏付ける記載はなく、1千人から2千万円を集めたとの記載があるのみだった。
「実質的には支部といえるような地方組織を使ったこうしたやり方がまかり通れば、脱法献金が横行し、寄付やパーティー券購入の量的制限の意味自体がなくなる」。政治資金規正法に詳しい神戸学院大法科大学院の上脇博之教授(憲法学)は危機感を示す。  郵政研は取材に、いったんは「地方本部は支部」と回答しながら、後に前言を覆すなど対応も不明朗だ。郵政研の規約に「下部組織として、地方本部を置く」と記されていた事実に加え、産経新聞が情報公開請求で入手した19年のパーティー開催当時に適用されていた大樹全国会議の規約にも、「本会は各地方本部長及び会員で構成する」とあり、地方本部長が大樹全国会議の理事を兼務するなど、大樹全国会議と地方本部は一体的に運営されていた
 さらに、関東と沖縄の両地方本部は収支報告書で、郵政研からの活動資金の提供について、本部・支部間での資金のやり取りを示す「本部又は支部から供与された交付金」の名目で処理。四国地方本部は15年6月の設立届に、自らを「その他の政治団体の支部」と記載していた。
 20年1月に大樹全国会議が郵政研に名称変更した際、大樹の地方本部も一斉に郵政研の地方本部に変更されていることからも、「互いが主従関係にあった可能性は極めて濃厚だ」(上脇教授)。
 政界関係者は「所属議員が全国に大勢いる自民党支持の時代と違い、小政党に資金を集中させなければならなくなったことが、上限金額を超えてしまった原因では」と推測している。

(2)政治資金規正法は、一つの政治資金パーティーにつき、同一の者から150万円を超えてパーティ券を購入してもらうことを禁止しているし、同一の者が150万円を超えてパーティー券を購入することを禁止している。
(政治資金パーティーの対価の支払に関する制限)
第二十二条の八  政治資金パーティーを開催する者は、一の政治資金パーティーにつき、同一の者から、百五十万円を超えて、当該政治資金パーティーの対価の支払を受けてはならない。
2  ・・・。
3  何人も、政治資金パーティーの対価の支払をする場合において、一の政治資金パーティーにつき、百五十万円を超えて、当該政治資金パーティーの対価の支払をしてはならない。
4  ・・・。
5  ・・・。

罰則は、以下のように定められている。
第二十六条の三  次の各号の一に該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一  ・・・
二  ・・・
三  第二十二条の八第一項の規定に違反して対価の支払を受けた者(団体にあつては、その役職員又は構成員として当該違反行為をした者)
四  ・・・
五  第二十二条の八第三項の規定に違反して対価の支払をした者(団体にあつては、その役職員又は構成員として当該違反行為をした者)

これは、政治資金パーティにおける量的制限(個別制限)の規定である。

(3)上記条項における「同一の者」については、個人であれば、議論の余地はなく、分かりやすい。
だが、それが政治団体であれば、少し説明を要する。

政治団体の本部と支部は、この点で、別々の政治団体ではなく、「同一の者」になる、ということである(政治資金収支報告書の提出については、別々の政治団体として提出義務があるが)。

それゆえ、政治団体が本部以外に支部を持っている場合でも、当該政治団体が「一の政治資金パーティーにつき」政治資金パーティ券を購入できるのは、上限が150万円であり、これは、本部と支部が別々に購入するときにも合計額で150万円以内でなければならない。
そう解さなければ、支部を多数設立して各支部がぞれぞれ150万円分の政治資金パーティ券を購入して、政治資金規正法の量的制限を簡単に超えることが出来てしまうからである。

(4)では、本部と支部とはどのようにして区別されるのだろうか。

その名称の如何に関わらず、実態的に、上位組織である本部と主従の関係にある等した場合には、その政治団体は「支部」である。

言い換えれば、「支部」と名乗っていても(現実には無いかもしれないが)、本部と主従の関係にない等した場合には、その政治団体は、本部とは別個の独立した政治団体とみなすことができるだろう。

