上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場

憲法研究者の社会活動の一環として、ブログを開設してみました(2008年4月5日)。 とはいえ、憲法問題全てについて意見を書くわけではありません。 政治問題について書くときがあるかもしれません。 記録として残しておくために、このブログを使用するときがあるかもしれません。 各投稿記事の右下の「拍手」が多いようであれば、調子に乗って投稿するかもしれません。 コメントを書き込まれる方は、カテゴリー「このブログの読み方とコメントの書き込みへの注意」の投稿を読んだ上で、書き込んでください。 皆様のコメントに対する応答の書き込みは直ぐにできないかもしれませんので、予めご了解ください。 ツイッターを始めました(2010年9月3日)。 https://twitter.com/kamiwaki フェイスブックも始めました(2012年7月29日) http://www.facebook.com/hiroshi.kamiwaki.7 かみわき・ひろし

情報公開・情報開示

森友交渉記録訴訟は情報公開訴訟から国家賠償訴訟へ訴えを変更(佐川宣寿財務省理財局長(当時)を証人申請へ)

(1)まず、すでに紹介した勝訴判決確定を再度紹介しておく。

〇笋蓮2017年5月10日付で近畿財務局に対し
「森友学園の小学校設置趣意書」等の開示を求めて情報公開請求した。

近畿財務局は同年7月10日、そのうち
「森友学園の小学校設置趣意書」につき、
同学園の「経営のノウハウ」が記載されているとの理由で
全面非開示に近い処分をした(部分開示)。

そこで、私は、同年10月2日、
「森友学園の小学校設置趣意書」の非開示処分の取消しを求めて
大阪地裁に訴訟を提起した。

た考С惘爐隆漂眇佑小学校の設置趣意書を非開示にする必要はないと明言したので、
国は同年11月24日「森友学園の小学校設置趣意書」を全部開示した。

ザ辰べきことに、
開示された「森友学園の開成小学校設置趣意書」には、
一言も「経営上のノウハウ」は記載されていなかった。

Δ修海如∋笋蓮同年11月30日、
非開示事由がないにもかかわらず非開示した処分が違法であったとして
国家賠償請求訴訟を大阪地裁に提起した。

大阪地裁は、今年3月14日、原告である私の請求をほぼ全面的に認容する判決を下した
(http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51909561.html)。

┨颪蓮控訴しなかったので、私の勝訴が確定した。
(http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51910787.html)。

(2)次に、以上とは別の情報公開訴訟を行ってきたので、その経緯を紹介する。

2017年3月2日 私は、近畿財務局に対し
「当該土地の賃貸、売払いに関する学校法人森友学園との面談・交渉記録」を含む文書を
情報公開請求した。

同5月2日 近畿財務局は「森友学園との交渉・面談記録」等の開示を決定した。
しかし、実際の開示では、交渉記録は開示されなかった。

F映6月6日  私は、近畿財務局と「森友学園及び森友学園以外の者との面談・交渉記録」
の文書等の開示を求める訴訟を大阪地裁に提起した。
(http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51857953.html)。

ぢ腓な世論の批判などを受け、追い詰められた財務省は、
2018年6月5日付で、
「当該土地の賃貸、売払に関する学校法人森友学園との面談、交渉記録」
「当該土地の賃貸、売払に関する学校法人森友学園以外の者との面談、交渉記録」
の217件の文書を公表した。

ス颪蓮原告の私に対し、今年4月2日付で
「交渉・面談記録」を開示するとの決定通知をした。
同月9日開示文書が届いた。

λ楫錙峺鮠帖μ銘無録」を2年前に開示できなかった理由について、
国は「文書がどこでどのように保管されていたのか、
現在のみならず今後も特定はできない」と回答。

(3)訴えの変更。

〇筝狭陲畔杆鄰弔蓮
財務省が正当な理由もなく2年近くも情報開示を遅らせたのは違法だとして、
国家賠償法に基づき1100万円の損害賠償を求める裁判へと
訴えの内容を変更することにした。

∨榮(2019年7月8日)大阪地裁に「訴えの変更申立書」を提出した。

9餡颪如峺鮠諜録はない」との答弁を繰り返した佐川宣寿財務省理財局長(当時)
について、明日(7月9日)同裁判所に、証人申請を提出する予定である。
大阪日日新聞
佐川氏を証人申請へ 森友文書訴訟で原告弁護団
2019年7月8日
 森友学園への国有地安値売却を巡り、国会で「交渉記録はない」との答弁を繰り返した財務省理財局長(当時)の佐川宣寿氏について、裁判で文書の公開を求めてきた神戸の大学教授と弁護団が、法廷での佐川氏の証言を求め、8日にも大阪地方裁判所に訴えの変更と証人申請を提出する。佐川氏は国税庁長官を退官した後は公の場に姿を見せておらず、法廷での証言が実現すれば初めてとなる。

 裁判は2年前、森友学園への国有地の大幅値引き売却の真相を追及するため、神戸学院大の上脇博之教授が、交渉記録などを開示しない財務省近畿財務局の対応は不当だとして、情報公開を求める訴えを大阪地裁に起こした。
 開示に応じなかった財務省は、安倍昭恵首相夫人の名前を削るなどの公文書の改ざんが発覚して世論の批判が高まる中、今年4月にようやく面談、交渉記録を開示した。
 文書を2年前に開示できなかった理由について、国は「文書がどこでどのように保管されていたのか、現在のみならず今後も特定はできない」と回答。原告側は、理解不能で不合理な回答であり、財務省の隠蔽(いんぺい)行為をごまかすものだとしている。
 このため、財務省が正当な理由もなく2年近くも情報開示を遅らせたのは違法だとして、国家賠償法に基づき1100万円の損害賠償を求める裁判に訴えの内容を変更することにした。そして、事実解明のために欠かせない人物として、佐川元理財局長を証人として申請することにした。
 原告弁護団の阪口徳雄弁護士は「国会で虚偽答弁を繰り返したのは、文書を公にすれば安倍晋三首相に矛先が向かうと恐れたからとしか考えられない。真相を解明するには佐川氏本人を証人として呼ぶしかない。法廷でうそをついたら偽証罪になる」と話している。
 原告側の証人申請を受け、裁判所が被告の国側の意見も踏まえ、証人申請を認めるか判断することになる。

(4)真相解明に向けた私たちの裁判闘争は、新たな形で、まだまだ続くことになる。
是非とも、注目し続けていただきたい。

私の追加情報公開、近畿財務局の嫌がらせ的「補正要求」そして私の回答

私が森友学園に関する情報公開を行ったところ、「近畿財務局と森友学園との面談、交渉記録」については開示決定をしておきながら、一切開示しなかったので、大阪地裁に情報開示請求の訴訟をしたことは、すでに、このブログでご紹介しました。

森友学園交渉記録不開示問題で大阪地裁に提訴しました(同時に仮処分の申し立ても)


私は念の為に「近畿財務局と森友学園との面談、交渉記録」について、もっと詳細に特定して9月14日に開示請求をしました(受付けられたのは同月15日)。
以下がその目録です。
開示対象文書目録

1 2016年3月11日から同年6月20日までの間の次の文書、図画、電磁的記録
(1)開示対象文書の趣旨(森友学園側の担当者(酒井康生弁護士、藤原工業(株)の担当者、(有)キアラ建築研究機関の担当者)から提出された文書、図画、電磁的記録)
 /考С惘狢Δ涼甘者からの地中埋設物が存在したとして提出された文書、図画、電磁的記録
◆/考С惘狢Δ涼甘者からの地中埋設物の撤去費用積算に必要な見積書、要望書などの文書、図画、電磁的記録
 本件土地の価格交渉において、森友学園の代理人弁護士の酒井康生からの提出された文書、図画、電磁的記録
(2)対象文書の趣旨(上記1に際して近畿財務局内で作成した下記文書、図画、電磁的記録
 /考С惘爐箸量銘漫交渉した時の面談、交渉内容を記載した文書、図画、電磁的記録
◆‐綉(1)➀の森友学園担当者からの意見、要請に基づき庁内で作成した報告文書、回覧文書 稟議書、決済文書またはその趣旨を書いた文書、図画、電磁的記録
 上記(2)➁に関連して庁内で作成した、報告、稟議、決済文書又はその趣旨を書いた文書、図画、電磁的記録
ぁ‐綉期間内において地中埋設物の現地において撮影した写真。
ァ‐綉(1)7覯未鮗けて庁内で担当者が作成した報告文、回覧文書、その趣旨を書いた文書、図画、電磁的記録
Α‐綉(1)➂の結果を受けて、本省への報告、協議内容を記載した文書、その他この趣旨を書いた文書、図画、電磁的記録
2 2015年5月29日から2015年12月末までの間の下記文書
(1)対象文書の趣旨(森友学園から提出された文書、図画、電磁的記録)
(2)対象文書の趣旨(森友学園側からの要請に基づき近畿財務局の庁内で作成した報告、検討、回覧文書、図画、電磁的記録)
 ➀ 森友学園との面談、交渉した時の面談、交渉内容を記載した文書、図画、電磁的記録
◆‐綉⒉(⒉)➀の森友学園担当者からの意見、要請に基づき庁内で作成した報告文書、回覧文書 稟議書、決済文書またはその趣旨を書いた文書、図画、電磁的記録
3 2015年10月から11月17日の間に安倍昭恵官邸秘書(谷)から財務省本省に問い合わせし、同年11月17日に田村嘉啓国有財産管理室長からFAX回答があった件について。
(1)安倍昭恵秘書である谷官邸秘書から上記の期間内に財務省本省に問い合わせした文書、図画、電磁的記録
(2)2015年11月17日、田村嘉啓国有財産管理室長から谷官邸秘書への回答である文書、図画、電磁的記録
(3)上記(1)の要請を受けて庁内でどのように対応するかの報告文書、協議書など又はその趣旨を書いた文書、図画、電磁的記録

ところが、
近畿財務局長は10月6日付の文書で「補正依頼」をしてきました(届いたのは7日)。

その内容を読むと、明らかな嫌がらせで、事実上の「補正要求」でした。
近畿財務局長らは、安倍政権の意向を忖度して森友学園問題をうやむやにしようとしてきましたが、私の今回の追加情報公開に対しても、嫌がらせを通じて、更にうやむやにしようとしているようです。

近畿財務局長の「補正要求」は以下で、〇印の箇所がその要約です。

補正要求目録1
開示対象目録1(1)について

〇「提出された文書の提出先を明記して下さい」

補正要求目録2
開示対象目録1(1) 同◆■院複押豊◆■押複押豊△砲弔い

○「担当者とはいかなる法律に関する、いかなる担当者であるか不明確であるので具体的に明記して下さい」

補正要求目録3
開示対象目録1(1)△砲弔い

○「など」の意味が何を意味するのか不明確であるので具体的に明記して下さい」

補正要求目録4
開示対象目録1(2)△砲弔い

○「意見、要請」とはどのような内容を意味するのか不明確であるので具体的に明記して下さい。
○「基づき」とあるが「どの範囲の文書がこれに該当するのか不明確であることから文書の内容を具体的に明記して下さい。
○「その趣旨」が「どのような内容を意味し、どの範囲の文書がこれに該当するのか不明確であるので具体的に明記して下さい。

