上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場

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「陸山会」土地取得事件

小沢一郎氏「控訴棄却」判決の要旨

(1)昨日(2012年11月12日)、土地取得をめぐる事件で、東京高裁は、小沢一郎氏についての一審「無罪」判決を支持し、指定弁護士の控訴を棄却する判決を下した。
時事通信 11月12日(月)10時34分配信
小沢代表、二審も無罪=元秘書の故意も一部否定―指定弁護士の控訴棄却・陸山会事件

 資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、政治資金規正法違反(収支報告書の虚偽記載)罪に問われた元民主党代表で「国民の生活が第一」代表の小沢一郎被告(70)の控訴審判決が12日、東京高裁であり、小川正持裁判長は一審東京地裁の無罪判決を支持し、検察官役の指定弁護士の控訴を棄却した。元秘書による故意の虚偽記載も一部を否定した。
 指定弁護士は今後、上告を検討するが、認められるのは判決に憲法違反がある場合などに限られるため、困難が予想される。上告しなければ無罪が確定する。
 一審に続く無罪判決は、次期衆院選で「第三極」の結集を目指す小沢代表の追い風となりそうだ。
 国会議員への判決で、一、二審ともに無罪とされたのは極めて異例。検察審査会の起訴議決に基づく強制起訴事件で、初の控訴審判決だった。
 小沢代表が、土地購入代金を2004年分の収支報告書に計上せず先送りし、提供した4億円を簿外で処理することについて、違法性を認識していたかが争点だった。 

東京新聞 2012年11月12日 夕刊
陸山会事件 小沢代表二審も無罪 東京高裁「一審審理尽くした」

 資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、政治資金規正法違反(虚偽記入)罪で強制起訴され、一審で無罪判決を受けた元民主党代表で「国民の生活が第一」代表の小沢一郎被告(70)の控訴審判決公判が十二日、東京高裁で開かれた。小川正持裁判長は「一審で審理は尽くされた。元秘書との共謀を否定した一審判決は正当だ」と述べ、無罪の判断を示した。 
 検察官役の指定弁護士は上告を検討できるが、理由は憲法違反などに限られ、見送られれば無罪が確定する。検察審査会の起訴議決で強制起訴された被告の控訴審判決は初めて。一審と同様に無罪となり、制度の在り方をめぐる議論に影響を与えそうだ。
 四月の一審・東京地裁判決は、小沢代表が陸山会に貸し付けた四億円を二〇〇四年分の政治資金収支報告書に記載せず、本来は〇四年分に記載すべき土地購入の支出を〇五年分に先送りする方針について、小沢代表が石川知裕衆院議員(39)ら元秘書から報告を受け、了承したと認定した。
 しかし詳細な報告はなく、小沢代表は違法な記載があったと認識していなかった可能性があるとして、元秘書らとの共謀を認めず無罪を言い渡した。
 控訴審では、一審判決が否定した「違法性の認識」の有無が最大の争点だった。
 指定弁護士は九月の控訴審初公判で、控訴審後の補充捜査で得た「反小沢」とされる元秘書の供述調書など約十点を新証拠として申請。だが、いずれの証拠も採用せず、一回の公判で結審した。
 小川裁判長は判決理由で、別の裁判で一審有罪となり控訴している石川議員と池田光智元秘書(35)が、土地購入自体が先送りできていたと思い込んでいた可能性を指摘。虚偽記入の一部に故意がなかった可能性にも言及した。
 その上で、小沢代表の無罪の結論には影響しないとして、無罪に当たる「控訴棄却」を言い渡した。

(2)昨日の判決内容を紹介したものとしては、以下の報道がある。
琉球新報2012年4月27日
小沢一郎元民主党代表への東京地裁判決(要旨)

民主党元代表小沢一郎被告に対する26日の東京地裁判決の要旨は次の通り。

 【起訴議決の有効性】

 検察官が公判で証人となる可能性が高い重要な人物に、任意性に疑いのある方法で取り調べて供述調書を作り、取り調べについて事実に反する内容の捜査報告書を作成、検察審査会に送付することはあってはならない。
 しかし、証拠の内容に瑕疵かしがあることと、手続きの瑕疵は別の問題だ。検察官が任意性に疑いのある供述調書や、事実に反する内容の捜査報告書を作り、検察審査会に送ったとしても、審査手続きに違法があるとはいえない。
 審査会の会議は非公開で、適正な運用には秘密の確保が不可欠。審査員の意見形成過程や捜査報告書の送付と本件起訴議決との因果関係を、本訴訟で審理、判断の対象とすることは相当でない。訴訟手続きで証拠能力や信用性を否定することで被告を救済すべきだ。
 本件捜査では、東京地検特捜部で事件の見立てをし、見立てに沿う供述の獲得に力を注いでいた状況が背景になっているとも考えられる。事実に反する内容の捜査報告書が作られた理由などは検察庁等で十分調査し、対応することが相当だ。
 本件起訴議決に重大な瑕疵があり、本件公訴提起の手続きが無効になるとすることはできない。公訴棄却の申し立ては理由がない。

 【複雑な取引の目的】

 元秘書の石川知裕衆院議員は2004年10月、本件売買契約を締結、被告から本件4億円を受け取った。当初、土地購入代金などに充て、売買契約通り同月中に決済を終了させるつもりだった。
 しかし巨額の現金を入金する場面を銀行員やマスメディアの関係者から目撃されるのを懸念し、複数の預金口座に分散入金。04年分収支報告書で公表すれば批判的な報道で被告が政治活動上、不利益を被る可能性があると思った。
 そこで、報告書で本件4億円を公表せず、陸山会が銀行からの融資金で土地を購入したという対外的な説明を可能にし、簿外処理するために、預金担保貸付を利用。
 土地取得を04年分報告書ではなく、05年分に記載することとし、公表を1年間遅らせる口実を作るため、売買契約の決済日を05年に遅らせる交渉をした。
 指定弁護士は石川議員が簿外処理を意図した動機として、原資が公にできないものだとの危惧感を抱いたなどと主張している。一定の合理性があると考えられなくはないが、主張に沿う直接証拠はない。指定弁護士が主張する事実は、石川議員が4億円の原資に何らかの違法性があると具体的な認識を持っていた、と推認できるほどの事情とはいえない。

 【虚偽記載と不記載】

 弁護人は土地の所有権移転登記手続きについて、残代金が支払われた04年10月29日の時点では仮登記にとどめ、本登記は05年1月7日に行う合意書が売り主との間で交わされ、その趣旨は売買契約を売買予約契約に改めたことにあるなどと主張する。
 しかし合意書の文面に照らせば、売買予約契約に改めた趣旨は読み取れない。登記以外の点で原契約の内容に変更はなく、05年度分固定資産税を陸山会が負担することも明記され、04年10月29日の所有権移転を前提としているのは明らかだ。
 石川議員らは土地公表を先送りするため、売買契約の決済全体を05年に遅らせるよう申し入れたが、売り主が拒否。所有権移転登記手続きの時期のみを遅らせ、それ以外の権利義務関係は変動させない限度で合意が成立したもので、合意書はその趣旨で作られた。
 従って、所有権の移転時期を遅らせるという石川議員らの意図は、交渉の結果、不成功に終わり、実現できなかったというべきだ。合意書によって土地所有権の移転時期が変更されたと認めることはできない。
 土地の取得、取得費の支出は04年分収支報告書に計上すべきだった。05年分に計上したことは、虚偽の記入ないし記載すべき事項の不記載に当たる。
 04年10月に被告から陸山会に貸し付けられた本件4億円は、被告からの借入金として計上すべきだった。04年分報告書には本件4億円は記載されておらず、銀行から借り入れた4億円のみが計上されており、虚偽記入に当たる。

 【元秘書の故意】

 石川議員は本件4億円の簿外処理を意図し、土地の取得原資が銀行から借り入れた4億円であるとの対外的な説明を可能とする外形作りをするため、預金担保貸付を受けるなどした。このような外形作りは実態に合わないもので、本件4億円と銀行から借り入れた4億円の両方を収入として04年分報告書に計上する必要があったことも認識していたと認められる。
 また、公表先送りのためには売り主との合意書にある売買契約の内容の変更では不十分で、土地の取得と取得費の支出を計上する必要があることを認識していた。
 石川議員については、04年分報告書における本件4億円の収入、土地の取得、および取得費の支出に関する虚偽記入と記載すべき事項の不記載に、故意が認められる。
 05年分報告書を提出した池田光智元私設秘書は、石川議員から土地の購入や04年分報告書に計上しないこと、所有権移転登記手続きを05年1月に延期したことなどの説明を受け、05年分報告書に計上するよう指示を受けたと認められる。
 池田元秘書は被告の政治活動への影響をおもんぱかって05年分に計上することは真実とは異なることを認識、05年分報告書作成時につじつま合わせをしている。池田元秘書は少なくとも違法になるかもしれない程度の認識を持っていたと認められる。
 「すべての支出」について収支報告書への計上を要求している政治資金規正法の趣旨に照らすと、池田元秘書の認識は故意責任を問うに足りる。土地取得と取得費の支出に関する05年分報告書の虚偽記入について、故意が成立する。

 【被告と元秘書らの関係】

 被告は公職や政党の役職を歴任する国会議員として多忙だった。被告と元秘書との関係は社会一般の組織関係や雇用関係とは懸け離れた特殊な人間関係であり、秘書に委ねられた事務処理上の裁量の範囲は著しく大きなものであったこともうかがわれる。
 しかし被告の政治的立場や、金額の大きい経済的利害に関わる重要な事柄は被告の了承の下で実行したのでなければ不自然といえる。

 【被告の故意、共謀をうかがわせる事情】

 被告は建設費も含めて4億円程度で土地を取得することを了承、決済日が04年10月29日と認識していた。その上で土地取得や取得費の支出を04年分報告書でなく05年分に計上、そのために売買契約の内容を変更するなど公表先送りの方針についても、了承した。
 被告は本件4億円を陸山会が土地の購入資金に使うことを受け入れて石川議員に渡した。その後、本件4億円を預金担保貸付の担保として定期預金の原資にすることなどについて認識、了承した上で、融資関係書類に署名した。預金担保貸付の目的が本件4億円を収支報告書などで対外的に公表しない簿外処理にあることも、承知していた。
 さらに、04年分報告書に本件4億円の借入金収入や、土地取得と取得費の支出が計上されないことを04年10月ごろに了承。05年分に土地取得と取得費の支出が計上されることを06年3月ごろに報告を受けて認識、了承したと認められる。
 公表の先送り、本件4億円の簿外処理は被告の政治活動上の影響をおもんぱかってなされた。石川議員や池田元秘書は被告の意向に反する事務処理をすることはできず、被告は秘書の行為を止められる立場にあった。元秘書は被告の了承を受けた上で虚偽記入と不記載に及んでいる。
 これらを考慮すると、被告に共謀共同正犯が成立すると指定弁護士が主張していることに、相応の根拠があると考えられなくはない。

 【故意、共謀成立の妨げとなる事情】

 石川議員が売り主との交渉の経緯や合意書の内容について、被告に報告した直接証拠はない。
 しかし、公表先送りの方針に反し、決済全体を遅らせる交渉に失敗したことなどは石川議員にとっていわば失態だ。被告の不興を恐れ報告しなかったと考える余地もある。
 石川議員は虚偽記入による摘発はこの程度ではないだろうと甘く考え、深刻に受け止めなかった可能性がある。
 石川議員が代金支払いを報告したと認める供述は議員も被告もせず、直接証拠はない。
 被告は民主党代表だった07年2月、国会議員の事務所費問題に対応するためとして、事務所費をマスメディアなどに公表。この際、土地取得費も05年の支出として公表した。実際に05年の支出と認識していたことをうかがわせる。
 被告には本件4億円の簿外処理の方針を了承する動機があるが、他方で、政治資金規正法に抵触する収支報告書の虚偽記入や不記載までは想定せず、簿外処理を適法に実現することを前提に了承していた可能性もある。
 被告は本件4億円を借入金収入として計上する必要性を認識しなかった可能性がある。

