(1)政党助成法の要件を充足する「政党」のほとんどは、
税金が原資の政党交付金(政党助成金)を受け取っている
(受け取りを拒否しているのは日本共産党だけ)。
その「政党」の政治資金の支出の中には、
「組織活動費」「政策活動費」「活動費」名目で幹事長ら個々の国会議員に対して寄付し、
それを受け取った国会議員が自己の政治団体でそれを収支報告していないので、
結果的に、その政治資金が使途不明金になっている、という問題がある。

その代表が自民党であり、従来、私はその問題を指摘し続けてきた。
最近では、
上脇博之『安倍「4項目」改憲の建前と本音』(日本機関紙出版センター・2018年)
で指摘した。

(2)自民党の上記手口は、元自民党国会議員らで結成された保守新党でも取り入れられてきた。
もっとも、その手口は基本的に同じでも、異なる点もある。

ー民党の場合、自民党本部とその支部連合会などでその手口が行われている(詳細は上記文献を参照)。

一方、例えば、2013年の「維新」の場合、
「日本維新の会」(代表・石原慎太郎)は
堂々と「寄付金」名目で個々の国会議員に寄付していたうえに、
「日本維新の会国会議員団本部」(代表・平沼赳夫)という政党支部をつくり、
そこでも、「政策活動費」名目で個々の国会議員に寄付し、
それらはすべて使途不明金になっていた。

2015年の「維新」の場合、
「維新の党」(代表・松野頼久)は、そのような寄付を行ってはいない
(http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SS20161125/0000100129.pdf)
が、
「維新の党国会議員団本部」(代表・松野頼久)という政党支部がつくられ、
「維新の党本部」が、「維新の党国会議員団本部」に寄付をし、
そこにおいて「政策活動費」名目で個々の国会議員に寄付がなされていた(http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SS20161125/0011000036.pdf)。

い任蓮∈の「維新」はどうだろうか?
後述するように、「日本維新の会(本部)」では、その手口は行われていないが、
「日本維新の会国会議員団」(政党支部)でその手口が行われているので、
以下、詳述しよう。


(3)2017年の場合

 崙本維新の会」(代表・松井一郎)の2017年政治資金収支報告書(http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SS20181130/0000600111.pdf)
によると、
「本年の収入」は17億9863万円超である。
そのうち、12億5856万円超が「政党交付金」や「立法事務費」という税金である
(なお、立法事務費は本来別に収支報告制度を設けるべきである)。
税金への依存率は約70%である。

「政策活動費」名目で国会議員への寄付は見当たらない。

しかし、
「日本維新の会国会議員団」への寄付が行われており、
その総額は1億3486・5万円である(以下が正確な金額の内訳)。
 877万5000円 2017年1月13日
 877万5000円 2017年2月 3日
 877万5000円 2017年3月 2日
 877万5000円 2017年4月 4日
 877万5000円 2017年5月 2日
 877万5000円 2017年6月 2日
 845万0000円 2017年7月 6日
1823万6691円 2017年7月25日
 845万0000円 2017年8月 2日
 845万0000円 2017年9月27日
1649万3528円 2017年10月31日
2145万0000円 2017年12月21日
  68万5065円 2017年12月25日

◆崙本維新の会国会議員団」(代表・馬場伸幸)の2017年政治資金収支報告書(http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SS20181130/0045000024.pdf)
によると、
「本年の収入」は、1億3486・6万円弱であり、
そのほどんどが前述の「日本維新の会」からの寄付である。

そこから、「政策活動費」名目で個々の国会議員に対し寄付がなされている。
受け取った国会議員の政治団体でその収支が記載されているわけではないので、
その使途は不明のままである。

「日本維新の会」は政党交付金という税金を受け取っており、
カネに色はついていない以上、税金が使途不明金になっているに等しい。

その「政策活動費」名目の寄付の合計額は4244・5万円。
「本年の収入」の約31・5%になる。
そのうち、以下の国会議員が以下の金額の「政策活動費」を受け取っていた。
馬場伸幸・幹事長に計3765万円
遠藤敬・副幹事長に計359万円
下地幹郎・衆議院議員に計104・5万円
室井邦彦・参議院幹事長に計10万円。

で肋豐柑長への「政策活動費」名目の寄付の詳細(金額と日付)は以下である。

 900,000円 2017/1/11
1,200,000円 2017/1/24
 900,000円 2017/2/8
 600,000円 2017/2/22
1,200,000円 2017/3/7
 700,000円 2017/3/23
1,200,000円 2017/4/10
 800,000円 2017/4/21
 900,000円 2017/5/9
1,600,000円 2017/5/22
2,300,000円 2017/6/8
2,100,000円 2017/6/19
1,400,000円 2017/7/4
 700,000円 2017/7/20
 900,000円 2017/8/9
1,900,000円 2017/8/23
2,000,000円 2017/9/6
3,500,000円 2017/9/19
3,800,000円 2017/9/27
3,700,000円 2017/10/4
1,500,000円 2017/10/24
1,400,000円 2017/11/6
 950,000円 2017/11/20
 900,000円 2017/12/7
 600,000円 2017/12/18
合計37,650,000円

(4)2016年の場合

 崙本維新の会(前半は「おおさか維新の会」)」(代表・松井一郎)の2016年政治資金収支報告書(http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SS20171130/0000500086.pdf)
によると、
「本年の収入」は13億3073・6万円弱であるが、
そのうちの1億6729・4万円が「日本維新の会国会議員団」に寄付されていた。

◆崙本維新の会国会議員団」(代表・馬場伸幸)の「本年の収入」は
上記受領寄付を含め1億7169・6万円弱であった。
そして、「政策活動費」名目で個々の国会議員に寄付がなされており
その合計額は2681・3万円弱でした(http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SS20171130/0040400028.pdf)。
「本年の収入」の16%である。


2016年は「本年の収入」の16%(2681・3万円弱)を、
2017年は「本年の収入」の約31・5%(4244・5万円)を、
「政策活動費」名目で個々の国会議員に寄付し、それが全額使途不明金になっている。
割合も金額も徐々に増えていることがわかる。

これが、政党助成法の廃止を掲げず、
「身を切る改革」を公言する「日本維新の会」の本性なのであり、
この点で「日本維新の会」は小型の第二安倍自民党と評することができそうだ!

(つづく)