補正要求目録5
開示対象目録1(2)について

○「関連して」とあるがどの範囲の文書かが該当するのか文書の内容を具体的に明記して下さい。
○「その趣旨」とあるがその趣旨がどのような内容を意味し、どの範囲の文書がこれに該当するのか不明確であるので文書の内容を具体的に明記して下さい。

補正要求目録6
開示対象目録1(2)イ砲弔い

〇「上記(1)➂の結果を受けて庁内で担当者が作成した報告文」とあるがどの範囲の文書かが該当するのか文書の内容を具体的に明記して下さい。
○「その趣旨」とあるがその趣旨がどのような内容を意味し、どの範囲の文書がこれに該当するのか不明確であるので文書の内容を具体的に明記して下さい。

補正要求目録7
開示対象目録1(2)Δ砲弔い

〇「上記(1)➂の結果を受けて庁内で担当者が作成した報告文」とあるがどの範囲の文書かが該当するのか文書の内容を具体的に明記して下さい。
○「その趣旨」とあるがその趣旨がどのような内容を意味し、どの範囲の文書がこれに該当するのか不明確であるので文書の内容を具体的に明記して下さい。

補正要求目録8
開示対象目録2(1)について

〇「提出された文書の提出先を明記して下さい」

補正要求目録9
開示対象目録2(2)について

○「側」とあるがどのような内容を意味するのか不明確であるので具体的に明記して下さい」
○「要請」とあるが、どのような内容を意味するか不明確であるので具体的に明記して下さい」
○「基づき」とあるが「どの範囲の文書がこれに該当するのか不明確であることから文書の内容を具体的に明記して下さい。

補正要求目録10
開示対象目録2(2)△砲弔い

○「意見、要請」とはどのような内容を意味するのか不明確であるので具体的に明記して下さい。
○「基づき」とあるが「どの範囲の文書がこれに該当するのか不明確であることから文書の内容を具体的に明記して下さい。
○「その趣旨」とあるが、どのような内容を意味し、どの範囲の文書がこれに該当するのか不明確であるので文書の内容を具体的に明記して下さい。


これに対する私の回答は次の通り。本日(10月18日)、郵送しました。

第1 回答の趣旨

1 本補正要請のない文書は直ちに開示されたい。
2 本補正要求にも法的に補正の必要を認めない。しかし処分庁が違法に引き延ばしをする為の嫌がらせであるが、それを防ぐ為にあえて回答する。回答したからと言って、情報公開請求人の請求に特定に不十分の記載があったことを認めるものではない。このような違法・不当の「補正要求」には後日、法的に対処する予定であることを念の為に警告する。

第2 補正要請に関する回答
1 補正目録1の「提出先」とは
近畿財務局宛(又は交渉に当たった御庁の職員宛も含む)を言う。読んで字のごとく解釈すれば良い。
大阪航空局宛(又は交渉に当たった大阪航空局の職員宛も含む)に提出されたが、大阪航空局から近畿財務局(又は御庁の職員宛も含む)間で共有した文書も含む。読んで字のごとく解釈すれば良い。

2 補正目録2の「担当者」及び「その法律関係」とは、
森友学園側の担当者とは「酒井康生弁護士、藤原工業(株)の担当者、(有)キアラ建築研究機関の担当者」と同1(1)に記載している。
藤原工業(株)の担当者及び(有)キアラ建築研究機関の担当者とは、同記載の当該法人の取締役及び従業員を言う。これは常識であろう。

3 補正目録3の「など」とは
「見積書」「要請書」を例示しているので、地中埋設物の撤去費用積算に必要な文書で名称は問わないという意味である。読んで字のごとく解釈すれば良い。

4 補正目録4の
(1)「意見、要請」とは読んで字のごとく、森友学園の担当者からの「意見、要請」であり、一般的に交渉する場合は森友学園の担当者からの「要求」「要請」があり、要求、要請に至らないが「意見」を言う場合がある。例えば本来の要求があり、それを履行しない場合は「損害賠償をする」とかの場合は要請ではないが、意見をいい、それに近畿財務局が庁内で検討している場合などを言う。読んで字のごとく解釈すれば良い。
(2)「基づき」とは森友学園の担当者からの「要求」「要請」「意見」により近畿財務局内で、どのように対応するか検討したことを言い、「要求」「要請」「意見」と因果関係があり作成された文書を言う。読んで字のごとくである。
(3)「趣旨」とは「報告文書」「回覧文書」「稟議書」「決済文書」と名称は呼ばないが、森友学園の担当者からの「要求」「要請」「意見」により庁内で作成された文書を言う。読んで字のごとくである。

5 補正目録5の
(1)上記(2)△法峇慙△靴董廚箸肋綉(2)△函岼果関係がある」ことを言う。例えば森友学園の担当者からの「要求」「要請」「意見」に直接回答する文書ではないが、財務省に問い合わせをしたり、大阪航空局との協議、検討した文書も含むという意味である。読んで字のごとく解釈すれば良い。
(2)「その趣旨」とは「報告」「稟議」「決済」文書と名称は呼ばないが、森友学園の担当者からの「要求」「要請」「意見」により庁内で作成された文書を言う。読んで字のごとくである。

6 補正目録6の
(1)「上記(1)➂の結果を受けて庁内で担当者が作成した報告文」とは、上記(1)➂と因果関係があり庁内で担当者が作成した報告文書をいう。
(2)「その趣旨」とは「報告文」「回覧文書」「稟議」「決済」文書と名称は呼ばないが、上記(1)➂と因果関係があり庁内で担当者が作成した文書を言う。読んで字のごとくである。

7 補正目録7の
(1)「上記(1)➂の結果を受けて本省への報告、協議内容を記載した文書」とは「上記(1)➂と因果関係があり、本省への報告、協議内容を記載した文書」を言う。読んで字のごとくである。
(2)「この趣旨」とは報告、協議という名称を呼ばないが上記(1)➂と因果関係があり作成された文書を言う。読んで字のごとくである。

8 補正目録8の「提出先」とは
前記1(1)(2)回答の通り。

9 補正目録9の
(1)「森友学園側」の「側」とは2(2)➀➁に説明している。
(2)「要請」とは上記4(1)で回答した通り
(3)「基づき」とは前記4(2)で回答した通り

10 補正目録10の
(1)「意見、要請」とは上記4(1)で回答した通り
(2)「基づき」とは上記4(2)で回答した通り
(3)「趣旨」とは上記4(3)で回答した通り

22日の総選挙で安倍政権が続くようであけば、主権者国民の人権・権利をないがしろにした官僚の忖度はますます拍車がかかるのではないかと危惧される。
恐ろしいことだ!

私の代理人の阪口弁護士もブログで書いておられます。

安倍政権が「選挙で大勝」するというので近畿財務局長はますます森友問題をうやむやにしようとしていることが明らかになった。

安倍首相のマスコミ記者との会食についての情報公開請求とその驚くべき結果

(1)安倍晋三首相は、マスコミ報道でも知られているように、頻繁に料亭などで複数人で会食しています。

(2)その際の食事代の支払いについて、「朝日新聞」が今年(2015年)1月中旬に、読者の質問に対し回答する形で取材結果を報じています(以下の記事のうち、ゴシックは見出し・小見出し以外、上脇による)。
朝日新聞2015年1月14日05時00
(Re:お答えします)首相の食事代、誰が支払う?

 「首相動静」を読むと、安倍晋三首相はホテルのレストランなどでよく食事をしています。食事代はどうなっているのでしょうか。割り勘ですか。(岡山県 主婦 46歳)

 ■公的な会食なら公費から
 首相の日々の動きを追う「首相動静」には、安倍晋三首相が食事をしているレストランや料亭の名前が出てきます。政界や経済界の人たちと食事を共にするケースが目立ちますが、マスコミ関係者や俳優、学生時代の友人らもたびたび登場しています。
 こうした食事の費用について、首相の仕事を支える内閣官房の会計担当者は「公的な会食の場合には、『会議費』という名目で内閣官房の会計を通して食費が支払われる場合がある」と話しています。
 昨年4月に来日したオバマ米大統領と東京・銀座のすし店「すきやばし次郎」で食事をした際には、この会議費で食事代が支払われたとのことです。
 ただ、家族などとの私的な食事の支払いは、ポケットマネーだそうです。
 また首相はマスコミ関係者ともしばしば会食します。官邸の記者クラブに所属する記者たちと会食した際は、会費制でした。
 全国紙やテレビ局のベテラン記者らとの定期的な会合もあります。出席している朝日新聞の曽我豪編集委員は「政治記者として、最高権力者である総理大臣がどういう思いで政治をしているのかを確かめる取材機会を大事にしたいと考えています」と話しています。費用は、安倍首相の分も含めてマスコミ側がすべて負担し、割り勘にしています
 報道関係者との会食について、山本太郎参院議員が質問主意書で出席者や費用負担方法を明らかにするよう求めました。政府は今月9日、「『会食』については、政府として企画等を行っておらず、その費用も支出していないことから、お答えすることは困難である」との答弁書を閣議決定しています。
 では、政界や経済界の友人の場合は、私的な食事と言えるでしょうか。友人の中には各界の要職に就いている人も多く、公的な会食と捉えることもあるようです。そのため、どこまで会議費で食費を支払うかの線引きは「ケース・バイ・ケース」(会計担当者)だそうです。
 首相が訪れる店の予算額は、5千〜3万円程度と幅があります。ちなみに首相は肉料理が好きで、焼き肉やステーキの店を度々訪れています。昨年12月にあった衆院選の投開票日前日も、秘書官らと入ったのは焼き肉店でした。昔の首相は高級料亭を頻繁に使うケースが多かったようですが、安倍首相は相手によって肉に限らず様々な飲食店を利用しています。(政治部・藤原慎一)

(3)この記事の中で私が注目したのは「マスコミ関係者との会食・会合」の箇所です。

そこで、私は、7月末に2回に分けて情報公開請求しました。
7月30日付では、上記「朝日新聞」の記事にあったマスコミ関係者との「定期的な会合」について情報公開しました。その際には、上記「朝日新聞」の記事もあげておきました。、
同月31日付では、それ以外のマスコミ関係者との会合について情報公開請求しました。
内閣官房内閣総務官室情報公開窓口 御中