 【被告の公判供述】

 被告の公判供述は、石川議員や池田元秘書から報告を受けていないと断言しながら、尋問者から追及や誘導を受け、記憶がないと変遷させている。また、預金担保貸付の融資関係書類に署名した際についても「サインしてくれと言われて、署名しただけ」と、4億円もの債務を負担する書類に署名する者としては不自然な供述をした。
 本件が問題となった後も「収支報告書は一度も見ていない」とする点は、およそ信用できない。
 収支報告書の作成や提出を秘書に任せきりにして全く把握していないこと、会計責任者の役割について理解を欠いていることをうかがわせる供述をしていることも、政治資金規正法の精神に照らし芳しいことではない。

 【被告の故意、共謀についての結論】

 石川議員らが被告に無断で、公表の先送りや本件4億円の簿外処理を行うはずはない。具体的な謀議を認定するに足りる直接証拠がなくても、被告が報告を受け、了承したことは、状況証拠に照らして認定できる。
 さらに、04年分報告書ではなく05年分に土地取得、取得費の計上がされることも秘書から報告を受け、了承していたと認定できる。
 しかし、04年分に計上すべきだと認識していなかった可能性があり、本件4億円を借入金として収支報告書に収入計上する必要性を認識しなかった可能性がある。
 これらの認識は虚偽記入と不記載の共謀共同正犯として故意責任を問うために必要な要件で、認識が不十分な場合は故意を欠くというべきだ。
 本件において、十分な立証がされたと認めることはできず、合理的な疑いが残る。

 【結語】

 検察審査会の起訴議決書によると、秘書との共謀を嫌疑不十分として不起訴処分にした検察官の判断は肯定しがたく、国民が裁判所に有罪、無罪の判断をしてもらう権利がある、とされている。
 証拠調べの結果では、虚偽記入や不記載が認められ、被告の共謀共同正犯の成立を疑うことには相応の根拠があると言える。
 しかし、違法とされる根拠となる具体的事情について被告が認識していなかった可能性がある。公訴事実のうち故意および実行犯との間の共謀については証明が十分でなく、公訴事実について犯罪の証明がないことに帰着するから、無罪を言い渡す。

(3)検察官役の指定弁護士が最高裁に上告しない可能性は高いようだ。
時事通信(2012/11/12-16:25)
指定弁護士、上告断念か=期限前の上訴権放棄も−陸山会裁判

 資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件で、東京高裁が12日、小沢一郎「国民の生活が第一」代表(70)の無罪を支持したことで、今後は検察官役の指定弁護士が最高裁に上告するかが注目される。上告に踏み切るのは極めて困難とみられ、期限の26日より前に上訴権を放棄し、判決が確定する可能性もある。
 上告審は法律審のため、上告理由は、一、二審判決に憲法違反や最高裁判例違反がある場合などに限られる。このため検察側が高裁の無罪判決に対して上告するのは例外的だ。
 指定弁護士3人は14日に上告について話し合い、結論が出なければ19日に改めて協議する予定。検察は通常、無罪主張に転じた場合を除いて上訴権の放棄はしないが、指定弁護士は上告を断念した場合、期限前に確定させることも視野に対応を検討するとみられる。

(4)とはいえ、私の見落としでなければ、まだ上告しないとの判断がなされたとの報道はないようだ。

それゆえ、判決が確定したら、上記報道の判決の要旨と私が入手した「判決要旨」に基づいて、小沢一郎氏の裁判(検察審査会の議決も含め)について感想を書くことにする。

小沢一郎氏の控訴審は即日結審(判決は今年11月12日)

(1)資金管理団体「陸山会」の土地取得を巡り政治資金規正法違反(虚偽記載)に問われている小沢一郎「国民の生活が第一」代表の裁判の控訴審については、第1回の今月(2012年9月)26日に即日結審になるのではないか、と報じられていた。
毎日新聞 2012年09月24日 21時32分(最終更新 09月25日 01時40分)
陸山会事件:小沢一郎被告の控訴審26日に 即日結審か

 資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡り、政治資金規正法違反(虚偽記載)に問われた「国民の生活が第一」代表、小沢一郎被告(70)=1審無罪=の控訴審が26日、東京高裁(小川正持裁判長)で始まる。記載の違法性を小沢代表が認識していたかどうかが焦点。被告人質問は行われないため、検察官役の指定弁護士による新しい証拠の請求が認められなければ、即日結審となる可能性がある。【鈴木一生】
 4月の1審・東京地裁判決は陸山会の04、05年分政治資金収支報告書の記載を虚偽と認定。代表が衆院議員、石川知裕被告(39)=1審有罪、控訴中=らから記載について報告を受け了承したとも認めた。
 一方で、石川議員が04年10月の土地代金支払い後、事実と異なる報告をして代表から銀行融資の関係書類に署名をしてもらったと指摘。その結果、代表が「代金の支払いが05年に先送りされた」などと考え、虚偽記載が生じているという違法性を認識していなかった可能性に言及し、無罪と結論づけた。
 これに対し、指定弁護士の控訴趣意書は(1)過去何度も銀行融資で不動産を取得し、署名から近日中に融資され土地代金が支払われることを代表は理解しており、先送りされたと考える可能性はない(2)代表の政治生命に直結する重大な問題で石川議員が事実と異なる報告をするはずがない−−などと1審判決の事実誤認を強調した。
 弁護側は裁判の早期終結を図る構えで、1審判決が認定した「報告・了承」についても答弁書で「証拠から合理的に推認できる範囲を超え、疑問だ」と指摘するにとどめた。指定弁護士の新たな主張については「証拠に基づかない想像に過ぎない」としている。
 26日の公判で指定弁護士は、罪に問われた元秘書3人とは別の元秘書2人の供述調書▽東京地検特捜部の捜査で作成された代表の供述調書▽事務所の会計帳簿−−など約10点の証拠を請求する予定だが、弁護側は採用しないよう求めるとみられる。

 ★陸山会事件 「国民の生活が第一」の小沢一郎代表の資金管理団体「陸山会」が04年10月、代表提供の4億円を元に土地を購入しながら、同年分の政治資金収支報告書に記載せず、購入の事実だけを翌05年分にずらして記載したとされる事件。東京地検特捜部が10年、石川知裕衆院議員ら元秘書3人を政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で逮捕、起訴(1審有罪、控訴中)。小沢代表は不起訴となったが、東京第5検察審査会の議決に基づき、検察官役の指定弁護士が11年、強制起訴。東京地裁は今年4月、無罪とし、指定弁護士は控訴した。
1審判決が認定した陸山会事件の資金の流れ



















(2)その報道のとおり、控訴審は即日結審した。
判決は今年11月12日に言い渡されることになったという。
NHK 9月26日 11時57分
小沢氏2審 判決は11月12日に

 国民の生活が第一の小沢一郎代表が政治資金を巡って強制的に起訴され、1審で無罪となった裁判の2審の審理が、東京高等裁判所で行われました。
検察官役の指定弁護士が新たに提出した証拠はすべて採用されずに審理は1日で終わり、判決は11月12日に言い渡されることになりました。
 小沢一郎被告(70)は平成16年と17年分の資金管理団体の収支報告書にうその記載をしたとして強制的に起訴されましたが、1審の東京地方裁判所はことし4月、「本人はうその記載だと知らなかった可能性がある」などとして無罪を言い渡していました。
 東京高等裁判所で午前10時半から始まった2審の審理には小沢代表も出廷しました。
裁判では検察官役の指定弁護士が1審を取り消して有罪にすべきだと主張したのに対し、代表の弁護団は速やかに審理を終えて再び無罪とするよう求めました。
 そして東京高裁は指定弁護士が新たに提出した証拠をすべて採用せず、証人も呼ばないことを決め、2審の審理は1時間ほどですべて終わりました。
 判決は11月12日に言い渡されることになりました。
 小沢代表は審理の冒頭で裁判長に聞かれて名前などを答えたほかは法廷での発言はなく、目を閉じて双方の主張を聞いていました。
 2審の争点は小沢代表が収支報告書についてうその記載だと知らなかったかどうかという点で東京高裁がこれまでの証拠を元にどのような判断をするか注目されます。

.弁護団“再び無罪になるのは間違いない”
 小沢代表の弁護団の弘中惇一郎弁護士は「短期間で結審したことから、控訴が棄却されて再び無罪になるのは間違いないと思う。指定弁護士はそもそも控訴すべきでなかった」と述べました。
 また、「裁判が終わったあと、代表とはまだ話をしていないが、1日で審理が終わる可能性があることは事前に伝えていたので、本人も納得していると思う」と話しました。

検察官役の指定弁護士“特に不利になったとは思っていない”
 検察官役の指定弁護士を務める大室俊三弁護士は、新たに提出した証拠が採用されなかったことについて、「裁判所は証拠として調べる必要がないと判断しただけで、われわれにとって特に不利になったとは思っていない。もともと今回提出した証拠があるから控訴したわけではなく、1審と同じ証拠で判断しても結論は変わるべきだと思っている」と話しました。

(東京新聞)2012年9月26日 14時02分
小沢代表控訴審 即日結審 高裁、新証拠を却下

 資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、政治資金規正法違反(虚偽記入)罪で強制起訴され、一審で無罪判決を受けた新党「国民の生活が第一」代表の小沢一郎被告(70)の控訴審初公判が二十六日、東京高裁(小川正持裁判長)で開かれた。公判は即日結審し、小川裁判長は判決期日を十一月十二日に指定した。 
 小沢代表は出廷したが、被告人質問はなかった。高裁は新たな証拠を採用しなかったため、一審で調べた証拠をどう再評価するかが焦点。再び無罪となる公算が大きくなった。
 四月の一審・東京地裁判決は、小沢代表が自ら貸し付けた四億円を二〇〇四年分の報告書に記載せず、土地購入を同年分から〇五年分に先送りする方針について、小沢代表が元秘書から報告を受け、了承したと認定した。
 だが具体的な報告はなく、違法と認識していなかった可能性があるとして、元秘書との共謀は成立せず無罪とした。
 指定弁護士は補充捜査で事情聴取した元秘書二人の供述調書など約十点を新たに証拠請求。〇〇年まで二十年間勤めた元秘書の男性(59)は、小沢代表に逐一細かく報告し、指示を仰いでいた状況などを証言したとされる。
 だが、元秘書二人は〇四、〇五年分の問題の収支報告書には関与しておらず、弁護側はいずれも「関連性も必要性もない」として不同意とした。
 指定弁護士は同意が得られなかったことで、二人の証人尋問を要請。高裁は証人尋問も証拠請求も、すべて採用しなかった。
 この日の初公判では、指定弁護士が「小沢代表の政治生命の存亡に直結するような違法行為に当たり、元秘書が詳細を知らせることなく実行することはあり得ない」と指摘し、具体的な報告はあったと主張した。
 弁護側は「指定弁護士の主張は証拠に基づかない臆測。一審判決の認定が不合理であると何ら示していない」と控訴棄却を求めた。

<陸山会事件> 陸山会が2004年10月に東京都世田谷区の土地を取得したにもかかわらず、小沢一郎代表から借り入れた土地購入費4億円を同年分の政治資金収支報告書に記載しなかったなどとして、東京地検特捜部は10年2月、政治資金規正法違反(虚偽記入)罪で石川知裕衆院議員ら元秘書3人を起訴。小沢代表は嫌疑不十分で不起訴とした。
 東京第5検察審査会が小沢代表に対し、2度にわたり起訴議決としたことで、検察官役の指定弁護士が11年1月に強制起訴。東京地裁は今年4月、無罪を言い渡したが、指定弁護士は控訴した。元秘書3人は一審で有罪判決を受け、控訴した。

1審判決が認定した構図













(3)小沢氏の裁判と元秘書3名らの裁判との異同については、すでに書いたので、ここでは、これ以上解説しない。

小沢一郎氏の控訴審開始を前に(指定弁護士は小沢事務所のHPを証拠として提出していないのではないか?)

