はじめに
(1)安倍晋三自公連立内閣が憲法9条「解釈改憲」閣議決定というクーデターを強行したこと、それに対する主権者国民の抗議行動については、すでに紹介しました。
与党合意、自民党総務会、安倍内閣「閣議決定」、政府「想定問答」
安倍「解釈改憲」閣議決定というクーデターに反対・抗議する主権者行動
(2)この閣議決定に対し、アメリカと自衛隊員らは、どのような反応をしたのでしょうか?
これらについて報道を中心に紹介します。
1.アメリカの反応
(1)日本が集団的自衛権(他衛権)行使などによりアメリカの戦争に参戦することを要求してきたのは、何度も紹介するように、アメリカでした。
例えば、アーミテージレポート・米国防大学国家戦略研究所(INSS)特別報告『合衆国と日本 ― 成熟したパートナーシップに向けて』(2000年10月11日)は、以下のように報告していました。
(2)ですから、アメリカは、当然のことながら、この度の閣議決定を歓迎しています。
(3)アメリカは、日本の近隣諸国と戦争する気は全くないので、上記報道にもあるように日本に対し一貫して近隣諸国との関係改善を求めています。
(4)また、アメリカは、特に中国に対しては軍事的な警戒をし一定の対応をしながらも、中国と戦争する気がないことも、確認しておく必要がありそうです。
その理由は、幾つかありますが、以下はその一つでしょう。
敵国と軍事的合同演習をすることはないですから、アメリカは、中国と戦争する気はないのです。
(日本の経済会もそうですが、これについては、別の機会に取り上げます。)
(5)日本の集団的自衛権行使はアメリカとの関係では”義務”になるということは、すでに指摘しました。
「日本の集団的自衛権行使は義務になる」の解説
この点で、ヘーゲル米国防長官が「自衛隊がより広範な作戦へ従事することができるようになり、日米同盟をさらに効果的にするだろう」と歓迎する声明を発表したことは重要です。
つまり、安倍首相の言い訳と違い、アメリカは日本がアメリカの戦争に参戦することを要求できる方向に進んっでいることを歓迎しているのです。
(6)1996年4月17日の「日米安保共同宣言」により「地球規模の問題についての日米の協力」を宣言し、翌97年9月23日の新ガイドライン(新日米防衛協力指針)で、「日本周辺事態」を「地理的概念ではない」と合意しています(日米安保のグローバル化)。
ですから、今後アメリカは、日本側に対し、自衛隊による後方支援だけではなく武力行使も含めた地球規模での軍事的協力を求めてくることは間違いないでしょう。
そして、日本では、法整備が進められるでしょう。
いわゆる「立法改憲」です。
(7)それが完了し、アメリカが要請すれば、日本政府はそれに応じるでしょうから、自衛隊員は、直接、戦争加害者になり「アメリカの敵」を殺し、反撃を受け、死んでしまうこともあるという事態に置かれることになります。
2.自衛隊員らの反応
(1)そこで、閣議決定に対する自衛隊員ら(家族も含む)の反応をみてみましょう。
まず、閣議決定直前の自衛隊員らの反応ですが、これについては、これまでも紹介してきました。
安倍「解釈改憲」は自衛隊員とその家族だけが恐れているわけではない!安倍「解釈改憲」を正当化できていない「抑止力」論と国民無視の「解釈改憲」
(2)加えて、閣議決定直前の自衛隊員らの反応について紹介しておきます。
(3)では、閣議決定直後の自衛隊員らの反応についても紹介しておきましょう。
(4)最後に、以下を紹介しておきましょう。
(5)自身は戦争にゆかない安倍首相をはじめ各閣僚、自公両党の国会議員らは、以上の声をどう受けとめるのでしょうか!?
相変わらず無視または軽視し続けるのでしょうか?
(1)安倍晋三自公連立内閣が憲法9条「解釈改憲」閣議決定というクーデターを強行したこと、それに対する主権者国民の抗議行動については、すでに紹介しました。
与党合意、自民党総務会、安倍内閣「閣議決定」、政府「想定問答」
安倍「解釈改憲」閣議決定というクーデターに反対・抗議する主権者行動
(2)この閣議決定に対し、アメリカと自衛隊員らは、どのような反応をしたのでしょうか?
