上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場

憲法研究者の社会活動の一環として、ブログを開設してみました(2008年4月5日)。 とはいえ、憲法問題全てについて意見を書くわけではありません。 政治問題について書くときがあるかもしれません。 記録として残しておくために、このブログを使用するときがあるかもしれません。 各投稿記事の右下の「拍手」が多いようであれば、調子に乗って投稿するかもしれません。 コメントを書き込まれる方は、カテゴリー「このブログの読み方とコメントの書き込みへの注意」の投稿を読んだ上で、書き込んでください。 皆様のコメントに対する応答の書き込みは直ぐにできないかもしれませんので、予めご了解ください。 ツイッターを始めました(2010年9月3日)。 https://twitter.com/kamiwaki フェイスブックも始めました(2012年7月29日) http://www.facebook.com/hiroshi.kamiwaki.7 かみわき・ひろし

2012年12月

2012年晦日の近況報告

今日は晦日(2012年12月30日)。
明日は大晦日で、明後日は新年(2013年)を迎える。

今年最後の近況報告をしてきます。


1.原稿等の執筆状況

(1)大学・法学部の紀要「神戸学院法学」(42巻1号)に掲載予定の原稿の三校を終え、校了しました。

「内閣官房報償費(機密費)情報公開訴訟 〜大阪地裁判決骨子、原告「陳述書」および「独立した一体的な情報」説批判〜」

(2)ある研究会の「草稿」レベルの原稿を執筆しました。

「歪曲された政党政治と議会制民主主義の条件 〜 選挙制度と政治資金制度の問題を中心に」。

締切は9月30日で、10月1日に脱稿しました。
字数は2万字程度(200字×100枚)でしたが、少しオーバーしています。

最終的な原稿締切りは、その1年後(!?)になるのでしょうか。

(3)「政治とカネ連載38 「日本維新の会」幹事長・松井一郎大阪府知事らを政治資金規正法違反容疑で刑事告発」『ねっとわーく京都』288号(2013年1月号)87−90頁。

(4)住民訴訟を提起された、あるフリージャーナリストの方から、昨年、控訴審で意見書を執筆して欲しいと依頼され、裁判所に提出しました。
それは、政務調査費で政治資金パーティー券を購入していたのは違法であるという意見書です。
敗訴してしまったのですが、その意見書を大学の紀要に掲載することにし、11月の連休明けに脱稿しました。

「地方議会の政務調査費で政治資金パーティー券を購入することは許されない
 〜 政務調査費返還請求訴訟控訴審意見書 〜」

初校ゲラを待っています。

(5)2009年総選挙後に、企業・団体献金の全面禁止を含む政治資金規正法改正の提案を作成し、政府・与党に提出しました。
結果的には、民主党の裏切りで実現していませんが、その提案も、大学の紀要に掲載し、記録に残しておこうと思い至り、11月の連休明けに脱稿しました。

「政治資金規正法抜本改正案と民主党のマニフェスト反故」

初校ゲラを待っています。

(6)「政治とカネ連載39」『ねっとわーく京都』289号(2013年2月号)の原稿締切りは、いつもより1週間早く、今月(12月)14日。

「企業献金・業界献金の威力」

締切を守り脱稿しました。
16日の総選挙の結果が出たので加筆・修正しようかと思いましたが、分量が多くなるので断念しました。

(7)専門は異なるのですが、以前の職場でご一緒させていただいた先輩の先生お二人の退職記念論文を書くことになりました。

北九州市立大学法学部『法政論集』第40巻第4号に掲載予定。
締切は来2013年1月9日。
論文のテーマは、何にするか迷っていましたが、「地方議会の選挙制度の憲法問題」にします。

(8)「国会と選挙制度」

151臨時国会末の民自公三党合意、各党の選挙公約などをふまえて、次期通常国会で議員定数削減問題、選挙制度の抜本改革問題のゆくえについて
「法と民主主義」2013年1月号(癸苅沓)

年明け1月10日締切で、分量は4800字程度。

(9)お世話になっている出版社の方から、「小選挙区制の問題」についての企画の相談がありました。

「なぜ4割の得票で8割の議席なのか〜小選挙区独裁政治の危険」(仮題)

原稿締切りは一応、年明け1月10日。
実際は連休明けになるか!?

(10)16日の衆議院総選挙の結果について、ある雑誌のインタビューの依頼がありました。
インタビューを受けるのは年明け1月11日午後の予定です。

(11)「政治とカネ連載40」『ねっとわーく京都』290号(2013年3月号)の原稿締切は、年明け正月(1月)20日頃か?

何について書くか?

(12)お世話になっている出版社の方から、一般市民向けに分かり易い「憲法情勢」についての企画の相談がありました。
野合が行われる、歪んだ政党政治の問題も含め、明文改憲、解釈(立法)改憲の策動の問題を書こうか、と思っていますが、どうなるか!?
来年2月末頃までに脱稿し5月3日までに出版するという計画。
果たしてどうなるか?


3.講演など(予定を含む)

(1)2012年12月1日(土)13時30分〜17時

シンポジウム「地方自治法改正によって議員の政務調査費がどう変質するのか?」
会場:「栃木県総合文化センター」第2会議室(栃木県庁前)

私は基調講演「政調費改正の狙いはどこにある」(1時間程度)し、
その後、パネル形式で北東ネットのオンブズマンから発言で、私もこれに参加しました。

主催:北海道・東北オンブズマンネットワーク(「東北ネット」)第41回宇都宮例会

「東北ネット」とは、北海道と東北5県の市民オンブズマンで構成されているそうです。

なお、翌日もありましたが、私は1日目のみの参加でした。

(2)2012年12月8日(土)18時〜

「緊迫する憲法情勢」。
会場は兵庫区の「妙法華院」(新開地駅の神鉄会館前)
主催:兵庫の語りつごう戦争展の会

「兵庫民報」2012年12月16日で紹介されました。

http://hyogo-minpo.blogspot.jp/2012/12/blog-post_7934.html

(3)小学生と中学生に対し、憲法について話をしてほしいという依頼が再び舞い込みました。

詳細が決まりましたら、後日報告いたします。

(4)2013年1月23日(水)午後6時30分〜

テーマは「憲法改正手続きの改正」論について

会場:神戸市勤労会館の一室で、30分程度お話をします。
主催:「9条の心」。

(5)2013年1月26日(土)
講演の時間:15:00〜16:00一時間程度
演題:日本国憲法の考える教育とは何か?
会場:西宮市役所東館ホール
主催:兵庫県教育研究集会

(6)2013年2月16日(土)13:20〜17:30(13時開場)
その中で複数名の者が話をする。

私は、13:30〜14:10
私のテーマは「大阪維新の会幹部らの資金疑惑について。その調査の経緯と方法」
2012年10月、日本維新の会幹事長を政治資金規正法違反で大阪地検に刑事告発。その内容、背景、狙いなどを語る。
会場:京都キャンパスプラザ(JR京都駅前)
詳細は、後日お知らせします。

(7)2013年2月17日(日)午後2時頃から

垂水で講演します。
詳細は、後日お知らせします。

(8)2013年2月22日(金)午後

テーマは「自民党の改憲案」について
主催:「長田9条の会」
会場は未定。
詳細は、後日お知らせします。

(9)2013年2月23日(土)午後2時頃から

会場:「伊丹市立総合教育センター」(伊丹市千僧1丁目1番地)
主催:「伊丹9条の会」

(10)2013年2月24日(日)夕方

北九州市内(門司かな?)で、講演することになるかもしれません。
テーマは憲法(改憲)問題です。
正式に、かつ詳細が決まりましたらお知らせします。

(11)2013年 3月17日(日)2時から4時

演題:「憲法と集団的自衛権」(仮称)
会場:未定
主催:北加古川9条の会(北加古川年次総会)


4.マスコミでのコメント等

(1)紹介し忘れた記事を先日紹介しました。

「政治資金パーティー券 過大販売 会場規模は無関係 出席者数報告の規定なし 団体献金の抜け道に」西日本新聞(2012年1月20日掲載)で、私のコメントが紹介されました。

(2)「民主 離党相次ぐ 党の資金 返して  地方組織 訴訟発展も」読売新聞2012年11月20日夕刊で、私のコメントが紹介された。

(3)「鳩山元首相引退:「今後も沖縄問題にかかわりたい」」毎日新聞 2012年11月21日 22時57分(最終更新 11月21日 23時31分)で、私のコメントが紹介されました。

(4)「 政党支部→別の政治団体 離党直前に資金移し替え」産経新聞2012.11.22 12:43(千葉県)で、私のコメントが紹介された。

(5)自民党副幹事長の松本純前衆議院議員の政党支部の政治資金の支出問題で、共同通信の取材を受け、私のコメントを紹介した記事が配信されました。

採用した新聞は、以下のとおり。

「高級クラブ代に政治資金 自民・松本純氏の支部」日経新聞2012/11/27 11:50

「「会議会場費」?自民副幹事長の支部 高級クラブ代に政治資金 」スポニチ[ 2012年11月27日 11:51 ]

「 高級クラブ代を「会議会場費」…自民副幹事長の選挙区支部」(2012年11月27日13時08分 スポーツ報知)


ほか多数(今手元にないので後日補正します)。

(6)「 政治資金収支報告書:企業献金全廃、道遠く 自民2割余、民主2851万円−−11年 /神奈川」毎日新聞 11月28日(水)12時4分配信11月28日朝刊で、私のコメントが紹介されました。

(7)「県内の政治資金最低 昨年分収支」(2012年11月30日 読売新聞)で、私のコメントが紹介されました。

(8)「日本維新の会」の公約について、共同通信社の取材を受け、私のコメントが配信されました。

採用している新聞は、以下のとおりです。

「維新公約 橋下独自色薄まる 「任期取り」「一歩前進」の声」神戸新聞2012年11月30日

(9)「補助金受給企業から2億6千万円 政治資金報告書 自民・民主に違法献金か」しんぶん赤旗2012年12月1日(土)で、私のコメントが紹介されました。

(10)「高すぎる?供託金 衆院小選挙区・知事選は300万円 「候補者はな値もち優先」批判も」朝日新聞2012年12月1日夕刊(東京本社版)で、私のコメントが紹介されました。

(11)「収容の4倍 パー券販売 福岡知事支援の政治団体」毎日新聞2012年12月2日で、私のコメントが紹介されました。

(12)「野田民主党への大疑惑 これは司法による捜査解明が必要だ」(日刊ゲンダイ2012/12/8)で、私のコメントが紹介されました。

(13)「憲法・安全保障 各党主張 目立つ右傾化 改憲反対派、募る危機感 自民「国防軍」明記 支持者にも戸惑い」神戸新聞2012年12月11日で、私のコメントが紹介されました。

(14)「全国300小選挙区比較 ”1票の値段”格差最大106万 県内は12区124万〜6区79万円アジア太平洋研究所調査」神戸新聞2012年12月13日で、私のコメントが紹介されました。

(15)「「語り継ごう戦争」展で上脇教授が講演  現在の改憲論のねらいは集団的自衛権行使」兵庫民報2012年12月16日。

(16)「パーティー券過大販売 自民山口、800人会場の5倍」読売新聞2012年12月19日で、私のコメントが紹介されました。

(17)「 パーティー券、会場定員の5倍販売 自民山口県連」朝日新聞2012年12月19日11時46分で、私のコメントが紹介されました。

(18)私も賛同した、全国の憲法研究者で声明が出されました。

「JR大阪駅頭における宣伝活動に対する威力業務妨害罪等の適用に抗議する憲法研究者声明」の紹介

この声明が「街頭活動逮捕に抗議」朝日新聞2012年12月19日夕刊で紹介されました。

(19)細田博之衆議院議員が代表を務める自民党支部が公共事業の氏名資格停止処分を受けた企業から政治献金を受けていた件で、2012年12月25日夜、共同通信の記者から電話取材を受け、私のコメントが紹介された記事が配信された。

配信記事を採用した新聞(現時点で確認しているのは)以下のとおり。

「自民・細田氏の選挙支部 契約違反企業から献金」神戸新聞2012年12月26日
「契約違反企業から自民細田氏側に献金」山陰中央新報2012年12月26日
「違反企業から18万円の献金 自民細田氏支部」中国新聞2012年12月26日
南日本新聞2012年12月26日
など。

(20)複数のマスコミの記者から取材を受けました。
すでに私のコメントが紹介されたものがあるかもしれませんが、未確認ですし、今後紹介されるものがあると思います。


5.呼びかけ

(1)竹下彌平さんについての情報提供をお願いします

なお、有力な情報提供がありました。

(2)5年目の母校への寄贈候補「憲法本リスト」

2011年分の政治資金収支報告書の遅すぎる公表、政治資金の不適切な支出、過大なパー券販売問題など

1.政治資金収支報告書の遅すぎる公表

(1)2011年分の政治団体の政治資金収支報告の要旨は、今年11月末日まに公表された。

情報公開請求もやっと開示決定されるのだ。

あまりにも遅すぎる。

(2)政治団体の政治資金収支報告書は、毎年3月までに(いわゆる国会議員関係政治団体は5月までに)総務大臣、都道府県の選挙管理委員会に提出されている(政治資金規正法第12条、第19条の10)。

そして、その要旨は、11月30日までに公表されることになっている(同法第20条)。

(3)それらの報告書は、いわゆる情報公開法によると情報公開すれば開示されるはずであるが、政治資金規正法によると、当概要旨の公表がなされるまで開示決定しなくても良いことになっている(第20条の3)。

これは、法律が2006年末に改悪された結果である。

また、これは、政党交付金使途報告書についても基本的に妥当する問題である。

(4)以上については、これまでブログで指摘してきた。

「政治とカネ」〜〜なぜ総選挙前でないのか!

政治資金収支報告・政党交付金使途報告の遅すぎる公表・公開

「政治とカネ」〜〜なぜ参議院選前でないのか!

「政官財の鉄の三角形」による2006年末の政治資金規正法改悪の紹介

総務大臣届出の政治資金収支報告書と政党交付金使途報告書の公表の紹介

(5)前年の政治資金収支報告書が11ヶ月後でなければ主権者国民がチェックできないというのは、あまりにも主権者国民を愚弄している。

(6)法律改正し、政治資金収支報告書等の受理と同時に情報公開の開示決定がなされるようにすべきである。


2.私がコメントした記事の紹介

(1)私がマスコミの取材に答え私のコメントが紹介された記事で、無料のインターネットで入手できたものだけを、以下紹介する。

なお、一部はすでに紹介した。

民主党政権を振り返る(悔やまれる「政治とカネ」改革の反故)

(2)以下、記事を紹介する。

まずは、兵庫県選挙管理委員会への提出分である。
2011年分では政治資金収入が少し落ち込んだというもので、私がその理由を推測したものである。
(2012年11月30日 読売新聞)
県内の政治資金最低 昨年分収支

 県選挙管理委員会は30日付で、県内の政治団体が提出した2011年分の政治資金収支報告書を公表した。収入、支出ともに選管が把握している1989年以降で最低水準となり、景気の低迷の影響を受けた結果となった。
 提出したのは政党とその他の政治団体の1955団体で、前年より20団体減。収入総額は39億4200万円(前年比3・2%減)、支出総額は40億3800万円(同1・4%減)とともに減少した。
 収入の内訳で最多は寄付18億2000万円(同0・7%増)で、交付金11億9000万円(同2・8%減)、機関誌発行や政治資金パーティーなどの事業収入は3億5000万円(同22・7%減)だった。
 政党別収入では、共産党の約10億8000万円(同8・1%減)がトップ。以下、自民党約5億6000万円(同12・6%減)、公明党約3億7000万円(同42・5%増)と続いた。民主党は4位の約3億6000万円(同13%減)で、公明が寄付などを伸ばした結果、前回3位から順位を下げた。
 政治資金パーティーは前年から3件マイナスの27件で、うち政党は6件。収入総額は前年比28%減の2億2000万円と前年を大きく下回った。

     ◆
 通常、大型選挙がある年は、政治活動が活発になり、収支も増えるとされるが、参院選があった10年と、統一地方選が行われた11年は2年連続で減少。県選管は「原因がわからない」と首をかしげる。
 政治資金オンブズマンを務める神戸学院大の上脇博之教授(憲法学)は不景気を前提としたうえで、「有権者が最近の混迷する政治に失望し、パーティー参加や寄付などを控えたためではないか。お金集めにたけた保守系の活動が落ち着いたことも考えられる」などと推測する
兵庫県内政党の収支兵庫県内上位政治団体収入







