(1)大島九州男・民主党参院議員(元福岡県直方市議)が「東日本大震災復興・支援する集い」と銘打った政治資金パーティーを北九州市内で開いたという。
義援金は総収入の約1割だという。
(2011年6月23日10時09分 読売新聞)
参院議員、震災支援と資金集めたのに義援金1割

 民主党参院議員の大島九州男氏(元福岡県直方市議)が19日に「東日本大震災復興・支援する集い」と銘打った政治資金パーティーを北九州市内で開き、被災者への義援金とともに自らの活動資金を集めていたことがわかった。
 義援金は総収入の約1割で、識者からは「震災に便乗した資金集め」との指摘も出ている。
 大島氏の事務所などによると、パーティー券は1枚1万円で、総収入は約350万円だった。収入の約7割が経費で、義援金に充てるのは約40万円。日本赤十字社を通じて被災者に寄付する方針だが、残りの約70万円は政治資金にするという。
 大島氏は比例選出で全国が選挙区。総務省選挙課は「どういう名目で寄付をするのか不明だが、選挙区内への寄付を禁止した公選法に抵触する恐れがある」と指摘。政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授(憲法学)は「義援金を大義名分にしたと批判されても仕方ない」としている
 大島氏は読売新聞の取材に対し、「政治家の寄付は問題になるので、預かり金として(パーティーの)実行委員会長の名前で寄付することにしている。総務省からも『問題ない』と確認した。例年に比べて集まった資金も少なく、震災に便乗したわけではない」と説明している。

(2)公職選挙法は、選挙の公正を確保するために、国会議員らが選挙区の者に寄附することを禁止している(第199条の2)が、後援団体が同様に寄附することを禁止してもいる。
(後援団体に関する寄附等の禁止)
第百九十九条の五  政党その他の団体又はその支部で、特定の公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)の政治上の主義若しくは施策を支持し、又は特定の公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)を推薦し、若しくは支持することがその政治活動のうち主たるものであるもの(以下「後援団体」という。)は、当該選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、寄附をしてはならない。ただし、・・・(略)

私が取材を受けた読売新聞記者によると、政治資金パーティーの主催者は、大島議員の名前を冠した後援会であるという。
大島議員は、参議院全国選出議員である。

となると、この後援会が政治資金パーティーで集めたカネを東北の人たちに寄附すると、それは、公職選挙法第199条の2に抵触することになる。

(3)大島議員は、2007年参議院通常選挙で参議院に初当選した新人議員であるが、地方議会の議員として連続当選しており、政治家の経験も長いようだ。
大島議員のHPでプロフィールをみると、以下の通りである。
1991年 直方市議会議員に初当選。その後3期連続当選。
2003年2005年と衆議院総選挙に出馬するが惜敗。
2007年 参議院議員に初当選。

したがって、大島議員が公選法の規定を知らなかったとはいえないだろう。

(4)東日本大震災の被災者のことを本気で考えていたのであれば、政治資金集めを通じて行うべきではなかった。

パーティー券はしばしば1枚2万円というのが従来一般的だったが、1枚1万円というのも近年時々報じられている。
大島議員の後援会の政治資金パーティー券も1枚1万円だったようだが、それでも、「例年に比べて集まった資金も少った」となると、義援金名目でなければ、もっと少なかっただろう。

経費が7割もかかり、政治資金として残るのは70万円程度のようだが、被災者支援という大義名分が政治資金集めに利用されたようなものであり、姑息である。

(5)更に気になるのは、大島議員が「預かり金として(パーティーの)実行委員会長の名前で寄付することにしている」としていることだ。

寄附の原資は、政治資金パーティー券の売り上げであろう。
そうすると、その売り上げは、パーティー主催者の後援会(政治団体)のものである。

パーティーの実行委員会長が義援金として寄附するということは、同会長は後援会から寄附を受け、それを寄附することを意味する。
同会長が後援会に戻さない限り、「預かり金」ではない。
つまり、後援会は、同会長が義援金として寄附することを承知したうえで、同会長に寄附することになる。

つまり、後援会は迂回献金することになるわけだ。

明らかに脱法行為であり、違法献金になる。

(6)そもそもパーティー券を購入した人たちも、義援金名目でなければパーティー券を購入したのかどうか、疑問である。

この度の件で大島議員は、HP上で「お詫びと感謝」が記されており、その中で、以下のように書かれている。
このたびの経緯の詳細につきましては資料が整い次第、当ブログに掲載させていただきます。


最終的な処理の報告を待ちたい。

(7)国会議員が本気で被災者のためのことを思うのであれば、法律を制定あるいは改正するなどして、支援することができる。
そのうちの一つに、政党交付金がある。
これについては、また別の機会に投稿する。