(1)今年(2010年)春に提出された2009年分政党交付金使途報告書がやっと公表された(2010年9月29日)。
政党交付金使途等報告書平成22年 9月29日公表(平成21年分 定期公表)
政党交付金使途等報告書平成22年 9月29日公表(平成21年分 解散支部分)
(2)真っ先に指摘しておかなければならないのは、2009年分の政党交付金使途報告書は今年の3月に提出されているにもかかわらず、この公表がその提出から半年もかかっており(下記の政党助成法の規定を参照)、余りにも遅いということである。
要旨の公表は時間を要するとしても、報告書自体の公表はもっと早くできるのではなかろうか!
(3)また、以上の公表は総務大臣(総務省)が積極的に国民に公表する場合であるが、それとは別に国民が情報公開請求して、政党交付金使途報告書が公開される場合についても、法律改悪の結果、要旨が公表されるまで開示決定がなされなくなくても構わなくなっており(下記の政党助成法の規定およびいわゆる情報公開法の規定を参照)、人権保障としても議会制民主主義の点でも問題である。
法律改正して、要旨の公表を待たずに開示決定されるようにすべきである。
(4)さらに問題点として指摘しておきたいことは、政党等が集めた政治資金の収支報告は、まだ公表されてはいない。11月になるようだ。
その結果として、2009年につき、政党が税金である政党交付金にどれくらいの割合で依存しているのかも、現時点では分からないのである。
ちなみに、2008年については、自民党の政党交付金への依存率は67.9%で、民主党は84.2%であった。
二大政党が国営政党化しているのである!
その結果、党の執行部は強大な権限を持つことに至っている。
(5)マスコミは、昨夜からインターネットで報じ、今日の朝刊で報じている。
昨年は衆議院議員総選挙が施行されたので、政党交付金の支出(特に政治活動費の支出)が増えているようで、年間の約320億円よりも多い約388億円が支出されたという。
(6)政党交付金は残額があれば原則として国庫に返還しなければならないのに、年間総額よりも多い政党交付金の支出が可能になっているのは、いわゆる基金を作って返還逃れが可能になっているからである(下記の政党助成法の規定を参照)。
こうして、政党が使いたいときに思い切ってドッと政党交付金が使われているのである。
しかし、選挙のときに基金が使われるとなると、政党交付金が私的に集めた政治資金ではなく国民の税金が原資である以上、政党交付金を受け取らない政党や政党交付金を受け取れない政党があることを考えると、余りにも不公平である。
これらの政党は、政党交付金に頼ることなく、私的に集めた金で、高額な供託金を工面しなければならず、一定の条件を充足できなければ供託金を没収されてしまうが、政党交付金を受け取れる政党は、税金(政党交付金)で供託金を用意できるし、たとえ供託金が没収されてもその原資は税金だから大きな板ではないからである。
かりに政党助成制度を肯定する立場に立ったとしても、基金による返還逃れを認めるべきではないから、基金を認める規定は削除すべきである。
もちろん、被選挙権を不当に侵害する高額な供託金制度も、廃止を含め見直しすべきである。
(7)公明党の一つの支部が政党交付金の残金を出していたことが、分かったという。
もっとも、これは議員が選挙に立候補せず引退したところの支部のようだ。
議員が引退したところの政党支部は他にもあるだろうが、残金が出たのは、一つの支部だけだったようだ。
つまり、公明党が基金を作らない方針に転換したわけではないようだ。
残念である。
(8)1994年の「政治改革」によって政党助成法が制定されたので、将来は、企業・団体献金が全面禁止されると期待した国民は多かっただろうが、その期待は裏切られている。
民主党はマニフェストで企業・団体献金の全面禁止を公約して政権を奪取したものの、未だにその公約を果たさず反故にしたまま1年が経過した。
私たち納税者・国民は、政治腐敗の温床である企業団体献金と税金が原資である政党交付金との「二重取り」は続けさせるべきではない!
(これについては、上脇博之「ゼロからわかる政治とカネ」日本機関紙出版センター、税込み980円を参照。)
政党は、以上の点を含め政党助成法及び政治資金規正法を至急抜本改正すべきである!
政党交付金使途等報告書平成22年 9月29日公表(平成21年分 定期公表)
政党交付金使途等報告書平成22年 9月29日公表(平成21年分 解散支部分)
(2)真っ先に指摘しておかなければならないのは、2009年分の政党交付金使途報告書は今年の3月に提出されているにもかかわらず、この公表がその提出から半年もかかっており(下記の政党助成法の規定を参照)、余りにも遅いということである。
要旨の公表は時間を要するとしても、報告書自体の公表はもっと早くできるのではなかろうか!