(3)次に共同通信の記者の取材に私が答えた配信を採用した新聞記事を紹介する。
日経新聞2012/11/27 11:50
高級クラブ代に政治資金 自民・松本純氏の支部

 自民党副幹事長の松本純前衆院議員(比例南関東)が代表を務める同党神奈川県第1選挙区支部が、高級クラブなどの飲食代計約17万円を政治活動費として計上していたことが27日、神奈川県選挙管理委員会が公表した2011年分の政治資金収支報告書で分かった。
 報告書によると、東京・銀座や横浜市中区の女性が接待する高級クラブやスナックで計4回、16万9700円を支出。いずれも項目は「政治活動費」で、支出目的は「会議会場費」としていた。
 松本氏の事務所は「国会議員同士の懇談に使った。政治資金は適正に処理していると考えている」と説明。同選挙区支部は、10年の報告書でも横浜市中区の高級クラブへの支出が判明している。
 「政治資金オンブズマン」共同代表の上脇博之神戸学院大法科大学院教授(憲法)は「高級クラブは会議会場費に当たらない。遊興費は私費で支出すべきで、公私のけじめがついていない」と批判した。〔共同〕

スポニチ[ 2012年11月27日 11:51 ]
「会議会場費」?自民副幹事長の支部 高級クラブ代に政治資金

 自民党副幹事長の松本純前衆院議員(比例南関東)が代表を務める同党神奈川県第1選挙区支部が、高級クラブなどの飲食代計約17万円を政治活動費として計上していたことが27日、神奈川県選挙管理委員会が公表した2011年分の政治資金収支報告書で分かった。
 報告書によると、東京・銀座や横浜市中区の女性が接待する高級クラブやスナックで計4回、16万9700円を支出。いずれも項目は「政治活動費」で、支出目的は「会議会場費」としていた。
 松本氏の事務所は「国会議員同士の懇談に使った。政治資金は適正に処理していると考えている」と説明。同選挙区支部は、10年の報告書でも横浜市中区の高級クラブへの支出が判明している。
 「政治資金オンブズマン」共同代表の上脇博之神戸学院大法科大学院教授(憲法)は「高級クラブは会議会場費に当たらない。遊興費は私費で支出すべきで、公私のけじめがついていない」と批判した

(2012年11月27日13時08分 スポーツ報知)
高級クラブ代を「会議会場費」…自民副幹事長の選挙区支部

 自民党副幹事長の松本純前衆院議員(比例南関東)が代表を務める同党神奈川県第1選挙区支部が、高級クラブなどの飲食代計約17万円を政治活動費として計上していたことが27日、神奈川県選挙管理委員会が公表した2011年分の政治資金収支報告書で分かった。
 報告書によると、東京・銀座や横浜市中区の女性が接待する高級クラブやスナックで計4回、16万9700円を支出。いずれも項目は「政治活動費」で、支出目的は「会議会場費」としていた。
 松本氏の事務所は「国会議員同士の懇談に使った。政治資金は適正に処理していると考えている」と説明。同選挙区支部は、10年の報告書でも横浜市中区の高級クラブへの支出が判明している。
 「政治資金オンブズマン」共同代表の上脇博之神戸学院大法科大学院教授(憲法)は「高級クラブは会議会場費に当たらない。遊興費は私費で支出すべきで、公私のけじめがついていない」と批判した


毎日新聞の記者からも取材があり、私のコメントが紹介された。
毎日新聞 11月28日(水)12時4分配信11月28日朝刊
政治資金収支報告書:企業献金全廃、道遠く 自民2割余、民主2851万円−−11年 /神奈川

 企業・団体献金の禁止を打ち出す政党がある中、県内の主要政党が引き続き企業・団体献金を受け取っている実態が、27日公表された11年の政治資金収支報告書で浮き彫りになった。自民は純収入の2割余を依存し、09年衆院選で禁止を公約に掲げた民主も2851万円を得ていた。同じ政党でも支部ごとに対応が分かれる。今回衆院選のマニフェストでも企業・団体献金禁止を掲げる政党はあり、それぞれの姿勢は選挙の争点になりそうだ。【一條優太】
. 政党別で企業・団体献金額が最も多かったのは自民の2億5932万円で、前年より1287万円増えた。純収入11億8214万円のうち21・9%を占め、依存度は前年の17・9%より高まった。
 2位は民主の2851万円で前年比613万円増。09年衆院選のマニフェストで企業・団体献金の禁止を掲げていたが、11年の収支報告書によると、県内に18ある衆院選挙区支部のうち半分の9支部が受け取っていた。
 民主党第12区総支部は企業などから878万円の寄付を受けた。代表を務める中塚一宏前衆院議員の事務所は「党本部から禁止の指示は出ていないし、違法でもない。だからと言って、いいというものではないが、資金的に運営が苦しい中では助かるというのが実情だ」と本音を明かす。
 公明、社民、みんなの各党も前回衆院選以降、企業・団体献金の禁止方針を打ち出し、公明、社民は今回衆院選でも禁止を公約にしている。一方で11年の収支報告書によると、公明は県内の支部が計766万円、社民も県連が300万円を受け取った。みんなは国会議員が代表を務める支部は受け取っていないが、川崎市議らが代表の支部で計約250万円の寄付を集めた。
 公明党衆院小選挙区神奈川第1総支部の代表を務める上田勇元衆院議員の事務所は「心苦しいが、浪人中ということもあり、過渡的な措置として頂いた」、社民党県連事務所は「党本部の指示を仰ぎ、せっかくなので頂いた」と話す。
 共産は企業・団体献金を受けていない。
 ◇パーティー収入、8780万円減少
 県内を中心に活動する政党支部や政治家の後援会について、県選管が27日公表した11年分の政治資金収支報告書によると、全団体の収入総額から前年繰越額を差し引いた純収入額は計71億9102万円で、前年比3115万円(0・4%)の減となった。対象2199団体のうち、提出期限を守ったのは2002団体で提出率は前年比0・5ポイント増の91%。県選管は各団体が提出した収支報告書をホームページで公表している。
 県選管に届け出た国会議員関係政治団体は130団体。1団体を除き収支報告書を提出した。各団体は収支報告にあたり、弁護士や公認会計士、税理士ら登録政治資金監査人による監査を受けた。
 政党の純収入は(1)共産党(12団体)12億6124万円(2)自民党(210団体)11億8214万円(3)民主党(35団体)7億6622万円(4)公明党(26団体)6億1456万円(5)みんなの党(55団体)1億8768万円(6)社民党(5団体)3870万円(7)たちあがれ日本(1団体)402万円−−だった。民主、みんな、公明が前年より増加した。
 政治資金パーティーは70団体が計120回開催し、事業収入は計4億7475万円だった。開催団体数は前年から16減り、事業収入も8780万円減少。事業収入が1000万円以上の「特定パーティー」は、10団体が12回開催した。【北川仁士】
 ◇クラブ、ゴルフ、高級料理…疑問の支出も−−収支報告書
 収支報告書では、政治活動との関連が疑わしい支出も見られた。
 自民党副幹事長の松本純前衆院議員が代表を務める「自民党県第1選挙区支部」は、都内の高級クラブやスナックなど計6店、約40万円の支出を「会議会場費」として報告書に記載した。このほか1回当たり10万円超のしゃぶしゃぶ店での飲食代、計約12万円のゴルフ代の支出もあった。
 松本議員の事務所は取材に「(クラブの利用は)政治家同士の政務懇談会。いずれも適正に処理しており、問題はない」と答えた。
 民主党県連も銀座のクラブでの支出約48万円を計上。県連は「レアケース。ご飯の後、たまたま歌でも歌おうということになったと思う」と釈明した。
 また、個人しか入会できないライオンズクラブに、政党支部や後援会などから会費を支出するケースが確認できただけで5件あった。代表者の国会議員らが個人名義で入会し、支払いに政治資金を充てたとみられる。
 一方、国会議員が関係する政治団体に義務付けられた政治資金監査を巡り、田中慶秋前衆院議員(民主)が代表の政党支部と、浅尾慶一郎前衆院議員(みんな)の資金管理団体は、献金を受けた税理士や公認会計士に監査を依頼していた。田中氏は今年から寄付を辞退したという。
 小泉進次郎前衆院議員(自民)の政党支部の監査人は献金した団体の代表。本村賢太郎前衆院議員(民主)の資金管理団体の監査人も、24万円を寄付した公認会計士の事務所に所属していた。
 政治資金オンブズマン共同代表の上脇博之神戸学院大法科大学院教授(憲法学)は「クラブやゴルフは政治資金として不適切。プライベートな支出はポケットマネーから出すべきだ」と指摘している。【一條優太】
………………………………………………………………………………………………………
 ◇政党支部の純収入額上位10団体
                      万円    前年比
 1 (1)共産党県委員会      56459  86.6%
 2 (4)民主党県連        34883 206.6%
 3 (2)公明党県本部       23097  84.6%
 4 (5)共産党横浜北東地区委員会 11844 100.0%
 5 (3)自民党県連        11355  54.1%
 6(11)自民党県第13選挙区支部  8327 112.0%
 7 (8)共産党横浜中央地区委員会  8182  96.1%
 8 (9)自民党県第2選挙区支部   7905  98.0%
 9 (6)自民党県横浜市支部連合会  7677  70.3%
10(14)共産党湘南地区委員会    7095 104.3%
 ◇政党以外の純収入額上位10団体
                      万円    前年比
 1 (1)県医師連盟        11380  93.4%
 2 (2)神奈川ネットワーク運動   9252  86.9%
 3 (5)横浜市医師連盟       7147  97.9%
 4 (4)松本純後援会        7015  89.0%
 5 (7)河野太郎事務所       5400 105.8%
 6 (6)県不動産政治連盟      5328  96.5%
 7(10)県薬剤師連盟        4057 117.0%
 8(11)県税理士政治連盟      3888 119.4%
 9 (8)MELON社会活動委員会  3875  94.3%
10(15)中田ひろし事務所      3765 135.6%
 注)丸囲み数字は前年順位。1万円未満切り捨て。
  ◇事業収入1000万円以上の政治資金パーティー
                                      事業収入
 1 日本復興フォーラム「歩み続けて40年」(21世紀の横浜を考える会) ※3510
2 政治フォーラム「新しい国創り」(自民党県第2選挙区支部)       3030
 3 2011年統一地方選挙躍進の集い(民主党県連)            2788
 4 河野太郎と21世紀の日本を語る会(河野太郎事務所)          2522
 5 自民党横浜市連パーティー(自民党県横浜市支部連合会)         2457
 6 松本純政経セミナー2011(松本純後援会)              1461
 7 政経文化パーティー(自民党県川崎市支部連合会)            1377
 8 新春政経文化パーティー(同上)                    1369
 9 城島光力21世紀フォーラムパーティー(城島光力21世紀フォーラム)  1288
10 阿部孝夫市長就任10周年を祝う会(阿部たかお後援会)         1253
11 新春の集い(公明党県本部)                      1228
12 松本純君を励ます会(松本純後援会)                  1122
 (注)単位・万円。1万円未満は切り捨て。丸かっこ内は主催団体。※は田中慶秋・前衆院議員(民主)の政治団体。

(4)このように本来自分のポケットなネーで賄うべき高級クラブなど遊興のために政治団体が政治資金から支出するのは、たとえ違法ではないとしても政治的には不適切である。
また、当該政治団体が政党支部であれば、政党本部から原資が税金の政党交付金が交付されており、実質的には税金で遊興費が支出されたことになってしまうという問題もある。

この点は、すでに何度もこのブログで指摘してきた。

政党交付金が自民党の「身内企業」に”還流”している!

政党交付金(税金)がキャバクラ等に支出されていたに等しい

政党交付金が事実上「芸者遊び」に支出されていた

政党交付金の返還逃れとその還流の問題

荒井大臣の後援会は事実上税金で少女コミックやキャミソール等を買っていた!

2009年分政党交付金の使途と返還逃れの基金の問題

政党交付金による世論調査の問題点

藤井裕久氏が組織対策費31億円を「知らない」と説明!

政党交付金の返還逃れと私物化

政党助成の下での政治資金の不適切な支出問題

実質的には税金でキャバクラ代を支払った政党支部の長・安倍元首相はいつ自民党総裁を辞めるのか!?

(5)次は、会場の定員を大幅に超える政治資金パーティー券の販売とその報告問題である。

以下は、朝日新聞の記事であるが、その前に読売新聞でコメントし先に記事なっている。
朝日新聞2012年12月19日11時46分
パーティー券、会場定員の5倍販売 自民山口県連

 自民党山口県連が昨年11月に開いた政治資金パーティーで、会場の収容人数の約5倍のパーティー券(パー券)を売っていたことが分かった。
 2011年の政治資金収支報告書などによると、パーティーは昨年11月6日、山口市内のホテルであった「政経セミナー」。券は1枚1万円。2629の個人や団体に計4082枚売られた。だが、ホテルによると、会場の最大収容人数は800人程度だった。
 取材に対し、県連は「買ってくれた人に出欠を確認し、その数にあわせて会場をとった。政治資金パーティーとして適正に記載している。問題はない」と説明した。ただ、神戸学院大法科大学院の上脇博之教授(憲法学)は「欠席を見込んだ券の収益は事実上の寄付にあたる。パーティー収入として記載すれば虚偽記載にあたる可能性がある」と指摘している

(6)会場の定員を大幅に超える政治資金パーティー券の販売とその報告問題については、このブログでも指摘した。

政治資金パーティー券過大販売等の法的問題

なお、今年1月の記事があった。忘れていたので、以下紹介しておく。

西日本新聞(2012年1月20日掲載)
政治資金パーティー券 過大販売 会場規模は無関係 出席者数報告の規定なし 団体献金の抜け道に

 九州の国会議員や首長の政治団体が開催した政治資金パーティーで、会場の収容人数を大幅に上回る枚数のパーティー券(入場券)が販売されていた。政治資金規正法上は違法とされないが、西日本新聞は、政治資金パーティーの本来あるべき姿や、政治資金の透明度の観点から「不適切な過大販売」と報道した。これに対し、政治家側の多くは「適法であり、問題ない」と主張している。識者の見解を交えて過大販売の問題点や背景を整理する。
 2010年の政治資金収支報告書をめくると、さまざまな政治家・団体が「過大販売」に関係しており、国、地方を問わず政界に定着していることがうかがえる。
 古賀誠元自民党幹事長の資金管理団体は10年5月、約千人収容のホテルでパーティーを開いた際に、5倍を超す5073人分の券を販売した。麻生太郎元首相の政治団体は10年2月、2千人規模のパーティー会場で4338枚を売った。
 「過大販売」の事例は自民党の長崎、熊本、大分、鹿児島県連のほか、北九州市長、熊本県知事(就任前)の政治資金パーティーでも判明した。券の販売枚数は、会場の収容人数のおよそ2―4倍だった。
 会場規模を大幅に超える枚数の券を売れば、購入者全員が会場に入れない計算になる。実際に、購入者の多くはパーティーに出席していない。ここで問題になるのはパーティー券の「対価」だ。

 政治資金規正法によると、パーティー券の購入は、会場における飲食や講演などの「対価」の支払いとされる。政治資金オンブズマン共同代表の上脇博之・神戸学院大法科大学院教授は「出席しない券代は対価がないため、献金とみなすことができる。献金として処理しなければ、政治資金報告書の虚偽記載の可能性がある」と指摘する
 政治家にこうした意識はない。九州選出の国会議員は「会場の2倍、3倍売るのは当たり前。大企業や業界団体は十枚単位で引き受けてくれる」と明かした。パーティー券の購入者全員が出席して混乱することなど、最初から想定していない。少しでも多くの政治資金を集めるために、会場の大きさとは無関係に券を売ることが有権者に理解されるだろうか。
 「過大販売」には別の問題もある。
 福岡県議5人の政治団体が10年に開いた計11回のパーティーは、会場収容人数の2―10倍の券が売られ、その大半か、全てを労働組合の自治労福岡県本部が購入した。
 政治資金規正法は、政党と政党が指定した団体を除く政治団体が、企業や労働組合から献金を受けることを禁じている。自治労福岡県本部の行為は、企業・団体からの献金が受けられない県議に対する「実質的な団体献金」に当たらないか。県議の1人は取材に「そう言われても仕方がない」と認めた。

