はじめに

(1)いま都知事選挙に立候補している舛添要一氏が代表を務めていた「新党改革」(2010年結成)の借入金2億5000万円の一部を、税金(政党交付金と立法事務費)で(迂回による還流という手口を使って)違法に返済(3年で利息も含め完済)していたことは、すでに紹介しました。

「新党改革」(舛添要一代表)の借入金2億5000万円の違法返済問題

(2)3つの政治団体のうち、2011年6月30日に解散した「舛添要一後援会」がペーパー団体だったのではないかとの疑念が生じることを指摘しました。

「舛添要一後援会」(解散)はペーパー団体だった!?

そうなると、「新党改革」が違法に行わっていた税金による違法な借入金返済問題などにおける政党交付金(税金)の還流の手口では、「舛添要一後援会」が全く役割を果たしていないわけではないものの、特に重要な役割を果たしていると思われるのは、残りの2つの政治団体ということになりますが、舛添要一氏が代表を務める「新党改革比例区第4支部」が、「グローバルネットワーク研究会」など別の政治団体が「新党改革本部」からの税金を迂回して受け取るためのトンネルとしての役割を果たしていることも指摘しました。

「新党改革比例区第4区支部」(舛添要一・代表)の一つの重要な役割(迂回のためのトンネル団体)

そして、次に、舛添要一氏が代表を務めている「グローバルネットワーク研究会」は、「新党改革」が政党交付金という税金をマネーロンダリングするときに(他の政治団体と同じように)極めて重要な役割を果たしていることを確認しました。

「新党改革」(舛添要一・代表)のマネーロンダリングにおける「グローバルネットワーク研究会」(舛添・代表)の重要な役割

(3)3つの政治団体の政治資金の実態や役割が少しずつ見えてきたので、再び「新党改革」の借入金2億5000万円の一部を、政党交付金と立法事務費で、迂回による還流という手口を使って違法に返済していたことの問題に戻り、2010年について、少し具体的に分析しました。

「新党改革」(舛添要一代表)の借入金2億5000万円の違法返済問題(その2)2010年の場合

(4)そして、2010年〜2012年の「新党改革」の借入金2億5000万返済方法につき、私は、立法事務費あるいは政党交付金が使われているだろうから、それは違法であると考えており、その理由についての私見を、さらに詳しく解説しました。

「新党改革」(舛添要一代表)の借入金2億5000万円の返済方法における違法性(私見)

1.2億5000万円の借入は立替えか?

(1)すでに説明したように、政党助成法は、私見によると、政党交付金を「借入の返済」などに支出することを禁止していますが、政党交付金の交付を受ける前の立替えのために借入れをし、政党交付金の交付後に、借入金を支出したものに政党交付金を充てることを許容しています。

(2)しかし、「新党改革」の2億5000万円の借入が、後者に該当するのかといえば、疑問であることも指摘してきました。

特に先の投稿で、2億5000万円がいわゆる立替えでは説明できないことを、以下のように書きました。
もし借入金2億500万円が一時的な立替えのための資金であったのであれば、「新党改革」は、年内に2億5000万円を返済していたはずです。
しかし、2010年は、1億5000万円(および利息)しか返済されておらず、借入の残金はまだ1億円もあり、「翌年への繰越金」も1345万円弱しかなっかたのです。
これは、立替えでは説明し尽くせません。

そもそも自己資金調達の十分な見込みがなく、政党交付金も1億3445万円弱程度なのに、それを1億1500万円以上も上回る2億5000万円も借入れた、というのは、借入れが立替えだけの目的ではなかったからでしょう。


(3)以下では、さらに、2010年の借入の時期と返済時期が政党交付金の収支の状態との関係で整合性がないことを指摘し、それを通じて、2億5000万円の借入れが、政党交付金の受領前の立替え目的ではなかったことを指摘します。

(4)ところで、政党交付金の使途報告書では、支出の日付が明記されている支出ばかりではありません。、
人件費の支出は年間の支出総額は明記されていますが、支出日も含め詳細は明記されていません。
人件費以外では、「その他の支出」は、いつ支出されたのか、不明です。