(4)その際に書いたことであるが、小沢氏の裁判の結論については予断を許さない。

元々検察は小沢氏について十分な捜査をしていないうえに、即日結審したし、指定弁護士が重要な証拠を裁判所に提出していない可能性がある(!?。提出したが採用されなかったのか不明)ので、第1審同様「無罪」になる可能性が高い、との予測も充分成り立つ。

だが、小沢氏側も裁判で墓穴を掘っている上に、私は、検察官の調書を読んでいないため、「有罪」判決が絶対ないとは断言できない。

(5)私の最大の関心事は判決理由である。

どのような事実認定をするのか、どのような論理で結論に至っているのか?

それらが最大の関心である。

判決が下される11月12日は、マスコミも国民も冷静に判断すべきである。

(6)何度も言ってきたが、政治家の刑事責任の有無の問題と政治責任の有無の問題とは別である。

(7)判決の結論とは別に、検察審査会、検察、裁判所については、各改革・法律改正が急がれる!!!

小沢一郎氏の控訴審開始を前に(指定弁護士は小沢事務所のHPを証拠として提出していないのではないか?)

はじめに

(1)元民主党代表で、現在の「国民の生活が第一」代表・小沢一郎氏は、その資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐる政治資金規正法違反容疑で起訴された刑事裁判の控訴審であるが、検察官役の指定弁護士は、今年6月に控訴趣意書を東京高裁に提出した。
そして、控訴審は明後日(2012年9月26日)から始まる。
産経新聞2012.6.21 01:05
「1審は事実誤認」小沢氏無罪判決の破棄求める 指定弁護士が控訴趣意書を提出

 資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(70)の控訴審で、検察官役の指定弁護士は20日、「小沢被告の故意や元秘書との共謀を認めなかった事実誤認がある」として、無罪を言い渡した東京地裁判決の破棄を求める控訴趣意書を東京高裁(小川正持裁判長)に提出した。
 今後、小沢被告の弁護側が控訴棄却を求める答弁書を提出し、争点整理が進められる。公判は秋にも始まる可能性がある。
 控訴趣意書で指定弁護士側は、1審同様、小沢被告が平成16年10月に銀行の融資書類に自ら署名していることなどをあげ、虚偽記載の違法性を認識していたと主張。「1審判決は客観的に明白な事実に照らして不合理であり、誤りであることは明らか」と指摘した。
 1審は、小沢被告が土地購入費用として陸山会に提供した4億円の簿外処理や土地取得の公表先送りについて元秘書らとの間に「報告・了承」があったと認定。しかし違法性について小沢被告が「認識していなかった可能性がある」として、元秘書らとの共謀は成立しないと結論付けていた。

毎日新聞 2012年08月23日 02時32分
陸山会事件裁判:指定弁護士 小沢氏の妻に事情聴取を要請

 資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡り、政治資金規正法違反(虚偽記載)に問われた「国民の生活が第一」代表の小沢一郎被告(70)=1審無罪=の控訴審で、検察官役の指定弁護士が5月以降、代表の妻(67)に事情聴取を要請していたことが関係者への取材で分かった。妻側は応じず、聴取は実現しなかったとみられる。東京高裁(小川正持裁判長)は24日、指定弁護士、弁護側と3者協議を開く予定で、近く控訴審の第1回公判の期日が決まる見通し。
 関係者によると、指定弁護士は、4月26日に1審・東京地裁で小沢代表に無罪が言い渡され、5月9日に控訴した後、手紙や電話で複数回、妻側に聴取を打診。しかし、妻側から返答はなく、聴取を断念したという。

(2012年8月24日19時31分 読売新聞)
小沢氏の控訴審、来月26日に第1回公判

 新党「国民の生活が第一」の小沢一郎代表(70)が政治資金規正法違反(虚偽記入)に問われた陸山会事件で、1審無罪判決に対する控訴審第1回公判が、来月26日に東京高裁(小川正持裁判長)で開かれることが24日決まった。
 小沢代表は出廷するが、被告人質問は行われない見通し。
 検察官役の指定弁護士は、この日の高裁、弁護側との3者協議で、約10点の証拠を提出する意向を伝えた。控訴後の補充捜査で新たに作成した事件関係者2人分の調書が含まれ、8月27日に一部を弁護側に開示する。
 被告人質問は、弁護側が「小沢代表に応じる意思はない」としたため、実現しない見込み。また、指定弁護士は補充捜査の一環として、問題の土地取引の経緯などについて小沢代表の妻に事情聴取を要請したが、返答がなく断念したという。

(2012年9月23日14時14分 読売新聞)
秘書経験者の尋問行うかが焦点…小沢氏控訴審

 新党「国民の生活が第一」の小沢一郎代表(70)が政治資金規正法違反に問われた陸山会事件の1審無罪判決に対する控訴審が26日、東京高裁で始まる。
 検察官役の指定弁護士が、1審後に事情聴取した秘書経験者の証人尋問が認められるかどうかが焦点となる。指定弁護士は代表と秘書の上下関係を改めて強調したい考えだが、高裁が尋問を認めなければ、控訴審は1回で結審する見通しだ。
 小沢代表は昨年1月に強制起訴され、16回の公判を経て、今年4月に東京地裁で無罪となった。判決は、代表の事件への一定の関与は認めたものの、政治資金収支報告書の記載は適法だと認識していた可能性があるとして、同会元事務担当者の石川知裕衆院議員(39)(1審有罪、控訴)らとの共謀を否定した。
 指定弁護士は控訴後、有罪立証を補強するため、代表の事務所関係者を事情聴取し、秘書を経験した女性と男性の調書を作成した。2人は2000年頃まで事務所に勤務し、男性はその後に衆院議員も務めた。
 2人は「代表は事務所費の細かい点までチェックしていた」「速やかに仕事の報告をしないと厳しく叱責された」などと供述。指定弁護士側は、これらの調書を「代表は石川被告から土地取引の細かな経緯まで報告を受けていなかった」とする1審判決の認定を崩す“武器”と位置付けていた。
 しかし、代表の弁護側が「00年までの秘書業務一般について語っているに過ぎず、04〜05年分の起訴事実とは関連性がない」として、証拠採用に不同意としているため、調書が証拠採用される可能性は低い。
 このため、指定弁護士は秘書経験者を証人申請する予定だが、控訴審で新たな証人尋問が認められるには、1審では申請できなかった「やむを得ない理由」が必要とされる。1審で、証拠や争点を絞り込む公判前整理手続きが18回も行われた今回の事件で、高裁が認めるかどうかは不透明だ。

(2)まず、確認しておきたいことは、小沢一郎氏の刑事裁判と、その元秘書3名の刑事裁判とは、ともに政治資金規正法違反の問題で地裁判決が出ている点では同じであるが、別々の裁判である、ということである。

元秘書ら3名は、検察に起訴されているのであるが、そのうち2名は、土地取得をめぐる事件で起訴され、東京地裁で有罪判決が出ており、残りの1人は、西松建設違法献金事件と土地取得をめぐる事件で起訴され(後者は共謀共同正犯)、有罪判決が出ている(ただし後者の一部は共謀を認定されていない)。

他方、小沢氏は、検察によっては起訴されなかった。
しかし、検察審査会が2度「起訴相当」の議決をしたため、検察官役の指定弁護士によって起訴されたものであり、容疑は、土地取得をめぐる事件のうちの一部だけが対象であり、東京地裁では、無罪判決が出ている。

(3)明後日の裁判は、小沢一郎氏の控訴審であり、その元秘書3名のそれではない。
したがって、ここで取り上げたいのは、前者についてであるが、検察の捜査・逮捕や裁判については、「でっち上げ」であるとか、「陰謀」であるという指摘もあるので、両者を取り上げることにする。

最初に元秘書らの裁判を、その後で小沢氏の裁判を、取り上げる。

なお、検察官が作成した調書を読んでいないので、両裁判について「絶対こうだ」ということは言えないことを、あらかじめご了解いただきたい。

(4)なお、「でっち上げ」と「陰謀」とは同じ意味で使用される場合もあるだろうが、厳密に言えば異なる。

そもそも事件でないものを証拠を捏造などする、あるいは証人に偽証させるなどして事件に仕立てるのは「でっち上げ」であるが、「陰謀」は「でっち上げ」による場合もあるが、そうでない場合もある。

(5)ここでは「でっち上げ」かどうかについても私見を書くが、後者の意味での「陰謀」かどうかについては、私見を書かない。



1.元秘書3名の裁判について

(1)小沢一郎氏の元秘書3名については、裁判については、私のブログ投稿と阪口徳雄弁護士のそれを以前紹介したが、再度紹介しておこう。

◇私のブログ

検事調書不採用で小沢一郎元秘書ら3名は「陸山会」裁判で「無罪確実」!?

「陸山会」裁判の東京地裁判決について(1)

「陸山会」裁判の東京地裁判決について(2):「西松建設」違法献金事件

「陸山会」裁判の東京地裁判決について(3):土地取得をめぐる事件

「陸山会」裁判の東京地裁判決について(4):虚偽記載・不記載の一覧表(不記載・虚偽記載総額約18億5261万円)

「陸山会」裁判の東京地裁判決について(5):西松建設総務部長兼経営企画部長証言問題

今日と明日(2012年1月10日・11日)被告人小沢一郎氏本人質問について(元秘書3名の裁判も振り返りながら)

「陸山会」裁判の東京地裁判決について(6):事件の背景・動機i (小沢事務所と企業の癒着)

「陸山会」裁判の東京地裁判決について(7):検察の問題点


◇阪口徳雄弁護士のブログ

小沢秘書の否認は裁判所で認められるか?(政治とカネ229)

小澤氏土地本登記の遅れは農地の為ではない(政治とカネ233)

小澤氏側の本登記の遅れは農地の問題ではない(2)(政治とカネ234)

何故陸山会は本登記を遅らせたか(政治とカネ240)

小沢元秘書達は無罪となるか(政治とカネ243)

元秘書に有罪判決(政治とカネ245)

水谷建設1億円を認定した裁判官の心証形成の背景(政治とカネ246)

陸山会事件のネットにおけるガセネタの検討(政治とカネ247)

(2)元秘書3名の裁判については、検察側及び元秘書ら3名側の冒頭陳述書、マスコミの裁判報道、最終弁論、判決要旨、判決文を読んだところによると、控訴審でも、(虚偽記載・不記載が過失にとどまり故意ではなかったと認定されない限り)3名の有罪の可能性は極めて高いと思われる(もちろん、だから控訴審の審理に注目する必要がないということではない)。

政治団体の政治資金収支報告書、金融機関の口座の写しなど客観的証拠がある上に、3名の主張内容を読むと、事実関係を根本的に争っているわけではない(争っている一部の事実は政治資金規正法違反とは直接関係ない裏献金の受領など)し、元秘書3名の言い分が矛盾し合っているから、裁判官が無罪判決を書く方が難しい、と思うからである。

(3)被告人の石川議員が密かに録音した検察の取り調べのテープ起こしを読むと、裁判官は、石川氏の有罪を確認したに違いない。

これは、おそらく、石川議員が被告人小沢氏をどうにか救いたいとの一存で自らを犠牲にして提出したものではなかろうか!?
(しかし、そうであれば、政治資金規正法違反については罪を認め、罪に直接関係のない裏金の受領についてのみ(本当に受領していないのであれば)争えば良かったのではなかろうか!?)