2015年7月30日


請求する行政文書の内容等

2015年1月〜現在までの間に、記者クラブなどでの公式の記者会見を除き、安倍晋三内閣総理大臣が報道機関各社の解説委員または論説委員などベテラン記者らとの「定期的な会合(会食を含む。以下同じ)」に参加してきたことに関して下記の詳細な情報がわかる行政文書一切

‥該会合を企画した者の氏名・肩書き
当該会合の日時、要した時間
E該会合に利用した場所・お店、その所在地、場所・お店の種類
づ該会合に出席した者全員の氏名、所属、肩書き
ヅ該会合に要した支出総額とその内訳
Σ馮饑であれば、会費額
Ь綉イ里Δ繊当該会合のために公費が支出されていたら、その総額とその内訳
┥綉イ里Δ繊当該会合のために安倍晋三内閣総理大臣個人または政治団体(政党を含む)が支出していれば、その支出総額とその内訳
当該会合で話された内容(意見交換された内容)
など。

なお、上記「定期的な会合(会食を含む)」については、「(Re:お答えします)首相の食事代、誰が支払う?」朝日新聞2015年1月14日05時00分(http://www.asahi.com/articles/DA3S11549103.html)を参照。

内閣官房内閣総務官室情報公開窓口 御中

2015年7月31日


請求する行政文書の内容等

2015年1月〜現在までの間に、安倍晋三内閣総理大臣が報道機関の社長ら役員または記者らと会合(食事会や食事だけのものを含む)してきたこと(ただし、記者クラブなどでの公式の記者会見および報道機関各社の解説委員または論説委員などベテラン記者らとの「定期的な会合(会食を含む)」を除く)に関して下記の詳細な情報がわかる行政文書一切

‥該会合を企画した者の氏名・肩書き
当該会合の日時、要した時間
E該会合に利用した場所・お店、その所在地、場所・お店の種類
づ該会合に出席した者全員(報道機関以外の者を含む)の氏名、所属、肩書き
ヅ該会合に要した支出総額とその内訳
Σ馮饑であれば会費額、割り勘であればその金額
Ь綉イ里Δ繊当該会合のために公費が支出されていたら、その総額とその内訳
┥綉イ里Δ繊当該会合のために安倍晋三内閣総理大臣個人または政治団体(政党を含む)が支出していれば、その支出総額とその内訳
当該会合で話された内容(意見交換された内容)
など。

なお、除外した上記「定期的な会合(会食を含む)」については、「(Re:お答えします)首相の食事代、誰が支払う?」朝日新聞2015年1月14日05時00分(http://www.asahi.com/articles/DA3S11549103.html)を参照。
また、7月30日付の「定期的な会合(会食を含む)」に関する情報公開請求を行っているが、これとは別に開示決定していただきたい。

(4)ところが、数日後、上記の「定期的な会合」がわからない旨の電話連絡を受けました。
驚きました。
私は、朝日新聞の記事に明記されていることを指摘したのですが、
それでも「定期的な会合」とそれ以外を分けることができない旨答えられたので、
私は、やむを得ず、2つの請求を1本化することにしました。

(5)内閣官房内閣総務官は,私に対し,8月27日付け「行政文書開示等決定通知書」において全て「不開示」としました。
驚きました。

そのうえ、「不開示の理由」は、私が請求した文書について「作成及び取得をしておらず保有していないため(不存在)」というもので、これまた驚きました。

(6)安倍首相がマスコミ関係者と解釈・会合するのは、純粋に私的なものではないはずです。

例えば「定期的な会合」については、出席している朝日新聞の編集委員は「政治記者として、最高権力者である総理大臣がどういう思いで政治をしているのかを確かめる取材機会を大事にしたい」と述べています。
つまり、
マスコミ関係者が「定期的な会合」を開催しているのは、安倍氏が公人である内閣総理大臣で、その政治観等を確認するためなのである。
決して私的な関係で会食・会合が行われているわけではないのです。
安倍首相も内閣官房内閣総務官もそれを知らないはずがありません。
それゆえ、当該「会合」については、何らかの文書が作成させているはずです。
そうでなければ、安倍首相の言動を記録に残せないし、情報管理の点でも問題だからです。

「定期的な会合」以外のマスコミ関係者との会食・会合の場合も、基本的に同じです。

(7)全部不開示処分と不存在の理由には、簡単に納得できるものではありません。

この件は「政治資金オンブズマン」で検討!!!

性差別発言の鈴木章浩都議の政党支部・政治団体の政治資金収支問題

はじめに

(1)東京都議会で性差別発言をしたのが自民党の鈴木章浩都議だったことについては、すでにブログで取り上げました。

世界に恥をさらした都議”性差別”発言と、恥をさらし続ける都議会多数派

都議会自民党と同党都議の体質問題

都議会での性差別発言につき鈴木章浩都議は、自ら認める前は辞職すべき旨マスコミに答えていました。
つまり、名乗り出る前は、正義感のあることをアピールし、かつ、その発言者が自分ではないと言い張るために、都議会での性差別発言者は議員を辞職すべき旨公言していたのですが、
ところが、もう逃げられないと判断して自ら名乗り出ましたが、いまだに、鈴木章浩都議は、辞職してはいません。
鈴木章浩都議は言行不一致の不責任な人物のようです!

(2)その鈴木章浩都議が代表を務める政党支部の政治資金問題について産経新聞が1月前に報道し私のコメントが紹介されました(その報道については、後で紹介します)。

(3)鈴木章浩都議の政治資金問題は、実は、政党支部だけではなく、政治団体にもあります。

産経新聞の報道を受け、「フジテレビ」番組「新報道2001」(7時30分〜)でインタビュー取材を受けました。
8月3日(日)の放送では、政党支部の政治資金問題についてのみ取り上げられていました。

その放送で取り上げられなかった政治団体の政治資金問題は、政党支部の政治資金問題以上に問題である部分があるので、以下では、鈴木章浩都議が代表を務める政党支部と、鈴木章浩都議のための政治団体の政治資金問題を取り上げます。


1.木章浩都議の政党支部と政治団体の政治収支報告書

(1)鈴木章浩都議が代表を務める政党支部と、鈴木章浩都議のための政治団体の過去3年間の政治資金収支報告書は、以下です。

。横娃隠闇分

政治資金収支報告書 平成23年11月24日公表(平成22年分 定期公表)

自由民主党東京都大田区第二十一支部
http://www.senkyo.metro.tokyo.jp/shikin/22teiki/pdf/jimin/jimin_117.pdf

鈴木章浩後援会
http://www.senkyo.metro.tokyo.jp/shikin/22teiki/pdf/su/su_43.pdf

■横娃隠映分

政治資金収支報告書 平成24年11月21日公表(平成23年分 定期公表)

自由民主党東京都大田区第二十一支部
http://www.senkyo.metro.tokyo.jp/shikin/23teiki/jimin/jimin_171.pdf

鈴木章浩後援会
http://www.senkyo.metro.tokyo.jp/shikin/23teiki/su/su_39_h23.pdf

2012年分

政治資金収支報告書 平成25年11月20日公表(平成24年分 定期公表)

自由民主党東京都足立区第二十一支部
http://www.senkyo.metro.tokyo.jp/shikin/24teiki/pdf/jimin/jimin_165.pdf

鈴木章浩後援会
http://www.senkyo.metro.tokyo.jp/shikin/24teiki/pdf/su/su_74.pdf

(2)幾つか基本的な情報を確認しておきましょう(過去3年同じです)。

政党支部「自由民主党東京都足立区第二十一支部」の代表は、鈴木章浩都議。
会計責任者はA
事務担当者はB

その他の政治団体「鈴木章浩後援会」代表は、A(自由民主党東京都足立区第二十一支部の会計責任者)
会計責任者はB(自由民主党東京都足立区第二十一支部の事務担当者)
事務担当者はB(自由民主党東京都足立区第二十一支部の事務担当者)

上記政党支部の事務所の所在地は、鈴木章浩都議の自宅の住所と同じです。

その他の政治団体「鈴木章浩後援会」の事務所の所在地は、これとは別です。

2.鈴木章浩後援会の辻褄の合わない政治資金収支報告

(1)前述のフジテレビがその時報道しなかった問題点を指摘しておきましょう。
それは、その他の政治団体「鈴木章浩後援会」の収支が全く辻褄が合わないという問題です。

具体的に指摘すると、
「前年からの繰越金」が1円もなく、支出できる政治資金が0円なのです。

にもかかわらず、なぜか支出がなされたと報告されているのです。
これは何と3年間同じで、それゆえ単純なミスではないようです。

(2)より具体的に指摘しましょう。

◆2010年分
「前年からの繰越金」0円、
「本年の収入額」501万3000円

この収入は以下で構成されています
「白百合会第3回定例会」      2万8000円
「都政報告会2010」       495万5000円
「鈴木章浩杯ソフトボール大会」  3万円
計                  501万3000円

これら以外に収入はないという報告です。

その最初の収入「白百合会第3回定例会」2万8000円は2010年11月27日と報告されています。
つまり、2010年11月27日まで政治資金は0円です。

ところが、2010年11月27日よりも前に支出の報告がなされているのです。
日付の分かっているものだけでも以下があります。
2010年4月21日「レンタル機材代」 5万2500円
2010年4月26日 「弁当代」     76万9500円
2010年6月2日  「会議場」      21万2340円
2010年7月8日  「会場費」      11万1600円
2010年10月15日「会場費」    26万 400円
計                    140万6340円

政治資金が1円もないのに、計140万円余りをどうやって支払えたのでしょうか?
不可解です!

◆2011年分
「前年からの繰越金」0円、
「本年の収入額」768万3500円

この収入は、以下だけで構成されています
「都政報告会2011」       768万3500円

これら以外に収入はないという報告です。

その収入は2011年12月2日と報告されています。
つまり、2011年12月2日まで政治資金は0円です。

ところが、2011年12月2日よりも前に支出の報告がなされているのです。
日付の分かっているものだけでも以下があります
2011年2月23日 「飲み物代」  52万7415円
2011年6月13日 「出演料」   30万円
2011年7月7日  「施設利用料」11万1600円
2011年10月14日「施設利用料」26万 400円
計                    119万9415円

政治資金が1円もないのに、計120万円弱をどうやって支払えたのでしょうか?
不可解です!

◆2012年分
「前年からの繰越金」0円、
「本年の収入額」855万8000円

この収入は、以下だけで構成されています
「都政報告会2012」       855万8000円

これら以外に収入はないという報告です。

その収入は2012年11月27日と報告されています。
つまり、2012年11月27日まで政治資金は0円です。

ところが、2012年11月27日よりも前に支出の報告がなされているのです。
日付の分かっているものだけでも以下があります
2012年4月20日 「施設利用料」11万1600円
2012年8月24日「施設利用料」26万 400円
計                    37万2000円

政治資金が1円もないのに、計37万円をどうやって支払えたのでしょうか?
不可解です!