 ◆本来は個人購入前提
 政治資金パーティーをめぐる問題が生じる要因について、日本大の岩井奉信教授(政治学)は「政治資金規正法にパーティーに関する具体的な規定がないため」と語る。
 規正法はパーティーの収支や券の購入者数の公開を義務付けているが、会場の収容人数を上回るパーティー券の販売を禁じる規定や、実際の出席者数を報告する決まりはない。献金が認められない赤字企業、公的補助金の受給団体が券を購入することも禁じていない。
 一方、上脇教授はパーティー券が献金に比べ、資金提供者の透明性が低いことを問題視する。規正法が定めた資金提供者の公開基準は、パーティー券が1回20万円超、献金は5万円超
 政治家にとってパーティーは、資金提供者を明らかにせずにまとまった収入を得ることができる手段であり、それは名前を公表せずに政治家に資金を提供したい企業・団体の思惑とも合致する。このため、本来のパーティー券は個人が買うことを前提としているが、実態は企業や団体のまとめ買いが多くなる。

 ◆総務省「見解控える」
 こうした問題点について総務省は取材に「見解は控える」としている。政界には「国会議員が自分たちで規正法を改正するので、必ず抜け穴をつくる」との声もある。岩井教授は「パーティーが企業・団体献金の抜け道になっている。透明性を高めるために、パーティー券購入も献金と同じ扱いをすべきだ」と規正法の見直しを唱えている。

政治資金パーティー  政治資金パーティーは政党や政治家、立候補予定者の活動資金を得る手段として、政治資金規正法に基づき政治団体が開催する。主催者はパーティー券を販売し、参加者に飲食や講演、書籍などを提供。券の売り上げから経費を引いた残りが政治資金になる。
 国会議員の政治団体の場合、券は1万―2万円が多い。参加者が1回のパーティーで購入できるのは150万円まで。収支は公開しなければならない。


(7)2012年分の政治資金収支報告については、一般に、来年亭主移されることになっているが、その例外がある。
それは、政治団体が解散した場合である(政治資金規正法第17条。
(解散の届出等)
第17条  政治団体が解散し、又は目的の変更その他により政治団体でなくなつたときは、その代表者及び会計責任者であつた者は、その日から三十日以内に、その旨及び年月日を、第六条第一項各号の区分に応じ当該各号に掲げる都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に文書で届け出るとともに、第十二条第一項の規定の例により、その日現在で、収入及び支出並びに資産等に関する事項を記載した報告書を提出しなければならない。

(8)これによるものと思われるのが、以下の記事である。

国会議員が離党前に政党支部の政治資金を自己の別の政治団体に寄附して政党の政治資金を私物化していたという問題である。
産経新聞2012.11.22 12:43
政党支部→別の政治団体 離党直前に資金移し替え

 路線や思惑の違いなどから今年、千葉県内の衆院選の立候補予定者7人が政党を移った。その際に自らが管理した党支部の資金も動かしていることが、政治資金収支報告書や産経新聞の取材で21日、明らかになった。離党直前に資金を別団体に寄付したり、団体間の精算に充てたり。ただ、専門家は「離党するなら党に戻すべきだ」と指摘しており、返金を検討している立候補予定者もいる。
 平成24年分の政治資金収支報告書によると、前衆院議員の黒田雄氏(53)=2区=が代表を務めていた民主党千葉県第2区総支部は、24年3〜5月に党本部から計800万円の交付を受けた。しかし、黒田氏は7月11日に国民の生活が第一の結党に参加。同支部はその直前の同1日、黒田氏の資金管理団体に約155万円を寄付している。
 黒田氏の事務所は「民主党の支部活動で生じた未払い金の支払いに充てるため、いったん支部の資金を資金管理団体に移した。民主党から受領した資金の収支は党に報告し、了承を得た」という。
 また、生活から衆院選に出馬する前職の岡島一正氏(55)=3区=と内山晃氏(58)=7区=がそれぞれ代表を務めた民主党の支部は、両氏の離党前後に借入金の返済として資金を別の団体や個人に移している。
 一方、みんなの党から日本維新の会へくら替えして衆院選出馬を決めた木村長人氏(48)=5区。みんなの党時代に自らが代表を務めた支部が交付金約500万円を受け取ったが、「迷惑をかけたとの思いがある。全額返したい」としている。
 実際は離党の際に支部の資金を党本部に返す議員らは少数とされる。「政治とカネ」問題に詳しい神戸学院大法科大学院の上脇博之教授=憲法学=は「政党の看板で支部に資金が集まった可能性を考えると、離党の際に支部の資金は党に戻すべきだ」と話している。

民主党政権を振り返る(悔やまれる「政治とカネ」改革の反故)

はじめに

(1)2009年9月、民主党政権は、民主党、国民新党、社民党による鳩山由起夫内閣でスタートした。

歴史的な政権交代になるのか!?

しかし、普天間基地問題で、社民党は連立離脱に追い込まれた。

公約を反故にした鳩山首相が民意を尊重した福島大臣を更迭!

社民党の政権離脱か民主党の社民党切捨てか!?

(2)その後、民主党政権は、菅直人内閣へ。

鳩山政権から菅政権へ

菅新内閣閣僚名簿発表と菅首相会見詳報

菅改造内閣

柳田法務大臣辞任(事実上の更迭)

菅民主党改造内閣について

菅内閣の外務大臣、前原氏から松本氏へ

菅首相の6月いっぱいでの辞任を求めていた松本龍氏が復興大臣を先に辞任

(3)小沢一郎氏らのグループは、管直人内閣の時に、自民党などの原発推進勢力と一緒になって脱原発に舵を切ろうとした管直人首相を引きずり下ろした。

この時期の民主党代表選を憂う(菅内閣不信任に関する権力争いを振り返りながら)

野田政権が財界政治を強行できるワケ(菅内閣不信任劇を振り返って):その1(原発推進)

(4)そして、野田佳彦内閣へ。

民主党代表選と党役員人事と野田首相指名

野田新内閣発足とその行方

経済産業大臣の辞任・交代

2012・1・13野田内閣改造と野田首相会見の紹介

初代「復興大臣」に平野達男氏、防災担当大臣に中川正春氏を起用へ

野田首相内閣改造〜第2次改造内閣発足

参議院での野田首相問責決議について(「事実上の民自公大連立」への問責決議!)

野田首相最後の内閣改造(!?)・・・野田第3次改造内閣

田中大臣の事実上の更迭について(更迭で終わらせてはならない野田内閣・民自二大政党の責任)

(5)安倍晋三元首相が再び首相となり、第2次安倍内閣が発足した。

第2次安倍内閣発足

(6)民主党政権は、3年3か月続いた。

政権交代したときの鳩山由起夫連立内閣には、期待が大きかった。
しかし、民主党代表、首相が交代するたびに、民主党とその政権は、第二自民党化してきた。

とはいえ、期待された鳩山内閣についても、冷静にその政策や公約反故を見ると、第二自民党・政権としての性格を有してもいた。

その一つに、「政治とカネ」改革の反故がある。
以下では、鳩山由起夫元首相の引退を取り上げた上で、ほぼこの点に絞って投稿する。


1.鳩山由紀夫元首相の引退

(1)鳩山由起夫前首相は、今年6月上旬には離党の可能性を示唆し、「大阪維新の会」(当時)との連携の可能性も言及していた。
毎日新聞 2012年06月06日 20時40分(最終更新 06月06日 20時46分)
民主党:鳩山由紀夫元首相 離党の可能性を示唆

 鳩山由紀夫元首相は6日のBS11の番組で「民主党を作った張本人として『民主党を割る』という話は口が裂けても、本来は言うべきことではない。ただ、民主党より国民の暮らしが大事だという立場からどう行動すべきか考えねばならない時を迎えている」と述べ、消費増税法案の採決を巡って離党することもあり得るとの考えを示唆した。
 鳩山氏は「自分自身を捨ててでも行動すべき時は行動しなければならない」とも発言。また、大阪維新の会との連携の可能性を問われ「国民の暮らしが一番という政策を実現できるような集団と協力関係を作ることは十分あり得る」と意欲を示した。【木下訓明】

(2)しかし、鳩山前首相は、小沢一郎元代表らと行動を一緒にせず、離党しなかった。
毎日新聞 2012年06月22日 01時03分(最終更新 06月22日 13時02分)
鳩山元首相:新党に「同調せず」

 民主党の鳩山由紀夫元首相は21日夜、小沢一郎元代表が離党・新党結成の可能性に言及したことについて「私どもの考え方こそ民主党の本来の考え方だと国民や執行部に理解してもらいたい。すぐに新党運動に同調していくということではない」と語り、自身の離党には否定的な考えを示した。【木下訓明】

(3)そして、衆議院総選挙には民主党から出馬すると表明していた。
2012/11/17 23:05 【共同通信】
鳩山氏「民主党から出馬」 原発、TPPには反対

 民主党の鳩山由紀夫元首相は17日、衆院選に民主党から出馬すると明言した。同時に、原発再稼働や環太平洋連携協定(TPP)交渉の参加には反対を訴える考えを示した。
 鳩山氏は「私は民主党員だ。民主党から立候補するのが当然だ」と強調。原発やTPPについては「自分の信念を曲げるつもりはない」と述べ、反対を貫く意向を示した。北海道苫小牧市内で記者団に述べた。

(4)しかし、鳩山氏は、総選挙に出馬せず(民主党から出馬できず)引退を表明した。
毎日新聞 2012年11月21日 22時57分(最終更新 11月21日 23時31分)
鳩山元首相引退:「今後も沖縄問題にかかわりたい」

 「波瀾(はらん)万丈だったが、政治家として幸せな人生だったと思う」。21日夕に北海道苫小牧市で会見した鳩山氏は、政界での歩みをそう振り返った。
 17日に地元で衆院選の合同選挙対策本部を開設したばかり。21日は東京・永田町の民主党本部で野田佳彦首相と会談後、午後5時過ぎに硬い表情のまま苫小牧市のホテルに到着した。
 会見の冒頭に「どうか結党の理念を思い、弱き者、小さき者の声に耳を傾ける政治をしていただきたい」などと用意していたメッセージを朗読。「党を立ち上げた責任がある。辞める気はなかったが、主張を貫くと党から公認されないことが日曜日(18日)に分かり、引退を決断した」「(会談した野田首相には)もっと包容力を持って行動してほしいと求めた」。言葉の端々に党を離れる無念さをにじませた。
 鳩山氏は米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題を巡り、09年衆院選の直前に「最低でも県外移設」と発言。首相になってから移設先を自公政権時代の同県名護市辺野古(へのこ)に回帰し、地元の猛反発を招いた。
 この日の会見で「沖縄の問題にはこれからも何らかの形でかかわり、『最低でも県外』という言葉が事実となるように協力していきたい」と語ったが、辺野古移設を条件付きで容認する地元の「代替施設安全協議会」の仲嶺真明・共同代表(48)は「『最低でも県外』は政権を取るための方便で、沖縄を混乱させた。次の選挙で勝てないと考えて辞めるだけ。移設問題を放ったまま引退するのは無責任」と批判した。
 「権謀術数と覚悟が必要な政治の世界では、やはり坊ちゃんだった」とみるのは放送タレントの松尾貴史さん(52)。普天間問題も「首相としての言葉の軽さが国民を失望させた。リップサービスで強がりを言って自分を苦しめた」と話した。
 鳩山氏は偽装献金事件や実母から巨額の資金提供を受けていたことでも批判を浴びた。政治資金オンブズマン共同代表、上脇10+件博之(かみわきひろし)神戸学院大大学院教授は「金持ちで一般の人の気持ちが理解できないことがよく分かった」と指摘。「マニフェスト(政権公約)で約束した企業・団体献金禁止に主導権を発揮すべきだったが、腰砕けになった。実現していれば後世に名を残したのだが」と振り返った。

(5)かつて引退を表明し、それを撤回していた鳩山前首相は、結局、引退に追い込まれたのである。

2.原則公開されなかった、内閣官房報償費(機密費)の使途

(1)民主党政権には、情報公開が期待された。

内閣官房報償費(機密費)の使途についても、原則公開が期待された。

(2)しかし、鳩山内閣(平野博文官房長官)の下で、そうはならなかった。

民主党政権も内閣官房機密費の使途透明度ゼロ!?

民主党も内閣官房報償費の使途をこのまま全面非公開するのか!

内閣官房報償費について鳩山内閣がやるべきこと

鳩山内閣官房報償費の使途も開示されなかった

これは、悔やまれる。

(3)ちなみに、民主党政権がスタートした2009年9月から今年11月5日までの期間に内閣官房機密費が支出された総額は35億2000万円だったという。
日経新聞2012/11/9 11:32
内閣官房機密費、民主党政権で35億円

 政府は9日の閣議で、2009年9月の民主党政権発足から今年11月5日までの間に、35億2000万円の内閣官房機密費(報償費)が国庫から支出されたとする答弁書を決めた。このうち未使用だった3885万円は返納した。使途は明らかにしていない。
 野田内閣が発足した昨年9月2日以降の支出は13億3000万円で、未使用額として2172万円を国庫に返納した。共産党の塩川鉄也衆院議員の質問主意書に答えた。

毎日新聞 2012年11月23日 09時32分
官房機密費:公開論議置き去り 衆院選争点化の気配なし

 09年の政権交代で期待された内閣官房報償費(官房機密費10+件)の使途公開。自民、公明両党は消極的で、野党時代に公開を主張した民主党も、政権獲得後35億円近くを使ったのに公開に踏み切らなかった。大阪地裁は22日、市民団体が機密費の不開示決定を取り消すよう求めた訴訟の判決で3月に続き一部の決定を取り消したが、機密費公開が総選挙の争点となる気配はない。【青島顕】
 官房機密費10+件は「国政への寄与」などを名目に官房長官の判断で支出され、会計検査院に対する使途の証明が免除されている。政府によると、政権交代した09年9月〜今年11月5日に計35億2000万円が支出され、うち約3886万円が未使用で国庫に返納された。
 機密費を巡っては自公政権の03年、「公開できるものは公開するか」と問われた福田康夫官房長官(当時)が「基本的にはそういうことでしょう」と答えたが、基準は作られなかった。
 民主党は野党時代の01年、支払い記録書の作成を義務付け、機密性に応じて10〜25年後に公表させる機密費改革法案を提出した。政権獲得後の10年には、鳩山由紀夫首相(同)が「適当な年月を経た後、すべて公開するよう準備に取りかかっている」と発言。公開基準作りの検討を口にした藤村修官房長官は9月「うやむやにすることは絶対ない」と述べたが、実現していない。
 政治資金に詳しい岩井奉信(ともあき)・日本大教授(政治学)は「25〜30年後などに公開するルールを情報公開法の枠組みの中に作るべきだ。外遊のせんべつや選挙費用といううわさもあったが、ルールができれば公開を意識して使う」と提言する。
 NPO法人情報公開クリアリングハウスの三木由希子理事長は「使途の記録があるかさえ分からず、高度の政治判断で使われているとして説明もない。民主党は官邸に入って機密費の見方が変わったのだろうが、知ったからこそ説明できることもあるはず。自公政権は政権に復帰するなら、おざなりにしてきた説明責任を果たしてほしい」と話した。

 ◇官房機密費の使途公開をめぐる動き
01年6月 民主党が10〜25年後の原則公表を明記した機密費改革法案を提出
02年4月 共産党が宮沢喜一内閣時代の「機密費の支出の一部書類」を公表
03年9月 福田康夫官房長官が公開に前向きな発言
09年9月 河村建夫官房長官が政権交代直前、機密費2億5000万円を支出。民主党政権誕生後、平野博文官房長官が機密費について「そんなものあるんですか」
10年3月 鳩山由紀夫首相が一定期間経過後の全面公開を表明。平野長官は鳩山首相の公開方針に否定的見解
  5月 野中広務元官房長官が小渕恵三内閣時代の機密費の使途の一部を明かす
  6月 菅直人首相が一定期間後の使途の公開を検討する意向を示す
12年3月 大阪地裁が支出相手が特定されない文書の一部公開を命じる判決。藤村修官房長官が秋にも公開基準とりまとめの意向示す
  9月 藤村長官が公開基準とりまとめを先送り

