(1)昨年、「「政治とカネ」〜〜なぜ総選挙前でないのか!」を書いた。

ここでは、「「政治とカネ」〜〜なぜ参議院選前でないのか!」を書くことにする。

私が再度指摘する問題は、昨年分の政治資金収支報告書や政党交付金使途報告の公表・公開が、なぜ、7月11日の参議院選挙前でないのか、という問題である。

(2)昨年(2009年)分の政治団体・政党の政治資金収支報告書・政党交付金使途報告書は、すでに3月末あるいは5月末までに、総務大臣または都道府県選挙管理委員会に提出されている。

いわゆる国会議員関係政治団体の場合は5月末までに、その他の政治団体や政党は3月末でに、上記の各報告書を提出しなければならないことになっている。

政治資金規正法
(政治団体の届出等)
第6条  政治団体は、その組織の日又は第3条第1項各号若しくは前条第1項各号の団体となつた日(・・・)から7日以内に、郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律 (・・・)第2条第6項 に規定する一般信書便事業者、同条第9項 に規定する特定信書便事業者若しくは同法第3条第4号 に規定する外国信書便事業者による同法第2条第2項 に規定する信書便によることなく文書で、その旨、当該政治団体の目的、名称、主たる事務所の所在地及び主としてその活動を行う区域、当該政治団体の代表者、会計責任者及び会計責任者に事故があり又は会計責任者が欠けた場合にその職務を行うべき者それぞれ一人の氏名、住所、生年月日及び選任年月日、当該政治団体が政党又は政治資金団体であるときはその旨、当該政治団体が第19条の7第1項第1号に係る国会議員関係政治団体であるときはその旨及びその代表者である公職の候補者に係る公職の種類、当該政治団体が同項第二号に係る国会議員関係政治団体であるときはその旨、同号の公職の候補者の氏名及び当該公職の候補者に係る公職の種類その他政令で定める事項を、次の各号の区分に応じ当該各号に掲げる都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に届け出なければならない。
1  都道府県の区域において主としてその活動を行う政治団体(政党及び政治資金団体を除く。次号において同じ。)主たる事務所の所在地の都道府県の選挙管理委員会
2  二以上の都道府県の区域にわたり、又は主たる事務所の所在地の都道府県の区域外の地域において、主としてその活動を行う政治団体 主たる事務所の所在地の都道府県の選挙管理委員会を経て総務大臣
3  政党及び政治資金団体 主たる事務所の所在地の都道府県の選挙管理委員会を経て総務大臣
(以下、略)

(報告書の提出)
第12条  政治団体の会計責任者(報告書の記載に係る部分に限り、会計責任者の職務を補佐する者を含む。)は、毎年12月31日現在で、当該政治団体に係るその年における収入、支出その他の事項で次に掲げるもの(これらの事項がないときは、その旨)を記載した報告書を、その日の翌日から3月以内(・・・)に、第6条第1項各号の区分に応じ当該各号に掲げる都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に提出しなければならない。

(国会議員関係政治団体)
第19条の7  この節において「国会議員関係政治団体」とは、次に掲げる政治団体(政党及び第5条第1項各号に掲げる団体を除く。)をいう。
1  衆議院議員又は参議院議員に係る公職の候補者が代表者である政治団体
2  租税特別措置法 (・・・)第41条の18第1項第4号 に該当する政治団体のうち、特定の衆議院議員又は参議院議員に係る公職の候補者を推薦し、又は支持することを本来の目的とする政治団体
2  この節の規定(これに係る罰則を含む。)の適用については、政党の支部で、公職選挙法第12条 に規定する衆議院議員又は参議院議員に係る選挙区の区域又は選挙の行われる区域を単位として設けられるもののうち、衆議院議員又は参議院議員に係る公職の候補者が代表者であるものは、それぞれ一の前項第1号に係る国会議員関係政治団体とみなす。

(国会議員関係政治団体の報告書の記載等)
第19条の10  国会議員関係政治団体(・・・)の会計責任者が政治団体の会計責任者として行う第12条第1項及び第2項又は第17条第1項及び第4項の規定による報告書及び領収書等の写しの提出に係る第12条第1項及び第17条第1項の規定の適用については、第12条第1項中「3月以内」とあるのは「5月以内」と、・・・、同項第2号中「経費以外の経費の支出」とあるのは「経費以外の経費(第19条の7第1項に規定する国会議員関係政治団体である間に行つた支出にあつては、人件費以外の経費)の支出」と、「5万円以上の」とあるのは「1万円を超える」と、第17条第1項中「30日以内」とあるのは「60日以内」とする。

政党助成法
(政党の報告書の提出等)
第17条  第15条第1項の政党の会計責任者(・・・)は、12月31日現在で、当該政党のその年における次に掲げる事項(これらの事項がないときは、その旨)を記載した報告書を、同日の翌日から起算して3月以内(・・・)に、総務大臣に提出しなければならない。
(以下、略)