これほど一見して辻褄が合わないとわかる、虚偽記載をした3年分の政治資金収支報告書は、これまで見たことがありません。

多分、会計帳簿をその都度つけていないのではないでしょうか。
会計長ををきちんとつけていたら、このような不可解な収支報告書にはならないはずです。
つまり、いい加減なのです。

(3)この問題を報じたのは、以下の産経新聞の記事です。
なお、私のコメントは紹介されていません。
産経新聞 8月3日(日)7時55分配信
鈴木都議後援会が過去3年間、収入のない時期に支出

 セクハラやじ問題で東京都議会の自民党会派を引責離脱した鈴木章浩都議(51)が代表を務める「自民党東京都大田区第二十一支部」の会計責任者が代表の「鈴木章浩後援会」が過去3年間、前年からの繰越金も収入もない時期に毎年、支出をしていたことが2日、政治資金収支報告書の記載で分かった。「原資不明」の支出について、鈴木都議は有権者への説明責任が問われそうだ。
 収支報告書によると、鈴木章浩後援会は平成22年、11月27日以降にパーティーなどで計約500万円の収入があったが、前年からの繰越金はないにもかかわらず、収入を得る以前に約140万円の支出があった。
 23年も12月2日に約770万円のパーティー収入があったが、繰越金はないのに、約120万円の支出があった。24年は11月27日に約855万円のパーティー収入があったものの、やはり前年からの繰越金はないにもかかわらず、約37万円を支出していた。
 鈴木都議は毎年、同支部に12月28〜30日に約750万〜305万円を寄付しながら、年末の2〜4日間で全て支出するなど、不自然な資金操作を行っていたことが明らかになったばかり。

(4)この「鈴木章浩後援会」の収支で、もうひとつ不可解なことがあります。

それは、3年間「経常経費」が1円も支出されていないことです。

この事務所は、前述したように、自宅ではありません。
鈴木章浩都議の所有の建物との情報もありません。

家賃を支払っているはずですが、その記載も3年間全くありません。

産経新聞の取材に、家賃などは政党支部の政治資金収支報告書に記載したかのような回答をしたようです。
別の政治団体の支払った家賃を政党支部の政治資金収支報告書に記載するのも、虚偽記載ですから、その回答は虚偽記載の”自白”です。

鈴木章浩後援会の事務所の家賃は幾らなのでしょうか?

3.鈴木章浩都議が代表を務める政党支部の政治資金収支問題

(1)以上の「鈴木章浩後援会」の収支の辻褄が合わない報告がなされている問題は、政党支部「自由民主党東京都足立区第二十一支部」でもほぼ同様にあります。
ただし、政党支部の政治資金収支報告書を一見しただけではわかりづらいところがあります。
というのは、「経常経費」の支出日が全くわからないからです。

(2)まず、私のコメントが紹介された産経新聞の報道から紹介しておきましょう。
産経新聞2014.7.31 06:00
セクハラやじの鈴木都議側、年末に不自然な資金操作 数百万円寄付→数日で支出

 女性議員へのセクハラやじ問題で東京都議会自民党の会派を引責離脱した鈴木章浩都議(51)が、毎年12月28〜30日に約750〜約305万円を自ら代表を務める政党支部に寄付し、その資金が大みそかまでの2〜4日で使い果たされる不自然な資金操作が行われていたことが30日、政治資金収支報告書の記載で分かった。また、平成24年分の収支報告書では「組織活動費」名目で支出された約1700万円全額が、支払先の記載義務がない1件5万円未満の支出となっており、識者からは疑問の声が上がっている。
 収支報告書によると、鈴木都議が代表を務める自民党東京都大田区第二十一支部では、24年12月28日に都議自身が約750万円を寄付。23年12月30日には約325万円、22年12月30日には約305万円を寄付しているが、いずれの年も翌年への繰越金はなく、大みそかまでの2〜4日で全額を支出した形になっている。
 同支部は都議の自宅住所が事務所となっているにもかかわらず、家賃などの事務所費や人件費を計上。「組織活動費」名目で支出された資金は、全額が収支報告書に支払先の記載義務がない1件5万円未満のものとなっている。
 24年は約1700万円、23年は約895万円、22年は約550万円で、政治資金オンブズマン共同代表で神戸学院大法科大学院教授(憲法学)の上脇博之氏は「年間で1700万円に上る支出が全て1件5万円未満というのは不自然だ」と疑問視する。収支報告書に事実と異なる記載を行うのは政治資金規正法の虚偽記載罪に当たる恐れもある。
 上脇教授は「自宅を事務所所在地にしながら事務所費を計上したり、12月30日に受けた多額の寄付を翌日までに使い切った上に使途があいまいだったり、疑問点だらけの収支報告書だ。それぞれの疑問点について、会計帳簿を示して説明責任を果たすべきだろう」と批判している
 鈴木章浩都議の話「収支報告書の記載が適正かどうか、担当者に確認させているが、訂正する必要があれば、訂正する」

産経新聞2014.7.31 11:03
セクハラやじ鈴木都議、不自然な収支 1円単位の使い切り説明を

政治とカネ、地方も問われる
 セクハラやじ問題で自民党会派を引責離脱した鈴木章浩都議が代表を務める政治団体に浮上した、政治資金収支報告書の数々の不自然な記載疑惑。年の瀬の多額の寄付がわずか数日で“費消”された問題や事務所費問題など、この収支報告書は疑問点だらけだ。有権者からも鈴木都議の説明責任を問う声が出そうだ。
 大きな疑問の一つは、自民党東京都大田区第二十一支部の所在地が、鈴木都議の自宅住所になっているにもかかわらず、家賃を含む事務所費や人件費が毎年計上されている点だ。その一方で、自宅近くに事務所を置く鈴木章浩後援会は、事務所費や人件費を一切計上していない。
 政治資金オンブズマン共同代表で神戸学院大法科大学院教授(憲法学)の上脇博之氏は「(支部と後援会の)2つの政治団体は本来別のものであり、一方が他方の家賃などの事務所費や人件費を肩代わりしているのであれば、寄付として処理しなければ違法だ。『混同した』との言い訳は通用しない」と批判する
 同支部は収入と支出が毎年全く同額で、1円単位まで使い切る形となっている点も不自然だ。上脇教授は「実体のある政治団体が、翌年への繰越金がゼロというのは常識では考えにくい。都議自身が毎年12月28〜30日に数百万円単位の寄付を行っているにもかかわらず、繰越金がないということは、年末の2〜4日間で使ったということになる。何に使ったのか、説明すべきだ」と指摘する
 また「組織活動費」名目で支出された資金が全額、収支報告書に支払先の記載義務のない1件5万円未満のものとして処理されている点にも疑念が残る。いずれの疑問も「政治資金の透明性を確保する」という政治資金規正法の趣旨に反している可能性があり、国会議員の周辺で繰り返し指弾されてきた「政治とカネ」について、上脇教授は「地方議員も問われる時代だ」と話している

(3)産経新聞の記者の取材に対し、鈴木章浩都議は、人件費も家賃も毎月支払っていると回答したそうです。
そうなると、辻褄が合わないことがわかります。

政党支部「自由民主党東京都足立区第二十一支部」の「前年からの繰越金」は過去3年間、0円です。

しかし、1月から毎月人件費、家賃が支払われているとなると、
毎月40万円を超える支出がなされていたことになります(なお、事務所費は全額が家賃の支払いとは限らないので、確認する必要があります)。

◆2010年
人件費    約337.6万円  月平均 約28.1万円
事務所費  約210.2万円   月平均 約17.5万円
計      約547.9万円   月平均 約45.6万円

◆2011年
人件費    約337.6万円  月平均 約28.1万円
事務所費  約210.2万円   月平均 約17.5万円
計      約547.9万円   月平均 約45.6万円

◆2012年
人件費    約391.2万円  月平均 約32.6万円
事務所費  約256.4万円   月平均 約21.3万円
計      約547.9万円   月平均 約53.6万円

しかし、寄付などの収入を合計しても(政治資金収支報告書を参照)、この支払いを1月、2月、3月に行うことは不可能です。
つまり、前述した後援会の場合のように、一見して辻褄が合わないことはわからないものの、政党支部の場合も辻褄の合わないのです。

やはり、会計帳簿をその都度つけていないからでしょう。

(4)これにつき、前述したフジテレビの取材に対し、鈴木章浩都議は、毎月約40万円を立替えていたと弁明していますが、これも虚偽記載の自白です。

ところで、
鈴木章浩都議の自宅は持ち家でしょうか?
それとも賃貸でしょうか?

(5)次に、「組織活動費」名目の支出ですが、具体的系には、政治資金収支報告書によると、以下のとおりです。
2010年  551.2万円
2011年  895.7万円
2012年 1695  万円

前述したフジテレビの報道では、地元の祭り等の催しで何か買って食べているシーンが放送されました。
それが「組織活動費」として支出されているのであれば、本来、ポケットマネーで支出すべきものを、政治資金から支出したことになりそうです。

(6)鈴木章浩都議は、年末に高額の寄付をしています。
また、鈴木章浩後援会も12月に寄付しています。
具体的には以下のとおりです。
2010年12月10日  117.8万円  鈴木章浩後援会
2010年12月30日  305.4万円  鈴木章浩

2011年12月12日  276.9万円  鈴木章浩後援会
2011年12月30日  325.3万円  鈴木章浩

2010年12月 7日  494.3万円  鈴木章浩後援会
2012年12月28日  748.9万円  鈴木章浩

繰越金はなしで、全額支出していると報告されています。
これらの寄付を全額1件5万円未満で「組織対策費」として支出されている(1件5万円以上の「組織対策費」としての支出はない)と報告されているのですが、なかなか信用できません。
例えば、2011年12月30日の325.3万円を、31日までの2日間で支出し尽くしたとなると、
「1件平均4万円の支出」がなされたと仮定すると、「82件の支出」、「1日平均41件の支出」がなされた計算になりますし、
2012年12月28日の748.9万円を、31日までの4日間で支出し尽くしたとなると、
「1件平均4万円の支出」がなされたと仮定すると、「188件の支出」」、「1日平均47件の支出」がなされた計算になります。
このような支出が年末に実際「組織対策費」として行われることは通常考えられないからです。

(7)鈴木章浩都議の政党支部の収支報告は前述したように辻褄があいません。
毎月の経常経費の支出がなされることが分かっているのに「翌年への繰越金」がないのは不可解ですし、
そうであれば、本人の寄付は年始に行うべきですが、年末なのは不可解です。

(8)そこで、
年末の寄付と実質的な使途不明の「組織対策費」の支出との間に、ひとつの重大な疑念が生じます。
それは、以下のような疑惑です。

当該政党支部は、上記3年間において毎年高額の「組織対策費」を支出をしたと報告していますが、
実際、その一部は、政治活動ではない本来ポケットマネーから支出すべき私的・個人的なものがあり、
残りは全ては鈴木章浩本人が受け取り、
その受け取った「組織対策費」の一部を「自己資金」と装って年末に寄付し(ひょっとすると寄付控除を受け)、
さらに、その寄付(及び後援会からの寄付も)の一部(もし経常経費の支出があれば、それを除く)を、
「組織対策費」として本人が受け取り、自分のポケットマネーにした(場合によっては裏金に!?)のではないか、と。

政党支部→→(「組織対策費」名目)→→鈴木章浩→→(寄付)→→政党支部→→→→(「組織対策費」名目)→→鈴木章浩!?

