(1)「改革フォーラム21」が昨年(2010年)も一昨年と同じ手口で陸山会に違法な迂回献金していたことが先日判明したことは、昨日ブログで紹介しました。

(2)一昨年の手口については、「改革フォーラム21」の当時の会計責任者のマスコミへの回答が「自白」であるとして私たち研究者は今年2月上旬に東京地検に刑事告発しましたが、昨日、小沢一郎氏の刑事裁判で、元秘書の池田光智氏から、ある証言が飛び出しました。
産経新聞2011.12.7 18:59
【小沢被告第7回公判(11)】
旧新生党の資金移動「小沢被告から相談受けた」 迂回献金を認識!?

 (16:30〜17:00)

 《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第7回公判は、検察官側の指定弁護士による、池田光智元私設秘書(34)=1審有罪、控訴中=に対する証人尋問が続いている》

(略)

 《続いて、指定弁護士は小沢事務所側が保有していた8つのマンションについて、一連の報道を受けて5つを処分していた点に言及した後、21年の衆院選について尋ねていく》
 《衆院選にからみ、小沢被告側は民主党の立候補予定者92人の政治団体に計4億4900万円を寄付したが、陸山会はその原資が不足していたため、迂回献金の疑いも指摘される手法で、旧新生党の資金がプールされる政治団体「改革フォーラム21」から3億7000万円の寄付を受けていた》
 《こうした「無理」のある資金移動の背景について、指定弁護士は土地代金4億円を簿外で小沢被告に返済し、政治団体の資金が枯渇し
たことにあると指摘。池田元秘書に疑問をぶつける》

 指定弁護士「3億7000万円は、小沢被告の関係政治5団体では足りませんよね」

 証人「まあそうですね」

 指定弁護士「その資金について、小沢被告から相談を受けましたか

 証人「はい。いつだったかは覚えていませんが。『改革フォーラムから陸山会に寄付ができるかどうか』みたいな話があって、直接では上限額があるので、他団体からであれば、という説明をしました

 指定弁護士「それは7月に(各政治団体に)寄付をした後ですか」

 証人「はい」

 指定弁護士「(候補予定者側への)寄付の後で、改革フォーラムの資金をどう処理するか相談を受けたんですね」

 証人「はい」

 《21年の衆院選では、小沢被告がいったん陸山会に3億7000万円の現金を貸し付け、それを原資に91人の候補予定者側に分配。
その2日後に全額の返済を受けている。返済の原資には改革フォーラム21の3億7000万円が充てられたとされており、小沢被告からの相談はそれに関するものだったとみられる》
(略)

(3)池田氏の上記証言によると、小沢氏が「改革フォーラム21」からの政党支部をトンネルにした陸山会への迂回献金の違法性を認識していたことになります。
産経新聞 12月8日(木)7時55分配信
【剛腕出廷】旧新生党 迂回献金疑惑 小沢氏、脱法性認識か

 ■事前相談、池田元秘書が証言
 民主党の小沢一郎元代表側が平成21年の衆院選にあたり、旧新生党の資金がプールされている政治団体「改革フォーラム21」から3億7千万円の寄付を受け、迂回(うかい)献金の疑いで刑事告発されていた問題で、小沢氏が会計事務担当の秘書に資金移動の可否を事前相談し、「直接では上限額があるので、他団体からであれば」などと迂回を示唆する回答を得ていたことが7日、分かった。資金移動に小沢氏の意向が大きく関わり、脱法性を認識していた可能性が浮上した。
                   ◇
 同日、東京地裁で開かれた資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる小沢氏の公判で、池田光智元私設秘書(34)=1審有罪、控訴中=が証言した。
 政治資金規正法では、政治団体間の寄付の上限を、年間5千万円までと規定している。小沢氏側が、除外規定のある政党支部「民主党岩手県第4区総支部」を介して、3億7千万円を陸山会に移したことは同法に違反するとして、市民団体が今年2月、小沢氏らを東京地検に刑事告発していた。
 公判で池田元秘書は、検察官役の指定弁護士から3億7千万円について「小沢被告から相談を受けたか」と問われ、「(小沢氏から)『改革フォーラム21から陸山会に寄付ができるか』というような話があり、直接では上限額があるので他団体からであれば、という説明をした」などと答えた。
 政治資金収支報告書によると、改革フォーラムは衆院が解散した21年7月21日、総支部に3億7千万円を寄付。翌22日、同支部が陸山会に同額を寄付した。陸山会はこの前後に、民主党候補計91人側に計4億4900万円を選挙資金として配った。
 告発した市民団体「政治資金オンブズマン」共同代表で、神戸学院大の上脇博之教授(憲法学)は「発言内容からも、小沢氏が旧新生党の資金を私物化していたことは明らか。上限規定があることを秘書から伝えられており、違法性を認識していた可能性が高い」としている。                   ◇
 陸山会事件の第7回公判の証人尋問で、池田元秘書は、16年の土地代の支出を17年分の収支報告書に記載することについて「(小沢氏に)説明したことはありません」と共謀を否定した。

(4)「改革フォーラム21」の当時の会計責任者のマスコミへの説明と池田氏の上記証言からすると、「改革フォーラム21」側と小沢氏は共謀して違法な迂回献金をしたようだ。

2009年の共謀による違法な迂回献金は「成功」した。
2010年も同様に共謀して違法な迂回献金がなされた、ということになるのだろう。
2009年分についての私達の刑事告発はその後(今年2月上旬)であった。