これらについて報道を中心に紹介します。
1.アメリカの反応
(1)日本が集団的自衛権(他衛権)行使などによりアメリカの戦争に参戦することを要求してきたのは、何度も紹介するように、アメリカでした。
例えば、アーミテージレポート・米国防大学国家戦略研究所(INSS)特別報告『合衆国と日本 ― 成熟したパートナーシップに向けて』(2000年10月11日)は、以下のように報告していました。
日本が集団的自衛権を禁止していることが、同盟関係の足かせになっている。集団的自衛権を行使できるようにすれば、より緊密で効率的な安全保障協力ができる。
(2)ですから、アメリカは、当然のことながら、この度の閣議決定を歓迎しています。
産経新聞2014.7.2 10:02 [安全保障]
米高官、日本の閣議決定に相次ぎ歓迎を表明 「大統領は強く支持している」
【ワシントン=加納宏幸】日本政府が限定的に集団的自衛権の行使を容認することを閣議決定したことについて、米国のオバマ政権高官は1日、相次いで強い歓迎を表明した。
ヘーゲル米国防長官は、「自衛隊のより幅広い作戦を可能にし、日米同盟をより効果的にするものとして歓迎する」との声明を発表。「地域や世界の平和や安全に貢献しようとしている日本にとり重要な一歩だ」と評価した。
その上で、年末までに予定する日米防衛協力の指針(ガイドライン)改定に向け、「同盟を最新のものとする努力を補完する」と期待を示した。
また、ローズ米大統領副補佐官は記者会見で、「オバマ大統領は安倍晋三首相の政策を強く支持している」と述べた。
ローズ氏は「新政策について明確にする外交努力を果たし、誤解を防ぐために透明性を確保した」とし、日本政府による近隣諸国に対する説明努力を評価。韓国などの反発に関し、集団的自衛権の行使容認に加え、歴史問題でも日韓の対話が進むことに期待を示した。
国務省のハーフ副報道官は、日本での行使容認に関する議論の公開性や透明性を評価。中韓の反発については、日本が近隣諸国に十分な説明をしてきたとして、退けた。
一方、中国の海洋進出に関心を持つ下院軍事委員会のフォーブス小委員長(共和党)は、「中国はアジア太平洋の秩序に挑戦しており、地域の平和や安定に貢献しようとする日本(の決定)を歓迎する」との声明を発表した。
読売新聞2014年07月02日 10時28分
自衛隊、広範な作戦へ従事可能に…米国防長官
【ワシントン=今井隆】ヘーゲル米国防長官は1日、日本政府が集団的自衛権行使の限定的容認を閣議決定したことに対し、「自衛隊がより広範な作戦へ従事することができるようになり、日米同盟をさらに効果的にするだろう」と歓迎する声明を発表した。
ヘーゲル氏は、「日米防衛協力の指針(ガイドライン)見直しを通じて、日米同盟を近代化する努力を完全なものにするだろう」と日米同盟強化に向けた期待を示した。
米国防総省のカービー報道官は1日の記者会見で、「日本の決定は地域の緊張を高めるのでは」などと問われると、「心配する理由はどこにもない。反対に、地域の安全と安定を助ける」と強調した。
米下院のランディー・フォーブス海軍力・軍事態勢小委員長(共和党)は「中国がアジア太平洋地域のルールに基づく秩序に挑んできている中、日本が地域の平和と安定に積極的な貢献をすることを歓迎する」との声明を発表した。
(3)アメリカは、日本の近隣諸国と戦争する気は全くないので、上記報道にもあるように日本に対し一貫して近隣諸国との関係改善を求めています。
(4)また、アメリカは、特に中国に対しては軍事的な警戒をし一定の対応をしながらも、中国と戦争する気がないことも、確認しておく必要がありそうです。
その理由は、幾つかありますが、以下はその一つでしょう。
読売新聞2014年06月09日 18時17分
中国、リムパックにミサイル駆逐艦など4隻派遣