※役職は当時

(4)先ほど「悔やまれる」と書いたが、もし鳩山内閣当時、原則公開していれば、内閣官房報償費(機密費)が国会対策費などに支出されることには止めをかけることが可能だったかもしれないからだ。

もっと言えば、以前、内部告発があり、内閣官房報償費(機密費)は私物化され、あるいは、党派的に悪用され、例えば消費税導入の時に国会対策に流用(目的外支出)された、との疑惑がある。

私の陳述書のPDFでの紹介と本人尋問の報告

(5)民主党政権においても、私物化や国会対策、例えば消費税増税法案を成立させるため等に流用(目的外支出)されるなどしたのではないかとの報道がある。
※週刊ポスト2012年11月30日号
2012.11.21 16:00
民主党政権機密費35.2億円 「内ゲバ」「増税」に使用の可能性

 35億2000万円――。これは2009年9月の民主党政権発足以降、今年11月5日までに支出された官房機密費(内閣官房報償費)の総額だ。このうち野田政権下で使われたのは13億3000万円。
 機密費は、国内外の機密情報の収集活動などにあてられる資金で、官房長官の判断で自由に使うことができる。自民党政権時代には国会対策費やマスコミ対策費として使われたといわれている。
 民主党は野党時代、官房機密費について激しく批判していた。2001年には「機密費流用防止法案」を国会に提出している。当時、党政調会長だった岡田克也氏は「戦前の遺物が残っている」と使用方法の説明を求めた。翌年には枝野幸男氏が「(機密費について)政府は情報を開示せよ」と迫っていた。
 ところが、いざ政権に就いたらコロリと立場を変えた。歴代官房長官はいずれも機密費について堅く口を閉ざしている。
 このカネは何に使われたのか。「相当額の機密費が使われた」(民主党関係者)といわれるのが、普天間基地移設に関する工作だ。
 移設を本当に成し遂げようとするなら、機密費も必要だったろう。米国からの情報収集活動、移転候補地の地元対策にもカネはかかる。しかし結局、外務、防衛両省の抵抗で頓挫した。完全な“死に金”になってしまった。
 その後の機密費はもっぱら「内ゲバ」と「増税」に使われた可能性が濃厚だ。
 2010年9月に民主党代表選で菅直人氏と小沢氏が激しく争った際には、壮絶な多数派工作が行なわれた。
「圧倒的多数といわれた小沢派が切り崩された理由は資金力の差だといわれている。菅支持派の会合には官邸から軍資金が惜しみなく投入されたと聞いている」(民主党中堅議員)
 野田政権の最大の政治課題は消費増税だった。当初は与野党とも増税慎重派が圧倒的で、「法案成立は針の穴に象を通すより難しい」と見られていた。
 だが、官邸側が首相補佐官らを先頭に説得工作を展開すると、民主党で慎重派議員が次々に切り崩され、反対姿勢だった自民党でも長老グループを中心に法案賛成論が高まり、公明党が土壇場で賛成に転じて民自公3党合意を締結、法案は成立したのである
 自民党の増税慎重派の議員は、「わが党にもずいぶん毒まんじゅうがバラ撒かれたようだ」と、機密費の存在を示唆する言い方をした。税金からなる機密費で国民の生活を締め付ける消費増税が実現へと近づいたのだとしたら、タチの悪いブラックジョークである。

(日刊ゲンダイ2012/12/8)
野田民主党への大疑惑 これは司法による捜査解明が必要だ

 3年前の政権交代のための約束マニフェストを全部反故にした理由に財源がないと弁解していたが国民の税金を自分に流用したから政策実現ができなかったのではないのか
 衆院選の序盤情勢で新聞各紙が野田民主党の「劣勢」を伝えたが、逆風選挙とは裏腹の金満選挙にはビックリする。
 有権者に配る法定ビラは、どの陣営よりも上質な紙だし、新聞を広げれば、各候補者の“キメ顔”写真の広告が載っている。テレビをつければ、野田首相が「やりましょう! 前に進めましょう!」と呼びかけるCMがガンガン流れてくる。
 カネはうなるほど残っているようで、民主の公認候補には「1人最大2000万円の選挙資金がバラまかれた」(政界関係者)なんて話が飛び交うほどだ。
 それでも「民主激減70前後」(毎日新聞)という壊滅的な劣勢に立たされているのだから、救いようがないが、これだけ潤沢な選挙資金は一体どこから出てきたのか。ぜひとも知りたいところである。
 民主党は政権交代後の3年間で、総額500億円以上の政党交付金を手にした。前回選挙で国民をペテンにかけて、圧勝し、国民から血税をせしめたワケだが、豊富な選挙資金の原資は交付金だけなのか。ここが怪しいところだ。なにしろ、民主党なんて、ちょっと前まで労組が母体のビンボー政党だったのである。

◆1000円カットの男が高級ヘアサロン通い
 それが今やどうだ。民主党幹部に野党時代のつつましい面影はどこにもない。
 日教組上がりの旧社会党代議士だった輿石幹事長は常に風呂敷包みを片手にぶら下げ、山梨から夜行列車で永田町に通っていたそうだが、政権与党の幹事長となった今は運転手付きの黒塗り高級車で往来する。
 安住幹事長代行も野田内閣で財務相に抜擢されてから、立派なスーツを着るようになり、サイズが合わない背広の中で体が泳いで、「ちびっ子ギャング」とバカにされていたのがウソのような変身ぶりだ。靴がいいのか、背丈まで大きく見えるようになった。
「野田首相も見違えましたね。野党時代はヨレヨレのスーツに白いスニーカーで駅前演説をし、首相就任時も『吉野家にもサイゼリヤにも行く』と庶民派をアピールしていたが、今は同僚議員との会合でも高級料理店を使う。政策と同じように金満ぶりまで自民党政権時代と似てきた。就任前後で、ここまでガラリと生活スタイルが変わった首相は珍しいと思います」(政治評論家・山口朝雄氏)
 以前は10分1000円の激安チェーンで散髪していたのに、野田が公示前日に向かった高級理髪店のカット基本料は1万3800円だった。エラくなったものではないか。こんな「成り上がり」たちが、庶民に大増税を強要したのだから、心底、ハラが立ってくる。

◆与党のウマみを味わい尽くした民主の腐敗連中
 野田が怪しいのは、生活スタイルの豹変だけではない。背後にはウサンくさい連中との交際や献金疑惑がつきまとう。
 過去の政治資金収支報告書をめくれば、在日韓国人からの献金や、元暴力団男性の関連会社からの献金やパーティー券購入などが出てくる。これらの負の人脈は、松下政経塾の後輩、前原国家戦略相と見事なまでに一致している。
 前出の山口朝雄氏は「与党になれば、必ず怪しげな連中が近づいてくる。だからこそ付き合う人物を厳しく律しなければいけないのに、民主党政権にそのケジメは感じられない」とアキレていたが、捜査当局だって甘すぎる。
 小沢一郎は暴走検察にあれだけ執拗に狙われ、民主党結党時の大スポンサーだった鳩山由紀夫も「故人献金疑惑」で散々、追及を受けた。結局、小沢は追放され、鳩山は引退に追い込まれた。
 結果、民主党は政権交代時の理念を失い、支持者にも見捨てられたわけだが、なぜか野田や前原の周辺に当局の捜査は及ばない。
 マニフェストを放り投げ、財務省に魂を売って増税を強行した連中は当局のお目こぼしを受け、盾突いた連中は情け容赦なく潰されたように見える。実に不公平で奇怪なプロセスではないか。
 復興予算19兆円の使い道だって悪質だ。被災地にはロクに予算が回らず、全国の官庁施設の防災化などにバケていた。もちろん、本予算だって似たようなものだろう。「ムダをあぶり出す」はずが、アッサリあきらめ、「財源がない」「だからマニフェストは実行できない」と居直ったのが、民主党なのである。

◆当局は税金私物化を徹底的に洗い出せ
 こうして見ていくと、「ハハーン、これが与党のウマみか」と思えてくる。
財務省の下僕となり、各省庁の言うことを聞いて、その見返りにさまざまな恩恵を受ける。その過程でいつの間にかスーツが上質なものに変わっている。政党には豊富な資金が集まる。税金の流用・私物化みたいなものだ。
「官房機密費だって、相当なウマみとなっているのでしょう」とは、神戸学院大教授の上脇博之氏(法学)。官房機密費の情報公開訴訟の原告のひとりだ。
「民主党は野党時代には自民党政権に『官房機密費の使途を公開しろ』と激しく迫ったのに、いざ政権に就くと、使途について固く口を閉ざしてしまった。この3年間の機密費の支出は35億円以上。民主党には、反増税だったはずが、いつの間にか賛成に回って最後まで党に残った議員も多い。増税政局の切り崩し工作に機密費が使われたという疑惑も浮かびます。麻生政権が政権交代選挙の投開票日の2日後に、機密費2億5000万円を請求して受領。今も全額が使途不明のままですが、この調子だと、野田政権も下野直前に機密費の金庫を空っぽにするかもしれません。キチンと公開すべきです」

 民主党は二言目には「財源がない」と言ってきたが、本当は自分たちでチョロまかしていたんじゃないか。そんな疑念すら浮かぶのである。
 韓国では大統領が代わるたび、司法当局が前政権の汚職を徹底解明する。日本の当局もぜひ見習って欲しいものだ。

(6)果たして、政権交代したばかりの鳩山内閣が内閣官房報償費(機密費)の使途を原則公開していたら、消費税増税法案は成立していたのだろうか?

3.悔やまれる、企業・団体献金の全面禁止の公約の反故

(1)民主党は、2009年の政権交代前、企業・団体献金の全面禁止(ただし3年間は移行期間)を盛り込んだ法律案を国会に提出していた。
マニフェストにもそれを明記し、公約していた。

(2)しかし、小沢一郎幹事長(当時)は、財界の別働隊である「21世紀臨調」にこれを諮問してしまった。

私が代表を務める政治資金オンブズマンや株主オンブズマンは、おの手この手の働きかけをしたが、民主党は、企業・団体献金の全面禁止の公約を反故にしてしまった。

癒着の構造を断ち切れるか民主党の本気度が試される

企業・団体献金等の全面禁止を早急に立法化するよう求める要請書を民主党に提出!

政治資金規正法と公職選挙法の抜本的改正を目指すことは良いが・・・

企業・団体献金全面禁止における民主党の裏切り(政治論と憲法論からの批判)

企業・団体献金での民主党の裏切りは想像以上に早かった!

民主党は「政治とカネ」で改革を実行しなければ第二自民党!

民主党の裏切りを振り返る(小沢一郎氏の「企業・団体献金全面禁止」公約反故から始まった)

主権者国民は再び日本経団連の政党「買収」を許す総選挙結果にするのか!?


(3)悔やまれる。

当時、2010年参議院議員通常選挙前に、企業・団体献金の全面禁止を法制化していれば、その後、民主党は簡単に第二自民党化せず、この度の総選挙において自民党が圧勝することもなかった可能性がるのではないかと思えてなからない。
しんぶん赤旗2012年12月11日(火)
建設業界 自民に献金攻勢 ばらまき公共事業に期待
2011年 突出目立つ 6600万円


 総選挙で、「10年間で200兆円規模の公共事業」(自民党)、「地域防災力の強化」(民主党)、「10年間で防災・減災ニューディール100兆円規模で目指す」(公明党)など、各党が「防災」や「減災」の名で大型公共事業推進を競い合っています。こうしたなか、ゼネコンの業界団体、日本建設業連合会(日建連)の会員企業が昨年、6600万円を超す献金を自民党の政治資金団体「国民政治協会(国政協)」に行っていたことが本紙の調べでわかりました。
 2011年分の政治資金収支報告書によると、日建連の会長企業である清水建設と、副会長企業の鹿島建設、大成建設、大林組、竹中工務店の計5社が、横並びで各814万円を献金しているのをはじめ、五洋建設472万円、NIPPO(旧日本鋪道)390万円など、会員企業が軒並み献金。国政協への献金額は35社で総額6627万2000円にのぼっています。
 11年の国政協への業界団体の献金は、日本自動車工業会6030万円、日本電機工業会5000万円、日本鉄鋼連盟4000万円が“御三家”。建設業界は各会員企業の献金という形をとっていますが、突出ぶりが目立ちます。
 自民党は、ことし6月、10年間で200兆円規模のインフラ投資が必要だとする「国土強靭(きょうじん)化基本法案」を、元建設官僚の脇雅史参院国対委員長、二階俊博元経済産業相らがまとめ、国会に提出しています。
 日建連の野村哲也会長(清水建設会長)は、「国土、人命、財産を守る建設業界として、自民党とはかなり一致する部分がある」と明言。自民党への期待を隠そうともしていません。
 実際、自民党の安倍晋三総裁は「円高、デフレの今こそ公共投資を行わなければならない。古い自民党に戻るとか、ばらまき公共事業(とか)、こういうレッテル貼りはもうやめなければならない」(8日、札幌市)などといっています。
 一方、日建連の常勤役員6人中、元建設省大臣官房審議官が事務総長、元国土交通省大臣官房審議官が専務理事など4人が旧建設省、国交省OBです。政財官の癒着の構造にもメスを入れる必要があります。

しんぶん赤旗2012年12月1日(土)
補助金受給企業から2億6千万円
政治資金報告書 自民・民主に違法献金か


 国が工場の生産設備などに補助金を交付するトヨタやホンダ、東芝、住友化学などの企業から、自民党や民主党が2億6千万円を超える、違法の疑いがある献金を2010年、11年に受けたことが30日、総務省公開の11年分政治資金収支報告書などで明らかになりました。国民の税金が政党・政治家への献金として還流しています。
 政治資金規正法は、補助金を受ける企業が交付決定の翌日から1年以内に献金することを原則として禁じています。献金する企業側は「利益を伴わない補助金で規制の例外だ」と主張しますが、政治資金にくわしい専門家は「献金は法の趣旨に反する」と指摘します。
 問題の献金は判明しているだけで34社、2億6532万円にのぼります。自民党は政治資金団体「国民政治協会」(国政協)と国会議員が代表をつとめる政党支部で、民主党は政党支部で献金を受けています。
 34社は10年から11年にかけて経済産業省所管の立地補助金に応募し、交付先に選ばれた企業です。
 この立地補助金は「国内での工場立地と雇用創出を図る」という名目で、LEDやエコカーなどを製造する企業に対し、3回の募集で約1470億円を企業にばらまきました。
 5140万円を国政協に献金したトヨタ自動車は、「国から補助金の交付決定を受けたのは事実。ただし、規制の例外になる『性質上利益を伴わないもの』にあたる」(広報担当者)と説明。910万円献金の三菱電機も「例外規定にあたると判断した」とし、2800万円献金の東芝も「例外に該当」と口をそろえます。
 企業側が利益を伴わないと主張する立地補助金は、製品を生産する設備への投資を助けるものです。経産省は制度の特徴を「生産を応援するので、企業に利益をもたらすのが前提」(経済産業政策局の担当者)とします。
 政治資金規正法にくわしい上脇博之神戸学院大学教授の話 経産省が企業に利益をもたらすという以上、規正法の例外規定にはあたらない。この規制は、補助金を受ける企業が政党や政治家と癒着の関係を維持し強固にするために献金することを防ぐものだ。これを公然と破って献金を受けることは、癒着の関係があることの証しだ。

(4)以上の政治献金を受けている自民党は、今年6月、10年間で200兆円規模のインフラ投資が必要だとする「国土強靭化基本法案」をまとめ、国会に提出。
また、総選挙でも自民党は「10年間で200兆円規模の公共事業」を口にしていた。

当時幹事長だった小沢一郎氏が企業・団体献金の全面禁止を反故にせず法制化していたら、果たして自民党はこのような政策を打ち出し、総選挙で圧勝したのだろうか?

本当に悔やまれる!