(4)東京地検が小沢氏の元秘書・大久保氏を逮捕し、家宅捜索し、大久保氏を起訴した当時は、小沢氏が野党の党首(民主党代表)であったため、検察が事件を「でっち上げた」との主張もあった(今でもそのような主張が見られる)。

だが、もともと、この事件は、西松建設が海外で裏金を捻出し、それを日本国内に持ち込んだことが発覚し、その捜査の延長上で、西松建設が政治家に違法献金していたことが発覚したものである(そして、さらに小沢氏の政治団体の場合には、土地取得をめぐる事件が発覚したものである)。
海外での裏金の捻出と政治家への違法献金については、すでに紹介したように西松建設はホームページで「自白」もしている

つまり、全く何もないのに、検察が小沢氏の関係の政治団体などを突然家宅捜索し、元秘書を逮捕し、起訴した事件ではないのだ。

そして、前述したように、客観的証拠もある事件である。
従って、「でっち上げ」であるという主張は、これまでの情報を前提にすれば、単なるデマとしか言い様がない。

(5)被告人大久保氏については、いわゆる訴因変更がなされた。
当時、これは「西松建設違法献金事件で大久保氏を有罪にできないから訴因変更したのではなか」と主張する者があったが、有罪とした判決文を読むと、そのような主張は成り立たないものであることがわかる。

にもかかわらず、いまだにそのような主張をする者があるが、明らかにデマを流していると思われる。

西松建設違法献金事件では、元社長は罪を全面的に認め刑も確定している。
また、私たちの告発もあって自民党のニ階・元大臣の秘書も罪を認め、有罪判決が出ている(確定)。

したがって、大久保氏について、「西松建設事件で無罪になりそうだから検察は訴因変更を求めた」というのは、明らかに間違いである。

東京地裁の判決を読むと、大久保氏の場合、西松建設事件での有罪は確実なものであり、むしろ訴因変更で追加された土地取得をめぐる事件での共謀共同正犯の方が一部裁判所で認定されなかったのであるから、検察はわざわざ立証が難しい事件を訴因変更で追加したということがわかる。

(6)西松建設総務部長兼経営企画部長が、問題の2つの政治団体はダミーではなかった旨、裁判で証言していることを根拠に、西松建設違法事件それ自体を否定する者もあったし、今でもあるようだが、すでに紹介したように、判決文を読むと、当該部長の証言は裁判所によって簡単に反論されてしまっている

(7)小沢氏の裁判で、取得した土地につき政治資金収支報告書への記載が1年ズレていること、いわゆる「期ズレ」が違法ではないという会計の専門家の証言が公判でなされたことをもって、そもそも土地取得をめぐる事件の本質が違法ではないと主張するものがあった(今でもあるようだ)。

だが、これについては、後で紹介するが、おそらく公判での証人の発言内容すべてを知らないからだろう(読んでいる者は、デマを流しているに等しいだろう)。

そもそも、石川氏は、当初罪を認めていた。
報告時期をズラしたことについても、冒頭陳述書で認めているから、「期ズレ」ではなく、「期ズラシ」なのである。

(8)西松建設違法献金事件で、東京地裁は、犯罪に直接関係ない、公共事業における「天の声」を小沢事務所が発していたことを認定した。

これも、判決文を読むと、多くの証言があるので控訴審で覆る可能性はないように思うが、たとえ覆ったとしても、違法献金という政治資金規正法違反の評価まで覆るわけではないだろう。

(9)土地取得をめぐる事件で、東京地裁は、ゼネコンからの裏金合計1億円を認定している。

これも、判決文を読むと、証言がある。
ただし、裏金を用意するところまでは証言は多いが、実際に渡すところでの証言は少ない。
果たして控訴審でこの裏金1億円(あるいは5000万円)が認定されるかどうかはわからないが、たとえ認定されなくても、虚偽記載・不記載という政治資金規正法違反の評価まで覆るわけではないだろう。

なお、大久保氏の共謀については、控訴審で必ず認定されるとは断言できないが、認定されなくても、大久保氏は、西松建設違法献金事件での有罪の可能性が高いだろう。

(10)東京地裁の「有罪」判決は、推認に基づくものであるとの評価があるが、それは、間違った読み方であろう。
虚儀記載、不記載については、政治資金収支報告書と金融機関の口座という客観的証拠に基づいて「有罪」判決がくだされており、その点については推認はなされていないからである(推認がなされているのは、それとは別の事実についてである)。

(11)いずれにせよ、控訴審において3名の有罪判決の可能性は高い。

だが、私は、検察官の調書を読んでいないので、控訴審の公判には(可能な限り)注目したいと思っている。


2.小沢一郎氏の裁判について

(1)前述したように、元秘書ら3名と小沢氏の裁判とは別のものであるから、前者が有罪の可能性が高いからといって当然に後者が有罪になる可能性が高いというわけではない。
小沢氏の場合には、いわゆる共謀共同正犯で起訴されているので、立証のハードルは高いことに注意する必要がある。

(2)まず、東京検察審査会の2回の「起訴相当」議決に関しては、当時、その他の関連する事項を含め、以下のブログ投稿をし、マスコミの取材にも「起訴相当」議決理由に批判的なコメントをしてきた。
他方、小沢氏は国会議員という公人であり、問題の政治団体の代表者であるから、政治責任については、追及し続けてきた。
刑事責任と政治責任とは別だからだ。

検察審査会の小沢一郎「起訴相当」議決には2度驚いた!

検察審査会の小沢一郎「起訴相当」議決における審査補助員と自称「審査申立て人」についての雑感

小沢一郎「起訴相当」議決と自称「審査申立て人」についての追加的雑感

東京地検特捜部は今月中に小沢一郎民主党幹事長を不起訴処分するのか!?

小沢一郎氏の非常識なコメントには呆れる!

小沢一郎「起訴相当」議決が援用した「判例」とはこれか!?

予想外の小沢一郎氏の東京第5検察審査会2度目の「起訴相当」議決について

小沢氏2度目の「起訴相当」議決に関する雑感

(3)検察官役の指定弁護士による起訴後の裁判と東京地裁判決については、これまで、検察改革の必要性や検察審査会法の改正の必要性も一緒に説きながら、ブログ投稿してきた。

小沢一郎元民主党代表の初公判での意見と記者会見での発言等について

今日と明日(2012年1月10日・11日)被告人小沢一郎氏本人質問について(元秘書3名の裁判も振り返りながら)

小沢一郎氏裁判における検察調書不採用と諸改革の必要性

小沢一郎・元民主党代表の刑事裁判の判決について

小沢一郎元代表裁判「判決骨子」と政治資金規正法改正の必要性

(4)検察審査会の2度の「起訴相当」議決の理由を読んで、検察審査会が小沢氏を十分有罪にする確証を抱いていないと思い、上記投稿で批判してきた。

また、東京地検は、土地購入の4億円の原資の一部がゼネコンからの裏金であると睨んでおきながら、小沢氏の地元と東京の自宅を家宅捜索していなかったのであるから、そもそも小沢氏を起訴する気がなかったのではないか、とさえ思っている。

だから、東京地裁が「無罪」判決を下した時、一応、結論だけで言えば私の予想が的中したことになる。

(5)もっとも、それは、そもそも、例えば、いわゆる「期ズレ」が違法ではないと考えたからではない。
それは、前述したように、「期ズラシ」なので違法である。

いわゆる「期ズレ」が違法ではないという会計の専門家の証言が小沢氏の公判でなされたことをもって、そもそも土地取得をめぐる「事件」は存在せず違法ではないと主張するものがあった(今でもあるようだ)。

だが、私は、逆に、裁判官とその証人とのやり取りの報道(下記)を読み、小沢氏の裁判でも、裁判所は「違法」判断すると予想していた。
少し長いが、省略せずに、紹介しておこう。
産経新聞2011.12.20 22:13
会計専門家「収支報告書は家計簿と同じレベル」

 《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で20日、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第11回公判が開かれた。この日、証人として出廷したのは、筑波大学の男性教授。会計学の専門家だ》
 《陸山会は問題となっている土地について、平成16年10月に購入代金の支払いを終えたが、所有権移転の本登記を行ったのは翌17年1月。土地代金の支出は16年分ではなく、17年分の政治資金収支報告書に記載している。検察官役の指定弁護士は、これが「虚偽記載にあたる」と主張しているが、これに対して弁護側は本登記を基準にした記載に違法性はないとしている》
 《午後1時10分、明るい青色のネクタイを着けた小沢被告は入廷すると、裁判官らに向かい、一礼した。大善文男裁判長が開廷を告げる》
 《続いて、証人の教授が入廷。弁護側は商事法、制度会計を専門とする教授の略歴などについて確認した後、企業における会計処理の方法について質問を始めた。教授は、企業については情報提供先として想定されるのが投資家や債権者らで、財政見通しなどを含めた広範な財務状況の開示が求められるのに対し、政治団体は「より『固い』確実な情報を提供する目的がある」と指摘。「経済実態」を示す企業会計と対比させ、政治団体が開示すべき情報を「法的形式」という言葉で表現する》
 弁護人「『法的形式』がより重視される理由はありますか」
 証人「形式であれば外部から見ても分かる状態で会計処理され、主観の見積もりが入りづらいです」
 弁護人「他にメリットはありますか」
 証人「(会計書類の)作成者も予想の見積もりを立てる必要がなく、簡単です」
 弁護人「専門知識がなくても『法的形式』であれば会計処理できると?」
 証人「おっしゃる通りです」
 《教授はすでに提出した意見書の中で、「法的形式」の観点に基づけば、本登記の時点で土地代金の支出を収支報告書に記載した陸山会側の対応に問題はなかった、としている》
 証人「不動産の引き渡し時を特定するのは難しい場合もある。客観的に確定される登記時が、中小企業であれば基準になります。むしろ、本登記していないものを収支報告書に計上することに問題が生じる可能性もあります」
 弁護人「資産取得と支出の計上時期は、同一年度であったほうがよいと考えますか」
 証人「支出だけ記載され、資産の記載がなければ、誤解を生む恐れがあります。例えば前年に5万円の手付金を払い、翌年に95万円で資産を取得したとしても、資産取得代金が『95万円』と記載されるべきではないと考えます」
 《教授は会計学の視点で、資金管理団体の帳簿について、一般企業と同様の厳格な基準で論じるべきではないと繰り返し強調する》
 弁護人「政治資金規正法は、資金管理団体にどの程度のレベルの会計処理を求めていますか」
 証人「現金の収支がきちんとしているかどうかを求めているが、公認会計士も監査法人も通さない仕組み。非常に乱暴な言い方になるが、主婦が家計簿をつけるレベルにかなり近い。せっかくつけたから、配偶者に報告する、そういうイメージだ」
 《「主婦」は政治資金団体の会計責任者、「配偶者」は国や国民を指すのだろうか》
 弁護人「会計学の専門家でなくても作れるのが収支報告書ということですね」
 証人「会計だけでなく、法的な知識がなくても作成できるもの。(一連の土地売買が)終わっていないから記録しなくてもいい、という素朴な感覚を否定するルールを(政治資金規正法が)定めているとは考えられません」
 《弁護側の尋問が終わり、30分の休廷を挟んだ後、指定弁護士側の反対尋問が始まった。小沢被告は開廷時と同様に一礼して入廷し、肩を上げ下げしリラックスした様子で席に座る》
 《質問に立った指定弁護士は、教授の意見書は前提事実に問題がある、と指摘した。不動産会社と陸山会は16年10月に、同月内に売買が完了するとの契約を結んだが、登記は翌17年1月に行われた。弁護士側はその過程で「売買契約が売買予約契約に変更された」と主張、指定弁護士側は「売買契約は10月中に完了した」としているが、この争点が欠落している、という内容だ》
指定弁護士「売買予約契約に変更されたと理解したんですか」
 証人「変更と推測しました。若い頃には法学を勉強した身ですから。暗黙の理解で当然、契約内容の変更があると思ったが、意見書では会計学の専門家として、そのことに直接ふれていません」
 《指定弁護士は本登記を17年1月にする、という内容の司法書士あての委任状を廷内モニターに表示した。委任状は本登記日の「1月7日」部分が手書きされている。実質的には、16年中に売買に関するすべての業務が終わっていたとして、指定弁護士は教授に質問。これは、教授が意見書を提出した段階で持ち合わせていなかった情報で、指定弁護士側は判断の変更を迫っていく》
 証人「白紙で委任状が出されていたなら、(16年に)所有権の移転がなかったというのは無理がある、ということはありえます。しかし、(「1月7日」が)事後に埋められたのでなければ、やはり最終的に手続きが終わったのは1月7日となる。会計学的な評価は難しいです」
 《指定弁護士との押し問答が続くが、自説の撤回には頑として応じない教授。根負けした様子で質問が終わり、別の指定弁護士が質問に立つ》 
 《指定弁護士は16年分の収支報告書で、登記を終えていない別の不動産が、売買契約段階で記載されている点を指摘。矛盾を強調するが、教授は「16年分の収支報告書に土地購入を記載したくなかった、という動機1つでは、翌年の記載が合理性を欠くとはいえない」「矛盾の可能性はあると思うが、はっきりいう根拠がない」と繰り返し、指定弁護側に言質をとらせない》
 《指定弁護士の尋問が長引き、裁判官の尋問は閉廷予定の午後5時を過ぎて開始される。左陪席の裁判官は、土地取得と報告書の記載の「期ずれ」の問題について疑問を呈する
 裁判官「16年に取得した土地を17年分の収支報告書に記載してかまわないということですね」
 証人「そうです」
 裁判官「どの条文を解釈しているんですか」
 証人「取得年月日を書けという(政治資金規正法の)要求は、報告書を作成する人が、本登記した日を書くと理解されます。16年に土地取得を書けないのに、支出だけ書くのはアンバランスです」
 裁判官「でも、司法上は誤りなんですよね」
 証人「土地取得が(年内に完了していると)特定できていれば、誤りです」

