上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場

憲法研究者の社会活動の一環として、ブログを開設してみました(2008年4月5日)。 とはいえ、憲法問題全てについて意見を書くわけではありません。 政治問題について書くときがあるかもしれません。 記録として残しておくために、このブログを使用するときがあるかもしれません。 各投稿記事の右下の「拍手」が多いようであれば、調子に乗って投稿するかもしれません。 コメントを書き込まれる方は、カテゴリー「このブログの読み方とコメントの書き込みへの注意」の投稿を読んだ上で、書き込んでください。 皆様のコメントに対する応答の書き込みは直ぐにできないかもしれませんので、予めご了解ください。 ツイッターを始めました(2010年9月3日)。 https://twitter.com/kamiwaki フェイスブックも始めました(2012年7月29日) http://www.facebook.com/hiroshi.kamiwaki.7 かみわき・ひろし

2011年11月

「自白」に等しい松井一郎・大阪府知事の説明・対応

(1)昨日、当選したばかりの松井一郎・大阪府知事の秘書と元秘書が少なくとも2006年2月〜2010年3月の間、松井知事が社長を務める会社から給与の支払いを受けていたことがわかったことを、このブログで紹介した。

私がコメントした読売新聞の記事によると、その秘書と元秘書は以下のように話ていた。
秘書は「選挙期間中は有給休暇扱い。会社で仕事をすることもある」と主張。元秘書は「身分はあやふや。事務所に出勤しており、他の社員に会うことはなかった」と話している。

これは「自白」に等しいである。

秘書の名刺をもち日常秘書としての政治活動を行なっているいる以上、その秘書の給与を会社が肩代わりするのは、当該企業の寄付になる。
それを記載していなければ不記載で政治資金規正法違反になる。
また、肩代わりしてもらっている政治団体が政党支部以外であれば、受け取れない違法な企業献金を受けたことになり、これも政治資金規正法違反になる。

先日は、以上のように解説しておいた。

(2)松井大阪府知事はこの件につき記者会見で説明したようだ。
(2011年11月30日 読売新聞)
松井知事「今後、社員を秘書として使わない」

 松井一郎・大阪府知事が、自身が社長を務める同府八尾市の電気工事会社の社員2人を秘書として勤務させながら、政治資金収支報告書に寄付の記載をしていなかった問題で、松井知事は29日の記者会見で、知事就任で社長を辞任したことを明らかにし、「今後、社員を秘書として使わない」と述べた。秘書の雇用方法は再考するという。
 記者会見で、松井知事は「僕自身が企業の経営者でも議員でもあるので、(秘書と社員の)線引きは難しい」と説明。同社が給与を支払っていた期間の収支報告書の記載については、「(議員と社長の)兼職を認められた中でやってきており、問題があるとは考えていない」と述べ、修正しない意向を示した。

(3)秘書と元秘書の「自白」に等しい説明を踏まえて、この記事を読むと、松井知事の説明・対応も、政治資金規正法違反を事実上「自白」したようなものに思えてならない。

「秘書と社員の線引きが難しい」という松井知事の説明は、たとえそれが真実であったとしても、「当該秘書が、社員としての仕事をきちんとやった後で秘書の仕事をボランテイアして行なっていた」というわけではないことになる。

また、「政治資金規正法に違反しない」というのであれば、これまでどおり社員に秘書のボランティアを続けさせればいいはずである。
にもかかわらず、それを続けさせないのは、「社員としての仕事の実態がほとんどなく、秘書の仕事しかやっておらず、政治資金規正法に違反していた」からこそ、今後は社員に秘書を行わせないことにしたのであろう。

そうでなければ、つじつまが合わない。

(4)ところで、これとは別に、気になるのは、「秘書の雇用方法は再考する」という点である。
何を意味するのだろうか?

当選したばかりの松井大阪府知事の会社が秘書の給与を肩代わりしていた!

(1)先日(2011年11月27日)の大阪府知事選挙では、大阪維新の会の松井一郎候補が当選した(この選挙については、別の機会に投稿したいと思っている)。

(2)その松井・大阪府知事の秘書と元秘書が少なくとも2006年2月〜2010年3月の間、松井知事が社長を務める会社から給与の支払いを受けていたことがわかったという。
(2011年11月29日 読売新聞)
松井知事の会社が秘書に給与 政治資金規正法に抵触か
4年で2000万円 政治資金報告書記載なし


 松井一郎・大阪府知事(47)の秘書(35)と元秘書(30)が少なくとも2006年2月〜10年3月の間、松井知事が社長を務める同府八尾市の電気工事会社から給与の支払いを受けていたことがわかった。この間の給与総額は約2000万円とみられる。企業による秘書給与の支払いは政治家への寄付にあたるが、松井知事が支部長だった自民党支部の政治資金収支報告書には該当する記載がなく、政治資金規正法に抵触する可能性がある。
「秘書と会社、両方の仕事してもらっている」
 松井知事は読売新聞の取材に、「給与は会社が支払っている。私が議員と社長を兼ねており、2人には秘書と会社員の両方の仕事をしてもらっている。二つを明確に区分できない。収支報告書を修正するつもりはない」と話している。
 松井知事らによると、秘書は松井知事が府議選に初当選した03年4月頃、元秘書は06年2月から、それぞれ秘書業務に従事。元秘書は昨年、八尾市議選に出馬するため離職した。
 2人の給与は月約20万円で、同社から口座に振り込まれていた。2人は、同社に隣接する地元事務所に出勤し、秘書の名刺を所持。住民らの陳情に応じたり、後援会のあいさつ回りや松井知事の代理で葬儀に参列したりしていた。
 今回の知事選で、秘書は大阪市内の選挙事務所で松井知事の陣営を取り仕切り、元秘書は松井知事の選挙カーの運転などを手伝った。
 秘書は「選挙期間中は有給休暇扱い。会社で仕事をすることもある」と主張。元秘書は「身分はあやふや。事務所に出勤しており、他の社員に会うことはなかった」と話している。
 総務省によると、政治資金規正法では、政治家が会社員を秘書として雇い、給与を会社が負担した場合、社員がその会社の業務を行っていなければ給与は政治家側への寄付として扱われ、収支報告書に記載しなければならない。2人が秘書だった当時、松井知事は自民党府八尾市第1支部の支部長だったが、収支報告書に同社からの寄付の記載はなかった。
 松井知事は10年4月、橋下徹・新大阪市長らと大阪維新の会を結成し、同9月に自民党を離党している。
 企業による秘書給与の肩代わりでは、02年9月、塩川正十郎財務相(当時)が同府東大阪市の地元事務所に同居する同族会社に、同社社員を兼務する私設秘書の給与を支払わせていたことが判明し、塩川氏が代表を務める自民党支部が収支報告書を修正したケースなどがある。
 政治資金オンブズマン共同代表を務める上脇博之・神戸学院大教授(憲法学)の話「議員秘書という名刺で日常的に秘書活動をしていれば、『秘書はボランティア』と主張しても社会通念上、通らない。秘書給与の肩代わりは企業からの寄付として収支報告書に記載しなければならず、実質的に違法献金にあたる」

(3)会社の他の社員と会ったこともないようだから、秘書の仕事しかしていなかったのだろう。
会社の仕事をしていたとしても、秘書の仕事が主であろう。

有給休暇では、選挙運動期間は対応できても、日常の政治活動はできないだろう。

仕事と秘書の兼務は無理!

(4)上記の記事で総務省の見解が紹介されている。
私と同じ見解である。

つまり、政治家の秘書の給与を会社が肩代わりすれば、それは当該政治家側への寄附(企業献金)になり、政治資金収支報告書に記載しなければならない。
(なお、会社の社員を政治団体に派遣し、その給与を支払い続けたという場合も、同じこと。)
この「企業献金」を記載しなければ不記載であり、政治資金規正法違反となる。

(5)問題はそれで終わらない。

秘書給与を会社に肩代わりしてもらったのは、どの政治団体なのかである。
政党支部なのか、それとも資金管理団体あるいはその他の政治団体なのか、である。

それが政党支部であれば、企業献金を受け取ることが許されているが、政治家の資金管理団体あるいはその他の政治団体であれば、企業献金を受け取ることが許されていない。
寄付者も寄付受領者も罰則がある。
政治資金規正法
第21条  会社、労働組合(・・・)、職員団体(・・・)その他の団体は、政党及び政治資金団体以外の者に対しては、政治活動に関する寄附をしてはならない。

第22条の2  何人も、第21条第1項、第21条の2第1項、第21条の3第1項及び第2項若しくは第3項又は前条第1項若しくは第2項の規定のいずれかに違反してされる寄附を受けてはならない。

第26条  次の各号の一に該当する者(団体にあつては、その役職員又は構成員として当該違反行為をした者)は、一年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
一  第21条第1項、第21条の2第1項、第21条の3第1項及び第2項若しくは第3項又は第22条第1項若しくは第2項の規定に違反して寄附をした者
二  第21条第3項の規定に違反して寄附をすることを勧誘し、又は要求した者
三  第22条の2の規定に違反して寄附を受けた者

それゆえ、秘書給与の肩代わりを受けたのが、どの政治団体なのかは重要である。

(6)松井知事が自民党離党する前は、秘書給与の肩代わりを受けたのが、自民党の支部であれば、不記載だけの罪になるが、松井知事の資金管理団体あるいはその他の政治団体であれば、不記載の罪に加えて、受け取れないはずの違法献金を受けた罪も問われることになる。

(7)今頃、松井知事は、橋下徹大阪市長と共に(?)、政治資金収支報告書の訂正を考えているかもしれないが、果たして自民党はその訂正に応じるのだろうか?
(もちろん、訂正したら許されるのかどうかは、別問題である。)

(8)かりに自民党が応じたとしても、自民党離党後の分は、どの政治団体であれ、受け取れない違法な企業献金を受けたことになるから、訂正しただけでは問題は終わらない(訂正すれば違法献金を受けたとの証拠を作ることになる)。

(9)さて、他のマスコミはどのようにこの問題を報じ、松井知事らはどのように説明し、対応するのだろうか?