(9)この疑惑を払拭するためにも、鈴木章浩都議は、会計帳簿と全ての領収書を公表して、説明責任を果たすべきです!
寄付控除を受けたのかどうかも説明すべきです。
説明責任は議員を辞職しても残っていますが、せめて、説明責任を果たさないのであれば議員を辞職すべきです!

野々村竜太郎兵庫県議の政務活動費問題と「西宮維新の会」・「西宮希望の女神」の政治資金収支報告

1.「政務活動費」視察旅費領収書不添付問題

(1)兵庫県議会の野々村竜太郎議員=無所属、西宮市選出=が政務活動費(以前の政務調査費)を使った出張の旅費の支出回数が2011年度から2013年度まで345回で、金額として合計800万円近くが支出されていたにもかかわらず、収書が1回も添付されていなかったことが発覚しました。
神戸新聞2014/7/1 07:15
当選直後から不自然な支出繰り返す 野々村県議の政務活動費

 兵庫県議会の野々村竜太郎議員(47)=無所属、西宮市選出=が2013年度、豊岡市や福岡市など遠方を日帰りで195回訪問したとして、政務活動費(政活費)から約300万円を支出していた問題で、初当選した11年度や12年度にも同様の支出を繰り返していたことが30日、分かった。両年度の収支報告書にも交通費の領収書添付や現地での具体的な活動を示す記載はなく、13年度分と合わせると、不自然な支出は345回、計約800万円に上る。
 30日に公開された13年度の野々村氏の報告書では、中央省庁への要望や住民相談に伴う費用などに充てる「要請陳情等活動費」として計301万5160円を支出。阪神武庫川団地前駅(西宮市)を起点に、JR城崎温泉駅(豊岡市)=106回▽JR佐用駅=62回▽JR博多駅(福岡市)=16回▽東京都内=11回‐を日帰り訪問した往復の切符代だったと報告した。
 野々村氏の過去の収支報告書(12年度以前は政務調査費)を神戸新聞社が確認したところ、11年度は東京都▽石川県▽福岡県▽三重県▽愛知県‐など7カ所を日帰り訪問した往復切符代として「調査研究費」から計58回、約146万円を支出。議員活動が始まった6月に既に6回あった。12年度は行き先が、東京都▽名古屋市▽福岡県‐になり、計92回で約343万円を支出していた。
 いずれも13年度分と同様に交通費の領収書添付は一切なく、活動内容についても「県の事務および地方行財政に関する調査研究」と書かれている程度だった。政活費は全ての支出に領収書添付が義務づけられているが、「自動券売機で切符を買い領収書が発行されない場合」など例外規定がある。
 野々村氏は川西市職員などを経て11年4月に初当選。神戸新聞社は報告書が公開された30日午前9時半以降、野々村氏への取材を試みているが、同日午後11時現在、連絡が取れていない。(三木良太、岡西篤志)
 兵庫県議会の政務活動費 政党活動などを除く調査研究のため、条例に基づき、議員報酬とは別に議員1人当たり月額50万円が支給される。所属会派と議員個人にどう配分するかは各会派に任されている。「広報広聴費」や「人件費」など10項目の支出が認められている。2011年6月分から1円以上の全ての支出に領収書の添付が義務づけられた。条例改正により、名称が13年度に「政務調査費」から変更された。

(2)この報道によると、視察回数とその支出額は
2011年度、 計58回、約146万円支出
2012年度、 計92回、約343万円支出
2013年度、計195回、約300万円支出
合計       345回、約789万円支出
となります。
政府活動費は税金が原資です。
つまり、800万円近くの税金が視察名目で支出されていたのです。

(3)野々村県議は、釈明会見を開きましたが、きちんとした釈明ではなく、納税者・県民を納得させるものではありませんでした。
神戸新聞2014/7/1 21:11
野々村県議が会見 支出の正当性強調 政務活動費問題

 兵庫県議の野々村竜太郎氏(47)=無所属、西宮市選出=が2013年度、豊岡市など遠方を日帰りで195回訪問したとして、政務活動費(政活費)から約300万円を支出していた問題で、野々村氏は1日、県議会で会見し、「精力的な議員活動の結果」などと支出の正当性を強調した。一方、訪問先などについては「公表しないという前提で政策教授や意見交換をしてもらっている」として説明を拒んだ。(三木良太、岡西篤志)
 野々村氏は13年度の政活費収支報告書で「要請陳情等活動費」として、豊岡市など4カ所を日帰り訪問した往復の切符代だったと報告。領収書の添付や現地での活動を示す記載は一切なかった。
 野々村氏は会見で、195回の訪問を「全て行った」「うそや偽りはない」と明言。東京都と福岡市には新幹線、豊岡市と兵庫県佐用町には特急を利用し、グリーン車がある場合は全て利用したと説明した。経路や金額の根拠などについては「無頓着なので覚えていない」と話した。
 領収書を添付しなかったことについては「自動券売機で領収書を発行できることは(記者の指摘で)初めて知った」などと釈明。また、訪問先や相手の人数、現地での活動内容を再三問われても「公表しないという前提がある」と繰り返し、説明を拒否し続けた。
 野々村氏をめぐっては、初当選した11年度や12年度にも同様の支出を繰り返していたことが明らかになっている。野々村氏は「(領収書添付がないなど)報告書には不備があった」とした上で「議会事務局と相談し、(11年度からの)報告書の訂正と返納を進める」との考えを示した。ただ、返納する額については言及しなかった。
 この日の会見は3時間以上に及び、野々村氏が説明中に号泣する場面もあった。

号泣会見となり、世間でも注目されました(この点は後で)。

2014年7月4日6時0分 スポーツ報知
「フルスロットル謝罪」号泣県議会見が世界拡散!欧米で配信

 政務活動費の使途に疑義が生じている兵庫県の野々村竜太郎県議(47)=無所属=が1日に行った号泣会見が、世界に波紋を広げている。欧米メディアは3日までに、相次いで会見の様子を報道。動画投稿サイトでは、200万回以上再生され、ツイッターなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でも批判されている。県議会事務局などにも有権者らの抗議が寄せられており、収束の気配は見せていない。
 野々村県議の号泣会見がついに世界へと発信されてしまった。
 AP通信は「野々村県議の号泣動画が拡散している」との題名で、困惑と怒りの声が広がっていると紹介。会見の様子を「突然、泣き出し、意味不明な上、机に頭を突っ伏した」と記述した。米CBSテレビは「日本の政治家がカメラの前でメルトダウンした」とのタイトルで報道。「公人は今も昔も“お涙ちょうだい”で知られているが、野々村県議は別格だ」と皮肉交じりに、SNSなどでの反応を伝えている。
 収支報告書などによると、野々村県議は昨年度、選挙区の西宮市から約100キロ離れ、城崎(きのさき)温泉のある兵庫県豊岡市に、106回も日帰り出張をしている。英紙ザ・タイムズは、観光地への日帰り旅行を繰り返したことに絡め「温泉スキャンダルでフルスロットルの謝罪」と例えた。会見での様子は「日本の慣習である深いお辞儀の代わりに、体を震わせ泣きじゃくった」とした。インデペンデント紙は「むせび泣き、深呼吸してまた泣き叫ぶ」と表現。各電子版ではユーチューブなどの動画投稿サイトをリンクさせ、再生回数が230万回を超えたものもある。
 AP通信など通信社の記事は欧米のみならず、中東やアジア諸国にも“拡散”。各国メディアも野々村県議の号泣写真を掲載するなど一躍、“時の人”となった。
 波紋は国内にも広がっている。県議会などにも議員辞職を求める抗議の声が相次ぎ、2日は約140件だったのが、この日だけで600件以上の抗議があり、計737件となった。議会も対応を迫られ、梶谷忠修議長は7日に各会派代表者を集めて今後の対応を協議することを決定。野々村県議への要求や政務活動費のあり方や報告書の記載ルールを協議する。梶谷議長はこの日、野々村県議を議長室に呼び出し「説明責任を肝に銘じるように」などと厳しく注意した。
 一方、野々村県議は報道各社に文書で取材自粛の申し入れを行った。文書では「会見で全て答え、質問が出尽くしたのを確認した」とした上で「心身ともに疲れ果て、自殺に追い込まれるのではないかと不安でいっぱい」などと訴えた。

(4)「兵庫県政務活動費の交付に関する条例」によると、収支報告と領収書については以下のように定めがあります。
(収支報告書)
第9条 政務活動費の交付を受けた会派の代表者又は議員は、次に掲げる事項を記載した当該年度の政務活動費に係る収入及び支出の報告書(以下「収支報告書」という。)を、年度終了日の翌日から起算して30日以内に議長に提出しなければならない。
(1) 会派名及び代表者氏名又は氏名
(2) 交付を受けた政務活動費の総額
(3) 交付を受けた政務活動費に係る支出の総額並びに次に掲げる支出項目別の額及び当該項目ごとの主たる支出の内訳
ア 調査研究費
イ 研修費
ウ 会議費
エ 広報広聴費
オ 要請陳情等活動費
カ 資料作成費
キ 資料購入費
ク 事務所費
ケ 事務費
コ 人件費
(4) 交付を受けた政務活動費の総額から政務活動費に充てるべき支出の総額を控除して残余がある場合は、当該残余の額
2 政務活動費の交付を受けた会派の代表者は、当該年度中に会派が消滅したときは、前項の規定にかかわらず、当該会派が消滅した日の属する月までの収支報告書を、会派が消滅した日の翌日から起算して30日以内に議長に提出しなければならない。
3 政務活動費の交付を受けた議員は、当該年度中に任期満了、辞職、失職若しくは除名又は議会の解散により議員でなくなったときは、第1項の規定にかかわらず、議員でなくなった日の属する月までの収支報告書を、議員でなくなった日の翌日から起算して30日以内に議長に提出しなければならない。
4 前3項の収支報告書には、政務活動費による支出に係る領収書その他の証拠書類の写し(以下「領収書等の写し」という。)を添付しなければならない。