【北京=五十嵐文】中国海軍の梁陽報道官は8日、米軍が主催して今月下旬から始まる環太平洋合同演習(リムパック)に、「中国版イージス艦」とされる防空ミサイル駆逐艦「海口」、フリゲート艦「岳陽」、病院船と補給艦の計4隻を派遣すると発表した。
中国の同演習への参加は初めてで、火砲射撃、海上安全行動など7項目の演習に参加する。
今月中旬に米グアム島付近の海域でシンガポール、ブルネイの部隊と共に米軍艦艇と合流し、演習海域のハワイに向かう途中で通信や海上補給などの訓練を行うとしている。
敵国と軍事的合同演習をすることはないですから、アメリカは、中国と戦争する気はないのです。
(日本の経済会もそうですが、これについては、別の機会に取り上げます。)
(5)日本の集団的自衛権行使はアメリカとの関係では”義務”になるということは、すでに指摘しました。
「日本の集団的自衛権行使は義務になる」の解説
この点で、ヘーゲル米国防長官が「自衛隊がより広範な作戦へ従事することができるようになり、日米同盟をさらに効果的にするだろう」と歓迎する声明を発表したことは重要です。
つまり、安倍首相の言い訳と違い、アメリカは日本がアメリカの戦争に参戦することを要求できる方向に進んっでいることを歓迎しているのです。
(6)1996年4月17日の「日米安保共同宣言」により「地球規模の問題についての日米の協力」を宣言し、翌97年9月23日の新ガイドライン(新日米防衛協力指針)で、「日本周辺事態」を「地理的概念ではない」と合意しています(日米安保のグローバル化)。
ですから、今後アメリカは、日本側に対し、自衛隊による後方支援だけではなく武力行使も含めた地球規模での軍事的協力を求めてくることは間違いないでしょう。
そして、日本では、法整備が進められるでしょう。
いわゆる「立法改憲」です。
(7)それが完了し、アメリカが要請すれば、日本政府はそれに応じるでしょうから、自衛隊員は、直接、戦争加害者になり「アメリカの敵」を殺し、反撃を受け、死んでしまうこともあるという事態に置かれることになります。
2.自衛隊員らの反応
(1)そこで、閣議決定に対する自衛隊員ら(家族も含む)の反応をみてみましょう。
まず、閣議決定直前の自衛隊員らの反応ですが、これについては、これまでも紹介してきました。
安倍「解釈改憲」は自衛隊員とその家族だけが恐れているわけではない!安倍「解釈改憲」を正当化できていない「抑止力」論と国民無視の「解釈改憲」
(2)加えて、閣議決定直前の自衛隊員らの反応について紹介しておきます。
【神奈川新聞】2014.07.01 09:21:00
集団的自衛権を考える(19)元自衛隊員に聞く きょう創設60年
自衛隊がその役割を大きく変えようとしている。集団的自衛権の行使が認められれば、他国の戦争に加わる道が開ける。創設60年の節目を迎える1日、憲法解釈の変更による行使容認は閣議決定される。専守防衛から「普通の軍隊」へ−。歴史的転換点を見つめる元自衛隊員らに思いを聞いた。
◇本質元陸自レンジャー・井筒高雄さん 現場を知るからこそ
集団的自衛権の行使容認を元陸上自衛隊レンジャー隊員、井筒高雄さん(44)=東京都新宿区=は「戦争ができる国になる。それに尽きる」と断じる。それ以前に「国内がテロの標的になり、海外で働く人やNGO(非政府組織)が狙われる可能性は高い」とも。報復は報復を呼び、不戦を誓ってきたこの国を避けようのない戦争行為へ引きずり込むとみる。
1992年に国連平和維持活動(PKO)協力法が成立し、自衛隊の海外派遣が可能になった翌年、隊を辞した。「自国の防衛とは無関係の国へ銃器を担いで送り込まれる。銃弾が一発飛べば即戦争状態。当たれば死ぬ。そんな犬死にはやってられない」。抵抗感はいまも変わらない。
苛烈なレンジャー訓練をくぐり抜け、将来を嘱望された。当時21歳。「小銃を胸の前に抱え、重装備を身につけ20キロを走り、毒ヘビを素手で殺し、生のまま食べる。三日三晩飲まず食わずで山野を駆ける」。訓練の最終段階、疑問がよぎった。潜伏訓練で山梨県内の湖畔の樹上、身じろぎもせず数時間を過ごしていた。