民主主義や人権保障を否定し福祉を切り捨てる橋下「大阪都構想」

1.民主主義も人権保障も否定または後退する「大阪都構想」

(1)自公政権は財界の要求に応え、構造改革(新自由主義)を強行し、格差社会を生みだした。
2009年総選挙の結果、政権交代が起きた。
民主党政権には、この格差社会の是正が期待された。

しかし、その期待は裏切られ続けている。

(2)橋下徹氏が大阪府知事選で当選したときの最大の理由は彼のタレント性にあったのだろう。

今でも大阪府民や大阪市民の中で橋下徹氏を支持している者は、民主党に裏切られたと思い、その期待を今度は自称「独裁者」橋下徹氏へとシフトしているのかもしれない。
そして、「大阪都構想」が何となく夢の構想ではないかと夢想しているのかもしれない。

だが、それは一般庶民にとっては悪夢だろう。

(3)地方自治は、本来、国政以上に民主主義や人権保障に資するから存在するはずである。

ところが、橋下氏は、弁護士でありながら、民主主義や人権について、あまりにも無知あるいは不勉強である。

(4)大阪府議会の選挙制度は非民主的であり、そのため「大阪維新の会」は40%の得票率で50%を超える議席占有率だったが、橋下氏はこの選挙制度の非民主主義性を問題視する発言をしたことを聞いたことがない。それどころか、彼が代表をつとめる「大阪維新の会」は、さらに議員定数を削減して非民主的度合いを高める条例改悪を強行した。

そして彼は独政治を肯定している。

(5)また、彼が教育を受ける権利も知らないことは、かつて、このブログでも指摘した。

大阪府議会で「大阪維新の会」は君が代起立斉唱義務付け条例も強行成立させている。

問題のある「教育基本条例」「職員基本条例」の制定も強行しようとしている。

(6)このように民主主義、人権保障について無理あるいは不勉強な地域政党の代表が構想する「大阪都構想」により、民主主義、人権保障が、より進むどころか、それらを否定または後退させることになるだろう。


2.二重行政そのものがムダとは言い難い!

(1)橋下氏は、簡潔にいえば、大阪府と例えば大阪市の二重行政がムダであるから、大阪市を解体し、二重行政を解消するために「大阪都構想」を主張しているようだ。

(2)しかし、そもそも二重行政そのものがムダと断言できるわけではない。
そのような主張を突き詰めれば、「地方自治は不必要で、国だけがあればよく、地方は国の出先機関にしてしまえ」といことになりかねない。
これだと、戦前に近いものになる。

あるいはまた、地方自治は必要だという立場に立ちながら、二重行政がムダであるという立場を突き詰めれば、「身近な市町村は必要だが、都道府県は不必要だ」ということにもなりかねない。

(3)もちろん、今の都道府県、市町村という二重構造において、ムダが絶対に生じないわけではないが、それは運用のあり方の問題であり、制度そのものの問題ではないだろう。

(4)ところで、この20年間で市町村合併が進んだ。
1999年まで3200を超える市町村があったのに、今ではその半分を少し上回る1700程度(割合でいえば53%)にまで減少している(参照、上脇博之『議員定数を減らしていいの?」119−120頁)。
地方自治体は市町村合併により広域化したが、地方は豊かになったのであろうか?
その逆であることは明白である。

(5)自公政権のもとで新自由主義の構造改革、つまり財界政治が強行され、国主導の市町村合併も行われた。

したがって「平成の大合併」は、福祉国家制作を否定した新自由主義のためのものであったから、市町村合併と共に福祉など一般庶民の暮らしに対する行政サービスは後退するのは当然のことであった。

(6)道州制の導入も、「平成の大合併」と同じように、財界が求めている。
言い換えれば、財界が要求して、道州制を実現する地ならしとして市町村合併が行われてきたとも言える。

http://www.kkc.or.jp/dousyusei/action/action.html

(7)橋下氏の「大阪府構想」で主張されている「大阪府と大阪市の二重行政の解消」を主張していたのは、関西経済同友会である。

関西経済同友会地域主権・NPO委員会「関西活性化のために大阪府と市の統合を」(2002年2月)は、大阪府と大阪市の統合と、「関西州」への移行を主張していた。

(8)それゆえ、橋下氏の「大阪府構想」の基本的内容は、新自由主義を主張する財界の主張内容と基本的に同じであるから、一般庶民のためではなく、財界のためのものなのである。
言い換えれば、福祉の充実ではなく、むしろ、福祉を切り捨て、財界の都合の良い政策を実現するためのものなのである。


3.専門家も指摘する、「大阪都構想」の問題点

(1)「大阪都構想」に問題があることは、大阪市も指摘しているようだ。
2010/10/14 17:47 【共同通信】
「府より市」実施が効率的 大阪都構想の問題点検討

 大阪市内での大阪府の事業は、市が行った方が効率的―。「ローカルパーティー大阪維新の会」の代表、橋下徹知事が掲げた府市を再編する「大阪都」構想について、大阪市が行財政面で多くの問題点があるとの検討結果をまとめていたことが14日、分かった。
 平松邦夫市長は大阪都構想を「市を分断するだけで市民に何の利益もない」と厳しく批判しており、来春の統一地方選に向け橋下、平松両氏の対立はさらに激しさを増しそうだ。
 大阪市は橋下氏が大阪都構想を訴え始めた1月ごろから問題点の検討を始めた。商工労働関連や都市整備などを「わざわざ府でやる必要があるのか」と疑問視。市内で納められる法人事業税など、2008年度決算で7550億円に上る府税をすべて市税として確保し、警察や府立高校などの府が負うべき事務以外は、市が行った方が効率的とまとめている。
 また市を九つの特別区に再編した場合、生活保護率で最大4倍、市税収入額で最大10倍の差が生じ「区ごとの格差が固定される」と指摘。市条例の区条例への変更や、戸籍などのデータ移行、職員の配置換えも必要で「手続きが膨大で行政事務が停止するのは確実」と強調する。

(2)もっとも、大阪市の検討結果は、自己保身だとして信用しない大阪府民、大阪市民もいるだろう。
そこで、最後に、専門家の検討結果を紹介しよう。

http://www.oskjichi.or.jp/modules/report/content0051.html

「大阪都構想」問題を検証
 〜東西の学者が語り合うシンポジウム(2011.2.11)に〜
 470人の府民が参加

鶴田廣巳・関西大学教授(大阪自治体問題研究所理事長):「大阪都構想は集権化による大規模なインフラ整備が最大の目的。福祉行政は基礎自治体におしつけるが、財源なき分権であり、行政責任の転嫁に過ぎない。世論調査では、府民は大阪都構想について『説明不足だ』と感じながらも、なんとなく賛成している人も多い。シンポジウムでは、東西の地方自治の専門家による議論で、大阪都構想の問題点を明らかにしたい」。

大阪停滞の原因は府市制度にはない

重森暁・大阪経済大学教授:「大阪都構想は、大阪の歴史的な経過や法制度などを踏まえて検討・熟慮された形跡はなく、当面の選挙にむけたワンフレーズ・ポリテックスとしての思いつきといった性格が強い。府と市の無用の対立を引き起こし、大阪経済の地盤沈下に拍車をかけるのでないか」。
宮本憲一・大阪立大学名誉教授:「大阪都構想は、大阪市・堺市を破壊する以外は改革の目的が不明確だ。大阪が抱えている問題は、大阪都構想でなくても府と市がしっかり協議すれば解決できる問題ばかりだ。大阪市のような大都市には経済や文化の集積がある。その大都市を簡単になくしてしまうのは許せない。蓄積された資産、人材を生かして大阪を発展させる基本方針をもつべきだ」。

木村收・元阪南大学教授(元大阪市財政局長):「大阪では1960年代からの急激な人口増により衛星都市で発生した様々な都市問題を府政がカバーする役割を担ってきた。橋下知事は『大阪府と大阪市は二重行政でムダだ』と言うが、府と市の図書館、体育館はどれも利用率は高く、市民にとってはムダでもなく問題はない」。