(5)この条例の定めによると、「政務活動費による支出に係る領収書その他の証拠書類の写し」を添付しなければなりません。
交通費については、すべての場合に領収書を受けられるとは限らないかもしれません。
それゆえ、どうしても領収書を受けられなかった場合には、その写しを添付しないこともやむを得ないでしょうが、
野々村県議は、新幹線、特急等を利用したと説明しているのですから、窓口でも自動券売機でも領収書は発行されますから、少なくともそれらの分については、その写しの添付がなされなかったのは条例違反です。
実際に、報告通りの視察が行われていても、「領収書の写し」が添付されていない点で違法なのです。


2.「政務活動費」違法支出疑惑

(1)以上の問題とは別に、領収書の写しの添付がないがないがいがゆえに、上記の旅費支出そのものが条例違反であり、違法であるとの疑惑が生じます。

というのは、「自動券売機で領収書を発行できることは(記者の指摘で)初めて知った」などと釈明していますが、例えば、JRでいえば、自動券売機では領収書の発行の有無について表示され、そのいずれかを選択する仕組みになっていますので、実際にはJRを利用していなかったのではないかとの疑惑が生じるからです。
また、極秘の情報収集であったとしても、同じところに何度も行くのは、あまりにも不自然です。

となると、視察ではなく、観光だった、
あるいは、実際には出かけていないカラ視察
あるいは、その両方
のいずれかではないかとの疑惑が生じるのです。

(2)政務活動費は、税金が原資であり、それゆえ、議会の議員活動、あるいは会派の活動という公的な活動のために支出されているものです。それゆえ、収支報告も法的に義務づけられているのです。
それは、法律と条例で確認できます(ただし、これで十分かどうかは別の論点です)。
地方自治法
第100条・・・
・・・・
14 普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、その議会の議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費の一部として、その議会における会派又は議員に対し、政務活動費を交付することができる。この場合において、当該政務活動費の交付の対象、額及び交付の方法並びに当該政務活動費を充てることができる経費の範囲は、条例で定めなければならない。
15 前項の政務活動費の交付を受けた会派又は議員は、条例の定めるところにより、当該政務活動費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出するものとする。議長は、第14項の政務活動費については、その使途の透明性の確保に努めるものとする。
16 政府は、都道府県の議会に官報及び政府の刊行物を、市町村の議会に官報及び市町村に特に関係があると認める政府の刊行物を送付しなければならない。

兵庫県政務活動費の交付に関する条例
(趣旨)
第1条 この条例は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第100条第14項から第16項までの規定に基づき、兵庫県議会議員(以下「議員」という。)の調査研究その他の活動に資するために必要な経費の一部として、兵庫県議会の会派(所属議員が1人の場合を含む。以下「会派」という。)及び議員に対し、政務活動費を交付することに関して必要な事項を定めるものとする。

(政務活動費を充てることができる経費の範囲)
第2条 政務活動費は、会派及び議員が実施する調査研究、政策提言、研修、各種会議への参加、広報広聴、要請陳情、住民相談等地域の課題のみならず広く県政全般の課題とこれに対する県民の意思を的確に把握し、県政に反映させる活動その他の県民福祉の向上及び県勢の発展に必要な活動(以下「政務活動」という。)に要する経費に対して交付する。

(3)地方自治法と兵庫県の条例によると、政務活動費は、議員・会派の公的な活動のために支出しなければなりません。
それ以外の私的な活動(政治活動や選挙運動活動など)のために支出すれば、違法です。

ですから、野々村県議の政務活動費の実際の支出が観光のためだった、あるいは実際には視察に出かけていないカラ視察だったよなると、その支出そのものが違法(あるいは不適切な支出)となります。

住民監査請求、住民訴訟となっても不思議ではありません。
(なお、刑事事件として責任追及する可能性の有無については、ここでは検討・言及しません。)

(4)ですから、野々村県議は、支出の詳細をきちんと説明しなければなりません。

野々村県議は返還を検討しているようですが、実際返還するのか、また、いくら返還するのかは不明のようです。
たとえ、野々村県議は全額返還したとしても、真摯に説明責任を果たさないのであれば、県議を辞任すべきでしょう。
日刊スポーツ [2014年7月4日19時30分]
野々村県議の号泣会見が海外にまで波紋

 兵庫県の野々村竜太郎県議(47=無所属)が政務活動費から195回分の出張旅費を支出していた問題は、号泣会見の動画がインターネットに出回り、海外にまで波紋を広げた。一方、出張目的などの説明は拒否したままで、専門家は「責任を果たさず世界に恥をさらした」と批判する。
 「やっと議員になったんです」「世の中を、うおー、世の中を、変えたくて」。1日の釈明会見で野々村議員は突然、右手を机にたたきつけて絶叫、泣きじゃくった。記者が止めるまで約8分間の「独演会」。自ら感情的な質問は受けないと冒頭に宣言していただけに、記者らは言葉を失った。
 収支報告書によると、議員は2013年度、東京都内やJR博多駅、城崎温泉駅(兵庫県豊岡市)などに日帰りで計195回往復したとして、約300万円を支出。初当選した11年度から同様の支出を続けたとみられる。
 号泣会見の様子はネットの動画サイトに流され、連日繰り返し再生された。海外メディアも「フルスロットルの謝罪」などと相次いで報じた。
 野々村議員は、兵庫県川西市職員から同県太子町長選など4回の落選を経て当選。高校の後輩橋下徹大阪市長とは無関係の「西宮維新の会」をつくり、議員報酬の半減や政務調査費(当時)の透明化も訴えていた。
 3時間を超える会見では「精力的な活動の結果」と支出の正当性を主張。経路や内容については説明を拒否し、会見翌日には「自殺に追い込まれるのではと不安でいっぱい」として、各社に取材自粛を要請した。議長が厳重注意したほか、議会からは「辞職勧告に値する」との声も上がる。
 政治家の資金問題に詳しい神戸学院大の上脇博之教授は「説明責任を果たさないまま泣きを入れる姿は、世界に恥をさらした」と厳しく指摘。「返済すれば終わりではない。説明できなければ辞職すべきだ」と話した。(共同)


3.野々村県議の選挙立候補と党派・職業について

(1)もしカラ視察だったとなると、その分の政務活動費が野々村議員の政治団体あるいはポケットマネーに化けた可能性があるので、政治団体の政治資金収支報告書を検討しておくことも無駄ではなくなります。

(2)では、野々村県議の「政治団体」とはどのようなものなのでしょうか?

現時点で私が入手できる情報には限度があるので、そのずべては今分かるわけではありませんが、分かる範囲内で確認しておきましょう。

(3)野々村氏は、兵庫県議会議員になる前、いくつかの選挙に立候補しているようですが、ここでは、2009年の兵庫県議会西宮選挙区補欠選挙への立候補以降を紹介しておきます。

兵庫県選挙管理委員会の公開している情報によると、2009年7月の兵庫県議会西宮選挙区補欠選挙に立候補したものの落選していますが、その時、党派は「無所属」で、職業は「西宮市国民健康保険運営協議会委員」と明記されていました。
http://web.pref.hyogo.lg.jp/pa25/documents/000151690_1.pdf
平成2 1 年7 月5 日執行
西宮市選挙区補欠選挙

ののむら竜太郎(野々村竜太郎)  ・・・・・無所属  西宮市国民健康保険運営協議会委員

(4)ところが、2011年4月10日の統一地方選挙の時には、兵庫県議会の西宮市選挙区で立候補し最下位ながらも当選し、読売新聞のインターネット報道では、党派は「諸派」で、代表的肩書きは「西宮維新役員」でした。
読売新聞
統一地方選 2011
兵庫県 議選

西宮市 定数7 - 候補10(選管確定)
得票数(得票率)    氏名  年齢  党派(推薦・支持)  新旧  当選回数  代表的肩書
当選 21,207(15.3%) 野口 裕 60       公 明      現      6      党県幹事長
当選 20,109(14.5%)  大前 春代 27    無所属      現      2      (元)衆議員秘書
当選 16,652(12.0%)  礒見 恵子 54    共 産       元      3      党地区役員
当選 16,601(11.9%)  北川 泰寿 41    自 民       現      4     党県役員
当選 13,445(9.7%)  栗山 雅史 36    民 主       新      1     (元)市議
当選 11,491(8.3%)   掛水 須美枝 65  民 主(社)     現      6     労務協会長
当選 11,291(8.1%)  野々村 竜太郎 44   諸 派   新       1   西宮維新役員
□ 10,882(7.8%)     筒井 信雄 45    自 民       現            党県役員
□ 9,503(6.8%)      田中 章博 74   自 民       現            党西宮支部長
□ 7,832(5.6%)      岩崎 龍夫 47    民 主       新            電力会社員

兵庫県選挙管理委員会の「平成23年執行兵庫県議会議員選挙の記録」によると、野々村氏の党派は「西宮維新の会」で、職業は「無職」となっています。  
http://web.pref.hyogo.lg.jp/pa25/documents/230410_4.pdf

(5)この「西宮維新の会」は、「大阪維新の会」「日本維新の会」とは関係ないようです。
読売新聞2014年07月04日 12時32分
号泣県議、橋下氏は「維新と一切関係ない」

 兵庫県西宮市選出の野々村竜太郎県議(47)(無所属)が昨年度、日帰り出張195回の切符代として政務活動費約300万円を支出していた問題を巡り、日本維新の会共同代表の橋下徹・大阪市長は、野々村氏が2011年の県議選で「西宮維新の会」代表を名乗り出馬していたことについて「一切関係ない」と強調した。
 3日、市役所で記者団に語った。野々村氏は、橋下氏と同じ大阪府立北野高出身。橋下氏は、野々村氏について「選挙時、応援に来てくれという連絡が後援会にしょっちゅうあったが、丁重に断った」と明かした。野々村氏は現在、政治団体の名称を「最後の希望」に変更している。

(6)その後、「西宮維新の会」は、名称変更をしています。
後述するように「西宮維新の会」は「西宮希望の女神」に名称変更し、その後「最後の希望」に名称変更し、現在に至っています。
最後の名称変更は、「兵庫県広報」(2014年3月18日 2577号)で確認できます。
http://web.pref.hyogo.lg.jp/kk32/koho/documents/260318t.pdf

(7)このような名称変更を県民・西宮市民にきちんと伝えていたのでしょうか!?
伝えていなければ、政治的に無責任ですね。


4.野々村県議の政治団体の政治資金収支報告

(1)では、野々村県議の政治団体は政治資金収支をどう報告しているのでしょうか?
なお、実際の政治資金収支報告書は未入手なので、その概要だけを以下のように確認しました。

(2)2010年分の政治資金収支報告では、当然なのかもしれませんが、「西宮維新の会」の報告はないようです。

平成22年分政治資金収支報告書について
http://web.pref.hyogo.jp/pa25/documents/05h22sonota-na-.pdf

(3)2011年分の政治資金収支報告では、「西宮維新の会」の報告はあります。

平成23年分政治資金収支報告書について
http://web.pref.hyogo.jp/pa25/documents/23sonota_na.pdf
西宮維新の会
報告年月日  24.03.12
1 収入総額 1,495,000
本年収入額  1,495,000
2 支出総額 0
3 本年収入の内訳
寄附  1,495,000
個人分  1,495,000
4 寄附の内訳
(個人分)
野々村竜太郎  1,495,000 西宮市

