たとえば法令違反の業務を強いられているとか、あるいは
労働環境があまりにも劣悪であるとか、現代社会なら、
いわゆる「内部告発」によって、それを表面化することも
できないわけではありますん。
ところが、強い者が勝ち残るという原則の社会「戦国時代」では、
労働者を守るための「労働基準法」も未整備だし、さらには
「コンプライアンス(法令遵守)」の概念も生まれていませんでした。
そのために、多くの大名が今でいう「ブラック企業」に該当していた
だろうことは容易に想像できます。
そして、急成長を見せている「会社(大名)」ほど、その「ブラック度」
が濃いと推測できそうであること。
この点もまた現代と共通していそうです。

--------------------------------
例によって、以下の会話は、日本史探検隊の
史)=姫隊長/史乃(しの)歴)=古参隊員/歴三(れきぞう)です。
--------------------------------

史) ふーむ、「急成長のブラック企業」ってか?
   確かにそうした噂が囁かれる現代企業も少なくないわね。
   その「急成長企業」の目線で「戦国時代」を眺めるなら、
   真っ先に思い浮かぶのは、やっぱり織田信長(1534-1582年)
   でしょうね。
   だって「天下布武」のスローガンを掲げて、まさにイケイケドンドン
   の勢いを見せていたものねぇ。


歴)
 一介の田舎大名に過ぎなかった彼があれよあれよの間に
   将軍すら操る「政界の黒幕」にまでなった陰には、
   どう考えたって、社員(家臣)たちの半端ないガンバリがあった
   はずだ。 別の言葉にすれば、
   ~社員(家臣)たちには過酷なノルマが課せられていた~


史) そうよね、敵対相手を次々と踏み倒せた背景には、確かに
    そうした「ノルマ」があった感じがしないでもないわ。

歴)
 しかし、一つの「過酷ノルマ」を達成すれば、一息つく間もなく
   次の「過酷なノルマ」を押し付けられるとしたら、大抵の人間が
   どこかで限界に達してしまうのも事実だ。

史)
 そうした場合、現代なら、充分とは言えないにしろ、一応は
   「受け皿」が用意されているよね。
   ほら、監督官庁の是正勧告なんかもそうだし、トコトン行き詰って
   しまったなら、内部告発って手段もとれないわけじゃない。
   でも、考えてみれば、「戦国時代」には、そうしたシステムの
   カケラもありゃせんゾってことか。
   これは難儀な状況ね、イヤ、困った困った。

  akechi_mituhide_51 明智光秀

お立ち寄り記念に→ his_nihon88_31 ←応援クリックも! 



----------------------------

しかし、そうは言うものの、戦国時代にも「内部告発」はあった。
告発されたのは、根っからのブラック企業の社長である織田信長で、
告発したのは、そこの幹部社員である明智光秀(1528?-1582年)だ。
~これほどに過酷で果てしないノルマの下では、もはや私の心身は
  ボロボロ状態だ。 この究極の窮地を脱するためには、もはや
  社長本人に消えてもらうしか手段はないですッ~

ここまで言えば、鈍感がウリの姫もさすがに気づいただろうが、
こうした経緯から発生したのが、主君・信長に向けた家臣・光秀の謀反、
あの「本能寺の変」(1582年)だったとも言えなくなない。
----------------------------


史)
 そうだとしたら、光秀の行動は、むしろ「正当防衛」みたいな
   もので、これを「謀反」切って捨てるのもちょっと気の毒な気が
   してくるわ。 

歴) 確かに! 現代人的な評価を下せば、ひょっとしたら、
   ~「内部告発」に踏み切った勇気ある人物~ってことになって
   たかも知れんからなぁ。

   
史) そうした目線で眺めてみると、明智光秀という人物は根っから
   実直で真面目で、しかも実力がありインテリで・・・現代なら、
   政界でも実業界でも立派な業績を収めていたかもしれないね、
   きっとなら。
   そう考えると、生まれた時代が悪かった、ということになっちゃ
   のかなぁ。
----------------------------
ひょっとしたら、その想像は~当たらずと言えども遠からず~かも?


お立ち寄り記念に→ his_nihon88_31 ←応援クリックも! 




日本史探検隊 姫隊長・史乃古参隊員・歴三研修隊員・記録係
-------------------------------