「何でこんなことやってるんだろう」
遠くに目をやれば、そこは観光地。無為感に襲われた。
先輩レンジャーが訓練中に戦車にひかれ死に、違和感は確信へ。「新婚3カ月、奥さんのおなかには赤ちゃんがいた」。人を人とも思わぬ扱いの連続に、人を人と思っていては銃口など向けられないという戦争の本質を知った。
「『派兵は政治が判断すべきこと』『9条があるから中国になめられる』と言う人がいるが、訓練であっても実弾が飛び交う下をはいつくばった経験がないから、そんなことが言える」。現場を知るからこそ力を込める。「銃を手にする自衛官はサラリーマン意識の隊員も少なくない。入隊時に誓約するのは、日本に対する直接および間接侵略に対して『身をもって責務の完遂に努める』だ。無関係の国へ派遣されるいわれはない」
解釈改憲によって集団的自衛権の行使を容認しようとする手法にも憤りを感じる。「要は安倍首相の独り善がり。1億2千万の国民の命をそんな理屈で危険にさらすわけにはいかない」
◇元陸自通信補給処長・成松徳三さん 9条と現状との乖離
防衛大学校(横須賀市)の4期生として自衛隊の草創期を支え、退官して20年がたった。元陸上自衛官の成松徳三さん(76)=大和市=は、集団的自衛権の行使容認を「やっとまともな話ができるようになる」と捉える。
通信装備部門を担当し、通信補給処長まで上り詰めた。戦力不保持をうたう憲法9条と自衛隊の現状との乖離に「隊員同士で『憲法が残って国が滅ぶようなことがあっていいのか』と言い合っていた」と振り返る。
現実は図上演習でさえ痛感させられた。「敵襲に対抗する。少し損害を加えるとあっという間に殲滅されてしまう。現状が極めて危うい防衛態勢だと、いやというほど確認している」
自衛隊が戦争状態の国へ送られれば、後進の命は危険にさらされる。「いや、地球の裏側へ行く話になるのがおかしい。飛躍がある」とくぎを刺し、「仮にそうなったとしても、政治が決断すべきこと。不安に思うかどうかは隊員個人の問題であって、混同してはいけない」と強調する。
「警察官や消防士も危険な現場には行きたくない。でも命を懸けてやり遂げる必要がある仕事はある。国家の安全保障の議論とは切り分けるべきだ」。ただし憲法解釈の変更だけでは、やはり派遣先で現実に直面するとも思う。「やっていいことより、いけないことを規定すべきだ。そうでないと、すべての責任が現場に押し付けられてしまう」と具体の法整備の行方を見守る。
◇元陸自第1施設群長・岡村功三さん「行使できれば抑止力に」
陸上自衛隊第1施設群長時代、カンボジアでのPKOに部下を送り出した。1993年3月から約半年間派遣された第2次施設部隊約600人のうち、約100人を岡村功三さん(71)=横須賀市=が選抜した。
憲法9条の制約から、武器使用は「要員の生命等の防護のために必要な最小限のもの」に限られた。それでも部下の9割以上が派遣を希望し、選抜された隊員たちは気概に満ちていたという。「道路や橋の補修などを行い、帰国した隊員たちは経験を誇りにしていた」
賛否渦巻く中、自衛隊の海外派遣に道を開いたPKO協力法。その後、テロ対策特別措置法、イラク復興特別措置法などが成立し、自衛隊は海を渡り続ける。
解釈改憲による集団的自衛権の行使容認については「王道は憲法の改正」としながら、東アジア情勢の変容や日米防衛協力指針(ガイドライン)の改定が迫る中、手順を踏んでいる時間はないと感じている。「行使容認は待ったなし。行使できるという選択肢を持つことが抑止力になる。現実を見ると正しい選択だ」
「国際情勢の安定は日本一国だけで考えられるものではない。同盟国や密接な関係の国との連携を強化すべき」と持論を語る。一方で自衛隊の活動が際限なく拡大しないよう、「抑制的に限定的な行使をしていくべきだ」と慎重な姿勢も崩さない。「集団的自衛権を認める目的は小競り合いの発生を抑止するため。地球の裏側への派遣は原則、認めるべきではない」