加茂利男・立命館大学教授:「政令指定都市は大阪だけでなく首都圏や中京圏にもある。全国で大阪だけが停滞していることを行政制度で説明できるのか。大阪の衰退は行政制度にあるのでなく、企業が東京や海外に移ったなど経済的な理由によるものとしか考えられない。病気の原因を間違えると、誤った薬を飲ませることになる」。
橋下知事が自ら代表となる地域政党「大阪維新の会」の運動についても「知事による府内市町村の自治に対する政治的な殴り込みだ。声の大きなリーダーが地方政治を好きなように牛耳り『仁義なき闘い』の世界になってしまう。お互いの自治を尊重しあう地方自治のルールや作法を崩壊させることになりかねない。橋下流の政治手法はファッショ的な気がする。見ようによっては日本の地方自治の危機だともいえる」と指摘しました。

大阪都になれば、財政危機が進む

柴田徳衛・東京都立大学名誉教授:「大阪都にすれば財政もうまくいくと言うが、国から5千億円ぐらいの交付金を受けなければもたない。しかし国からそのような交付金が出るかも不明であるし、都と特別区の間での財源の配分方法もはっきりしていない。東京都と大阪では財政規模も違う。もっと冷静に考えるべきだ」。

大森彌・東京大学名誉教授:「東京都は大企業が集中しているから財源が豊かであり、都から特別区にお金をまわすことができるが、財政が厳しい大阪ではその条件はない。もともと東京の都区制度は、戦時体制下で東京府が当時の東京市を吸収してつくった集権体制だ。特別区の自治が市町村よりも制約されるなど問題点が多い。最終的に都区制度は廃止される運命にある。橋下知事は東京をまねて都区制度をつくろうとしているが、時代錯誤だ」。
「大阪の指揮官を一人にする」という大阪都構想のねらいについても、「東京では都知事と特別区の区長は対立することも多い。特別区と東京都は対等な立場で協議して様々なことを決めている。都になれば司令塔が一本になると言うのも幻想だ」。

森裕之・立命館大学教授:「大阪は東京と違って税収が少なく、国からの交付税がなければ行政サービスができない。大阪都になれば、大阪市から約2700億円、堺市から約440億円の税収と地方交付税分が都に吸いあげられ、特別区に入る財源がさらに少なくなる。財政危機がさらに進み、住民サービスの低下は必至だ」。

野田政権が財界政治を強行できるワケ(菅内閣不信任劇を振り返って):その1(原発推進)

はじめに(原発推進勢力による菅おろしの成功)

(1)自民党と小沢一郎氏らのグループなどが画策した菅内閣不信任案騒動があったのは、今年6月初めだった。

(2)自民党の政権復帰等の思惑は必ずしも成功しなかったようだが、菅首相は8月下旬に首相辞任を正式表明し、自民党・小沢氏らの原発推進勢力の思惑は成功し、民主党代表選では、原発推進派の候補者同士で代表選が戦われた

(3)民主党代表選挙では、財界が最も期待した野田佳彦氏が選出され、首相に指名・任命され、9月初めには、小沢グループも取り込んで野田政権がスタートした。

(4)その後、野田政権は、自公政権に勝るとも劣らないくらいの勢いで、財界政治を推進中である。

この投稿では、「その1」として、原発政策に絞って、その点を確認しよう。
民主党内では、なかには本気で「脱原発」を主張している議員がいるのかもしれない。
しかし、そのような議員がいたとしても、現状を見れば、当該議員は党内では影響力がないようだ。

(5)小沢一郎氏がまるで脱原発派であるかのようなデマが流れたときもある。

だが、小沢氏は原発推進派議員の一人だ。

(6)それゆえ、野田政権は、小沢グループを引き込んだから、「脱原発依存」を装いながら、原発が推進できているのである。
まず、この点について、マスコミ報道で確認しておこう。


1.野田政権は「長期的な脱原発依存」を言い原発推進へ

(1)九州電力が玄海原発4号機を再稼働へ!
(2011/09/02-20:21)
「脱原発依存」を継承=安全確保前提に再稼働−野田首相

 野田佳彦首相は2日夕の記者会見で、今後のエネルギー政策について「脱原発依存という基本的な流れの中で、丁寧にエネルギーの基本計画をつくらないといけない」と述べ、菅直人前首相が掲げた「脱原発依存」を基本的に継承していく考えを示した。
 定期点検中の原発に関しては「安全性をしっかり確保し、地元の理解を前提に再稼働する」と指摘。新たな原発建設は「現実的には困難だ」とし、「寿命が来たものを更新することはない。廃炉にしていきたい」と語った。

日経新聞2011/9/2 21:45
首相、地元理解前提に原発再稼働の意向 老朽化なら廃炉

 野田佳彦首相は2日の記者会見で、安全性に不安のある老朽化した原子力発電所について、順次廃炉を進める考えを表明した。原発建設に関して「新たに造るのは現実的に困難だ」とも指摘した。運転停止中の原発の再稼働には前向きな考えを強調。「安全性をチェックしたうえで、しっかりと地元に説明をしながら、再稼働をしたい」との意向を示した。
 再稼働については来年の電力需給が逼迫する恐れがあることを理由に挙げたうえで、電力不足が国内経済の足かせにならないよう配慮する考えを示した。今後のエネルギー計画では「国民の不安を取り除く形のエネルギーのベストミックスを構築する」と強調した。
 一連の首相発言は原発依存度を段階的に引き下げる菅内閣の方針を継承しつつ、現実路線への微修正を図っている。エネルギー計画の見直しでは「新エネルギーの開発、自然エネルギーの代替的普及、省エネ社会を着実に推進する流れの中で、丁寧にエネルギーの基本計画を作り上げないといけない」と述べた。

(2011年9月3日01時40分 読売新聞)
長期的に「脱原発依存」社会目指す…野田首相

 野田首相は2日の記者会見で、東京電力福島第一原子力発電所事故への対応に最優先で取り組む方針を示すとともに、外交面では「日米同盟重視」を打ち出し、菅政権の方針を基本的に継承する考えを表明した。
 一方、円高やデフレ対策の必要性を指摘し、中小企業の資金繰り対策にも意欲を示した。
 首相は会見の冒頭、東日本大震災からの復旧・復興と原発事故対応が「何よりも最優先だ」と繰り返した。菅内閣の震災と原発事故へのずさんな対応に与党内からも批判が強まり、政権運営が行き詰まったことを教訓に、これを「最優先課題」と位置づけ、全力を尽くす決意を示した。
 原発周辺住民の早期帰宅に必要となる、放射性物質の除染を官邸主導で実施すると強調したのも、「政府の対応が遅い」との地元の不満に配慮したものだ。
 定期検査で停止した全国の原発の再稼働についても、着実に進める方針を強調し、当面の電力不足に対する国民の不安払拭や経済の混乱の回避を図った。その一方、国民の原発不信を念頭に、長期的に「脱原発依存」の社会を目指す姿勢も強調した。

international business times 2011年9月3日 06時54分 更新
野田新首相、原発を徐々に廃止、「脱原発依存」へ

 野田新首相は正式就任後初の記者会見で、原子力発電所を徐々に廃止していく方針を掲げた。
 野田首相は原発を「新たに作るということは、現実的に困難だと思う」と述べ、各原子炉の寿命が来たら「廃炉にしていきたい」と語った。
 一方、当面のエネルギー需給問題を解決するため、原発への依存度をすぐにゼロにすることは不可能だと述べ、ストレステストなどを経て安全性を確認した原発については、地元の理解を得た上で、再稼動することも必要だとした。

2011年10月21日 21:34 =2011/10/21 西日本新聞=
玄海原発停止は管理上の不手際 九電が発表

 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)4号機が復水器の異常で今月4日に自動停止した問題で、九電は21日、運転中の補修作業を想定しない不適切な手順書を基に作業したことが原因だったと発表した。直接的な作業ミスではなかったが、管理上の不手際といえる。九電は手順書の見直しを含めた再発防止策を同日、経済産業省原子力安全・保安院に提出した。
 九電によると、タービンを回転させた蒸気を水に戻す復水器につながる蒸気弁の開閉スイッチを交換する際、手順書に沿って感電防止のため弁の制御ケーブルを引き抜いたところ、蒸気が停止。復水器の異常信号が出て、原子炉が自動停止したという。
 スイッチは安全上重要度が低い一般機器。定期検査中に原子炉を止めて交換した前例を踏まえ作業に入ったが、制御ケーブルを引き抜いた場合の関連機器への影響を確認していなかった。九電は、手順書に運転中の作業による影響を確認する規定がなかった点に問題があったと判断。今後、すべての補修作業の手順書に、関連機器への影響の有無を調べる規定を追加する。
 玄海原発4号機は12月中旬に定期検査する予定。九電は同保安院に再稼働の判断を仰ぎ、地元の理解を得た上で定検前に再開したい意向だが、福岡市で会見した豊嶋直幸・原子力発電本部部長は「何をもって地元理解とするかは非常に難しい」と話し、具体的な再開時期の明言を避けた。