第2次安倍内閣発足

昨日(2012年12月26日)第2次安倍内閣が発足した。
時間がないので感想は書かず、記録に残すために自公連立合意、安倍晋三氏の首相指名、第2次安倍内閣の閣僚等についての報道を紹介する。

1.自公連立合意
産経新聞2012.12.21 11:19
自公の連立合意文書の素案判明 生活保護、衆院選挙制度改革の2分野で最終調整へ

 自民、公明両党が連立政権発足に向け協議を重ねている政策合意文書の素案が20日、わかった。文書は8分野18項目で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)については「国益にかなう最善の道を求める」との表現で、条件付きの交渉参加に含みを残した。
 憲法改正については、踏み込んだ表現を求める自民党に配慮し、「憲法審査会の審議を促進し、改憲に向けた国民の議論を深める」と明記した。
 一方で、生活保護制度の見直しについて、自民党が「給付水準の切り下げ」の明記を主張。公明党は「生活困窮者に対する自立支援とともに制度適正化」と求め、折り合わなかった。国会議員の定数削減についても、衆院の比例定数削減を警戒する公明党側が、「衆院選挙制度の抜本改革とともに行う」とすべきだと要求、最終調整を進めることになった。
 このほか、経済対策では「名目3%以上の経済成長を実現する」で一致。外交では中国と韓国、ロシアと「信頼の増進をはかる」との表現で合意した。原発・エネルギー対策については「可能な限り原発依存度を減らす」との表現に落ち着いた。

時事通信(2012/12/25-16:05)
自公連立合意の全文

 自民党の安倍晋三総裁と公明党の山口那津男代表が25日に交わした連立政権合意文書の全文は次の通り。
 自民党、公明党の両党は、今回の衆院選の結果、再び政権を担当する重責を担うこととなった。しかし、決しておごることなく、真摯(しんし)な政治を貫くことによって結果を積み重ね、国民の本当の信頼を取り戻さなくてはならない。
 われわれはその信頼の上に、国民の英知を結集して国難に立ち向かい、わが国が本来持っている力と夢を取り戻し、日本再建を果たす決意である。
 われわれは、この新たな連立政権のスタートに際し、以下に掲げる重点課題に全力で取り組むことを確認する。
 一、東日本大震災からの復興と万全な防災・減災対策
 東日本大震災からの復興を最優先にして政府を挙げて取り組む。特に、一日も早い福島の再生のための具体策を提示し実施する▽巨大地震などの自然災害に備え、防災機能を総点検し、国民の命を守る防災・減災のための公共投資を計画的に実施する。
 二、景気・経済対策
 本格的な大型補正予算(案)を2013年度予算(案)と連動して編成、成立させ、景気対策に万全を期す。特に、地域経済や中小企業に十分配慮する▽経済財政諮問会議と日本経済再生本部を設置する。この強力な司令塔の下、物価目標2%を設定し、大胆な金融緩和を断行することによりデフレからの脱却を図る▽エネルギー・環境、健康・医療などの成長分野における大胆な規制緩和、新たな需要喚起、創出などにより、名目3%以上の経済成長を実現する。
 三、社会保障と税の一体改革
 医療、介護、少子化対策など社会保障制度改革国民会議における議論を促進する。また、生活保護については不正受給対策を徹底するとともに、自立、就労などの支援施策と併せて、その適正化に向けた見直しを行う▽消費税率引き上げ前の景気回復を着実に実現する。また、複数税率導入の検討など低所得者対策を確実に実施する。
 四、原発・エネルギー政策
 原発の再稼働については、国際基準に沿って安全第一主義を徹底した原子力規制委員会の専門的知見の判断による。同時に、省エネルギー、再生可能エネルギーの加速的な導入や火力発電の高効率化等の推進によって、可能な限り原発依存度を減らす。
 五、教育再生
 いじめ対策、不登校対策、通学路安全対策等を充実させる▽教育委員会制度の在り方を抜本的に見直す▽幼児教育の無償化への取り組みを財源を確保しながら進める。
 六、外交安保
 日米同盟の強化を図り、両国の関係を再構築し、中国、韓国、ロシア等近隣諸国との信頼の増進を図る▽領土、領海、領空の保全を図るため、必要な防衛・海保予算を確保する▽(北朝鮮の)拉致、核、ミサイル問題に毅然(きぜん)と対処し、主権を守る外交を展開する▽自由貿易協定(FTA)、経済連携協定(EPA)をはじめ自由貿易をこれまで以上に推進するとともに、環太平洋連携協定(TPP)については、国益にかなう最善の道を求める。
 七、憲法
 憲法審査会の審議を促進し、憲法改正に向けた国民的な議論を深める。
 八、政治・行政・公務員制度改革
 衆院の選挙制度改革、定数削減については、(自民、公明、民主)3党合意を基本にその実現を図る。併せて、国会議員にかかる経費を縮減する。また、国・地方にわたる公務員の総人件費を縮減する▽道州制の導入を推進する。

2.野田内閣総辞職
(2012年12月26日11時50分 読売新聞)
民主政権の1198日に幕…野田内閣が総辞職

 野田内閣は26日午前の臨時閣議で総辞職した。
 2009年9月にスタートした民主党政権は、鳩山、菅、野田の3内閣にわたって続いたが、3年3か月(1198日)で幕を閉じた。
 野田首相の在職日数は482日で、民主党政権下の首相では鳩山(266日)、菅(452日)両首相を上回った。
 野田首相は臨時閣議の中で、「野田内閣として、汗を一緒にかいたことを非常にありがたく思う」などと約3分にわたり、閣僚たちをねぎらった。首相はこの後、「東日本大震災からの復旧・復興、原発事故との戦いや、日本経済の再生や社会保障・税一体改革の実現などの重要課題には、引き続き政府が全力で取り組んでいく必要がある」との首相談話を発表し、安倍政権での一体改革などの継続を求めた。

3.自民党の安倍晋三総裁の内閣総理大臣指名
NHK12月26日 16時56分
自民安倍総裁 第96代首相に選出

 自民党の安倍晋三総裁は、衆参両院の本会議で行われた総理大臣指名選挙で、第96代の総理大臣に選出されました。
 安倍氏は、夜、第2次安倍内閣を発足させることにしています。

野田内閣は、26日午前、総辞職し、これを受けて、午後1時すぎから開かれた衆議院本会議で、総理大臣の指名選挙が行われました。
 投票の結果、
▽自民党の安倍総裁が328票、
▽民主党の海江田代表が57票、
▽日本維新の会の石原代表が54票、
▽みんなの党の渡辺代表が18票、
▽共産党の志位委員長が8票、
▽日本未来の党の森ゆうこ副代表が7票、
▽社民党の福島党首が2票、
▽国民新党の自見代表が1票などで、
安倍氏が、自民党や公明党などの投票で、第96代の総理大臣に指名されました。
 一方、午後2時半から開かれた参議院本会議でも総理大臣指名選挙が行われ、1回目の投票では、
▽自民党の安倍総裁が107票、
▽民主党の海江田代表が87票、
▽みんなの党の渡辺代表が11票、
▽日本未来の党の森ゆうこ副代表が8票、
▽共産党の志位委員長が6票、
▽社民党の福島党首が5票、
▽国民新党の自見代表が3票、
▽日本維新の会の石原代表が3票、
▽亀井静香衆議院議員が1票などと、
いずれも過半数に達しませんでした。
 このため、上位2人による決選投票が行われ、
▽自民党の安倍総裁が107票、
▽民主党の海江田代表が96票で、
安倍氏が第96代の総理大臣に選出されました。
 このあと、安倍氏は、総理大臣官邸に入って、連立を組む公明党の山口代表と党首会談を行ったうえで、組閣本部を設置し、直ちに閣僚人事を行います。
 そして、夜、皇居での親任式や閣僚の認証式を経て、第2次安倍内閣を発足させることにしており、自民・公明両党は3年3か月ぶりに政権に復帰します。

安倍晋三氏とは
 安倍晋三氏は、昭和29年、東京都に生まれました。
 祖父は日米安全保障条約の改定を断行した岸信介元総理大臣、父は自民党の幹事長や外務大臣を歴任した安倍晋太郎氏と、政治家一家に育ちました。
 成蹊大学を卒業後、アメリカ留学を経て、大手鉄鋼メーカーに入社しましたが、父・晋太郎氏の外務大臣就任を機に大臣秘書官に転身し、父親の傍らで政治の現場を見つめました。
 安倍氏は、病気で亡くなった晋太郎氏のあとを継ぎ、平成5年の衆議院選挙に旧山口1区から立候補して初当選しました。
 これまでに連続7回、当選しています。
 平成12年、第2次森内閣で官房副長官に就任し、続く小泉内閣でも副長官を務めました。
 安倍氏は、早くから北朝鮮による拉致事件の解決に取り組み、小泉総理大臣の初めての北朝鮮訪問に同行して、キム・ジョンイル総書記との首脳会談にも立ち会いました。
その後、49歳の若さで自民党の幹事長に抜てきされ、平成17年の第3次小泉内閣では、官房長官として初入閣しました。
 平成18年の総裁選挙に初めて立候補すると、世論の高い支持を背景に総裁の座を射止め、戦後最年少の52歳で、第90代の総理大臣に就任しました。
 在任中は、小泉元総理大臣の靖国神社参拝問題で関係が冷え込んでいた中国や韓国を訪問して、関係改善に努力する一方、「戦後体制からの脱却」を掲げて改正教育基本法や憲法改正の手続きを定める国民投票法などを成立させました。
 しかし、公的年金の加入記録のずさんな管理が明らかになったほか、閣僚の辞任が相次ぎ、平成19年の参議院選挙で大敗して、いわゆる「ねじれ国会」を招きました。
 そして、みずからの健康状態の悪化もあって、就任からおよそ1年で退陣しました。
 退陣後は、超党派の保守系の国会議員による政策グループの会長として、拉致問題の解決などに取り組んでいましたが、ことし9月、「総理大臣の時に学んだことを生かし、国難に立ち向かう」として、総裁選挙に立候補しました。
 1回目の投票では2位にとどまったものの、決選投票で石破幹事長を破り、再び自民党の総裁に選ばれました。
 先の臨時国会では当初、野田政権に対し、衆議院の年内解散の確約がなければ赤字国債発行法案などの成立に協力できないとして厳しく対じしましたが、その後、柔軟姿勢に転換、法案の成立に協力する一方で、野田総理大臣に、自民党の谷垣前総裁と合意した「近いうちに国民に信を問う」という約束を守るよう迫り、年内の衆議院解散を実現させました。
 衆議院選挙では、大胆な金融緩和と公共投資の拡大によってデフレを脱却するとともに、日米同盟を強化して「強い日本を取り戻す」と訴え、自民党を圧勝に導きました。
総理大臣を退陣したあと再び選出されたのは、昭和23年の吉田茂元総理大臣以来、64年ぶりです。

4.閣僚名簿発表
NHK12月26日 17時50分
安倍内閣の閣僚名簿発表

 安倍総理大臣は、副総理兼財務大臣、金融担当大臣に麻生元総理大臣、外務大臣に自民党岸田派会長の岸田元国会対策委員長を起用するなどの閣僚人事を決め、菅官房長官が閣僚名簿を発表しました。

それによりますと、
▽副総理兼財務大臣、金融担当大臣、デフレ脱却・円高対策担当大臣に、自民党麻生派会長の麻生太郎元総理大臣、
▽総務大臣、地域活性化担当大臣に、自民党額賀派の新藤義孝元経済産業副大臣、
▽法務大臣に、自民党谷垣グループを率いる谷垣禎一前総裁、
▽外務大臣に、自民党岸田派会長の岸田文雄元国会対策委員長、
▽文部科学大臣、教育再生担当大臣に、自民党町村派の下村博文元官房副長官、
▽厚生労働大臣に、自民党額賀派の田村憲久元総務副大臣、
▽農林水産大臣に、参議院議員で、自民党岸田派の林芳正前政務調査会長代理を、
▽経済産業大臣、原子力経済被害担当大臣、産業競争力担当大臣に、自民党額賀派の茂木敏充元政務調査会長、
▽国土交通大臣に、公明党の太田昭宏前代表、
▽環境大臣、原子力防災担当大臣に、自民党石原派会長の石原伸晃前幹事長、
▽防衛大臣に、自民党岸田派の小野寺五典元外務副大臣、
▽官房長官、国家安全保障強化担当大臣に、自民党無派閥の菅義偉前幹事長代行、
▽復興大臣、福島原発事故再生総括担当大臣に、自民党岸田派の根本匠元内閣府副大臣、▽国家公安委員長、拉致問題担当大臣、国土強靱化担当大臣、防災担当大臣に、自民党無派閥の古屋圭司元経済産業副大臣、
▽沖縄・北方担当大臣、海洋政策・領土問題担当大臣、IT政策担当大臣に、参議院議員で、自民党無派閥の山本一太元外務副大臣。
▽少子化担当大臣、女性活力・子育て支援担当大臣、消費者担当大臣に、参議院議員で、自民党町村派の森まさこ元副幹事長、
▽経済再生担当大臣、社会保障と税の一体改革担当大臣、経済財政担当大臣に、自民党無派閥の甘利明前政務調査会長、
▽行政改革担当大臣、公務員制度改革担当大臣、規制改革担当大臣に、自民党町村派の稲田朋美元副幹事長、
以上、18人の閣僚を発表しました。

 また、官房副長官には、自民党額賀派で、総裁特別補佐を務めてきた加藤勝信氏、自民党の参議院議員で、町村派の世耕弘成参議院政策審議会長がそれぞれ起用されました。

 事務の副長官には、警察庁出身の杉田和博元内閣危機管理監が就任しました。

 菅官房長官は記者会見で、今回の閣僚人事について「今度の内閣は『危機突破内閣』であり、東日本大震災からの復興と経済の再生に向けて、内閣が一丸となって取り組んでいく。私自身も、官房長官として下支えしながら、みんなで、1つの方向に向かっていくことに全力を挙げたい」と述べました。

小選挙区選挙は廃止しかない(その4:完全比例代表制がベストだ)

はじめに

(1)今月16日の衆議院総選挙の結果について、先日から小選挙区選挙の問題点を指摘し、小選挙区選挙を廃止することを求める連続投稿を始めた。

「その1」では、民意を切り捨てる「死票」が56%にも達すること、そのため、投票率が60%に達しなかったことを指摘した。

小選挙区選挙は廃止しかない(その1:民意切り捨て・・・56%の死票)

「その2」では、小選挙区選挙の問題点の第三として小選挙区選挙が民意を正確・公正に反映しないだけではなく、歪曲していることを指摘した。

小選挙区選挙は廃止しかない(その2:民意の歪曲・・・比例代表制なら自民党294議席は132議席程度)

「その3」では、小選挙区選挙が政策選挙、政権選択選挙にも適しているとは言い難いこと、民意が一党優位状態、二大政党状態にないから小選挙区選挙を採用する大義が存在しないこと、そもそも小選挙区制が憲法の要請に応えていないどころか違憲であることを指摘した。

小選挙区選挙は廃止しかない(その3:小選挙区選挙は政権選択選挙にも適しているとは言い難く違憲だ!)

(2)それでは、以下では、憲法の要請に応えている選挙制度とは何か、書くことにする。

1.マスコミも政治家も小選挙区選挙の問題点を指摘し見直しを主張!

