(1)「あいちトリエンナーレ2019」が中止に追いこまれました。
それに対し、全国の憲法研究者有志が声明を出しました。
このブログで紹介しました。

「あいちトリエンナーレ2019」における河村市長・菅官房長官の「表現の自由」侵害行為に抗議する憲法研究者声明
http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51926442.html


(2)この問題は、不可解にも神戸市等主催のシンポジウムに波及し、主催者・神戸市等はそのシンポジウムを中止しました。
そこで、私が参加している憲法改悪阻止兵庫県各界連絡会議(兵庫県憲法会議)の有志で声明(要望)を作成しました。
有志のうち時間が確保できた数名が、今日(8月19日)の午後、神戸市長らに提出します。
声明(要望)を以下、紹介いたします。
神戸市による津田大介氏参加シンポジウム中止決定に対する要望

 愛知県で開かれている国際芸術祭のなかの「表現の不自由展」と題する展示が、暴力的な脅迫と政治家による不当な圧力により中止に追い込まれたのは、表現の自由の保障にとって由々しき事態です。私たちは、日本国憲法の保障する自由を守るために、多くの人々が芸術祭に対する不当な圧力を許さないという姿勢を毅然と示すべきだと考えます。

 ところが、神戸市とTRANS-KOBE実行委員会は、この中止決定を受けて、国際芸術祭で芸術監督を務める津田大介氏を招いて今月18日に開催予定だった「アートは異物を受け入れるのか」と題するシンポジウムの中止を決定しました。
 報道によれば、津田氏を呼ぶことに対する抗議などがあり、「このタイミングで津田さんを迎えれば、シンポジウムの趣旨に沿わない議論になるおそれがあり、この秋から始まる芸術イベント自体に悪影響が及びかねないと懸念している」と説明されています。

 しかし、こうした説明では、今回の決定が、具体的な暴力的妨害のおそれがないにもかかわらず、単なる「抗議」を契機にシンポジウムの中止を決定したものではないかと評さざるをえません。「おそれ」も「悪影響」も具体的ではなく、あまりにも抽象的すぎて、シンポジウムを中止するやむを得ない理由にはならないからです。たとえ具体的な暴力的妨害のおそれがあるとしても、警備体制を充実させればシンポジウムの平穏な開催は可能です。
 神戸市とTRANS-KOBE実行委員会のシンポジウム中止決定は、結局のところ、自分たちの意に沿わない見解を封じ込めようとする勢力に屈服・迎合する結果となり、論争的なテーマに関する表現を萎縮させ、日本社会を「物言えぬ社会」とする動きに手を貸すものと言わざるをえません。
 私たちは、日本国憲法の保障する自由と民主主義を発展させる立場から、今回の神戸市とTRANS-KOBE実行委員会の決定が自由な社会の実現に逆行する効果をもつことに深い憂慮を抱いています。
 神戸市長とTRANS-KOBE実行委員会には、愛知県の国際芸術祭の「表現の不自由展」に対する暴力による脅迫や政治的な圧力を絶対に許さないという断固たる意思表明をしていただくとともに、今回のシンポジウム中止決定が重大な間違いであったと認めていただくよう、強く要望します。

2019年8月18日

井村弘子(兵庫県アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会事務局長)
梶本修史(兵庫県平和委員会代表理事)
上脇博之(神戸学院大学教授)
木下智史(関西大学教授)
桑田泰男(兵庫の「語りつごう戦争展」の会事務局員)
近藤正博(日本国民救援会兵庫県本部副会長)
佐伯雄三(弁護士)
津川知久(兵庫労連顧問)
長岡 徹(関西学院大学教授)
速水二郎(憲法改悪ストップ兵庫県共同センター事務局)
平松順子(憲法改悪阻止兵庫県各界連絡会議幹事)
福嶋敏明(神戸学院大学教授)
松山秀樹(弁護士)
和田 進(神戸大学名誉教授)