佐賀新聞2011年11月01日 01時13分
玄海4号機、数日で再稼働へ / 九電「準備でき次第、通常運転」

 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)4号機が人為的ミスによるトラブルで自動停止した問題で、九電は10月31日、「準備ができ次第、通常運転に復帰し、(当初予定通り)12月に定期検査に入る」とするコメントを発表し、数日中にも再稼働させることを明らかにした。九電関係者によると、同日夜、再開準備の作業に入った。
 原発の安全性をめぐる議論が続く中、地元理解を得ることなく再稼働を表明したことに批判が集まることは確実。玄海原発をめぐるやらせメール問題も決着しておらず、社内からも疑問の声が出ている。

2011年11月5日 01:56=2011/11/05付 西日本新聞朝刊=
玄海原発4号機 通常運転に復帰

 九州電力は4日、復水器トラブルによる自動停止から再稼働した玄海原発4号機(佐賀県玄海町、出力118万キロワット)が、同日午後4時20分、100%出力による通常運転に復帰したと発表した。九電は「今後も安全確保に万全を期し、慎重な運転を続けていく」とのコメントを出した。
 12月中旬に予定する定期検査まで約1カ月半の運転となる。九電によると、玄海4号機の再稼働20+ 件によって火力発電用燃料を石油換算で約30万キロリットル節約でき、燃料費負担は1日3億−4億円減少、運転期間中に百数十億円減らせる計算という。
 玄海4号機は1日、原子炉を再起動し、2日に送電線に電力を流す発電を再開。出力を徐々に上げて運転していた。


(2)野田政権でも原発輸出は止まらない
毎日新聞 2011年10月19日 東京朝刊
IEA閣僚理事会:開幕 枝野経産相、原発輸出継続を表明

 【パリ宮川裕章】世界の主要な石油消費国で構成する国際エネルギー機関(IEA)の閣僚理事会が18日、パリで2日間の日程で開幕した。東京電力福島第1原発事故や中東の政情混乱を受け、世界のエネルギーの安全保障体制の構築に向けて、緊急時の石油の備蓄や放出体制の拡充などを議論する。
 日本から出席した枝野幸男経済産業相は福島原発事故を踏まえ、「原子力の安全性を世界最高水準まで高めるとともに、事故の経験と教訓を世界と共有し、国際的な原子力の安全向上に貢献する」と述べ、原発輸出を継続する姿勢を表明。日本のエネルギー政策については「ゼロベースで見直しを進める」と再生可能エネルギーの拡充などを図る方針を説明した。閣僚理事会は2年ごとに開催、今回は日米欧など加盟28カ国に加え、中国、インド、ロシアなど新興8カ国も参加した。

日経新聞2011/10/29
日・インド原子力協定交渉、年内に再開へ
政府、原発輸出の環境整備


 野田政権が東京電力福島第1原子力発電所事故以来、停滞していた原発輸出に向け、各国との交渉を進めだした。インドとの間では、日本からの輸出に必要な原子力協定の交渉を年内にも再開する。ヨルダンやトルコでの原発受注をにらんだ準備にも入った。原発事故の収束を最優先にしながら、輸出への環境を整備していく考えだ。
 玄葉光一郎外相は29日、インドのクリシュナ外相と都内で戦略対話を開き、日印原子力協定の交渉継続を確認する。交渉は東日本大震災の影響で2010年11月を最後に中断していたが、年内にも4回目の交渉を再開し、12年中の署名を目指す。
 経済成長が続くインドでは原発への需要が大きい。原子力協定をテコに原発や関連部品の輸出につなげる狙いだ。インドは核拡散防止条約(NPT)に未加盟のまま核開発を続けており、輸出に伴って移転する核物質を平和利用に限定することも規定する。
 31日には野田佳彦首相とベトナムのズン首相が都内で会談し、10年10月に日本企業の受注が決まった原発建設計画の協力を確認する。今年1月以来、中断していたトルコとの原子力協定交渉も近く再開予定だ。日本企業が原発受注を目指すヨルダンも「原子力協定を年内に国会で承認しない限り、日本企業に原発を発注しない」と水面下で日本政府に通告している。
 首相は9月の国連本部での原子力安全首脳級会合演説で、原発輸出について「原子力利用を模索する国々の関心に応える」と述べ、輸出継続に意欲を示した。原発依存からの急速な転換を目指した菅直人首相からの軌道修正を進める。
 ただ、政府は新規輸出の再開には、新たな安全基準など明確なルールの策定を前提とする考え。こうした検討に近く着手する案もあったが、11年度第3次補正予算案やTPP問題など難題を抱えるなかで、当面は表立った行動を控えることにした。まずは福島第1原発の事故調査・検証委員会の最終報告など、輸出再開に向けた議論の材料がそろうのを待つ方針だ。

時事通信(2011/11/04-09:19)
原発輸出へ協力確認=日・トルコ首脳会談

 【カンヌ時事】野田佳彦首相は3日夜(日本時間4日未明)、フランス南部カンヌでトルコのエルドアン首相と会談した。交渉中のトルコへの原発輸出について、エルドアン首相は「日本の考え方の説明を得たい。協力のための交渉が進むことを期待する」と表明。野田首相は「(東京電力福島第1)原発事故の教訓と知見を共有しながら協力したい」と語った。
 エルドアン首相が「両国関係をさらに拡大するために自由貿易協定(FTA)締結を希望する」と求め、野田首相は「あらゆるレベルでの協力促進を期待する」と述べた。

朝日新聞2011年11月5日20時28分
国内は脱原発、でも輸出は推進 枝野経産相「矛盾せぬ」

 枝野幸男経済産業相は5日、東日本大震災後に停滞している原発輸出について、相手国から要請があれば輸出するべきだとの考えを明らかにした。都内の早稲田大学で行った講演で、「わが国がいま持っている技術について海外の評価にこたえるのは、むしろ国際的な責任だ」と語った。
 枝野氏は、原子力にはプラス面がある一方でリスクもあると指摘。「リスクをどの程度重視するかは国によって違う。地震や津波がない国もあるが、日本は圧倒的に原子力を使うには適さない」と述べ、国内での原発の新規立地には否定的な考えを示した。
 そのうえで、原発依存を減らすことと輸出推進との関係について、枝野氏は「(原発)技術を国内で使わなくなるかもしれないが、(外国が)評価するなら、それにこたえることは矛盾でない」と話した。


2.小沢一郎氏は原発推進議員!

(1)先の民主党代表選の時、小沢一郎氏が原発推進の海江田万里氏を推したことに対し、小沢チルドレンの女性議員らが異論(?)を言いに小沢氏のところに出向いたとき、小沢氏は同議員らに「(海江田氏を)俺だと思って応援して欲しい」旨、話したそうだ。

ある記者から、その話を聞いたとき私は笑ってしまった。

(2)それにしても、小沢チルドレンの女性議員らは、小沢氏が党代表のときに、民主党が原発政策において、より積極的的な方向に舵をきったのを知らないのだろうか!?

(3)小沢氏自身が原発推進なのは有名だと思っていたが、小沢一郎支持者のなかには意図的にデマを流しているものもあるようなので、あえて書いておこう。、

‥豕電力会長、経団連会長をしていた平岩外四氏(故人)は、自民党時代に小沢一郎の後援会長になっていた。

■隠坑坑廓総選挙で政権交代が実現し、細川政権が誕生した。
このとき、経団連は、財界政治を実現するために「政治改革」の断行を求めたわけであるが、それを後押しするために、「企業献金に関する考え方」(1993年9月2日、経団連会長・副会長会議)を発表し、従来行われていた自民党側への政治献金斡旋を翌年から中止した。
その時の会長は、奇遇にも(!?)平岩外四氏であった。

小沢一郎氏は、1990年に「ジョン万次郎の会」をつくり、その2年後には「財団法人ジョン万次郎ホイットフィールド記念国際草の根交流センター」を設立していることを公表し、自慢しているようだ。
小沢氏のHPは、以下のように説明している。
私は、日米・日中の交流が不可欠なものと考えて、政治家としての公的な仕事とは別に自分自身のライフワークとして草の根レベルの国際交流活動を続けておりますが、そうした考えの下に日米交流促進の活動として1990年に「ジョン万次郎の会」を立ち上げ、皆様のご協力をいただいて1992年に財団法人ジョン万次郎ホイットフィールド記念国際草の根交流センターを設立いたしました。

同財団ののホームページには、役員名簿が公表されている。
それを見ると、今年4月現在であるが、会長は小沢一郎氏であり、顧問の一人が東京電力会長・勝俣恒久氏であることが明記されている。
なお、小沢氏と囲碁仲間の与謝野馨氏は副会長。与謝野氏は、大学卒業後、「中曽根さんの推薦する日本原子力発電に入社」している
役員名簿
(平成23年4月現在)