(5)この点で、産経新聞で報じられた件で言えば、「郵政政策研究会」(旧「大樹全国会議」)の「地方本部」は、「本部」と名乗ってはいても、以下の事実から判断すると実態的には「支部」に相当するだろう。

旧「大樹全国会議」が郵政政策研究会(郵政研)に名称変更した際、大樹の地方本部も一斉に郵政研の地方本部に変更されていること。

旧「大樹全国会議」の規約には「本会は、大樹各地方本部長及びその他の会員で構成する」(3条)とあり、大樹各地方本部長が大樹全国会議の理事を兼務していたこと(第4条)、また、郵政研の規約には「本会の下部組織として、郵政政策研究会地方本部を置き・・・」(第2条)と記されていたこと。

地方本部の財政は、「郵政政策研究会」(旧「大樹全国会議」)に依存してること、など(上記報道参照)。

(6)「郵政政策研究会」(旧「大樹全国会議」)は、2008年に、国民新党の政治資金パーティキー券を計1950万円購入し、2007年には、同様に計1700万円を購入していたという。
合計すると、3650万円になる。

だが、政治資金規正法(上記参照)で認められるのは、1回につき150万円までだから、2年間では計300万円分だけである。
つまり、3350万円分は違法な購入になるのだ。

(7)地方本部(支部)の中には、政治資金パーティ券を150万円分購入していないと「自白」したところもあったようだ。
この点では、果たして、本当に、政治資金パーティ券が購入されたのかも問題になり、政治資金収支報告の虚偽報告の疑惑も生じることになる。

(8)ところで、他の政治団体では、同じような手法で政治資金パーティー券の購入がなされていないのだろうか?

ある先入観に基づく異常なコメント書き込み

(1)つい先日から急に忙しくなってしまって、これまでのペースでは、なかなか投稿できなくなっています。

(2)ところで、先日から、私のブログのある投稿に対して異常なコメント書き込みがありました。

私が、ある特定の政党の党員・支持者であって、当該政党への支持を拡大するために、このブログを投稿していると思い込んで、コメントを書き込んでくる人物が現れたのです。

その人物は、当該政党の元党員で、ある地方議会の議員の経験があるようなのです。
それなら、私のブログの投稿を詳しく読めば、私の主張と当該政党の見解・立場の異同がわかると思うのですが、その人物は、私のブログの投稿をきちんと読んでいないからでしょう、私に支持政党を公表しろ、と迫り、私がそれに答えないと、私を当該政党の党員・支持者と決め付けるコメントを書き込み続けたのです。

私は特定の政党を支持させるために書いているわけではない投稿なのに(主観的にも客観的にもそうなのに)、その人物は、私がそのために書いていると一方的に決め付け、私が支持政党を公表せずに政治的テーマを書くことが問題である、という態度なのです。

(3)私は、明言しているように、「憲法研究者の社会活動の一環として、ブログを開設」しています。
政治的なテーマも扱いますが、特定の政党のためにこのブログを開設しているわけではありません。
政治的であることと党派的であることは、別ものです。

すでに明言しているように、研究者ですから、どのような新聞の取材に応じコメントしますし、どのような政党の機関紙でもコメントする方針です
講演依頼を受ける場合もそうです。

このブログではその都度「近況報告」の投稿で全て紹介してきました。

しかし、研究者が支持政党の有無を公表して論文を書かないように(新聞でのコメントも同じ)、このブログでも公表しません。
(公表したい研究者が公表するのは自由です。)

どこかの党員・支持者であるか否かを公表しません。それに関する質問があっても、です。

(4)その人物は、先入観に基づき独断で書き込んできますから、コメントの内容はハチャメチャで、私の投稿と返事を一方的に評し、ある特定政党の党員・支持者であると決め付けてきました。

