(1)2008年分の政治資金収支報告が公表された。

政治資金収支報告書 平成21年 9月30日公表(平成20年分 定期公表)

(2)各党の本部の政治資金の対する政党交付金(税金)の占める割合については、これまで2005年、2006年、そして2007年についてそれぞれ紹介してきたが、2008年の場合についても算出してみたので紹介する。

◇2008年における各党本部の全(純)収入に対する政党交付金の割合
政党名
純収入(繰越金と借入金を除く。円)
政党交付金(円)
政党交付金の占める割合
自民党
233億1335万2012
158億4263万8000
67.9%

公明党
145億2032万7626
27億3072万9000
18.8%
民主党
142億1278万4757

118億7848万9000
84.2%
共産党
249億5590万1804

 0
0.0%
社民党
17億6522万3714

9億 229万5000
51.1%
新党日本
2億 901万3683
2億 388万9000
97.5%
政党交付金を受け取る資格のある政党だけを紹介している。共産党は受け取る資格があるが、受け取りのための手続きだけではなく、その前提である、政党交付金の交付額を決める手続きも拒否しているので、政党交付金の交付額もない。

(2)私は、政党交付金への依存率を知りたいので、以上のように繰越金だけではなく借入金も全収入から除いて当該割合を算出している。

それゆえ、75億円の借入金のある自民党本部の全収入に対する政党交付金の占める割合は、私の算出では67.9%になる。
借入金を全収入に含めて、全収入に対する政党交付金の占める割合を算出してしまうと51.4%になる。マスコミ報道を見ると、この算出方法のようだ。

借入金は、いずれ返済しなければならない資金であるから、当該割合を算出するときには除外すべきである。

(3)この算出方法で、民主党が自由党と合併した2003年以降2008年までの自民党と民主党の政党交付金依存率を紹介しておこう。

◇2003年以降の自民党本部と民主党の本部の全(純)収入に対する政党交付金の割合の推移

年と政党名
自民党
民主党
2003年
65.0%
84.6%
2004年
67.8%
83.6%
2005年
67.9%
83.6%
2006年
67.8%
83.8%
2007年
67・5%
84.2%
2008年
67.9%
83.5%

借入金を全収入から除く私の算出方法だと、自民党の政党交付金への依存率は、2003年以降60%台後半で、民主党のそれは80%台前半であることが分かる。

(4)民主党は企業・団体献金を3年後に全面禁止すると選挙公約した。
私は、3年後ではなく来年から実現すべきであると考えているが、いずれにせよ、企業・団体献金の全面禁止が実現すると、日本の政治は大きく変わるだろう。

(5)ところが、民主党は、今年6月に提出した法案の附則第15条を見ると、政党交付金等の増額を画策している。
(公的助成の拡充の検討)
第十五条 国会議員の公設秘書の増員、政党交付金の増額その他の国会議員及び政党に対する公的助成の拡充については、この法律の施行後における個人のする政治活動に関する寄附の状況等を勘案し、検討が加えられるものとする。

しかし、企業・団体献金の全面禁止をした上で、政党交付金を増額すれば、二大政党の政党交付金(税金)への依存率は更に高くなり、ますます国営政党化してしまうだろう。
そうなれば、資金集めをする努力をますます怠り、国民の「痛み」を理解しない政党になってしまうだろう

ドイツのある学者は、政党助成を「麻薬」のようなものだと指摘している。
だから民主党が政党助成を廃止するなら分かるが、政党助成を増額するのは政治改革の名に値しない!
国民は、「民主主義のコスト」は十分公費で負担されていることを、再確認する必要がある。

(6)政党助成がキャバクラなどの遊興費に事実上使われたことが発覚しているのだから、納税者である国民も政党助成の増額には賛成するとは思えない。