ですから、借入の時期と返済時期における政党交付金の収支状態は、会計帳簿が公開されない限り、私たち国民にはわかりません。

とはいえ、支出日が明記されている支出の額も多いし、支出日の明記されていない支出についてはある程度試算して、借入の時期と返済時期における政党交付金の収支状態を大まかに知ることは可能です。

したがって、以下では、このような試算を行います。

(5)「人件費」については、毎月の支出額を試算するために、総額を12で割ります。
「新党改革」の2010年の使途報告では、「光熱水費」も同様です。

「その他の支出」ですが、
「経常経費」も、それらを合計し12で割り、月末に支出したものとします。

「政治活動費」の「その他の支出」は、参議院通常選挙の時期に支出されたものとみなします。
その方が「新党改革」に有利だからです。


2.借入れ時期が遅い!

(1)「新党改革」は「政党交付金4月分」(約3000万円)の交付を受けるのは、2010年4月20日です。

政党交付金4月分   30,108,500円 4月20日

(2)「新党改革」の使途報告書によると、それまでの政党交付金の支出は私の試算の含め以下のとおりです。

1月27日 会場使用料    97,944円
1月27日 専用サーバホスティング  86,100円
1月28日 党本部家賃    150000円
月末 人件費         652577円
月末 光熱水費          35273円
月末 支出日不明経常経費     156808円
2月25日 党本部家賃     150000円
2月26日 専用サーバホスティング  86,100円
月末 人件費          652577円
月末 光熱水費          35272円
月末 支出日不明経常経費     156808円
3月30日 党本部家賃     150000円
3月31日 専用サーバホスティング   86,100円
月末 人件費          652577円
月末 光熱水費          35273円
月末 支出日不明経常経費     156808円
        計        3,340,217円

前述の「政党交付金4月分」の交付を受け、この時点で政党交付金の帳簿上「残金」は以下です(この交付前の支出については、どのように金を工面したのかについては、ここでは問いません)。

    26,768,283円

(3)ここから「新党改革」は支部への交付金を支出し、3日後には政党交付金お帳簿上赤字になります。

4月20日 監査報酬            420000円
4月20日 監査報酬            420000円
4月23日 改革クラブ衆議院茨城第七支部 6,000,000円
4月23日 改革クラブ比例区第三支部 6,000,000円
4月23日 改革クラブ香川県第一支部 6,000,000円
4月23日 改革クラブ比例区第一支部 5,268,500円
4月23日 改革クラブ比例区第二支部 6,000,000円

この時点で、以下が赤字額です。

      −3,340,217円

さらに「新党改革」は、支出を続けます。

4月30日 専用サーバホスティング 86,100円
4月30日 党本部家賃      150000円
月末 人件費           652577円
月末 光熱水費            35273円
月末 支出日不明経常経費      156808円
5月6日 旅費交通費      110,000円

この時点で、赤字は約450万円です。

      −4,530,975円

(4)ここでやっと、「新党改革」は、銀行から5000万円を借入ます。

銀行からの借入   5000万円 5月14日

これは政党交付金の会計帳簿上でいえば、政党交付金の交付前にカネを工面したことになりますが、時期としては遅いように思えてなりません。

もちろん、銀行からの借入に時間を要したのかもしれませんので、さらに、検討を続けましょう。

2.立替えとは程遠い過大な借入

(1)新党改革」は、その後、銀行からの借入までに支出を行います。

5月17日 会場使用料 64,500円
5月19日 会場使用料 758,982円
5月19日 演台      122115円
5月24日 web制作費     271,425円
5月28日 ホテル代  189,914円
月末 人件費    652577円
月末 光熱水費      35273円
月末 支出日不明経常経費 156808円
6月2日 党本部家賃 150000円
6月3日 会場使用料 350,981円
6月3日 会場使用料 102,480円
6月3日 制作費     1,494,150円

この時点で、前述の借入金5000万円を除くと、政党交付金の帳簿上は約888万円の赤字です。

         −8,880,180円

これは、前述の「銀行からの借入」5000万円で凌いでいるわけです。

(2)「新党改革」は、この時点で、さらに借入を行いますが、その金額は、なんと2億円です!!!