その先入観は、おそらく、本人が私のブログの投稿を読んだ結果として抱いたものではないのではないでしょうか。

これは、小沢一郎氏への私のコメントに対する読者の反応とは少し違うようです。

以前、ネット右翼らしき連中の集中アクセスと書き込みがあり。その書き込みは私の投稿内容をきちんと読んで書いたものではありませんでした

それと今回の書き込みは類似しており、私の投稿をきちんと読んでいない点では共通しています(ただし、特に集中アクセス・書き込みはありません)。

ですから、おそらく、私のブログを検索等の結果たまたま知ってアクセスし書き込みをしたのではなく、誰かの無責任な評価・レッテル貼りを真に受けて、アクセスしてきたのではないでしょうか。

だからこそ、私の投稿や返事に対して、「結論先にありき」の独断的な評価をしてきたのでしょう。

(5)インターネット社会におけるマナーをわきまえない失礼な書き込みですが、その異常なコメントの連続的書き込みを読むと、人格的に問題であるのではないかとさえ思えてきます。
憲法における投票の秘密等の保障や思想・信条の自由の保障の意味も十分理解していないのでしょう。
日本国憲法第15条第4項:すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

同第19条:思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

とはいえ、誰かの無責任な評価・レッテル貼りを真に受けたのであれば、この人物には、やや同情すべ点がないではありません。

もちろん、そのような無責任な評価を信じ込むこと自体が問題なのですが、それを自己判断する能力がないのですから、やはり同情してしまいます。

(6)今後も仕事(ブログで公表していない仕事も)は減りそうにないので、投稿のペースはだいぶダウンしますが、それは、この異常なコメント書き込みの影響ではなく、私の仕事が忙しくなったからです。

猛暑お見舞い申し上げます〜異常気象と地球温暖化

(1)梅雨が明け、日差しの厳しい日が続いておりますが、皆様、如何お過ごしでしょうか。

全国各地で猛暑が続いており、岐阜県多治見市では22日から3日連続で全国トップの最高気温だったようです。

また、NHKの報道によると、猛暑の影響で、熱中症で病院に搬送された方は全国で少なくとも300人に上り、19人が死亡している、ということです。

(2)暑さ対策だけではなく、熱中症対策も必要です。

くれぐれも皆様ご自愛ください。

(3)猛暑は日本だけではないようです。
北半球では、ロシアなど猛暑により、死者のほか干ばつによる穀物への被害も出ているといいます。

一方、南半球では、寒波が猛威を振るっているようです。

そして、中国では、大雨による被害。

(4)これらも地球温暖化の影響でしょう。

参議院選挙では、地球温暖化への対策は大きな争点にならなかったのかもしれませんが、早急に取り組むべき重要な課題であることは間違いないでしょう。
毎日新聞 2010年7月25日 1時58分
最高気温:岐阜・多治見で38.6度 3日連続全国トップ

 東海地方は24日も強い日差しが降り注ぎ、各地で猛暑が続いた。岐阜県多治見市では午後3時25分に38.6度を観測。前日より0.3度低いが、22日から3日連続で全国トップの最高気温だった。名古屋市の最高気温は37.3度で、5日連続の猛暑日になった。
 気象庁によると最高気温の上位11地点のうち8地点が東海地方。岐阜県美濃市と愛知県愛西市が38.0度で全国3位、岐阜県美濃加茂市が37.8度で6位、愛知県岡崎市などが37.6度で8位だった。また、同県豊橋市は34.1度、岐阜県高山市宮之前は32.5度で、それぞれ7月の観測史上で最高だった。三重県で最も高かったのは桑名市で37.2度。
 名古屋地方気象台によると、東海3県は28日ごろまで高気圧に覆われ、最高気温35度前後の暑い日が続く見通し。【宮島寛】