 裁判官「後で誤りが分かっても、直さなくていいのですか?」
 証人「難しい質問です。企業が過年の誤りを一つ一つ訂正しているかどうか…」
 裁判官「誤りは直した方がいいですか」
 証人「直した方がいいか、そこまで要求されているかどうかは言い切れません」
(略)

私が注目したのは、左陪席の裁判官と証人とのやり取りであり、特にゴシックにした部分である。

(6)また、小沢氏側の冒頭陳述書などを読んで、後述するように墓穴を掘っているとことがあると思ったので、ひょっとすると、有罪になる可能性もある、と考えてきた。

というのは、第一に、小沢氏側の冒頭陳述書を読むと、小沢氏が陸山会に4億円を貸付けてはいない旨、説明していたからである。
これは、4億円を受け取った石川氏が小沢氏から借入れたことを認めているのだから、小沢氏は墓穴を掘っている、と感じたのである。

また、第二に、小沢氏は自らホームページ(下記)で、4億円を陸山会に「貸付け」ていることを認めていたからである。

http://www.ozawa-ichiro.jp/massmedia/contents/appear/2010/ar20100124150021
陸山会への貸付などに関する経緯の説明

平成22年1月23日


陸山会への貸付等に関する経緯の説明


衆議院議員 小沢一郎事務所


本日は、午後2時ころより午後6時30分まで東京地検特捜部の要請を受けて事業説明をいたしました。
今までは、検察官への説明前の段階だったので、発言を差し控えておりましたが、この機会に、新聞・テレビ等で報道されております陸山会の不動産購入とこれに関する資金の流れ等についてご説明いたします。

陸山会に4億円を貸し付けた経緯
秘書の数も増え、妻帯者も増えたので、事務所兼用の住居を提供したいと思っていたところ、秘書が本件土地を見つけてきて、これはいいのではないかということになりました。それで、秘書に不動産業者にあたらせたところ、土地売買代金額が金3億4000万円余りと決まりました。
そこで、この土地を購入することになりましたが、当時陸山会の経理を担当していた秘書から各政治団体の資金をかき集めればなんとかなるが、そうすると各政治団体の活動費がほとんどなくなってしまうので、私に何とか資金調達できないかと言ってきました。
そこで、私は自分個人の資産の4億円を一時的に陸山会に貸し付けることとしたのです。

平成16年10月に私が陸山会に貸し付けた4億円の原資について
‐赦贈僑闇に湯島の自宅を売却して、深沢の自宅の土地を購入し建物を建てた際、税引き後残った約2億円を積み立てておいた銀行口座から平成元年11月に引き出した資金2億円、∧神9年12月に銀行の私の家族名義の口座から引き出した資金3億円、J神14年4月に銀行の私の家族名義の口座から引き出した資金6000万円を東京都港区元赤坂の事務所の金庫に保管していました。平成16年10月には、同金庫に4億数千万円残っており、うち4億円を陸山会に貸し付けました。
4億円の一部は建設会社からの裏献金であるやの報道がなされておりますが、事実無根です。私は不正な裏金など一切もらっておりませんし、私の事務所の者ももらっていないと確信しています。

4億円の銀行口座への入金や売買代金支払いへの関与について
全て担当秘書が行っており、私は、全く関与していないので、具体的な処理については分かりません。

所有権移転日を平成17年にした理由について
そのことについては何の相談も受けていません。
購入資金は自分で出しており隠し立てする必要はないし、また所有権移転日を翌年にすることに政治的にも何のメリットもないので、何故翌年にしたのか私にはわかりません。

売買代金支払い後に定期預金を組んで預金担保に借り入れをした理由について
具体的な事務処理については、私は関与していないので分かりません。

銀行から融資を受ける際に個人が借り入れ、陸山会に貸し付けた理由
これについても私は関与していないので分かりません。
ただし、以前に陸山会が不動産を購入した際にも金融機関から個人での借入を要請されたこともあったので、担当秘書から銀行の書類に署名するように頼まれ、そういう理由からと思って署名したことはあります。

収支報告書の記載について
私は、本件不動産に関する収支報告書の記載については全く把握していませんでした。また、収支報告書の記載内容について、相談されたり、報告を受けたこともありません。

このホームページの記事は、小沢氏を支持する人々がインターネット上で、小沢氏が4億円の原資について説明したものであると受けとめ、宣伝していたものであるが、その受けとめは当然のことであり、小沢氏の説明と確認がなされたものだろう。

というのは、4億円の原資は、小沢氏本人でなければ説明できない事実であり、小沢事務所の誰かが勝手にそれをホームページで公表することはできないからである。

つまり、小沢氏本人が陸山会に4億円を「貸付けた」と認めているのに、裁判の冒頭陳述書で「貸し付けてはいない」旨説明しても、裁判では通用しないと考えるのが普通だろう

それゆえ、私は、墓穴を掘ったために、ひょっとすると小沢氏の有罪判決もありうるかもしれない、と思ったのである。

(7)ところが、検察官役の指定弁護士は、上記ホームページの情報を証拠として裁判に提出しているわけではないようなのだ(実際の「判決文」を読んでいないので、「判決要旨」だけ読んでも断定はできない。私の見落としであれば、ご指摘ください)。

なぜ、だろうか???

そのため、結果的には、「貸し付けていない」旨の弁護団の弁明が功を奏し(ただし、無罪にした論理を、小沢氏側は明確に主張してはない!)、小沢氏は違法性を認識していなかったとして、東京地裁は「無罪」判決を下したのである。

(8)東京地裁は、元秘書が小沢氏に「報告、了承」したと供述した調書を採用しなかったが、判決は、状況証拠から当該「報告、了承」を認定した。

しかし、小沢氏側が4億円は貸し付けていない旨弁明したため、判決は、小沢氏が貸付けた4億円を使わずに土地取得したと勘違いした可能性がある等として、弁護団も主張してはいなかった論理展開で「無罪」判決を下したのである。

ということは、元秘書を調べた検察官は、検察審査会の1回目の「起訴相当」議決後に、わざわざ誘導など問題にある取り調べをして元秘書から小沢氏に「報告、了承」したとの供述を得たのであるが、全く無駄なことをしたことになる。

(9)もっとも、検察の違法な誘導は、検察審査会の2回目の「起訴相当」議決を導いたという評価も不可能ではないのかもしれないが、しかし、判決は、それが議決を決定づけたとは断じてはない。
検察審査会が1回目の「起訴相当」を議決していたから、おそらく、議決後の検察官の取り調べ調書がなくても、「起訴相当」議決はくだせたという判断なのだろう。

なお、検察審査会の審査手続きにおける問題がありそうだが、私はその問題を十分検証する材料を有してはいないので、こでは、これ以上言及しない。

(10)東京地検が、小沢氏の自宅を家宅捜索しなかったのは、検察が大物政治家をなかなか追及しないという体質を象徴している、

また、検察官が取り調べて誘導などしたり、嘘の報告書を作成したりしたことも、検察官の体質を象徴している。

(11)適正手続きの保障を徹底させるために、取り調べの完全可視化が必要であることは、再三ブログで投稿しているとおりであるが、私は検察改革だけではなく、検察審あk祭や裁判所の改革も必要であると主張している。

ただし、検察が大物政治家をなかなか追及しない体質の問題は、このような改革だけでは、改善されないだろう。

(12)元秘書3名の裁判と違い小沢氏本人の裁判については、控訴審でどのような判決が下されるのか、予断を許さない。

東京地裁は、マスコミが注目したため(!?)被告人のために小沢氏側も主張していない論理で「無罪」とした。
それゆえ、控訴審では逆転判決が下されても不思議ではない。

だが、控訴審でもマスコミは注目するだろうから(!?)「有罪」判決が下されるとも断言できないだろう。
東京地裁が「無罪」判決を下した以上、東京高裁は「無罪」判決を維持する可能性があるからだ。

(13)したがって、控訴審でどのような審理が行われるのか、東京高裁はどのような事実認定に基づいて、どのような判決(結論だけではなく判決理由)を書くのか、注目する必要がある。

まずは、明後日、証人や新たな証拠が採用されるのかどうか、即日結審となるのか、気になるところである。

小沢一郎元代表裁判「判決骨子」と政治資金規正法改正の必要性

(1)先月(2012年4月)26日、「陸山会」の土地取得をめぐる事件で民主党の小沢一郎元代表について東京地裁は判決を下した。

これについては、判決直後に、簡単な感想を投稿した。

(2)この「判決骨子」を紹介しておこう。
NHK4月26日 14時54分
小沢元代表裁判「判決骨子」全文

政治資金を巡って収支報告書にうその記載をしたとして強制的に起訴された、民主党の小沢元代表に、東京地方裁判所は無罪を言い渡しました。

「判決骨子」を掲載しました。


主文 被告人は無罪


公訴棄却の申立てに対する判断

〔公訴事実全部に係る公訴棄却の申立てについて〕
弁護人は、東京地検特捜部の検察官が、起訴相当議決を受けての再捜査において、石川を取り調べ、威迫と利益誘導によって、被告人の関与を認める旨の供述調書を作成した上、内容虚偽の捜査報告書を作成し、特捜部は、同供述調書と同捜査報告書を併せて検察審査会に送付し、このような偽計行為により、検察審査員をして、錯誤に陥らせ、本件起訴議決をさせたこと等を理由として、起訴議決が無効であり、公訴棄却事由がある旨主張している。
しかし、検察官が任意性に疑いのある供述調書や事実に反する内容の捜査報告書を作成し、送付したとしても、検察審査会における審査手続きに違法があるとはいえず、また、起訴議決が無効であるとする法的根拠にも欠ける。
また、検察審査員の錯誤等を審理、判断の対象とすることは、会議の秘密に照らして相当でなく、実行可能性にも疑問がある。
したがって、本件公訴提起の手続がその規定に違反して無効であると解することはできないから、検察官の意図等弁護人が主張している事実の存否について判断するまでもなく、公訴棄却の申立ては、理由がない。

〔公訴事実第1の1に係る公訴棄却の申立てについて〕
弁護人は、公訴事実第1の1の事実について、起訴相当議決がされておらず、検察官の不起訴処分もされていないのに、起訴議決の段階に至って、突然、起訴すべき事実として取り上げられていることを理由として、同事実に係る起訴議決には重大な瑕疵があり、公訴棄却事由がある旨主張している。
しかし、公訴事実第1の1の事実は、同第1の2及び3の事実と同一性を有するから、起訴相当議決や不起訴処分の対象にされていたと解することができる上、実質的にみても、捜査又は審査及び判断の対象にされていたと認められるから、起訴議決に瑕疵があるとはいえず、本件公訴提起がその規定に違反して無効であるということもできない。
公訴事実第1の1に係る公訴棄却の申立ては、理由がない。


