(1)自民党本部の使途不明金の手口は地方の都道府県支部連合会でも行われており、
その具体例として安倍晋三総裁の地元である自民党山口県支部連合会
の2011年から4年間を紹介した。

2019年参議院通常選挙を迎えて【9】(自民党山口県支部連合会の使途不明金疑惑。「活動費」名目支出4年間9794万円の96%が選挙裏金か!?)
http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51924009.html

(2)地方の都道府県支部連合会の使途不明金には、
公職の候補者個人に対する支出以外にもある。
例えば「自民党東京都支部連合会」(以下「都支部連」という)の場合には、
「組織対策費」名目で、自身の様々な内部組織に対する支出や
都議会の会派「東京都議会自由民主党」に対する支出もあり、
それが使途不明金になっている。
まず、後者から紹介しよう。

(3)「都支部連」の政治資金収支報告書をチェックする際に
注意しなければならないことがあった。
それは、「都議会自由民主党」という記載と「東京都議会自由民主党」という記載があり、
両者は同じではなく異なる、ということだ。

(顱法崚垉腸饉由民主党」は、
東京都選挙管理員会に政治団体(政党支部)の届け出をしており、
政治資金収支報告書を毎年、同選挙管理委員会に提出しているが、
「東京都議会自由民主党」は、これとは別で、東京都議会の会派である。
言い換えれば、「都議会自由民主党」は政治資金を受け取り、支出している私的団体だが、
「東京都議会自由民主党」は、政務活動費という税金を受け取り、
それを使っている(支出している)公的団体である。
両者の所在地も違う。

(髻法崚垰拮連」は、政治団体(政党支部)である「都議会自由民主党」に対し、
2012年は計1850万円、
2013年は計1960万円、
2014年は計2585万円、
2015年は計2220万円、
2016年は計5880万円、
それぞれ寄付している。
「都議会自由民主党」も、これを受領した旨、その政治資金収支報告書に記載している。

(鵝飽貶、「都支部連」は、「組織対策費」名目で、以上とは別に、
会派「東京都議会自由民主党」(2012年〜2015年。私の指摘後に会派代表者に訂正)
または会派代表者(2016年)に対して
2012年は計2275万円、
2013年は計2765万円、
2014年は計2472万円、
2015年は計1452万円、
2016年は1068万円
5年間で合計1億32万円を支出(寄附)している。

政治資金収支報告書に記載されている所在地(訂正前)は、
「東京都議会自由民主党」のホームページに明記されている
所在地(新宿区西新宿2−8−1)と一致している。

会派「東京都議会自由民主党」(訂正後は会派代表者)および会派代表は、
以上のように、「都支部連」から5年間で合計約1億円を受け取っているが、
会派「東京都議会自由民主党」および会派代表者は、
政治資金収支報告書を作成・提出してはいないし、
前掲の政党支部「都議会自由民主党」がその受領を記載・報告してもいないので、
同会派および会派代表者が5年間で受領した計1億円は、
いつ、何の目的で、誰に対し、支出されたのか、全くわからない。
つまり、計1億円超は、使途不明金になっている 。

(堯鵬馭鼻崚豕都議会自由民主党」が政治資金(寄付)を受け取るのであれば、
東京都選挙管理委員会に政治団体の届け出をし、
政治資金収支報告書でその収支を報告するか、もしくは、
会派「東京都議会自由民主党」で政治資金(寄付)を受け取るのではなく、政治団体(政党支部)である「都議会自由民主党」で受け取り、収支報告するか、
そのいずれかをすべきなのだ。
しかし、そのいずれも行っていない。
また、会派代表者は自己の資金管理団体でその受領を記載すべきだが、
それはなされていない。
それゆえ、計1億円超は、使途不明金となっているのだ。

(4)以上とは別に、「都支部連」は、さらに同じ手法、すなわち「組織対策費」名目で、
同支部連合会内部の様々な組織に対しし支出(寄付)し、
それが使途不明金になっている、という疑いがある。

「都支部連」は、
2012年分から2014年分の政治資金収支報告書をチェックすると、
複数の内部組織(自民党都連青年部、自民党都連学生部、自民党都連島嶼議連、
自民党都連女性議連、自民党都連秘書会、自民党都連女性部、
自由民主党区議会議員連絡協議会、自由民主党三多摩議員連絡協議会)
に対し、「組織対策費」名目で支出(寄付)している。

それらの内部組織が「都支部連」から「組織対策費」名目で受け取っている寄付の総額は、
2012年から2014年までの3年間で、4952・2万円
(2012年は1561・4万円、2013年は1549・9万円、
2014年は1840・9万円)である。
しかし、「自由民主党区議会議員連絡協議会」など「都支部連」内部の諸組織は、
政治団体としての届け出をしていないようで、
独自の政治資金収支報告書を作成して東京都選挙管理員会に同報告書を提出してはいない。
それゆえ、「都支部連」内部の諸組織が3年間で受領した
計4952万円余の組織対策費の内容は不明である。
組織内部の議員・秘書・党員らに配ったのか、
受取った議員らはそのカネをどう使ったのかも全くわからない。
つまり、計4952万円余が使途不明金になっているのだ。

(5)「都支部連」が都議会の会派「東京都議会自由民主党」(訂正後は会派代表者)
に対し「組織対策費」名目で寄付し、それが使途不明になっている金額の合計は、
5年間で計1億円超だった。
また、「都支部連」が同連合会内部の諸組織に対し「組織対策費」名目で寄付し、
それ使途不明になっている金額の合計は、前述したように3年間で計4952万円余だった。
以上を総計すると、5年間で1億4984万円余にも及ぶ。
それゆえ、以上の全額または一部は、
政治又は選挙における裏金になっているかもしれないし、
あるいはまた、支部連合会の内部組織や会派「東京都議会自由民主党」の構成メンバー
のポケットマネーになって私物化されているかもしれない。
特に、2012年と2014年は、衆議院総選挙と都知事選挙があり、
2013年は、都議会選挙と参議院通常選挙、
2016年は都知事選挙と参議院通常選挙があったので、
それらの各選挙の裏金になっている可能性がある。

(6)上記について私が最初に指摘したのは、落選運動を行っていた時であり、
それをまとめたのが、
上脇博之『追及! 安倍自民党・内閣と小池都知事の「政治とカネ」疑惑』
(日本機関紙出版センター・2016年)である。
このいずれかが自民党東京都支部連合会関係者の目に留まったようで、
上記で書いたように
会派への支出(寄付)は会派代表者への支出(寄付)に訂正されている
(訂正されても、使途不明金であることには変わりない)。

(つづく)