7月25日 6時46分
“熱中症”全国で19人死亡

 24日の暑さで、熱中症とみられる症状で病院に運ばれた人は、全国で少なくとも300人に上り、埼玉県で13人が死亡するなど、各地で合わせて19人が死亡しました。
 警察や消防によりますと、埼玉県内では、24日の朝、さいたま市北区のマンションの部屋で81歳の女性が倒れているのを訪ねてきた介護ヘルパーが見つけ、その後、死亡が確認されるなど、合わせて13人が熱中症とみられる症状で死亡しました。
 また、千葉県で2人、宮城県と群馬県、栃木県、それに三重県でそれぞれ1人が死亡し、東京と茨城県、埼玉県、千葉県、兵庫県、滋賀県、それに徳島県で合わせて11人が意識不明の重体となっています。
 NHKが各放送局を通じて24日夜7時半現在でまとめたところ、東京都内と全国の県庁所在地の市、それに政令指定都市で、熱中症とみられる症状で病院に運ばれた人は、最も多い東京で60人、仙台市で25人、名古屋市とさいたま市で21人、横浜市で18人、神戸市で14人など、合わせて314人に上っています。

2010/07/25 01:24 【共同通信】
モスクワで36・7度 7月の最高気温更新

 【モスクワ共同】タス通信によると、記録的猛暑が続くモスクワで24日、午後の気温が36・7度に達し、7月としては130年間の観測史上で最高を記録した。
 これまでの7月の最高気温は1936年の36・5度だった。
 ロシアでは上空に居座る高気圧の影響で6月から猛暑に見舞われ、干ばつや森林火災などの被害が広がっている。

信濃毎日新聞社社説7月5日(月)
温暖化対策 もっと論議を深めたい

 異常気象が気掛かりだね−。こんな会話が多くなった。地球の温暖化も影響していると考えられる。
 温暖化防止には何が必要か、参院選で各党の主張を見極めたい。
 論戦は今のところ低調だ。景気対策、年金・福祉、消費税などに主な関心が向いている。
 昨年の気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)では、先進国と途上国の溝が埋まらなかった。新たな枠組みづくりが先延ばしされたため、国内対策の緊張感もやや薄れている。
 地球温暖化防止の技術を開発・普及することにより、経済を再生、成長させたい。この点は程度の差はあっても、多くの政党が共有している。
 温室効果ガスの削減目標では大きく異なる。民主党は、2020年までの中期削減目標を1990年比25%として世界に向け発表した。公明党は25%以上、みんなの党も25%を掲げた。共産党と社民党は、より高い30%だ。
 自民党の中期削減目標は、90年比に換算すると8%と低く設定している。たちあがれ日本なども同じ考え方である。
 民主党などが掲げる高い目標の達成には、環境税や国内排出量取引制度の導入が欠かせない。排出量取引では、企業などのガス排出量に上限を設けて過不足分を売買させる。
 自民党は、過度な規制が企業の国外追い出しにつながるとして規制には慎重だ。経済成長と共存可能な実効性のある削減を訴えている。経済界の考え方に近い。
 民主党は、自民党などの批判に応えて削減の道筋をしっかり示すことが求められる。
 環境税などが導入されれば、ガソリンや関連の製品価格が上がり、消費者にしわ寄せがいく可能性がある。その痛みをどうするのか。各党の対応策が問われる。
 自然エネルギーに注目したい。長野県内では、太陽光発電、小水力発電、バイオ燃料などの利用、開発が盛んになっている。先日、信大で開かれたフォーラムでも、地域の自然条件・風土を生かしたエネルギー開発・普及への期待が高まった。
 そのためには、自然エネルギーの買い取りや次世代送電網などで国の積極策が欠かせない。各党の政策をよくチェックしたい。
 地球温暖化対策基本法案は、国会の会期切れで廃案になった。再提案と具体的な制度設計が今後に残されている。選挙中も選挙後も目が離せない。