(1)私は、1994年「政治改革」のときから小選挙区選挙の導入を批判し続けてきたが、マスコミは、この度の総選挙の結果を踏まえ、小選挙区制の問題点を指摘し、見直しを主張するものが現れており、注目している。

そのような報道については、この度の連載でも少し紹介してきたが、ほかにもある(議員定数削減を主張するものがあるが、それは後半で取り上げて言及する)。

(2)まず、読売新聞の社説を紹介しよう。
(2012年12月24日01時20分 読売新聞)
衆院小選挙区制 得票と議席の差が開き過ぎる(12月24日付・読売社説)

 国民の代表をどう選ぶべきか。
 今回の衆院選の結果を踏まえて、選挙制度を根本から見直す必要があろう。
 自民、公明両党は連立政権協議で衆院選挙制度に関し、定数削減を含む抜本改革を検討することで一致した。両党と民主党による合意に基づくもので、通常国会で協議に入る。
 まずは、現行の小選挙区比例代表並立制の問題点を幅広く洗い出してもらいたい。
 2005年と09年の衆院選に続き、今回も、第1党が300議席程度に達し、第2党以下に圧倒的な差をつけた。
 小選挙区では、自民党の総得票数は民主党の1・9倍だが、獲得議席はこれを大きく上回る8・8倍にも達した。小選挙区制の特徴とはいえ、得票数と獲得議席数の隔たりの大きさに多くの有権者が違和感を覚えたのではないか。
 小選挙区制の長所は、民意を集約することで安定した政権ができやすい点にあるはずだった。
 だが、議席の振れ幅が大きかった過去3回の衆院選を通じて、政権党には、一部の有権者の支持を失えば、次の衆院選で敗北し、下野するリスクが高まっている。
 政権党が有権者や業界団体の反発を恐れ、国論を二分する政策に及び腰になるというマイナス面も顕在化した。環太平洋経済連携協定(TPP)への参加について自民、民主両党が態度を明確にしなかったのは、その一つだろう。
 選挙のたびに「チルドレン」や「ガールズ」とやゆされるような新人が大量当選し、その多くが次回選挙で国会から消えていく。
 激戦区でなくても議員が地元に縛り付けられ、国政をおろそかにする傾向があると言われる。
 比例選出や支持基盤の弱い議員たちは、選挙で生き残ることを優先し、大衆迎合主義(ポピュリズム)的な行動に走りがちで、政治の混乱の一因になっている。
 当選を重ね、専門知識を深めることで、官僚を使いこなせる質の高い政治家が育つ。だが、現行制度は、真の政治主導を実現する妨げになっているのではないか。
 菅前首相のように、小選挙区で敗れたのに、重複立候補した比例選で復活当選する仕組みが今なお続くのも納得しがたい。
 与野党からは、こうした問題点を踏まえ、中選挙区制の復活を求める声も出ている。それも排除すべきではないだろう。
 選挙制度改革には党利党略が絡む。政党同士よりも、有識者による客観的な議論が望ましい。

この読売新聞の問題点の指摘や見直しの主張には不十分さを感じるが、全国新聞の社説が現行制度の問題点を主張し、見直しを主張したことは、注目に値する。
(3)また、インターナショナルビジネスタイムスは、小選挙区選挙の弊害を指摘し、見直しをする。
IBTimes-2012/12/19
小選挙区 得票43%で議席79%に 弊害深刻

 社会民主党は今回の総選挙で現行の小選挙区制度が得票率と議席率の乖離、死票膨大など問題点を浮き彫りにしたとし「多様な民意が反映される公平な選挙制度へ抜本改革が急務」とアピールした。
 今回選挙で圧勝した自民党は小選挙区300議席のうち237議席を獲得したが、得票率は有効投票総数の43%に過ぎない。得票数のみの比率なら129議席になる。しかし、237議席を獲得し、議席数の79%を確保した。
 一方、民主党は有効投票の22.8%を得ながら議席数は27議席。議席数の9%と1割にも届かなかった。
 社民党は小選挙区は1議席だった。小選挙区制度では1選挙区に1人しか当選しないため、落選した候補に入れた票は議席に反映されず「死票」になる。
 一票の格差是正も問題なのだが、議席に反映されない死票の多さはもっと実際には深刻な問題で、選挙で民意を反映させるなら、43%の支持で79%の議席を得る状況は早急に改善すべきとの声は強い。
 むしろ、比例方式で政党名か政党の候補名を記述し、その獲得比率で議席数を配分していくか、従前の中選挙区制(一選挙区で複数議席を割り当て、得票順に上位から定員数までを当選にする方)に戻すべきだろう。自民党でも石原伸晃前幹事長は「中選挙区制度に戻すべき」との考えを有している。
 現制度で選挙がある度に、この制度欠陥が指摘され、改善の必要が取り上げられるが、選挙制度改革は議員定数削減とあわせて、喫緊のテーマで、早期の改革が求められる。

(4)さらに、スポニチも、小選挙区選挙の問題点を指摘する記事を書いている。
スポニチ[ 2012年12月16日 22:07 ]
作家の高村薫さん「勝ち過ぎを許した小選挙区制度に問題」
第46回衆院選 (12月16日)

 作家の高村薫さんの話 日本の経済力低下などに漠然とした不安やフラストレーションを持つ有権者が「頼りにならない民主党以外の何か」として自民党を選んだ。実績がなく、離合集散を繰り返した第三極は、足元を見透かされて伸びなかった。ただ民意がこれほどの自民圧勝を望んだとは思えず、勝ち過ぎを許した小選挙区制度に問題がある。選挙制度の見直しが必要だ。気掛かりなのは、自民党が政権公約に掲げた改憲や国防軍が、大きな争点にならなかったこと。新政権が数の力でこうした方向に極端に進めば、来年の参院選で押し戻す力が働くと思う。
(略)。

(5)自民党の石破茂幹事長も衆議院の選挙制度について見直しを検討すべきだとテレビ番組で述べたという。
[時事通信社] 2012年12月17日(月)19:21
衆院選挙制度の見直しを=自民・石破幹事長

 自民党の石破茂幹事長は17日のテレビ朝日の番組で、衆院選挙制度の小選挙区比例代表並立制について「(2005年の)郵政選挙、(09年の)政権交代選挙、今回の選挙と、ものすごく民意が振れた。選挙制度はこれでいいのかという議論はやっていかなければならない」と述べ、与野党で見直しを検討すべきだとの考えを示した。 

この石破茂幹事長の発言は、「ものすごく民意が振れた」ことを問題視していることから推測すると、小選挙区選挙の問題点を前提としているといえよう。

(6)この発言を含め、国会議員の発言については、以下の報道が比較的詳しい。
しんぶん赤旗2012年12月24日(月)
小選挙区制 見直し論噴出 有権者2割得票で8割議席

 16日投開票の総選挙結果を受けて衆院の選挙制度を見直すべきだとの声が噴出しています。有権者全体に対する得票率(絶対得票率)でみれば、自民党は小選挙区で24・67%、比例代表で15・99%にすぎないのに、300近い議席を得るという、民意とかけ離れた結果が背景にあります。

「制度に問題」
 2009年の前回総選挙での自民惨敗から今回の民主惨敗への結果を受けて、自民党の石破茂幹事長は「ものすごく民意が振れた。選挙制度はこれでいいのかという議論はやっていかなければ」(17日)と述べ、選挙制度見直しの検討を示唆しました。一方、大敗を喫した民主党からも「死に票がかなり出たということをどう考えるのか」(城島光力財務相、18日)との声があがっています。
 みんなの党の渡辺喜美代表は「選挙制度に相当問題がある」(17日)と批判。新党改革の舛添要一代表も「2割ぐらいの政党支持率で、議席をここまで取る選挙制度がいいのだろうか」と疑問を呈しています。

抜本改革必要
 選挙結果を受けて地方紙は「選挙制度の設計自体には、再考の余地」(長崎新聞20日付)、「民意をしっかり反映できる選挙制度改革を果たすことが立法府の義務」(北日本新聞18日付)との論説や社説を掲載。民自公3党の増税路線をけしかけてきた全国紙でも「わずかの得票差が大きな獲得議席差につながる小選挙区選挙の特徴がある。…選挙制度の見直し論議に火がつくのは必至だ」(「日経」17日付社説)、「現行の小選挙区比例代表並立制の問題点を洗い出し、中選挙区制の復活も含めて、抜本改革に踏み切る必要がある」(「読売」同)との指摘が出ています。
 小選挙区制の導入を主導した河野洋平元衆院議長も「あの時の選挙制度改革が正しかったかどうかは疑問だ」(「朝日」12日付)と述べるなど、現行選挙制度の欠陥は明らかです。
 自公民3党は、比例定数削減を狙って、来年の通常国会終了までに「選挙制度の抜本的見直し」をすることで合意しています。
 民意を切り捨てる定数削減ではなく、民意を反映する選挙制度への見直しが求められています。

(7)地方の知事のなかにも、小選挙区選挙の問題点を指摘し、見直しの必要性を語っている者がある。
毎日新聞 2012年12月18日 地方版
衆院選:知事「自民支持、多くない」 選挙制度改革訴え /静岡

 川勝平太知事は17日、16日に投開票された衆院選について記者らの取材に応じ、現行の小選挙区制では大政党が有利となり多様な民意が吸い上げられないことなどを指摘し、「自民党を支持した人が多いということではないと思う」と述べ、選挙制度10+件改革の必要性を訴えた。
 また、小選挙区で落選した候補が比例で復活当選できる比例代表並立制について、「負けながら当選している状況は非常に問題がある」と批判。今回の衆院選が県政に与える影響については、「国政をどのような方が担おうと地方自治を育てていく方向性は変わらない」と述べた。
(略)。【樋口淳也】

中日新聞 2012年12月18日・愛知
<知事会見詳報> 小選挙区制度は失敗

 衆院選から一夜明けた十七日、大村秀章知事は定例会見で、自民党が大勝した一方で、死票が多く出た選挙結果に「本当に民意を反映しているのかと、みんな感じているのではないか」と述べ、「小選挙区制は失敗だった。中選挙区を軸とする制度に変えるべきではないか」と指摘した。

 −総選挙の結果をどう受け止めるか。

 小選挙区と比例との乖離(かいり)が特徴的。民主党がへこんで第三極も分裂し、(自民は)比例が定数の30%程度の五十七でも、小選挙区では八割の議席を取る。この制度はこういうことかもしれないが、やはり違和感を感じる。
 二つの党が競り合っていくのがこの制度の前提だったが、それを六回やり、政党がこれまでにないぐらいばらけた。本当に民意を反映しているのかというのは、多くの国民が感じたことではないか。
 選挙は、民意を反映することと、決められる政治勢力をつくることが大事。小選挙区制度は失敗だったと思う。こんなことばかりしていると、当選が二回と続かないので政治家自身も真面目に政策を勉強してもばかばかしいということになってしまう。
 政治家の努力が報われる選挙制度にしないと、政治家が自分を磨かなくなる。中選挙区を軸とした制度に戻すべきではないか。同じ意見を持つ方が超党派でいるので、意見交換をしていきたい。
(略)。

産経新聞2012.12.23 08:00
国民の声届かない制度 埼玉・上田清司知事 

 「与党が野党の批判をしても仕方ない。そんなことはいまだかつてなかった。民主党は選挙戦で失敗した」。衆院選で自民党が圧勝したことを受け、県庁で取材に応じた上田清司知事は17日、民主党の敗因をこのように分析した。
 ただ、一方的な自民の勝ちぶりは目に余るようだ。「国民の支持率と占有議席率が大きく乖離(かいり)する傾向がある。差が広がれば国民の声が反映されていないことになる」と指摘。「第1党に一気に議席が流れる仕組み。何らかの見直しを検討した方がいい」と現行の選挙制度に疑問を呈した。
(略)

(8)総選挙の投票前だが、以下のような記事もあった。
京都新聞【 2012年12月02日 06時00分 】
野中広務さん 武村正義さん 小選挙区制、見直し訴える印刷用画面を開く

 「日本の政治土壌に合う制度は何か」とあらためて問う武村正義さん(大津市のホテル)=左と「政治家が党利党略に走り、大きな責任を忘れている」という野中広務さん(京都市南区の事務所) 議員定数削減を含む選挙制度の抜本的見直しが、次の通常国会で議論される。野田佳彦首相が自民、公明両党から合意を取りつけ、解散に踏み切ったが、今回選挙前の論戦は低調のようだ。政治の骨格を決める重要な課題で、中選挙区制復活論も聞こえる。約20年前に小選挙区比例代表並立制導入をめぐり議論を戦わせた元自民党幹事長の野中広務さんと当時、官房長官だった武村正義さんに、この問題について聞いた。

■野中氏、中選挙区復活を
 小選挙区比例代表並立制が法制化されたのは1994年。当時、導入に猛反対し「守旧派」のレッテルを貼られた野中さんの考えは今でも変わらない。「選挙に勝つことばかり考え、国家の方向、国民の幸せを議論しなくなると思っていた。政治家が小粒になったのも制度が大きな原因だ」と指摘する。
 なにより「小選挙区制は49・9%を抹殺し、50・1%を生かす誠に残虐な制度だ。国民世論を一つに絞り、いろんな国民の考え方を政治に反映しない、これが一番恐ろしい」と問題点を挙げる。実際に2005年、09年選挙とも第1党は、小選挙区では得票率が4割強なのに7割を超す議席を獲得している。大政党に圧倒的に有利で、中小政党に不利なことを見せつけた。

■武村氏、3人区連記制も
 一方の武村さん。自民党時代から政治改革に取り組み、新党さきがけを立ちあげて選挙制度改革を実現した主要人物の一人だ。これまで小選挙区制で5回選挙があったが「批判の声が高まっていることを承知している。もっといい制度が見つかるなら、変えたらいいと思っている」。
 当時、二大政党が政策を競い、政権交代の可能な政治状況をつくるという理想に燃えた。しかし、現在の制度では民意を的確に反映できないばかりか、多党化が進んだ上に、結集する力もなく、二大政治勢力が国民に選択肢を提示するという思いがかなわない現状に、見直しもやむなしとする。
 以前の中選挙区制は「政治と金」の問題から見直しの議論が始まった。同じ政党の候補が競うため政策論争にならず、金もかかるという理由だ。武村さんは「世界でも小選挙区制と比例代表制ぐらいしかない。どちらも長所、短所がある。最後の最後は2制度を重箱のように重ねた並立制で再出発しようという結論になった。妥協の産物だった」と明かす。
 そうしてできた小選挙区制を、では、どう見直すのか。武村さんは「(比例票で各党の議席配分が決まる)小選挙区比例代表併用制がやはり一番いいのかもしれない。しかし日本人は白か黒か選択するのが得意じゃない。昔の中選挙区でなく、3人区で2人の名前を書く連記制はひとつの案だと思う」。野中さんも「小選挙区が定着したので容易ではないが、せめて3人区ぐらいの中選挙区に変え、多様な意見を吸い上げられる制度にしなければならない」と提案する。
 野中さんは定数是正の議論にも言及する。「1票の格差」と定数是正の議論は人口が基本になっているが「選挙区によっては過疎の問題などを抱えている。人口だけでなく、面積などの要素も踏まえ、総合的に考えるべきだ」と求めた。


2.衆議院も参議院も比例代表選挙にすべきである!

(1)私は、拙著「これはほんとうに『民意』なのか」『世界』745号(2005年11月号)106〜111頁で、以下のように指摘しておいた。
選挙制度は特定の政党や、大政党同士の「白か黒かのオセロゲーム」のためにあるのではない。本来は主権者国民のためのものである。「虚構の上げ底政権」をつくり上げるために主権者の投票を利用すべきではない。国民主権を形骸化させず、国民を真に主権者の地位に戻すべきである。そのためには主権者の意思を正確に反映し、小政党も納得する公平な選挙制度が不可欠である。

(2)見直すとなると、政党の党利党略によりではなく、できるだけ中立・公正な選挙制度、言い換えれば、憲法の要請に応える選挙制度へと見直すべきである。

(3)まず、すでに「その3」で指摘したように憲法が普通選挙を採用している以上”投票価値の平等”を保障する選挙制度でなければならない。

この平等は、投票前だけではなく、投票時(後)も平等でなければならない。

そうすると、第一案としてあげられるのは、全国1区の大選挙区選挙である。

これには、「個人のみの立候補を認める方式」と、「政党など団体の立候補も認める比例代表選挙の方式」の2つが考えられる。

前者は、昔の参議院の全国区選挙である。

このいずれも、投票価値の平等は、選挙前も選挙時(後)も保障されることになる。
議員定数不均衡問題は生じず、これまでのように党利党略で不均衡が放置されることもない。

(4)第2案としてあげられるのは、”投票価値の平等”を保障しながら複数の選挙区を設ける場合である。

この場合には、各選挙区の定数を事前に定めず、投票後に各選挙区の投票率に比例し決定する方法がベストである。

選挙前だけではなく選挙時(後)も投票価値の平等が徹底して保障されるからだ。

(5)以上のいずれにおいても、議員の総定数については、「事前に固定して定める方法」と、「投票数に基づき事後に決定する方法」がある。

前者は日本でも従来採用してきたものである。
後者の場合、総定数は投票数の過多に応じて増減することになる。

必ず前者でなければならないとうわけではないだろう。

(6)以上の”投票価値の平等”を保障すること以外に、”民意の縮図”をつくることも憲法の要請である。

議会制民主主義にするためには、普通選挙を採用するだけではなく、限りなく直接民主主義に近づけるために、民意を正確・公正に国会へ反映することが要請されるからである。

(7)この憲法要請に最も応える選挙制度は、大選挙区選挙の比例代表選挙ということになる。

複数の選挙区(例えばブロック制)を採用する場合には、全国集計して比例配分する方式がベストである。

(8)憲法の”投票価値の平等”も”国民の縮図”の要請もともに充足する選挙制度は、比例代表選挙ということになる。

全国一区でも良いし、ブロック制を採用するのでも良いだろう。


3.議員定数は多いほどよい

(1)今の衆議院の比例代表選挙は、議員定数が180しかなく、かつ、ブロック制で11のブロックごとに各議員定数が事前に定められており、その各議員定数は必ずしも多いとは言い難く、特に四国や北海道などは、議員定数が少なすぎるから、比例代表選挙の長所が発揮されていない。
北海道ブロック  8
東北ブロック   14
関東ブロック   20
南関東ブロック  22
東京ブロック   17
北陸信越ブロック 11
東海ブロック   21
近畿ブロック   29
中国ブロック   11
四国ブロック    6
九州ブロック   21

