(1)政治団体の政治資金パーティーについては、先日、取り上げたように、収益率が高いようだと実質的には寄附として取り扱うべきである。

(2)これに関し連して、以下では、同じ人物が経営する複数の会社が政治団体のパーティー券購入し、それが政治資金規正法の量的制限に違反する疑いがあることを取り上げる。
毎日新聞 2011年11月29日 22時09分(最終更新 11月29日 23時40分)
古賀誠氏パー券:400万円分、同一人物経営4社から

 古賀誠・元自民党幹事長(衆院福岡7区)の資金管理団体が、昨年10月の政治資金パーティーで同じ男性が経営する4社から各100万円計400万円のパーティー券購入を受けていたことが分かった。政治資金規正法は政治資金パーティーの対価支払いを「何人も150万円を超えてはならない」としている。同法に抵触しないよう分散購入した可能性があり、専門家は疑問を呈している。
 福岡県選挙管理委員会が公表した10年分の政治資金収支報告書によると、古賀氏の資金管理団体「古賀誠筑後誠山会」は昨年10月中旬、東京都内で政治資金パーティーを催した。このパーティー券を、全国不動産政治連盟(全政連)の男性役員が経営する不動産融資会社2社が同年9月、それぞれ100万円分購入。さらに10月上旬に同じ男性役員が代表を務める別会社2社が各100万円分購入した。
 古賀氏の事務所は「購入協力のお願いは各社にしており、額も各社が決めている。法的に問題はない」としている。
 しかし、政治資金オンブズマン共同代表の上脇博之・神戸学院大法科大学院教授は「4社が個別に購入を判断したとは考えにくく、実質的に法の限度を超す支払いがあったとみるのが合理的。同じ経営者と知りながら購入依頼したとすれば癒着の関係が疑われる」と指摘した。
 古賀氏は昨年、福岡7区内の12人と1業者に祝儀や香典計39万円を支出。公職選挙法違反の疑いも浮上している。

(3)政治資金規正法は、上記の量的制限につき、以下のように定めている。
第22条の8  政治資金パーティーを開催する者は、一の政治資金パーティーにつき、同一の者から、150万円を超えて、当該政治資金パーティーの対価の支払を受けてはならない。
2  ・・・。
3  何人も、政治資金パーティーの対価の支払をする場合において、一の政治資金パーティーにつき、150万円を超えて、当該政治資金パーティーの対価の支払をしてはならない。
4 ・・・(以下、略)

第26条の3  次の各号の一に該当する者は、50万円以下の罰金に処する。
一  ・・・
二  ・・・
三  第22条の8第1項の規定に違反して対価の支払を受けた者(団体にあつては、その役職員又は構成員として当該違反行為をした者)
四  ・・・
五  第22条の8第3項の規定に違反して対価の支払をした者(団体にあつては、その役職員又は構成員として当該違反行為をした者)

(4)この量的制限の問題については、以前、全国の郵便局長らでつくる政治団体「郵政政策研究会」(旧「大樹全国会議」)が20007年〜2008年、国民新党側に2回のパーティー券代として計3350万円を、政治資金規正法の量的規制に違反して提供していたとの疑惑を取り上げたことがある。

両者は全く同じではないが、類似している。

(5)そもそも政治資金規正法の上記量的制限規定は、政治家側と業者との癒着を防止するために定められていると解すべきである。
それゆえ、この問題は、形式論ではなく、実質論で解すべきである。

(6)上記記事では、パーティー券を購入したのは、形式的には、複数の企業である。
そうすると、各企業で両制限金を考えることになるが、同一人物が当該複数の企業を経営する場合には、形式論で考えるのではなく、実質的に考え、150万円の量的制限に抵触するとの結論もありうるだろう。

(7)このような問題を突き詰めて考えると、やはり企業・団体の政治資金パーティー券購入の全面禁止が、その政治献金の全面禁止とともに、是非とも求められる、との結論に至る。