保険金不払い問題の生命保険4社による政界工作問題

(1)先日、公益法人とその系列の政治団体の峻別がなされていない問題を報じた朝日新聞のスクープ報道を紹介した。

(2)朝日新聞はもう一つスクープ報道を連日している。
紹介しよう。なお、ゴシックは上脇による。

それは、保険金の不払い問題を起こしていた生命保険大手4社(日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命)が、党問題発覚後の2006〜2010年に自民党、民主党の国会議員ら計62人(金融関係の審議を行う衆院財務金融委員会や参院財政金融委員会の国会議員らを含む)の飲食接待費として計約650万円を支出したり、第一生命が2007年度に国会議員44人側のパーティー券を計1千万円以上購入したりしていたというもので、大手生保会社による政界工作疑惑の報道である。
朝日新聞2010年7月18日3時0分
大手4生保、自民・民主に接待攻勢 不払い処分めぐり

 生命保険大手4社が、保険金不払い問題発覚後の2006〜10年に自民、民主両党の国会議員ら計62人の飲食接待費として計約650万円を支出したり、第一生命が07年度に国会議員44人側のパーティー券を計1千万円以上購入したりしていたことが分かった。生保側がこの時期、金融庁の行政処分での有利な取り扱いを議員に働きかけた疑いも判明。生保業界の政界工作疑惑が浮かび上がった。
 日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命の大手4社の接待先には、金融関係の審議を行う衆院財務金融委員会や参院財政金融委員会の国会議員らが含まれていた。国会担当の大手銀行幹部は「財金委の所属議員を金融業界が接待することは、特定の趣旨を持ち、不正行為につながると疑われるので避けている」と指摘した。
 生保の不払い問題は、05年2月に明治安田生命で不適切な不払いが大量に見つかった後、各社で相次いで発覚。金融庁が07年2月、全38社に過去5年分の調査と報告を命令し、同年5月と12月にはこの事態を問題視した衆院財金委が参考人招致を実施した。各社の不払い額は計1千億円を超えたが約款違反にならない請求案内漏れが多く、生保側は行政処分に反論。だが、契約者保護を重視した同庁は08年7月、10社に業務改善命令の処分を出した。
 生保の複数の内部資料や生保関係者の話によると、生保大手4社合同か一部の社が行った飲食接待は、06年4月〜10年2月に自民党議員21人、同党議員秘書31人、民主党議員4人、同党議員秘書6人の計62人、74回に上った。このうち衆参両院の財金委の在籍議員は8人、議員秘書は8人接待での1人当たりの費用は1万数千〜3万円が多いが、1人当たり9万5千円の高級料亭もあった
 また、第一生命は06年7月〜07年7月に、生命保険協会の会長会社を務めており、07年4月〜08年3月に国会議員側のパーティー券購入費として1千万円以上を支出していた。自民党議員37人、民主党議員6人、無所属議員1人の政治団体への支出で、このうち当時、現職大臣や衆参財金委委員だった議員は少なくとも計6人尾身幸次元財務相(自民)側には、財務相だった時期などに資金管理団体や派閥の政治団体などが開催した6回のパーティーに計108万円を支出したとしていた。また、大野功統元防衛庁長官(自民)側に3回計40万円▽林芳正参院議員(自民)側に2回計40万円▽峰崎直樹財務副大臣(民主)側に2回計26万円▽小沢鋭仁環境相(民主)側に2回計24万円▽宮下一郎前衆院議員(自民)側に1回12万円。いずれも1回当たりの購入額は政治資金収支報告書に記載義務がない20万円以下だった。
 一方、内部資料などで議員への働きかけの疑いも判明。第一生命役員らは07年4月と08年3月に、衆院財金委理事や金融担当副大臣を務めた山本明彦前衆院議員(自民、09年落選)に、金融庁の行政処分に否定的な立場をとることなどを依頼したとされる。
 第一生命は「(国会議員らとの)懇親会については社内規定に基づき適切に対応し、パーティー券購入は社会情勢などを総合的に検討して決定している。個別の議員にかかわることについてはお答えできないが、不適切な扱いは一切ない」。山本氏は「生保関係者と議員会館や副大臣室で面会したことはあるが、具体的な会話は記憶していない。行政処分のことなど生保側から何かを依頼されたことはない」としている。(杉村和将、矢崎慶一)