(3)では、閣議決定直後の自衛隊員らの反応についても紹介しておきましょう。
毎日新聞 2014年07月01日 20時14分(最終更新 07月01日 23時39分)
集団的自衛権:「命令なら戦場に行く」…自衛隊員の思いは
集団的自衛権の行使が1日、閣議決定によって容認され、国は自衛隊による海外での武力行使に一歩を踏み出した。説明を尽くさないまま反対論を押し切る安倍晋三首相の強硬姿勢に、戦争参加への懸念も広がる。憲法9条の下、専守防衛を貫いてきた自衛隊。現役隊員や家族らは、集団的自衛権を命にかかわる問題として受け止めはじめている。
「喜んで、とはいわないけれど、命令なら行きます」。陸上自衛隊に今年入隊し、東日本の駐屯地に勤務する20代の隊員は「もし戦場に行くことになったら」との記者の問いにそう答えた。
他の隊員と集団で生活し、武器や装備の扱い方の訓練を受けている。長距離を走る訓練では、途中で動けなくなった隊員を抱えてゴールを目指す。疲れ切って戻る宿舎で、新聞を読む時間はない。「集団的自衛権って何なのか、よくわからない」
しかし隊員の母親(50代)は、「自衛隊を辞めさせたい」と言う。息子の入隊に賛成したのは、「災害救助で社会貢献したい」と動機を話したからだ。息子の制服姿を見た入隊式でも戦場に立つことは想像しなかったが、にわかに現実味を帯びてきたように思える。「人を殺すことに息子を加担させたくない。戦争に行かせるために、自衛隊へ入れたわけじゃない」。声をふるわせながら、「なぜこれを止められないの」と訴えた。
他国の軍を助けるために出動命令を受けたとき、どうするか。東北地方の50代の陸自隊員は、そのことを自問して複雑な思いを吐露した。「正直に言えば恐怖を感じる。しかし命令は重い。国際社会に通用するようにもならなければ。その時にはためらわずに行くしかない」
自衛隊の今後も気がかりだ。「これまで隊員の命は憲法9条に守られていた。だからこそ国際協力という名の海外派遣に参加を希望する隊員もいた。これからは、海外派遣どころか入隊を希望する若者が減るだろう」
40代の海上自衛隊員は「上から行けと言われれば行くのが仕事。現場の雰囲気がいきなり変わることはないと思う」と、冷静に受け止めている。それでも、こんな不安を口にした。「集団的自衛権だけならいいが、これを機に、なし崩しで憲法を改正し、自衛隊を軍隊にするのであれば話は違う。最高司令官である安倍首相は、イラク戦争で米国を助けた英国のように他国のために戦争をする国を選ぶのか、それとも自立した道を選ぶのか」
北海道新聞(07/02 06:25)
現場の自衛隊員、思い複雑 「覚悟はある」「命ないがしろ」 集団的自衛権の行使容認
「与えられた任務を淡々とこなす」「覚悟はできている」―。集団的自衛権の行使容認が閣議決定された1日、道内の自衛隊員からはそんな言葉が聞かれる一方、「不安はある」「いざ派遣命令が下れば怖いと思う」と本音も漏れた。都道府県別で最も多い約4万人の自衛隊員を抱える北海道。家族や関係者にも波紋が広がっている。
「いずれ治安の悪い国で活動することは覚悟していた。国のためなら頑張りたい。他の隊員もそう思っているはずだ」。道東の20代の男性隊員は1日、北海道新聞の取材に強調した。
道央の40代の陸自隊員の男性も「国を守るという意識をずっと部隊の中でたたき込まれてきたので、『行かない』という選択肢はない」と言い切った。
だが、一方で胸中によぎる複雑な思いは隠せない。「戦場がどんなに恐ろしいか実感は湧かない。隊員でさえ実感が持てないのに国民は現実味を持って議論できたでしょうか。中途半端な結論で戦地に行かされるのは、命がないがしろにされている気がする」
