民主党の国会議員が支部長の政党支部をトンネルにして、同党の名古屋市議会議員が、本来受け取れないはずの企業献金を受け取っていた。
これも、いわゆる迂回献金である。
これが違法ではないと言うのであれば、法律改正するしかない。
事前に予告していたように、私の一言コメントが掲載されました。

1.報道
|翔新聞2008年12月27日 朝刊
民主支部迂回し献金 元名古屋市議、企業から2700万円

 名古屋市選挙管理委員長を務める民主党の元同市議郡司照三氏(66)が昨年まで少なくとも5年間にわたり、愛知県内の同党国会議員が代表を務める複数の政党支部を“トンネル”にして、約2700万円の企業献金を受け取っていたことが分かった。企業から政治家個人への献金が禁止されたため、政党支部を受け皿にした「迂回(うかい)献金」とみられる。
 迂回献金について違法とみなされた事例はないが、企業献金を禁じた2000年の政治資金規正法改正の趣旨には反する脱法行為。民主党はカネの流れを不透明にする迂回献金の禁止を掲げており、郡司氏と受け皿役の国会議員の政治倫理が問われそうだ。
 政治資金収支報告書によると、同氏の資金管理団体「名古屋西経済振興会」は03年から07年にかけて、小林憲司元衆院議員が代表を務めた愛知7区総支部、木俣佳丈参院議員の愛知県参院選挙区第1総支部、前田雄吉衆院議員(10月に離党)の愛知6区総支部から、177万−668万円の寄付を受け取っていた。
 03年には、伴野豊衆院議員の愛知8区総支部と同氏の資金管理団体を通じて、108万円も流れていた。
 これらの政党支部には、郡司氏を長年支援してきた企業10−50社がほぼ同額を献金。複数の企業は中日新聞の取材に「政党支部ではなく郡司氏個人への献金」と証言した。
 郡司氏は名古屋市議を9期務め昨春引退。小林、伴野、木俣、前田氏が所属する愛知県民社協会長も務めた。
 郡司氏は「法改正で企業献金が受けられなくなり、気心の知れた議員の政党支部で受けてもらった。政治資金収支報告書に記載しており、法的な問題はない」と説明した。
 現在、民主党愛知県連代表を務める伴野氏は「困っている同志を法律の範囲内で助けようという苦肉の策。迂回という意識はなかった」と話している。

 【迂回献金】 企業・団体が政党を経由して行う政治家個人への献金。政治資金規正法改正で2000年から個人への企業献金を禁止しながら、企業から政党への献金と、政党から個人の資金管理団体への献金を認めている“法の盲点”を突いた行為。民主党は05年、迂回献金禁止を盛り込んだ同法改正案を国会に提出したが、否決された。

民主党支部迂回献金







中日新聞2008年12月28日 朝刊
支部設立できず迂回か 献金疑惑の元名古屋市議

 愛知県の民主党の支部を“トンネル”にした「迂回(うかい)献金」疑惑で、元名古屋市議郡司照三氏(66)が親しい国会議員を企業献金の受け皿役にしたのは、同党が支部設立を制限していたためだった。政治資金の透明化を掲げる党の方針が脱法行為を招く皮肉な結果となった。
 政治家個人の資金管理団体への企業献金は2000年から禁止された。しかし政党支部への企業献金は認められているため受け皿となる政党支部が、1999年から2000年にかけて全国で1300以上も増えた。
 特に自民党は国会議員だけでなく、地方議員1人1人の支部設立も容認。支部数は今年、全政党の8割を占める7710まで膨れ上がっている。
 民主党は「支部を政治家のサイフ代わりにしている」と自民党を批判。支部数をほぼ小選挙区と行政区単位に制限し、全国で564にとどまる。
 郡司氏の選挙区の中川区にも支部はあるが、支部長は別のベテラン市議。郡司氏の支部は設立できず、会長を務める愛知県民社協会所属の国会議員の支部を受け皿にする迂回献金を余儀なくされた。郡司氏は「地方議員も企業献金がなければ政治活動ができない」と話した。
 企業献金に詳しい政治資金オンブズマンの上脇博之神戸学院大教授(憲法学)は「本来は受けられない企業献金を支部を介して受け取っている点は自民党も民主党も同じ。一種のマネーロンダリングと取られても仕方ない」と指摘している。

2.補足説明及び私見

\治家本人は言うまでもなく、政治家の資金管理団体も企業献金を受け取れないのが、今の政治資金規正法である。

△箸海蹐、これまで国会議員は、企業献金を受け取るために、政党の支部長になり、企業献金を支部で受け取った後、それを自分の資金管理団体の寄付していた。
これが、いわゆる迂回献金であり、違法な脱法行為である。

この手法は、しばしば自民党議員がやってきた手口として有名である。
一種のロンダリング(資金洗浄)であると受け取られても仕方ないだろう。

C翔新聞がスクープしたのは、国会議員の場合の迂回献金ではなく、市議会議員の迂回献金である。
それには国会議員が加担していたのである。
その点で、これまで発覚してきた迂回献金の手口とは少し異なる。

また、この市議会議員は、今、名古屋市選挙管理委員長を務めているようだ。
呆れてしまう。

い箸呂い─迂回献金と言う点では、国会議員のそれと市議会議員のそれとは基本的に同じ法的・道義的問題を抱えている。

ケ回献金は現行法で受け取れない違法献金になるので、検察は、これを違法献金として厳正に捜査し摘発すべきであるが、摘発してきてはいない。
必ずしも違法ではないと考えているのかもしれない。

Ρ回献金が違法ではなく、政治的・道義的問題(のある脱法的な行為)にとどまるとすれば、今の政治資金規正法を改正して、企業の迂回献金を禁止すべきである。

具体的には、政党本部あるいは政党支部が企業献金を受けている場合、その政党本部・支部は、政治家や政治家の資金管理団体・後援会に寄付することを禁止すべきである。

また、今の法律は、企業献金と企業が政治的なパーティー券を購入することを完全に分けて考えている。
だが、形式的には異なるが、実質的には同じものとして法的には扱うべきである


Г發舛蹐鵝企業献金自体は本来禁止されるべきであるから、その禁止がなされるのであれば、迂回献金は行えなくなるので、それが一番良い。

だが、政党や政治資金団体への企業献金を禁止しないのであれば、せめて迂回献金は法律改正して禁止すべきである。

(なお、「東京新聞」では上記紹介の「中日新聞」記事は掲載されていないようだ。
 また、「東京新聞」では、別の「政治とカネ」の問題で、明日(12月29日)の朝刊に私の短いコメントが掲載される予定である。お目に留まったらご一読ください。
 「中日新聞」には記事が掲載されるのでしょうか?)