保険金不払い問題をめぐり2007年5月に衆院財務金融委員会で行われた参考人招致で、生命保険業界への質疑時間が当初予定の2時間半から1時間に短縮され、生保側が自民党議員に短縮実現支援へのお礼を述べており、短縮を働きかけた疑いも報じられた。
朝日新聞2010年7月19日3時2分
生保への質疑短縮、自民議員へ依頼か 衆院参考人招致

 保険金不払い問題をめぐり2007年5月に衆院財務金融委員会で行われた参考人招致で、生命保険業界への質疑時間が当初予定の2時間半から1時間に短縮されたことが分かった。生保の内部資料などによると、生保側が自民党議員に短縮実現支援へのお礼を述べており、短縮を働きかけた疑いがある。
 財金委関係者らの話を総合すると、財金委の与野党の理事は07年4月27日、生保業界と損害保険業界の参考人招致について協議。5月11日に質疑を行い、生保側は2時間半、損保側は1時間の質疑時間にすることで合意した。
 だが、5月8日の理事会で、与党筆頭理事の山本明彦前衆院議員(自民、09年落選)が生保の質疑を1時間にするよう提案。野党側は「約束に反する」と反発した。
 協議はその後も行われ、山本氏が、質疑時間短縮の代替案として、保険契約者からの電話を受け付ける生保のコールセンターを視察する案を提示した。最終的に5月16日の理事懇談会で決着。参考人招致は5月18日に行われ、生保協会会長の第一生命社長と、損保協会会長の東京海上日動火災保険社長の質疑時間は各1時間だった。
 一方、生保の内部資料や生保関係者の話によると、質疑の前日、第一生命の調査部長らが、自民党金融調査会長だった金子一義衆院議員と議員会館で面会。第一生命側は「議員にご支援頂き、明日の参考人質疑は生損ともに1時間ずつとなった。ただ、当初より生保の質疑時間が減る代替案として午前に明治安田生命の視察が入った」と説明。金子氏は「明治安田さんは大変かもしれないが、委員会ではないからよかったのではないか」と応じ、第一生命側は「先生のおかげであり、ご配慮に感謝する」。さらに、金子氏は「山本筆頭(理事)にはずいぶん頑張ってもらった。くれぐれもよろしく頼む」と発言したとされる。
 日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命の調査部長ら8人は、同年3月22日、山本氏と秘書の2人と会合を開き、計10人で22万円を支出。また、4社幹部ら6人は同年10月11日、金子氏と秘書の2人と会合を行い、計8人で約19万8千円を支出。第一生命は07年、金子氏側のパーティー券を2回計40万円分購入した。
 金子氏は事務所を通じ、参考人招致での生保側の依頼を否定し、「政治の場では様々な会合があるが、何かにかたよったものではない」。山本氏は「(生保側の依頼は)記憶にない。国会審議の交渉過程では最終決着こそが合意であり、いろいろな考えを聞いて総合判断した」としている。
 第一生命は「生損保の質疑時間が不公平でバランスを取って欲しいと意見表明したかもしれない。個別議員については答えられないが不適切な扱いはない」と話している。

さらに、保険金不払い問題が発覚した2005年から08年にかけ、生命保険業界各社が自民党の政治資金団体「国民政治協会」(国政協)への企業献金の総額を増やし続けていたことも報じられた。
朝日新聞2010年7月20日3時0分
生保、不払い発覚後に自民献金増額 4社中心に分担協議

