11.公益法人と政治団体(政治連盟)が峻別されない大本の理由

(1)連載している「その5」では、公益法人と政治団体(政治連盟)の峻別がなかなか徹底されない理由について、和歌山県行政書士会と日本行政書士政治連盟和歌山県支部の役員と財政を例にして、後者がペーパー団体に近い存在である可能性があるという私見を述べた。

(2)もちろん、他のケースも個別に見てみる必要がある。

例えば、兵庫県行政書士会と行政書士政治連盟兵庫県支部との峻別については、大阪高裁で和解したとき、前者は「今後は兵政連とは協調しつつも一線を画し・・・」と表明していた。
提供された情報によると、両者の事務所は「同居」のようなので、役員、財政について調べてみる必要がありそうだ。

また、熊本県行政書士会の昨年(2008年)7月の会報をみると、熊本県行政書士政治連盟の定期大会等についても掲載されているし、提供された情報によると、両者の事務所は「同居」のようで、役員、財政について調べてみる必要がありそうだ。

さらに、驚くべきことに、いまだに行政書士会への新入会案内で、必要費用の中に「政治連盟会費」を明記しているところがあるようだ。

(3)それとは別に、それらの上部組織である「日本行政書士会連合会」と「日本行政書士政治連盟本部」の峻別が徹底しているのか、見ておく必要があるだろう。

日本行政書士会連合会の会長と日本行政書士政治連盟の会長は、以前は、同じ人物であったが、今は別人でるとの情報提供があった。

日本行政書士政治連盟は、独自のHPを持ってないようであり、日本行政書士会連合会のHPに「間借り」しているような状態である。

HPによると、両者の事務所は、同じ建物「行政書士会館」内の2階と3階にあるようだ。
なお、日本行政書士政治連盟本部の2007(平成19年)分の政治資金収支報告書を見ると、例えば、事務所費として約447万円の支出があったようだ。
これが賃料なのかどうかは分からない。

(4)私が最も注目しているのは、日本行政書士政治連盟の会費の定めである。

日本行政書士政治連盟規約第23条は以下のように定めている。
本連盟の経費は、会費及び寄付金その他の収入をもって当てる。
2 前項の会費は別に定める。

そして、日本行政書士政治連盟規約施行規則第5条は以下のように定めている。
規約第23条第2項による日政連支部の会費は、4月1日及び10月1日現在における当該単位行政書士会の個人会員数を基礎として1人につき、1か月200円とする。

これらの定めによると、都道府県の行政書士政治連盟支部(政治団体)が上部組織である「日本行政書士政治連盟本部」(政治団体)に支払う「負担金」(上納金)は、当該各支部(政治団体)の会員数で算出されるのではなく、なんと、都道府県の行政書士会(公益法人)の会員数で決まるのである。

(以上については、以下を参照した。
http://www.saturn.sannet.ne.jp/aquae/gyosei/zenkoku.html

これは、元々、日本行政書士政治連盟が日本行政書士会(連合会)のダミー団体であったことを示唆しているが、両者の峻別が求められるようになっても、前者の会費の定めの考え方が今日まで残ってきたことを示唆してもいる。

(5)このような会費の定めであれば、都道府県の行政書士政治連盟支部としては、都道府県の行政書士会と峻別しない方が財政上便利だということになるのである。
言い換えれば、都道府県の行政書士会の会員には、都道府県の行政書士政治連盟支部の会員になってもらった方が、特別な財政負担が生じないことになるから、両者の峻別は徹底されないことになるのである。

本来、政治団体であれば会費をどのように定めるかは全くの自由である。
しかし、公益法人が政治団体と峻別されず人権侵害や政治資金規正法違反が生じるようであれば、日本行政書士政治連盟の上記のような会費の定めは放任できないだろう。

公益法人と政治団体の峻別の徹底を妨げている上記のような会費の定めは即刻改められるべきである。



12.再び政治問題になる可能性大

(1)行政書士会連合会と日本行政書士政治連盟本部、都道府県の行政書士会と都道府県の行政書士政治連盟支部を例に、公益法人と政治団体の峻別が徹底されてないこと、その理由を、私なりに検討したが、これは、行政書士会以外の公益法人でも同様に検討される必要がある。

なお、情報提供によると、以下のような投稿やHPがある。

http://hirotahiroshi.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-b043.html

http://homepage3.nifty.com/restart-net/seiren.html

(2)今、衆議院議員の総選挙のための選挙運動が事実上展開されているから、公益法人と政治団体の峻別が徹底されてない問題は、重要である。
総選挙の結果にも影響するからである。
マスコミなどは、この問題を再度取り上げるべきである。

(3)8月30日の総選挙により政権交代が起こる可能性が高くなっている
そうなると、全国の政治連盟がこれまで通り自民党のための集金団体として存続し続けるのかどうか問題になるだろう。
ひょっとすると、無節操にも、与党になった民主党のための集金団体に変貌するものもあるかも知れない。
そのとき、民主党(の議員の政治団体)は、これまでの自民党(の議員の政治団体)と同じように公益法人の政治連盟から政治献金(会費を含む)を受け取るのであるか?

(4)民主党(の議員の政治団体)がこれを受け取らず、他の政党と同じように国会で追及すれば、再び国会で追及され政治問題になる可能性が大きい。

そうなると、今度は、一気に峻別が徹底されることが期待される。

そうでなければ、この問題では政権交代の意味はない!!!

(この連載投稿はひとまず終了。)