元隊員の間には「(集団的自衛権の行使が認められれば)現場の隊員に後ろ盾ができる」(道央の62歳男性)と閣議決定を評価する声がある一方、「弾を撃てば必ず撃ち返しが来る。隊員を危険な目に遭わせてしまう」(道央の57歳男性)と疑問視する声も聞かれた。
隊員の家族は閣議決定をどう見たのか。長男、次男ともに自衛隊員の道央在住の男性(62)は「自衛隊は本人が選んだ道。入隊の宣誓をした時から、子供たちはもういないものと思っている」と気丈に話した。
だが、秘めた不安は根深い。道北の40代の隊員の妻は「時の政権によって憲法解釈がコロコロと変わるのはおかしい。夫は18歳から自衛隊に入り、いまさら仕事は変えられない」と戸惑う。20代の孫が自衛隊員という滝川市の80代男性は「本人もその両親も戦争を知らない世代。親子そろって、まったく切迫感がない。歯がゆくなる」と漏らした。
<北海道新聞7月2日朝刊掲載>
毎日新聞 2014年07月02日 13時28分(最終更新 07月02日 15時41分)
集団的自衛権:シベリア抑留に特攻隊員 元日本兵の危惧
政府が1日、集団的自衛権の行使を認めたことで、自衛隊は米軍などと一緒に海外の戦争に参加したり、戦闘地域で活動したりすることが可能となった。専守防衛という国是の大転換に危機感を募らせる戦争体験者は少なくない。69年前、命の危険を味わった旧日本軍兵士2人に思いを聞いた。【福永方人】
◇シベリア抑留兵の宮崎さん「戦争はみじめで残酷」
「戦争とは国民が殺すか殺されるかという状況に身を置くこと。政府は分かっているのだろうか」。元シベリア抑留兵の画家、宮崎静夫さん(86)は、熊本市北区の自宅でいら立ちをあらわにした。
熊本県小国町出身。15歳の時に満蒙(まんもう)開拓青少年義勇軍に参加して旧満州に渡り、17歳で関東軍に志願入隊した。終戦後は4年間、シベリアに抑留された。
終戦直前の1945年8月13日、旧満州ハルビン市で自爆攻撃に志願した。戦況は厳しく、「どうせ日本は負けるだろうから、やけくそですよ」。翌日から自分で掘った「タコつぼ」の中で、爆薬が詰まった木箱を抱え、ソ連軍の戦車を待った。不思議と死への恐怖はなかった。「軍国教育で国のために死ぬのは名誉というか、当然だと思い込んでいたからでしょうね」
15日に玉音放送を聞くために外に出た。「あと1日、いや半日終戦が遅かったら間違いなく死んでいた」と言う。
シベリアでは収容所を転々とさせられた。極寒と飢え、重労働の三重苦。一日の配給が小さなパン1個の時もあった。戦友たちが次々と倒れた。
行使容認で、自衛隊員が海外の戦場に行く可能性がある。宮崎さんは「人々が熱狂し、一つの方向に流れ始めると、なかなか止められない怖さがある。だが戦争がいかにみじめで残酷か。今の若い人たちには想像できないでしょう」と戒める。
◇元特攻隊員の池田さん「空気に流されないで」
元特攻隊員の美術家、池田龍雄さん(85)=東京都練馬区=も「今後は自衛隊員が派遣先などで殺される恐れもあるが、それを受け止める覚悟が政治家や国民に本当にあるのか」と訴える。
佐賀県伊万里市生まれ。特攻隊員として茨城県の霞ケ浦海軍航空隊で訓練中、17歳の誕生日を迎えた45年8月15日に終戦を迎え、命拾いした。戦後は前衛美術の道に進み、反戦・平和をテーマにした作品も多い。
(共同通信)2014/07/02 20:09
【現場自衛隊員、揺れる思い】「国民の後押しあるのか」 戦争加担に不安も
2013年12月、南スーダン・ジュバのPKO拠点で避難民に水を配る陸上自衛隊員(共同)
政府が集団的自衛権の行使容認を閣議決定した。命令が出れば従う。でも、いつか侵略戦争に加担することにならないか。何より本当に国民が後押ししてくれるのだろうか…。一線の自衛官の思いは揺れる。
東日本の陸上自衛隊の部隊に所属する30代の男性の周囲では、この間の安全保障の議論はあまり話題にならなかった。「ただ、幹部は『これから大変なことになる』と危機感を持っていた」