 保険金不払い問題が発覚した2005年から08年にかけ、生命保険業界各社が自民党の政治資金団体「国民政治協会」(国政協)への企業献金の総額を増やし続けていたことが分かった。業界では大手4社が中心になって分担率を協議し、献金額を決めているという。4社合同の政界接待に加え、献金でも連携していた。
 国政協の政治資金収支報告書によると、生保業界各社の献金額は04年の3990万円(9社分)まで減少傾向が続いていた。だが、その後は05年が4193万円(8社分)、06年が4788万円(9社分)、07年が5840万円(同)、08年が5844万円(8社分)と増えていた
 8〜9社のうち献金額の上位は大手4社が占め、総額に対する割合は、日本生命が約30%、第一生命が約20%、明治安田生命が約17〜18%、住友生命が約16%で、毎年ほぼ一定している。
 第一生命は取材に「最終的には個社の判断だが、プロセスの中で、業界団体の生命保険協会の協会長担当会社を中心にだいたいの目安を相談することはある」と説明。自民党から各社への要請を受けて業界全体の目安を話し合い、前年度の献金額や他業界の動向などを見ながら額を決めていたという。
 住友生命も「協会長担当会社が総額や各社献金額の目安を協議しているが、最終的には個社で判断している」と回答。日本生命は「寄付の要請があった場合、経営環境などにかんがみ法の範囲内で応分の寄付を行っている」、明治安田生命は「収支報告書に公表されている通り」とコメントした。

そして、生命保険会社大手4社は、国会議員の選挙支援を組織的に展開していたことも、報じられた。
朝日新聞2010年7月21日
大手4生保、議員分担し選挙支援 名簿提出・集会準備…

 生命保険業界で政界担当を担う大手4社が、国会議員の選挙支援を組織的に展開していた実態が分かった。判明しているだけでも金融関係の役職経験がある自民、民主両党などの議員66人について、4社が担当議員をそれぞれ決めて、後援会名簿の提出や生保の地方支社での集会準備、動員などをしていたという。保険金不払い問題が発覚した後の接待や企業献金などに続き、政界とのつながりが判明した。
 生保の内部資料や生保関係者の話によると、日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命の大手4社は、昨年8月に行われた総選挙で、自民58人、民主5人、公明1人、無所属2人の計66議員について、それぞれ担当を分担。様々な選挙支援をしていたという。これらの議員は、金融関係の審議を行う衆院財務金融委員会の委員や、当時の大臣、副大臣など。大手4社は、不払い問題発覚後の2006〜10年に国会議員や秘書計62人の飲食接待をしていたことが判明しているが、選挙支援を受けていた議員66人のうち、本人や秘書が接待を受けていた議員は24人に上った
 大手4社の選挙支援では、議員の後援会に入る人の名簿を用意して提出したり、生保の地方支社・支部での集会を準備し、議員が生保職員を前に話す機会を作ったりしていた。また、議員側の集会に参加者を動員することもあった。議員や秘書との直接交渉は、本社で国会対応を受け持つ役員、調査部幹部らが行い、地方支社と連携をとっていた。こうした対応では、担当会社だけでなく、4社が協力して行うケースも多かったという。
 選挙期間中、国会担当の役員や調査部幹部らが、担当議員の陣中見舞いなどのため、手分けして複数回にわたり選挙区入りしていた。議員対応のレベルも5段階に分けるなどし、最上級のレベルでは出陣式に担当役員が出席することを決めるなど、細かく対応していたとされる。
 選挙後は、応援候補や対立候補の得票数などを踏まえて支援結果を分析。議員との親密度があがったかどうかなどを評価していたという。
 選挙をめぐる生保業界と議員の関係について、金融関係者は「生保の各地方拠点ではまとまった票が見込めるので、議員側も頼りにしている構図がある」と指摘する。女性営業職員らが多い各地方支社などでは、職員に加え、その顧客からの得票も期待できるとみられているという。この関係者は「議員の選挙活動に貢献できるからこそ、生保業界の政界での発言力は強い」
 第一生命は「個別の議員にかかわることについてはコメントは一切控えたい」としており、日本生命、明治安田生命、住友生命の3社も「個別の事案については回答できない」などとしている。

