上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場

憲法研究者の社会活動の一環として、ブログを開設してみました(2008年4月5日)。 とはいえ、憲法問題全てについて意見を書くわけではありません。 政治問題について書くときがあるかもしれません。 記録として残しておくために、このブログを使用するときがあるかもしれません。 各投稿記事の右下の「拍手」が多いようであれば、調子に乗って投稿するかもしれません。 コメントを書き込まれる方は、カテゴリー「このブログの読み方とコメントの書き込みへの注意」の投稿を読んだ上で、書き込んでください。 皆様のコメントに対する応答の書き込みは直ぐにできないかもしれませんので、予めご了解ください。 ツイッターを始めました(2010年9月3日)。 https://twitter.com/kamiwaki フェイスブックも始めました(2012年7月29日) http://www.facebook.com/hiroshi.kamiwaki.7 かみわき・ひろし

2018年01月

上脇博之『ここまできた小選挙区制の弊害―アベ「独裁」政権誕生の元凶を廃止しよう!』あけび書房

(1)この度、
小選挙区制を批判し、その廃止を訴える単著を、
「あけび書房」から出版しました。

上脇博之『ここまできた小選挙区制の弊害―アベ「独裁」政権誕生の元凶を廃止しよう!』あけび書房


書店では、来月(2018年2月)3日から販売されますが、
「アマゾン」では、すでに予約注文の受付が始まっています。


https://www.amazon.co.jp/dp/4871541584/ref=dp_return_1?_encoding=UTF8&n=465392&s=books


「楽天ブックス」は以下です。
https://books.rakuten.co.jp/rb/15328651/



(2)以下は、「はじめに」の一部です。


・・・小選挙区選挙はそれに反する選挙制度です。民意を歪曲し与党の過剰代表により「虚構の上げ底政権」をつくり出してきたからです。安倍政権・与党が「3分の2」の議席を獲得して圧勝し、二院制・参議院の存在意義を事実上否定できるに至ったのは、民意の結果ではなく、違憲の選挙制度のお陰にすぎないのです。このことは小選挙区選挙導入以降同様に起こってきた異常状態です。したがって、今の日本は決して議会制民主主義の国とは言えません。

安倍政権はこれまで立憲主義を蹂躙する違憲の法律(例えば、安保関連法=戦争法や共謀罪法=現代版治安維持法)を制定してきましたが、それは、憲法の要請する議会制民主主義の選挙制度に基づきおこなわれたわけではありません。自公与党は、違憲の選挙制度のお陰で立憲主義と民意を蹂躙してきました(本書第3章)。

つまり、民主主義の結果として立憲主義が蹂躙されたのではなく、民主主義が実現していない結果として立憲主義と民意が蹂躙されたのです。「独裁」国家と実質的には変わらない政治です。
・・・

(3)目次(概要)は以下です。


はじめに

第1章●衆参の選挙制度の仕組み

国民主権主義、選挙権、被選挙権
議員定数と選挙制度
衆議院の選挙制度の仕組み
参議院の選挙制度

第2章●衆院小選挙区選挙と参院選挙区選挙の問題点

小選挙区での膨大な死票と低い投票率
小選挙区選挙による「虚構の上げ底政権」
二院制と矛盾する選挙結果
民意を歪曲する参議院選挙区選挙
逆転現象の危険性
政権交代を阻んできた小選挙区制

第3章●立憲主義・民意の蹂躙、国民生活の破壊

保守二大政党化画策の失敗と民意の多党状態
自民党のバブルな政治資金と「政治とカネ」問題
立憲主義と民意の蹂躙
格差社会を生み出した「聖域なき構造改革」

第4章●憲法が禁止・要請している選挙制度

「国会の自由裁量」論は間違い
選挙制度についての憲法要請
憲法の要請に反する選挙制度と充足する選挙制度
供託金制度、立候補制限の問題

第5章●議員定数削減と改憲論への批判

選挙制度改革私案
保守政党が議員定数削減を叫ぶ理由
国会議員は少なすぎる
見直しを求める世論
どのような比例代表制がいいのか
ベターな選挙制度改革案
選挙制度の改憲論への批判

あとがき


(4)小選挙区制、選挙制度、民主主義、立憲主義等に関心のある方々に、
是非とも一読いただければ幸いです。

開かずの扉を大きく開いた最高裁判決(官房機密費情報公開訴訟)

(1)2018年1月19日午後3時、最高裁判所第二小法廷は
開かずの扉を大きく開き、真っ暗闇に大きな光をさしこませる
画期的な判決を出しました。

これまでの投稿は以下でご覧ください。

http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/cat_10042007.html


(2)記録に残すために、NHKの報道をご紹介しておきます(今なら動画も見ることができます)。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180119/k10011294731000.html