収入は、すべて野々村竜太郎氏の寄付です(私が入手している情報によると、この寄付は12月31日の1回だけによるもののようです)。
気になるのは、支出が一切ないことです。

(4)その後、「西宮維新の会」は「西宮希望の女神」に名称変更しているようです。
2012年分の政治資金収支報告では、「西宮希望の女神」として報告されています。

平成24年分政治資金収支報告書について
http://web.pref.hyogo.jp/pa25/documents/24sonota_na.pdf
西宮希望の女神
報告年月日  25.03.12
1 収入総額  2,995,000
前年繰越額  1,495,000
本年収入額  1,500,000
2 支出総額  2,995,000
3 本年収入の内訳
寄附      1,500,000
個人分     1,500,000
4 支出の内訳
経常経費    1,500,000
 備品・消耗品費 500,000
 事務所費   1,000,000
政治活動費   1,495,000
  組織活動費 1,000,000
  調査研究費  495,000
5 寄附の内訳
(個人分)
野々村竜太郎  1,500,000  西宮市

繰越金149万5000円は前年の野々村竜太郎県議の寄付でした。
本年収入は150万円で、これは全額野々村竜太郎県議の寄付です(私の得ている情報によると、1月1日の1回の寄付によるもののようです)。
両者の合計299万5000円。
2010年は支出がなかったのに、2011年は支出があり、299万5000円全額が支出されています。
しかし私が得ている情報によると、領収書は一切ないし、政治資金収支報告書には詳細が記載されていないようです。
また、事務所は本人の自宅と同じ住所であるとの情報です。
事務所費は事務所の家賃であるかどうか不明ですが、もしそうだとすると、本人の寄付が家賃として本人に還流していることになります。
支出額はすべて端数がないですね。普通ありません。
これらの支出が本当に実際支出されているのでしょうか?
領収書も詳細な報告もないので、疑念が生じます。

(5)どなたか領収書も含め政治資金収支報告書を情報公開請求して収支の詳細を確認してみてください。

なお、2013年分の政治資金収支報告は、すでに提出されていますが、まだ公表・公開されてはいません。

(6)もし万が一政務活動費の上記支出がカラ支出であった場合、その一部が野々村県議の上記政治団体に本人寄付という形で流れている可能性もありそうです。

さらにまた、支出に領収書など証明するものがなければ、本人に還流しているのではないかとの疑惑も生じます。
政務活動費の手口を政治資金でも同様に使った可能性もあるからです。
ひとつの疑惑が次の疑惑を生んでいるわけです。

(7)もちろん、以上は、あくまでも疑惑のレベルです。

それゆえ、野々村県議には、まず、政務活動費の視察実態について説明責任を果たしてもらう必要があります。
マスメディアの記者の皆さんは、それを求め続けてください。
また、政治資金収支報告書・領収書の開示を受けた上で、野々村県議に疑惑を払拭してもらうためにも、説明責任を果たすよう求めてください。

「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その11(渡辺氏は法律の趣旨を正しく理解していた!)

はじめに

(1)「みんなの党」の渡辺喜美代表(すでに辞任。以下同じ)が、DHC会長に2010年参議院通常選挙前に3億円と、2012年衆議院総選挙前に5億円を用立ててもらっていたのに、それらを一切報告していなかった問題について、すでに、このブログで取り上げました。、

DHC会長が「みんなの党・渡辺代表に選挙資金8億円」を用立てたが一切収支報告なし!

渡辺「みんなの党」代表は「8億円裏金」問題で説明責任を果たしていない

(2)具体的な疑問点として、第1に、渡辺代表が新党「みんなの党」を立ち上げた時の資金作りの点について疑問点を説明しておきました。

「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その1(党立ち上げ資金)

第2に、渡辺代表が受け取った計8億円が「みんなの党」への貸付に回れているのかどうかについての疑問点を指摘しました。

「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その2(貸付・借入金)

第3に、渡辺代表は、計8億円の一部ではあるものの、使途の説明を変遷させ、党のための政治活動・選挙活動に使ったことを認め始めたことを指摘しました。

「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その3(政治資金・選挙資金)

第4に、その使途について、2012年の衆議院総選挙と2010年の参議院通常選挙における公認候補の供託金に使われたのかどうかを収支報告書で確認しました。

「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その4(供託金)

第5に、渡辺代表が「みんなの党」の代表を辞任したので、それについての私見と内部調査の必要性を述べておきました。

「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その5(代表辞任と内部調査)

その辞任会見で、渡辺氏は、8億円の借入金の支出について説明をさらに変遷させ、「政5億円弱は妻の口座に移し、残っていた。他は親類縁者や知人らから融通してもらった。年に約1000万円を個人的に使った。」
と説明しましたので、第6に、これについても疑問点を述べておきました。

「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その6(妻の口座に5億円弱)

代表を辞任した渡辺喜美氏は政治資金規正法について独自の解釈を行っていたので、第7に、それについて私見を書いておきました。

「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その7(政治家の政治資金収支報告制度の不存在)

「みんの党調査チーム」が8億円問題の調査結果を先月(2014年4月)24日に公表しましたので、第8に、これについて簡単に私見を書いておきました。

「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その8(調査チーム結果公表)

渡辺前代表は、4月24日の「みんの党調査チーム」の報告を踏まえて、同月30日に資産報告を訂正し、さらに、その翌日(5月1日)、再度訂正したので、第9に、それについて感想を書き、資産公開法の改正を提案しておきました。

「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その9(資産報告書の訂正)

第10として、「東京の市民団体」の告発は、受理されるのかを検討し、告発状の問題点を指摘しました。

「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その10(「東京の市民団体」の告発は受理されるか?)

(3)論点を政治資金規正法の問題に戻しましょう。


渡辺氏は政治資金規正法の趣旨を正しく理解していた!

(1) 「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その7(政治家の政治資金収支報告制度の不存在) で、政治資金規正法が、大原則として、政治資金(政党の場合、選挙運動活動を含む)を使うためには、政党、政治団体でなければならず、個人では使えないこと、その例外は、個人(立候補者。政党ではない)の選挙運動費用の場合と「政党から寄附」を受けた場合であることは、説明しました。

(2)渡辺前代表は、DHCの吉田会長から2010年には3億円を、2012年には5億円を、それぞれ借入れたわけですが、この計8億円は、その例外に該当しません。
渡辺氏は自分の選挙のためには使わなかったと弁明していますし、8億円はそもそも「政党からの寄附」ではないからです。
ですから、現行法のもとでは、政治活動のために使うためには政党または政治団体にそれを移動させなければならないわけです。

(3)渡辺前代表は、このことを、知らなったのでしょうか?

すでに紹介しましたが、
渡辺前代表は、今年3月31日に「みんなの党」のホームページの「DHC会長からの借入金についてのコメント」2014年3月31日 15:37)において、
「党首が個人の活動に使った分は、政治資金規正法上、政治家個人には報告の義務はありません。そのような制度がないということです。個人財産は借金も含めて使用・収益・処分は自由にできるからです。」
と説明していましたし、
また、4月1日の党役員会(渡辺代表本人欠席)で配布された文書でも
「そもそも政治家個人が借入分を含む自己の財産を個人の政治活動や議員活動に支出したとしても、公職選挙法および政治資金規正法に報告の制度がありませんので、報告のしようがなく、したがって報告していない、というだけのことです。」
と説明していましたし、
さらに、4月7日、代表を辞任すると表明した会見でも
「私が個人で使用した分については、政治家がポケットマネーを使って政治活動をしていない場合、その収支については収支報告書の制度がないことを総務省に確認しておりますので、政治資金規正法上もなんら違法な点はありません。」
と説明していましたので、
渡辺前代表は、政治資金規正法の大原則を知らなかったのではないかと思われる国民があるかもしれません。

(4)しかし、そうではありません。
渡辺前代表は、実は、正しく理解していたと思われます。

というのは、第一に、
政治資金規正法が1994年に改正され、政治資金は政治団体で扱わなければならないという大原則が採用されたとき、
渡辺氏は、父・美智雄・衆議院議員の秘書であり、
父亡き後は1996年衆議院議員総選挙で当選しそれ以降当選し続け衆議院議員であり続けたのですから、改正前と改正後の同法の趣旨をそれぞれ正しく理解していたはずです。

(5)第二に、渡辺前代表は、「みんなの党」のホームページの「DHC会長からの借入金についてのコメント」(2014年3月31日 15:37)において、政治資金規正法の立場を以下のように的確に説明していました。
一般的に、党首が選挙での躍進を願って活動資金を調達するのは当然のことです。一般論ですが、借り受けた資金は党への貸付金として選挙運動を含む党活動に使えます。その分は党の政治資金収支報告書に記載し、報告します。


(6)第三に、渡辺前代表が政治資金規正法の大原則を正しく理解していたことは、「みんなの党調査チーム」の「報告書」で明らかにされていること、すなわち、吉田会長以外の者らからの借入金について「みんなの党」にそのまま貸付けていたという事実から窺い知ることもできます。

「みんなの党調査チーム」の調査結果によると(みんなの党調査チーム「報告書」図表1頁・4頁・5頁)、
。横娃隠闇、渡辺氏は、Aから3月26日に5000万円を借入し、その全額を3日後の同月29日に「みんなの党」に貸付けています。
同年6月18日にはAから4000万円を、Bから2本の4000万円を、それぞれ借入し、それらの合計額1億2000万円を3日後の同月21日に「みんなの党」に貸付けています。
「みんなの党」の2013年分政治資金収支報告書はまだ公表・公開されていませんが、
Aから同年4月4日に8000万円を借入し全額を同月22日に「みんなの党」に貸付け、Dから6月28日に2億円を借入し全額を同日に「みんなの党」に貸付けています。

このような資金移動は、渡辺氏が、個人の借入金を政党の政治活動として支出するためにはとの借入金を政党に移動させなければならないことを正しく理解していたことの証です。

(7)したがって、渡辺前代表は、吉田会長からの2010年の3億円も、同2012年の5億円も、選挙運動を含む政治活動のための資金として使うためには、政党か政治団体に移動させなければ使えないことを正しく認識していたのです。

前述の弁明は、処罰を免れるために、無知を装っているのです。

「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その7(政治家の政治資金収支報告制度の不存在)

はじめに

(1)「みんなの党」の渡辺喜美代表(すでに辞任。以下同じ)が、DHC会長に2010年参議院通常選挙前に3億円と、2012年衆議院総選挙前に5億円を用立ててもらっていたのに、それらを一切報告していなかった問題について、すでに、このブログで取り上げました。、

DHC会長が「みんなの党・渡辺代表に選挙資金8億円」を用立てたが一切収支報告なし!

