はじめに

このブログでの連載投稿の「その3」で、「維新」の政党支部や政治団体が「維新」の創設者の橋下徹氏に216万円の超破格の講演料を支払っていることを紹介し、
そのうち、「あだち康史後援会」がその破格の講演料を支払ったために政治資金パーティーで赤字を出し、公選法違反の疑いがあることを、「その4」で指摘した。

では、政治資金集めをする政治資金パーティーではなく、政党支部や政治団体の大会等で破格の講演料を支払って赤字になった場合について取り上げる。


1 政党支部や政治団体の大会等での講演の開催と公選法の立場

(1)政治資金パーティーとの違い

,泙此∪治資金パーティーと政党支部や政治団体の大会等との違いから説明する。

そもそも政治資金パーティーは、政治資金を集めるための事業なので、
政治資金規正法はそこで赤字になることを想定しない。
それゆえ、赤字になれば公選法違反の寄付になりうることは、すでに解説した。

△修譴紡个掘
政党支部や政治団体の大会等は、政治資金パーティーだと公言して開催する場合を別にすれば、政治資金を集めるための事業ではない。

政党支部や政治団体が、自己の組織を運営するために会議や大会を開催し、
かつ、政治に関する見る能力を養うために学習会を開催することはありうる。

(2)公選法の立場

仝選法は、
「公職の候補者等を寄附の名義人とする当該選挙区内にある者に対する寄附については、当該公職の候補者等以外の者は、いかなる名義をもつてするを問わず、これをしてはならない。」
と定めると同時に、
「当該公職の候補者等が専ら政治上の主義又は施策を普及するために行う講習会その他の政治教育のための集会に関し必要やむを得ない実費の補償としてする場合は、この限りでない。 」
と定めてもいる(第199条の2第2項)。

また、同法は、
「政党その他の団体又はその支部で、特定の公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)の政治上の主義若しくは施策を支持し、又は特定の公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)を推薦し、若しくは支持することがその政治活動のうち主たるものであるもの(以下「後援団体」という。)は、当該選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、寄附をしてはならない。」と定めると同時に、
「当該後援団体がその団体の設立目的により行う行事又は事業に関し寄附(・・・)をする場合は、この限りでない。 」と定めてもいる(第199条の5第1項)。

△靴燭って、「専ら政治上の主義又は施策を普及するために行う講習会その他の政治教育のための集会」の講演料、
あるいは、「後援団体の団体の設立目的により行う行事又は事業」における講演料を、後援団体が負担することは、
原則として選挙区の者に対する公選法違反の違法な寄付とはならないのである(例外がある)。

ただし、通常、後援団体では、会員が会費を支払っているのが一般であるし、
また、支払われる講演料も、例えば演歌歌手のように高額でないことが一般である。

ただし、超破格な講演料の場合でも、会員が支払っている会費で賄える場合は、公選法違反にはならないだろう。

以上は、一般論である。


2 「新邦友会」の場合

(1)「新邦友会」の不可解な講演料の支払い

 嵜桂友会」(主たる事務所は兵庫県尼崎市内)は、日本維新の会の室井邦彦参議院議員の資金管理団体である。

「新邦友会」は、2016年5月26日に「大会費」として
「講演料216万円」を「(株)マネジメント」に支出しているが、
「大会」が開催された会場は記載されてはおらず、
「大会費」としては講演料以外の支出はない(http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SS20171130/1028100023.pdf)。

△海痢嵜桂友会」は、同年に、3つの政治資金パーティーを開催しているが、
その経費の支出はそれぞれ別に記載されているので、
「大会費」は、政治資金パーティーの経費としての支出ではないだろう。

この「新邦友会」は、同年、会費を支払っている会員が一人もいない。
本当に「大会」が開催されたのだろうか?
前年の2015年も、翌年の2017年も「大会費」の記載はない。
https://www.openpolitics.or.jp/pdf/640602/2015.pdf
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SS20181130/1026900024.pdf

2016年に「大会」が開催されたとして、どのような「大会」が開催されたのだろうか???


(2)「室井邦彦後援会」が「橋下徹講演会」を開催していた!

’阿里燭瓩法⊆式翹彦参議院議員が代表を務める「日本維新の会参議院比例区第53支部」(主たる事務所は尼崎市内の同じ住所)の2016年分の政治資金収支報告書をチェックしたが、
会費を支払ったものは誰もいないし、「大会」らしきものの支出はない(https://www.openpolitics.or.jp/pdf/640601/2016.pdf)。

△泙拭⊆式翹彦参議院議員が代表を務める「室井邦彦後援会」(主たる事務所は尼崎市内の同じ住所)の2016年分の政治資金収支報告書をチェックしたが、会費を支払ったものは誰もいないし、「大会」らしきものの支出はない。

もっとも、「橋下徹講演会」として計57万円余りの支出が記載されているが、
講演料の支払いの記載はないし、その講演会への参加費の収入の記載はない。
翌年への繰越額はゼロ円だ(https://www.openpolitics.or.jp/pdf/640603/2016.pdf)。

室井邦彦参議院議員のHPの活動報告に、「橋下講演会」の記述がある。
http://muroikunihiko.gr.jp/2016/06/04/%E5%B9%B3%E6%88%9028%E5%B9%B4%EF%BC%96%E6%9C%88%EF%BC%93%E6%97%A5%E3%80%80%E5%AE%A4%E4%BA%95%E9%82%A6%E5%BD%A6%E5%BE%8C%E6%8F%B4%E4%BC%9A%E4%B8%BB%E5%82%AC%E3%80%8C%E6%A9%8B%E4%B8%8B%E5%BE%B9%E8%AC%9B/

そこでは「室井邦彦後援会主催」と記されており(「共催」とは書かれていない)、
「およそ1000人の皆さんにお集まりいただきました。おおさか維新の会で実行している維新の身を切る改革を含めた国政報告と共に、橋下前代表からは大阪で進めてきた改革の成果について話がありました。」と書かれている。

ということは、
「室井邦彦後援会」が「橋下徹講演会」を開催したが、
「講演料216万円」を支払えるだけの政治資金はなかったので、
講演料だけは「新邦友会」の政治資金から支出した、
ということなのではなかろうか。
そして、「大会」を開催していないのに、
政治資金収支報告書に「大会費」として「講演料216万円」を記載したのであろう。

い修譴真実であれば、
「新邦友会」は「講演料216万円」を支払う義務はないことになる。
それをまるで、支払い義務があったかのように政治資金収支報告書に記載したことは、
政治資金規正法法違反の虚偽記載の罪になる可能性がある。

ァ崋式翹彦後援会」は、選挙区の者に対する公選法違反の寄付をしたことになる可能性がある。
破格の講演料は、前述したように演歌歌手の公演に匹敵するから、
後援団体が開催する通常の講演会の枠を超えている。
「新邦友会」側は公選法違反の共犯者になる可能性がある。

また「新邦友会」は「室井邦彦後援会」に対し「講演料216万円」を寄付したに等しいので、
その負担分を政治資金収支報告書に記載していない政治資金規正法違反になる可能性があるし、
「室井邦彦後援会」は「新邦友会」から「講演料216万円」分の寄付を受けたに等しいので、
それを政治資金収支報告書に記載してない政治資金規正法違反になる可能性がある。

(つづく)