会長
小沢 一郎
衆議院議員


副会長
与謝野 馨
衆議院議員


顧問
松永 信雄
元駐米大使

勝俣 恒久
東京電力株式会社 取締役会長


理事長
渡辺 泰造
元2005年日本国際博覧会日本政府代表
(元在インドネシア大使)

専務理事
貴田 昭一
株式会社ユネクス 代表取締役会長


理事

小沢 一郎
衆議院議員


平 辰
株式会社大庄 代表取締役社長

田口 俊明
トヨタ自動車株式会社

顧問

野村 吉三郎
全日本空輸株式会社 特別顧問

波多野 敬雄
学校法人学習院長・理事長
(元外務省国際連合日本政府代表部特命全権大使)

東 明彦
NTTコミュニケーションズ株式会社 理事・総務部長

槇原 稔
三菱商事株式会社 特別顧問

松尾 憲治
明治安田生命保険相互会社 取締役 代表執行役社長

三輪 信昭
衆議院議員・株式会社兼美 代表取締役 (以下、略)

また、同財団のホームページを見ると、「寄附協賛企業」に東京電力などの電力会社も含まれている。
寄附協賛企業一覧
(平成22年4月〜平成23年3月)

NTTコミュニケーションズ株式会社
キヤノン株式会社
四国電力株式会社
全日本空輸株式会社
株式会社大庄
トヨタ自動車株式会社
丸紅株式会社
三井住友海上火災保険株式会社
三菱商事株式会社
三菱食品株式会社
アイシン精機株式会社
愛知製鋼株式会社
曙ブレーキ工業株式会社
アサヒビール株式会社
イオン株式会社
株式会社関電工
キッコーマン株式会社
キリンホールディングス株式会社
住友化学株式会社
中部電力株式会社
株式会社デンソー
東京海上日動火災保険株式会社
東京電力株式会社
豊田合成株式会社
株式会社豊田自動織機
豊田通商株式会社
トヨタファイナンシャルサービス株式会社
トヨタ紡織株式会社
株式会社永谷園
株式会社ニフコ
日本郵船株式会社
日本ユニシス株式会社
パナソニック株式会社
日野自動車株式会社
株式会社ブリヂストン
明治安田生命保険相互会社
矢崎総業株式会社

つまり、小沢一郎氏が「反原発」「脱原発」「脱原発依存」であるはずがないのである。
むしろ、原発推進議員の有力な一人である。

(4)ちなみに、同財団のホームページを見ると、野田佳彦首相は「推薦の言葉」を寄せている(もう一人はルース在日米国大使である)。
野田佳彦 内閣総理大臣

日米同盟は日本外交の基軸であり,先般の東日本大震災では,米国からはトモダチ作戦から草の根活動に至るまで,様々な層から多大な支援が提供されました。こうした支援は日米関係が強固であることを特に明確に示しました。
日米間の草の根交流は日米同盟の礎を支える重要な要素の一つですが,財団法人ジョン万次郎ホイットフィールド記念国際草の根交流センターは,過去20回以上開催されてきた草の根サミット大会を通じて,両国国民間の相互理解と親善を深める重要な役割を長年にわたり果たしてきております。ここに,同センターの活発な活動に敬意を表するとともに,同センターの益々の御活躍及び御発展をお祈りいたします。

(5)小沢一郎氏は、東京電力の福島原発の事故処理では勇ましい発言をしているようだが、東京電力の責任を追及する発言を見聞きしたことはない。

むしろ、東京電力の責任追及を否定する発言なら、読んだことがある。
ウォールストリートジャーナル日本版2011年 5月 27日 12:58 JST
小沢一郎元民主党代表インタビュー:一問一答
(略)

Q:原発事故で事態をここまで悪くしないようにするために、政府がすべきであった決定や政策はどんなものがあったか。

A:こういう状況になると、東京電力の責任に転嫁したって意味がない。東京電力が悪い、あいつが悪い、こいつが悪いということを言っている。どうでもいいことならそれでいいが、原発の放射能汚染の問題は、ここまで来ると、東電に責任を転嫁しても意味がない。政府が先頭に立って、政府が対応の主体とならねばいかんというのが、私の議論だ。東電はもう、現実何もできないだろう。だから、日一日と悲劇に向かっている。
(略)

福島原発の事故は、これまでの自民党政権にも責任があるだろうが、当然、東京電力の責任である。
それなのに「東電に責任を転嫁しても意味がない」というのは、全く不可解な発言である。
多分、小沢一郎氏の本心は「東京電力には責任がない」と思っているのだろう。
そうでなければ、このような発言は出てこない。

(6)小沢氏は、先日(11月19日)評論家の田原総一郎氏と対談している。
2011年11月20日19時03分
提供:ニコニコニュース

東京・六本木のニコファーレで2011年11月19日、小沢一郎元民主党代表とジャーナリスト田原総一朗氏の対談があり、ニコニコ生放送「小沢一郎×田原総一朗 徹底生討論 『日本をどうする!』in ニコファーレ」として中継された。

その中で、小沢氏は、原発について、以下のような発言している。
田原総一朗「国を変えるには小沢一郎が総理になるしかない」 小沢×田原対談全文(後)
2011年11月20日(日)19時03分配信
(略)
角谷: もう1ついきます。こちらはニコニコネーム「ポン」さんです。「小沢さんの原発についての意見を聞かせてください」というお願いが来ています。

小沢: 40年近く前ですが、ちょうど僕が科学技術政務次官をやったんですよね。原発(問題)は、その時からボチボチ始まっていたんですが、これは日本だけではないんですが、最終の高レベルの廃棄物の処理方法というのは無いんですよ。

田原: 世界中、無い。

小沢: 無いです。ですから、この処理方法が見つからない限りは、原発にずっとおんぶしていくということは不可能なんです。だから私は最初から「原発は過渡的なエネルギーだ」と言ってきたんですが、そうやっているうちに、原発の依存度がどんどん高くなった。新エネルギー開発が十分でなかったという点については反省していますが、僕はやはり処分の技術ができない限りは、原発は過渡的なエネルギーとして新しいエネルギーに変えていくべきだと思います。
(略)

これを読んで、小沢氏の支持者は、小沢氏が「脱原発」あるいは「脱原発依存」だったと思い込むのかもしれないが、私はそうではない。

小沢氏のプロフィールをみると、科学技術政務次官を務めていたのは、今から35年前の1975年(昭和50年)12月 〜 1976年(昭和51年)9月のようだ。
35年から原発問題があることを自覚していた、というのであれば、なぜ、その時、あるいはまたその後自民党の役職や官房副長官を務めていながら、「脱原発」「脱原発依存」の言動をしてこなかったのか???

なぜ、小沢氏は新エネルギー開発を進める言動をしてこなかったのか??

なぜ、小沢氏は、民主党代表の時(2007年)、民主党の政策をより推進の方向へと舵をきったのか???

なぜ、原発に少しブレーキをかけただけの菅氏を首相から引きずりおろしたのだろうか???

なぜ、民主党代表選で原発推進の海江田氏を推したのだろうか???

なぜ、原発推進の野田首相を引きずりおろさないのだろうか???

小沢氏のこれまでの言動を考えると、小沢氏の対談での発言は、私には全く矛盾している発言であるとしか思えない。
得意の口から出まかせではなかろうか。

「私は最初から「原発は過渡的なエネルギーだ」と言ってきたんです」というのは、「過渡的」期間を何年であると説明しなければ、全く意味のない発言だ。

田原氏はこの点を突っ込んで質問していない。
(小沢一郎氏と対談・インタビューした評論家やフリーのジャーナリストは、小沢氏やその秘書に厳しい質問をしない。
だから、小沢氏らは厳しい質問がなされる記者会見を避け、そちらに出演するのだろう。)

(7)なお、「小沢一郎と東京電力「蜜月21年」」(週刊文春2011年6月9日号)では、私が書いたこと以外のことも書かれているようだ(インターネットで検索すると紹介しているものがある。ほかに、東京新聞の記事もあるようだ。)が、私は実際の紙面を見ていない。

(続く)

「大阪都構想」等に関する朝日・読売世論調査等についての問題点

1.やはり「独裁vs反独裁」の構図

(1)今月(2011年11月)10に告示された大阪府知事選挙については、すでにこのブログで取り上げた

(2)その際、言及した大阪市長選挙も今月13日に告示された。
毎日新聞 2011年11月13日 8時45分(最終更新 11月13日 11時52分)
大阪市長選:告示 平松氏と橋下氏が立候補を届け出