(2)以下は、今回の総選挙における比例代表選挙における各政党の獲得議席数、議席占有率と得票率である。
これを見ると、議席占有率と得票率の間で格差が生じ、過剰代表と過少代表が生じている。
2012年総選挙における各政党の比例代表選挙での獲得議席数、議席占有率および得票率
政党名
獲得議席数(人)
議席占有率(%)
得票率(%)
自民党
57
31.7
27.6
日本維新の会
40
22.2
20.4
民主党
30
16.7
16.0
公明党
22
12、2
11.8
みんなの党
14
7.8
8.7
日本共産党
4.4
6.1
日本未来の党
3.9
5.7
社民党
0.6
2.4
新党大地
0.6
0.6
新党改革
0.2
国民新党
0.1
180
100
99.6

この過剰代表過少称代表は、小選挙区の場合と比べると大きくはないが、それでも比例代表選挙にしては大きい。
その理由は、比例代表選挙の議員定数、さらには各ブロックの議員定数が小さいからである。

(3)したがって、”国民の縮図”をつくり、その精度を高めるためには、議員定数は多いほどよいのである。

(4)また、財界政治や官僚依存政治を批判しチェックし、”真の国民のための政治”を実現するためには、議員定数は多くなければならない。

少数精鋭など、非現実的である。

膨大な分量の予算案や法律案をチェックするためには、多くの目でチェックする必要がある。

それゆえ、国会議員は多い方が良いのである。

(5)国際比較をしても今の衆参の国会議員の数(衆議院480、参議院242、計722)は少なすぎる。

日本の国会議員はアメリカに比べて多いという意見があるが、これは間違いである。
アメリカは大統領制で連邦制の国であり、日本のような議会制民主主義の国、議院内閣制の国でない。
議院内閣制を採用しているイギリスの人口は日本のほぼ半分で約6076万人なのに両院の議員数は日本のそれの倍近くの1388名(以前確認した数字、以下同じ)。
イタリアは人口5888万人で両院議員数は945名。
フランスは人口6164万人で両院議員数は920名。
いずれも日本の半分以下の人口なのに議員数は日本よりも多い。

日本の衆参国会議員数を、例えばイギリス並みにすれば、2902名になる。
つまり2180名増やさなければならない。

イギリス上院(貴族院)と日本の参議院は性質が異なるとして比較から除外しても、衆院議員は480名でイギリス下院(庶民院)は646名(人口同様以前の情報)だから、人口比で衆院議員をイギリス並にすれば1351名になる(871名増やさなければならない)。

(6)日本の戦後すぐと比較しても、国会議員の数は少ない。

1946年衆院総選挙のとき有権者数は約3688万人で衆議院の議員定数は466。
10年の参院選の有権者数は約1億403万人。
有権者数は2.82倍になっている。

終戦直後の有権者数を基準にすれば衆院の議員定数は終戦直後の466の2・82倍すなわち1314名であってもよいはずである。

1947年の人口は約7810万人で、2008年の人口は1億2769万人であった。人口は1・63倍になっている。
衆議院の議員定数は終戦直後の466の1・63倍、すなわち760名であってもいいはずである。

参議院の総定数は1947年で250(全国選出議員100、地方選出議員150)であった。
これを、前述のように、「有権者数」を基準にして2・82倍すると705名にしてもいいし、「人口数」を基準にして1・63倍すると408名にしてもいい計算になる。

(7)衆議院議員の総定数480、参議院議員の総定数242は、やはり少なすぎる。

もっと増やすべきである。

(8)議員定数増員の財源はある。
既に指摘してきたように政党交付金(年間約320億円)である。
この一部を削減すれば、財源はある。

議員定数削減論批判と民主党への注文

(9)中選挙区制時代、衆議院の議員定数は最高512のときもあった。
その後、議員定数は削減されてきた。
削減とともに、国民は豊かになるどころか、ますます貧しくなっている。
ワーキングプア、格差社会という現実がそれを証明している。

(10)議員定数を削減すべきであるとする意見は、財界言いなり政治、アメリカ従属政治、官僚依存政治を推進する論者がしばしば主張しているものである。

このような政治を批判し、否定するのであれば、議員定数削減に反対し、さらに、議員定数を増やし、民意をもっと国会に反映する政治を主張すべきである。


4.比例代表選挙も無所属も立候補を認める等改善すべきである!

(1)しばしば比例代表選挙を否定・批判する理由に無所属などが立候補できないことをあげる方がある。

しかし、それは、今の比例代表選挙が無所属の方お一人で立候補できないことが前提になっている。

(2)それゆえ、法律(公職選挙法)を改正し、無所属の方も比例代表選挙に立候補できるようにすれば良いのである。

(3)また、比例代表選挙は政党しか選択できず、人を選択できないという意見があるが、これは、現行の衆議院の比例代表選挙が拘束名簿式であり、それを前提にした意見だ。

これについては、非拘束名簿式に法律改正すればよいだけである。

(4)もっとも、拘束名簿式であれば憲法違反であるというわけではない。
また、拘束名簿式が全面的に問題なのではない。

それゆえ、拘束名簿式を全面否定する必要はないし、拘束名簿式と非拘束名簿式の混合を採用することも選択肢の一つに入れておいても良いだろう。

私は現時点では非拘束名簿式比例代表制を主張するが、拘束名簿式や両者の混合式をぜん麺的に排除するものではない。

(5)なお、参議院の比例代表選挙は一応非拘束名簿式だが、典型的な非拘束名簿式とは異なる。
参議院のそれは、候補者個人に投票するのを原則とし、政党に投票することも例外的に認めている。
しかし、典型的な非拘束名簿式は、有権者が政党を選択した上でその名簿登載者の順番を付けるものである。

(5)非拘束名簿式として考えられるのは、有権者が選択した政党・政治団体の比例代表名簿登載者全員に順位を付ける方法と、その名簿登載者のうち一人だけを選択する方法とが考えられる。

前者が理想だが、現時点では後者でも良いだろう。

なお、無所属の候補者に投票する場合には、その候補者名を選択するだけになる。

(6)無所属の立候補を保障するとき、どのようにして当選を決めるのか、いくつか考えられる。
それについては、またの機会に投稿することにする。


5.議会制民主主義を確立するには、供託金制度の廃止、選挙運動の原則自由化、企業・団体献金の全面禁止、政党助成の廃止が不可欠だ!

(1)原稿の法律は、国民が立候補するには、衆議院小選挙区選挙・参議院選挙区選挙で一人300万円、衆参の比例代表選挙で一人600万円を供託するよう要求している(ただし衆議院の重複立候補者は合計600万円)が、これは、制限選挙の考えに近いものであり、普通選挙を採用している以上違憲であるから廃止すべきである。

供託金問題は小選挙区問題でもある

供託金の引き下げだけではなく小選挙区選挙の廃止も考えるべきだ!

(2)また、選挙運動は原則自由にすべきである。

「べからず選挙法」は改正されるべきだ!

「べからず選挙法」は改正されるべきだ!(その2)

(3)議会制民主主義が成立するためには、普通選挙だけでは不十分だ。
すでに指摘したように、民意を正確・公正な反映な国会への反映、また、立候補の自由、選挙運動の自由が、保障される必要がある。

(4)政治や選挙を歪めてしまう企業・団体献金は、株主や組合員の政治的思想・信条を侵害するから、全面禁止されなければならない。

企業献金は本来許されないから法律で禁止すべきである!

(5)また、政党助成制度も国民の自己決定権を侵害しているから廃止しなければならない。

個人の意思を尊重しない政党助成制度

(6)議会制民主主義が確立する日を願っている。

いつになったら議会制民主主義が確立するのか?


おわりに

(1)以上の私の見解は、基本的に、これまで論文でもこのブログでも書いてきた。
この連載投稿の「その1」で紹介したので、確認していただきたい。

(2)ここでは、最近のもので、読みやすいものだけを挙げておく。

播磨信義・上脇博之・木下智史・脇田吉隆・渡辺洋『新・どうなっている!?日本国憲法〔第2版〕』(法律文化社・2009年)

上脇博之『議員定数を削減していいの?』(日本機関紙出版センター・2011年)

坂本修・小沢隆一・上脇博之『国会議員定数削減と私たちの選択』(新日本出版社・2011年)。


(3)このブログの投稿の主要なものは、以下である。

「上げ底政権」を作ってきた小選挙区選挙は廃止すべきだ

政治改革はやり直せ!(その2):小選挙区制は廃止しろ!

民意を歪める小選挙区制はやはり廃止するしかない!

09年総選挙の小選挙区選と比例代表選の各得票数の乖離と政策選挙

一人一票運動における今夜のツイッターでの呟き

(この連載、終わり)

小選挙区選挙は廃止しかない(その3:小選挙区選挙は政権選択選挙にも適しているとは言い難く違憲だ!)

はじめに

(1)今月16日の衆議院総選挙の結果について、先日から小選挙区選挙の問題点を指摘し、小選挙区選挙を廃止することを求める連続投稿を始めた。

「その1」では、民意を切り捨てる「死票」が56%にも達すること、そのため、投票率が60%に達しなかったことを指摘した。

小選挙区選挙は廃止しかない(その1:民意切り捨て・・・56%の死票)

「その2」では、小選挙区選挙の問題点の第三として小選挙区選挙が民意を正確・公正に反映しないだけではなく、歪曲していることを指摘した。

小選挙区選挙は廃止しかない(その2:民意の歪曲・・・比例代表制なら自民党294議席は132議席程度)

(2)以上で指摘した問題点や私の書いた見解に対しては、小選挙区選挙が政策選挙、政権選択選挙になるから私の指摘した問題点はやむを得ないから私見は妥当ではないとの反論が予想されるので、以下では、小選挙区選挙が政策選挙、政権選択選挙にも適しているとは言い難いことを指摘したい。

また、民意が一党優位状態、二大政党状態にないから、小選挙区選挙を採用する大義が存在しないことを指摘したい。

そして、そもそも小選挙区制が憲法の要請に応えていないどころか、違憲であることを指摘したい。


1.小選挙区選挙が政策選挙、政権選択選挙になるとは言い難い・・・民意とは反対の政権を誕生させる可能性あり!

(1)この度の総選挙も、小選挙区選挙中心の選挙制度で施行されたわけであるが、政策選挙になったのだろうか?
以下の東京新聞の記事を見ると、政策選挙になっていないことがわかる。
東京新聞 2012年12月17日 朝刊
脱原発 世論6割、当選3割 3大争点すべてズレ

 衆院選では、原発政策とともに大きな争点だった消費税増税や憲法九条でも民意と選挙結果に隔たりのある結果となった。本紙が公示直前に行った世論調査と、東京都の二十五選挙区に立候補した百三十四人を対象に行ったアンケートを比較するとその差は歴然としている。
 原発では、世論の約六割が原発ゼロを訴えていたが、東京の二十五選挙区でも自民党候補が続々と勝利。当選した自民党の中にはアンケートで「原発ゼロ」と答えた候補もいたが、二十五人の中で脱原発を求める当選者は28%にとどまった
 消費税増税について世論調査では反対が55・6%で、半数を超えていた。
 消費税増税は民主党と自民、公明両党の三党の枠組みで決めた。マニフェストで約束していなかったのに増税を決めた民主党は、世論の批判をまともに受けて惨敗。しかし、その代わり自民党が小選挙区で躍進し、公明党も議席を獲得したため、結局、増税勢力が多数を占めた
 憲法九条は、世論調査では改憲反対と賛成が拮抗(きっこう)していたが、選挙結果では改憲し「国防軍」を明記すると主張した自民党が勝利。維新も含めた「改憲勢力」で三分の二を占めた全国的な傾向と同様の結果となった。

世論調査と小選挙区のずれ











(2)総選挙前の民主党政権の下では、しばしば衆議院と参議院の多数派が異なる逆転現象(ねじれ現象)が指摘されたが、それよりも、もっと重大だったのは、国民の多数派の意思と国会の多数派の意思の逆転現象(ねじれ現象)だった。

先の国会では、民主党、自民党、公明党による「事実上の連立政権」が誕生していた。

財界政治・対米従属政治、「事実上の大連立」、民自二大政党制の崩壊その1(はじめに)

まず、原発問題について言えば、民自公はいまだに原発推進または原発肯定であるが、国民の多数は脱原発の立場であった。
すでに紹介したように、朝日新聞社が今年5月に実施した世論調査によると、原発に対する政府の安全対策を「信頼している」は「大いに」「ある程度」を合わせて21%にとどまり、「信頼していない」が「あまり」「まったく」を合わせて78%。
大飯原発の運転再開については、反対が54%で、賛成の29%を上回っていた。
野田政権が新しいエネルギー政策を決めるための「国民的議論」としてきた討論型世論調査、意見聴取会、パブリックコメント(意見公募)の結果が8月22日出そろい、2030年の電力に占める原発割合について、すべての調査で「原発ゼロ」の支持が最も多かった。

財界政治・対米従属政治、「事実上の大連立」、民自二大政党制の崩壊その2(原発問題)

次に、消費税増税について。
これも同様。
例えば、共同通信社が今年8月11、12日実施した世論調査によると、消費税増税法成立に基づく税率引き上げに反対と回答したのは56・1%で、賛成の42・2%を上回りました。大手全国新聞が消費増税を推進する紙面づくり、社説を掲げましたが、それでも消費増税反対は過半数を維持していた。

財界政治・対米従属政治、「事実上の大連立」、民自二大政党制の崩壊その7(消費税増税問題)

最後に、オスプレイの配備について。
これも、民自公はこれに反対せず、国民の多数は反対。
例えば、時事通信社が今年8月中旬に実施した世論調査によると、オスプレイの米軍普天間飛行場への配備をめぐり、「安全性が確認できれば沖縄配備を認めるとする政府方針」について聞くと、「支持しない」が57・8%で、「支持する」は32・5%にとどまっていた。 
時事通信 (2012/08/19-14:22)
尖閣国有化、7割超賛成=オスプレイ不支持58%−時事世論調査

 (略)
 調査は、中国領有権を主張する香港の活動家が尖閣諸島に上陸する前の9〜12日、全国の成人男女2000人を対象に個別面接方式で実施した。有効回収率は63.5%。
(略)。
 一方、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)への配備をめぐり、「安全性が確認できれば沖縄配備を認めるとする政府方針」について聞くと、「支持しない」が57.8%で、「支持する」は32.5%にとどまった。

(3)小選挙区選挙中心の選挙制度では、民意を正確に反映しないどころか、歪曲すると指摘したが、さらに、国民の多数派とは逆の政治が強行されているのである。
これは、政策選挙が実現していない結果でもある。

(4)また、これは政権選択選挙になっていない証でもある。

さらにわかりやすい例を紹介しよう。

それは、イギリスの過去の例である。
1951年の選挙で、保守党は約1372万票で321議席を獲得したが、労働党は、それよりも多い約1395万票でありながら、議席数はそれよりも少ない295議席だった。
1974年の選挙では、労働党は1164万票で301議席を獲得したが、保守党はそれよりも多い1187万票でありながら、議席数はそれよりも少ない297議席だった。

つまり、得票数第一の政党が獲得議席数第一の政党にならず、得票数第二の政党が獲得議席数第一の政党になっているのである。

これは、国民(投票者)が政権交代を求める投票をしたのに政権交代が起こらないこと、あるいは逆に、政権交代を求めない投票をしたのに政権交代が起こってしまうことを意味する。

これでは、政権選択選挙とは言えない。

(5)実は、半数改選される参議院通常選挙における選挙区選挙では、「事実上の1人区」と「事実上の2人区」が多い。

選挙区選挙の「事実上の定数」73の内訳は、定数1が29選挙区(29名選出)、定数2が12選挙区(24名選出)、定数3は5選挙区(15名選出)、定数5が1選挙区(5名選出)。
事実上の1人区・2人区で73名のうち53名(約73%)が選出される。

2010年の参議院通常選挙で、自民党が民主党よりも多くの当選者を出した。
比例代表を含め議席占有率は民主党が約36%で、自民党は約約42%だった。
しかし、選挙区の得票率も、比例代表得票率も、自民党よりも民主党の方が多く、自民党は約33%、約24%だったのに対し、民主党は約39%、約31%だった。

やはり民意を歪曲する選挙区選挙は廃止するしかない!