銀行からの借入    2億円 6月4日

「新党改革」の2010年の政党交付金の金額を考えれば、参議院通常選挙後に再算定されるとはいえ、過大な借入額です。

これは、国会閉会は6月16日で、参議院通常選挙の公示が同月24日、投票が11日でしたから、参議院選挙のために、政党交付金とは別に選挙運動資金を銀行から借入れて調達したものでしょう。

現に、すでに別の投稿で紹介したように、政党交付金以外の政治資金が選挙関係費として政治資金収支報告書で報告されていました。

それゆえ、「新党改革」の銀行からの借入れは、その時期や金額を考慮すると、いわゆる立替えのためではなく、それを超えたものと評しうるでしょう。

4.返済時が早い!

(1)政党交付金7月分が交付されるまでに政党交付金の支出が行われています。

6月10日 家賃     1050000円
6月10日 党本部駐車場代 160000円
6月14日 航空券     106,300円
6月14日 web制作費     225,750円
6月16日 撮影代     133,875円
6月16日 レンタル    1,946,700円
6月16日 家賃     2730000円
6月16日 事務服      157680円
6月16日 運搬費      115500円
6月16日 国会閉幕
6月21日 航空券      55,200円
6月22日 宿泊費      63,000円
6月22日 JR乗車券      77,370円
6月24日 参議院通常選挙公示
6月30日 航空券      68,200円
月末 人件費      652577円
月末 光熱水費       35273円
月末 支出日不明経常経費 156808円
7月1日 制作費   758,100円
7月1日 制作費     1,881,075円
7月1日 党本部家賃 150000円
7月1日 電話代6月分 64282円
7月2日 web制作費      271,425円
7月2日 web制作費    225,750円
7月5日 航空券      61,600円
7月5日 航空券      61,600円
7月6日 発送費     1,590,308円
7月6日 旅費交通費 55,300円
7月7日 事務服       58520円
7月10日 ホテル代    112,437円
7月11日 参院通常選挙投票日
7月12日 宿泊費       93,945円
7月12日 レンタル      1,926,750円
7月12日 制作費       630,000円
7月12日 複写機リース代  1377600円
7月12日 複写機リース代  452550円
7月12日 レンタル       490350円
7月12日 文房具       104446円
7月12日 袖看板       183750円
7月14日 新党改革香川県第一支部 1,794,799円
7月16日 制作費        157,500円
7月16日 制作費        750,000円
7月16日 制作費       3,508,575円
7月16日 web制作費        540,750円
7月16日 党本部家賃・礼金    147000円
7月16日 不動産手数料     73500円
支出日不明政治活動費   1780682円

この時点で、借入金を除くと、政党交付金の帳簿上は3500万円を超える赤字です。

          −35,917,007円

(2)ここで、やっと政党交付金約3000万円が交付されます。

政党交付金7月分 30,108,500 7月20日

しかし、、政党交付金の帳簿上は580万円を超える赤字です。

          −5,808,507円

もっとも、前述の銀行からの借入があることには留意する必要があります。

(3)そして、7月末までに以下の支出がなされていますが、政党支部への交付金が目立ちます。迂回による還流のためかもしれません。

7月20日 レンタカー       177604円
7月21日 新党改革香川県第一支部 5,000,000円
7月21日 新党改革徳島県第一支部 5,000,000円
7月21日 新党改革栃木県第一支部 5,000,000円
7月21日 新党改革比例区第一支部 5,000,000円
7月21日 新党改革比例区第四支部 5,000,000円
7月21日 新党改革比例区第二支部 5,000,000円
7月23日 電話代7月分        81057円
7月23日 電話代7月分        183520円
7月26日 宿泊費             74,470円
7月26日 撮影代            319,200円
7月26日 撮影代            185,587円
月末 人件費            652577円
月末 光熱水費            35273円
月末 支出日不明経常経費       156808円