 任期満了に伴う大阪市長選は13日、告示され、現職の平松邦夫市長(63)=民主大阪府連支援、自民同府連支持=と、「大阪維新の会」代表の橋下徹前知事(42)の2人が立候補を届け出て、28年ぶりの一騎打ちとなった。最大の争点は維新が掲げる「大阪都構想」の是非。市を解体・分割するかどうかを巡り、激しい論戦が始まった。橋下氏の辞職に伴う知事選とともに27日に投開票される。
 都構想は、府と大阪、堺両市を解体し、「都」と「特別自治区」に作り替える構想。人口267万人の大阪市の場合、人口30万人規模の8〜9の特別自治区に分割される。実現には国会での法改正が必要だが、橋下氏は知事選とのダブル選で勝利した場合、次期衆院選での候補者擁立を検討する。
 平松氏は都構想について「市を分断・消滅させ、権限と財源をむしり取ろうとしている。時代に逆行する府県集権主義だ」と激しく批判する。橋下氏は「知事と市長が並立する今の統治機構を変えたい。インフラ整備など成長戦略を一本化した強い広域行政体をつくり、世界の都市と勝負する」と訴え、15年4月の都政移行を目指している。
 民主、自民両党は府連レベルで平松氏を支援。共産は推薦候補が出馬を撤回、48年ぶりに公認・推薦候補の擁立を見送って事実上平松氏の支援に回り、維新と既存政党が対決する構図になる。公明は自主投票を決めた。【小林慎】

 ◇橋下氏「日本の行く末が決まる」
 橋下氏は午前9時から、大阪市北区中之島の市役所前で出発式。駆け付けた約30人の市議を前に「この戦いに勝つかどうかで日本の行く末が決まる。是が非でも勝利して新しい大阪、新しい日本、新しい政治の枠組み作りをしよう」と結束を呼び掛けた。(美延映夫、み、のべ、てる、お)市議の「大阪市役所を解体するぞー」との掛け声で、市役所に背に「ガンバロー」を三唱した。
 その後、同市中央区の南海難波駅前で、知事選候補の大阪維新の会幹事長、松井一郎氏(47)や元経済企画庁長官の堺屋太一氏と街頭演説に臨んだ。買い物客ら数百人が見守る中、松井氏は「我々は自分たちのポジションやバッジにこだわらないから大改革ができる」とアピールした。
 橋下氏は「政権交代が起こっても夢や希望が持てないのは、日本の国の仕組み、大阪の形、行政組織そのものが悪いから。大阪を世界に冠たる大阪都に作り上げ、ねずみ色一色の24区を24色に輝かせる」と第一声。「僕は市長ポストをなくすために市長になる。平成維新をこの大阪から成し遂げよう」と訴えた。【林由紀子】

 ◇平松氏「安定、成長、安心の大阪をつくる」
 平松陣営は午前9時から大阪市西区の選挙事務所前で出陣式を開いた。支援する自民、民主系の市議、国会議員らが多数出席する中、知事選候補の前大阪府池田市長、倉田薫氏(63)も駆け付け「タッグを組んで安定、成長、安心の大阪をつくる。ダブル勝利でゴールを迎えたい」と共闘をアピールした。
 また、07年の前回市長選では対立候補を支援した自民市議団の荒木幹男幹事長(64)があいさつに立ち、「自民、民主は異体同心。平松市長を先頭に命を賭して頑張るぞ」と右手を突き上げた。
 平松氏はこの後、同区の大阪市消防局に移り、午前10時過ぎに第一声。東日本大震災直後の救援隊による支援活動が、政令市としての広域活動を象徴しているとして、平松氏の意向で選んだという。
 平松氏は「市をばらばらにしようとする人たちがいます。潰すのは簡単ですが二度と戻りません」と橋下氏が掲げる都構想を批判。「変えなければならないものを見極め、歴史伝統文化のあるこの大阪から皆さんと一緒に日本を変えたい」と2期目への意気込みを語った。【津久井達】

(3)留意すべきは、大阪府知事選挙では、7人の立候補のうち、倉田薫氏は「民主党府連が支援、自民党府連が支持」で、梅田章二氏は「共産党が推薦」で、松井一郎氏が「大阪維新の会公認」であること、
また、大阪市長選挙では、平松邦夫氏が「民主大阪府連支援、自民同府連支持」で、橋下徹氏は「大阪維新の会」代表であるということ、
である。

すでに以上のタブル選挙は、マスコミの多くが橋下氏の言うがままに「維新vs既成政党」の構図として報じているが、実態は、そうではなく、「独裁vs反独裁」であるということは、すでに紹介したが、大阪府知事選挙と大麻市長選挙で、自民党も民主党も、党本部と大阪府連とで足並みが揃っていないのである。

言い換えれば、橋下氏は独裁政治を肯定しているにもかかわらず、自民党本部も民主党党本部も、自称「独裁者」橋下氏と全面対決していない。

大阪選出の自民・民主の国会議員が、このタブル選挙で、どのような言動をしてうのか、私の耳にも、少しではあるものの情報が入っているが、自称「独裁者」に屈してしまっている者が少なくないようだ。


2.毎日新聞の「候補者の主張」における質問項目の問題

(1)各新聞社は大阪市長選について候補者の政策を紹介している。

以下では毎日新聞のものを紹介しよう。
毎日新聞 2011年11月19日 地方版
選挙:大阪市長選 候補者の主張/上 /大阪

 主張も政治手法も大きく異なる2氏の一騎打ちとなった大阪市長選(27日投開票)。市が抱える課題や大都市制度、教育政策などについて六つの質問をして、主張を聞いた。

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 <1>東日本大震災が発生し、市民の防災に対する関心が急速に高まっています。大阪市では南海・東南海地震、上町断層帯での直下型地震などの発生が懸念されています。どのような防災対策を進めたいと考えていますか。教えてください。
 <2>東日本大震災による福島第1原発の事故を受け、大阪市でも原発稼働の是非を住民投票で決めようと直接請求を目指す動きが出ています。(1)原発稼働の是非を住民投票で決めることに対する賛否(2)震災で大きなリスクが顕在化した原発の稼働の是非をどう決めるべきとお考えになっているか、あわせて教えてください。
 <3>大阪市の生活保護費が、今年度予算で全国最多の2916億円を計上するなど、市の財政を圧迫し続けています。生活保護は国の制度であり、地方自治体だけで解決できる問題ではありません。一方で、生活保護の問題に関しては、大阪市は地方自治体の意見を代表して述べるべき立場でもあります。市長に就任されたら、国に対してどのように生活保護制度の改善を迫っていくか、教えてください。

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 ◆平松邦夫候補
 <1>地震だけでなく水害や火災、大規模停電・断水、交通・通信途絶などを念頭におき、コミュニティー機能や都市間連携の強化に努めます。あわせて、防災意識の向上や諸訓練を徹底しつつ、防災拠点の整備、老朽建物の補強・改築を促進します。このため「大阪市地域防災計画・震災対策編」の見直しを進めます。
 <2>(1)住民投票も一つの有効な手段です。まずは正確な情報のもとしっかりと議論することが重要です。(2)災害に対しリスクが大きいと判断された原発については、稼働に慎重であることは当然です。大阪市としては、節電・省エネや再生可能エネルギーの利用・開発に努め、脱原発社会の実現に向けて取り組みます
 <3>引き続き生活保護費の全額国庫負担を国に求めます。また増大する非正規労働者が失業から一気に貧困に陥ることを防ぎ、社会に「居場所」と「出番」を提供する「第2のセーフティネット」の整備が急務です。大阪市をはじめ都市部の自治体はNPOなどと協働で具体策を蓄積しています。これをもとに国に制度化を求めます。

 ◆橋下徹候補
 <1>広域行政と基礎自治行政の役割分担を明確化する。大阪都ができるまでは府市統合本部で防災ハード整備を進め、関西広域連合に早期加入し関西広域防災計画に参画する。市内の各区に独立の危機管理室を設け、区毎のきめ細やかな地域防災計画を策定し、避難ビルの指定や避難訓練等避難することを中心としたソフト対策を進める。
 <2>今回ダブル選挙において原発問題も争点となっているので住民投票と同じである。住民投票では行政も電力会社も拘束できないが、ダブル選で私が市長になれば関電に原発依存度を下げる株主提案権を行使する。稼働の是非は中長期的な電力供給体制戦略を練らなければならず、そのようなことを実行する自治体トップを選ぶべきだ。
 <3>権限と責任の所在を明確化するよう生活保護制度の抜本的改正を国に迫る。本来は国の責任。もし地方にも責任を負わせると言うのであれば就労できる人には厳格に就労義務を課すなど給付条件について地方にも権限を持たせてもらう。そして就労支援を徹底する。就労支援のためにはハローワークの地方移管が必要不可欠。

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 原則として両候補の回答をそのまま掲載(届け出順)

毎日新聞 2011年11月20日 地方版
選挙:大阪市長選 候補者の主張/下 /大阪

 <1>「大阪維新の会」が、府と市を再編する「大阪都構想」を選挙戦の争点に掲げています。府市再編の必要性についてどうお考えでしょうか。この構想への賛否とその理由を教えてください。
 <2>大阪府議会では教育基本条例案と職員基本条例案の審議が行われ賛否両論わかれての論戦が始まっています。大阪市議会でも提案されましたが、否決されました。両条例案には賛成ですか、反対ですか。理由とあわせて教えてください。
 <3>現在、大阪市長選を戦っているご自身の心境や境遇を歴史上の人物1人にたとえると誰になりますか。その理由とあわせて教えてください。