争点に対する判断

〔収支報告書の記載内容〕
平成16年分の収支報告書には、本件4億円は記載されておらず、りそな4億円のみが記載されている。
本件土地の取得及び取得費の支出は、平成16年分の収支報告書には計上されず、平成17年分の収支報告書に計上されている。

〔本件預金担保貸付、りそな4億円の転貸の目的〕
石川が、本件4億円を本件売買の決済に充てず、本件預金担保貸付を受け、りそな4億円の転貸を受けた目的は、本件4億円が本件土地の取得原資として被告人の個人資産から陸山会に提供された事実が、収支報告書等の公表によって対外的に明らかとなることを避けるため、本件土地の取得原資は金融機関から調達したりそな4億円であるとの対外的な説明を可能とする外形作りをすることにあった(このような本件預金担保貸付の目的を「本件4億円の簿外処理」という)。
石川が、本件4億円の簿外処理を意図した主な動機は、本件土地の取得原資が被告人の個人資産から提供された事実が対外的に明らかになることで、マスメディア等から追求的な取材や批判的な報道を招く等して、被告人が政治的に不利益を被る可能性を避けるためであった。

〔本件合意書の目的〕
石川が、本件売買契約の内容を変更し、所有権移転登記について本登記を平成17年1月7日に遅らせる旨の本件合意書を作成した目的は、陸山会が本件土地を取得し、その購入代金等の取得費を支出したことを、平成16年分の収支報告書には計上せず、1年間遅らせた平成17年分の収支報告書に計上して公表するための口実を作ることにあった(このような本件合意書の目的を、「本件土地公表の先送り」という)。
石川が、本件土地公表の先送りを意図した主な動機は、本件土地の取得が収支報告書で公表され、マスメディア等から追求的な取材や批判的な報道を招く等して、被告人が政治的に不利益を被る可能性を避けるためであり、これに加え、本件4億円の簿外処理から生じる収支報告書上のつじつま合わせの時間を確保することも背景にあった。

〔本件土地の所有権移転時期及び収支報告書における計上時期〕
本件土地の所有権は、本件売買契約に従い、平成16年10月29日、陸山会に移転した。
石川は、本件土地公表の先送りを実現するために、本件土地の売主と交渉したが、不成功に終わり、本件土地の所有権の移転時期を遅らせるという石川らの意図は、実現しなかったというべきである。
本件合意書は、所有権移転登記について本登記の時期を平成17年1月7日に遅らせただけであり、本件売買契約を売買予約に変更するものとは認められない。
陸山会は、平成16年10月29日に本件土地を取得した旨を、平成16年分の収支報告書に計上すべきであり、この計上を欠く平成16年分の収支報告書の記載は、記載すべき事項の不記載に当たり、平成17年1月7日に取得した旨の平成17年分の収支報告書の記載は、虚偽の記入に当たる。

〔収支報告書における本件土地の取得費等の計上時期〕
平成16年10月5日および同月29日、本件土地の売買に関して陸山会から支出された合計3億5261万6788円は、本件土地の取得費として、平成16年分の収支報告書において、事務所費に区分される支出として、計上すべきである。
これを計上しない平成16年分の収支報告書の記載及びこれを平成17年の支出として計上した平成17年分の収支報告書の記載は、いずれも虚偽の記入に当たる。

〔本件4億円の収入計上の要否〕
被告人が、平成16年10月12日、本件4億円を石川に交付した際、被告人は、陸山会において、本件4億円を本件土地の購入資金等として、費消することを許容しており、石川も本件4億円を本件土地の購入資金等に充てるつもりであった。
本件4億円は、陸山会の一般財産に混入している上、資金の流れを実質的に評価しても、その相当部分は本件土地の取得費として費消されたと認められる。
また、本件定期預金は、被告人ではなく、陸山会に帰属するものと認められるから、本件4億円が、被告人に帰属する本件定期預金の原資とされたことを理由に、借入金にならない旨の弁護人の主張は、採用できない。
本件4億円は、本件土地の取得費等に費消されたものと認められ、りそな4億円は、陸山会の資金繰り等に費消されているから、このいずれも被告人からの借入金として計上する必要がある。
したがって、本件4億円は、陸山会の被告人からの借入金であり、収入として計上する必要があるから、本件4億円を収入として計上していない平成16年分の収支報告書の記載は、虚偽の記入に当たる。

〔被告人の故意・共謀〕
関係5団体における経理事務や日常的、定型的な取引の処理を含め、社会一般の組織関係や雇用関係であれば、部下や被用者が上司や雇用者に報告し、了承を受けて実行するはずの事柄であっても、石川ら秘書と被告人の間では、このような報告、了承がされないことがあり得る。
しかし、被告人の政治的立場や、金額の大きい経済的利害に関わるような事柄については、石川ら秘書は、自ら判断できるはずがなく、被告人に無断で決定し、実行することはできないはずであるから、このような事柄については、石川ら秘書は、被告人に報告し、了承の下で実行したのでなければ、不自然といえる。
本件土地公表の先送りや本件4億円の簿外処理について、石川ら秘書が、被告人に無断でこれを行うはずはなく、具体的な謀議を認定するに足りる直接証拠がなくても、被告人が、これらの方針について報告を受け、あるいは、詳細な説明を受けるまでもなく、当然のことと認識した上で、了承していたことは、状況証拠に照らして、認定することができる。
さらに、被告人は、平成16年分の収支報告書において、本件4億円が借入金として収入に計上されず、本件土地の取得及び取得費の支出が計上されないこと、平成17年分の収支報告書において、本件土地の取得及び取得費の支出が計上されることも、石川や池田から報告を受け、了承していたと認定することができる。
しかし、被告人は、本件合意書の内容や交渉経緯、本件売買契約の決済日を変更できず、そのまま決済されて、平成16年中に本件土地の所有権が陸山会に移転し、取得費の支出等もされたこと等を認識せず、本件土地の取得及び取得費の支出が平成17年に先送りされたと認識していた可能性があり、したがって、本件土地の取得及び取得費の支出を平成16年分の収支報告書に計上すべきであり、平成17年分の収支報告書には計上すべきでなかったことを認識していなかった可能性がある。
また、被告人は、本件4億円の代わりにりそな4億円が本件土地の購入資金に充てられて借入金になり、本件4億円を原資として設定された本件定期預金は、被告人のために費消されずに確保されると認識した可能性があり、かえって、本件4億円が、陸山会の一般財産に混入し、本件売買の決済等で費消されたことや、本件定期預金が実際には陸山会に帰属する資産であり、被告人のために確保されるとは限らず、いずれ解約されて陸山会の資金繰りに費消される可能性があること等の事情は認識せず、したがって、本件4億円を借入金として収支報告書に計上する必要性を認識しなかった可能性がある。
これらの認識は、被告人に対し、本件土地公表の先送りや本件4億円の簿外処理に関し、収支報告書における虚偽記入ないし記載すべき事項の不記載の共謀共同正犯として、故意責任を問うために必要な要件である。
このような被告人の故意について、十分な立証がされたと認められることはできず、合理的な疑いが残る。
本件公訴事実について被告人の故意及び石川ら実行行為者との共謀を認めることはできない。

(3)判決に対する簡単な感想の投稿には、検察や裁判所の改革の必要性だけではなく、政治資金規正法等の改正の必要性を再度書いておいた。

私は、政治資金規正法等の改正の必要性についてマスコミの取材にコメントした(東京新聞、読売新聞、共同通信、しんぶん赤旗)。

(4)今月(2012年5月)9日、検察官役の指定弁護士は、小沢一郎氏を控訴することを決定した。
この時も、マスコミの取材に政治資金規正法の改正の必要性をコメントした。
産経新聞2012.5.9 23:44
政治家追及に高い壁 言い逃れ許す規正法の不備浮き彫りに

 小沢一郎被告は政治資金規正法違反に問われたが、1審の公判では同法の不備が浮き彫りになった。政治資金収支報告書に偽りがあっても、原則として罪に問われるのは会計責任者で、政治家本人については「共謀の立証」という高いハードルが立ちはだかる。専門家は「全て『秘書がやったこと』という言い逃れが可能で、法改正が必要だ」と指摘している。
 「規正法は間違いや不適切な記載があった場合、会計責任者が自主申告して修正するのが前提だ」
 小沢被告は昨年10月6日の初公判の意見陳述で、虚偽記載は会計責任者だった秘書の責任であることを強調し、自らは「罪に問われる理由はない」と述べた。
 規正法は、収支報告書に真実を記載する義務を会計責任者に負わせており、虚偽があった場合、会計責任者に5年以下の禁錮刑か100万円以下の罰金が科される。政治家に責任が及ぶのは、会計責任者の「選任・監督」に注意を怠った場合や、共謀が認められたときに限定される。
 そもそも、政治家本人は収支報告書の内容について報告を受け、了承する義務はない。小沢被告は公判で「収支報告書を見たことがない」と話したが、法的には何の問題もないことになる。検察幹部は「会計責任者の選任や監督に注意を怠ったという認定は難しく、罰則も50万円以下の罰金にとどまる。本格的に政治家を追及するなら、会計責任者との共謀を立証するしかない」と説明する。
 ただ、これまで収支報告書の虚偽記載の共謀に問われ、現職国会議員が逮捕、起訴されたのは、平成15年の坂井隆憲元衆院議員のみ。特捜部経験のある別の検察幹部は「虚偽記載の捜査は物証が少なく、会計責任者らの供述に頼る部分が大きい。検事に『供述を得なくては』という焦りが生じ、無理な取り調べにもつながる」と話す。
 4月26日の東京地裁判決は、小沢被告と元秘書の間に「報告・了承」があったことも認めたが、小沢被告が「虚偽記載と認識していなかった可能性があり、故意の立証が不十分」として無罪を導いた。共謀立証の困難さが改めて浮かんだ。
 神戸学院大法科大学院の上脇博之教授(憲法学)は「政治家が政治団体の財政状況の報告を受け、了承することを義務づけた上で、監督責任の強化や連座制の適用が必要。そうしなくては政治資金の真の透明化などあり得ない」と話す。

(5)翌日、朝日新聞の社説が、ユニークな論調で、政治資金規正法の改革を説いている。
紹介しておこう。
朝日新聞2012年5月10日(木)付
民主党の責任―「小沢案」で政治浄化を

 民主党が、無罪判決を受けた小沢一郎元代表の党員資格停止処分を10日付で解除する。
 いかにも、民主党らしい対応ではないか。やるべきことと、実際にやることが違うのだ。
 国会では、ようやく消費増税など重要法案の審議が始まる。いまは挙党一致が最優先だ、と輿石東幹事長はいう。
 そうだとしても、小沢氏は国会、国民への説明責任を果たしていない。なぜ、野田首相はそれを黙認するのか。
 小沢氏の裁判は控訴され、さらに続く。それでも処分を解く民主党の責任は、いっそう重くなったと言わざるをえない。
 法案審議とともに、なすべき仕事が民主党にはある。
 小沢氏自身と民主党が掲げてきた政治とカネの浄化に、具体的な成果を出すことだ。
 第一に、小沢氏の裁判で改めてわかった政治資金規正法の不備をただす。
 小沢氏は法廷で、収支報告書はすべて秘書任せで自分は見たことがないと言い切った。
 それで4億円もの巨額の資金を動かしていたという。こんな浮世離れした主張が、なぜ通るのか。それは規正法が政治家本人ではなく、会計責任者に一義的な責任を負わせるからだ。
 どう改革すべきか。処方箋(せん)はすでにある。公明党は、政治家が監督責任を怠れば公民権停止処分を科す改正案を国会に提出している。小沢氏も93年の著書「日本改造計画」で連座制の強化を訴えている。
 第二に、カネの流れを見えやすくするために、政治家の政治資金団体を一本化する。
 その重要性と効果を、小沢氏は著書でこう強調していた。
 「公私の区別のはっきりしないドンブリ勘定も、政策決定などに絡んだカネのやりとりもできなくなる」
 第三に、パーティー券の購入を含む企業・団体献金の全面禁止である。民主党が政権交代を果たした09年総選挙のマニフェストに掲げていた。
 これも小沢氏が言い出したことだ。総選挙前、ゼネコンからの違法献金事件で自分の公設秘書が逮捕された後に、みずから提案したではないか。
 民主党は当時、国会に法案も出した。しかし、与党になった途端に知らん顔である。
 自民党も、政治とカネの透明化には後ろ向きだ。それをいいことに、見て見ぬふりでやり過ごすなら、民主党も小沢氏も不誠実の極みだ。
 この際、政権党として「小沢案」での政治浄化を断行してみせてはくれないものか。

(6)この朝日新聞の社説の主張通り、もし2010年の参議院通常選挙前に(つまり衆参のねじれが生じる前に)民主党執行部が政治規正法改正案を国会に上程していたら、小沢一郎元代表はまっ先に反対しただろうが、さて、今はどうだろうか?