この時点で、2億5000万円の借入が行われているとはいえ、政党交付金の会計帳簿上は、3700万円を超える赤字です。

          −37,674,603円

(4)にもかかわらず、「新党改革」は、借入金2億5000万円のうち1億円を返済します。

返済     1億円 8月3日


この時点で1億円を返済していまうのは、まだ1億5000万円の借入が残っているとはいえ、10月の政党交付金の交付前に、政党交付金の会計帳簿上赤字をカバーする気があったのか、疑問です。

もし借入金が政党交付金が交付される前の立替え用であれば、政党子付近の交付を待って借入金の返済を行うはずだからです。
また、結果論かもしれませんが、2010年の年末の時点で借入金は1億円残っていたからです。

(5)その後も、支出が続きますが、9月は試算した人件費と支出日不明の経常経費しか支出がありません。

8月6日 新党改革香川県第一支部 170,807円
8月11日 新党改革香川県第一支部 145,499円
8月26日 電話代8月分       65405円
8月26日 文房具           261621円
月末 人件費           652577円
月末 光熱水費           35273円
月末 支出日不明経常経費      156808円
月末 人件費           652577円
月末 光熱水費           35273円
月末 支出日不明経常経費      156809円
10月5日 党本部家賃      147000円
10月7日 家賃           150000円
10月15日 ビデオレンタル       54270円

そして、政党交付金10月分の交付を受けまています。

政党交付金10月分      29,881,500円 10月20日

しかし、借入金の残金を除くと、政党交付金の会計帳簿上は1000万円を超える赤字です。

 −10,627,022円

(6)その後も11月末まで支出が行われますが、ここでも政党支部への交付金が目立ちます。

10月25日 新党改革徳島県第一支部  300,000円
10月25日 新党改革比例区第四支部 3,000,000円
10月25日 新党改革比例区第二支部 3,000,000円
月末 人件費            652577円
月末 光熱水費             35273円
月末 支出日不明経常経費        156809円
11月9日 党本部家賃        73500円
11月17日 新党改革香川県第一支部 1,000,000円
11月17日 新党改革徳島県第一支部  900,000円
11月17日 新党改革栃木県第一支部 1,000,000円
11月17日 新党改革比例区第一支部 1,000,000円
11月29日 党本部家賃        73500円
月末 人件費            652577円
月末 光熱水費             35273円
月末 支出日不明経常経費        156809円

この時点で、借入金の残金を除くと、政党交付金の会計帳簿上は2200万円を超える赤字です。

           −22,663,340円

(7)にもかかわらず、「新党改革」は借入の残金1億5000万円のうち2500万円の返済を行います。

返済        2500万円 12月14日

(8)そして、「新党改革」は、政党交付金の12月分の交付を受けます。


政党交付金12月分    29,881,500円    12月20日

ここでやっと、政党交付金の会計帳簿上は黒字になります。

 7,218,160円

(9)その後、支部への交付金の支出も続きます。


12月20日 新党改革徳島県第一支部  300,000円
12月20日 新党改革比例区第四支部 3,000,000円
12月20日 新党改革比例区第二支部 3,000,000円
12月24日 党本部家賃        73500円

そして、銀行に2500万円お返済がなされます。

返済    2500万円 12月27日

最後の試算の支出は以下です。

月末 支出日不明経常経費  156809円
月末 人件費       652578円
月末 光熱水費       35273円


おわりに

(1)以上、私の試算も含め、「新党改革」の2010年分の政党交付金の収支状態をみました。

試算ではありますが、以上は、実態と根本的に掛け離れたものではないでしょう。

(2)それによると。2億5000万円が、本質的に、参議院選挙の資金調達のための立替えであったとは言えないでしょう。

むしろ、参議院選挙のための資金調達であり、かつ立替えとは別の資金調達だったのではないでしょうか。

(3)「新党改革」は政党交付金の会計帳簿をマスコミに公表すべきでしょう。

当時代表だった舛添氏は、私の疑念を払拭するために、今の「新党改革」に政党交付金の会計帳簿公表をお願いすべきでしょう。