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 ◇平松邦夫候補
 <1>歴史と伝統ある大阪市を消滅させようとする大阪都構想に反対です。今なら、市民は大阪市の重要政策について選挙で争うことができます(今回の市長選挙がまさにそうです)。しかし都になれば、都が市域で行う重要政策に不満があっても、都知事や議会を簡単に変えることはできません(市の人口は府内人口の3割に過ぎない)。
 <2>教員・職員を機械的に統制し、権力的にしめつける両条例案に反対です。特に教育への政治介入は、教育制度の根幹にかかわる問題で、大きな危険性を感じます。一人の人間として権利を持つ子ども、教育の主体としての子どもという理念・考え方も皆無です。
 <3>「非暴力・不服従」の精神で戦ったインド独立の指導者・マハトマ・ガンディーの偉業と次の言葉を心の支えに選挙戦を戦っています。「私は失望したとき、歴史全体を通していつも真理と愛が勝利したことを思い出す。暴君や殺戮(さつりく)者はそのときに無敵に見えるが、最終的には滅びてしまう。どんなときも、私はそれを思うのだ」

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 ◇橋下徹候補
 <1>賛成。全国で2番目に狭い大阪府域のエリア内において大阪市と大阪府という都道府県が二つある状態。大阪府域全体にかかわる広域行政を大阪都に一元化。東京都と並んで日本を引っ張るツインエンジンの一つを目指す。また巨大な基礎自治体である大阪市を複数の特別自治区にし、住民の声がより反映する身近な役所に再編する。
 <2>基本的に賛成。方向性について有権者が支持してくれれば、中身については徹底した議論で修正も含めて詰め直す。現在の教育委員会制度は政治的中立性の名の下に、教育現場の感覚と市民の感覚にずれが生じている。特権的身分になっている公務員の感覚と市民のそれにもずれがある。教育現場、公務員職場に府民感覚を反映させる。
 <3>自分自身を歴史上の人物にたとえるなど恥。

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 原則として両候補の回答をそのまま掲載(届け出順)

(2)毎日新聞の質問に対する両候補の回答を読んでみると、「大阪都構想」や教育基本条例案・職員基本条例案に対し平松候補が反対で、橋下候補が賛成なのは、これまでの報道の通りの回答である。
だが、原発問題については、平松候補が「脱原発」に近い回答で、橋下候補が「脱原発依存」に近い回答であり、少し新鮮さを感じた。

(3)毎日新聞の質問事項についての不満は、議会を軽視する「独裁政治の政治手法」についての質問事項がないことである。
上記の論点で十分独裁政治のことも質問しているということなのかもしれないが、橋下候補が独裁政治を肯定している以上、最大の対立図式である「独裁vs反独裁」の構図を反映した「政治手法」についての質問がストレートになされるべきであったが、なぜなされなかったのであろうか?

(4)さらに言えば、自公政権による構造改革により格差社会になっているのだから、大阪市が、それをさらに進める新自由主義政策を進めるのか、それとも、それを是正する福祉国家政策にするのかを問う質問が明確になされるべきであったが、なぜ、なされなかったのだろうか?

あの生活保護制度の質問事項だけでは、わかりづらい。

3.朝日新聞と読売新聞が「大阪都構想」等について世論調査における留意点と問題点

(1)朝日新聞と読売新聞が「大阪都構想」等について世論調査を実施し、その結果を報じている。
朝日新聞2011年11月21日
都構想「賛成」府民も大阪市民も3割台 世論調査

 27日投開票の大阪ダブル選を前に、朝日新聞社は19、20の両日、有権者へ電話調査で選挙情勢を探るとともに、争点の大阪都構想への賛否や投票先を選ぶ際に重視する点を聞く世論調査を実施した。都構想については、大阪府民、大阪市民とも賛成が上回ったが、いずれも3割台にとどまり、なお異論も少なくないことをうかがわせた。
 大阪維新の会候補の橋下徹、松井一郎両氏がダブル選の争点に掲げる大阪都構想の賛否は、大阪府知事選の調査では、賛成37%、反対27%、「その他・答えない」が36%で、賛成が上回った。都構想で特別自治区に分割される大阪市長選の調査でも賛成35%、反対23%と賛成が多かったが、「その他・答えない」も42%に上った。
 「何を重視して投票する人を選ぶか」という質問では、「政策や公約」を選んだ人が知事選調査で61%、市長選調査で63%に達した。続いて多いのは「人柄」で、市長選調査は22%。知事選調査の16%より高かった。
 投票態度を明らかにした人をみると、「政策や公約」と答えた層では、知事選では松井氏が倉田薫氏らを上回り、市長選では橋下氏が平松邦夫氏を引き離していた。一方、「人柄」と答えた層では、倉田氏が松井氏を上回り、平松氏も橋下氏に差をつけていた。
 知事選調査では、前知事の橋下氏の政治手法についても質問した。「評価する」と回答した人は54%、「評価しない」は24%。橋下氏の政治手法をめぐっては「独裁的だ」といった批判が上がっているが、「評価する」が半数を超えた。
 また、知事選の情勢調査を地域別に見ると、維新の会の府議が多く、松井氏の地盤の八尾市を含む府南部では、松井氏がリード。府北部と大阪市で北部と大阪市では、北部の池田市長を務めていた倉田氏と、松井氏との接戦となっている。

(2011年11月21日08時12分 読売新聞)
維新の会、支持拡大…大阪都構想に賛成55%

 今月27日に投開票される大阪府知事選と大阪市長選のダブル選について読売新聞社が今回行った世論調査では、告示前の10月末に実施した調査の結果より、無党派層を中心に地域政党・大阪維新の会代表で前知事の橋下徹氏、同会幹事長で前府議の松井一郎氏への支持が広がった。
 「支持政党なし」と答えた無党派層では、市長選で5割近くが橋下氏、3割近くが現職の平松邦夫氏を支持。知事選では3割以上が松井氏、3割近くが前同府池田市長の倉田薫氏を支持した。
 橋下、松井両氏が掲げる「大阪都構想」については、「賛成」24%、「どちらかといえば賛成」31%の計55%で、「反対」20%、「どちらかといえば反対」15%の計35%を上回った。
 ただ、橋下氏が知事を辞職し、ダブル選を仕掛けた政治手法に関しては、「評価する」が52%だったのに対し、「評価しない」も44%に上った。

(2)以上の2社の世論調査結果については留意すべてき点があるように思う。

その第一は、「大阪都構想」についての質問内容である。

これにつき、朝日新聞では、実際の質問項目を見ていないので断定はできないが(以下同じ)、回答の選択肢は「賛成」「反対」「その他・答えない」でおり、その調査結果は、大阪府民では「賛成37%、反対27%、「その他・答えない」36%」で、大麻市民では「賛成35%、反対23%、「その他・答えない」も42%」だったという。

他方、読売新聞では、回答の選択肢は「賛成」「どちらかといえば賛成」「反対」「どちらかといえば反対」であり、その調査結果は「「賛成」24%、「どちらかといえば賛成」31%、計55%、「反対」20%、「どちらかといえば反対」15%、計35%」だったという。
ということは、計算上は「その他・答えない」は10%程度だったことになる。

読売新聞の方が、結果的には、賛成も反対もそれぞれ多くなり、「その他・答えない」が少なくなるような質問(回答の選択肢)になっていることがわかる。

(3)次の留意点は、橋下氏の「政治手法」についての質問内容である。

朝日新聞では、この回答結果は「「評価する」54%、「評価しない」24%」であったのに比べ、読売新聞では、「「評価する」52%、「評価しない」44%」だったようだが、読売新聞では、「ダブル選を仕掛けた政治手法」について質問している可能性が高いようだが、朝日新聞では、そのような限定なしに「政治手法」について質問しているようだ。
朝日新聞は、「独裁的手法」に対する回答結果と受けとめる説明になっているが、疑問がある。

(4)問題点もある。

両新聞社の世論調査では、「大阪都構想」について、その評価を質問しているが、果たして大阪府民・大阪市民が「大阪都構想」の内容をどれほど知っているのかを尋ねる質問事項があったのだろうか?

大阪府民・大阪市民が「大阪都構想」の内容を十分知らなければ、その評価だけを質問しても、世論調査としては不十分ではないだろうか!
否、それどころか、問題だ!!

そのような質問項目なしで、読売新聞が「大阪都構想」についての回答の選択肢に「どちらかといえば賛成」を設けたのは、単に「賛成」の回答を増やしたかったのではないかと勘ぐりたくなる。

(5)また、なぜ、「政治手法」についての質問内容は、率直に「独裁政治の是非」を尋ねる内容になっていないのだろうか?