小沢一郎・元民主党代表の刑事裁判の判決について

はじめに

被告人・小沢一郎衆議院議員(元民主党代表)の刑事裁判の判決が東京地裁で本日(2012年4月26日)くだされた。
これについての簡単な感想を書く(いわゆる判例評釈ではない)。

なお、複数のマスコミからコメント依頼があった。

1.この事件及び判決について

(1)東京地裁の判決は小沢一郎氏を無罪であるという結論だった。

もっとも、その判決理由によると、小沢氏の「共謀共同正犯の成立を疑うことには、相応の根拠がある」等と判示しており、小沢氏を、黒に限りなく近い灰色であると判断している。

(2)東京地検特捜部は、4億円の原資がゼネコンからの裏献金であるとの見立てをしながら、小沢氏の岩手の自宅も東京の自宅も家宅捜索していなかったので、元々、小沢氏本人まで起訴する覚悟がなったのではないかとさえ思えてならない。

たとえ、その覚悟があったとしても、特捜部は小沢氏を十分有罪にする証拠を収集するよう努めたととは言い難いように思う。

だからこそ、検察審査会の2度の「起訴相当」議決の理由も、小沢氏を十分有罪にできるとの自信に溢れた内容ではなかった。
そもそも共謀は立証のハードルが高い。
だから、私は、秘書ら3名の有罪は確実であっても、検察審査会の議決理由を読んで、当時マスコミの取材に「小沢氏が無罪になる可能性が高い」旨コメントした。

検察審査会の小沢一郎「起訴相当」議決には2度驚いた!
予想外の小沢一郎氏の東京第5検察審査会2度目の「起訴相当」議決について

元秘書ら3名の裁判で一審判決も、大久保氏の共謀について一部認定されてはいない

(3)他方、元秘書ら3名の一審判決は虚偽記入・不記載を認定し有罪判決を下した(ただし元秘書らは控訴)。
政治資金収支報告書や金融機関の口座の写しなど客観的な証拠があり、3名の冒頭陳述内容も通用しない弁明で酷いものだったから、当然である。

小沢氏を無罪とした今日の判決も、秘書らによる土地公表の先送りや4億円の簿外処理、政治資金収支報告書への支出の計上を翌年にズラすことについて小沢氏が報告を受け、了承したことを認定している。

私は、裁判が始まってから、この事件の詳細が判明し、予想していた以上に秘書らが小沢氏の関与を窺わせる供述をしていた上に、いくつか墓穴を掘っていたので、小沢氏の有罪の可能性もあるかもしれない、と考えてきた。

しかし、今日の判決は、違法となる具体的事情について小沢氏が認識していなかった可能性があるので小沢氏の故意が十分立証されてはいないとして共謀を認定しなかった。

地裁の要求する共謀の立証のハードルは予想以上に高かった。

結局、小沢氏は陸山会の代表者でありながら、「秘書任せ」が裁判で結果的に通用し、少なくとも一審では逃げ切ったことになる。

(4)しかし、秘書らの裁判に続いて小沢氏本人の裁判でも予想通り虚偽記入・不記載が認定された上に、小沢氏の供述は信頼できない旨指摘された。

そうである以上、陸山会の代表者である小沢氏は、刑事責任とは別に、政治責任が問われるべきである。


2.改革の必要性

(1)一部の検察官(不起訴処分に不満だった者)の取調べや捜査報告書にも問題があったことが発覚した(判決も厳しく批判している)のだから、取調べの完全可視化や証拠開示などの検察改革、更には検察審査会における適正手続きの保障などが進められるべきであることは言うまでもない。
労働者の場合には身分保障が不可欠である。その法的整備が求められる。

なお、法務省は、いわゆる判検交流を廃止するようだ。
朝日新聞2012年4月26日5時49分.
検事・判事の人事交流廃止 刑事裁判の公正に配慮

 検察官が刑事事件の裁判官になったり、刑事裁判官が検察官になったりする人事交流が今年度から廃止されたことがわかった。裁判官と検察官の距離の近さが「裁判の公正さをゆがめかねない」との批判を受け、法務省が「誤解を生むような制度は続けるべきではない」と判断した。
 裁判官(判事・判事補)と検察官(検事)が互いの職務を経験する仕組みは「判検交流」と呼ばれ、裁判所と法務省が合意して続けている。このうち刑事分野の交流は、刑事事件を担当する裁判官と、捜査・公判を担当する検察官が入れ替わる形が中心で、主に東京地裁と東京地検の間で行われてきた。
 法務省は「正確な記録はない」としているが、東京弁護士会の調査によると、刑事分野での交流開始は1974年。2000年度以降は相互に年に1〜2人程度が出向し、約3年でもとの職場に戻っていた。

これは、私が賛同してきた改革の一つである。

(2)しかし、それだけでは不十分である。
政治資金規正法等も改正されるべきである。

 その主要な第一は、企業・団体献金を全面禁止すること。
民主党はマニフェストでこれを公約しながら、小沢氏が幹事長時代にこれを反故にしてしまった。
企業・団体献金は、政治腐敗の温床であり株主や労働組合員の人権を侵害しているから、即刻法律改正して全面禁止すべきである

(3)第二は、政治団体の代表者の刑事責任も問えるようにすること。
より具体的には、会計責任者の監督について注意を怠った場合に政治団体の代表である政治家の責任を問えるようにすること
会計責任者による収支報告の内容についての説明を受けることを代表に義務づけること、
あるいはまた、小沢氏が1993年の単著の中で主張しているように連座制を強化すること
などである。

(4)さらに、4億円の原資が不明のままであることを考えると、政治家の資産報告制度についても、配偶者や扶養の親族を対象に加えた上で、現金や普通預金も毎年報告させるようにするなど改善すべきである。

小沢一郎氏裁判における検察調書不採用と諸改革の必要性

1.検察官調書の不採用

(1)先日(2012年2月17日)、小沢一郎民主党元代表の裁判で、元秘書ら3名の検察官調書の採否についての決定を下した。
朝日新聞2012年2月18日3時5分
共謀認めた石川議員の調書、地裁が却下 小沢氏公判

 資金管理団体「陸山会」をめぐる土地取引事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で強制起訴された民主党元代表・小沢一郎被告(69)の第14回公判が17日、東京地裁で開かれた。大善文男裁判長は、元経理担当秘書・石川知裕衆院議員(38)が捜査段階で「政治資金収支報告書への虚偽記載を小沢氏に報告し、了承を得た」と認めたとされる供述調書について、すべて証拠として採用しない決定をした。
 東京地検特捜部で調書を作成した田代政弘検事(45)の取り調べは「虚偽供述に導く危険性が高く、違法不当だった」と述べ、証拠としての能力はないと判断した。小沢氏が虚偽記載に関与したことを示す直接的な証拠は元秘書らの調書のみ。後任の経理担当・池田光智元秘書(34)が共謀を認めた調書の一部は採用されたものの、4月の判決に向けて、検察官役の指定弁護士は有罪立証の大きな柱を失った。
 指定弁護士が証拠請求していた検事作成の調書は計42通で、内訳は石川議員の13通▽池田元秘書の20通▽元会計責任者・大久保隆規元秘書(50)の9通。このうち「小沢氏への報告・了承」が含まれる調書は、石川議員の8通と池田元秘書の3通だった。

(東京新聞)2012年2月17日 13時56分
小沢元代表公判 共謀供述 証拠採用せず

 資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で強制起訴された民主党元代表小沢一郎被告(69)の第十四回公判が十七日、東京地裁であった。大善文男裁判長は、元秘書石川知裕衆院議員(38)が小沢元代表の関与を認めた捜査段階の供述調書について、「違法な取り調べがあり、信用できない」として証拠採用しないことを決めた。池田光智元秘書(34)が元代表への報告を認めた調書も一部を除き証拠採用しなかった。
 元秘書らの供述調書が小沢元代表の共謀を示す唯一の直接証拠としていた検察官役の指定弁護士にとって、厳しい結果となった。
 大善裁判長は、石川議員が隠し録音していた保釈後の取り調べで、小沢元代表の関与を認める供述を維持すれば元代表は不起訴となる、と検事がもちかけたと認定。「強力な利益誘導があり、虚偽供述に導く危険性の高い取り調べだった」と東京地検特捜部の捜査を批判した。
 石川議員の供述調書は十三通のうち八通が全面的に不採用。この中には石川議員が土地購入費の四億円を報告書に記載しないと報告し、小沢元代表が「そうしておいてくれ」と答えたとする捜査段階の供述も含まれる。
 池田元秘書の供述調書は二十通のうち八通は全体を不採用。土地購入に関して二〇〇五年分の収支報告書に計上することを小沢元代表に報告した部分は採用されたが、「虚偽記入について了承を得た」とされる部分は不採用となった。
 これまでの証人尋問で、石川議員らは供述調書の内容を否認。「検事の作文」「検事から調書に署名しても元代表が起訴されることはない、と説得された」と強調し、小沢元代表も一貫して関与を否定している。
 指定弁護士側は、小沢元代表がいる法廷では石川議員らは強い圧力を受け、元代表に迎合した不自然な供述をしているとして、捜査段階の供述調書を信用するべきだと主張。弁護側は「取り調べは威迫や違法な誘導があった」として、供述調書を証拠採用しないよう求めていた。

陸山会裁判検察調書の採否









(2)「決定要旨」の別表1・2・3を見ると、石川知裕衆院議員の検察官調書13通のうち、8通はその全部が採用されていない(それ以外の5通は採用、あるいは公判供述と相反しないと判断されている)。

池田光智元秘書20通のうち、3通はその全部が採用されていない(それ以外の17通は採用、あるいは公判供述と相反しないと判断されている)

大久保隆規元秘書の検察官調書は9通で、全て、採用、あるいは公判供述と相反しないと判断されている。

なお、「決定要旨」の少し詳しい内容紹介は、別の機会に行う。


2.取調べの完全可視化を含む検察改革の必要性

(1)元秘書ら3名の時も述べたが、検察官調書がその一部であれ「強力な利益誘導であるといえ、虚偽供述に導く危険性の高い取調方法である」とか「違法な取り調べがあり、信用できない」等として証拠採用されなかったことは、重大である。

(2)そのうち、私が特に注目したのは、第一に、石川氏が隠し録音していた取り調べのときの調書(2010年5月17日付検察官調書)が「供述の任意性を否定すべきものと認められ、したがって、特信性も否定すべきもの」と判断されたことである。

第二は、池田氏の検察官調書の一部につき「供述の任意性に疑いがあり、特信性を認めることができない」と判断されたことである。
これは、隠し録音がなされたものではないし、石川氏の取り調べをした検察官とは別の検察官が取り調べをしたものである。

第三に、石川氏の検察官調書の一部(前記第一とは別)の不採用判断の際、裁判所は、当該「検事の取調べは、個人的なものではなく、組織的なものであったと疑われるもの」と判断していることである。

第四に、裁判所は、上記第一の判断をする際に、以下のような判断を行なっている。
しかも、田代検事は「当時は、その危険性を自覚していなかったが、録音されていると分かっていれば、このような取調べはしなかった。」旨も供述しており、取調べの可視化が広くされていれば、行うことのできない取調方法であったことを自ら認めているものといえる。