引っ掛かるのは、ベトナム戦争で米国が集団的自衛権を持ち出し、韓国なども参戦したことだという。帰国した米兵は自国民からも非難を浴びた。「日本が侵略戦争に加担する恐れもある。自分が死ぬかもしれない戦いが大義のないものだったら、やり切れない」
そうした戦争に加わらない歯止めがあるのかなど政府の考え方はあまり見えなかった。「惰性で戦争に乗っかられては困る。米国が間違った戦争に向かうなら、それをいさめられる国になってほしい」
自身は国連平和維持活動(PKO)に関心があり、いつか志願するつもりだ。「危険でも地域紛争を止める大義がある。何より日本だけが傍観するわけにはいかない」と考えるからだ。
自衛隊は今後、これまで経験したことのない「海外での戦争」に参加する可能性がある。男性は「そうなるとPKOとは意識が変わる。その時は『行ってくれ』という国民の後押しが欲しい。国民が無関心な中で死ぬのはつらい」と心境を話した。
「危険と分かって入った自衛隊。集団的自衛権を行使して出動しなければいけない機会があれば俺は行く。でも、災害派遣の活躍を見て入隊した若い子がどう思うかは分からない」。関西地方の部隊に所属する40代の男性はそう語る。
他国と互いに助け合うという観点から政府の考え方には賛成だ。一方で「イラク戦争のような危険な場所もある。そういう所に行くことになったら、迷いがないと言えばうそになる」と本音ものぞかせた。
30代の陸上自衛官の息子を持つ父親は、職務の性質上仕方ないと思う半面、戦闘に巻き込まれる危険が現実的になり、不安もある。「息子が行くのが嫌だと言えば『自衛隊を辞めろ』、行くなら『頑張れ』としか言えない。悩むでしょうね」
(4)最後に、以下を紹介しておきましょう。
東京新聞2014年7月2日
栃木の自衛官 戦死、負傷も 宇都宮大名誉教授 北島 滋氏に聞く
安倍政権が集団的自衛権行使を容認する閣議決定に踏み切ったことについて、県民はどう受けとめたらいいのか。北島滋・宇都宮大名誉教授に聞いた。 (聞き手・後藤慎一)
−閣議決定をどう評価するか。
「憲法九条を改正できないから、体よく憲法解釈を変えるということ。一度これに手を染めれば、次の自民党内閣は、自民党が草案を作った憲法に(同じ手口で)全部入れ替えていくだろう」
−これまでのところ、安倍政権の支持率は低くない。
「有権者の意識が変わってきていると感じる。先日、ある学生に『戦地に行って人を殺していいのか。殺されるぞ』と聞いたら、『うん』と答えただけだった。雇用の問題と結びついていると思う。(多くの若者が)派遣労働者で、いつ仕事がなくなるか分からない境遇に置かれ、結婚もできず、その日暮らし。(そういう中で)刺激的、扇動的、感情的な問題に鋭く反応しやすい」
−県内にも陸上自衛隊の駐屯地がある。海外派遣で戦闘に巻き込まれたり、人を殺したりする恐れは。
「あり得る話。栃木(の自衛官)から戦死者や負傷者が出ると、県民がどう考えるか」
−集団的自衛権の前に、外交努力で国の安全を図るべきだという意見がある。
「それがメーンではないか。(諸外国と)話し合いのルートとルールをつくり、武力紛争に持っていかないシステムをつくらないと、何かのきっかけでぶつかる」
−戦争の足音が近づいているという人も。自民党議員に言いたいことは。
「頭を冷やせということ。安倍晋三首相の熱気にあおられないで、自分の選挙基盤の人たちがどう考えているか、よく対話すべきだ。そして、本当のことを言ってほしい。戦闘状態に入れば殺したり殺されたりする。それでもよろしいかということだ」
きたじま・しげる 北海道旭川市生まれ。小樽商科大卒、法大大学院社会学専攻博士課程を単位取得退学。1983年から宇都宮大教養部助教授、89年教授。国際学部長、副学長を歴任した。とちぎ地域・自治研究所理事長。
(5)自身は戦争にゆかない安倍首相をはじめ各閣僚、自公両党の国会議員らは、以上の声をどう受けとめるのでしょうか!?
相変わらず無視または軽視し続けるのでしょうか?