昔と今とでは礼節に基づく作法が逆転しているケースが
あります。
たとえば「帽子」もその一つで、改まった席などでは昔は
「帽子」の着用が礼儀とされました。
ところが現代は、そうした席での「着帽」は失礼なことと
されています。 う~ん、何とも見事な逆転です。
もっとも、昔の帽子とは野球帽のようなキャップでもなく、
また紳士帽のようなハットでもなく、「烏帽子」のことですが。
では「烏帽子」と「帽子」はどう違うのか?
 

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例によって、以下の会話は、日本史探検隊の
史)=姫隊長/史乃(しの)歴)=古参隊員/歴三(れきぞう)です。
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史) 「烏帽子」って、こう説明されているわ
   ~平安時代から近代にかけて和装での礼服着装の際に
     成人男性が被った帽子のこと~


歴)
 ってことは、要するに「帽子」という大範疇の中に、その一種として
   「烏帽子」の分野があるってことになる。


史) そう言えば、昔は「頭部」を露出すること自体が礼を欠いたもの
   とされていたって聞いたことがあるわ。
   確かにドラマで見たって、御公家サンあたりは「常時着帽」の
   姿ですものね。

歴)
 これが、現代になると、改まった席で着帽のままでいることは
   失礼になるわけだが、一体どこで逆転したのだろう。

史)
 先の説明にもあった通り、~和装礼服~の場合だったら、
   「着帽」が礼儀・・・洋装の場合なら「脱帽」が礼儀。
   仮にそういうことなら、和装から様相に移り変わっていったのと
   並行して着帽と脱帽の「価値観」も変化したってことになりそうね。
 
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烏帽子/帽子
          
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そうかもしれん・・・かもしれんなあ。
それにしても、「頭を見せる見せない」がなんで礼儀の基準の一つに
なったのだろう。
それで思い出したが、イギリスあたりの裁判劇を見てみると、
裁判官なんぞは、押し並べて「かつら」を着用しているな。
あれも「礼節」の在り方に関連しているのだろうか。

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史)
 礼節面はともかくとして実用面でいうなら、いろいろな指摘は
   あるものの、そのひとつに頭の「衛生管理」の意味合いから
   そうしたらしいよ。
   要するに16世紀の西洋では、ノミやシラミが流行していたことから、
   地毛の頭髪を短く剃って、その代わりに人毛を編んだかつらを
   使用した・・・その名残りといったところかしら。



歴) そんなら、日本だって同じじゃなかったのか?
   ノミやシラミの湧いた「頭」を他人に見せることは大いなる失礼。
   よってもって、それを見せて相手を不快に為せないよう「烏帽子」で
   原因箇所を隠蔽した・・・ってことも考えられるぞ。

史) もうひとつそんなら、「衛生管理」が巧くコントロールできるような
   時代になったからこそ、着帽・脱帽の価値観が逆転したってことに
   なりそうね。
   
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まあ、そればかりではないだろうが、一面は頷ける説明だなあ。
しかし、こんな話を耳にしたことを今ヒョッコリ思い出した。
~もとはと言えば、ハゲや薄毛の王様に媚びへつらう貴族が
  かつら着用を習慣化させた~
ということは、日本の場合もそういう理由だったことも考えられるぞ。
要するに、昔は朝廷公家にもハゲや薄毛の人が少なからずいて、
それがために、とある知恵者が「烏帽子」の着用を習慣化させた。

人間のやることって、古今東西そんなに違うものでなないから、
案外これも的を射た見解なのかもしれん。
それにしてもダ、現代においてさえ、「このハゲ~ッ!」って、
絶叫中傷を繰り返す御仁(とある女性代議士)もいるくらいだから、
昔の日本貴人のお歴々も、頭部のことは案外に気にしていたのかも
知れんなあ。





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日本史探検隊
 姫隊長・史乃古参隊員・歴三研修隊員・記録係
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