(1)馬場伸幸氏は、堺市議会議員を経て、
2012年衆議院総選挙で初当選し、その後も2014年、2017年
の各衆議院総選挙でも当選している衆議院議員であり、
現在「日本維新の会」の幹事長である(http://baba-nobuyuki.com/profile.html)。

(2)その馬場伸幸幹事長の2017年衆議院総選挙に立候補した際の
選挙運動費用収支報告の内容を検討してみた。

2017年10月22日執行の衆議院小選挙区選出議員選挙における公職の候補者の選挙運動に関する収支報告書の要旨(http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11160490_po_300813選管事務局告示第83号.pdf?contentNo=10&alternativeNo=)における
「馬場伸幸」候補の選挙運動費用収支報告書の要旨(89−91頁)には、
2017年10月1日〜同年12月15日までの収入総額は
計656万1600円と記載されている。

一方、
同じ期間の支出総額は計559万43円で、
そのうち「公費負担相当額」は207万8834円と記載されている。
以上に基づいて清算がなされたのであれば、
馬場伸幸候補(選挙事務所)の実質的な支出総額は
「公費負担相当額」を控除した351万1209円となり、
305万391円の黒字となる。

(3)では、この選挙運動資金における305万円強の残金は、
その後どのように取り扱われたのだろうか?

上記選挙運動費用収支報告書(要旨)では不明なので、
601万円余りの寄付をしている、馬場伸幸幹事長の選挙区支部
55万円弱の寄付をしている「馬場伸幸後援会」
および馬場伸幸幹事長の政治資金を管理している資金管理団体
の各2017年分政治資金収支報告書
をチェックした。

まず、党の選挙区支部「日本維新の会衆議院大阪府第17選挙区支部」(代表・馬場伸幸)
の2017年分政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00306681/29PY0010.pdf)
の収入欄を見たが、
同年12月15日以降、馬場伸幸幹事長または馬場伸幸選挙事務所から
305万円強の寄付(戻し金)がなされたとの記載はどこにもなかった。

次に、主たる事務所の所在地も連絡先電話番号も同じである、
その他の政治団体「馬場伸幸後援会」(代表・高槻)
(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00307561/29ha0078.pdf)
の収入欄を見たが、
同年12月15日以降、馬場伸幸幹事長または馬場伸幸選挙事務所から
305万円強の寄付がなされたとの記載はどこにもなかった。

さらに、資金管理団体「伸幸会」(代表・馬場伸幸)の2017年分政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00306715/29sb0165.pdf)
の収入欄を見たが、
同年12月15日以降、馬場伸幸幹事長または馬場伸幸選挙事務所から
305万円強の寄付がなされたとの記載はどこにもなかった。

(4)念のために、
馬場伸幸幹事長が代表を務めてもいる政党支部「日本維新の会堺市中区支部」
の2017年分政治資金収支報告書
(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00306681/29PY0065.pdf)
の収入欄、
また、「日本維新の会」(代表・松井一郎)の2017年分政治資金収支報告書
(http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SS20181130/0000600111.pdf)
の収入欄、
最後に、馬場伸幸幹事長が代表を務める政党支部「日本維新の会国会議員団」
の2017年分政治資金収支報告書
(http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SS20181130/0045000024.pdf)
の収入欄までチェックした。

しかし、いずれも、
同年12月15日以降、馬場伸幸幹事長または馬場伸幸選挙事務所から
305万円強の寄付がなされたとの記載はどこにもなかった。

なお、「日本維新の会」も「日本維新の会国会議員団」も
いずれも立候補者またはその各選挙事務所からの選挙運動資金の寄附らしき収入
を受領してはいなかった。

(5)以上のほかにどこかに寄付がなされていれば別であるが、
馬場伸幸候補の選挙運動資金の実質的残金305万円強は、
誰がどのように取り扱ったのか、全く不明である。

(6)選挙運動費用収支報告書における「残金」については、
大きく2つのパターンがあるだろう。
一つは、実際には選挙運動で支出したにもかかわらず
買収や違法な寄付などの支出をしたため同報告書にそれを記載できないので、
「残金」が生じた場合である。
この場合は、選挙の裏金として支出していることになるので、
公選法違反の虚偽記載罪になる。

もう一つは、実際にその分が支出されずに残金が生じた場合であり、
言葉の正確な意味での残金であるが、
この残金は、公職の候補者らが政治活動のために支出しようとすると、
政治団体(政党を含む)を通じて支出しなければならないので、
自己の関係する政治団体に寄付するしかない。
そうせずに、政治活動の裏金として支出すれば
政治資金規正法違反の不記載・虚偽記載罪になる。

誰かがポケットマネーにしてしまえば、政治的には寄付者を裏切ることになるし、
雑所得として確定申告しなければ所得税法違反の脱税になるだろう。

(選挙運動資金の残金の取り扱いについては、国民がチェックできるように
公選法を改正した方が良いし、改正すべきだが、
法理論的には、
改正しなければ当然に合法として放任されるわけではない。)

(7)馬場伸幸候補の上記305万円強については、
2017年衆議院総選挙の際に裏金として違法支出されたのだろうか?
総選挙後の政治活動の裏金として違法支出されたのだろうか?
それとも、誰かがネコババしたのだろうか?

いずれにせよ、馬場伸幸幹事長は、
上記残金305万円強の行方を説明する責任がある。

(つづく)