渡辺「みんなの党」代表は「8億円裏金」問題で説明責任を果たしていない

(2)具体的な疑問点として、第1に、渡辺代表が新党「みんなの党」を立ち上げた時の資金作りの点について疑問点を説明しておきました。

「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その1(党立ち上げ資金)

第2に、渡辺代表が受け取った計8億円が「みんなの党」への貸付に回れているのかどうかについての疑問点を指摘しました。

「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その2(貸付・借入金)

第3に、渡辺代表は、計8億円の一部ではあるものの、使途の説明を変遷させ、党のための政治活動・選挙活動に使ったことを認め始めたことを指摘しました。

「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その3(政治資金・選挙資金)

第4に、その使途について、2012年の衆議院総選挙と2010年の参議院通常選挙における公認候補の供託金に使われたのかどうかを収支報告書で確認しました。

「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その4(供託金)

第5に、渡辺代表が「みんなの党」の代表を辞任したので、それについての私見と内部調査の必要性を述べておきました。

「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その5(代表辞任と内部調査)

その辞任会見で、渡辺氏は、8億円の借入金の支出について説明をさらに変遷させ、「政5億円弱は妻の口座に移し、残っていた。他は親類縁者や知人らから融通してもらった。年に約1000万円を個人的に使った。」
と説明しましたので、、これについても疑問点を述べておきました。

「みんなの党」渡辺代表「裏金」問題の疑問点その6(妻の口座に5億円弱)

(3)本日(4月24日)、みんなの党の調査チームは、8億円問題について調査結果を公表しました。

これについては、別の機会に投稿することにして、ここでは、辞任した渡辺喜美代表(当時)が政治資金規正法について独自の解釈を行っていたので、それについて私見を書いておきます。

1.渡辺喜美代表(当時)の政治資金規正法についての解釈とそれに対する批判

(1)渡辺代表(当時、以下同じ)は、今年3月31日に「みんなの党」のホームページの「DHC会長からの借入金についてのコメント」2014年3月31日 15:37)において以下のように説明していました。

党首が個人の活動に使った分は、政治資金規正法上、政治家個人には報告の義務はありません。そのような制度がないということです。個人財産は借金も含めて使用・収益・処分は自由にできるからです。

また、4月1日の党役員会(渡辺代表本人欠席)で配布された文書でも以下のように説明されていました。
そもそも政治家個人が借入分を含む自己の財産を個人の政治活動や議員活動に支出したとしても、公職選挙法および政治資金規正法に報告の制度がありませんので、報告のしようがなく、したがって報告していない、というだけのことです。

さらに、4月7日、代表を辞任すると表明した会見でも以下のように説明していました。
私が個人で使用した分については、政治家がポケットマネーを使って政治活動をしていない場合、その収支については収支報告書の制度がないことを総務省に確認しておりますので、政治資金規正法上もなんら違法な点はありません。


(2)しかし、以上の解釈は、政治資金規正法について意図的に間違った説明をしたものではないかと思います。

というのは、
そもそも政治資金規正法は、「政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治団体の届出、政治団体に係る政治資金の収支の公開並びに政治団体及び公職の候補者に係る政治資金の授受の規正その他の措置」を講じ、「政治活動の公明と公正を確保し、もつて民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする」法律で(第1条)、
「政治団体」(「政党」を含む)について「定義」を行い(第3条)、
「政治団体」に、選挙運動資金を含む政治資金について必ず収支報告させており、報告されない裏金を許容していないからです。
つまり、政治資金を受け取り、支出したい場合には、大原則として、政治団体を結成させ、その政治団体に政治資金の収支を管理させ、政治資金収支報告書を提出させ、政治資金の透明化を図っており、公職の候補者個人では政治資金の管理、収支報告をさせてはいないのです。
同法が都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に政治団体の届け出を義務づけ(第6条)、
「政治団体」は、この「届出がされた後でなければ、政治活動(選挙運動を含む。)のために、いかなる名義をもってするを問わず、寄附を受け、又は支出をすることができない」と定めている(第8条)のは、その大原則の表れです。

(3)だからこそ、政治資金政治研究会編集『逐条解説 政治資金規正法〔第2時改訂版〕』(ぎょうせい・2002年)は、以上の定めにつき
「いわば隠密裡に政治資金が授受されることを禁止して、もって政治活動の公明と公正を期そうとするものである」
と解説しているのです(88頁)。

(4)政治団体ではなく公職の候補者個人が政治資金を取扱える例外として、政治資金規正法は「公職の候補者の選挙運動に関する寄附」を認めています(第21条の2第1項)が、
これについても、公職選挙法に基づき「公職の候補者」に選挙運動費用収支報告書を提出させています(第189条)。

(5)また、政治資金規正法は、政党が「公職の候補者の政治活動に関する寄附」を受けることを許容しています(第21条の2第2項)が、少なくとも政党の政治資金収支報告書には、当該寄附は「支出」欄に記載されなければなりません。

(6)政治資金規正法は、このような例外以外で「公職の候補者」が政治資金を支出することを認めていないのです。
そうでなければ、公職の候補者は国民の知らない状態のまま個人で政治資金を受け取り支出していまい、政治資金規正法は政治資金の透明化にとって実効性のない無意味な法律になってしまうからです。
実際に公職の候補者が政治団体(政党を含む)に対し寄附または貸付をしているのは、合法的にそのカネを政治資金として支出したいからです。

2.指定団体方式と保有金方式を廃止し資金管理団体を創設した1994年の改正政治資金規正法の立場

(1)以上のことは、1980年と1994年の改正政治資金規正法の内容を確認し、比較することで、より明確になります。

(2)1980年に、公職の候補者の政治資金についての公私の峻別を図るために政治資金規正法は改正されました。

それによると、公職の候補者は、できるだけ自らは政治資金を取り扱わないこととし、政治資金は、できるだけ政治団体に取り扱わせるようにし(指定団体方式。自治省選挙部編『政治資金規正法解説』地方財政協会・1988年、61頁)、
「指定団体を指定しない場合」や「受けた寄付の一部を自らの手元で支出しようとする場合」には、公職の候補者が自ら政治資金を管理し、
この場合には、保有金としてその者が直接その収支を報告しなければならないことになったのです(保有金制度。同上、62頁、76頁)。

(3)もっとも、政治活動に関する寄附のうち選挙運動に関するものは保有金制度から除外され、選挙運動に関するものは公職選挙法で別途収支報告する制度がありました(同上、64頁)が、
政党及び指定団体から公職の候補者が受けた寄付は、保有金に含まれず、収支報告の対象から除かれました(同上、76頁)。

(4)1994年には、公職の候補者の政治資金についての公私の峻別をより一層徹底するために政治資金規正法は改正されました。

それによると、「指定団体制度」と「保有金制度」は廃止され、それに代わって新たに「資金管理団体」の制度が創設され、公職の候補者は一の政治団体に限り資金管理団体を指定できるとともに、公職の候補者の政治活動に関する金銭等による寄付は原則として禁止されたのです(第21条の2第1項。政治資金制度研究会編集「逐条解説 政治資金規正法 〔第2次改訂版]」ぎょうせい・2002年、31〜32頁)。

もっとも、政治活動に関する寄附のうち選挙運動に関するものはこれまでどおり許容される(第21条の2第1項カッコ書き)とともに公職選挙法で別途収支報告制度が維持され、
また、「政党からの寄附」は公職の候補者が受けることはこれまでどおり許容され(第21条の2第2項)、収支報告の対象から除かれるという運用がなされています(その運用は問題ですが、ここでは、便宜的にこの運用を前提にします)。

(5)以上の改正について政治資金制度研究会編集『逐条解説 政治資金規正法 〔第2次改訂版]〕(ぎょうせい・2002年、150〜151頁)は、次のように解説しています。
公職の候補者の政治資金の取り扱いついては、昭和55年の方改正により、公職の候補者の政治資金としてき経済との峻別の見地から、指定団体制度・保有金制度が定められたところであるが、平成6年の法改正において、『政治とカネ』とをめぐる問題を抜本的に解決し公職の候補者の公私の峻別のより一層の徹底を制度的に担保するため、指定団体制度・保有金制度を廃止して、公職の候補者の政治活動に関する寄附で金銭等によるものについては、選挙運動に関するもの及び政党のするものを除き、これを禁止する(法第21条の2参照)とともに、新たに資金管理団体制度が創設され、公職の候補者個人への資金については、その資金管理団体で取り扱うこととされたものである。

(6)また、当時の青森地検八戸支部長(前刑事局付検事)の高橋秀雄氏は、
「今回の政治資金規正法は、全体としては、政治家個人への不明朗な資金提供を全面的に禁止し、政党中心の政治資金の調達及び政治資金の流れの一掃の透明化をめざすもの」である、
と簡潔に解説しています(「法の焦点 政治資金規正法の改正について」法務総合研究所『研修』1994年4月号(550号)68〜69頁)。

(7)これらの解説によると、保有金制度が廃止され、公職の候補者のために政治資金を取り扱える資金管理団体が創設されたので、公職の候補者個人は、前述の2つの例外を除いて、政治資金を取り扱えなくなったのです。
言い換えると、保有金制度が廃止された分、公職の候補者が個人で政治資金を取り扱うことが原則禁止されたのです。

(8)もっとも、その代わり、
公職の候補者が政党から受けた政治活動に関する寄附を自己の資金管理団体に寄附(特定寄附)した場合には寄附の量的制限が適用されず幾らでも寄附できることになり(政治資金規正法第21条の3第4項、旧第22条第2項〔現第22条第3項〕)、
また、公職の候補者が自己の資金管理団体にする特定寄付以外の自己資金による寄附についても寄附の量的制限のうち年間150万円以下の個別制限は適用されず年間1000万円以下の総枠制限を受けるだけになりました(同法第21条の3第3項、第22条第2項〔現第22条第3項〕)。

(9)また、これまでの保有金制度が廃止され、それゆえ公職の候補者の政治資金収支報告制度が廃止されたことで、政治資金の透明化が後退したわけではなく、それは公職の候補者の資金管理団体によって実現することになったのです。
言い換えれば、公職の候補者の政治資金収支報告制度が廃止された代わりに公職の候補者の資金管理団体の政治資金収支報告制度が創設されたからこそ、公職の候補者個人の政治資金の支出は原則禁止されたのです。

(10)したがって、現行法のもとでは、「公職の候補者」が借入をすることは明文で禁止してはいないものの、「公職の候補者」がそれを政治資金として支出することは前述の例外(選挙運動に関する寄附と政党のする寄附)に該当しない限り、許容されないのです。

(11)したがって、渡辺代表の政治資金規正法についての前述の解釈は、間違っているのです。
それは、ご本人もご存知のはずです。
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