(6)今、自民党と公明党で連立政権が組まれようとしている。

しかし、今回の総選挙がもし比例代表選挙だけで施行されていたら、総定数480議席のうち、自民党は132議席程度で、公明党は56議席程度であったと試算されることを紹介したが、両党だけでは188議席程度になる。
これでは、過半数にならない。

そうすると、自民党と公明党は、他党を加えて連立政権を誕生させることになる。

あるいは、自民党と公明党を除き、他の複数の政党により連立政権が誕生するかもしれないのである。

このことは、過去の総選挙でも同様のことが言える。

言い換えれば、中選挙で施行された1993年総選挙で政権交代が起きたが、その翌年村山内閣で自民党が政権復帰して以降2009年の政権交代まで政権交代が起きなかったのは1994年に小選挙区選挙中心の選挙制度を採用してきたからであったという可能性があるのだ。

小選挙区選挙は廃止しかない(その2:民意の歪曲・・・比例代表制なら自民党294議席は132議席程度)


2.民意は多党状態で、一党優位状態でも二大政党状態でもない!

(1)小選挙区選挙中心の選挙制度によると、一党優位制あるいは二大政党制が誕生するが、民意は、1994年の並立制導入から18年が経過し、6回の総選挙を経たものの、一党優位状態でも二大政党状態でもなく、多党状態である。

例えば、NHKの世論調査の政党支持率についての調査結果によると、
今年(2012年)では、27%を超えた政党はひとつもない。
自民党と民主党の支持率の合計も、総選挙が施行された12月の事前の調査で40%を超えたものの、それまでは40%を下回っている。

http://www.nhk.or.jp/bunken/yoron/political/index.html

(2)この度の総選挙における比例代表選挙における得票率を見ても、第一党の自民党でさえ27.6%にとどまり、第二党の日本維新の会は20.4%であり、両党の得票率を合計しても、50%に達しない48%程度である。

小選挙区選挙は廃止しかない(その2:民意の歪曲・・・比例代表制なら自民党294議席は132議席程度)

(3)また、今回、自民党は「圧勝」したが、この「圧勝」は、国民の支持を回復した結果ではない。
「圧勝」した今回の比例代表選挙における得票数は約1662万票強であるが、敗北した先回(2009年)のそれは約1881万票だった。
つまり、自民党は、先回に比べ今回得票を約219万票も減らしているのに、小選挙区選挙のおかげで「圧勝」したのである。

また、民主党は先回のそれが約2984万票強であったのに今回のそれは約962万票強で、約2022万票減らしている。

先回の自民党、民主党の比例代表選挙の得票数を合計すると、約4865万票であったが、今回の自民党、民主党の他に、比例代表選挙で第二党に躍り出た日本維新の会の得票数約1226万票強を加えても、約3851万票にしかならない。
つまり、今回の三大政党の得票数は先回の二大政党の得票率よりも1014万円少ないのである。

(4)これでは、「民意は一党優位化している」とも「民意は二大政党化している」とも、到底言えそうにない。

実際の民意は多党化しているのである。

(5)それなのに、民意を歪曲する小選挙区選挙によって人工的に一党優位制あるいは二大政党制をつくりだすことは、あまりにも不自然であり、異常であるとしか言い様がない。

これを民主主義が許容しているとは到底考えられないし、これは、民意とは逆の政治・政策が強行されてしまう所以であろう。

(6)先の国会では、前述したように、民主党、公明党、自民党による「事実上の大連立」が生まれていた。

二大政党が対峙しあわず、「談合」しているのであれば、人工的に二大政党制を作り出す必要はどこにもない。

(7)したがって、民意の正確・公正な反映を犠牲にしてまで、小選挙区選挙を採用している大義は存在しないのである。


3.衆議院の小選挙区選挙と参議院の選挙区選挙は違憲である!

(1)先の国会では、問題のある衆議院の選挙制度を固定化・先鋭化する昨動画強行され、かつ、意見の状態でこの度の総選挙が施行されたことは、すでにこのブログで投稿した。

「事実上の大連立」による、衆参の非民主的選挙制度の固定化・先鋭化の策動

民自公談合による衆議院解と違憲状態の小選挙区選挙での総選挙

(2)総選挙直後、投票価値の不平等については、一斉に訴訟が提起された。
(2012年12月17日21時56分 読売新聞)
「1票の格差」違憲状態で衆院選無効…一斉提訴

 最高裁が「違憲状態」とした選挙区割りのまま行われた今回の衆院選は違憲だとして、二つの弁護士グループが17日、27選挙区の選挙無効(やり直し)を求めて全国の8高裁・6支部に一斉提訴した。
 前回衆院選を巡る訴訟では高裁で「違憲」や「違憲状態」の判決が相次いでおり、早ければ来春にも出そろう各高裁の判断が注目される。
 格差が最大2・30倍だった前回衆院選について、最高裁は昨年3月、小選挙区の定数を各都道府県にまず1議席ずつ配分して、残りを人口比で割り振る「1人別枠方式」が格差を生む原因だと指摘し、同方式の廃止を求めた。
 これを受け、同方式の廃止と格差を是正する「0増5減」を盛り込んだ選挙制度改革法が、衆院解散した11月16日に成立した。しかし、区割りを見直す時間はなく、衆院選は違憲状態のまま行われ、最大格差も2・43倍に拡大していた。

(3)憲法は普通選挙を採用している(第15条第1項・第3項)。

普通選挙は制限選挙を否定しているので、”一人一票原則”を採用することになる。

そうすると、憲法は、当然“投票価値の平等”を要請してることになる。

言い換えれば、普通選挙では当然“投票価値の平等”が保障されなければならないのである。

(4)したがって、まず、投票する前に、投票価値の平等が保障されなければならない。
つまり、選挙区を複数設ける場合には、「有権者数」に基づき“一票の価値”は限りなく平等でなければならない。

だが、投票前だけ平等であっても、投票時(後)にも平等でなければ、本当に平等の選挙が行われたことにはならない。
それゆえ、「投票者数」に基づき“一票の価値”は限りなく平等でなければならない。

憲法はこの2つの平等を要請していると解され、国会は、この要請に応える選挙制度を採用するよう義務付けられている。

(5)この2つの平等を考えるとしても、国会議員の定数は整数なので、複数の選挙区を儲ける場合、各社が生じてしまう。

しかし、格差2倍以上は例外なく違憲である。
とはいえ、「格差2倍以内は当然合憲」というわけではない。
「より平等を保障する選挙制度が社会科学的に考えられるのであればそれを採用しなければ違憲」であると解すべきである!

(6)全国一区の大選挙区制(かつての全国区)は、先の2つの平等の要請に答えるものである。

選挙区を複数設ける場合には、事前に各選挙区の「定数」があると、投票前の平等は保証できたとしても、投票時(後)の平等が必ず保障されるあけではない。
例えば、投票前にほとんど格差がなくても、投票率90%の選挙区と投票率45%の投票率の選挙区とでは、各差が2倍になってしまうからだ。

したがって、複数の選挙区を設ける場合には、各選挙区の議員「定数」は投票後に決定される選挙制度を採用しなければならない。

それゆえ、事前に選挙区を画定し、各選挙区の定数を1と固定する小選挙区選挙は違憲である。

参議院の選挙区選挙も事前に選挙区を画定し各選挙区の定数を定めているから違憲である。

(7)憲法は、衆議院と参議院の二院制を採用しているが、いずれも戦前と異なり、民選によることを要請している(第42条・第43条)。

したがって、二院制・参議院の存在意義を喪失させるような選挙制度は憲法が許容してはいないと解される。

より具体的に言えば、法律案は衆議院で「3分の2以上」で再可決すれば法律として成立するのであるから、得票数(率)が全体の「3分の2未満」の政党・政治団体などが議席数で「3分の2以上」を獲得させるような選挙制度は、二院制を採用している憲法が許容していないと解されるのである。

それゆえ、過去の総選挙の結果を見ると(今回もそうなりそうだ)、得票数(率)が全体の「3分の2未満」の政党等に、議席数で「3分の2以上」を獲得させている。
その最大の理由は、小選挙区選挙で第一党に過剰代表という特権を与えてしまっているからである。

それゆえ、小選挙区選挙は違憲である。

(8)また、衆参の逆転(ねじれ)現象は有権者・投票者が許容した場合のみ許容され、有権者・投票者が許容しない場合には衆参の逆転(ねじれ)現象は許容されないと言えよう。

しかし、2010年の参議院通常選挙では、すでに指摘したように、逆転現象を生み出しているが、これは、参議院の選挙区選挙が1人区・2人区が多くて非民主的であるからだ。
したがって、参議院の選挙区選挙も違憲である。

(9)議会制民主主義は民意の正確・公正な議会への反映を要請している。

そもそも民主主義とは本来直接民主主義のことである。
とはいえ、主権者(日本では約1億人)がどこか一箇所に集まり、議論し、結論を出すことは、事実上不可能であるから、直接民主主義は基本的に採用できない。
それゆえ、やむを得ず代議制・議会制を採用することになる。

代議制・議会制を限りなく(直接)民主主義に近づけて初めて、議会制民主主義にすることができる。
普通選挙を採用しただけでは不十分であり、“主権者国民(有権者・投票者)の縮図”を国会(各院)に形成しなければならない(他の条件も必要だがここでは省略)。

これは社会学的代表と言われ、憲法が要請している(第43条)。

したがって、この要請に答えない小選挙区選挙は、違憲である。

参議院の選挙区選挙も同様に違憲である。


4.裁判所は違憲・無効判決を下すべきだ!

(1)衆議院の小選挙区選挙も参議院の選挙区選挙も以上の理由で違憲であるから、国会は、即刻いずれも廃止すべきである。

ところが、国会は、憲法の要請に応えず、憲法違反の選挙制度を維持してきた。

(2)それゆえ、裁判所は、衆議院の小選挙区選挙も参議院の選挙区選挙も違憲である、と判示するしかないだろう。

(3)そして、裁判所は、衆議院の小選挙区選挙による選挙も、参議院の選挙区選挙による選挙も、無効であるとの判決を下すべきである。

この無効判決は、判決日以降無効とし、遡及させなければ、大きな混乱は生じないだろう。

また、衆議院も参議院もそれぞれ比例代表選出議員がいるのだから、それらの議員で衆参の選挙制度を憲法の要請に応えるものに抜本改正すれば良い。

(4)そして、衆議院は、抜本改正された選挙制度ですぐに総選挙すべきである。

(つづく)

憲法会議の声明「あらゆる改憲策動の阻止のため、憲法を学び、守り、生かす国民的世論と運動を広げよう ─総選挙結果をふまえて」の紹介

(1)今月(2012年12月)16日の総選挙の投開票の前に、このブログで、幾つかの声明を紹介した。

兵庫県憲法会議のアピール「日本国憲法の改悪許さず、活かされる社会に」の紹介

講演レジュメ「緊迫する憲法情勢〜 海外での武力行使に向け解釈(立法)改憲・明文改憲の危険性高まる 〜」

総選挙に関する日本ジャーナリスト会議の選挙報道声明と憲法アピールの紹介

(2)また、特に憲法改悪問題等について取り上げて投稿した。

主権者国民は再び日本経団連の政党「買収」を許す総選挙結果にするのか!?

自衛隊の武力行使等「合憲」の明文・解釈(立法)改憲は平和的生存権も全面否定へ!

自衛隊員らは戦死を強いる改憲政党に投票するのだろうか?

(3)総選挙後、総選挙における小選挙区選挙の問題点を指摘する投稿の連載を行っている(まだ続いている)。

小選挙区選挙は廃止しかない(その1:民意切り捨て・・・56%の死票)

小選挙区選挙は廃止しかない(その2:民意の歪曲・・・比例代表制なら自民党294議席は132議席程度)

(4)憲法改悪阻止各界連絡会議(憲法会議)が、本日付で、声明「あらゆる改憲策動の阻止のため、憲法を学び、守り、生かす国民的世論と運動を広げよう ─総選挙結果をふまえて─」を発表した。

以下これを紹介し、記録に残すことにする。
【声明】 あらゆる改憲策動の阻止のため、憲法を学び、守り、生かす国民的世論と運動を広げよう ─総選挙結果をふまえて─

                          2012年12月22日
                       憲法改悪阻止各界連絡会議(憲法会議)

1.12月16日の衆議院総選挙の結果、自公政権が復活する見込みです。
 自民党の多数の議席獲得は、消費税増税や原発問題などでの民主党の裏切りへの国民の怒りによるものであり、自民党への期待とはいえません。自民党などの公約は、アメリカいいなり・財界中心の立場をよりあらわにしたもので、これを実行するなら国民との矛盾を更に深刻にします。
 同時に自民党の議席は、民意を歪める現行選挙制度による「虚構の多数」ともいうべきものです。自民党は小選挙区では43%の得票(しかも前回比165万票の減)で237議席(占有率79%)を得ました。衆議院全体の6割超となった自民党の議席は、対有権者では小選挙区24%、比例代表では15%に過ぎません。
 小選挙区制を廃止し、民意を反映し、民主主義の根幹であり、1票の平等を保障する選挙制度への抜本的改革を改めて求め、新政権がねらう比例定数削減など決して許してはなりません。

2.憲法を正面から否定・破壊する策動の規模と内容は、かつてない深刻な状況です。自民党は選挙公約に、国防軍の創設、基本的人権の制限など憲法の原則を根本的に転換する「日本国憲法改正草案」を中心にすえ、改憲前にも集団的自衛権行使を可能とし、9条を事実上破壊する「国家安全保障基本法案制定」などを掲げました。安倍晋三自民党総裁は選挙後、いくつかの党の賛同を見込み、「改憲の慣れ」をもくろんで、当面改憲手続き・発議要件を定めた96条の改定に着手することを表明しています。並行して、「日米防衛協力の指針」を改定し、集団的自衛権行使を可能にすることを急いでいます。来夏、参院での改憲勢力の多数化を図り、「9条改正」をねらっていることは明らかです。改憲論議を否定しない公明党、自主憲法制定や核武装を是とする維新の会や集団的自衛権行使を主張するみんなの党など、これに同調する改憲勢力の存在も無視できません。
 自民、維新、みんなの3党の衆議院での議席は76.9%にも及びます。また新議員の憲法への態度は、「憲法改正賛成89%(反対6%)、集団的自衛権行使賛成79%(反対15%)」(12/18「朝日」)という現状です。

3.改憲・9条破壊の公約は、国民の信任を得たものではありません。自民党など改憲勢力は、国民の反撃を恐れて、選挙中の論戦でこぞって発言を回避しました。
 自民党と「改憲連合」が、改憲・9条破壊をもし強行しようとすれば、国内だけでなく、アジアと世界の世論とも真っ向から衝突します。国民の多数は、平和を願い、戦後続いた自民党型政治が憲法を敵視してきたことを見抜き、改憲反対・憲法を生かすことを切実に望んでいます。アジアと世界のマスコミは選挙後、「9条改憲」への懸念と警戒を繰り返し報道しています。
改憲反対の国民世論が多数である限り、改憲を許すことはありません。

4.憲法会議は、1965年結成の原点とそれ以来のたたかい、2004年に発足した九条の会の活動が世論を喚起し、改憲勢力を追い詰めた経験を想起し、広範な政党や団体、個人などとともに壮大な世論と運動、国民的共同を構築し、たたかうことを呼びかけます。
 憲法会議は、憲法を学びあい、集団的自衛権行使=9条への攻撃・破壊などの解釈改憲、明文改憲のあらゆる策動を許さず、9条、25条をはじめとする憲法の条文と精神を完全に生かし、実現するため、先頭に立ち、全力でたたかう決意を表明します。

                               以 上
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