市長選挙は明らかに「独裁vs反独裁」の構図になっているのに、その質問がなされないのは、不可解である。

2011年11月中旬の近況報告

今月締切の原稿に追われています。

11月中旬の近況報告をしておきます。


1.原稿執筆の進捗状況

(1)『ねっとわーく京都』276号(2012年1月号)の原稿締切は今月18日でしたが、10日の夜に脱稿。

「政治とカネ連載27 「陸山会」裁判(4) 判決理由の要旨」

校正ゲラを待っています。

(2)原稿依頼の電話がありました。
テーマは野田内閣における憲法問題のようでした。
締切りは12月下旬頃
分量は約1万字。
具体的かつ正確には、正式の依頼文書が届いてから紹介します。

(3)地方政党に関する原稿依頼がありました。
今すぐ書けそうにないので、もし時間が確保できれば書きたいと思います。

(4)長谷川正安・名古屋大学名誉教授(故人)の政党論についての原稿執筆。

締切りは今月(2011年11月)末。
締切厳守の文書に続いて、電子メールが届きました。
大車輪で頑張っていますが・・・。


2.マスコミでのコメント等

以下はこれまでの近況報告で紹介したものも含まれていますが、記事そのものを紹介していなかったので紹介します。

(1)「小沢氏団体、政治資金でディスコ、キャバクラも 少額領収書で判明」産経新聞2011年3月6日で、私のコメントが紹介されました。

(2)「菅前首相から「市民の党」側献金 原資どこから?」産経新聞(2011年9月8日)で、私のコメントが紹介されました。

(3)「政党交付金:大江参院議員、自身団体へ 改革ク離党時、600万円全額移す」毎日新聞 2011年10月1日 東京夕刊で、私のコメントが紹介されました。

(4)「横峯良郎議員 今度は「事務所費を不正受給疑惑」」フライデー(2011年11月18日号)で、私のコメントが紹介されました。

(5)「財務省の恫喝に「キャン!」と鳴いた自民党 「駐車場土地代未納36億円」指摘され「消費税10%」丸呑み密約」週刊ポスト(2011年11月25日号)で、私のコメントが紹介されました。


3.呼びかけ

(1)竹下彌平さんについての情報提供をお願いします

なお、有力な情報提供がありました。

(2)今年の小中高生向け憲法本の選書リスト


4.講演

(1)「西須磨9条の会」から講演依頼がありました。
演題「憲法9条を取り巻く情勢」(仮)
日時:2011年12月3日(土)13時30分〜(60分)。
会場:須磨一ノ谷プラザ(JR須磨駅または山陽須磨駅から700メートルほど)

(2)年明け早々講演です。

日時:2012年1月8日(日)11時〜13時(このうち50分)
演題:「憲法をめぐる最近の政治状況  〜 とくに選挙制度問題について」
会場:池田地域福祉センター(!?)
主催:神戸市長田区池田地域9条の会(新年会)

(3)以前、講演依頼があった、ある選挙管理委員会の担当者から連絡があったのですが、主催者は以前とは異なるようです。

日時:2012年2月17日(金)午後の予定。
演題:地方議会の選挙制度を考える(仮)
会場:尼崎です。
詳細は、後日、お知らせいたします。



5.2011年の著書・原稿などのまとめ

(1)判例評釈「名古屋市議会の会派が市から交付を受けた政務調査費を所属議員に支出する際に使途基準適合性の判断のため各議員から提出を受けた「政務調査費報告書」とこれに対応する領収書が、民事訴訟法220条4号ニ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たるとされた事例」「判例時報」2093号・「判例評論」623号(2011年1月1日号)172-177頁(10-15頁)。

(2)「政治とカネ17 小沢一郎「陸山会」への迂回献金問題(1)この迂回献金は違法だ!」『ねっとわーく京都』265号(2011年2月号)67-69頁。

(3)「第6回公開研究会 現代の諸問題と憲法
政党政治とその課題 ― 財界政治のための二大政党制化の諸制度を批判する」
法学館憲法研究所報」第4号18-36頁。

(4)「議員定数と民主主義を考える 1 庶民に「痛み」を押し付け」兵庫民報2320号(2011年2月6日)

(5)「政治とカネ 連載18 小沢一郎「陸山会」への迂回献金問題(2) 小沢氏の実質的財布だった「改革フォーラム21」はペーパー団体!」『ねっとわーく京都』266号(2011年3月号)43-45頁。

(6)「議員定数と民主主義を考える 2 法定定数を下回る実際の議員定数と市町村合併」兵庫民報2321号(2011年2月13日)

(7)ブックレット「議員定数を削減していいの? ゼロからわかる選挙のしくみ」(日本機関紙出版センター・2011年)

校正ミスがありました。
ブックレット『議員定数を削減していいの?』の正誤表(お詫びと訂正)

「兵庫民報」2322号(2011年2月20日)で出版されたことが紹介されました。

「全国商工新聞」(2011年3月21日)の「読書」の欄で紹介されました。

法学館研究所のHPで紹介されました。

「前衛」2011年5月号の「本棚」のコーナーで紹介されました。

「救援新聞」1664号(2011年5月25日)の「今月の本」の欄で紹介されました。

(8)「議員定数と民主主義を考える 3 兵庫県議会 ~ 大政党に有利な1人区・2人区の多さ」兵庫民報2322号(2011年2月20日)

(9)「議員定数と民主主義を考える 4 議員定数を増やし、議会を“住民の縮図”に!」兵庫民報2323号(2011年2月27日)

(10)「政治とカネ 連載19 小沢一郎「陸山会」への迂回献金問題(3) 繰越金7億円裏金補填の可能性と私たちの刑事告発」 『ねっとわーく京都』267号(2011年4月号)74−76頁。

(11)「情報公開制度の利用」中道壽一編著『政策研究 ― 学びのガイダンス』(福村出版・20011年)66―82頁

(12) 「政治とカネ 連載20 他人名義でのパーティー券購入と在日外国人の寄付」『ねっとわーく京都』269号(2011年6月号)66−68頁。

(13)坂本修・小澤隆一・上脇博之『国会議員定数削減と私たちの選択』新日本出版社(2011年)

私はパート3「議員定数と選挙制度についての憲法論」を執筆しました。

法学館憲法研究所のHPで紹介されました。

「しんぶん赤旗」(2011年5月15日)の読書欄で紹介されました。

増刷され、第2刷が出ました。

「全国商工新聞」2983号(2011年7月18日)の読書欄で紹介されました。

(21)「政治とカネ連載21  電力会社の組織的な役員献金 ‥豕電力の場合」『ねっとわーく京都』270号(2011年7月号)47−49頁。

(22)「政治とカネ連載22 電力会社の組織的な役員献金◆‥豕電力以外も」『ねっとわーく京都』271号(2011年8月号)94−96頁。

(23)「地方議会の議員定数問題」月刊「地方議会人」2011年7月号31−35頁。

(24)「政治とカネ連載23 政党交付金を被災者・復興支援に回す方法」『ねっとわーく京都』272号(2011年9月号)57−59頁

(25)「政治とカネ連載24 「陸山会」裁判(1) 検事調書一部不採用で元秘書3名は「無罪確実」!?」『ねっとわーく京都』273号(2011年10月号)67−70頁。

(26)「政治とカネ連載25 「陸山会」裁判(2) 「西松建設」違法献金事件」『ねっとわーく京都』274号(2011年11月号)63−66頁。

(27)上脇博之・井上哲士「対論 野田政権の登場と二大政党の行方」前衛2011年11月号30−47頁。

(28))「「陸山会」裁判で有罪判決」全国商工新聞2011年10月24日号7面視点コーナー

(29)「政治とカネ連載26 「陸山会」裁判(3) 土地取得をめぐる事件」
『ねっとわーく京都』275号(2011年12月号)101ー104頁。

三宅勝久『日本を滅ぼす電力腐敗』の紹介

三宅勝久『日本を滅ぼす電力腐敗』(新人物往来社文庫)を紹介します。

先月(2011年10月)下旬に、私のブログの記事の中で、「東北電力役員ポストで甘い汁を吸った自民県議77人 月1会議だけで年200万円超」を紹介しました。

それを書いたフリーのジャーナリスト・三宅勝久氏がこの度出版されたのが、『日本を滅ぼす電力腐敗』で、政・官・司法と電力会社との癒着・天下りの実態を、地道な取材に基づき書き記した本です。

以下、目次を紹介します。
    目 次

プロローグ 「鬼の第4機動隊」に拘束される!

第1章 「伊方原発」―巨大活断層と南海地震で暴発の恐怖

第2章 経産省から電力会社―「天下り」という賄賂

第3章 東電への天下り1位は東京都幹部

第4章 東北電力役員ポストに群がった自民県議77人

第5章 中国電力マネーで潤う山口県幹部と上関原発

第6章 「原発安全」判決書いた最高裁判事が東芝に

第7章 杉並区議団が東電丸抱えでインチキ原発ツアー

第8章 原発が大好きな北海道知事に北電役員が一斉献金

エピローグ 「大和のための大和」から「原発のための原発」
電力腐敗
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