最高裁が官房機密費文書の一部公開命じる
1月19日 17時14分

いわゆる官房機密費の情報公開をめぐる裁判で、最高裁判所は、内閣官房の協力者の氏名が明らかになると情報収集などに支障が出るという考え方を初めて示しました。一方で、月ごとの支払い合計額などがわかる文書は相手を特定するのが困難だとして公開を命じる判決を言い渡しました。

いわゆる官房機密費は、官邸の情報収集などの活動に支障が出るおそれがあるとして使いみちなどが明らかにされていませんが、大阪の市民グループは、安倍総理大臣が官房長官だった時など3回にわたって機密費の文書の公開を求め、裁判を起こしました。

このうち2件では大阪高等裁判所が一部の公開を認めた一方、残りの1件では大阪高裁の別の裁判長がほぼすべての公開を認めず、判断が分かれていました。

19日の判決で最高裁判所第2小法廷の山本庸幸裁判長は、内閣官房は重要政策の関係者に非公式の協力を依頼することがあり、氏名が明らかになると情報収集などに支障が出るおそれがあるという考え方を初めて示しました。

そのうえで、2審では公開が認められた情報収集などに使われる経費の個々の支払い決定日や金額が記された文書については、当時の国内外の政治情勢や出来事などに照らして相手や使いみちの特定が可能になる場合があるとして、公開を認めませんでした。

一方で、月ごとの支払い合計額や年度末の残高などがわかる文書は相手を特定するのが困難だとして公開を命じました。

今回の裁判では官房機密費の具体的な使いみちは明らかになりませんでしたが、これまで非公開とされてきた文書の一部が初めて公開されることになります。


「抑止力になるのでは」

判決のあと、市民グループの阪口徳雄弁護士は、「最高裁の判決まで10年以上かかったが、これまで闇となっていた官房機密費の一部をやっとこじ開けることができとても喜んでいる。今回の判断によって、官房長官がみずから管理する『政策推進費』の金額が分かることになるので、説明のできない額が官房長官に渡されることへの抑止力になるのではないかと考えている」と話しました。


「判決を重く受け止める」

菅官房長官は午後の記者会見で、「担当部局で内容を精査しており、詳細については報告を受けていないが、政府としては、今回の判決を重く受け止めて、適切に対応していきたい」と述べました。


「官房機密費」とは

「官房機密費」は、内閣官房の業務を遂行するための経費とされ、使いみちなどは明らかにされていません。

内閣府によりますと官房機密費は官房長官の請求に基づいて国庫から支出され、総額は年間14億円余りに上っています。

国庫からの支出額は明らかにされていますが、官房長官がどのような相手にいくら支払ったのかなど具体的な使いみちは官邸の情報収集活動などに支障が出るおそれがあるとして明らかにされていません。

過去には外務省の幹部が水増し請求によって5億円余りの機密費をだまし取り競走馬の購入などに使っていた事件が明らかになり、チェック体制のずさんさが指摘されました。

今回の裁判では、大阪の市民グループが、平成17年から18年にかけて当時の安倍官房長官のもとで支出された10億9500万円余りと、平成21年に当時の河村官房長官のもとで支出された2億5000万円、それに平成25年に菅官房長官のもとで支出された13億6000万円について、使いみちを明らかにするよう求めました。

裁判では機密費の支払いに関係する「政策推進費受払簿」、「支払決定書」、「出納管理簿」、「報償費支払明細書」、それに領収書などの5種類の文書や資料を公開すべきかどうかが争われました。

おととし2月の大阪高等裁判所の判決では、官房長官が重要政策の企画立案に使う「政策推進費」の額がわかる「政策推進費受払簿」や「出納管理簿」の一部、それに「報償費支払明細書」の公開を命じました。

一方で、支払った相手の名前が記載されている「支払決定書」や領収書などの公開は認めませんでした。

その後、おととし10月に大阪高裁の別の裁判長が出した判決では、すでに公開の対象とされている国庫からの支出額を除き、ほぼすべての公開を認めず、判断が分かれていました。

19日の判決では、「政策推進費受払簿」と「出納管理簿」の一部は公開が命じられ、「報償費支払明細書」は情報収集などに使われる経費の個々の支払い決定日や金額が記された部分を除いて公開を認めました。

(3)なお、安倍官房長官時代の官房機密費が対象の第1次と、菅官房長の官房機密費が対象の第3次の原告は、「政治資金オンブズマン」共同代表の私です。
河村官房長官時代の官房機密費が対象の第2時の原告は、同じ「政治資金オンブズマン」共同代表の公認会計士の方です。

また、最高裁第二小法廷は、第1次と第2次の私たちの上告を受理せず、国の上告の一部を受理し、第3次の国の上告を受理せず、私の上告の一部を受理していました。

ですから、そもそも100%満足の判決ではないのですが、
それでも重要な一部が最高裁で認められましたので、大変喜んでいます。

以上、取り急ぎのご報告です。
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