今日は、6月19日だから、したがって、政党、政治団体、国会議員関係政治団体の政治資金収支報告書などは、国や地方の選挙管理委員会に提出され、保管されているのである。

(3)ところが、この政治資金収支報告書や政党交付金使途報告書を、私たち国民は見ることができないのである。
マスコミも報じられないのです。

政治資金規正法
(収支報告書の要旨の公表)
第20条  第12条第1項又は第17条第1項の規定による報告書を受理したときは、総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会は、総務省令の定めるところにより、その要旨を公表しなければならない。この場合において、第12条第1項の規定による報告書については、報告書の提出期限が延長される場合その他特別の事情がある場合を除き、当該報告書が提出された年の11月31日までに公表するものとする。
2  前項の規定による公表は、総務大臣にあつては官報により、都道府県の選挙管理委員会にあつては都道府県の公報により、これを行う。
3  都道府県の選挙管理委員会は、第1項の規定により同項の報告書の要旨を公表したときは、直ちにその写しを総務大臣に送付しなければならない。
4  総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会は、第1項の規定にかかわらず、インターネットの利用その他の適切な方法により同項の報告書を公表するときは、当該報告書の要旨を公表することを要しない。この場合において、インターネットの利用その他の適切な方法による当該報告書の公表は、同項の規定による報告書の要旨の公表とみなす。

(収支報告書等に係る情報の公開)
第20条の3  第12条第1項若しくは第17条第1項の規定による報告書又はこれに添付し、若しくは併せて提出すべき書面(以下この条において「収支報告書等」という。)で第20条第1項の規定により当該報告書の要旨が公表される前のものに係る行政機関の保有する情報の公開に関する法律第3条 の規定による開示の請求があつた場合においては、当該要旨が公表される日前は同法第9条第1項 の決定を行わない。
2  ・・・。
3  都道府県は、第1項の規定の例により、収支報告書等に係る情報の開示を行うものとする。

政党助成法
(報告書等の要旨の公表)
第31条  総務大臣は、定期報告文書(・・・)又は解散等報告文書(・・・)を受理したときは、総務省令で定めるところにより、官報により、その要旨を公表しなければならない。この場合において、定期報告文書については、報告書の提出期限が延長される場合その他特別の事情がある場合を除き、当該定期報告文書が提出された年の9月30日までに公表するものとする。

(報告書等に係る情報の公開)
第32条の2  定期報告文書若しくは解散等報告文書又はこれらに併せて提出すべき書面若しくは文書で第31条の規定により当該定期報告文書又は解散等報告文書の要旨が公表される前のものに係る行政機関の保有する情報の公開に関する法律 (・・・)第3条 の規定による開示の請求があった場合においては、当該要旨が公表される日前は同法第9条第1項 の決定を行わない。
2  ・・・。
3  都道府県は、第1項の規定の例により、都道府県提出文書に係る情報の開示を行うものとする。

行政機関の保有する情報の公開に関する法律
(開示請求に対する措置)
第9条  行政機関の長は、開示請求に係る行政文書の全部又は一部を開示するときは、その旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨及び開示の実施に関し政令で定める事項を書面により通知しなければならない。
2  行政機関の長は、開示請求に係る行政文書の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき及び開示請求に係る行政文書を保有していないときを含む。)は、開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。

上記の法律によると、今年3月末までに提出された政党交付金使途報告書は、9月末まで(その要旨が公表されるまで)総務省も各地の選挙管理委員会も公表しないし、情報公開請求しても開示決定をしないのである。
また、今年3月末まであるいは5月末に提出された政治資金収支報告書は、11月末まで(その要旨が公表されるまで)総務省も各地の選挙管理委員会も公表しないし、情報公開請求しても開示決定をしないのである。

要するに、7月11日には参議院選挙の投票が行われるのに、主権者国民は、昨年分の政治資金の収支や政党交付金(税金)の使途も一切見ることができないのである。

(4)政治資金規正法第1条は、以下のように定めている。
(目的)
第1条  この法律は、議会制民主政治の下における政党その他の政治団体の機能の重要性及び公職の候補者の責務の重要性にかんがみ、政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治団体の届出、政治団体に係る政治資金の収支の公開並びに政治団体及び公職の候補者に係る政治資金の授受の規正その他の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もつて民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする。


このように政治資金規正法は、政党や政治団体の政治活動を「国民の不断の監視と批判の下に」置くと定めているにもかかわらず、国民はすでに提出されている報告書を見ることができないから、「監視も批判」もできないのである。
そして、主権者国民は、7月の選挙の投票を決定する重要な資料の一つを目にすることができないのである。

(5)この問題については、法律改正して改善されるべきであったが、民主党連立政権でも法律改正はされなかった。

この点で「主権者置き去りの参議院選挙」が7月には行われてしまうのである。