(1)民主党とその政権は「政治とカネ」の点でクリーンな政党・政権になるのか?

このようなテーマで投稿するが、これは、今行われている民主党代表選挙において小沢一郎氏が代表になればクリーンではなく、菅直人氏が代表になればクリーンになる、という単純な問題設定に対する回答をこの投稿で書くわけではない。

(2)まず、小沢一郎氏についての「政治とカネ」の問題の所在を書いておこう。
一般やマスコミの認識・評価と私のそれが同じではない可能性があるからだ。

西松建設違法献金事件でも、民主党代表(当時)の小沢一郎氏の関係者の逮捕や家宅捜索は行われたものの、自民党議員の関係者については、同じように違法献金を受けていながら逮捕者も家宅捜索も行われなかった(だから、私たちは二階俊博大臣らを刑事告発した)。
それゆえ、東京地検特捜部の捜査のあり方には、公平性があるのか疑問に思っています。

また、東京第5検察審査会の第1回目の「起訴相当」議決の結論とその理由については、刑事裁判の審理に耐えられないと思うので、批判してきた。

http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51385979.html?blog_id=2778940

http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51396619.html?blog_id=2778940

(3)しかし、小沢氏の秘書は逮捕され、起訴されている。

それゆえ、小沢氏には、法的責任とは別に、説明責任を含む政治的・道義的責任がある。

また、小沢氏は、旧政党の政治資金(税金である政党交付金や立法事務費を含む)を異常な方法で迂回して受け取っているという問題もある。

さらに、自民党の手法を継承した「組織対策費」名目での使途不明金問題もある。

それゆえ、小沢氏については、国民の知る権利の保障や健全な議会制民主主義のあり方の点で、「政治とカネ」につき重大な問題を抱えている、といわざるを得ない。

(4)では、菅氏については、「政治とカネ」について問題がない、といえるのだろうか?

確かに、菅氏の場合には、「政治とカネ」について刑事事件に発展するような重大な疑惑があるわけではない

また、民主党の現執行部の一人である小宮山洋子財務委員長は、今後、「組織対策費」名目での支出を行わないと公表した。

にもかかわらず、小沢氏が代表時代の民主党の「組織活動費」名目の支出について、枝野幸男幹事長は、「適正」であったとして、その真相解明に蓋をしてしまった。

また、100%税金である内閣官房報償費(いわゆる機密費)について菅内閣・仙谷由人官房長官は、いまだに使途を一切公表してはいない。
私が原告の内閣官房報償費の情報公開訴訟で、官僚の証人尋問が先月なされたが、いまだに支出の日付を含め一切の使途情報の公表を拒否している。

健全な国民の目から見て、菅氏とその政権が、「政治とカネ」につき、小沢氏と全く同じであるとは言わないが、透明でクリーンなものであると断定できるわけではない。

(5)マスコミは、自民党政権からの政権交代を意識して、民主党代表選挙につきジャーナリズムの精神に基づく報道をしている、とは思えない。

「政治とカネ」につき「菅氏がクリーンで、小沢氏がクリーンではない」という単純な構図で報道し続けるべきではない。

企業・団体献金は、人権保障定上も議会制民主主義上の違法なものとして本来禁止されるべきであるし、民主党はその全面禁止を公約して反故にしたままであるし、たとえ規制したとしても部分的な禁止でお茶を濁そうとしているのから、マスコミは、菅氏と小沢氏にその早急な全面禁止を法制化するよう迫る質問を報道をすべきである。

また、内閣官房報償費の使途についても、マスコミは、菅氏と小沢氏に、全面公表・公開が無理でも、部分公表・公開をするよう迫る質問をし報道をするべきである。

さらに、組織対策費についても、菅氏には本当に今後はそのような名目の支出をしないと断言できるのか(過去の支出の使途の真相解明を続けないのか)、小沢氏には、代表になればそのような名目の支出を止める気がないか(過去の支出の使途を説明しないのか)質問し、政治資金の透明化を迫る報道をすべきである。

そうでなければ、「政治とカネ」の問題につき、政権交代した政権の党首選挙とその報道の意義はなくなってしまうだろう。