(1)自民党は衰退している。
それは、すでに2007年7月29日執行の第21回参議院議員通常選挙での大敗北が証明しているのかもしれない。

(2)しかし、インターネットで入手できる1998年の通常選挙以降の自民党の各選挙結果のうち得票数と得票率を観ると、それは分かりづらい。


1998年

2001年

2004年

2007年

比例代表選得票数

約1412.9万

約2111.5万

約1679.8万

約1654.5万

比例代表選得票率

25.17%

38.57%

30.03%

28.08%

選挙区選得票数

約1703.4万

約2230.0万

約1968.8万

約1860.6万

選挙区選得票率

30.45%

41.04%

35.09%

31.35%

1998年7月12日施行の参議院通常選挙で自民党は惨敗し、当時の橋本龍太郎首相・自民党総裁は、辞任に追い込まれている。

(3)自民党衰退は、6月中旬の麻生内閣支持率が20%前後と低迷していること(7月上旬の結果は後日紹介する)を踏まえると、次の衆議院議員総選挙で確実なものになるのかもしれない。
マスコミの中には、自民党にとって必ずしも甘くない結果予想を報じているものがある。

(4)しかし、インターネットで入手できる1996年の総選挙以降の自民党の各選挙結果のうち得票数と得票率を観ると、それはなかなか容易に予測しづらい。


1996年

2000年

2003年

2005年

比例代表選得票数

約1820.6万

約1694.3万

約2066.0万

約2588.8万

比例代表選得票率

32.76%

28.31%

34.96%

38.18%

小選挙区選得票数

約2183.6万

約2494.6万

約2608.9万

約3251.8万

小選挙区選得票率

38.63%

40.97%

43.85%

47.77%

(5)このように、過去の自民党の得票数と得票率を観ると、自民党が衰退しているのが分かりづらいのだが、それは、衆議院の選挙制度が、大政党に有利な小選挙区本位のものだからであろう。
まず、小選挙区選挙が大政党の過剰代表を生み出すからである。
また、有権者の投票行動を大政党に誘導するからであろう。
さらに、マスコミが財界の意向を受けて保守二大政党化に向けた放送・報道を行い、世論を誘導してきたからであろう。

以上のことは、事実上の一人区・二人区の多い参議院選挙区選挙を中核にしている参議院選にも、基本的には妥当するだろう(もちろん、衆議院選との違いが全く無いわけではないが、ここでは言及しない)。

(6)しかし、私が以前から注目しているのは、自民党の党員数の激減である。
最も党員が多かった1991年の約547万人という党員数は、2007年には約110万人に、つまり最盛期の約20%にまで減少しているのである(朝日新聞2008年9月11日第二社会面(大阪本社版))

最新の自民党の党員数は不明だが、以下の記事を見ると、党員数は減少し続けているのではなかろうか。
産経新聞2008.9.18 02:19
茨城県医師連盟、民主推薦を表明 自民有力支持団体が反旗

 茨城県医師会の政治団体「茨城県医師連盟」(原中勝征委員長)は17日、次期衆院選の県内全選挙区で、民主党候補を推薦することを明らかにした。自民党の有力支持団体である医師連盟が民主党支持を打ち出すのは全国初。医師会は政府・与党が導入した後期高齢者医療制度に反対しており、今回の対応も「政策として、制度反対を表明する民主党への支持を決めた」と説明。社会保障政策などへの不信を背景に、蜜月関係にあった自民党に対して“実力行動”に打って出た形だ。
 「自民党県連とは長年、深い協力関係にあった。ただ県政と国政は別。今の自民党に変化は望めない」。自民党員でもある原中氏は、同日の記者会見でこう強調した。
 県医連は8月、立候補予定者全員に対し医療政策などのアンケートを実施。民主党では全員が後期高齢者医療制度に反対を表明。一方、自民党では「党議拘束による回答留保を含め、反対に踏み込む答えはなかった」(原中氏)という。
 原中氏は「国民生活無視の社会保障制度に対して行動を起こすべきと意見が一致した。天下りや、特別会計の無駄遣いも正す必要がある」と指摘した。
 全国2位の党員数を誇る保守王国で発生した有力支持団体の離反。自民党県連の幹部は「後期高齢者医療制度を含め、社会保障は簡単に賛成、反対で決めるものではない。財源を含め、県医連は大局を見ていない。真に国民のためを思うなら、あまりにも安易だ」と批判した。

時事通信6月25日19時15分配信
茨城医師連会員が集団離党へ=自民

 茨城県医師連盟の原中勝征委員長は25日、県庁内で記者会見し、自民党茨城県連医療会支部所属の党員1256人が集団離党すると発表した。同党が後期高齢者医療制度の存続を支持しているのは認められないとの理由からで、離党者は同支部の党員全体の約3分の1強に当たる。
 同医師連盟は、日本医師会の政治組織「日本医師連盟」(日医連)の地方組織。次期衆院選では県内7選挙区すべてで民主党候補の推薦を決めている。
 
(7)もっとも、選挙の結果を左右するのは、浮動票であろう。
それゆえ、2005年郵政解散・総選挙で小泉・自民党は圧勝した。

(8)ところが、今年6月末の横須賀市長選の選挙結果を見ると、小泉人気は昔のものになっているのではなかろうか。
読売新聞(2009年6月28日23時46分)
横須賀市長選、小泉元首相応援の現職敗退…33歳新人が当選

 小泉純一郎元首相のおひざ元の神奈川県横須賀市で28日、市長選の投開票が行われ、新人で前市議の吉田雄人氏(33)が、元首相が応援する現職の蒲谷亮一氏(64)ら2人を破り、初当選を果たした。
 14日に31歳で初当選した熊谷俊人・千葉市長らに続き、全国で3番目に若い市長の誕生となる。
 小泉元首相は告示前の14日に街頭演説で、告示日の21日夜にも蒲谷氏の個人演説会で、旧自治省(総務省)出身の蒲谷氏の行政経験を挙げ、支持を訴えた。元首相が地元で選挙の街頭演説をしたのは9年ぶり。次期衆院選には、神奈川11区(横須賀市など)から次男進次郎氏(28)が出馬する。
 米海軍横須賀基地を抱える同市では、9期36年にわたり、旧自治省出身者3人が市政を担い続けてきた。今回も自民、民主、公明の県議や市議らが超党派で蒲谷氏を応援したが、吉田氏は「若さ」と「変革」を前面に掲げて、無党派層の多くを取り込んだ。蒲谷氏を応援した市議は「小泉人気も通用しなかった。選挙の方法を一から見直さなければならない」と話した。

(9)このことは、小泉元首相も自覚しているようだ。
日経新聞2009年6月30日(08:04)
小泉元首相「野党になってもいい」 「チルドレン」らと会食

 「これだけ厳しい選挙は初めてだが、ずっと与党でいること自体が不思議なことだ。野党になることもあっていい」。自民党の小泉純一郎元首相は29日夜、都内の日本料理屋で、2005年衆院選で初当選した「小泉チルドレン」21人と会食し、持論を披露した。中川秀直、武部勤両元幹事長も同席した。
 小泉氏は「人生いろいろ、選挙もいろいろ。自分の信念を貫け」「無党派層の支持を得られるかが勝敗の分かれ目だ」と指南。要請があれば選挙応援に駆け付ける考えを伝えた。「来年は参院選もあるし、その時どうなっているかわからない」との見通しも示した。

(10)自民党は、党員数を激減させているだけではなく、浮動票の小泉離れを通じて有権者の自民党離れを迎えているようだ。
その理由は・・・(続く)