(1)荒井聡国家戦略担当大臣の、すでに解散している政治団体(後援会)の「主たる事務所」が知人宅になっていて、実態がなかったのではないかとの疑惑が一昨日(6月9日)報じられたことは、すでに紹介した。

(2)また、この件では、政治活動費として報告すべき支出を経常経費として報告し、”詳細な記載・報告”逃れをしていたことが発覚したので、私は、会計帳簿や領収書をマスコミに公表して説明責任を果たすべきであると書いておいた。

(3)すると、荒井大臣側は、会計帳簿は公表しなかったものの、領収書等をマスコミに公表したようだ。
ご自身も民主党も「問題ない」などと説明していたので、おそらく自信を持って公表したのだろうが、とても政治資金の使途として適切とはいえないものが含まれていたようだ。
毎日新聞 2010年6月11日 東京朝刊
荒井国家戦略相:事務所費問題 政治団体支出、民主が公開 荒井氏「反省」

 ◇少女コミックにCD、キャミソールの領収書
 荒井聡国家戦略担当相の政治団体「荒井さとし政治活動後援会」(09年9月解散)の事務所費を巡る問題で、民主党は10日、同後援会の07〜09年分の領収書を公開した。公開に先立ち同党の細野豪志幹事長代理は「架空、違法な支出はない」と強調したが、少女コミックや音楽CDなどの領収書が含まれていた。公開後、荒井氏は「少し反省しないといけない」と述べ、支出の一部に問題があったとの見方を示した。【政治資金問題取材班】
 公開されたのは、A4判の台紙にはり付けた領収書をとじ込んだファイル数冊。報道陣に約2時間の閲覧を認めたが、コピーは認めなかった。
 政治団体の支出は、人件費や備品・消耗品費、事務所費などの「経常経費」と、選挙関係費などの「政治活動費」に大別されるが、公開した領収書には、事務所費以外のものも含まれていた
 このうち備品・消耗品費として、08年4月30日付で少女向けコミック5点に計4495円が、同年5月20日付でパチンコ台の効果音楽をまとめたCDに2500円が支出されていた。他にも08年4月5日付で衣料品18点(パーカや靴下、トランクス、キャミソールなど)に計2万2670円▽09年3月20日付でおもちゃ代として百貨店に7350円▽07年3月12日付で大手ハンバーガーチェーンに2210円−−などの支出があった。
 こうした支出について荒井氏は「本当(にあったの)? (担当者に)少し怒っておきます」と話し「適切かどうかとなると少し反省しないといけないと思う。ただ、そういったものに使うのを(法律が)禁じているわけではない」と述べた。
 民主党は10日、事務所費について自民党が問題視した川端達夫文部科学相の政治団体と蓮舫行政刷新担当相の政党支部の領収書(07〜09年分)も公開。川端氏は「適切な支出で法的問題はない」、蓮舫氏は「すべて公開した。今後も質問があるならいつでも受けたい」と語った。

実際の紙面では、私の短いコメントが掲載されている。

(3)私がゴチックにした部分が重要なポイントだ。

公開された支出(経常経費)の中には、明らかに政治資金での支出として相応しくないもの、特に私的に使用するものなどが含まれている。

荒井大臣の後援会の収入は、政治資金パーティー券による収益と、税金である政党交付金で賄われているようだ。

高額の(1枚につき2万円か!?)政治資金パーティー券を購入した者らは、このような支出に不満を持つのではなかろうか。

(4)また、紹介したインターネット記事(実際の大阪本社版も)では、政党交付金についての言及はないが、私が記者の電話取材で得た情報によると、党本部から支部に、税金である政党交付金が交付され、さらに支部から当該後援会にカネが流れていたようだ(東京本社版の記事でも書かれていないようだ)。

ということは、高額ではないとはいえ、事実上税金(政党交付金)で上記のように不適切なものが買われたことになる。
となると、支援者だけではなく、納税者全員からみても不適切な支出であるということになる。
同様の問題は以前も指摘したが、違法かどうかとは別に、政治的・倫理的に許されるかどうかという問題である。
法律で禁止で当該支出が禁止されていないからといって、許されるものではない。

さらに、それが経常経費として報告されていたわけであるが、これも”詳細な記載・報告”逃れであり、問題だ。

(5)ところで、荒井大臣も民主党本部も、この件では、「問題はない」ということだった。独自に調査したからだろう。

しかし、調査したにもかかわらず、上記のような支出が判明した。
本当に調査したのだろうか?
調査したとしても、不十分な調査しかしていなかったようだ。
お粗末である。

いずれにしろ、本人や政党の調査では信用できないことが露呈したようだ。

(7)以上のような杜撰な報告や不適切な使途からすると、荒井大臣の東京にあった後援会は、本当に「後援会としての実態」を有していたのか、ますます疑念は深まるばかりである。

(8)実際の毎日新聞の紙面には、私の短いコメントが紹介されているが、それは、以上の趣旨である。