政党助成法
(政党の報告書の提出等)
第17条 第15条第1項の政党の会計責任者(・・・)は、12月31日現在で、当該政党のその年における次に掲げる事項(これらの事項がないときは、その旨)を記載した報告書を、同日の翌日から起算して3月以内(その間に総選挙又は通常選挙の公示の日から選挙の期日までの期間がかかる場合(第31条において「報告書の提出期限が延長される場合」という。)には、4月以内)に、総務大臣に提出しなければならない。
(略)
2 政党の会計責任者は、前項の報告書を提出するときは、総務省令で定めるところにより、次に掲げる書面又は文書を併せて提出しなければならない。
(略)
(報告書等の要旨の公表)
第31条 総務大臣は、定期報告文書(・・)を受理したときは、総務省令で定めるところにより、官報により、その要旨を公表しなければならない。この場合において、定期報告文書については、報告書の提出期限が延長される場合その他特別の事情がある場合を除き、当該定期報告文書が提出された年の9月30日までに公表するものとする。
(3)また、以上の公表は総務大臣(総務省)が積極的に国民に公表する場合であるが、それとは別に国民が情報公開請求して、政党交付金使途報告書が公開される場合についても、法律改悪の結果、要旨が公表されるまで開示決定がなされなくなくても構わなくなっており(下記の政党助成法の規定およびいわゆる情報公開法の規定を参照)、人権保障としても議会制民主主義の点でも問題である。
法律改正して、要旨の公表を待たずに開示決定されるようにすべきである。
(報告書等に係る情報の公開)
第32条の2 定期報告文書若しくは解散等報告文書又はこれらに併せて提出すべき書面若しくは文書で第31条の規定により当該定期報告文書又は解散等報告文書の要旨が公表される前のものに係る行政機関の保有する情報の公開に関する法律 (・・・)第3条 の規定による開示の請求があった場合においては、当該要旨が公表される日前は同法第9条第1項 の決定を行わない。
2 ・・・。
3 都道府県は、第1項の規定の例により、都道府県提出文書に係る情報の開示を行うものとする。
行政機関の保有する情報の公開に関する法律
(開示請求権)
第3条 何人も、この法律の定めるところにより、行政機関の長(・・・)に対し、当該行政機関の保有する行政文書の開示を請求することができる。
開示請求に対する措置)
第9条 行政機関の長は、開示請求に係る行政文書の全部又は一部を開示するときは、その旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨及び開示の実施に関し政令で定める事項を書面により通知しなければならない。
2 ・・・。
(4)さらに問題点として指摘しておきたいことは、政党等が集めた政治資金の収支報告は、まだ公表されてはいない。11月になるようだ。
その結果として、2009年につき、政党が税金である政党交付金にどれくらいの割合で依存しているのかも、現時点では分からないのである。
ちなみに、2008年については、自民党の政党交付金への依存率は67.9%で、民主党は84.2%であった。
二大政党が国営政党化しているのである!
その結果、党の執行部は強大な権限を持つことに至っている。
(5)マスコミは、昨夜からインターネットで報じ、今日の朝刊で報じている。
昨年は衆議院議員総選挙が施行されたので、政党交付金の支出(特に政治活動費の支出)が増えているようで、年間の約320億円よりも多い約388億円が支出されたという。
毎日新聞 2010年9月29日 20時16分(最終更新 9月29日 20時30分)
政党交付金:衆院選で支出5割増 224億8800万円
総務省は29日、09年分の政党交付金の使途等報告書を公表した。政権交代に結びついた激戦の衆院選があった影響で選挙費用などの政治活動費が前年比2.1倍の計224億8800万円に上り、支出総額は49.9%増の計387億9300万円と、年間の交付総額319億4200万円を上回った。交付を受けた8党のうち6党が、前年までに政党交付金から積み立てた政党基金を取り崩した。
支出が最多だったのは自民党で、前年比35.8%増の184億2100万円。民主党は156億300万円で続いたが、伸び率は86.5%増に達した。交付額の最多は自民党の139億8000万円だったが、衆院選で大幅に議席を増やした民主党も136億6100万円に達し、支出、交付ともに両党で全体の9割近くを占めた。
09年から交付対象となったみんなの党と改革クラブ(現・新党改革)を除く6党で支出総額が交付額を上回り、政党基金残高の合計は08年末の112億6500万円から6割減の44億200万円になった。
政党交付金は政党助成法に基づき、所属国会議員数と直近の国政選挙の得票数に応じ、受け取りを拒否している共産党を除く各党に配分される。交付額は1〜8月分は1月1日、9〜12月分は衆院選後の8月31日を基準日に算出された。【笈田直樹】
