(1)小沢一郎民主党前幹事長(元民主党代表)の「政治とカネ」の問題については、どちらかといえば、小沢氏が刑事告発され、検察審査会の1回目の審査で「起訴相当」議決が出たことに、マスコミの注目が集中してきた。

私は、「政治とカネ」の問題については、刑事責任(法的責任)の問題と政治的・倫理的責任(説明責任)とは、分けて議論すべきだと主張してきた。

前者の点で言えば、小沢氏の資金管理団体の土地取引をめぐる問題で、検察審査会が「起訴相当」議決したことについては、その議決の理由を読んで批判を加えておいた。
十分な証拠に基づく議決とは言いがたいからである。
http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51396619.html

他方、後者の点で言えば、小沢氏が、政治的責任、特に、主権者国民に対する説明責任を十分果たしているとはいえない、と言い続けてきた。

(2)小沢氏の「政治とカネ」の問題は、土地取引をめぐる疑惑だけではない。

昨年の7月末に、私のコメントも紹介されている、以下の書籍を紹介した。

松田賢弥『小沢一郎 虚飾の支配者』講談社・2009年

(3)この著書である松田さんは、今年、以下の記事を書いておられる。

松田賢弥「小沢一郎『57億円略奪』の黒い霧」『文藝春秋』2010年4月号(144−163頁)

松田賢弥「小沢一郎が差配する使途不明99億円」『文藝春秋』2010年7月号(296−305頁)


これを読むと、小沢一郎氏が党首時代(新進党、自由党、民主党)に、政党への交付金(税金)を私物化しているのか、また破格の「組織対策費」が極数名の議員にのみ支出され、その使途が不明であることが書かれている。

(4)この2つの記事で書かれている内容を一つ一つ確認するのは、時間を要する。

とりあえず、後者の記事を中心に、小沢一郎氏が党首時代(新進党、自由党、民主党)に、破格の「組織対策費」が極数名の議員にのみ支出されていることの確認から始めてみた。

そのためには、政治資金収支報告書(および政党交付金使途報告書)を見るしかない。

民主党時代については、以下で確認できる。

2006年分
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/reports/SF20070914-08.html
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/000034191.pdf

2007年分
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/reports/SF20080912-07.html
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/000034259.pdf

2008年分
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/reports/SF20090930-8.html
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/090930/000012459.pdf

自由党時代と新進党時代については、インターネットでは入手できないので、複写したものを別に入手しなければならない。
やっと入手して、確認した。

それは以下のような内容であった。

(5)民主党代表時代

◇山岡賢次氏への「組織対策費」支出、総額17億円310万円
支出の目的
金額(円)
年月日
支出を受けた者の氏名(または名称)
支出を受けた者の住所(または所在地)
組織対策費
68,000,000
H18.9.25
山岡賢次
栃木県真岡市上高間木3−10ー18
組織対策費
100,000,000
H19.1.24
山岡賢次
栃木県真岡市上高間木3−10ー18
組織対策費
150,000,000
H19.2.12
山岡賢次
栃木県真岡市上高間木3−10ー18
組織対策費
250,000,000
H19.3.5
山岡賢次
栃木県真岡市上高間木3−10ー18
組織対策費
150,000,000
H19.4.10
山岡賢次
栃木県真岡市上高間木3−10ー18
組織対策費
100,000,000
H19.4.20
山岡賢次
栃木県真岡市上高間木3−10ー18
組織対策費
150,000,000
H19.5.8
山岡賢次
栃木県真岡市上高間木3−10ー18
組織対策費
50,000,000
H19.5.25
山岡賢次
栃木県真岡市上高間木3−10ー18
組織対策費
250,000,000
H19.6.5
山岡賢次
栃木県真岡市上高間木3−10ー18
組織対策費
200,000,000
H19.7.9
山岡賢次
栃木県真岡市上高間木3−10ー18
組織対策費
200,000,000
H19.8.7
山岡賢次
栃木県真岡市上高間木3−10ー18
組織対策費
30,000,000
H19.11.20
山岡賢次
栃木県真岡市上高間木3−10ー18
組織対策費
2,100,000
H19.12.13
山岡賢次
栃木県真岡市上高間木3−10ー18
組織対策費
2,000,000
H20.1.22
山岡賢次
栃木県真岡市上高間木3−10ー18
組織対策費
1,000,000
H20.4.30
山岡賢次
栃木県真岡市上高間木3−10ー18
合計
1,703,100,000


◇佐藤泰介氏への「組織対策費」支出、総額5億3000万円
支出の目的
金額(円)
年月日
支出を受けた者の氏名(または名称)
支出を受けた者の住所(または所在地)
組織対策費
5,000,000
H20.3.28
佐藤泰介
愛知県名古屋市北区柳原1−7−10
組織対策費
200,000,000
H20.9.26
佐藤泰介
愛知県名古屋市北区柳原1−7−10
組織対策費
5,000,000
H20.10.21
佐藤泰介
愛知県名古屋市北区柳原1−7−10
組織対策費
200,000,000
H20.10.23
佐藤泰介
愛知県名古屋市北区柳原1−7−10
組織対策費
120,000,000
H20.11.12
佐藤泰介
愛知県名古屋市北区柳原1−7−10
合計
530,000,000


◇輿石東氏への「組織対策費」支出、総額4000万円
支出の目的
金額(円)
年月日
支出を受けた者の氏名(または名称)
支出を受けた者の住所(または所在地)
組織対策費
10,000,000
H19.9.27
輿石東
山梨県甲府市相生1−2−16
組織対策費
10,000,000
H19.12.25
輿石東
山梨県甲府市相生1−2−16
組織対策費
10,000,000
H20.1.17
輿石東
山梨県甲府市相生1−2−16
組織対策費
10,000,000
H20.11.10
輿石東
山梨県甲府市相生1−2−16
合計
40,000,000


◇鉢呂吉雄氏への「組織対策費」支出、総額1500万円
支出の目的
金額(円)
年月日
支出を受けた者の氏名(または名称)
支出を受けた者の住所(または所在地)
組織対策費
10,000,000
H19.2.19
鉢呂吉雄
北海道小樽市稲穂3−6−184
組織対策費
5,000,000
H19.6.26
鉢呂吉雄
北海道小樽市稲穂3−6−184
合計
15,000,000


◇以上の総計22億8810万円
支出の目的
金額(円)
年月日
支出を受けた者の氏名(または名称)
支出を受けた者の住所(または所在地)
組織対策費
1,703,100,000
山岡賢次
栃木県真岡市上高間木3−10ー18
組織対策費
530,000,000
佐藤泰介
愛知県名古屋市北区柳原1−7−10
組織対策費
40,000,000
輿石東
山梨県甲府市相生1−2−16
組織対策費
15,000,000
鉢呂吉雄
北海道小樽市稲穂3−6−184
総計
2,288,100,000


(つづく。自由党時代と新進党時代の「組織対策費」は「その2」で書くことにする。)