いうテーマが話題になったことがあります。
もっとも、テーマになっただけで、確たる結論を出せないまま
現在に至り、昨今は「消費税UP」などが検討されているのです
から、ある意味では「大きな政府」を目指す傾向にあるというのが
現在の日本なのかもしれません。
「大きな政府」とは、国民に対して、行き届いた行政サービスを
提供する代わりに、その欧文負担も国民に求めようとする
考え方で、その逆が「小さな政府」ということになります。
では、江戸幕府はどちらの性格を帯びていたものか?
それが「小さな政府」だったことは間違いありません。
そもそも、農業に対する「年貢」という税はあったものの、商工業者に
対して「税」を納めよとは言わなかったのですから。
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例によって、以下の会話は、日本史探検隊の
史)=姫隊長/史乃(しの)、歴)=古参隊員/歴三(れきぞう)です。
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史) アッチャー! そうすると商工業者には納税義務がなかった
ということ? 現代の商工業者からすれば、江戸時代ってのは
地上の楽園でありユートピアってことになりそうね。
歴) もっとも、「冥加金/運上金」ってものはあった。
ただしこれは、年貢などの「税」という感覚ではなく、建前と
しては、業者やその組合が納める「御礼金」の意味合いだ。
~毎日仕事に励むことができるのも、お上の計らいのお陰で
あります。 やれ、感謝、感謝~といった感じだ。
史) それを逆に言えば、予算自体が少ないわけだから、現代でいう
行政サービスも大層なものではなかったということね。
そうした環境で、一般市民に不便・不都合はなかったのかしら?
歴) 何かと行き届いたサービスを当たり前のことと捉えている
現代人の感覚からしたら、そりゃあ不便・不都合なんぞは
山ほどあったに違いない。
ただ、そうした現代の制度・サービスを知らない江戸時代の
人間からしたら、それは「当たり前」のことであって、
それほどの不平不満に結びつくことはなかった、というだけの
ことなのかもしれん。
史) そう言えば、江戸時代の警察機構はメッチャ手薄な体制
だったって、聞いたことがあるなぁ。
そんな手薄な体制だったから、「ネズミ小僧」も繰り返し商家の
蔵を狙えることができたのかもね。
同心/容疑者/小物
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先端の科学捜査さえお手のものとする警察機構を整えたとしても、
だからと言って、必ずしも犯罪が減るとは限らない。
それとは逆に、いたって小規模な警察機構だから、必ず犯罪が
増加する、というものでもないワケだ。
現在の「警察」に当たる機構が、江戸時代の「町奉行」だが、実は
その守備範囲が結構広範に渡り、現代言葉でいうなら、
警察はもちろん、消防・立法・裁判・行政面まで担当していた。
しかも、その中で、治安維持を担当するスタッフときたら、その人数は、
江戸の都市全体でせいぜいが数十人ということで、メッチャ少ない。
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史) それではさすがに少なすぎるでしょうに。
なにしろ「ネズミ小僧」みたいな泥棒もいることだし、やっぱり
それ以外の犯罪もあっただろうから。
歴) だから、足らざるところは民間の力を借りたわけだ。
時代劇によく登場する「目明し」(岡っ引き)ってのも、確かに
犯罪捜査の身分証である十手を預ってはいるが、あくまでも
役人(同心)に雇われた立場であって、決して「警察公務員」と
いう身分ではないワケだ。
史) ははん、つまり「小さな政府」って、足らざるところは「民間」が
補わなくてはならないわけか。
つまり、その行政サービスの分を税金で払うか、国民自身が
税金以外の形で補うか、っていうだけの話になりそうね。
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でもな、行政の一端を国民自身が直接に担うってことは、すなわち、
国民が主体の社会構造となち、文字通りに「民主主義」でもあるわけだ。
要するに、声高に「民主主義」を叫ぶのなら、「小さい政府」でなければ
ならない。
また、その場合は、警察や消防を初めとして、かなりの行政サービスは、
それこそ国民主体の形にならざるを得ないわけだ。
こうした場合には、日本人の好きなこのセリフは吐けない。
~お上(政府)のやり方が悪いッ!~
だから、本物の「民主主義」を維持することは、それなりに結構シンドイ
ものだということを、江戸時代の「無税国家」?が教えてくれている
のかもしれんなぁ。
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日本史探検隊 姫隊長・史乃/古参隊員・歴三/研修隊員・記録係
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