(6)政党交付金は残額があれば原則として国庫に返還しなければならないのに、年間総額よりも多い政党交付金の支出が可能になっているのは、いわゆる基金を作って返還逃れが可能になっているからである(下記の政党助成法の規定を参照)。
こうして、政党が使いたいときに思い切ってドッと政党交付金が使われているのである。
しかし、選挙のときに基金が使われるとなると、政党交付金が私的に集めた政治資金ではなく国民の税金が原資である以上、政党交付金を受け取らない政党や政党交付金を受け取れない政党があることを考えると、余りにも不公平である。
これらの政党は、政党交付金に頼ることなく、私的に集めた金で、高額な供託金を工面しなければならず、一定の条件を充足できなければ供託金を没収されてしまうが、政党交付金を受け取れる政党は、税金(政党交付金)で供託金を用意できるし、たとえ供託金が没収されてもその原資は税金だから大きな板ではないからである。
かりに政党助成制度を肯定する立場に立ったとしても、基金による返還逃れを認めるべきではないから、基金を認める規定は削除すべきである。
もちろん、被選挙権を不当に侵害する高額な供託金制度も、廃止を含め見直しすべきである。
政党助成法
(政党交付金による支出の定義等)
第14条 この章において「政党交付金による支出」とは、政党のする支出(・・・)のうち、政党交付金を充て又は政党基金(特定の目的のために政党交付金の一部を積み立てた積立金をいい、これに係る果実を含む。以下同じ。)を取り崩して充てるもの(借入金の返済及び貸付金の貸付けを除く。)をいい、支部政党交付金の支給を含み、支部政党交付金による支出を含まないものとする。
2 ・・・
3 ・・・。
第33条 ・・・・。
2 総務大臣は、政党交付金の交付を受けた政党が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、総務省令で定めるところにより、当該政党(・・・)に対し、期限を定めて、当該各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額に相当する額の政党交付金の返還を命ずることができる。
一 当該政党がその年において交付を受けた政党交付金の総額(その年の12月31日における政党基金の残高がその年の前年の12月31日における政党基金の残高を下回る場合には、当該下回る額を加算した額とする。)から、当該政党がその年においてした政党交付金による支出(・・・)の総額(その年の12月31日における政党基金の残高がその年の前年の12月31日における政党基金の残高を上回る場合には、当該上回る額を加算した額とする。)を控除して残余がある場合 当該残額
二 当該政党の支部がその年において支給を受けた支部政党交付金(・・・)の総額(その年の十二月三十一日における支部基金の残高がその年の前年の12月31日における支部基金の残高を下回る場合には、当該下回る額を加算した額とする。)から、当該政党の支部がその年においてした支部政党交付金による支出(・・・)の総額(その年の12月31日における支部基金の残高がその年の前年の12月31日における支部基金の残高を上回る場合には、当該上回る額を加算した額とする。)を控除して残余がある場合 この号に該当するすべての支部に係る当該残額の合計額
三 当該政党が解散(・・・)をし、又は目的の変更その他により政治団体でなくなった場合において、その年の1月1日から第21条第1項の届出をした日までに交付を受けた政党交付金の総額(当該届出をした日(・・・)における政党基金の残高がその年の前年の12月31日における政党基金の残高を下回る場合には、当該下回る額を加算した額とする。)から、当該政党がその年の1月1日から当該解散をし又は目的の変更その他により政治団体でなくなつた日(・・・)までにした政党交付金による支出の総額(当該解散等の日における政党基金の残高がその年の前年の12月31日における政党基金の残高を上回る場合には、当該上回る額を加算した額とする。)を控除して残余があるとき 当該残額及び当該届出をした日における政党基金の残高の合計額
四 当該政党が解散をし、若しくは目的の変更その他により政治団体でなくなった場合又は第29条第1項第2号に掲げる場合において、当該政党の支部がその年の1月1日から第21条第1項の届出があった日(・・・)までに支給を受けた支部政党交付金の総額(当該届出があった日(・・・)における支部基金の残高がその年の前年の12月31日における支部基金の残高を下回る場合には、当該下回る額を加算した額とする。)から、当該支部がその年の1月1日から当該解散等の日(・・・・)までにした支部政党交付金による支出の総額(当該解散等の日における支部基金の残高がその年の前年の12月31日における支部基金の残高を上回る場合には、当該上回る額を加算した額とする。)を控除して残余があるとき この号に該当するすべての支部に係る当該残額及び当該届出があった日における支部基金の残高の合計額