(3)以上の生保大手4社による政界工作・選挙支援は、大企業と保守政党政治家との癒着の構造の一端であり、保守政治に典型的な政治腐敗の構造である。

朝日新聞社説が主張するように国会で真相解明するべきことは、言うまでもないことである。
朝日新聞社説2010年7月21日(水)付
生保接待攻勢―弊風断つ責任、政治にも

 恥の上塗りではないか。生命保険業界の大手が政界への接待や献金、陳情をエスカレートさせていた。一部には保険金の不払い問題で追及を和らげようとの狙いもうかがえるというのだから、あきれてしまう。
 古色蒼然(こしょくそうぜん)とした業界体質は即刻改め、サービス向上など前向きな競争にエネルギーを傾注するべきだ。
 不払い問題は2005年2月、明治安田生命でまず表面化した。契約者が加入時に病歴などを十分に明かさなかった「告知義務違反」などを理由に保険金を払わなかった。収益優先のための悪質な払い渋りで、金融庁から業務停止命令を受けた。
 不払いは他の生保でも広く見られたため、金融庁が保険業法に基づく命令を出し、01〜05年度の全契約を調べさせた。その結果、37社で135万件、総額973億円の不払いが判明。金融庁は大手など国内8社と外資系2社に08年7月、業務改善命令を出した。
 不払いの被害が拡大した背景には、生保業界の身勝手な論理もあった。契約者側が保険金支払いの請求を忘れていたようなケースについては「支払う必要はないし、不払いにも当たらない」との姿勢だった。
 このため「契約者保護の観点から問題」とする金融庁と鋭く対立。結果的に生保側が「不払い」を認め、件数と金額が大きく膨らんだ。
 今回露見した接待攻勢は、このような金融庁との応酬と並行して展開された。調査命令から行政処分までの間は特に力が入っていたようだ。
 生命保険協会の会長会社だった第一生命をはじめ、日本、明治安田、住友の大手生保4社は、自民党ばかりでなく野党だった民主党の議員にも接待や献金をしていた。処分を回避するため、あるいは国会での参考人質疑を軽く済ませるために、一部の議員に働きかけていた疑いも出ている。
 金融業界は規制や許認可が多く、昔から政官界への接待や献金を周到に使って業界の利益を確保してきた。銀行業界では98年に旧大蔵省の検査官汚職が摘発され、その実態は「接待の海」とすら呼ばれた。
 生保業界も相当な接待を重ねていたといわれるが、批判の矢面に立たされることは免れてきた。そんな経緯も弊風を生き延びさせたようだ。このような土壌を温存しているようでは、生保協会の存在自体に疑念を抱かれても仕方ないのではあるまいか。
 疑問は政界にも投げかけられている。生保業界の攻勢を受け、議員たちは質問や委員会運営で手心を加えたことはなかったのか。
 自民党はもちろん、民主党も現職の財務副大臣を含む該当者がいるとされる以上、国会の場などを通じて説明と真相解明に努める責任がある。

(4)しかし、それだけではダメである。

前述したように大企業と保守政党政治家との従来の癒着の表れなのだから、真相解明だけをいくら進めても、それでは国民の信頼を得られないし、政治・選挙の浄化は期待できない。

最大の問題はカネで政治や選挙が買われてしまうことであり、その防止が喫緊の課題である。
だから、やはり政治腐敗の温床である企業・団体の政治献金・パーティー券購入を即刻全面禁止するしかない
そして違法献金等が行われないよう企業・団体の会計監査も強化すべきである。

(5)検察審査会が現行の政治資金規正法の不備を指摘して、改正を求めているのだから、これを含め同法を抜本改正するべきである。

これが実現しなければ、繰り返し指摘しているように「政治とカネ」の問題で政権交代の意味はなく民主党政権も自民党政権と同じということになる。

(6)もちろん、従業員が会社の命令で選挙に強制動員されているとの疑惑も生じる。
それが真実であれば、その改善も求められることは、言うまでもない。
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