日本共産党を除く政党が自己の財政を税金である政党交付金に大きく依存しており、それゆえ事実上国営政党になっていることは、すでに指摘した。
2007年分の政治資金収支報告でもそれは変わらないようだ。
07年分について紹介し、政党の国営政党化の状況を再確認しておこう。

1.報道

毎日新聞 2008年9月13日 東京朝刊

政治資金収支報告書:事業収入、過去最低に 交付金依存が強まる

 総務省が12日付で公表した07年政治資金収支報告書(総務相所管の中央分)によると、政党や政治団体の収入総額は前年比0・8%増の1278億2500万円で横ばいだった。政治資金パーティーなど事業収入は4・2%減の455億3400万円で、記録のある93年以来、過去最低となった。政党本部の収入に占める政党交付金の割合は0・6ポイント増の38・4%で95年の制度開始以降で過去最高となり、交付金依存がさらに強まっている。
 献金総額は238億8500万円で8・5%の増加。このうち政治団体の献金は18・1%増の152億200万円、企業・団体献金は9・1%増の38億5700万円といずれも前年を上回った。一方、個人献金は13・8%減の48億2600万円で、80年以来27年ぶりに50億円を下回った。
 政治資金パーティーを開いたのは413団体で93年以来、過去最多。ただ、パーティー収入は前年より12億5000万円少ない114億3400万円だった。1000万円以上のパーティーを開いた団体も前年より18団体少ない254団体だった。支出は1441億8900万円で、前年より27・7%増えた。統一地方選や参院選があった影響で、このうち選挙関係費は56億3100万円と前年の8倍以上に膨れあがった。
 各政党の収入(支部分を除く)は、共産党が264億8450万円で93年から15年連続のトップ。政党交付金は受けておらず、機関紙を含む事業収入が83・7%を占めた。2位は自民党で252億9377万円。政党交付金の割合は65・6%で過去最高となった。民主党は131億4759万円で政党交付金が84・2%を占め、03年に次ぐ高水準だった。【石川貴教】


2.感想

①政党交付金はいうまでもなく、税金を原資としている。
これは、各政党がそれぞれ調達する私的な政治資金とは異なる。

②前年からの繰越金と借入金を除く2007年の政党の純収入に対する政党交付金の割合を、同年の政治資金趣旨報告書の要旨が掲載された「官報」を見てまとめてみた。
なお、マスコミは純収入には借入金を含めて紹介、計算しているが、私は借入金は返済されるものであるから除いて紹介、計算していることに注意していただきたい。

◇各政党の全収入に対する政党交付金の割合(2007年の場合)

政党名
純収入(繰越金と借入金を除く。円)
政党交付金(円)
政党交付金の占める割合
自民党
245億9377万2854
165億9583万7000
67.5%

公明党

150億9635万5521
28億0607万0000
18.9%
民主党

131億4759万3509

110億6382万4000
84.2%
共産党

263億9026万7042

 0
0.0%
社民党

18億9275万7039

9億6822万3000
51.2%
国民新党

6億4601万5777

3億2940万3000
51.0%
新党日本
1億8520万0070
1億7863万9037
96.5%



③日本共産党は政党交付金を受け取る手続きをすれば受け取る資格があるが、それが憲法違反だ(私の理由付けとは異なる)として受け取りを拒否している。

また、公明党は、政党交付金への財政的依存は他の政党に比べそれほど高くない。

それに比べ、その他の政党は政党交付金に財政上依存している。

④与党第一党の自民党は、70%までは行かないが、65%超依存している。

野党第一党の民主党は、85%近く依存している。

日本の二大政党が事実上国営政党化しているのである。

⑤すでに指摘したように、一般庶民から政治資金を調達する努力をしなくても政党交付金の交付を受けられるから、財界政党の自民党などは国民に「痛み」を強いる政策の強行が可能だったのである。

かりに次の衆議院議員総選挙で政権交代が起き、民主党主導の政権が誕生したとしても、構造的な格差社会は真に是正されるのか、事実上の財界主権の状態(これについてはまた取り上げる予定)から真の国民主権へと転換されるのか、大いに気になるところである。