(1)小沢一郎氏は、過去に、政党を解散するとき、政党の政治資金を集めるための政治資金団体などに対し、逆に政党交付金を含む政治資金を寄付するなどして、政治資金を溜め込んでいた。

そもそも政党助成法によると、国民の税金を原資とする政党交付金は、本来、政党が解散するときには国庫に返還しなければならない。
政党助成法第33条  ・・・。
2  総務大臣は、政党交付金の交付を受けた政党が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、総務省令で定めるところにより、当該政党(当該政党が解散し、又は目的の変更その他により政治団体でなくなった場合にあっては、その代表者であった者とする。第六項、第八項及び第九項において同じ。)に対し、期限を定めて、当該各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額に相当する額の政党交付金の返還を命ずることができる。
一  ・・・
二  ・・・
三  当該政党が解散(・・・)をし、又は目的の変更その他により政治団体でなくなった場合において、その年の1月1日から第21条第1項の届出をした日までに交付を受けた政党交付金の総額(・・・)から、当該政党がその年の1月1日から当該解散をし又は目的の変更その他により政治団体でなくなつた日(・・・)までにした政党交付金による支出の総額(・・・)を控除して残余があるとき 当該残額及び当該届出をした日における政党基金の残高の合計額
四  当該政党が解散をし、若しくは目的の変更その他により政治団体でなくなった場合又は第29条第1項第2号に掲げる場合において、当該政党の支部がその年の1月1日から第21条第1項の届出があった日(・・・)までに支給を受けた支部政党交付金の総額(・・・)から、当該支部がその年の1月1日から当該解散等の日(・・・)までにした支部政党交付金による支出の総額(・・・)を控除して残余があるとき この号に該当するすべての支部に係る当該残額及び当該届出があった日における支部基金の残高の合計額
(第3項以下略)

しかし、小沢氏は、解散直前に、それを他の政治団体(それも自らの資金を集める政治団体)に寄付して、「返還逃れ」をしていたのである。

そえゆえ、これについて私は、これまで週刊誌を含めマスコミの取材に答え、批判的にコメントしてきた。
このブログでもこの問題を書いたことがある

(2)マスコミの批判を受けたからなのか、それとも企業・団体献金を将来全面的に禁止する腹積もりだからなのか、理由は定かではないが、小沢氏は、それを自らの政治団体に移動させていたようだ。
これは、毎日新聞のスクープ報道である。
毎日新聞 2009年12月27日 2時30分
資金移動:小沢氏側に新生、自由党解党時残金22億円余
小沢氏の関係団体を巡る政治資金の流れ
小沢氏の関係団体を巡る政治資金の流れ
 小沢一郎民主党幹事長が過去に率いた2政党「新生党」と「自由党」を解党した際、党に残った資金の大半に当たる計22億円余を、自分の運営する政治団体に移して支配下に置いていたことが分かった。自分の政治活動のほか、親族への支出などにも充てていた。両党の資金には政党交付金など多額の公金が含まれており、こうした資金移動の手法が論議を呼びそうだ。
 政治資金収支報告書などによると、小沢氏が代表幹事を務めた新生党は新進党に移行する直前の94年12月、党本部と10支部に残った資金のほとんどに当たる9億2526万円余を、政治団体「改革フォーラム21」に移した。党本部に限ると5億5948万円余のほぼ全額が同フォーラムに移され、この大半は国から支給された「立法事務費」だった。同フォーラムは、東京都千代田区にある小沢氏の個人事務所を所在地とし、小沢氏が実質的に運営している。
 また、03年9月には小沢氏が党首だった自由党と民主党の合併に伴い自由党が解党。同党に残った15億5715万円余(うち5億6096万円余は政党交付金)は、所属する議員らの35政治団体に各500万円が分配されたほか、13億6186万円余が同党の政治資金団体だった「改革国民会議」に移された。同会議は自由党解党後に一般の政治団体に変更され、小沢氏による若手政治家の育成事業「小沢一郎政治塾」の運営母体となった。
 同会議も所在地を小沢氏の個人事務所に置き、最近5年間は事務所費として毎年1096万〜2532万円を計上、政治塾の会場費や講師への謝礼などに2354万〜2690万円を支出している。06〜07年には農水省OBの小沢氏の義兄に対し「組織維持費」の名目で計495万円の支出もあった。支出額は毎年6066万〜8308万円、5年間で3億4556万円余に上る。解党時の残資金を巡っては、政党交付金に限り他団体への寄付を禁じる改正法案が今年、衆院を通過したが、解散で廃案となった。
 解党に伴う資金移動について毎日新聞は小沢氏の事務所に説明を求めたが、26日までに回答はなかった。【政治資金問題取材班】

(3)同じく国民の税金が原資である「立法事務費」については、独自の使途報告も義務付けられていないので、法律改正する必要があることはすでに書いておいたが、これも、政党交付金の場合と同じように溜め込みされ、同様に移動されてた、という。

(4)自民党の場合には身内企業に「還流」させていたが、小沢民主党幹事長は、数年のときを経て、自らの政治団体に「還流」させていたことになる。

言い換えれば、当時、本来国庫に返還しなければならない政党交付金を、今、党の幹事長の政治団体が受け取ったことになる。

したがって、民主党は、党の責任で、この分の政党交付金の金額を基金にしないで、国庫に返還するよう手配すべきである。

そして、立法事務費については、毎年使途報告させるよう義務付け、残金は国庫に返還するよう法律改正すべきである。

(5)1994年の「政治改革」は、周知のように、衆議院議員の選挙制度を従来の中選挙区制から小選挙区本位の制度に改悪し、政治資金については政党助成制度を新設するなどした。
これにより、政党の執行部の権限は強大になった。
つまり、強力な公認権と多額の政治資金配分権を執行部は握ったのである。

その結果、例えば、アメリカや日本の財界の要求である「構造改革」も、自民党内の抵抗勢力を抑えて強行されてきた。

(6)小沢一郎民主党幹事長は、強力な公認権と多額の政治資金配分権を握り、自民党以上の雑居政党である民主党を統括するつもりのようだ。
これについては、また別の機会に書くことにする。