(3)検察官の違法な取調べの問題は、ほかの複数の事件でもあった。

(4)以上の点に注目すれば、以前の述べたが、当然、検察・警察による取調べについては、少なくとも、全過程を録画(可視化)することが不可欠であると結論づけられる。

(5)この点につき、検察は改革を進めているものの、十分とは言い難い。
警察庁の有識者研究会は、取り調べの録音・録画(可視化)の試行範囲拡大を提言いsたようだが、一律に全過程で実施する全面可視化の是非は委員の意見がまとまらず、結論を見送ったようだ。
毎日新聞 2012年2月23日 東京夕刊
取り調べ可視化:試行拡大を提言 「全面」は賛否−−警察庁研究会

 取り調べや捜査手法の在り方を検討する警察庁の有識者研究会が23日、最終報告書を松原仁・国家公安委員長に提出した。取り調べの録音・録画(可視化)の試行範囲拡大を提言する一方で、一律に全過程で実施する全面可視化の是非は委員の意見がまとまらず、結論を見送った。DNA型データベースの拡充など証拠収集に効果的な捜査手法の充実も求めた。【鮎川耕史】

 ◇否認事件も検討
 警察は08年から、裁判員裁判の対象罪種の事件で可視化を試行しているが、容疑者が自白している事件が対象で、核心部分の供述調書を捜査員が読み聞かせる場面などに限っている。報告書は「可視化の在り方を検討するには十分と言えない」と指摘。録音・録画の対象とする場面を増やすよう求めた。
 これを受け警察庁は、容疑者が供述している場面を録音・録画することや、新たに否認事件でも試行することを検討する。
 報告書はまた、供述に大きな比重を置く捜査の在り方を見直し、客観的な証拠で犯罪を立証する手法を充実させることが必要だと提言。容疑者のDNA型情報を蓄積するデータベースは、犯罪の立証や冤罪(えんざい)の防止に役立つとして、拡充を求めた。
 年間の実施件数が20〜30件程度にとどまる通信傍受については、現行法では適用が認められていない振り込め詐欺などにも効果が見込まれると指摘。組織的な殺人や薬物・銃器取引などに限られている対象罪種を増やす検討をすることが「望ましい」とした。
 研究会の正式名称は「捜査手法、取り調べの高度化を図るための研究会」で、中井洽・元国家公安委員長が設置。警察・検察OB、弁護士、学者ら12人が委員になり、10年2月から23回の会合を重ねた。
 報告書は法制審議会(法相の諮問機関)の「新時代の刑事司法制度特別部会」にも提出され、同部会で引き続き、取り調べ可視化の法制化などが議論される。

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 ■解説
 ◇議論2年、見えぬ着地点
 研究会では取り調べの全面可視化を巡って賛否が分かれた。賛成派は「一部だけの録音・録画では供述の信用性を適切に判断できない」と主張。反対派は「容疑者が率直な供述をできなくなるなど事件の真相解明に支障が生じる」と反論した。意見は平行線をたどり、報告書は両論併記の形となった。
 研究会の委員には、捜査経験が豊富な元警察幹部や日弁連の可視化推進活動に携わる弁護士らが選ばれた。委員らが2年にわたって議論しても着地点を見いだせなかったという事実が、可視化論議の難しさを物語る。報告書は「意見の隔たりが大きく極めて複雑な問題を含むことが明らかになった」との表現で議論を締めくくった。
 ただ、可視化が「供述の信用性を証明する手段として有効」という点については委員間に異論はなく、可視化の正式導入という方向性は打ち出すことができた。それに向けて試行を幅広く行い、十分な検討材料を提供することが求められる。【鮎川耕史】

冤罪を生まないという点では、最低限全面可視化が不可欠だ。
(それ以外の検察改革については、全掲のリンク先の投稿を参照していただきたい。)


3.検察審査会における適正手続き保障の必要性

(1)石川氏の隠し録音した時の取り調べについては、別の問題にも発展している。
それは、石川氏の取り調べをした検事が作成した捜査報告書(東京地検特捜部長に提出した2010年5月17日付「捜査報告書」)が、隠し録音内容と異なっていたことが判明した、というものである。
時事通信(2012/01/13-12:20)
捜査報告書を証拠採用へ=検事が事実でない記載−小沢元代表裁判

 資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪に問われた民主党元代表小沢一郎被告(69)の裁判で、東京地裁は13日、検察官役の指定弁護士、弁護人と今後の進行などについて協議した。石川知裕衆院議員(38)の取り調べ担当だった田代政弘検事(44)作成の捜査報告書について、指定弁護士側が同意し、証拠採用される見通しとなった。
 田代検事は昨年12月の証人尋問で、小沢被告を「起訴相当」とした検察審査会の議決を受けた再聴取での石川議員とのやりとりについて、捜査報告書に事実と異なる記載をしたことを認めた。弁護側は、この報告書が小沢被告の起訴を決めた2回目の議決の根拠になったなどとして、証拠請求していた。

時事通信(2012/01/15-19:04)
調書署名「あなたの判断」=事実でない記載重ねる−捜査報告書で検事・陸山会事件

 民主党元代表小沢一郎被告(69)の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件で、石川知裕衆院議員(38)の取り調べ担当だった田代政弘検事(44)が、事実でないやりとりを記載した捜査報告書の全容が15日、判明した。公判で弁護側が追及した部分の他にも、「調書への署名はあなた自身の判断だ」と告げたなどと、取り調べ記録にないやりとりが記載されていた。
 捜査報告書は、小沢被告を起訴相当とした検察審査会の1回目の議決を受けた再聴取後に作成された。小沢被告への虚偽記載の報告を認める調書の作成経緯について、石川議員が「検事から『うそをつくようなことをしたら、選挙民を裏切ることになる』と言われたことが効いた」と供述したと報告書には記載されているが、弁護側は公判で、石川議員が取り調べを録音した記録にはないと指摘。田代検事はやりとりがなかったと認め、「過去の話と記憶が混同した」と説明した。
 報告書にはこの他にも事実でない内容が記載されていた。「調書に署名押印するかどうかはあなた自身の判断だ」との田代検事の説明を受けた石川議員が、「署名拒否でもいいですか」と尋ね、「どうしますか、拒否しますか」と確認されると、「そんな突き放さないでくださいよ」と述べたとあるが、録音記録にこうしたやりとりはない。

(2)なお、この問題については、告発がなされており、検事の聴取などが行われているようだ。
(2012年1月12日21時46分 読売新聞)
陸山会捜査報告書に虚偽…市民団体、検事を告発

 小沢一郎民主党元代表(69)が政治資金規正法違反(虚偽記入)に問われた陸山会事件に絡み、元東京地検特捜部所属の田代政弘検事(44)が作成した捜査報告書に虚偽の記載があった問題で、市民団体「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」は12日、虚偽有印公文書作成・同行使容疑で最高検に告発状を提出した。
 この報告書には、保釈後に田代検事の聴取を受けた陸山会元事務担当者・石川知裕衆院議員(38)が述べていない発言内容が記載されていた。田代検事は公判で「勾留中の会話などと記憶が混同した」と釈明したが、告発状では「勾留中の取り調べは3か月以上も前で混同はあり得ず、明らかに捏造だ」と指摘している。
 告発状では、同地検が小沢元代表を不起訴とした際の事件記録の一部を東京第5検察審査会に提出せず、適正な審査を妨げた偽計業務妨害の疑いもあるとしている。

朝日新聞2012年2月24日3時2分
「虚偽報告書」の検事聴取 小沢氏公判、立件可否判断へ

 強制起訴された民主党元代表・小沢一郎被告(69)の元秘書・石川知裕衆院議員(38)を取り調べた検事が、実際にはなかったやりとりを捜査報告書に記載した問題で、検察当局がこの検事から事情聴取を始めたことが分かった。当時の特捜部長ら上司からも聴取を進める方針。できるだけ早期に事実を解明して刑事立件の可否を判断したうえで、懲戒などの人事上の処分も検討する模様だ。
 問題の捜査報告書を作成したのは、東京地検特捜部で小沢氏の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件の捜査に加わった田代政弘検事(45)=現在は新潟地検に所属。検察審査会が小沢氏の政治資金規正法違反容疑について、1回目の審査で「起訴相当」と議決した後の2010年5月17日に、保釈中の石川議員を取り調べた。
 捜査報告書はその日付で、当時の佐久間達哉特捜部長あてに作成された。「政治資金収支報告書への虚偽記載を、小沢氏に報告し、了承を得た」と同年1〜2月の逮捕中に認めた理由について、石川議員がこの日の調べで「検事から『11万人の選挙民の支持で議員になったのに、うそをつけば選挙民を裏切ることになる』と言われたのが効いた」と語った――などと記載していた。

(3)以上の問題は、前述の全面可視化を通じて防止しなければならない。

(4)だが、それだけではなく、検察審査会改革も必要だろう。

私は以前マスコミの取材に答えて述べていたことであるが、検察審査会においても、被告発人の意見・反論を文書で提出させる等、適正手続きの保障を拡大すべきである。
少なくとも「起訴相当」議決がなされる時には。

これは、従来、十分あ議論がなされていないように思われる。
刑事法の専門家の議論が進むことが求められる。


4.裁判所改革も必要!・・・足を引っ張っている公務員削減論

(1)以前も述べたことであるが、”裁判所改革”も必要である。

(2)私が賛同している”裁判所改革”には、検察と裁判所の交流(検察官が裁判官となる)を止めることなどの他に、裁判官の人員を増やすことも含まれている。

(3)前述の”検察改革”でも、検察官の人員を増やす案に賛成している。

(4)ところが、このような諸改革の足を引っ張っているのが、公務員削減論である。

公務員削減論は、福祉国家政策を否定し、新自由主義政策を主張している財界の要求であり、それに応えて「小さな政府論」や政治主導論を主張し公務員批判を行なっている保守政党の主張である。

(5)庶民の経済や暮らしを守るためには財界政治を改めなければならないが、人権保障のためにも、財界政治を改める必要がある。

小沢一郎氏の元秘書3名の「陸山会」裁判とその判決についてのブログの紹介

小沢一郎氏の元秘書3名の「陸山会」裁判とその判決についてのブログを紹介します。
(したがって、小沢氏本人の裁判とは別ですので、ご注意ください。
ただし、小沢氏本人の裁判の一部に言及しているものもあります)

◇私のブログ

検事調書不採用で小沢一郎元秘書ら3名は「陸山会」裁判で「無罪確実」!?

「陸山会」裁判の東京地裁判決について(1)


「陸山会」裁判の東京地裁判決について(2):「西松建設」違法献金事件

「陸山会」裁判の東京地裁判決について(3):土地取得をめぐる事件

「陸山会」裁判の東京地裁判決について(4):虚偽記載・不記載の一覧表(不記載・虚偽記載総額約18億5261万円)

「陸山会」裁判の東京地裁判決について(5):西松建設総務部長兼経営企画部長証言問題

今日と明日(2012年1月10日・11日)被告人小沢一郎氏本人質問について(元秘書3名の裁判も振り返りながら)

「陸山会」裁判の東京地裁判決について(6):事件の背景・動機i (小沢事務所と企業の癒着)

「陸山会」裁判の東京地裁判決について(7):検察の問題点


◇阪口徳雄弁護士のブログ

小沢秘書の否認は裁判所で認められるか?(政治とカネ229)

小澤氏土地本登記の遅れは農地の為ではない(政治とカネ233)

小澤氏側の本登記の遅れは農地の問題ではない(2)(政治とカネ234)

何故陸山会は本登記を遅らせたか(政治とカネ240)

小沢元秘書達は無罪となるか(政治とカネ243)

元秘書に有罪判決(政治とカネ245)

水谷建設1億円を認定した裁判官の心証形成の背景(政治とカネ246)

陸山会事件のネットにおけるガセネタの検討(政治とカネ247)
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