3 合併解散政党若しくは分割解散政党又はこれらの政党の支部がその年において当該合併又は分割による解散の日までに交付又は支給を受けた政党交付金及び支部政党交付金で当該解散の日までに政党交付金による支出又は支部政党交付金による支出に充てていないもの(政党基金又は支部基金として積み立てられたものを除く。以下この項において同じ。)並びにこれらの政党又はその支部が当該解散の日において有していた政党基金及び支部基金を引き継いだ当該合併に係る存続政党若しくは新設政党又は当該分割に係る分割政党(以下この条において「存続政党等」という。)は、総務省令で定めるところにより、その旨を総務大臣に届け出なければならない。この場合において、当該政党交付金及び支部政党交付金は当該合併又は分割の日に当該存続政党等に対し政党交付金として交付されたものとみなし、当該政党基金及び支部基金は当該合併又は分割の日に当該存続政党等に対し政党交付金として交付され、かつ、その日に政党基金として積み立てられたものとみなして、第4章、第28条から第30条まで並びに第1項及び第2項の規定(・・・)を適用する。
4 ・・・。 5 ・・・。
6 総務大臣は、第一項又は第二項の規定により、政党交付金の交付を停止し、又は政党交付金の返還を命ずるときは、当該政党に対して、理由を示してその旨及び当該停止に係る政党交付金の額又は返還すべき政党交付金の額を通知しなければならない。
7 ・・・。 8 ・・・。
9 ・・・。 10 ・・・。
11 ・・・。 12 ・・・。
(7)公明党の一つの支部が政党交付金の残金を出していたことが、分かったという。
もっとも、これは議員が選挙に立候補せず引退したところの支部のようだ。
議員が引退したところの政党支部は他にもあるだろうが、残金が出たのは、一つの支部だけだったようだ。
つまり、公明党が基金を作らない方針に転換したわけではないようだ。
残念である。
毎日新聞 2010年9月29日 23時59分
政党交付金:「余った」…国に150万円返還 公明党支部
09年に配分された政党交付金について、公明党の「参院東京選挙区第3総支部」(東京都多摩市)が約150万円の残余金を出していたことが、29日に公開された使途等報告書で明らかになった。総務省は政党助成法に基づき、返還命令を出し国に返納させる。不正経理が発覚して交付金を返還させたケースはこれまでに1件あったが、自主的に残余金を出したのは95年の制度開始以来、初めてという。
政党交付金は国民の税金でまかなわれ「政治活動の自由尊重」を理由に使途は制限されていない。基金として積み立て、翌年以降に繰り越すことも可能で、残余は出ないのが通例。手続き上、余った場合は返還命令を受ける形で国に返納できる。
報告書によると、09年当時の同支部代表は7月の参院選に出馬せず引退した沢雄二前参院議員(東京選挙区)。同年は総額約900万円の政党交付金を党本部から配分された。支部はガソリン代などの「備品・消耗品費」に約170万円など、総額約750万円を支出。余った約150万円は基金として積み立てなかった。
09年分で出した残余について、当時の会計担当者は「1年で使い切れなかった分。基金に入れたりせず、返還するのが当然と考え、残余として出した」と説明している。
総務省などによると、政党交付金を巡っては、自民党の支部で03年分について領収書のコピーを悪用した不正経理が07年に発覚。同省が返還命令を出したことがあった。
沢前議員は毎日新聞の取材に対し、家族を通じ「交付金は国民の税金であり、10年7月に議員を勇退することが決まっていたので、基金とせず返還することにした」とした。
「政治資金オンブズマン」共同代表で、神戸学院大法科大学院の上脇博之教授(憲法学)は「余りが出れば返還するというのが本来の考え方。しかし、基金という制度があることで、『余ったらためておこう』となっているのが現状。こうした点や政党交付金と企業・団体献金の『二重取り』など問題点は多く、きちんと解決すべきだ」としている。【曽田拓】
(8)1994年の「政治改革」によって政党助成法が制定されたので、将来は、企業・団体献金が全面禁止されると期待した国民は多かっただろうが、その期待は裏切られている。
民主党はマニフェストで企業・団体献金の全面禁止を公約して政権を奪取したものの、未だにその公約を果たさず反故にしたまま1年が経過した。
私たち納税者・国民は、政治腐敗の温床である企業団体献金と税金が原資である政党交付金との「二重取り」は続けさせるべきではない!
(これについては、上脇博之「ゼロからわかる政治とカネ」日本機関紙出版センター、税込み980円を参照。)
政党は、以上の点を含め政党助成法及び政治資金規正法を至急抜本改正すべきである!